JPH1176245A - 生体組織接着剤投与具 - Google Patents

生体組織接着剤投与具

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JPH1176245A
JPH1176245A JP9243856A JP24385697A JPH1176245A JP H1176245 A JPH1176245 A JP H1176245A JP 9243856 A JP9243856 A JP 9243856A JP 24385697 A JP24385697 A JP 24385697A JP H1176245 A JPH1176245 A JP H1176245A
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隆英 岡本
Yoichiro Kono
洋一郎 河野
Tadashi Otani
匡史 大谷
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Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布操作中に接着剤の接着力が低下すること
がなく、かつ深くて狭い患部に適用することのできる生
体組織接着剤投与具を提供する。 【解決手段】 一組のシリンジ体5、5のプランジャ
6、6を一体的に作動させて、シリンジ体5、5の先端
チップ51、51に装着したノズルNから生体組織接着
剤の異なる2成分を射出させるようにした投与具であ
り、ノズルNは、第1ノズル1と第2ノズル2、第3ノ
ズル3、および、メインルーメン41とこのメインルー
メン41から分岐して設けられたサブルーメン42を有
するコネクター4で構成され、前記第2ノズル2からサ
ブルーメン42に射出された接着剤成分が、第1ノズル
1の外壁と第3ノズル3の内壁の間を通って流れ、第3
ノズル3の先端部で第1ノズル1から射出された接着剤
成分と混合する様になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体組織接着剤投与
具に関する。より詳しくは、本発明は、動物性蛋白質を
主成分とする生体組織接着用の接着剤を人間または動物
に対して適用する器具に関する。本発明の生体組織接着
剤投与具は、特に開頭、開腔、開胸手術などに際して、
裸眼で識別しにくい複雑な部位に生体組織接着剤を投与
するのに適している。
【0002】
【従来の技術】動物性蛋白質を主成分とする生体組織接
着剤は、蛋白質の溶液とこの蛋白質の凝塊形成を促進す
る凝固因子の溶液とを混ぜ合わせることにより形成され
る。そして、この種の生体組織接着剤としては、たとえ
ば第XIII 因子およびフィブリノーゲンを含有する溶液
とトロンビン含有溶液とを2成分とするものなどが知ら
れており、生体組織接着剤として広く使用されている。
これらの接着剤の2成分を適用する方法として、異なる
2成分をそれぞれ別の2本のシリンジ体にあらかじめ収
納しておき、これらのシリンジ体に収納された2つの溶
液を同時に注出させて、2つの溶液を混合させながら塗
布する方法が提案されている(特開昭56−15264
1号公報、特開平1−25843号公報、特開平5−5
7009号公報など)。
【0003】例えば、特開昭56−152641号公報
の発明は、2つのシリンジ体の円錐部が生体組織接着剤
の各成分用のコンベア流路を含む集合ヘッドによって接
続され、プランジャを一体的に作動させることにより2
つのシリンジ体から同時に集合ヘッドに溶液を射出させ
るようにしたものであり、特開平1−25843号公報
の発明は、一組のシリンジ体のプランジャを一体的に作
動させて、シリンジ体の先端チップに装着した刃先の無
い変形自在なノズルから接着剤の異なる2成分を射出さ
せる様にしたものである。また、特開平5−57009
号公報の発明は、腹腔内等における内視鏡を使用しての
手術に適用するために、可撓性を有するダブルルーメン
チューブに薬液噴霧部を取り付けたものである。
【0004】しかしながら、特開昭56−152641
号公報の発明は、集合ヘッドに接着剤塗布用の注射針等
を接続して使用する場合には、2液混合後塗布までの距
離が長くなるので、塗布操作中に接着剤の固化が進んで
接着剤の接着力が低下することが避けられないという問
題を有しており、また、2本のノズルを使用する特開平
1−25843号公報の発明や、ダブルルーメンチュー
ブを使用する特開平5−57009号公報の発明は、断
面の径が大きいため、深くて狭い患部に届かないという
欠点を有するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、如上の事情
に鑑みてなされたもので、塗布操作中に接着剤の接着力
が低下することがなく、かつ深くて狭い患部に適用する
ことのできる生体組織接着剤投与具を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、ノズルの断面積を小さくするためにノズルを二
重管構造にし、接着剤の2成分を別々に同心状の流路を
通して流し、ノズルの先端部で2成分が混合するように
すればよいことに想到し、本発明を完成した。すなわち
本発明は、一組のシリンジ体のプランジャを一体的に作
動させて、シリンジ体の先端チップに装着したノズルか
ら生体組織接着剤の異なる2成分を射出させるようにし
た投与具において、該ノズルが、基端側の第1ノズルと
第2ノズル、先端側の第3ノズル、および、前記第1ノ
ズルが挿通されるメインルーメンと該メインルーメンか
ら分岐して設けられ前記第2ノズルと接続されるサブル
ーメンを有する中間のコネクターで構成され、前記第2
ノズルからサブルーメンに射出された接着剤が、前記第
1ノズルの外壁と前記第3ノズルの内壁の間を通って流
れ、該第3ノズルの先端部で前記第1ノズルから流出し
た接着剤と混合する様にされてなる生体組織接着剤投与
具に関する。ここで、第1ノズルをハブと長いカヌラか
ら構成し、第2ノズルをハブと短い可撓性チューブから
構成し、第3ノズルをハブと長い可撓性チューブから構
成するとともに、コネクターのメインルーメンの基端側
に第1ノズルのカヌラを液密に支持可能な小径部を設
け、サブルーメンをメインルーメンの小径部に近接して
このメインルーメンから分岐して設けるのが好ましい。
また、第1ノズルのカヌラの先端は第3ノズルのチュー
ブの先端から3〜10mm後退させるのが好ましい。メ
インルーメンが開口するコネクターの基端には、第1ノ
ズルのハブの先端部を装着するハブ装着部を設けてもよ
い。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について図面
に基づいて説明する。図1は本発明の生体組織接着剤投
与具の一実施例を示す平面図であり、図2は図1に示す
コネクターの平面図、図3は図2の正面図、図4は図3
のX−X線拡大断面図、図5は図1のY−Y線拡大断面
図である。図1に示すように、本発明の生体組織接着剤
投与具は、一組のシリンジ体5、5のプランジャ6、6
を一体的に作動させて、シリンジ体5、5の先端チップ
51、51に装着したノズルNから生体組織接着剤の異
なる2成分を射出させるようにした投与具であり、ノズ
ルNは、第1ノズル1と第2ノズル2、第3ノズル3、
および、メインルーメン41とこのメインルーメン41
から分岐して設けられたサブルーメン42を有するコネ
クター4で構成され、前記第2ノズル2からサブルーメ
ン42に射出された接着剤成分が、第1ノズル1の外壁
と第3ノズル3の内壁の間を通って流れ、第3ノズル3
の先端部で第1ノズル1から射出された接着剤成分と混
合する様になっている。尚、図中、7はプランジャ6、
6を一体的に作動させるための一体的作動手段であり、
8はシリンジ保持手段である。
【0008】ノズルNは、基端側の第1ノズル1と第2
ノズル2、中間のコネクター4、先端側の第3ノズル3
から構成されており、第1ノズル1は一般にポリプロピ
レンやポリスチレン等の透明なプラスチック製のハブ1
1とポリテトラフルオロエチレンやポリエチレン、ポリ
プロピレン等のプラスチックや焼鈍されたステンレスで
形成された長いカヌラ12からなる。ここで、カヌラ1
2の材質としては焼鈍されたステンレスが好ましい。焼
鈍されたステンレスで形成されたカヌラは、柔軟かつ変
形された形状を維持することができるので、狭くて複雑
な部位への適応が可能である。また、第2ノズル2は前
記ハブ11と同様のプラスチック製のハブとポリエチレ
ンやポリプロピレン、ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニ
ル、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチックで形
成された可撓性チューブ22からなり、第3ノズル3は
前記ハブ11と同様のプラスチック製のハブ31とポリ
エチレンやポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル等のプ
ラスチックで形成された長い可撓性チューブ32からな
る。ここで、第2ノズル2のチューブ22は、ポリウレ
タンや軟質ポリ塩化ビニル等で形成された柔軟なものが
好ましく、この場合、第1ノズル1をコネクター4内で
後方にスライドさせることにより、第3ノズル3のチュ
ーブ32内で第1ノズル1のカヌラ12の先端の位置を
随時調節することができるので、第3ノズル3のチュー
ブ32の先端部を切断することによりノズルN先端部の
目詰まりを随時解消することができる。
【0009】コネクター4はメインルーメン41とこれ
から分岐したサブルーメン42を有する、一般にポリエ
チレンやポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネート等でY字状に形成された接続手段であり、メイン
ルーメン41にはその先端で第3ノズル3が接続され、
サブルーメン42には第2ノズル2が接続されている。
メインルーメン41は第1ノズル1のカヌラ12を挿通
可能な真っ直ぐなルーメンであり、その基端側にカヌラ
11を液密に支持可能な小径部411を有している。メ
インルーメン41にはその基端側から第1ノズル1のカ
ヌラ12が挿通されており、カヌラ12は小径部411
で液密に支持されるとともにコネクター4の先端から大
きく突出している。また、メインルーメン41の基端に
は必要ならば第1ノズル1の固定を良くするために第1
ノズル1のハブ11の先端部を装着するためのハブ装着
部43を設けてもよい。サブルーメン42はメインルー
メン41の小径部411に近接してメインルーメン41
から分岐して設けられており、このサブルーメン42に
は第2ノズル2のチューブ22が接続されている。コネ
クター4の先端には第3ノズル3のハブ31が装着され
ており、コネクター4の先端から突出した第1ノズル1
のカヌラ12は、第3ノズル3のチューブ32の中に同
心状かつチューブ32の先端から所定長後退するように
配置されている。カヌラ12のチューブ32先端からの
後退長さは、第2ノズル2からサブルーメン42に射出
され第1ノズル1の外壁と第3ノズル3の内壁の間を通
って流れてきた接着剤成分を、第3ノズル3の先端部
で、第1ノズル1から射出された接着剤成分と混合させ
るために必要な距離、および混合後の接着剤の固化を勘
案して、好ましくは3〜10mmに選択される。
【0010】次に本発明の生体組織接着剤投与具の使用
について図1を用いて説明する。一体的作動手段7を指
などで押してプランジャ6、6を一体的に前進させる
と、シリンジ体6、6に収容された2つの接着剤成分が
それぞれ第1ノズル1および第2ノズル2に射出され、
第1ノズル1を通って流れる接着剤成分は第3ノズルの
先端から所定長後退した位置でチューブ32の中に射出
される。一方、第2ノズル2に射出された接着剤成分
は、第2ノズル2を通ってサブルーメンに射出され、第
1ノズル1のカヌラ12の外壁と第3ノズル3のチュー
ブ32の内壁の間を通って流れ、第3ノズル3の先端部
で第1ノズル1から射出した接着剤成分と混合してチュ
ーブ32の先端から射出される。
【0011】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかな様
に、本発明の生体組織接着剤投与具を採用することによ
り、塗布操作中に接着力の低下を生ずることなく、深く
て狭い患部に生体組織接着剤を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体組織接着剤投与具の一実施例を示
す平面図である。
【図2】図1に示すコネクターの平面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図3のX−X線拡大断面図である。
【図5】図1のY−Y線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第1ノズル 11 ハブ 12 カヌラ 2 第2ノズル 21 ハブ 22 チューブ 3 第3ノズル 31 ハブ 32 チューブ 4 コネクター 41 メインルーメン 411 小径部 43 ハブ装着部 42 サブルーメン 5 シリンジ体 51 チップ 6 プランジャ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一組のシリンジ体のプランジャを一体的
    に作動させて、シリンジ体の先端チップに装着したノズ
    ルから生体組織接着剤の異なる2成分を射出させるよう
    にした投与具において、該ノズルが、基端側の第1ノズ
    ルと第2ノズル、先端側の第3ノズル、および、前記第
    1ノズルが挿通されるメインルーメンと該メインルーメ
    ンから分岐して設けられ前記第2ノズルと接続されるサ
    ブルーメンを有する中間のコネクターで構成され、前記
    第2ノズルからサブルーメンに射出された接着剤成分
    が、前記第1ノズルの外壁と前記第3ノズルの内壁の間
    を通って流れ、該第3ノズルの先端部で前記第1ノズル
    から射出された接着剤成分と混合する様にされてなる生
    体組織接着剤投与具。
  2. 【請求項2】 第1ノズルがハブと長いカヌラからな
    り、第2ノズルがハブと可撓性チューブからなり、第3
    ノズルがハブと長い可撓性チューブからなるとともに、
    コネクターのメインルーメンの基端側に第1ノズルのカ
    ヌラを液密に支持可能な小径部が設けられ、サブルーメ
    ンがメインルーメンの小径部に近接して該メインルーメ
    ンから分岐して設けられてなる請求項1に記載の生体組
    織接着剤投与具。
  3. 【請求項3】 第1ノズルのカヌラの先端が第3ノズル
    のチューブの先端から3〜10mm後退している請求項
    2に記載の生体組織接着剤投与具。
  4. 【請求項4】 メインルーメンが開口するコネクターの
    基端に、第1ノズルのハブの先端部を装着するハブ装着
    部が設けられてなる請求項1〜3のいずれかに記載の生
    体組織接着剤投与具。
  5. 【請求項5】 第1ノズルのカヌラが焼鈍されたステン
    レスで形成されてなる請求項2に記載の生体組織接着剤
    投与具。
  6. 【請求項6】 一組のシリンジ体のプランジャを一体的
    に作動させて、シリンジ体の先端チップに装着したノズ
    ルから生体組織接着剤の異なる2成分を射出させるよう
    にした投与具において、該ノズルが、ハブと長いカヌラ
    からなる基端側の第1ノズルと、ハブと短い可撓性チュ
    ーブからなる基端側の第2ノズルと、ハブと長い可撓性
    チューブからなる先端側の第3ノズルと、前記第1ノズ
    ルのカヌラを挿通可能であり、基端側に該カヌラを液密
    に支持可能な小径部を有するメインルーメンと、該メイ
    ンルーメンの小径部に近接してメインルーメンから分岐
    して設けられたサブルーメンを有するコネクターで構成
    され、該サブルーメンに前記第2ノズルのチューブが接
    続されるとともに、前記第3ノズルのハブが前記コネク
    ターの先端に装着され、前記第1ノズルのカヌラが前記
    メインルーメンに挿通されて、該第2ノズルからサブル
    ーメンに射出された接着剤が、前記第1ノズルのカヌラ
    の外壁と前記第3ノズルのチューブの内壁の間を通って
    流れ、該第3ノズルの先端部で前記第1ノズルから流出
    した接着剤と混合して射出される様にされてなる生体組
    織接着剤投与具。
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