JP3338236B2 - 高速繰返し光パルス列発生装置および高速繰返し光パルス列の発生方法 - Google Patents

高速繰返し光パルス列発生装置および高速繰返し光パルス列の発生方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超高速光通信に用い
て好適な、高い繰返し周波数を有する超短光パルス列を
モード同期半導体レーザ(モード同期法を用いて光パル
ス列を発生する半導体レーザ)を用いて発生する装置お
よび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信の分野では、大容量化の要
請に応じて信号を密にするために、光パルス列の繰返し
周波数を高くすること(高速化)が望まれている。従来
のモード同期半導体レーザを用いた、繰返し周波数の高
い超短光パルス列(以下、高速繰返し光パルス列とも称
する)の発生装置および方法の一例が、文献:「”40G
Hz active mode locking in a 1.5 μm monolichic e
xtended-cavity laser”Electron.Lett.
25,621(1989)」に記載されている。この文
献の記載によれば、レーザの利得領域に繰返し40GH
zの正弦波電圧変調を印加して能動モード同期法により
超短光パルス列を達成している。
【0003】モード同期法では、縦モード発振している
レーザの各縦モードの位相を同期させることにより、レ
ーザ発振スペクトルのフーリエ変換で与えられる光パル
ス列(変換リミットパルスとも称する)を得る。光パル
ス列の繰返し周波数は、縦モード間隔と一致した周波数
である周回周波数、またはその整数倍の周波数となる。
この周回周波数は、レーザの共振器長に反比例して高く
なる。また、モード同期法には、上記文献に記載された
方法のように外部変調器によってモード同期レーザに変
調を与える能動モード同期法と、モード同期レーザの可
飽和吸収体等の非線形素子の働きにより自発的に変調が
かかる受動モード同期法とが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例では4
0GHzという高周波発振が可能な発振器を使用してい
る。しかし、通常の発振器では、高々10GHzの発振
周波数しか得られない。能動モード同期法においては、
モード同期半導体レーザの繰返し周波数の上限は、外部
変調器(発振器)の周波数によって制約を受ける。従っ
て、通常の発振器を用いたのでは、高々10GHzの繰
返し周波数のパルス列しか発生させることができなかっ
た。
【0005】一方、受動モード同期法においては、モー
ド同期レーザの繰返し周波数は、発振器の周波数による
制約を受けない。しかし、受動モード同期法では、安定
した繰返し周波数および時間ジッタが得られなかった。
【0006】このため、発振器の基準周波数よりも高い
繰返し周波数の光パルス列を安定的に発振させることが
できる、高速繰返し光パルス列の発生方法および超短パ
ルスレーザの実現が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】(第1の発明)この出願
に係る第1の発明の高速繰返し光パルス列発生装置によ
れば、発振器、マスターレーザ、モード同期レーザおよ
び光波長選択手段とを具え、該発振器は、モード同期レ
ーザの繰返し周波数の整数分の1の基準周波数であっ
て、かつ、マスターレーザのキャリア緩和時間の逆数よ
りも高い基準周波数を発振して出力し、該マスターレー
ザは、該基準周波数を入力すると、非正弦波の光パルス
列を発生して出力し、非正弦波の該光パルス列をモード
同期レーザの可飽和吸収領域に入力すると、非正弦波の
該光パルス列の光電場によって該モード同期レーザは有
効に変調がかけられて、当該モード同期レーザの周回周
波数およびその整数倍の周波数である繰返し周波数の成
分を含む光パルス列を発生して出力し、光波長選択手段
は、該モード同期レーザから出力された光パルス列のう
ち、当該モード同期レーザの周回周波数およびその整数
倍の周波数である繰返し周波数の成分以外の前述のマス
ターレーザから出力された前述の光パルス列の成分を除
去することを特徴とする。
【0008】(第2の発明)また、この出願に係る第2
の発明の高速繰返し光パルス列の発生方法によれば、モ
ード同期レーザの周回周波数およびその整数倍の周波数
の繰返し周波数の整数分の1の周波数であって、かつ、
マスターレーザのキャリア緩和時間の逆数よりも高い基
準周波数を発振器から出力し、該基準周波数をマスター
レーザに入力し、当該マスターレーザから非正弦波の光
パルス列を発生して出力し、非正弦波の該光パルス列を
モード同期レーザの可飽和吸収領域に入力し、非正弦波
の該光パルス列の光電場によって該モード同期レーザに
有効に変調をかけて、前述の周回周波数またはその整数
倍の周波数の成分を含む、出力光パルス列を発生して出
力し、該モード同期レーザから出力された該出力光パル
ス列のうち、当該モード同期レーザの周回周波数および
その整数倍の周波数である繰返し周波数の成分以外の前
述のマスターレーザから出力された前述の光パルス列の
成分を除去することを特徴とする。
【0009】
【作用】以下、図1の(A)〜(F)を参照して、この
発明の高速繰返し光パルス列発生装置および発生方法の
原理について説明する。
【0010】図1の(A)は、この発明の高速繰返し光
パルス発生装置の該略図である。
【0011】この発明では、発振器10、マスターレー
ザ12、モード同期半導体レーザであるスレーブレーザ
14および光波長選択手段16を具えている。
【0012】この発明では、先ず、発振器10に、スレ
ーブレーザ14の繰返し周波数fs(ここでは周回周波
数fとする)の整数n分の1の基準周波数f/nで変調
電圧(または変調電流)を発振させる。そして、この発
振器10の出力をマスターレーザ12に入力する。
【0013】マスターレーザ12は、繰返し周波数f/
nの正弦波でない光パルス列(以下、マスタ光パルス列
とも称する)を出力する。このマスタ光パルス列の実時
間波形の概略を図1の(B)に示す。図1の(B)のグ
ラフの横軸は時間を表し、縦軸はパルス強度を表す。隣
接するパルス間隔は、繰返し周波数の逆数(n/f)で
表される。
【0014】また、この発明では、このマスタ光パルス
列を非正弦波とするために、基準周波数f/nをマスタ
ーレーザのキャリア緩和時間の逆数よりも高くする。マ
スタ光パルス列を非正弦波とすることによって、スペク
トルの高調波成分を発生させることができる。このマス
タ光パルス列の電気スペクトルの概略を図1の(C)に
示す。図1の(C)のグラフの横軸は周波数を表し、縦
軸はスペクトルの強度を表す。図1の(C)に示すよう
に、マスタ光パルス列の電気スペクトルは、繰返し周波
数f/nの基準周波数以外に、その高調波成分2f/
n、3f/n、・・・f(=nf/n)・・・mf/n
・・・を含む。特に、マスタ光パルス列の各パルス幅Δ
tが、スレーブレーザの周回周波数fの逆数程度に狭け
れば、各高調波成分の電気スペクトルの強度を、基準周
波数の成分の電気スペクトルの強度程度に強くすること
ができる。
【0015】次に、このマスタ光パルス列を、モード同
期半導体レーザであるスレーブレーザに入力すると、ス
レーブレーザは、マスタ光パルス列の光電場によって、
繰返しf/n、2f/n、3f/n、・・・f(=nf
/n)・・・mf・・・の周波数で変調される。
【0016】また、このスレーブレーザは、モード同期
半導体レーザに特有の応答特性を有する。次に、図1の
(D)に、スレーブレーザの周波数応答特性(以下、単
に応答特性とも称する)の電気スペクトル概略を示す。
図1の(D)のグラフの横軸は周波数を表し、縦軸は電
気スペクトルの強度を表す。図1の(D)に示すよう
に、スレーブレーザの出力の電気スペクトルの強度は、
スレーブレーザの緩和振動周波数frで極大となった
後、その高周波数側では一旦減少する。そして、スレー
ブレーザの周回周波数fおよびその高調波の周波数で共
振状の鋭い応答を示す。
【0017】このため、マスタ光パルス列の作り出す光
電場に対するスレーブレーザの出力光パルス列は、この
周波数応答特性を反映したものとなる。この出力光パル
ス列の電気スペクトルの概略を図1の(F)に示す。図
1の(F)のグラフの横軸は周波数を表し、縦軸はスペ
クトルの強度を表す。図1の(F)に示すように、周回
周波数fおよびその高調波成分にのみ共振して強く応答
する。一方、その他の成分例えばf/n、2f/n、3
f/nといった成分に対する応答は弱くなる。その結
果、出力パルス列の繰返し周波数は、基準周波数の整数
倍となる。また、図1の(F)では示していないが、周
波数fのピークの左側に、緩和振動周波数frに対応す
るピークが現れる。尚、基準周波数f/nは緩和振動周
波数frよりも通常大きい。尚、マスタ光パルス列に緩
和振動周波数frの成分が含まれていなければ、出力光
パルス列にも緩和振動周波数frの成分は含まれない。
【0018】また、この出力光パルス列の実時間波形の
概略を図1の(E)に示す。図1の(E)のグラフの横
軸は時間を表し、縦軸はパルス強度を表す。出力光パル
ス列の隣接するパルス間隔は、スレーブレーザの繰返し
周波数の逆数(1/f)で表される。また、図1の
(E)も後述の光波長選択手段を経た出力光パルス列の
実時間波形に相当する。このように、パルス間隔が狭く
なることにより、この出力光パルス列を光通信に用いれ
ば、信号の密度を高くすることができる。
【0019】次に、スレーブレーザからの出力光パルス
列を、光波長選択手段(例えば光波長フィルタ、バンド
パスフィルタ)に入力する。そして、出力光パルス列か
ら、当該スレーブレーザの周回周波数およびその整数倍
の周波数である繰返し周波数の成分以外のマスターレー
ザから出力された光パルス列の成分を除去する。その結
果、繰返し周波数fの高速光パルス列が得られる。
【0020】ところで、スレーブレーザから出力される
光パルス列の繰返し周波数および時間ジッタは、発振器
によって制御される。このため、スレーブレーザの光パ
ルス列の繰返し周波数および時間ジッタを安定化するこ
とができる。
【0021】従って、これらの発明によれば、基準周波
数よりも高い、即ち、発振器(外部共振器、変調器、高
周波電源もしくは高周波電流源に相当する)の変調帯域
よりも高い繰返し周波数で光パルス列を発振させること
ができる。従って、高速繰返し周波数の光パルス列を安
定的に発振することができる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この出願に係る第1
の発明の高速繰返し光パルス列の発生装置および第2の
発明の高速繰返し光パルス列の発生方法について併せて
説明する。尚、参照する図面は、これらの発明が理解で
きる程度に各構成成分の大きさ、形状および配置関係を
概略的に示してあるに過ぎない。従って、これらの発明
は、図示例にのみ限定されるものではない。
【0023】(構成について)先ず、図2を参照して、
この発明の高速光パルス発生装置の構成について説明す
る。図2は、この実施例の高速光パルス発生装置の構成
図である。この実施例では、発振器10として、基準周
波数を4.225GHzの正弦波発振器10を用いる。
また、この発振器は低ノイズであることが望ましく、例
えば、オフセットで10kHzで100dB/Hz程度
以下であることが望ましい。また、この発振器は、高い
出力のものであることが望ましく、この実施例では出力
が20dBのものを用いる。
【0024】また、この実施例では、マスターレーザ1
2として、発振波長が1.5533μmのInP系の半
導体DFBレーザ(以下、DFBレーザとも略称する)
12を用いる。このDFBレーザ12は、発振器10に
よって変調されることで利得スイッチによりマスタ光パ
ルス列を発振する。このマスタ光パルス列は、基準周波
数f/nをマスターレーザのキャリア緩和時間の逆数よ
りも高くすることにより非正弦波となる。
【0025】次に、この実施例では、マスタ光パルス列
は、第1光学的結合系20を介して光ファイバ22に入
射する。この第1光学的結合系20は、マスターレーザ
に対する戻り光の影響を除去するために、光アイソレー
タを内包している。また、この光ファイバ上には、マス
タ光パルス列のモニターのための分岐のための第1ファ
イバーカプラ24を設けている。また、この第1ファイ
バーカプラで分岐した一方の光ファイバは光オシロスコ
ープ26およびマイクロ波スペクトルアナライザ28に
繋がっている。
【0026】また、ファイバーカプラ24の分岐のもう
一方の光ファイバは、エルビウム添加光ファイバ増幅器
(以下、EDFAと略称する)30および偏波面コント
ローラ32を経て第2ファイバカプラ34に繋がってい
る。このEDFA30でマスタ光パルス列は増幅され
る。また、この偏波面コントローラ32で、マスタ光パ
ルス列の偏波面を、スレーブレーザの発振偏波面と一致
させる。
【0027】また、第2ファイバカプラ34で分岐した
一方の光ファイバは、第2光学的結合系36を介して、
スレーブレーザ14に繋がっている。また、第2ファイ
バカプラ34で分岐したもう一方の光ファイバは、光波
長選択手段16としての光バンドパスフィルタ16を介
して、光オシロスコープ38およびマイクロ波スペクト
ルアナライザ40に繋がっている。この光バンドパスフ
ィルタ16の透過中心波長は1.56505μm、透過
帯域幅は1.5nmである。この実施例では、この光バ
ンドパスフィルタ16によって、スレーブレーザの入射
端面で反射してくるマスタ光パルス列の成分を除去する
ことができる。
【0028】次に、この実施例では、スレーブレーザ1
4として、共振器内に可飽和吸収領域と利得領域とを具
えた受動モード同期半導体レーザ(以下、受動モード同
期レーザとも略称する)14を用いる。このスレーブレ
ーザ14は、活性層として、5層のInGaAsの井戸
層とInGaAsPバリアとを交互に積層した多重量子
井戸構造を具えている。また、このスレーブレーザ14
は、フリーランニング、即ち、光パルス列を入力しない
状態で、中心波長1.5605μm、スペクトル幅0.
184nm、パルス幅20ps、周回周波数f=8.4
5GHzの光パルスを発振する。
【0029】次に、図3に、このスレーブレーザ14の
周波数の応答特性の測定結果を示す。図3のグラフの横
軸は、周波数(1.8GHz/div)を表し、縦軸
は、変調度(3dB/div)を表す。図3のグラフに
よれば、1.23GHzに緩和振動周波数frに対応す
る緩やかなピークが見られる。また、8.45GHz
に、周回周波数fに対応する共振状のピークが見られ
る。また、16.9GHzに、周回周波数の高調波2f
に対応する共振状の鋭いピークが見られる。
【0030】(動作について) 高速繰返し光パルス列を発生させるにあたり、この実施
例では先ず、DFBレーザに、発振器から4.225G
Hzの変調波を印加したときのマスタ光パルス列のパル
ス幅は7ps、中心波長は1.5533μm、スペクト
ル幅は0.65μmであった。
【0031】次に、このマスタ光パルス列をマイクロ波
スペクトルアナライザで測定した結果を図4に示す。図
4のグラフの横軸は、波長(GHz)を表し、縦軸はス
ペクトルの強度を対数で表している。尚、図4では、バ
ックグランドをその幅の中心線で代表して示す。図4で
は、基本周波数の4.225GHzおよびその高調波の
周波数である8.450GHz、12.675GHzお
よび16.900GHzに、ピークの強度の揃った離散
的なスペクトルが観測されている。このときのマスタ光
パルス列の時間ジッタは、0.72psと見積られた。
【0032】次に、このマスタ光パルス列を、EDFA
で増幅してパルスピーク強度を4mWとした後、スレー
ブレーザに入力する。この実施例では、スレーブレーザ
の可飽和吸収領域に、マスタ光パルス列による変調が有
効にかかるように、マスタ光パルス列を、可飽和吸収体
側の端面から入射する。また、スレーブレーザの出力す
る光パルス列(以下、出力光パルス列とも称する)も可
飽和吸収体側の端面から取り出す。
【0033】次に、スレーブレーザから出力された光パ
ルス列のうち、周回周波数よりも低い周波数成分を光バ
ンドパスフィルタ(波長フィルタ)16を用いて除去す
る。
【0034】次に、図5に、波長フィルタを通過した光
パルス列の電気スペクトルを示す。図5のグラフの横軸
は、波長(GHz)を表し、縦軸はスペクトルの強度を
対数で表している。図5では、周回周波数fの8.45
0GHzに急峻なピークが見られる。
【0035】次に、図6に、図5よりも横軸の周波数レ
ンジを広く取ったときの光パルスの観測結果を示す。図
6では、周回周波数に対応する8.450GHz付近
と、周回周波数の高調波の16.900GHz付近に、
強いピークが観測され、この周波数の成分にエネルギー
が集中していることが分かる。一方、周回周波数の整数
倍からはずれた4.225GHzおよび12.675G
Hzピークは抑制されている。これは、図3に示した、
この受動モード同期レーザの応答特性を反映した結果で
ある。即ち、スレーブレーザに入力された光パルス列の
周波数成分のうち、4.225GHzおよび12.67
5GHzの周波数成分に対しては応答が弱く、一方、
8.45GHzおよび16.9GHzの周波数成分に対
しては応答が強いことを反映した結果である。従って、
繰返し周波数は、8.45GHzとなっている。
【0036】次に、このマスタ光パルスを入力したとき
の、波長フィルタを通過した出力の光オシロスコープの
観測結果を示す。図7の横軸は時間(100ps/di
v)を表し、縦軸は光パルス列の強度(任意単位)を表
す。図7では、繰返し周波数f=8.45GHzの光パ
ルス列が観測されている。従って、マスタ光パルス列で
f/n(=4.225GHz)であった繰返し周波数
を、出力光パルス列ではf(=8.450GHz)に、
高速化することができる。
【0037】また、このときのマスタ光パルス列の時間
ジッタは、1psと見積られた。この時間ジッタは、マ
スタ光パルスの強度を強くする(即ち、繰返し周波数の
成分の強度を強くする)ことによって、マスターレーザ
の時間ジッタ程度まで改善することが可能である。
【0038】このように、この実施例では、低速の外部
変調(発振器の基準周波数)によって、高速の繰返し周
波数の光パルス列を安定して得ることができる。
【0039】次に、比較のため、図8に、マスタ光パル
スを入力しない場合のスレーブレーザの出力の電気スペ
クトルの観測結果を示す。図8のグラフの各軸は、前述
した図5のグラフのものと同一である。図8では、周回
周波数8.45GHz付近に、なだらかなピークが見ら
れるが、このピークの半値幅は約15MHzと大きなも
のとなっている。また、この出力を光オシロスコープで
観測したところ、光パルス列は観測されなかった。フリ
ーランニング時の受動モード同期レーザの光パルス列は
安定が悪く、時間ジッタが大きいため、光オシロスコー
プへの50MHzのトリガー信号と出力との間で同期が
取れないことが原因と考えられる。このように、受動モ
ード同期レーザだけでは、出力光パルス列が安定してい
ないが、発振器によって光スイッチングされたマスタレ
ーザのマスタ光パルスを入射することによって、受動モ
ード同期レーザであっても、出力光パルス列の安定化を
図ることができる。
【0040】次に、発振器の基準周波数を2.1125
GHzとして、出力光パルス列の発振を試みた。この場
合、出力光パルス列の時間ジッタは、フリーランニング
の場合よりは改善が見られた。しかし、出力光パルス列
の電気スペクトルを観測したところ、図示はしないが、
基準周波数の2.1125GHzの成分が周回周波数の
8.45と同程度の強度で残っていた。これは、2.1
125GHzの周波数に対して、モード同期レーザの応
答特性が応答してしまうためと考えられる。この余分な
応答を避けるためには、基準周波数f/nは、スレーブ
レーザの緩和振動周波数frの2倍程度に高くしておく
ことが望ましい。
【0041】上述した実施例では、この発明と特定の素
子を使用し、特定の条件で構成した例について説明した
が、この発明は、多くの変更および変形を行うことがで
きる。例えば、上述した実施例では、スレーブレーザと
して受動モード同期レーザを用いたが、この発明ではス
レーブレーザはモード同期レーザならば良く、例えば、
能動モード同期レーザを用いても良い。
【0042】また、上述した実施例では、マスターレー
ザとしてDFBレーザを用いたが、この発明では、マス
ターレーザに使用するレーザの種類は特に限定されず、
また、モード同期レーザに限定する必要もない。
【0043】また、上述した実施例では、基準周波数
を、スレーブレーザの周回周波数fの整数分の1(4分
の1、2分の1)としたが、これらの発明では、基準周
波数を、スレーブレーザの周回周波数の整数倍の繰返し
周波数の整数分の1としても良い。
【0044】
【発明の効果】この出願に係る第1および第2の発明
(以下、この発明)によれば、スレーブレーザの繰返し
周波数fの整数分の1の基準周波数f/nでマスターレ
ーザに変調をかけて非正弦波のマスタ光パルス列を発生
させる。そして、このマスタ光パルスをスレーブレーザ
に入力する。この発明では、スレーブレーザとしてモー
ド同期半導体レーザを用いる。このモード同期半導体レ
ーザの応答特性のために、スレーブレーザの周回周波数
fおよび周回周波数fの整数倍の周波数mf(mは正の
整数)の成分のみがスレーブレーザから出力される。こ
のため、マスターレーザの光パルス列の電気スペクトル
のうち、繰返し周波数がf/n等のスレーブレーザの周
回周波数よりも小さい成分および周回周波数の整数倍で
ない成分は、スレーブレーザの出力から実質的に除去さ
れる。さらに、光波長選択手段を用いてスレーブレーザ
の出力から当該スレーブレーザの周回周波数およびその
整数倍の周波数である繰返し周波数の成分以外のマスタ
ーレーザから出力された光パルス列の成分を除去する。
その結果、スレーブレーザの周回周波数またはその整数
倍の繰返し周波数の光パルス列を得ることができる。
【0045】また、スレーブレーザから出力される光パ
ルス列の繰返し周波数および時間ジッタは、発振器によ
って制御される。このため、スレーブレーザの光パルス
列の繰返し周波数および時間ジッタを安定化することが
できる。
【0046】従って、この発明では、マスターレーザに
変調をかけた基準周波数の整数倍の繰返し周波数の光パ
ルス列をスレーブレーザから安定的に発生させることが
できる。
【0047】また、光パルス列の繰返し周波数を高速に
することによって、信号密度を高くすることができる。
その結果、光通信において大容量化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(F)は、この発明の高速繰返し光パ
ルス列発生装置および高速繰返し光パルス列の発生方法
の原理の説明に供する図である。
【図2】実施例の高速繰返し光パルス列発生装置の説明
に供する構成図である。
【図3】実施例に用いるスレーブレーザの周波数応答特
性の測定結果である。
【図4】実施例に用いるマスターレーザの出力をマイク
ロ波スペクトルアナライザで測定した電気スペクトルで
ある。
【図5】実施例のスレーブレーザの出力の電気スペクト
ル(小レンジ)である。
【図6】実施例のスレーブレーザの出力の電気スペクト
ル(大レンジ)である。
【図7】実施例のスレーブレーザの出力の光オシロスコ
ープによる観測結果である。
【図8】フリーランニングのときの実施例のスレーブレ
ーザの出力の電気スペクトルである。
【符号の説明】
10:発振器 12:マスターレーザ 14:スレーブレーザ(モード同期半導体レーザ) 16:光波長選択手段(光バンドパスフィルタ) 20:第1光学的結合系 22:光ファイバ 24:第1ファイバカプラ 26:光オシロスコープ 28:マイクロ波スペクトルアナライザ 30:EDFA 32:偏波面コントローラ 34:第2ファイバカプラ 36:第2光学的結合系 38:光オシロスコープ 40:マイクロ波スペクトルアナライザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 洋 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電 気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−350205(JP,A) 特開 平4−349684(JP,A) 特開 平6−61564(JP,A) 特開 平5−315682(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振器、マスターレーザ、モード同期レ
    ーザおよび光波長選択手段とを具え、 該発振器は、モード同期レーザの繰返し周波数の整数分
    の1の基準周波数であって、かつ、マスターレーザのキ
    ャリア緩和時間の逆数よりも高い基準周波数を発振して
    出力し、 該マスターレーザは、該基準周波数を入力すると、非正
    弦波の光パルス列を発生して出力し、 非正弦波の該光パルス列をモード同期レーザの可飽和吸
    収領域に入力すると、非正弦波の該光パルス列の光電場
    によって該モード同期レーザは有効に変調がかけられ
    て、当該モード同期レーザの周回周波数およびその整数
    倍の周波数である繰返し周波数の成分を含む光パルス列
    を発生して出力し、 光波長選択手段は、該モード同期レーザから出力された
    光パルス列のうち、当該モード同期レーザの周回周波数
    およびその整数倍の周波数である繰返し周波数の成分以
    外の前記マスターレーザから出力された前記光パルス列
    の成分を除去することを特徴とする高速繰返し光パルス
    列発生装置。
  2. 【請求項2】 モード同期レーザの周回周波数およびそ
    の整数倍の周波数の繰返し周波数の整数分の1の周波数
    であって、かつ、マスターレーザのキャリア緩和時間の
    逆数よりも高い基準周波数を発振器から出力し、 該基準周波数をマスターレーザに入力し、当該マスター
    レーザから非正弦波の光パルス列を発生して出力し、 非正弦波の該光パルス列をモード同期レーザの可飽和吸
    収領域に入力し、非正弦波の該光パルス列の光電場によ
    って該モード同期レーザに有効に変調をかけて、前記周
    回周波数またはその整数倍の周波数の成分を含む、出力
    光パルス列を発生して出力し、 該モード同期レーザから出力された該出力光パルス列の
    うち、当該モード同期レーザの周回周波数およびその整
    数倍の周波数である繰返し周波数の成分以外の前記マス
    ターレーザから出力された前記光パルス列の成分を除去
    することを特徴とする高速繰返し光パルス列発生方法。
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