JPH1175713A - 養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびその方法 - Google Patents

養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびその方法

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Publication number
JPH1175713A
JPH1175713A JP9265105A JP26510597A JPH1175713A JP H1175713 A JPH1175713 A JP H1175713A JP 9265105 A JP9265105 A JP 9265105A JP 26510597 A JP26510597 A JP 26510597A JP H1175713 A JPH1175713 A JP H1175713A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
kojic acid
fish
feed
administering
muscle
Prior art date
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Pending
Application number
JP9265105A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihide Nishijima
都英 西島
Katsuyuki Kataoka
勝幸 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
Original Assignee
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Publication date
Application filed by Kohjin Holdings Co Ltd, Kohjin Co filed Critical Kohjin Holdings Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 養殖魚、例えばマダイ、トラフグ、ヒラメ等
の白身魚の筋肉中の黒色の筋を減少させる、メラニン沈
着抑制用飼料およびメラニン沈着抑制方法を提供する。 【構成】 養殖魚に、コウジ酸を魚体重1kg当たり1
〜100mg/1日、投与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コウジ酸を含有す
る、養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびメラ
ニン沈着抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在最も生産量の多い養殖魚はブリであ
るが、ブリの餌量として主流となっているモイストペレ
ットの主原料であるイワシ漁獲量が激減し、生餌の価格
が高騰している。このような状況下、採算性の維持と生
産量の分散化を図る意味で、一業者一魚種ではなく、一
業者で複数の魚種の生産が行なわれるようになってきて
いる。
【0003】ブリ養殖を行う業者が、同時に他魚種を生
産する場合、着手しやすいのがマダイ養殖である。マダ
イは種苗生産が安定しており、比較的病気に強いため、
育てやすい。給餌も、ブリ養殖ではモイストペレットが
主流であるのに対して、マダイでは、出荷前の色揚げ時
にモイストペレットを使用することもあるが、通常ドラ
イペレットを使用することが多いため、自動給餌機を設
置すれば人手がかからない。また、モイストペレットを
使用する場合でも、ペレットの配合は異なるが、設備と
してはブリの場合と同様である。加えて、マダイは一般
的に慶祝事に使われることから、需要も多く、価格的に
も安定している。その他にも、トラフグやヒラメといっ
たいわゆる高級魚を手がける業者も増加してきている。
【0004】コウジ酸は、味噌、醤油、酒などに色や風
味を与えるコウジカビの培養液から単離されたもので、
1907年に米こうじ中より発見され、その後基礎研究
レベルで種々の金属とのキレート形成機能、酸化防止機
能、紫外線吸収能、抗菌性、美白作用などの機能が確認
されている。前述の機能中、美白作用は、日本酒の醸造
に携わる杜氏の手が白いことから見いだされ、シミ、そ
ばかすの原因となるメラニンの生成を抑制することが明
らかになったことから、現在ではコウジ酸を添加した美
白化粧品が市販されている。更に、コウジ酸を用いた養
殖マダイの体表の黒化・褐色化を防止する方法が報告さ
れている(特公平6−55082号公報、特開平2−1
17348号公報、特開平3ー43048号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】養殖魚は天然魚に比
べ、肉質や外見の品質が劣るとされ、商品価値が低い。
例えば天然のマダイは、太陽光のほとんど届かない海底
付近に棲息し、餌として、生きたエビなどの甲殻類を食
べている。従って、日焼けすることがないため、体表は
きれいなピンク色である。それに対して、養殖では海面
近くで太陽光が直接当たり、また、色揚げ用のオキアミ
等に鮮度の落ちたものを使用することも多い。従って、
日焼け、あるいは鮮度の落ちた甲殻類から、メラニンを
直接吸収して黒くなる。養殖マダイの体表が赤黒いの
は、このためである。養殖マダイのメラニンの沈着は、
体表だけにとどまらず、筋肉中にも現れる。マダイを刺
身にしたとき、養殖マダイでは、身の中に黒い筋がはっ
きりと認められる。この黒い筋は天然マダイの刺身には
認められない。これらは、生簀に遮光幕をかけること
で、ある程度改善される(松井ら、日本水産学会誌 19
91 58 1459)。しかしながら、遮光幕だけでは筋肉中の
メラニン沈着はある程度までしか除去できず、黒い筋が
目立つのが現状である。筋肉中に黒い筋があるために、
養殖マダイの商品価値が下がっているのは事実である。
【0006】養殖することによって筋肉中にメラニンが
沈着する現象は、マダイに限らず、他の白身魚、トラフ
グやヒラメなどにも共通してみられる。特にトラフグや
ヒラメの刺身では、器の柄が見えるほど薄くすることが
多い。薄引きにすると、筋肉中の黒い筋が目立ちやすく
なるため、養殖物は好まれない。
【0007】このように、白身魚、例えばマダイ、トラ
フグ、ヒラメなどの養殖では、養殖環境が天然魚の棲息
する環境と異なること、餌量中にメラニンが含まれるこ
とによって、血管にメラニンが沈着し、筋肉中に黒い筋
となって現れ、結果的に魚の商品価値が下がるという問
題点を有していた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するため鋭意検討した結果、コウジ酸を養殖
魚に投与することにより、養殖魚の筋肉中の黒い筋が少
なくなることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、コウジ酸を含有する、養殖魚筋肉中の
メラニン沈着抑制用飼料およびメラニン沈着抑制方法を
提供するものである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いう養殖魚とは、マダイ、トラフグ、ヒラメ等の白身魚
をいう。また、本発明に用いられるコウジ酸としては、
精製品、粗精製品、コウジ菌体中のコウジ酸、あるいは
培養液中のコウジ酸を挙げることができる。
【0010】本発明の方法に用いられるコウジ酸の使用
量は、対象となる魚の魚体重1kg当たり、1日1〜1
00mg、好ましくは5〜40mgが望ましく、出荷前
に30〜100回投与する。これより少ないと、筋肉中
の黒い筋の減少が十分ではなく、また、これ以上にして
も効果に変わりはない。
【0011】投与方法としては、コウジ酸をイサザアミ
や配合飼料と共にイカナゴ、アジ、イワシ、サバ等の魚
肉に添加、混合したモイストペレットを投与する方法、
コウジ酸を生餌にからめて投与する方法、コウジ酸を含
有するドライペレットを投与する方法、あるいはコウジ
酸をドライペレットに吸着させて投与する方法等があげ
られる。ドライペレットは、コウジ酸と魚粉や市販の配
合飼料等を混合し、ディスクペレッター、エクストルー
ダ等を用いることにより製造することができる。バイン
ダーとして溶媒を使用する場合、水、アルコール等を用
いることが望ましい。これらモイストペレットあるいは
ドライペレット等の飼料中のコウジ酸の含有量は、投与
方法、飼料の配合比、魚体重などによって異なるが、通
常、0.01〜1%程度が好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げて更に詳細に
説明する。 実施例 1 マダイの飼育試験を以下の通り行った。平均体重約1.
1kgのマダイを用い、試験群および対照群各6000
尾をそれぞれ10m×10m×8mの海上生簀で飼育し
た。給餌は1〜3日に1回、生餌と配合飼料(マダイモ
イストDX、日清製粉(株)製)とを6:4で配合した
モイストペレットを投与した。試験群には、前記モイス
トペレットにコウジ酸(興人製)を0.15%(コウジ
酸として20mg/kg魚体重/回)となるように添加
したモイストペレットを対照群と同様に投与した。35
回投与後(2カ月後)、対照区およびコウジ酸投与区か
らそれぞれ3尾ずつサンプリングし、3枚におろし、皮
を剥ぎ、皮側について観察した結果、対照区には全体的
に黒い筋がみられたが、コウジ酸投与区ではほとんどみ
られなかった。更に、それぞれの切り身を刺身状にし、
中央部の5枚について切り口を写真にとり、刺身1枚に
つき、3cm2 当たりの黒い筋の長さ(mm)を測定し
た。結果を表1に示す。なお、表中の数値は5枚分の総
計とした。
【0013】
【表1】
【0014】表1からも明かな通り、対照区と比較して
コウジ酸投与区では、筋肉中のメラニン沈着が抑制さ
れ、黒い筋が非常に少ないことが分かる。
【0015】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の養殖魚筋肉
中のメラニン沈着抑制用飼料あるいはメラニン沈着抑制
方法によると、養殖魚の筋肉中の黒色の筋を減少し、商
品価値の高い魚を生産することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コウジ酸を0.01〜1%含有した、養
    殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料。
  2. 【請求項2】 コウジ酸を魚体重1kg当たり1〜10
    0mg/1日、投与することを特徴とする養殖魚筋肉中
    のメラニン沈着抑制方法。
JP9265105A 1997-09-12 1997-09-12 養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびその方法 Pending JPH1175713A (ja)

Priority Applications (1)

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JP9265105A JPH1175713A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびその方法

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JPH1175713A true JPH1175713A (ja) 1999-03-23

Family

ID=17412682

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JP9265105A Pending JPH1175713A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 養殖魚筋肉中のメラニン沈着抑制用飼料およびその方法

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JP (1) JPH1175713A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104522412A (zh) * 2014-12-30 2015-04-22 青岛农业大学 一种红鳍东方鲀快速养成饲料及制备方法

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