JPH1174598A - 高速光パルス発生装置 - Google Patents

高速光パルス発生装置

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JPH1174598A
JPH1174598A JP9246182A JP24618297A JPH1174598A JP H1174598 A JPH1174598 A JP H1174598A JP 9246182 A JP9246182 A JP 9246182A JP 24618297 A JP24618297 A JP 24618297A JP H1174598 A JPH1174598 A JP H1174598A
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JP
Japan
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pulse train
optical
mode
optical pulse
repetition frequency
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Pending
Application number
JP9246182A
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English (en)
Inventor
Shin Arataira
慎 荒平
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Satoko Kutsuzawa
聡子 沓沢
Daisuke Kunimatsu
大介 国松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 マスターモード同期レーザ1にジッタ成
分の少ない、繰り返し周波数frt/mの光パルス列を
発生させる。このパルス列を、特定の長さを持つ通常の
シングルモード光ファイバからなる、伝送路2を通して
繰り返し周波数frtに変換する。この変換した光パル
ス列をスレーブ受動モード同期レーザ3に注入して、高
速光パルス出力を得る。 【効果】 伝送路2によってスプリアス成分を抑制する
ことが可能になったため、出力パルスの振幅変動を抑制
することが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大容量光通信等に
用いられる繰り返し周波数の高い光パルス列発生装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル信号を用いた光通信を行う場
合には、できるだけ繰り返し周波数の高い光パルス列が
要求される。こうした光パルス列を発生する方法とし
て、半導体レーザを用いたものがある。半導体レーザを
用いた光パルス列を発生する方法として、利得スイッチ
法、外部変調法、能動モード同期法等が知られている。
これらの方法では、パルス繰り返し周波数の上限が、阻
止の緩和振動周波数や、電極部の周波数帯域によって制
限される。現状、その上限は30〜40GHzである。
これらの問題が発生しない方法として受動モード法が提
案されている。例えば、文献(1)S.Arahiraet al.,
“Terahertz-rate optical pulse generationfrom a pa
ssively mode-locked semiconductor laser diode Opt.
Lett.,voL.19,pp.834-836,1994に紹介されている。
【0003】この方法では、光パルスの発生が、外部か
らの変調信号なしに自発的に生じるために上記のような
電気的問題は発生しない。ところがこの方法にも、発生
したパルス出力に含有する、ジッタ成分が大きいこと
と、発生パルス出力と外部回路の同期をとることが難し
いという欠点がある。そこでこの問題を解決するために
サブハーモニック光シンクロナスモード同期法が提案さ
れている。例えば、文献(2)S.Arahira et al.“Sync
hronousmode-locking inpassivelymode-lockedsemicond
uctorlaserdiodes using optical short pulsesrepeate
d atsubharmonicsofthecavity round-tripfrequency,
“IEEE Photon. Technol.Lett.,vol.8,pp.191-193,199
6.に紹介されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のサブ
ハーモニック光シンクロナスモード同期法にも以下に記
すような解決すべき課題があった。サブハーモニック光
シンクロナスモード同期法では、受動モード同期レーザ
に、モード同期レーザのモード同期周波数frtをfr
t/m(ここで分周比mは整数)に分周した低ジッタ光
パルス列を注入する。このパルス列は必ずしも光信号で
ある必要はなく、電気信号でも良い。この光または、電
気信号をモード同期レーザのモード同期周波数frtに
同期させる。それによって受動モード同期レーザの時間
ジッタが低減する。ところが、分周比mを大きくする程
モード同期レーザの出力パルス列に周波数frt/mに
同期した、振幅変動が発生するという、解決すべき課題
があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の点を解
決するために、次の構成を採用する。 〈構成1〉出力側で要求される高速光パルス列の繰り返
し周波数をfrtとしたとき、m(正の整数)分のfr
tの繰り返し周波数で光パルス列を出力するマスターモ
ード同期レーザと、このマスターモード同期レーザの出
力を受け入れて、光パルス列に含まれる光の各モードが
それぞれ異なる群速度で伝搬し、上記繰り返し周波数f
rt成分、及び、frtの整数倍高調波成分を強調し、
その他の周波数成分を減衰させた光パルス列を出力する
所定長の光伝送路と、光伝送路の出力する光パルス列を
注入した時に、この光パルス列の繰り返し周波数frt
に同期したパルス列を出力するスレーブ受動モード同期
レーザを備えたことを特徴とする、高速光パルス発生装
置。
【0006】〈構成2〉高速光発生ブロックの、出力側
で要求される光パルス列の繰り返し周波数をfrtとし
たとき、m(正の整数)分のfrtの繰り返し周波数で
光パルス列を出力するマスターモード同期レーザと、複
数の上記高速光発生ブロックを直列接続して構成され、
各高速光発生ブロックは、上記マスターモード同期レー
ザの出力、又は、直列接続した直前の高速光発生ブロッ
クの出力を受け入れて、光パルス列に含まれる光の各モ
ードがそれぞれ異なる群速度で伝搬し、上記繰り返し周
波数frt成分、及び、frtの整数倍高調波成分を強
調し、その他の周波数成分を減衰させた光パルス列を出
力する所定長の光伝送路と、光伝送路の出力する光パル
ス列を注入した時に、この光パルス列の繰り返し周波数
frtに同期したパルス列を出力するスレーブ受動モー
ド同期レーザを備えたことを特徴とする、高速光パルス
発生装置。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
について詳細に説明する。 〈具体例1の構成〉図1は、具体例1の構成図である。
具体例1の構成について説明する前に、本願の発明者等
が、上記文献(2)に紹介している技術内容の内、本具
体例の理解に必要な技術内容について図を用いて説明す
る。
【0008】図2は、モード同期レーザ出力の周波数ス
ペクトル図である。横軸に周波数、縦軸に光強度を表
す。受動モード同期レーザに、モード同期周波数frt
をm分の1(ここで分周比mは整数)に分周した光パル
ス列を注入して得た、出力パルス列の周波数スペクトル
を示している。モード同期レーザとして、DBR(dist
ributed Bragg Reflector)型のレーザダイオードを用
いた。またこのモード同期レーザに注入するfrt/m
の光パルス列をDFB(Distrbuted Feedback)型レー
ザダイオードを用いて生成した。
【0009】(a)は、m=2の時の出力を示してい
る。注入する光パルス列の繰り返し周波数frt/2
は、4.25GHzである。図から、モード同期レーザ
の出力パルス列の周波数8.5GHzの成分と、注入す
る光パルス列の繰り返し周波数の成分とのレベル差は、
30dB以上と、読み取れる。出力パルスに重畳される
スプリアス成分が少ないことを意味する。(b)は、m
=3の時の出力を示している。注入する光パルス列の繰
り返し周波数frt/3は、2.833GHzである。
図から、モード同期レーザの出力パルス列の周波数8.
5GHzの成分と、注入する光パルス列の繰り返し周波
数の成分とのレベル差は、15dB前後と、読み取れ
る。出力パルスに重畳されるスプリアス成分は、無視で
きないことを意味する。
【0010】(c)は、m=4の時の出力を示してい
る。注入する光パルス列の繰り返し周波数frt/4
は、2.125GHzである。図から、モード同期レー
ザの出力パルス列の周波数8.5GHzの成分と、注入
する光パルス列の繰り返し周波数の成分とのレベル差
は、10dB前後と、読み取れる。出力パルスに重畳さ
れるスプリアス成分は、極めて大きい。従って最早この
モード同期レーザは、正常に発振することすら難しい状
態にある。以上の結果から、分周比mを大きくすればす
る程、出力パルスに重畳されるスプリアス成分が大きく
なることが分かる。更に、このスプリアスは周波数fr
t/mに同期した、振幅変動の要因であると判断でき
る。従って、このスプリアスを抑制することが本発明の
目的である。
【0011】再度図1に戻って具体例1の構成について
説明する。具体例1による高速光パルス発生装置は、マ
スターモード同期レーザ1と、光学的結合部Aと、光伝
送路2と、光学的結合部Bと、スレーブ受動モード同期
レーザ3と、光学的結合部Cとを、備える。マスターモ
ード同期レーザ1は、図には記してない外部信号に同期
して、繰り返し周波数frt/mの低ジッタ光パルス列
を発振するモード同期レーザである。光学的結合部A
は、マスターモード同期レーザ1と伝送路2との間に結
合して、マスターモード同期レーザ1が発振した光パル
ス列を光伝送路2に供給する部分であり内部に光アイソ
レータ等を備えている。
【0012】伝送路2は、特定の長さを持つ、通常のシ
ングルモード光ファイバからなり、その長さZpを適当
に選定することによって、光学的結合部Aから供給され
た光パルス列を、高い繰り返し周波数の光パルス列に変
換する部分である。具体例1では、繰り返し周波数fr
t/mの光パルス列を光学的結合部Aから供給され、繰
り返し周波数frtの光パルス列に変換する部分であ
る。更に、すでに説明した、分周比mを大きくした時
に、出力パルスに重畳されるスプリアス成分を抑制する
部分でもある。この動作原理、及び長さZpを求める理
論については、後に詳細に説明する。
【0013】光学的結合部Bは、伝送路2と、スレーブ
受動モード同期レーザ3との間に結合して、伝送路2が
変換生成した、高い繰り返し周波数の光パルス列をスレ
ーブ受動モード同期レーザ3に注入する部分である。こ
の入力する光パルス列によってスレーブ受動モード同期
レーザ3にサブハーモニック光シンクロナスモード同期
を起こさせるために光増幅器や、偏波面コントローラ等
を備えている。
【0014】スレーブ受動モード同期レーザ3は、伝送
路2が変換生成した、高い繰り返し周波数の光パルス列
を注入すると、内部でサブハーモニック光シンクロナス
モード同期を起こして、その注入したパルス列の繰り返
し周波数に同期して、モード同期周波数frtに等しい
パルス繰り返し周波数の光パルス列を出力する部分であ
る。光学的結合部Cは、スレーブ受動モード同期レーザ
3が出力したモード同期周波数frtに等しいパルス繰
り返し周波数の光パルス列を、図には記してない他の装
置に供給する部分である。
【0015】〈具体例1の動作〉図1において、マスタ
ーモード同期レーザ1が、分周比m=3として、パルス
繰り返し周波数frt/3のパルス列の出力を開始した
と仮定する。その時の出力を図を用いて説明する。図3
は、マスターモード同期レーザ出力パルスの強度波形と
周波数スペクトル図である。(a)は、パルス列の出力
波形を示す。横軸に時間、縦軸に強度を表す。図に示す
通り、繰り返し周期trt=3/frtでジッタ成分の
少ないパルス列を出力する。(b)は、そのパルス列の
周波数スペクトルを示す。横軸に周波数、縦軸に強度を
表す。図に示す通り繰り返し周波数間隔frt/3の連
続スペクトルを示している。このマスターモード同期レ
ーザ出力が光学的結合部Aをへて伝送路2に供給され
る。伝送路2は、光学的結合部Aから供給された光パル
ス列を、高い繰り返し周波数の光パルス列に変換する。
変換原理について以下に説明する。この変換原理は、特
願平9−87591号(発明者、出願人、本願に同じ)
に詳細に紹介されている。
【0016】(繰り返し周波数の高い光パルス列への変
換原理)図1においてマスターモード同期レーザ出力が
光学的結合部Aを経て伝送路2に供給される。図4に、
光パルス列複素振幅の説明図を示す。図4の(a)に
は、パルス繰り返し周波数frt/3で発振する、モー
ド同期レーザの光パルス列複素振幅を示す式を図示し
た。モード同期レーザは、等周波数間隔で並んだ位相の
固定された複数の共振モードを重ね合わせて光パルス列
を発生する。図の(1)式に示すように、n番目のモー
ドの光は、光パルス列の繰り返し周波数frt/3、真
空中の光速度C、真空中の波長λ、n番目の振幅や相対
位相等によって表される。
【0017】図4(b)には、光ファイバ伝送後の光パ
ルス列復素振幅を示す(2)式を図示した。この図に示
すように、モード同期レーザの出力口を光ファイバのよ
うな、光伝送モードを有する伝送媒質中に伝搬させる
と、この図のように各モードが表される。各モードは、
即ちその各モードの群速度、群遅延に起因する位相変化
量、光ファイバの長さ等に基づいて表される。
【0018】図5に、モード同期レーザ出力の説明図を
示す。なお、理想的なAMモード同期の場合には、光の
各モードは同相で発振する。このとき、各モードの発振
波形はexp(i2πnfrt・t/3)の複素関数の
形で表される。しかし、ここでは簡単のため、各モード
の発振波形を余弦関数cos(2πnfrt・t/3)
の形で表すことにする。
【0019】この図の(a)は、AMモード同期におけ
る光出力パルス列に含まれる各モードの光発振波形を示
したものである。横軸に時間、縦軸に振幅を表した。図
の(a)に示すように、各モードは同相で発振してい
る。従って、各モードの極大値をとる時間が周期trt
(繰り返し周波数frt/3の逆数)毎に重なる。この
図に示すように、両端の各モードの極大値をとる部分で
は、出力はこれらの極大値の単純和となり、パルス振幅
が最大になる。一方、両端以外の部分では、各モードの
極大値(正の値)と極小値(負の値)とが重なりあった
り、各モードの振幅がゼロであったりするため、振幅の
和が減少する。
【0020】(b)には、繰り返し周期trtに対応し
た経過時間の光強度プロファイルを示した。この図に示
すように、時間trt毎に光強度が最大となるようなピ
ークが得られる。(c)には、モード同期レーザ出力の
光スペクトルを示す。図の棒グラフの頂点に示したの
は、モード番号nである。棒の長さは各モードの振幅を
示す。こうしたモード同期レーザの光出力パルス列を各
モードがそれぞれ異なる群速度で伝搬する光伝送路に入
力すると、群速度分散が生じ、図4(b)に示すように
各モードの相対的な位相関係が変わる。この技術は、例
えば次のような技術文献に記載されている(A.Yariv
著、多田邦雄、神谷武志共訳「光エレクトロニクスの基
礎」原書3版、p.45、丸善)。
【0021】図6に、光ファイバの基準長の説明図を示
す。図6(a)には、上記のような分散による各モード
の群遅延に起因する位相変化量を図示した。図の(3)
式に示すように、群遅延による位相変化量は各モードの
光の周波数の2乗に比例し、nが正の場合も負の場合も
同一の値をとる。モード同期レーザの出力する光パルス
列をこのような群速度分散を持つ分散媒質中に伝搬させ
ると、各モード毎に異なる遅延が生じることから、伝搬
後の光パルス列に波形変化が生じる。そこで、まず各モ
ードの波形変化が生じない光ファイバ等の光伝送路長を
基準長と定義し、これとの関係を以下に説明する。
【0022】図6(b)は、光ファイバの基準長を定義
する式である。基準長Zpは、図に示すように真空中の
光速度Cとマスターモード同期レーザ1の中心波長λ
m、入力パルスの周波数frt/3、及び波長λmでの
ファイバの群速度分散値Dmによって決まる値である。
なお、このときの位相変化量は図6(3)式に(4)式
を代入することによって(5)式に示すように表され
る。この基準長Zpの光ファイバを伝搬させた場合の出
力は、図5に示すものと同一になる。一方、理想的なA
Mモード同期の場合、各モードの相対位相差φn がゼロ
であれば、距離Zpの半分の距離即ちZp/2で出力パ
ルス列の波形が元に戻る。
【0023】図7には、N=1のときの発生光パルス列
の説明図を示す。なお、このNというのは、モード同期
レーザから出力される光パルス列の繰り返し周波数と光
ファイバを伝搬して出力された光パルス列の繰り返し周
波数の比を示すものとする。図の(a)、(b)、
(c)は、図5に示したものと全く同様の形式のグラフ
である。図5(a)と図7(a)とを比較してわかるよ
うに、奇数番目のモードの極大と極小が入れ替わってい
るだけで、全てのモードが極大値で重なり合うタイミン
グがtrt/2だけずれている。その結果、図の(b)
に示す光強度プロファイルはtrt/2の部分で最大出
力が得られている。この最大出力を示す周期も図5に示
したものと同一である。(c)に示したスペクトルも変
わらない。
【0024】ところが、図4(b)に示した式によれ
ば、光ファイバの長さがZp/2以下になった場合、各
モードの波形の極大値や極小値をとるタイミングが必ず
しも一致しないため、出力される光パルス列の波形は複
雑に変化する。図8と図9に、発生光パルス列とZの関
係説明図を示す。Zは、Zpで表した光ファイバ長であ
る。なお、モード同期レーザの出力は繰り返し周波数が
frt/3HzのAMモード同期光パルス列とした。な
お、(a)〜(e)は、それぞれZ=0,Z=1/8Z
p,Z=1/6Zp,Z=1/4Zp,Z=1/2Zp
の場合の光強度を示す。横軸は時間で、この値は図4
(b)に示した(2)式の(e)の係数である。
【0025】図8(a)は、モード同期レーザの出力そ
のものである。(b)は図6(b)で定義した基準長の
1/8、(c)は基準長の1/6、図9(d)は1/
4、図9(e)は1/2の場合を示す。図10には、N
=2のときの発生光パルス列の説明図を示す。この図の
形式は図5と全く同様である。N=2即ち光ファイバ長
が基準長Zpの1/4のときは、この図に示すような状
態となる。各モードの群遅延による位相変化量はπ/2
×n2 で表される。図10(a)に示すように、奇数番
目のモードについて着目すると、2M+1番目のモード
と、−(2M+1)番目のモードは互いに極大と極小が
重なり、位相が反転していることがわかる。これは2M
+1番目のモードの波形がcos{π/2+2π×(2
M+1)×t}=−sin{2π×(2M+1)×t}
と表せるのに対し、−(2M+1)のモードはcos
{π/2−2π×(2M+1)×t}=sin{2π×
(2M+1)×t}と表されるためである。
【0026】即ち、この場合、これらのモードは互いに
打ち消し合い、光パルス列の形成に寄与しなくなる。光
パルス列の形成に寄与するのは同相で発振している偶数
番目のモードのみとなる。このため、図10(b)に示
すように、繰り返し周期trt/2の光パルス列が得ら
れる。特に、光スペクトルが対称で、En =E-nである
場合には、奇数番目のモードが完全に打ち消し合う。従
って、振幅変調のないレベルの均一な光パルス列が得ら
れる。
【0027】次に、ファイバ長がZp/6と等しい場合
には、群遅延による位相変化量はπ/3×n2 と表さ
れ、|n|=3M(M:整数)のとき、3M番目のモー
ドと、−3M番目のモードは同相となり互いに強め合
う。しかし、|n|≠3Mのときは、n番目のモードと
−n番目のモードの極大値同士が重なり合わず、振幅の
和が小さくなる。故に、ファイバ出力は|n|=3Mを
満足するモードの影響が強く現れ、光パルス列の繰り返
し周波数は入力の3倍即ち3・frt/3=frtとな
る。具体例1では、分周比m=3と仮定したのでZp/
6の場合に相当するが、動作原理の理解を十分にするた
めにZp/8の場合についても説明する。ファイバ長が
Zp/8と等しい場合も同様で、群遅延による位相変化
量はπ/4×n2 と表される。この場合には、|n|=
4Mを満足するモードの影響が強く現れ、光パルス列の
繰り返し周波数は入力の4倍となる。
【0028】図11と図12には、光パルス列のスペク
トルとZの関係説明図を示す。これらの図に示したもの
は、光ファイバから出力された光パルス列の強度プロフ
ァイルをフーリエ変換して得られたものである。図11
(b)、図12(a)及び(b)に示すように、光ファ
イバ長がZp/8、Zp/6、Zp/4のとき、モード
同期レーザの出力する出力パルス列の繰り返し周波数成
分の強度は弱まる。一方、Z=Zp/4のときは2fr
t/3及び、その高調波成分、Z=Zp/6のときはf
rt及びその高調波成分、Z=Zp/8のときは4fr
t/3及びその高調波成分が強く現れている。これは、
それぞれ繰り返し周波数2frt/3、frt、4fr
t/3の光パルス列が発生していることを示す。以上で
伝送路2による、繰り返し周波数の高い光パルス列への
変換原理の説明を終了したので再度図1に戻って具体例
1の動作の説明を続ける。
【0029】マスターモード同期レーザ1が、分周比m
=3として、パルス繰り返し周波数frt/3で出力し
た、ジッタ成分の少ないパルス列を、光学的結合部A
が、伝送路2に供給する。Z=Zp/6のファイバ長を
有する伝送路2は、マスターモード同期レーザ1の出力
を上記変換原理によって、繰り返し周波数frt/3を
3倍に変換して、繰り返し周波数frtにした出力を光
学的結合部Cを介してスレーブ受動モード同期レーザ3
に注入する。この信号は、Z=Zp/6のファイバ長を
有する伝送路2を通って、上記変換原理によって繰り返
し周波数frtの光パルス列に変換される。この光パル
ス列の周波数スペクトルは、図12(a)となる。
【0030】図12(a)が示しているように、この光
パルス列の周波数数スペクトルは、frtの高調波成分
が強調されている。同時にマスターモード同期レーザ1
の基本波成分frt/3、及びその高調波(但しfrt
の整数倍をのぞく)成分が抑制されている。この原理に
ついてはすでに説明した。この伝送路2が変換生成し
た、繰り返し周波数frtの光パルス列を光学的結合部
Cを介して、スレーブ受動モード同期レーザ3に注入す
る。スレーブ受動モード同期レーザ3は、内部でサブハ
ーモニック光シンクロナスモード同期を起こして、その
注入したパルス列の繰り返し周波数に同期して、モード
同期周波数frtに等しいパルス繰り返し周波数の光パ
ルス列を出力する。
【0031】ここで留意すべき点は、注入されるパルス
列では、frt/3及びその高調波成分(但しfrtの
整数倍をのぞく)が抑制されていることである。従っ
て、この高調波成分に起因して、スレーブ受動モード同
期レーザ3の出力パルスに重畳されるスプリアス成分が
大きくなることはあり得ない。その結果振幅変動がな
く、かつジッタ成分の少ない出力パルスを得る。光学的
結合部Cは、スレーブ受動モード同期レーザ3が出力し
たモード同期周波数frtに等しいパルス繰り返し周波
数の光パルス列を、図には記してない他の装置に供給す
る。なお、具体例1では、分周比mを3として説明した
が、本発明による高速光パルス発生装置の目的、用途に
あわせてmを設定することができる。
【0032】以下に、本具体例の効果を実証するために
行った実験結果を説明する。実験に用いたモード同期レ
ーザはInP基板上に成長したモノリシックInGaAsP/In
P 受動モード同期レーザである。中心波長は1.564
5ミクロンであり、スペクトル幅は約1.8nm(22
0GHz)であった。一方、実験に用いた光ファイバは
1.3ミクロンメーター用シングルモード石英ファイバ
である。
【0033】1.3ミクロンメーター用シングルモード
石英ファイバは1.3ミクロンメーターの波長の光を伝
送する場合に群速度分散が“0”となるゼロ分散ファイ
バと呼ばれるものである。このような光ファイバに1.
5645ミクロンの波長の光を伝送する。そのとき、所
定の群速度分散特性を示す。この群速度分散値は17.
8ps/km/nmとなる。このように、本具体例では、通常、
分散を避けるために特性の平坦な部分すなわち群速度分
散がゼロとなる部分を使用して光を伝送するのに対し、
分散を発生する波長の光を光ファイバに伝送する。これ
によって、上記のような効果を得る。以上の構成にする
と、Zperi=5.73kmとなる。
【0034】〈具体例1の効果〉以上説明した具体例1
による高速光パルス発生装置では、最初に、マスターモ
ード同期レーザ1にジッタ成分の少ない、繰り返し周波
数frt/mの光パルス列を発生させる。この光パルス
列を、特定の長さを持つ通常のシングルモード光ファイ
バからなる、伝送路2を通して繰り返し周波数frtに
変換する。この変換した光パルス列をスレーブ受動モー
ド同期レーザ3に注入して、高速光パルス出力を得る。
以上の構成を備えることにより以下の効果を有する。
【0035】1.繰り返し周波数frt/mで発振す
る、マスターモード同期レーザ1の出力で駆動すること
ができるため、ジッタ成分の少ない出力パルスを得るこ
とができる。更に、外部回路との同期が取りやすくなっ
た。 2.伝送路2によってスプリアス成分を抑制することが
可能になったため、出力パルスの振幅変動を抑制するこ
とが可能になった。 3.伝送路2を、市販の安価な光ファイバで構成するこ
とが可能なため、高性能、安価、かつ、小型の高速光パ
ルス発生装置を構成できるようになった。
【0036】〈具体例2〉図13は、具体例2の構成図
である。(a)より、具体例2による高速光発生装置
は、図には記してない外部回路に同期して発振する、マ
スターモード同期レーザ1と、X(1)からX(N)ま
でN段の高速光発生ブロックXと、光学的結合部Cとを
備える。(b)は、高速光発生ブロックXの構成図であ
る。具体例1の構成(図1)からマスターモード同期レ
ーザ1を取り除き、その他は、具体例1の高速光発生装
置と同様である。発明の理解を容易にするために、
(a)に沿って出力側(図の右端)から入力側(図の左
端)に向かって順に説明する。
【0037】具体例2による高速光発生装置は、光学的
結合部Cを介して図には記してない、他の装置にパルス
繰り返し周波数frtの高速光パルス出力を供給する。
繰り返し周波数frtのパルスを出力するためには、高
速光発生ブロックX(N)にパルス繰り返し周波数fr
t/m(N)の光パルスを供給する必要がある。このm
(N)は、高速光発生ブロックX(N)での分周比であ
る。このm(N)に適合させて伝送路2のファイバの長
さZをZp/2m(N)に設定する。次に高速光発生ブ
ロックX(N)にパルス繰り返し周波数frt/m
(N)の光パルスを供給するためには、高速光発生ブロ
ックX(N−1)にパルス繰り返し周波数frt/m
(N)m(N−1)の光パルスを供給する必要がある。
このm(N−1)は、高速光発生ブロックX(N−1)
での分周比である。このm(N−1)に適合させて伝送
路2のファイバの長さZをZp/2m(N−1)に設定
する。
【0038】以下同様にして、繰り返し周波数frtの
パルスを出力するためには、高速光発生ブロックX
(1)にパルス繰り返し周波数frt/m(1)m
(2)m(3)…m(N)の光パルスを供給する必要が
ある。伝送路2のファイバの長さZを各段毎に分周比に
合わせて設定する。
【0039】以上の構成を有する具体例2による高速光
発生装置は、以下のように動作する。マスターモード同
期レーザ1が、パルス繰り返し周波数frt/m(1)
m(2)m(3)…m(N)でジッタ成分の少ない、光
パルスを発振して高速光発生ブロックX(1)に注入す
る。
【0040】高速光発生ブロックX(1)はこの光パル
スの繰り返し周波数をm(1)倍して高速光発生ブロッ
クX(2)に注入する。この時同時に高速光発生ブロッ
クX(1)の内部では、伝送路2が動作してスプリアス
を抑圧する。同様の動作を高速光発生ブロックX(N)
までN回繰り返して最後に光学的結合部Cを経て、図に
は記してない他の装置にパルス繰り返し周波数frtの
光パルスを供給する。ここで、高速光発生ブロックX
(1)からX(N)まで各段の分周比m(N)は、必ず
しも同じ値である必要はない。装置の目的、用途に合わ
せて設定することが可能である。
【0041】〈具体例2の効果〉以上説明した具体例2
による高速光パルス発生装置では、具体例1による高速
光パルス発生装置をN段直列に接続することにより、以
下の効果を得る。 1.マスターモード同期レーザ1に繰り返し周波数fr
t/m(1)m(2)m(3)…m(N)の光パルス列
を発生させて、繰り返し周波数frtのパルス出力を得
ることができる。つまり、マスターモード同期レーザ1
の発振周波数のm(1)m(2)m(3)…m(N)倍
のパルス繰り返し周期をもつ高周波光パルス列を出力す
ることができる。 2.同時に具体例1の効果を全て得ることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の構成図である。
【図2】モード同期レーザ出力の周波数スペクトル図で
ある。
【図3】マスターモード同期レーザ出力パルスの強度波
形と周波数スペクトル図である。
【図4】光パルス列複素振幅の説明図である。
【図5】モード同期レーザ出力の説明図である。
【図6】光ファイバの基準長の説明図である。
【図7】N=1のときの発生光パルス列の説明図であ
る。
【図8】発生光パルス列とZの関係説明図(その1)で
ある。
【図9】発生光パルス列とZの関係説明図(その2)で
ある。
【図10】N=2のときの発生光パルス列の説明図であ
る。
【図11】光パルス列のスペクトルとZの関係説明図
(その1)である。
【図12】光パルス列のスペクトルとZの関係説明図
(その2)である。
【図13】具体例2の構成図である。
【符号の説明】
1 マスタモード同期レーザ 2 伝送路 3 スレーブ受動モード同期レーザ A,B,C 光学的結合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国松 大介 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力側で要求される高速光パルス列の繰
    り返し周波数をfrtとしたとき、 m(正の整数)分のfrtの繰り返し周波数で光パルス
    列を出力するマスターモード同期レーザと、 このマスターモード同期レーザの出力を受け入れて、光
    パルス列に含まれる光の各モードがそれぞれ異なる群速
    度で伝搬し、前記繰り返し周波数frt成分、及び、f
    rtの整数倍高調波成分を強調し、その他の周波数成分
    を減衰させた光パルス列を出力する所定長の光伝送路
    と、 光伝送路の出力する光パルス列を注入した時に、この光
    パルス列の繰り返し周波数frtに同期したパルス列を
    出力するスレーブ受動モード同期レーザを備えたことを
    特徴とする、高速光パルス発生装置。
  2. 【請求項2】 高速光発生ブロックの、出力側で要求さ
    れる光パルス列の繰り返し周波数をfrtとしたとき、 m(正の整数)分のfrtの繰り返し周波数で光パルス
    列を出力するマスターモード同期レーザと、 複数の前記高速光発生ブロックを直列接続して構成さ
    れ、 各高速光発生ブロックは、 前記マスターモード同期レーザの出力、又は、直列接続
    した直前の高速光発生ブロックの出力を受け入れて、光
    パルス列に含まれる光の各モードがそれぞれ異なる群速
    度で伝搬し、前記繰り返し周波数frt成分、及び、f
    rtの整数倍高調波成分を強調し、その他の周波数成分
    を減衰させた光パルス列を出力する所定長の光伝送路
    と、 光伝送路の出力する光パルス列を注入した時に、この光
    パルス列の繰り返し周波数frtに同期したパルス列を
    出力するスレーブ受動モード同期レーザを備えたことを
    特徴とする、高速光パルス発生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1112764A2 (en) 1999-12-28 2001-07-04 Konami Corporation Game machine, image display method, and recording medium

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JPH08148749A (ja) * 1994-11-15 1996-06-07 Nec Corp 光クロック発生器

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Title
荒平慎、他: "モード同期パルスのファイバ伝送による繰り返し逓倍高速光パルス列発生", 電子情報通信学会技術研究報告, vol. Vol.97, No.35(LQE97 1-17), JPNX007004238, 12 May 1997 (1997-05-12), JP, pages 43 - 48, ISSN: 0000813396 *
荒平慎、他: "モード同期パルスのファイバ伝送による繰り返し逓倍高速光パルス列発生", 電子情報通信学会技術研究報告, vol. Vol.97, No.35(LQE97 1-17), JPNX007028505, 12 May 1997 (1997-05-12), JP, pages 43 - 48, ISSN: 0000858512 *

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