JP3055735B2 - 受動モード同期半導体レーザ装置 - Google Patents

受動モード同期半導体レーザ装置

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JP3055735B2
JP3055735B2 JP4220485A JP22048592A JP3055735B2 JP 3055735 B2 JP3055735 B2 JP 3055735B2 JP 4220485 A JP4220485 A JP 4220485A JP 22048592 A JP22048592 A JP 22048592A JP 3055735 B2 JP3055735 B2 JP 3055735B2
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弘樹 伊藤
義久 界
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超高速光パルスを用いた
光通信および光情報処理に利用する。特に、超高速光パ
ルス光源として用いられる受動モード同期半導体レーザ
の発振繰り返し周波数の設定に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気信号による変調を介さ
ず、レーザ共振器内の可飽和吸収効果を利用して自励パ
ルス発振する受動モード同期半導体レーザが知られてい
る。このような受動モード同期半導体レーザの発振繰り
返し周波数を外部信号に同期させる方法としては、その
受動モード同期半導体レーザに外部から繰り返し周波数
がロックされた光パルスを注入して、その受動モード同
期半導体レーザのモード同期周波数を強制的にその注入
光パルスの繰り返し周波数に同期させる方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の方法では、レーザ共振器内のダイナミックな挙動に
起因するジッタが発生しやすく、安定した同期が難しい
という問題がある。また、受動モード同期半導体レーザ
の繰り返し周波数が数10Hz以上の場合には、そのよ
うに高い周波数で繰り返す注入光パルスを発生すること
自体が困難であるという問題がある。
【0004】本発明は、このような課題を解決し、数1
0GHz以上の繰り返し周波数においても安定に同期さ
せることのできる受動モード同期半導体レーザ装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の受動モード同期
半導体レーザ装置は、基準周波数fの電気信号を発生す
る基準周波数発生器と、周期的にパルス発振する受動モ
ード同期半導体レーザと、この半導体レーザの発振繰り
返し周波数を基準周波数fの自然数n倍の周波数n・f
に同期させる周波数同期手段とを備えた装置において、
この周波数同期手段が、周波数Δfで電気的に発振する
比較周波数発生器と、この比較周波数発生器の出力と基
準周波数発生器の出力とから周波数f±Δfの電気信号
を発生する手段と、この電気信号の周波数で繰り返し参
照光パルスを発生する参照レーザと、受動モード同期半
導体レーザが出力する繰り返し周波数n・fの信号光パ
ルスと参照レーザからの繰り返し周波数f±Δfの参照
光パルスとを入力とし、周波数n・Δfの相関信号を発
生する光相関信号発生器と、比較周波数発生器の出力周
波数Δfをn倍する周波数逓倍器と、この周波数逓倍器
の出力と光相関信号発生器の出力との位相差を検出する
位相比較器と、検出された位相差に比例した誤差電圧に
より受動モード同期半導体レーザの発振繰り返し周波数
を調節する手段とを含むことを特徴とする。
【0006】発振繰り返し周波数を調節する手段は、受
動モード同期半導体レーザの温度を電気的に制御するペ
ルチェ素子を含むことが望ましい。
【0007】光相関信号発生器としては、導波路構造の
二次の光非線形媒質を用いた和周波数発生器を用いるこ
とがよい。すなわち、ローカルレーザの発振光波長λ2
を光パルスレーザの発振光波長λ1 と異なる値にしてお
き、光相関信号発生器には、波長λ1 の信号光パルスと
波長λ2 の参照光パルスとからその和周波数成分である
波長λ1 ・λ2 /(λ1 +λ2 )の光を発生する和周波
数発生器と、この和周波数成分を電気信号として検出す
る検出手段と、検出された電気信号から周波数n・Δf
の成分を取り出す電気フィルタとを含むことがよい。
【0008】また、これとは別に、光相関信号発生器と
して光カー効果を有する三次の光非線形媒質を用いるこ
ともできる。すなわち、光相関信号発生器は、信号光パ
ルスと同時に参照光パルスが入射したときにその信号光
パルスを透過する光カースイッチと、この光カースイッ
チを透過した信号光パルスを電気信号として検出する検
出手段と、検出された電気信号から周波数n・Δfの成
分を取り出す電気フィルタとを含む構成でもよい。
【0009】
【作用】受動モード同期半導体レーザの出力信号光パル
スの繰り返し周波数n・fに対して、繰り返し周波数が
f+Δfまたはf−Δfの参照光パルスを発生させる。
そして、この参照光パルスと信号光パルスとの光相関を
とることにより、周波数n・Δfの相関電気信号を得
る。この一方で、周波数Δfを電気的に逓倍したn・Δ
fの信号を発生させておき、周波数n・Δfの二つの電
気信号の位相差を誤差信号として検出し、この誤差信号
により受動モード同期半導体レーザの温度を制御する。
これにより、受動モード同期半導体レーザの発振繰り返
し周波数をn・fにロックできる。
【0010】本発明では、参照光パルスの繰り返し周波
数を信号光パルスの約1/nの低い値にしているので、
通常の能動モード同期その他の電気的変調手法を用いて
も容易に参照光パルスを発生させることができる。
【0011】また、この場合の位相同期がかかる受動モ
ード同期半導体レーザの繰り返し周波数の上限は、用い
る光相関信号発生器の応答速度および参照光パルスのパ
ルス幅によって決まる。光相関信号発生器として、二次
の光非線形効果を利用した和周波数発生器や、三次の光
非線形効果を利用した光カースイッチを用いた場合、そ
の応答速度を数ピコ秒程度に設定できる。また、参照光
パルスの幅についても、参照レーザである半導体レーザ
に能動モードロックをかけることにより、1〜2ピコ秒
にすることができる。したがって、全体として10ピコ
秒以下の動作が可能となり、少なくとも100GHz程
度の繰り返し周波数に対して同期をかけることが可能で
ある。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0013】図1は本発明の実施例を示すブロック構成
図である。
【0014】この実施例装置は、基準周波数fの電気信
号を発生する基準周波数発生器105と、周期的にパル
ス発振する受動モード同期半導体レーザ101と、この
半導体レーザ101の発振繰り返し周波数を基準周波数
fの自然数n倍の周波数n・fに同期させる周波数同期
手段とを備える。ここで本実施例の特徴とするところ
は、周波数同期手段として、周波数Δfで電気的に発振
する比較周波数発生器と、この比較周波数発生器の出力
と基準周波数発生器の出力とから周波数f+Δfの電気
信号を発生する手段としてのミキサ107、帯域通過フ
ィルタ117および変調ドライバ108と、この電気信
号の周波数で繰り返し参照光パルス116を発生する参
照レーザ104と、受動モード同期半導体レーザ101
が出力する繰り返し周波数n・fの信号光パルス115
と参照レーザ104からの繰り返し周波数f+Δfの参
照光パルス116とを入力とし、周波数n・Δfの相関
信号を発生する光相関信号発生器111と、比較周波数
発生器106の出力周波数Δfをn倍する周波数逓倍器
112と、この周波数逓倍器112の出力と光相関信号
発生器111の出力との位相差を検出する位相比較器1
13と、検出された位相差に比例した誤差電圧により受
動モード同期半導体レーザ101の発振繰り返し周波数
を調節する手段としての低域通過フィルタ114、ペル
チェ素子制御回路103およびペルチェ素子102とを
備える。光相関信号発生器111の入力には、信号光パ
ルス115および参照光パルス116をそれぞれ増幅す
るために、Er添加光ファイバ増幅器109、110が
設けられる。
【0015】受動モード同期半導体レーザはInGaA
sP系半導体レーザ内に可飽和領域が設けられた構造を
もち、受動モード同期をかけることにより、波長1.5
5μmにおいて、繰り返し周波数が約80GHz、パル
ス幅が1.1ピコ秒の信号光パルスを出力する。ペルチ
ェ素子102はこの受動モード同期半導体レーザ101
に密接して配置され、その温度がペルチェ素子制御回路
103により制御される。
【0016】参照レーザ104はInGaAsP系半導
体レーザであり、電気信号による変調で波長1.53μ
m、繰り返し周波数が約20GHzの参照光パルスを発
生する。
【0017】基準周波数発生器105は周波数f=20
GHzの基準周波数信号を発生し、比較周波数発生器1
06は周波数Δf=1MHzの比較周波数を発生する。
Er添加光ファイバ増幅器107、108は最大飽和平
均出力が約100mWであり、それぞれ信号光パルス、
参照光パルスを増幅する。
【0018】この実施例の動作について説明する。
【0019】基準周波数発生器105の出力と比較周波
数発生器106の出力とをミキサ107で混合し、その
和周波数信号と差周波数信号との一方、この実施例では
和周波数を帯域通過フィルタ117により取り出し、変
調ドライバ108から参照レーザ104に変調を加え
る。この変調により参照レーザ104に能動モード同期
がかかり、参照レーザ104は参照光パルス116を出
力する。参照光パルス116の繰り返し周波数は、基準
周波数発生器105の発振周波数f=20GHzと、比
較周波数発生器106の発振周波数Δf=1MkHzと
の和周波数に一致する。参照光パルス116のパルス幅
は、実測によると約1.2ピコ秒であった。信号光パル
ス115および参照光パルス116は、それぞれEr添
加光ファイバ増幅器109、110により増幅され、光
相関信号発生器111に入力される。光相関信号発生器
111は、二つの光パルスの相関をとり、周波数n・Δ
f=4MHzの相関信号を発生する。
【0020】比較周波数発生器106の出力はまた、分
岐されて周波数逓倍器112に入力される。周波数逓倍
器112は、入力された信号の周波数をn=4倍し、n
・Δf=4MHzの参照信号を発生する。
【0021】光相関信号発生器111の出力した相関信
号と、周波数逓倍器112の出力した参照信号とは、位
相比較器113に入力される。位相比較器113は、両
者の位相差(瞬時周波数差)を検出する。この位相差
は、信号光パルス115と参照光パルス116との位相
差、すなわち、受動モード同期半導体レーザ101の同
期周波数と、基準周波数発生器105からの基準周波数
のn=4倍の値との差に対応している。
【0022】位相比較器113の出力は低域通過フィル
タ114に入力される。低域通過フィルタ114は、位
相比較器113の出力から相関信号と参照信号との位相
差に比例した誤差電圧を取り出し、これをペルチェ素子
制御回路103に供給する。ペルチェ素子制御回路10
3は、この誤差電圧にしたがってペルチェ素子102の
温度を微細に変化させる。この温度変化により、受動モ
ード同期半導体レーザ101のレーザ共振器の実効長が
微細に変化し、その同期周波数が微細に変化する。
【0023】ここで、誤差電圧の印加による受動モード
同期半導体レーザ101の同期周波数の変化が位相比較
器113で検出される位相差を減らす方向に働くよう
に、ペルチェ素子制御回路103の動作を設定しておけ
ば、受動モード同期半導体レーザ101→光相関信号発
生器111→位相比較器113→受動モード同期半導体
レーザ101で構成されるループが位相同期ループとし
て働く。この位相同期ループは、受動モード同期半導体
レーザ101の同期周波数が基準周波数発生器105の
発生した基準周波数の4倍値に等しくなった点が安定で
ある。したがって、ループが安定した時点で、受動モー
ド同期半導体レーザ101の同期周波数は、基準周波数
発生器105の出力である基準周波数20GHzの4倍
の値、すなわち80GHzに同期する。
【0024】図2は光相関信号発生器の一例を示す構成
図である。ここでは、和周波発生器を用いた例を説明す
る。
【0025】この光相関信号発生器は、信号光パルス2
01(図1における115に相当)と、参照光パルス2
02(図1における116に相当)とを入力とし、λ/
2位相板203、204、ハーフミラー205、結合レ
ンズ206、和周波発生器207、コリメートレンズ2
08、波長0.77μmの光のみを透過する波長フィル
タ209、光検出器210、および遮断周波数が5MH
zの電気的な低域通過フィルタ211を備え、周波数n
・Δf=4MHzの相関信号212を出力する。光検出
器210としては、例えばSiアバランシェフォトダイ
オード(APD)を用いる。
【0026】和周波発生器207は、光の伝搬方向に結
晶のa軸、基板面に平行にb軸、基板面に垂直に−c軸
をとったMgO:LiNbO3 結晶基板に、Tiを拡散
して光導波路を形成したものである。基板面上には、c
軸方向からb軸と平行にピッチdで電子線を周期的に照
射することにより、基板に周期的なドメイン反転が形成
され、和周波発生のための疑似位相整合条件が成立する
ようになっている。疑似位相整合が成立するピッチdは
次の式で表される。
【0027】 d=|N3 /λ3 −N2 /λ2 −N1 /λ1 -1 …(1) この式において、λ1 は信号光パルスの波長、λ2 は参
照光パルスの波長、λ3は二つの光の和周波の波長を表
し、N1 、N2 、N3 はそれぞれ波長λ1 、λ2、λ3
におけるc軸偏光波に対する実効屈折率を表す。
【0028】ここで、λ1 =1.55μm、λ2 =1.
53μmとすると、和周波波長λ3は、波長の逆数が周
波数に比例することから1/λ1 +1/λ2 =1/λ3
により求められ、λ3 =0.77μmである。このと
き、d=20μmに設定すると、c軸に偏光した信号光
パルス201と参照光パルス202によりc軸に偏光し
た和周波成分が発生する疑似位相整合条件が得られる。
【0029】このような和周波発生器207による光相
関信号の発生についてさらに詳しく説明する。
【0030】信号光パルス201および参照光パルス2
02の偏光をそれぞれλ/2位相板203、204によ
りc軸方向に一致させ、ハーフミラー205で合波した
後、結合レンズ206を介して和周波発生器207に入
射する。和周波発生器207では、疑似位相整合条件が
満足されていることから、信号光パルス201と参照光
パルス202との和周波成分である波長0.77μmの
光を出力する。
【0031】和周波発生過程を時間的にみると、信号光
パルス201と参照光パルス202との時間的重なりの
程度が大きいほど、発生する和周波成分の強度が大きく
なる。本実施例では、信号光パルス201と参照光パル
ス202とで繰り返し周波数が異なるため、二つのパル
スの重なりの程度が周期的に変動し、この重なりの変動
に対応した光強度のビート成分(相関信号)が和周波に
重畳される。参照光パルス202の時間幅が信号光パル
ス201の時間幅と同程度に十分に狭いため、発生する
ビート周波数は、信号光パルス201の繰り返し周波数
と、参照パルス202の高調波周波数(繰り返し周波数
のn倍)との差となる。したがって、この例の場合の設
定では、ビート周波数は4・Δf=4MHzとなる。
【0032】和周波発生器207の出力光は、コリメー
トレンズ208によりコリメートされ、波長フィルタ2
09により和周波成分だけが取り出された後、光検出器
210で電気信号に変換される。検出された電気信号中
の相関信号(周波数4・Δf)は低域通過フィルタ21
1により取り出される。
【0033】このように、和周波発生器を利用して図1
における光相関信号発生器111を構成することによ
り、信号光パルス115と参照光パルス116との相関
信号を検出できる。
【0034】図3は光相関信号発生器の別の例を示す構
成図である。この例は三次の非線形効果を利用した光カ
ースイッチを用いたものである。
【0035】この光相関信号発生器は、波長1.55μ
mの信号光パルス301と、波長1.53μmの参照光
パルス302とを入力とし、λ/2位相板303、30
4、偏光子305、ハーフミラー306、結合レンズ3
07、光非線形光学媒体308、コリメートレンズ30
9、1.55μmの光のみを透過する波長フィルタ31
0、検光子311、光検出器312、および遮断周波数
が5MHzの低域通過フィルタ313を備え、周波数4
・Δf=4MHzの相関信号315を出力する。光非線
形光学媒体308としては、例えば長さ1mのAs2
3 系ファイバを用いる。光検出器312としては、例え
ばGe:APDを用いる。
【0036】このような構成において、偏光子305の
透過偏光方向を光非線形光学媒体308のx軸から45
度傾いた方向に合わせ、かつ、検光子311の透過偏光
方向を偏光子305の偏光方向と90度ずらしておく。
λ/2位相板303を調整して、信号光パルス301の
偏光方向を偏光子305の偏光透過方向に合わせること
により、信号光パルス301が偏光子305を経て光非
線形光学媒体308に伝搬する。しかし、この信号光パ
ルス301は、非線形光学媒体308から出射され、コ
リメートレンズ309によりコリメートされて波長フィ
ルタ310を透過するものの、偏波透過方向が90度異
なる検光子311によって遮断されてしまう。
【0037】この状態でλ/2位相板304を調整し、
参照光パルス302をその偏光方向をy軸偏光に合わせ
て光非線形光学媒体308に入射する。参照光パルス3
02の強度がある程度高ければ、その参照光パルス30
2によって光カー効果が発生し、光非線形光学媒体30
8内に複屈折が生じる。この複屈折により、参照光パル
ス302と重なって伝搬する信号光パルス301の偏光
が楕円化し、90度方向の異なる偏光成分、すなわち直
交偏光成分を生じる。この直交偏光成分は、光非線形光
学媒体308から出射され、検光子311を透過する。
参照光パルス302は波長フィルタ310により遮断さ
れる。
【0038】すなわち、参照光パルス302が無い状態
では、光非線形光学媒体308のx軸から45度傾いた
偏光方向316aで入射した信号光パルス301は、そ
の偏光方向を維持したまま非線形光学媒体308から出
射され、検光子311により遮断される。これに対して
参照光パルス302を光非線形光学媒体308のy軸に
一致する偏光方向316bで入射すると、光非線形光学
媒体308の出力端では、その参照光パルス302と重
なった部分で、信号光パルス301に偏光方向316b
と直交する偏光方向317aの成分が生じる。これは、
信号光パルス301が参照光パルス302によってスイ
ッチングされたことを意味する。このスイッチングされ
た光パルス314のみが光検出器312に入射する。
【0039】このようなスイッチングにより得られる直
交偏光成分の強度は、信号光パルス301と参照光パル
ス302との時間的な重なりの程度に依存し、重なりが
強いほど直交偏光成分の強度が強くなる。信号光パルス
301と参照光パルス302とで繰り返し周波数が異な
ることから、この二つの光の繰り返し周波数の差(高調
波周波数との差の成分も含む)により、二つのパルスの
重なりの程度が周期的に変化する。この周期的な変化は
直交偏光成分の包絡線の強度変化として現れる。したが
って、この直交偏光成分を光検出器312で電気信号に
変換し、低域通過フィルタ313を通して低周波成分を
取り出すことにより、相関信号を検出することができ
る。
【0040】このように、光カースイッチを用いること
によっても信号光パルスと参照光パルスとの相関信号を
検出することができる。
【0041】また、ここでは光非線形光学媒体としてA
2 3 系ファイバを例に説明したが、三次の光非線形
効果を有するものであれば、石英系ファイバや有機材料
導波路などを用いても同様に実施できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の受動モー
ド同期半導体レーザ装置は、電気的に発生した基準周波
数信号に対して光パルス間の相関信号を検出する光学的
な処理を組み合わせたことにより、受動モード同期半導
体レーザの繰り返し周波数を外部の電気信号に同期させ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の受動モード同期半導体レーザ装
置を示すブロック構成図。
【図2】光相関信号発生器の一例を示す構成図であり、
和周波発生器を用いた例を示す図。
【図3】光相関信号発生器の別の例を示す構成図であ
り、光カースイッチを用いた例を示す図。
【符号の説明】
101 受動モード同期半導体レーザ 102 ペルチェ素子 103 ペルチェ素子制御回路 104 参照レーザ 105 基準周波数発生器 106 比較周波数発生器 107 ミキサ 108 変調ドライバ 109、110 Er添加光ファイバ増幅器 111 光相関信号発生器 112 周波数逓倍器 113 位相比較器 114 低域通過フィルタ 115 信号光パルス 116 参照光パルス 117 帯域通過フィルタ 201 信号光パルス 202 参照光パルス 203、204 λ/2位相板 205 ハーフミラー 206 結合レンズ 207 和周波発生器 208 コリメートレンズ 209 波長フィルタ 210 光検出器 211 低域通過フィルタ 212 相関信号 301 信号光パルス 302 参照光パルス 303、304 λ/2位相板 305 偏光子 306 ハーフミラー 307 結合レンズ 308 光非線形光学媒体 309 コリメートレンズ 310 波長フィルタ 311 検光子 312 光検出器 313 低域通過フィルタ 314 スイッチングされた光パルス 315 相関信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 茂雄 東京都千代田区内幸町一丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−126631(JP,A) 特開 平4−206981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 H01S 3/098 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準周波数fの電気信号を発生する基
    準周波数発生器(105)と、 周期的にパルス発振する受動モード同期半導体レーザ
    (101)と、 この半導体レーザの発振繰り返し周波数を前記基準周波
    数fの自然数n倍の周波数(n・f)に同期させる周波
    数同期手段とを備えた受動モード同期半導体レーザ装置
    において、 前記周波数同期手段は、 周波数Δfで電気的に発振する比較周波数発生器(10
    6)と、 この比較周波数発生器の出力と前記基準周波数発生器の
    出力とから周波数f+Δfまたはf−Δf(以下f±Δ
    fと表示する)の電気信号を発生する手段(107、1
    17、108)と、 この電気信号の周波数で繰り返し参照光パルスを発生す
    る参照レーザ(104)と、 前記受動モード同期半導体レーザが出力する繰り返し周
    波数n・fの信号光パルスと前記参照レーザからの繰り
    返し周波数f±Δfの参照光パルスとを入力とし、周波
    数n・Δfの相関信号を発生する光相関信号発生器(1
    11)と、 前記比較周波数発生器の出力周波数Δfをn倍する周波
    数逓倍器(112)と、 この周波数逓倍器の出力と前記光相関信号発生器の出力
    との位相差を検出する位相比較器(113)と、 検出された位相差に比例した誤差電圧により前記受動モ
    ード同期半導体レーザの発振繰り返し周波数を調節する
    手段(114、103、102)とを含むことを特徴と
    する受動モード同期半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記調節する手段は、前記受動モード同
    期半導体レーザの温度を電気的に制御するペルチェ素子
    (102)を含む請求項1記載の受動モード同期半導体
    レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記参照レーザの発振光波長λ2 は前記
    光受動モード同期半導体レーザの発振光波長λ1 と異な
    る値に設定され、 前記光相関信号発生器は、 波長λ1 の信号光パルスと波長λ2 の参照光パルスとか
    らその和周波数成分である波長λ1 ・λ2 /(λ1 +λ
    2 )の光を発生する和周波数発生器と、 この和周波数成分を電気信号として検出する検出手段
    と、 検出された電気信号から周波数n・Δfの成分を取り出
    す電気フィルタとを含む請求項1または2記載の受動モ
    ード同期半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記光相関信号発生器は、 信号光パルスと同時に参照光パルスが入射したときにそ
    の信号光パルスを透過する光カースイッチと、 この光カースイッチを透過した信号光パルスを電気信号
    として検出する検出手段と、 検出された電気信号から周波数n・Δfの成分を取り出
    す電気フィルタとを含む請求項1または2記載の受動モ
    ード同期半導体レーザ装置。
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