JPH0758388A - 光パルス発生装置 - Google Patents

光パルス発生装置

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JPH0758388A
JPH0758388A JP5202216A JP20221693A JPH0758388A JP H0758388 A JPH0758388 A JP H0758388A JP 5202216 A JP5202216 A JP 5202216A JP 20221693 A JP20221693 A JP 20221693A JP H0758388 A JPH0758388 A JP H0758388A
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JP
Japan
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frequency
optical
semiconductor laser
optical fiber
light
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Application number
JP5202216A
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English (en)
Inventor
Masataka Nakazawa
正隆 中沢
Eiji Yoshida
英二 吉田
Yoshihisa Sakai
義久 界
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジッターの発生を抑えて、幅の短いパルスを
極めて安定に発生させる光パルス発生装置を提供するこ
と。 【構成】 アセチレンから発せられる光吸収線の周波数
と半導体レーザの発振周波数を比較し、この比較結果に
基づいて半導体レーザの発振周波数を安定化した半導体
レーザ光源11,12からの出射光を光結合器3で合波
する。さらに、この合波光を希土類添加光ファイバ増幅
器4で増幅した後、この合波光の周波数に対して負の群
速度分散を有する非線形光学効果発生用の光ファイバ5
に入射する。これにより、光ファイバ5において誘導4
光子混合により発生する多数の側帯波の周波数間隔が一
定に維持されると共に、これらの位相は整合されたもの
となるので、ジッターの発生を抑え、且つ高い繰り返し
周期で、幅の短い光パルスを極めて安定に発生させるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、超高速光通信
における光源として用いられる安定な光パルス発生装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の光パルス発生装置を示す
構成図である。図2において、1,2は半導体レーザ、
3は光結合器、4は希土類添加光ファイバ増幅器、5は
負の群速度分散を有する非線形光学効果発生用光ファイ
バである。
【0003】2台の半導体レーザ1,2からはそれぞれ
光周波数ω1 ,ω2 のレーザ光が出射され、これら2つ
のレーザ光は光結合器3によって合波される。さらに、
光結合器3から出射された合波光は希土類添加光ファイ
バ増幅器4で増幅された後、光ファイバ5に入射され
る。ここで、希土類添加光ファイバ増幅器4の代わりに
半導体レーザ増幅器を用いてもよい。
【0004】このような構成系において光パルス列の発
生を引き起こす誘導4光子混合について説明する。誘導
4光子混合とは、周波数ω1 と周波数ω2 の2つの光子
(ω1 >ω2 )を光ファイバ5中に入射することによ
り、 ω3+=2ω2 −ω1 …(1) の関係を満足する周波数ω3+の光子が新たに発生する現
象であり、光ファイバ5中で生じる3次の非線形光学効
果の1つである。励起のための周波数ω2 の光子が2個
と周波数ω1 の光子が1個、周波数ω3+の光子1個が同
時に存在し、4つの光子の混合によってこの現象が起こ
るため、誘導4光子混合(Stimulated FourPhoton Mixin
g:SFPM )と呼ばれている。この非線形光学効果を効率
よく発生させるためには、エネルギー保存則と運動量保
存則とを同時に満たすことが重要である。
【0005】前記(1) 式はエネルギー保存則を示す。ま
た、運動量保存則は 2K2 −K1 −K3+=0 …(2) (2) 式のように与えられ、この条件を満たすことが効率
のよい誘導4光子混合を発生させるために大変重要であ
る。
【0006】一方、周波数ω1 の2つの光子と周波数ω
2 の1つの光子との間の誘導4光子混合により、 ω3-=2ω1 −ω2 …(3) (3) 式の関係を満足する周波数ω3-の光子が同様に新し
く発生する。新しく発生した周波数ω3+の光子と周波数
ω2 の光子との間の誘導4光子混合により周波数ω
4+(=2ω3+−ω2 )の光子が、また周波数ω3-の光子
と周波数ω1 の光子との間の誘導4光子混合により周波
数ω4-(=2ω3-−ω1 )の光子が新たに発生する。こ
のように誘導4光子混合により、nを5以上の整数とす
ると、 ωn+=2ω(n-1)+−ω(n-2)+ …(4) (4) 式及び ωn-=2ω(n-1)-−ω(n-2)- …(5) (5) 式を満足する光子ωn+、及びωn-が次々に発生し、
新しい側帯波が作られる。
【0007】このように新しい側帯波が発生した様子を
図3に示す。2台の半導体レーザ1,2の周波数差(ω
1 −ω2 )が一定であると、側帯波は周波数軸上に等間
隔で並ぶ。このとき側帯波間の位相が固定されると、パ
ルスレーザにおけるモード同期パルスの発生と同じ原理
により、繰り返しが周波数差(ω1 −ω2 )で決まるパ
ルス列(時間軸上では1/(ω1 −ω2 )の周期)が発
生する。発生するパルスの幅は、位相が固定されている
側帯波から構成されるスペクトルの半値全幅によって決
まり、その側帯波の数が多いほど短い幅のパルスが発生
する。
【0008】負の分散領域では弱い入力強度の場合、上
記の誘導4光子混合の現象は位相整合をとりにくいた
め、効率よく側帯波を発生させることは困難である。し
かし、ここで入力強度を強くし、入力強度に依存した3
次の非線形光学効果である光カー効果を用いると、負の
分散領域でも完全な位相整合がとれて誘導4光子混合が
起こる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のパルス光源では、種光を発する半導体レーザ
1,2の温度変動等により発振周波数が変動し、長時間
にわたって安定にパルス列を発生させることが困難であ
った。
【0010】例えば、100MHzの発振周波数の変動
があると、10GHzのパルス発生においては少なくと
も1%(100MHz/10GHz=0.01)のジッ
ターが発生する。さらに従来の半導体レーザでは、レー
ザ光の位相ゆらぎが大きいため、合波光を増幅した後光
ファイバ5に入射したときに発生する高次の側帯波は、
入射の基本波ω1 及びω2 に比べると位相変化が大きく
なる。このため側帯波のゆらぎの効果を考慮するとさら
に大きな変動が発生することになる。
【0011】従って、多数の側帯波が発生しても側帯波
間での位相は同期しておらず、高次の側帯波はパルス発
生に寄与しなくなり、パルス幅の太い振幅不安定なパル
スが発生していた。即ち、従来の技術では幅の短いパル
スを安定に発生させることが困難であった。
【0012】本発明の目的とするところは、このような
問題点を解決し、ジッターの発生を抑え、幅の短いパル
スを極めて安定に発生させる光パルス発生装置を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、請求項1では、2台の種光源の出射光を
合波する光結合器と、該光結合器からの出射光を増幅す
る光増幅器と、該光増幅器の出力側に設けられた非線形
光学効果発生手段とを備えた光パルス発生装置におい
て、前記2台の種光源の周波数を、分子吸収線を周波数
基準として周波数安定化する周波数安定化手段を設けた
光パルス発生装置を提案する。
【0014】また、請求項2では、2台の種光源の出射
光を合波する光結合器と、該光結合器からの出射光を増
幅する光増幅器と、該光増幅器の出力側に設けられた非
線形光学効果発生手段とを備えた光パルス発生装置にお
いて、前記2台の種光源のうちの一方の周波数を、分子
吸収線を周波数基準として周波数安定化する第1の周波
数安定化手段と、他方の種光源の周波数を、前記周波数
安定化された一方の種光源の発振光の一部を参照して所
定の周波数差で安定化する第2の周波数安定化手段とを
設けた光パルス発生装置を提案する。
【0015】
【作用】本発明の請求項1によれば、周波数安定化手段
によって、2台の種光源のそれぞれにおける周波数は、
分子吸収線を周波数基準として周波数安定化される。例
えば、所定の気体分子に固有の光周波数で発生する光吸
収線を周波数基準とし、該光吸収線の周波数と前記種光
源の発振周波数が比較され、該比較結果に基づいて前記
種光源の発振周波数が一定に保たれる。さらに、前記種
光源からの出射光は光結合器によって合波された後、光
増幅器により増幅されて非線形光学効果発生手段に入射
される。該非線形光学効果発生手段によって、例えば誘
導4光子混合が行われ光パルスが発生される。この際、
前記種光源の発振周波数が一定に維持されているので、
前記誘導4光子混合において発生する複数の側帯波の周
波数間隔は一定に維持されると共に、これらの位相は整
合されたものとなる。
【0016】また、請求項2によれば、第1の周波数安
定化手段によって一方の種光源の周波数が、分子吸収線
を周波数基準として安定化される。例えば、所定の気体
分子に固有の光周波数で発生する光吸収線を周波数基準
とし、該光吸収線の周波数と前記一方の種光源の発振周
波数が比較され、該比較結果に基づいて前記一方の種光
源の発振周波数が一定に保たれる。さらに、第2の周波
数安定化手段によって、他方の種光源の周波数は、前記
一方の種光源の発振光の一部を参照して所定の周波数差
で安定化される。また、前記種光源からの出射光は光結
合器によって合波された後、光増幅器により増幅されて
非線形光学効果発生手段に入射され、該非線形光学効果
発生手段によって、例えば誘導4光子混合が行われ光パ
ルスが発生される。この際、前記種光源の発振周波数が
所定の周波数間隔をもって一定に維持されているので、
前記誘導4光子混合において発生する複数の側帯波の周
波数間隔は一定に維持されると共に、これらの位相は整
合されたものとなる。
【0017】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。図1は、本発明の光パルス発生装置の第1の実
施例を示す構成図である。図において、前述した従来例
と同一構成部分は同一符号をもって表す。即ち、11,
12は絶対周波数が安定化された半導体レーザ光源、3
は光結合器、4は希土類添加光ファイバ増幅器、5は負
の群速度分散を有する光ファイバであり、本実施例と従
来例との相違点は、従来例における半導体レーザ1,2
に代えて絶対周波数が安定化された半導体レーザ光源1
1,12を用いたことにある。
【0018】このような構成系において、絶対周波数安
定化光源、即ち半導体レーザ光源11,12として、図
4及び図5に示すような安定化技術を用いた半導体レー
ザを用いている。
【0019】図4は絶対周波数基準と半導体レーザの発
振周波数のゆらぎを、半導体レーザの直接変調方式を用
いて検出した例である。図中、21は半導体レーザ、2
2は光カップラ、23は絶対周波数基準として用いるた
めの光吸収線を有する分子等を封入したガスセル、24
は発振器、25は受光器、26はロックインアンプ等の
誤差信号検出回路である。
【0020】このような、構成系において、発振器24
(変調周波数100KHz)により注入電流を微小量直
接変調(周波数変調)した半導体レーザ21(InGaAsP系
DFBレーザ、発振波長1.53μm)の出射光の一部
が、光カップラ22を介してガスセル23に入射され
る。ここで、ガスセル23としては、例えば図6に示す
光吸収特性を有するアセチレンガス(1222 )及び
同位体置換アセチレンガス(1322 )を封入したガ
スセル等が用いられる。
【0021】アセチレン等の気体分子は、その分子固有
の光周波数で、図6に示すような光吸収線を有してい
る。例えばアセチレンは1.51μm〜1.54μm
帯、同位体置換アセチレンは1.52μm〜1.55μ
m帯にかけて数多くの吸収線を持っている。その吸収線
の内の任意の1本の周波数と半導体レーザ21の発振周
波数を比較し、半導体レーザ21の発振周波数を安定化
する。ここで用いたガスセル23の長さは4cmで、13
22 を10Torrで封入したものであり、吸収線の線
幅は800MHzであった。
【0022】半導体レーザ21の出射光の一部はガスセ
ル23を通った後、受光器25で光電変換される。その
出力信号は誤差信号検出回路26によって発振器24の
出力信号と比較される。これにより、半導体レーザ21
の発振周波数とガスセル23に封入されたガスが有する
光吸収線の中心周波数との誤差信号が検出される。この
誤差信号を半導体レーザ21に帰還することにより、半
導体レーザ21の発振周波数が安定化される。従来、半
導体レーザの温度安定化だけでは200MHz程度の周
波数ゆらぎがあったものが、前述した周波数安定化手段
によって1MHz以下(従来に比べて200倍)の安定
度が得られている。
【0023】図4に示す半導体レーザ光源11(12)
の構成では、直接変調方式を用いたが、この場合、半導
体レーザ21の出射光は微小量ではあるが周波数変調さ
れている。このため、安定化出力をパルス発生に利用す
るためには難点となっている。これを避けるためには、
図5に示すように外部変調器を用いる方法がある。
【0024】図5に示す半導体レーザ光源11(12)
の構成では、ガスセル23の直前に外部変調器27を挿
入し、外部変調器27に発振器24からの信号を印加し
て、その出力を変調光とする方法である。外部変調器2
7としては、例えば、LiNbO3等を用いた電気光学(E
O)変調器、或いは音響光学(AO)変調器等が用いら
れる。
【0025】図4及び図5に示した半導体レーザ光源1
1,12を用いた光パルス発生装置の構成を図1に示し
ている。図1においては、図6に示す2本の吸収線を用
いて安定化された光周波数ω1 ,ω2 のレーザ光を出射
する2台の半導体レーザ光源11,12を用い、これら
から出射されるレーザ光を光結合器3により合波し、こ
の合波光を希土類添加光ファイバ増幅器4で増幅した
後、光ファイバ5に入射する。ここで、希土類添加光フ
ァイバ増幅器4の代わりに半導体レーザ増幅器を用いて
もよい。
【0026】この構成系では半導体レーザ光源11,1
2の絶対周波数は安定化されているため、周波数差(ω
1 −ω2 )は常に一定に保たれている。周波数ω1 ,ω
2 において負の群速度分散をもつ光ファイバ5に、増幅
した合波光を入射すると、前述した誘導4光子混合によ
り側帯波ω3+、ω3-、ω4+、ω4-、…、ωn+、ωn-が発
生する。この側帯波は周波数軸上に周波数差(ω1 −ω
2 )に等しい間隔で並ぶことになる。
【0027】ここで、負の分散領域での誘導4光子混合
とcw光(連続光)からのパルス発生に重要な役割を果
たす光ソリトンパルスの形成について説明する。光ソリ
トンとは、光ファイバの波長分散によるパルス幅の広が
りと、自己位相変調効果によるパルス幅の圧縮とが釣り
合うことにより発生する安定なパルスであり、光ファイ
バ中を波形を変えることなく伝搬するという特徴をもっ
ている。光ソリトンパルスは、周波数上で表現すると負
の分散領域において自己位相変調効果によって位相整合
が起こり、パルス発生が生じていると考えてもよい。
【0028】本光パルス発生装置おいては、光ファイバ
5の群速度分散が負となる波長の2波を導波することに
より、光ソリトンの効果を使って誘導4光子混合を効率
よく発生させ、より短い幅の光パルスを得ることができ
る。例えば、N=1の標準ソリトンを作るのに必要なピ
ーク強度PN=1 は次の(6) 式で与えられる。 PN=1 =0.776 ・(λ3 /π2 cn2 )・(|D|/τ2 )・πw2 …(6) ここでDは光ファイバの波長λにおける群速度分散、c
は光速、τはパルス幅、wは光ファイバのスポットサイ
ズの大きさである。
【0029】前述した合波光が入射する光ファイバ5と
して群速度分散値が零である光ファイバを用いると、誘
導4光子混合は起こりやすくなる。しかし、各々の側帯
波の位相は相互位相変調及び自己位相変調の和として与
えられるため、振幅が異なる各々の側帯波間の位相が固
定されず、完全なパルス発生には至らない。これは零分
散ファイバ(D=0)では前記(6) 式よりPN=1 =0と
なり、光ソリトンが形成されないためである。しかし、
負分散の領域の波長を用いると、光強度に依存した非線
形性のため完全な位相整合が成立し、安定なパルス列が
作れる。例えば、半導体レーザ光源11,12の周波数
差(ω1 −ω2 )が40GHzである場合、分散値が−
3〜−7ps/km/nmの光ファイバ5を用いると、
光ソリトンが形成されやすくなる。
【0030】図7に示す波形図は、周波数差(ω1 −ω
2 )が40GHzの合波光を希土類添加光ファイバ増幅
器4で増幅した後、分散値−7ps/km/nm、長さ
3kmの光ファイバを図1中の光ファイバ5に用いて入
射した場合のパルス波形の様子を示すものである。この
状態では繰り返しが40GHzであるパルス列が形成さ
れつつあるものの、直流成分(雑音的な微弱連続光)が
残っており、パルス幅は8psと広くなっている。
【0031】さらに前記の光ファイバの後に、分散値−
2ps/km/nm、長さ4kmの光ファイバを接続
し、さらにまたこの後に分散値−1ps/km/nm、
長さ3kmの光ファイバを接続した光ファイバを図1中
の光ファイバ5として用い、これに希土類添加光ファイ
バ増幅器4で増幅した周波数差が40GHzの合波光を
入射すると、繰り返しが40GHzで、かつ直流成分
(雑音的な微弱連続光)がほとんどないパルス列が発生
する。その様子を図8に示す。
【0032】これにより発生するパルスは、パルス幅が
3.1psと短くなっている。これは光ソリトンが光フ
ァイバ5中を伝搬していくときに分散値が小さくなる
と、パルス幅を短くすることによってエネルギーを一定
に保つためである。ソリトンのエネルギーE(=PN=1
τ)は前記(6) 式より|D|/τに比例するので、同じ
エネルギーなら|D|を小さくするとパルス幅τは必然
的に狭くなる。このように分散値がD1 >D2 >…>D
n を満たすn本の光ファイバを縦続接続して成る光ファ
イバ5に、希土類添加光ファイバ増幅器4で増幅した周
波数差が(ω1 −ω2 )である合波光を入射すると、光
ソリトンが形成され、繰り返しが周波数差(ω1 −ω
2 )で決まるパルス列が発生する。このことは周波数領
域で考えると、側帯波間の位相が固定されることに対応
する。
【0033】このとき半導体レーザ光源11,12の絶
対周波数は各々独立に安定化されているため、周波数及
び周波数差は常に一定に保たれている。従って、周波数
変調によってパルスが劣化することなく、長時間にわた
って安定にパルス列を発生させることができる。さら
に、周波数を安定化した半導体レーザ21の周波数ゆら
ぎは1MHz以下であり、通常の半導体レーザの周波数
ゆらぎと比べると2桁以上小さくなっている。このため
周波数を安定化した半導体レーザ光源11,12の合波
光を増幅して光ファイバ5に入射したときに発生する高
次の側帯波は、位相ゆらぎが通常の半導体レーザを用い
たときより2桁以上小さくなる。これにより、多数の側
帯波が発生したとき、高次の側帯波も位相関係が固定さ
れているためパルス発生に寄与し、ジッターの発生を抑
えると共に、パルス幅が短くてかつ安定な光パルスを発
生することができる。
【0034】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
前述した図1の構成では、2台の半導体レーザ光源1
1,12を独立に安定化する方法を用いたが、相対的な
安定性を向上させるためオフセットロックの方法を用い
た第2の実施例の構成を図9に示す。図9において、前
述した第1の実施例と同一構成部分は同一符号をもって
表しその説明を省略する。図中、11は吸収線を用いて
周波数安定化した半導体レーザ光源である。半導体レー
ザ光源11から出射されたレーザ光と、もう1台の半導
体レーザ41から出射されたレーザ光とを光結合器3で
合波し、この合波光を受光器42で光電変換して、その
ビート信号を検出する。
【0035】このビート信号は半導体レーザ光源11と
半導体レーザ41のそれぞれの発振周波数の差周波数成
分に相当しており、これを発振器43の発振信号と位相
比較器44を用いて比較し、その誤差信号を半導体レー
ザ41に帰還することにより、半導体レーザ41の発振
周波数を安定化するものである。この技術を用いれば発
振器43の発振周波数を可変することにより、周波数安
定化光源の差周波数、即ち半導体レーザ光源11と半導
体レーザ41の差周波数を例えば1GHz〜40GHz
まで安定して可変することができる。同様にこの構成系
においても、繰り返しが半導体レーザ光源11と半導体
レーザ41の周波数差で決まるパルス幅の短い光パルス
列を安定に発生することができる。
【0036】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
図10は、第3の実施例を示す構成図で、前述した第1
及び第2の実施例と同一構成部分は同一符号をもって表
しその説明を省略する。第3の実施例は、周波数安定化
させるためのサブ標準としてファブリペロエタロンやリ
ング共振器等の共振器を用いている。
【0037】図10において、51は半導体レーザ、5
2はサブ標準として用いる共振器、53は波長フィル
タ、54,57は受光器、55は発振器、56,58は
ロックインアンプ等の位相比較器である。周波数安定化
された半導体レーザ光源11からの出射光は、光結合器
3を介して共振器52に入射される。共振器52の共振
ピークの内の1本と半導体レーザ光源11の出射光の光
周波数が比較される。共振器52を透過したレーザ光は
波長フィルタ53で分岐され、受光器54で光電変換さ
れる。このとき、共振器52の共振ピークは発振器55
で変調されており、位相比較器56で、その共振ピーク
と半導体レーザ光源11の発振周波数を比較し、その誤
差信号をサブ標準である共振器52に帰還する。これに
よって、絶対周波数が安定化されたサブ標準が得られ
る。
【0038】このサブ標準を用いてもう1台の半導体レ
ーザ51を安定化する。半導体レーザ51の出射光の一
部は光結合器3を介して共振器52に入射される。先ほ
どとは別の共振ピークと半導体レーザ51の発振周波数
を比較する。共振器52を透過した半導体レーザ51の
出射光は波長フィルタ53を介して分波され、受光器5
7で光電変換される。このとき、共振器52の共振ピー
クは発振器55で変調されており、位相比較器58で、
その共振ピークと半導体レーザ51の発振周波数を比較
し、その誤差信号を半導体レーザ51に帰還して半導体
レーザ51の発振周波数を安定化するものである。
【0039】この構成系では共振器52の共振器長を変
えることにより、共振ピーク間隔を例えば2.5GHz
〜10GHzに設定でき、繰り返し周波数は共振ピーク
間隔を最小単位として、任意の繰り返し周波数を実現で
きる利点がある。同様にこの構成系においても、繰り返
しが半導体レーザ光源11と半導体レーザ51の周波数
差で決まるパルス幅が短い光パルス列を安定に発生させ
ることができる。
【0040】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能
であることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
よれば、2台の種光源のそれぞれにおける周波数は、分
子吸収線を周波数基準として周波数安定化され、それぞ
れの発振周波数が一定に維持されるため、非線形光学効
果発生手段において例えば誘導4光子混合によって発生
する複数の側帯波の周波数間隔が一定に維持されると共
に、これらの位相は整合されたものとなるので、ジッタ
ーの発生を抑え、且つ高い繰り返し周期で、幅の短い光
パルスを極めて安定に発生させることができる。
【0042】また、請求項2によれば、第1の周波数安
定化手段によって一方の種光源の周波数が、分子吸収線
を周波数基準として安定化されると共に、第2の周波数
安定化手段によって、他方の種光源の周波数が前記一方
の種光源の発振光の一部を参照して所定の周波数差で安
定化され、それぞれの発振周波数が所定の周波数差をも
って一定に維持されるため、非線形光学効果発生手段に
おいて例えば誘導4光子混合によって発生する複数の側
帯波の周波数間隔が一定に維持されると共に、これらの
位相は整合されたものとなるので、ジッターの発生を抑
え、且つ高い繰り返し周期で、幅の短い光パルスを極め
て安定に発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光パルス発生装置の第1の実施例を示
す構成図
【図2】従来の光パルス発生装置を示す構成図
【図3】側帯波の発生を示した図
【図4】本発明の光パルス発生装置に用いられる安定化
光源の実施例を示す構成図
【図5】本発明の光パルス発生装置に用いられる安定化
光源の実施例を示す構成図
【図6】アセチレン及び同位体置換アセチレンの光吸収
特性図
【図7】パルス列の発生を示した図
【図8】パルス列の発生を示した図
【図9】本発明の光パルス発生装置の第2の実施例を示
す構成図
【図10】本発明の光パルス発生装置の第3の実施例を
示す構成図
【符号の説明】
1,2,21,41,51…半導体レーザ、3…光結合
器、4…希土類添加光ファイバ増幅器、5…光ファイバ
(非線形光学効果発生用光ファイバ)、11、12…半
導体レーザ光源、22…光カップラ、23…ガスセル、
24,43,55…発振器、25,42,54,57…
受光器、26…誤差信号検出回路、44、56、58…
位相比較器、27…外部変調器、52…共振器、53…
波長フィルタ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2台の種光源の出射光を合波する光結合
    器と、該光結合器からの出射光を増幅する光増幅器と、
    該光増幅器の出力側に設けられた非線形光学効果発生手
    段とを備えた光パルス発生装置において、 前記2台の種光源の周波数を、分子吸収線を周波数基準
    として周波数安定化する周波数安定化手段を設けたこと
    を特徴とする光パルス発生装置。
  2. 【請求項2】 2台の種光源の出射光を合波する光結合
    器と、該光結合器からの出射光を増幅する光増幅器と、
    該光増幅器の出力側に設けられた非線形光学効果発生手
    段とを備えた光パルス発生装置において、 前記2台の種光源のうちの一方の周波数を、分子吸収線
    を周波数基準として周波数安定化する第1の周波数安定
    化手段と、 他方の種光源の周波数を、前記周波数安定化された一方
    の種光源の発振光の一部を参照して所定の周波数差で安
    定化する第2の周波数安定化手段とを設けたことを特徴
    とする光パルス発生装置。
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