JPH1174066A - スパイラル管状ヒーターおよびその製造方法 - Google Patents

スパイラル管状ヒーターおよびその製造方法

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JPH1174066A
JPH1174066A JP10153023A JP15302398A JPH1174066A JP H1174066 A JPH1174066 A JP H1174066A JP 10153023 A JP10153023 A JP 10153023A JP 15302398 A JP15302398 A JP 15302398A JP H1174066 A JPH1174066 A JP H1174066A
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浩 井上
Seiichiro Takabayashi
誠一郎 高林
Tadao Muramatsu
忠雄 村松
Takuji Takahashi
卓二 高橋
Kenji Sonoyama
研二 園山
Katsuisa Kitakata
勝勇 北形
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KAISEI TSUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱体に装着が容易で密着性が良く、長手
方向の両端間に導電性を与える可とう性の導電性基材が
耐熱性樹脂に一体として設けられている管状物およびそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 スパイラル状物の内側層を形成するテー
プ状耐熱性樹脂フィルムA(2)、中間層を形成する接
着剤層(3)および外側層を形成するテープ状耐熱性樹
脂フィルムB(4)の構成を有する積層体のいずれかの
層に長手方向の両端間に導電性を与える可とう性の導電
性基材(5)が一体として設けられており、テープ状耐
熱性樹脂フィルムAおよびテープ状耐熱性樹脂フィルム
Bの少なくとも一方の剛性が0.80kg以上である、
形状保持性のスパイラル管状ヒーター(1)およびその
製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パイプとの密着
性が良く、熱効率の良好なヒーターなどの用途に好適
で、特に半導体製造装置や分析機器などのパイプの保温
などの目的に使用できる形状保持性のスパイラル管状ヒ
ーターおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、
この発明は、絶縁層の間に可とう性の導電性基材、例え
ばテープ状ヒーターのような平面状基材を挟んで一体と
して設けた形状保持性のスパイラル状物で、絶縁層とし
て剛性が0.80kg以上のテープ状耐熱性樹脂フィル
ムを用いたスパイラル管状ヒーターに関する。また、こ
の発明は、接着剤を外側にしてスパイラル状に巻いた内
側層となる接着剤付きのテープ状耐熱性樹脂フィルム
と、その上に接着剤を内側にしてスパイラル状に巻いた
外側層となる接着剤付きのテープ状耐熱性樹脂フィルム
との間に、可とう性の導電性基材を挟んで積層一体化し
て形成した形状保持性のスパイラル状物で、内側層およ
び外側層のテープ状耐熱性樹脂フィルムの少なくとも一
方の剛性が0.80kg以上であるスパイラル管状ヒー
ターに関する。さらに、この発明は、スパイラル状に巻
いた内側層となるテープ状耐熱性樹脂フィルムと外側層
となるテープ状耐熱性樹脂フィルムとの間に、接着剤お
よび可とう性の導電性基材を配置し、接着剤を硬化して
積層一体化させるスパイラル管状ヒーターの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液体クロマトグラフ装置あるいは
質量分析装置などの分析機器におけるパイプや医療用機
器における薬液等の搬送路を構成するパイプへの搬送対
象物質の凝固や付着を防止するためにパイプを加熱して
保温することが必要であり、また内面に付着した物質を
蒸発させて真空度を確保するためにパイプを加熱する場
合がある。さらには、水道管の凍結防止のために水道管
を保温・加熱する場合がある。このような場合、従来
は、リボンヒーターのような可とう性の面状発熱体を帯
状にしてパイプに巻き付けることが一般的に行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のパイプ
の配管系は一般的に装置と装置との間の狭いところに設
けられる場合が多く、パイプに面状発熱体を巻き付けて
装着することが困難であり、しかも面状発熱体はパイプ
との密着性が悪い。このため熱効率が低く、従って温度
の制御も正確に行うことができない。この発明の目的
は、被加熱体に装着が容易で密着性が良く、長手方向の
両端間に可とう性の導電性基材が一体として設けられて
いるヒーターおよびその製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、スパイラル
状物の内側層を形成するテープ状耐熱性樹脂フィルム
A、中間層を形成する接着剤層および外側層を形成する
テープ状耐熱性樹脂フィルムBの構成を有する積層体の
いずれかの層に長手方向の両端間に導電性を与える可と
う性の導電性基材が一体として設けられており、テープ
状耐熱性樹脂フィルムAおよびテープ状耐熱性樹脂フィ
ルムBの少なくとも一方の剛性が0.80kg以上であ
る、形状保持性のスパイラル管状ヒーターに関する。ま
た、この発明は、内側層となる接着剤付きのテープ状耐
熱性樹脂フィルムAを接着剤を外側にして長尺の形状付
与部材にスパイラル状に巻き付け、その上に、好適には
ほぼ中央に可とう性の導電性基材を巻き付け、さらにそ
の上に外側層となる接着剤付きのテープ状耐熱性樹脂フ
ィルムBを接着剤を内側にしてスパイラル状に重ねて巻
き付け、接着剤を硬化して積層一体化し、形成された積
層体を長尺の形状付与部材から外して得られるスパイラ
ル状物からなり、テープ状耐熱性樹脂フィルムAおよび
テープ状耐熱性樹脂フィルムBの少なくとも一方の剛性
が0.80kg以上である、形状保持性のスパイラル管
状ヒーターに関する。また、この発明は、被加熱体と同
一外形状を有する長尺の形状付与部材に巻いた内側層と
なるテープ状耐熱性樹脂フィルムAと外側層となるテー
プ状耐熱性樹脂フィルムBとの間に、接着剤および長手
方向の両端間に導電性を与える可とう性の導電性基材を
配置し、フィルムの内側層と外側層とを重ねたまま接着
剤を硬化して積層一体化させることを特徴とするスパイ
ラル管状ヒーターの製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい態様を列
記する。 1)スパイラル状物の内側層を形成するテープ状耐熱性
樹脂フィルムAおよび外側層を形成するテープ状耐熱性
樹脂フィルムBがそれぞれ厚み35〜200μmである
上記のスパイラル管状ヒーター。 2)可とう性の導電性基材がテープ状ヒーターのような
平面状基材である上記のスパイラル管状ヒーター。 3)テープ状耐熱性樹脂フィルムAおよびテープ状耐熱
性樹脂フィルムBがテープ状芳香族ポリイミドフィルム
である上記のスパイラル管状ヒーター。 4)接着剤中の溶媒を乾燥除去して接着剤をBステージ
の段階で硬化させる上記のスパイラル管状ヒーターの製
造方法。
【0006】以下、この発明について、図面も参考にし
て、詳しく説明する。図1は、この発明のスパイラル管
状ヒーターの一例をスパイラル芯に平行に切断した一部
断面図である。図2は、この発明のスパイラル管状ヒー
ターの一例を示す斜視図である。図3は、この発明のス
パイラル管状ヒーターの一例の使用例を示す一部斜視図
である。図4は、この発明のスパイラル管状ヒーターを
長手方向に押し拡げた状態を示す斜視図である。
【0007】図1において、形状保持性のスパイラル管
状ヒーター1は、スパイラル状物の内側層を形成するテ
ープ状耐熱性樹脂フィルムAである2、中間層を形成す
る接着剤層3(内側層に接する接着剤層3aと外側層に
接する接着剤層3bとからなる)および外側層を形成す
るテープ状耐熱性樹脂フィルムBである4の構成を有す
る積層体のいずれかの層の間、好適には接着剤層3aと
接着剤層3bとの間に長手方向の両端間に導電性を与え
る可とう性の導電性基材5が一体として設けられてい
る。
【0008】図2において、形状保持性のスパイラル管
状ヒーター1は、スパイラル状物の内側層を形成するテ
ープ状耐熱性樹脂フィルムAである2、中間層を形成す
る接着剤層3および外側層を形成するテープ状耐熱性樹
脂フィルムBである4の構成を有する積層体のいずれか
の層に長手方向の両端間に導電性を与える可とう性の導
電性基材5が一体として設けられている。
【0009】この発明の形状保持性のスパイラル管状ヒ
ーター1は、図4に示すように、被加熱体10を挿入可
能なまでに形状保持性のスパイラル管状ヒーター間を押
し拡げて、図3に示すように、被加熱体10をスパイラ
ル管状ヒーター間に挿入し、次いで、被加熱体10をそ
の状態に維持したままでスパイラル管状ヒーター1を図
の矢印の方向に回転し、この回転につれて被加熱体10
がスパイラル管状ヒーター1内に取り込まれるので、管
状ヒーター1の軸方向に回転させるだけで比較的簡単・
迅速に被加熱体10にスパイラル管状ヒーター1を装着
することができ、しかも装着した後はスパイラル管状ヒ
ーター1は元の形状に復帰するから、被加熱体10に均
等にかつ整然と装着することができる。従って、例えば
被加熱体の両端部が大型の装置等に接続されて自由度が
ほとんどない場合でも、比較的容易にかつ迅速に被加熱
体10に巻きつけることができる。また、スパイラル管
状ヒーターの径を任意に設定できるため、自由度の少な
い被加熱体だけでなく自由度の大きい被加熱体であって
も、また径の大小にも制限を受けることなく、棒または
パイプ状であれば任意の被加熱体に適用できるのであ
る。
【0010】この発明のスパイラル管状ヒーターは、例
えば、内側層となる接着剤付きのテープ状耐熱性樹脂フ
ィルムAを接着剤を外側にして金属製、例えばステンレ
ス等の耐熱性の棒またはパイプなどの長尺の形状付与部
材にスパイラル状に巻き付け、その上に、好適にはその
ほぼ中央に可とう性の導電性基材、好適には平面状基材
を巻き付け、さらにその上に外側層となる接着剤付きの
テープ状耐熱性樹脂フィルムBを接着剤を内側にしてス
パイラル状に重ねて巻き付け、接着剤を硬化して積層一
体化し、形成された積層体を棒またはパイプなどの長尺
の形状付与部材から外して、スパイラル状に形状保持し
た成形品として得ることができる。この発明のスパイラ
ル管状ヒーターは、常温で、好適には200℃程度の高
温に加熱した環境下においても、また被加熱体に装着し
た後もほとんどスパイラル物の外径などの形状や均等・
整然さに変化がなく形状保持される。
【0011】この発明におけるスパイラル状物の内側層
を形成するテープ状耐熱性樹脂フィルムAとしては、ガ
ラス転移温度あるいは融点が180℃以上である芳香族
ポリイミドあるいは芳香族ポリアミドからなり、好適に
は厚みが35〜200μmで、かつ剛性(下記式に示
す)が0.80kg以上、特に1kg以上であり、幅が
3〜50mmのテープ状フィルムが使用される。剛性が
低いと、図3に示すようにスパイラル管状ヒーターを回
転させて被加熱体に装着することが困難であり、また形
状付与部材の径よりスパイラル管状ヒーターの径が大き
くなり、被加熱体に装着しても、密着性が悪く、被加熱
体の加熱を良好に行えない。上記テープ状耐熱性樹脂フ
ィルムAとしては、特に、50〜300℃での線膨張係
数(CTE)が60×10-5cm/cm/℃(ppmで
表示することもある)以下、その中でも特に3〜50×
10-5cm/cm/℃であって、引張弾性率が200〜
1400kg/mm2 である芳香族ポリイミドフィルム
あるいは芳香族ポリアミドフィルムが好適に使用され
る。そのなかでも、吸水率が4%以下、特に3%以下で
ある芳香族ポリイミドフィルムが好適に使用される。 剛性(kg)=(厚み(mm))2 ×弾性率(kg/m
2
【0012】前記の芳香族ポリイミドは、例えば3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族テ
トラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジ
アミンとを重合、イミド化して得られる。特に、芳香族
ポリイミドとして3,3’,4,4’−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物を芳香族テトラカルボン酸成分中
15モル%以上使用して得られるものが耐熱性、低線膨
張係数、低吸水率であることから好ましい。前記の芳香
族ポリアミドは、例えば2−クロロテレフタル酸クロリ
ド、2,5−ジクロロテレフタル酸クロリドなどの芳香
族酸クロリドと2−クロロ−p−フェリレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジ
アミンとの反応で得られる。
【0013】この発明において中間層を形成する接着剤
層は、耐熱性の熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤、好適
には熱硬化性接着剤からなり、好適には積層した接着剤
層の乾燥状態での厚みが2〜100μm、幅が3〜50
mmである。また、この接着剤層は接着剤付きのテープ
状フィルムとして設けてもよくあるいはテープ状フィル
ムを巻きつけた後、接着剤を塗布あるいは接着剤シート
を張り合わせて接着剤付きテープを設けてもよい。
【0014】前記熱硬化性接着剤としては、エポキシ樹
脂、NBR−フェノール系樹脂、フェノール−ブチラー
ル系樹脂、エポキシ−NBR系樹脂、エポキシ−フェノ
ール系樹脂、エポキシ−ナイロン系樹脂、エポキシ−ポ
リエステル系樹脂、エポキシ−アクリル系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリアミド−エポキシ−フェノール系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ポリイミドシロキサン−エポキシ樹
脂などが挙げられる。前記熱可塑性接着剤としては、ポ
リイミド系、ポリイミドシロキサン系、ポリアミド系、
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共
重合体(FEP)やテトラフルオロエチレン/パーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)な
どのフッ素系などが挙げられる。前記の接着剤は、テー
プ状耐熱性樹脂フィルムAの片面とテープ状耐熱性樹脂
フィルムBの片面とのそれぞれに設けることが好まし
い。
【0015】この発明における外側層を形成するテープ
状耐熱性樹脂フィルムBとしては、ガラス転移温度ある
いは融点が180℃以上である芳香族ポリイミド、芳香
族ポリアミド、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂または
芳香族ポリアミドイミドからなり、好適には厚みが35
〜200μmで、かつ前記式で示す剛性が0.80kg
以上、特に1kg以上であり、幅が3〜50mmのテー
プ状フィルムが使用される。剛性が低いと、図3に示す
ようにスパイラル管状ヒーターを回転させて被加熱体に
装着することが困難であり、また形状付与部材の径より
スパイラル管状ヒーターの径が大きくなり、被加熱体に
装着しても、密着性が悪く、被加熱体の加熱を良好に行
えない。上記テープ状耐熱性樹脂フィルムBとしては、
特に、50〜250℃での線膨張係数(CTE)が60
×10-5cm/cm/℃(ppmで表示することもあ
る)以下、特に3〜50×10-5cm/cm/℃であっ
て、引張弾性率が200〜1400kg/mm2 である
芳香族ポリイミドフィルムあるいは芳香族ポリアミドフ
ィルムが好適に使用される。そのなかでも、吸水率が4
%以下、特に3%以下である芳香族ポリイミドフィルム
が好適に使用される。
【0016】この発明における可とう性の導電性基材と
しては、スパイラル状物の長手方向の両端間に導電性の
機能を与える金属箔、金属線、帯状の金属、好適には厚
みが5〜100μm、幅が0.4〜40mm程度の銅
箔、ニクロム箔などの金属箔が使用される。この可とう
性の導電性基材は1本のみを設けてもよく複数本を平行
して設けてもよく、また、前記の接着剤によってテープ
状耐熱性樹脂フィルムAのほぼ全面に設けてもよいが、
ほぼ中央部に設けることが好ましい。また、可とう性の
導電性基材の表面をあらかじめ塗布法などによって耐熱
性樹脂で薄く被覆したものを使用してもよい。
【0017】前記の芳香族ポリイミドフィルムは、例え
ば以下のようにして製造することができる。まず前記芳
香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを
N,N−ジメチルアセトアミドやN−メチル−2−ピロ
リドンなどの有機極性溶媒中で重合して、ポリマーの対
数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100m
l溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン)が1〜
5、ポリマー濃度が15〜25重量%であり、回転粘度
(30℃)が500〜4500ポイズであるポリアミッ
ク酸(イミド化率:5%以下)溶液を得る。次いで、好
適にはこのポリアミック酸100重量部に対して0.0
1〜1重量部のリン化合物、例えば(ポリ)リン酸エス
テルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩などの有
機系リン化合物あるいは無機リン化合物および、好適に
はさらにポリアミック酸100重量部に対して0.02
〜6重量部のコロイダルシリカ、窒化珪素、タルク、酸
化チタン、燐酸カルシウムなどの無機フィラー(好適に
は平均粒径0.005〜5μm、特に0.005〜2μ
m)を添加してポリアミック酸溶液組成物を調製する。
このポリアミック酸溶液組成物をそのままあるいは化学
イミド化剤を加えて、平滑な表面を有する支持体表面に
流延し、乾燥して固化フィルムを形成し、上記固化フィ
ルムを支持体表面から剥離する。次いで、固化フィルム
の片面または両面にアミノシラン系、エポキシシラン系
あるいはチタネート系の表面処理剤を含有する表面処理
液を塗布した後、さらに乾燥することもできる。前記の
ようにして得られた固化フィルムを、必要であれば両方
向に延伸した後乾燥フィルムの幅方向の両端縁を把持し
た状態で、最高加熱温度:350〜500℃の範囲内の
温度で加熱して乾燥およびイミド化して芳香族ポリイミ
ドフィルムとして好適に製造することができる。上記の
ようにして得られた芳香族ポリイミドフィルムを、好適
には低張力下あるいは無張力下に200〜400℃程度
の温度で加熱して応力緩和処理し、巻き取る。この芳香
族ポリイミドフィルムは、そのままあるいはコロナ放電
処理、プラズマ処理、紫外線照射、グロー放電処理、火
炎処理で表面処理を施した後、接着性を改良した芳香族
ポリイミドフィルムとして使用することができる。
【0018】前記の芳香族ポリアミドフィルムは、例え
ば以下のようにして製造することができる。芳香族酸ク
ロリドと芳香族ジアミンとを有機極性溶媒中で溶液重
合、あるいは水系媒体を使用する界面重合などで合成さ
れる。ポリマー溶液は単量体として酸クロリドとジアミ
ンとを使用すると塩化水素が副生するためこれを中和す
るために水酸化カルシウムなどの無機の中和剤、または
エチレンオキサイドなどの有機の中和剤を添加する。ま
た、イソシアネートとカルボン酸との反応は非プロトン
性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行われる。これらの
ポリマー溶液はそのままフィルムを形成する製膜原液に
してもよく、またポリマーを一度単離してから上記の溶
媒に再溶解して製膜原液を調製してもよい。製膜原液に
は溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシウム、塩化マ
グネシウムなどを添加してもよい。製膜原液中のポリマ
ー濃度は2〜35重量%が好ましい。
【0019】この発明の形状保持性のスパイラル管状ヒ
ーターは、例えば、被加熱体と同一外形状を有する(形
状は、断面円形または角形等任意の形状を有してよ
い。)長尺の形状付与部材、例えば耐熱性の棒またはパ
イプにスパイラル状に巻いた内側層となるテープ状耐熱
性樹脂フィルムA、好適にはテープ状芳香族ポリイミド
フィルムAと、それと同じ幅か少し幅の狭い外側層とな
るテープ状耐熱性樹脂フィルムB、好適にはテープ状芳
香族ポリイミドフィルムBとの間に、接着剤および長手
方向の両端間に導電性を与える可とう性の導電性基材、
好適にはテープ状ヒーターのような平面状導電性基材を
配置し、接着剤が熱硬化性接着剤の場合には溶媒を乾燥
除去してBステージの段階で硬化温度以上の温度に加熱
することによって、また接着剤が熱可塑性接着剤の場合
には積層体に圧力を加えてガラス転移温度あるいは融点
以上の温度に加熱し、冷却することによって、フィルム
の内側層と外側層とを重ねたまま接着剤を硬化して積層
一体化させた後、スパイラル状の積層体を長尺の形状付
与部材から外して得られる。
【0020】上記の方法は、好適には、例えば次のよう
にして実施できる。先ず、前記の内側層となる耐熱性樹
脂フィルムAおよび外側層となる耐熱性樹脂フィルムB
の片面に熱硬化性接着剤を塗布し、接着剤の乾燥厚みが
2〜100μmであるフィルムを得る。このフィルムを
3〜50mmにスリットし、熱硬化性接着剤付きのテー
プ状耐熱性樹脂フィルムAおよびBを製造する。このテ
ープ状耐熱性樹脂フィルムAを接着剤面を外側にして直
径が5〜50mmの円状の棒またはパイプにスパイラル
状に巻きつけ、両端を固定する。次いで、その上に前記
のテープよりも幅の狭い可とう性の導電性基材、好適に
はテープ状ヒーターをスパイラル状に巻き付ける。次い
で、さらにその上に接着剤同士が重なるように、外側層
となる熱硬化性接着剤付きテープ状耐熱性樹脂フィルム
Bを巻き付け、テープ状耐熱性樹脂フィルムA/熱硬化
性接着剤/テープ状ヒーター/熱硬化性接着剤/テープ
状耐熱性樹脂フィルムBの構成にして、必要であれば周
囲をテープ状のものあるいは線状のもので加圧・固定し
て、150〜400℃の範囲内の温度に加熱して接着剤
を硬化して積層一体化し、冷却した後、形成された積層
体を棒またはパイプから外し、スパイラル管状ヒーター
を得ることができる。接着剤付きのテープ状耐熱性樹脂
フィルムA、テープ状ヒーター、接着剤付きのテープ状
耐熱性樹脂フィルムBをそれぞれ巻いた3個のリールか
ら同時にそれぞれのテープを供給し、棒またはパイプに
スパイラル状に巻き付ける方法でも良い。
【0021】この発明のスパイラル管状ヒーターはその
ままで被加熱体に適用してもよく、あるいは適当な長さ
に切断して使用してもよく、さらに最外層に保温の目的
で耐熱性発泡シート、耐熱性多孔シートで覆って使用し
てもよい。また、形状が複雑な被加熱体の場合には、ス
パイラル管状ヒーターと平面状ヒーターとを組み合わせ
て使用して被加熱体を覆ってもよい。
【0022】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例
において、ポリイミドフィルムの物性測定は以下の方法
によって行った。 吸水率:ASTM D570−63に従って測定(23
℃×24時間) 引張弾性率:ASTM D882−64Tに従って測定
(MD) 線膨張係数(50〜250℃または50〜300℃):
300℃で30分加熱して応力緩和したサンプルをTM
A装置(引張りモード、2g荷重、試料長10mm、2
0℃/分)で測定
【0023】参考例1 内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルア
セトアミド54.6kgを加え、次いで、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.8
26kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを
加え、30℃で10時間重合反応させてポリマーの対数
粘度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ミリ
リットル溶媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)
が1.60、ポリマー濃度が18重量%であるポリアミ
ック酸(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリ
アミック酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対し
て0.1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステル
トリエタノールアミン塩および0.5重量部の割合(固
形分基準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカ
を添加して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を
得た。このポリアミック酸溶液組成物の回転粘度は30
00ポイズであった。このポリアミック酸溶液組成物を
Tダイ金型のスリットから連続的に、キャスティング・
乾燥炉の平滑な支持体に押出して前記溶液の薄膜を形成
し、130℃で10分間乾燥し、支持体から剥がし、幅
方向を把持した状態でキュアー炉内でキュアー(200
℃から450℃、約20分間)して、厚み75μmの芳
香族ポリイミドフィルムを得た。このフィルムは、引張
弾性率が750kg/mm2 、剛性は4.2kg、線膨
張係数(50〜300℃)が16ppm、吸水率が1.
5%であった。
【0024】参考例2 パラフェニレンジアミンの代わりに4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル6.007kgを用い、N,N−ジ
メチルアセトアミドの使用量を67.6kgにした他
は、参考例1と同様にして厚み75μmの芳香族ポリイ
ミドフィルムを得た。このフィルムは、引張弾性率が3
70kg/mm2 、剛性は2.1kg、線膨張係数(5
0〜250℃)が40ppm、吸水率が2.5%であっ
た。
【0025】参考例3 Tダイ金型のスリットを変えた他は、参考例1と同様に
して厚み125μmの芳香族ポリイミドフィルムを得
た。このフィルムは、引張弾性率が690kg/m
2 、剛性は10.8kg、線膨張係数(50〜300
℃)が18ppm、吸水率が1.6%であった。
【0026】参考例4 フィルム厚みを50μmに変えた他は、参考例1と同様
にして芳香族ポリイミドフィルムを得た。このフィルム
は、引張弾性率が380kg/mm2 、剛性は0.95
kg、線膨張係数(50〜250℃)が38ppm、吸
水率が2.5%であった。
【0027】参考例5 フィルム厚みを25μmに変えた他は、参考例1と同様
にして芳香族ポリイミドフィルムを得た。このフィルム
は、引張弾性率が380kg/mm2 、剛性は0.24
kg、線膨張係数(50〜250℃)が38ppm、吸
水率が2.5%であった。
【0028】参考例6 パラフェニレンジアミンの代わりに4,4’−ジアミノ
フェニルエーテル5.005kgを用い、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の代わ
りにピロメリト酸二無水物4.362kgを用いた他
は、参考例1と同様にして厚み50μmの芳香族ポリイ
ミドフィルムを得た。このフィルムは、引張弾性率が3
00kg/mm2 、剛性は0.75kg、線膨張係数
(50〜300℃)が41ppm、吸水率が2.7%で
あった。
【0029】実施例1 参考例1で製造した75μmの芳香族ポリイミドフィル
ムにポリイミドシロキサン系の熱硬化性接着剤〔ポリイ
ミドシロキサン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂および
硬化触媒からなる〕のテトラヒドロフラン溶液(固形分
濃度:25重量%)を乾燥後の厚みが30μmになるよ
うに塗布し、100℃で乾燥して接着剤付きポリイミド
フィルムを得た。このフィルムを10mm幅および9m
m幅にスリットして2種類の接着剤付きテープを作製し
た。10mm幅のテープを接着剤層を外側にして外径1
0mmのステンレスの丸棒にスパイラル状に巻き付けた
後、両端を固定し、その中央にニクロム製の幅2mm、
厚み40μm、電気抵抗値14.7Ω/mのテープを巻
き付けた後、両端を固定し、さらにその上に、9mm幅
の接着剤付きテープの接着剤を内側にしてスパイラル状
に巻き付け、両端を固定した。この積層体の上にステン
レスワイヤーを隙間なく巻き付け、オーブン中で100
℃で1時間、200℃で1時間、250℃で1時間加熱
して接着剤を硬化させた後、放冷して積層体であるスパ
イラル状物をステンンスの丸棒から外し、長さ100c
mのスパイラル管状ヒーターを得た。このスパイラル管
状ヒーターは、スパイラル間に隙間がないものであっ
た。このスパイラル管状ヒーターは長尺方向に250g
の荷重を加えて伸びを測定したところ48%であり、荷
重をなくすともとの状態に戻り、また外径10mmの丸
棒に巻き付けることが容易にできた。この際スパイラル
管状ヒーターは均等に整然と装着することができた。ま
た、このスパイラル管状ヒーターを220℃の高温槽に
入れ熱処理し、熱処理前後の外径を測定した。熱処理前
は10.3mm、熱処理後では10.4mmであった。
また、このスパイラル管状ヒーターを径10mmのステ
ンレスパイプにスパイラル状に巻き、両端に50Vの電
圧を加えた。パイプの温度は150℃で、均一にその温
度に維持されていた。
【0030】実施例2 参考例1で製造した芳香族ポリイミドフィルムに代えて
参考例2で製造した75μmの芳香族ポリイミドフィル
ムを使用した他は実施例1と同様にしてスパイラル管状
ヒーターを得た。このスパイラル管状ヒーターは長尺方
向に250gの荷重を加えた後荷重をなくすともとの状
態に戻り、また外径10mmの丸棒にスパイラル状に巻
き付けることが容易にできた。この際スパイラル管状ヒ
ーターは均等に整然と装着することができた。また、こ
のスパイラル管状ヒーターを220℃の高温槽に入れ熱
処理し、熱処理前後の外径を測定した。熱処理前は1
0.3mm、熱処理後では10.2mmであった。ま
た、このスパイラル管状ヒーターを径10mmのステン
レスパイプにスパイラル状に巻き、両端に50Vの電圧
を加えた。パイプの温度は153℃で、均一にその温度
に維持されていた。
【0031】実施例3 6mmφのスレンレス棒を使用し、接着剤の乾燥後の厚
みを20μmに変え、参考例2で製造した芳香族ポリイ
ミドフィルムから得た6mm幅および5.5mm幅のテ
ープを使用し、加熱条件を250℃で2時間、320℃
で20分に変えた他は実施例1と同様に実施して、内径
6mm、長さ100cmのスパイラル管状ヒーターを得
た。このスパイラル管状ヒーターは長尺方向に250g
の荷重を加えた後、荷重をなくすともとの状態に戻り、
また外径6mmのパイプにスパイラル状に巻き付けるこ
とが容易にできた。この際スパイラル管状ヒーターは均
等に整然と装着することができた。また、6mmφの1
5Rで直角に曲げたパイプに同様にスパイラル状に巻き
つけたところ均等に整然と装着することができた。ま
た、このスパイラル管状ヒーターを280℃の高温槽に
入れ熱処理し、熱処理前後の外径を測定した。熱処理前
は6.3mm、熱処理後では6.2mmであった。
【0032】実施例4 内側層に参考例2で製造した芳香族ポリイミドフィルム
から得た10mm幅のテープを使用し、外側層に参考例
1で製造した芳香族ポリイミドフィルムから得た9mm
幅のテープを使用した他は実施例3と同様に実施して、
内径6mm、長さ100cmのスパイラル管状ヒーター
を得た。このスパイラル管状ヒーターは長尺方向に25
0gの荷重を加えた後、荷重をなくすともとの状態に戻
り、また外径6mmのパイプにスパイラル状に巻き付け
ることが容易にできた。この際スパイラル管状ヒーター
は均等に整然と装着することができた。また、このスパ
イラル管状ヒーターを220℃の高温槽に入れ熱処理
し、熱処理前後の外径を測定した。熱処理前は5.9m
m、熱処理後では6.1mmであった。
【0033】実施例5 8mmφのスレンレス棒を使用し、接着剤の乾燥後の厚
みを30μmに変え、参考例3で製造した芳香族ポリイ
ミドフィルムから得た10mm幅のテープを使用し、加
熱条件を250℃で2時間、320℃で30分に変えた
他は実施例1と同様に実施して、内径8mm、長さ10
0cmのスパイラル管状ヒーターを得た。このスパイラ
ル管状ヒーターは長尺方向に250gの荷重を加えて伸
びを測定したところ27%であり、荷重をなくすともと
の状態に戻り、また外径8mmのパイプにスパイラル状
に巻き付けることが容易にできた。この際スパイラル管
状ヒーターは均等に整然と装着することができた。ま
た、このスパイラル管状ヒーターを220℃の高温槽に
入れ熱処理し、熱処理前後の外径を測定した。熱処理前
は8.3mm、熱処理後では8.4mmであった。
【0034】実施例6 内側層に参考例3で製造した芳香族ポリイミドフィルム
から得た10mm幅のテープを使用し、外側層に参考例
1で製造した芳香族ポリイミドフィルムから得た9mm
幅のテープを使用した他は実施例5と同様に実施して、
内径10mm、長さ100cmのスパイラル管状ヒータ
ーを得た。このスパイラル管状ヒーターは長尺方向に2
50gの荷重を加えて伸びを測定したところ40%であ
り、荷重をなくすともとの状態に戻り、また外径8mm
のパイプにスパイラル状に巻き付けることが容易にでき
た。この際スパイラル管状ヒーターは均等に整然と装着
することができた。また、このスパイラル管状ヒーター
を220℃の高温槽に入れ熱処理し、熱処理前後の外径
を測定した。熱処理前は10.3mm、熱処理後では1
0.4mmであった。
【0035】実施例7 内側層に参考例2で製造した芳香族ポリイミドフィルム
から得た6mm幅のテープを使用し、外側層に参考例4
で製造した芳香族ポリイミドフィルムから得た5.9m
m幅のテープを使用し、外径9.5mmのステンレスパ
イプに巻き付けた他は実施例1と同様にして、長さ10
0cmのスパイラル管状ヒーターを得た。このスパイラ
ル管状ヒーターの外径は9.7mmであり、スパイラル
間に隙間がないものであった。このスパイラル管状ヒー
ターは、良好な巻き付け性能およびヒーター性能を示し
た。
【0036】実施例8 参考例2で製造した芳香族ポリイミドフィルムに厚み2
5μmのFEPフィルムを貼り合わせたフィルムから6
mm幅のテープをスリットし、これを使用した他は実施
例1と同様にして、長さ100cmのスパイラル管状ヒ
ーターを得た。このスパイラル管状ヒーターの外径は
9.7mmであり、スパイラル間に隙間がないものであ
った。このスパイラル管状ヒーターは、良好な巻き付け
性能およびヒーター性能を示した。
【0037】比較例1 参考例5で製造した芳香族ポリイミドフィルムから得た
6mm幅のテープを使用し、外径9.5mmのステンレ
スパイプに巻き付けた他は実施例1と同様にして、長さ
100cmのスパイラル管状ヒーターを製造した。この
スパイラル管状ヒーターの外径は10.4mmであり、
スパイラル間に3.4mmの隙間があるものであった。
このスパイラル管状ヒーターを外径9.5mmのステン
レスパイプに図3に示すように巻き付けようとしたが、
巻き付けることができなかった。さらに、外径9.5m
mのステンレスパイプを上記スパイラル管状ヒーターの
端部から中空内部に挿通することにより、上記スパイラ
ル管状ヒーターを上記ステンレスパイプに装着し、ヒー
ターの両端に50Vの電圧を加えたが、上記ステンレス
パイプとの密着が悪く、均一に加熱できなかった。
【0038】比較例2 参考例6で製造した芳香族ポリイミドフィルムに厚み2
5μmのFEPフィルムを貼り合わせたフィルムから6
mm幅のテープをスリットし、外径9.5mmのステン
レスパイプに巻き付けた他は実施例1と同様にして、長
さ100cmのスパイラル管状ヒーターを得た。このス
パイラル管状ヒーターの外径は10.6mmであり、ス
パイラル間に2.5mmの隙間があるものであった。こ
のスパイラル管状ヒーターを外径9.5mmのステンレ
スパイプに図3に示すように巻き付けようとしたが、巻
き付けることができなかった。さらに、外径9.5mm
のステンレスパイプを上記スパイラル管状ヒーターの端
部から中空内部に挿通することにより、上記スパイラル
管状ヒーターを上記ステンレスパイプに装着し、ヒータ
ーの両端に50Vの電圧を加えたが、上記ステンレスパ
イプとの密着が悪く、均一に加熱できなかった。
【0039】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載のような効果を奏する。この発
明のスパイラル管状ヒーターは形状保持性を有し、パイ
プとの密着性が良く、熱効率が良好である。また、被加
熱体に容易にしかも均等に整然と装着することができ
る。
【0040】この発明の製造方法によれば、任意の内径
を有し、形状保持性および耐熱性の良好なスパイラル管
状ヒーターを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のスパイラル管状ヒーターの
一例をスパイラル芯に平行に切断した一部断面図であ
る。
【図2】図2は、この発明のスパイラル管状ヒーターの
一例を示す斜視図である。
【図3】図3は、この発明のスパイラル管状ヒーターの
一例の使用例を示す一部斜視図である。
【図4】図4は、この発明のスパイラル管状ヒーターを
長手方向に押し拡げた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 スパイラル管状ヒーター 2 内側層を形成するテープ状耐熱性樹脂フィルムA 3 中間層を形成する接着剤層 3a 内側層に接する接着剤層 3b 外側層に接する接着剤層 4 外側層を形成するテープ状耐熱性樹脂フィルムB 5 導電性を付与する可とう性の導電性基材 10 被加熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 3/20 318 H05B 3/20 318 (72)発明者 村松 忠雄 山口県宇部市西本町一丁目12番32号 宇部 興産株式会社高分子研究所(宇部)内 (72)発明者 高橋 卓二 山口県宇部市西本町一丁目12番32号 宇部 興産株式会社高分子研究所(宇部)内 (72)発明者 園山 研二 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内 (72)発明者 北形 勝勇 群馬県高崎市倉賀野町5565−3 株式会社 開青通商本社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイラル状物の内側層を形成するテー
    プ状耐熱性樹脂フィルムA、中間層を形成する接着剤層
    および外側層を形成するテープ状耐熱性樹脂フィルムB
    の構成を有する積層体のいずれかの層に長手方向の両端
    間に導電性を与える可とう性の導電性基材が一体として
    設けられており、テープ状耐熱性樹脂フィルムAおよび
    テープ状耐熱性樹脂フィルムBの少なくとも一方の剛性
    が0.80kg以上である、形状保持性のスパイラル管
    状ヒーター。
  2. 【請求項2】 内側層となる接着剤付きのテープ状耐熱
    性樹脂フィルムAを接着剤を外側にして長尺の形状付与
    部材にスパイラル状に巻き付け、その上に可とう性の導
    電性基材を巻き付け、さらにその上に外側層となる接着
    剤付きのテープ状耐熱性樹脂フィルムBを接着剤を内側
    にしてスパイラル状に重ねて巻き付け、接着剤を硬化し
    て積層一体化し、形成された積層体を長尺の形状付与部
    材から外して得られるスパイラル状物からなり、テープ
    状耐熱性樹脂フィルムAおよびテープ状耐熱性樹脂フィ
    ルムBの少なくとも一方の剛性が0.80kg以上であ
    る、形状保持性のスパイラル管状ヒーター。
  3. 【請求項3】 テープ状耐熱性樹脂フィルムAおよびテ
    ープ状耐熱性樹脂フィルムBがそれぞれ厚み35〜20
    0μmである請求項1あるいは2に記載のスパイラル管
    状ヒーター。
  4. 【請求項4】 可とう性の導電性基材がテープ状ヒータ
    ーのような平面状基材である請求項1乃至3のいずれか
    に記載のスパイラル管状ヒーター。
  5. 【請求項5】 テープ状耐熱性樹脂フィルムAおよびテ
    ープ状耐熱性樹脂フィルムBがそれぞれテープ状芳香族
    ポリイミドフィルムである請求項1乃至4のいずれかに
    記載のスパイラル管状ヒーター。
  6. 【請求項6】 被加熱体と同一外形状を有する長尺の形
    状付与部材に巻いた内側層となるテープ状耐熱性樹脂フ
    ィルムAと外側層となるテープ状耐熱性樹脂フィルムB
    との間に、接着剤および長手方向の両端間に導電性を与
    える可とう性の導電性基材を配置し、フィルムの内側層
    と外側層とを重ねたまま接着剤を硬化して積層一体化さ
    せることを特徴とするスパイラル管状ヒーターの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 接着剤中の溶媒を乾燥除去して接着剤を
    Bステージの段階で硬化させる請求項6記載のスパイラ
    ル管状ヒーターの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001008323A (ja) * 1999-06-18 2001-01-12 Kyowa Exeo Corp 配線管路分岐用孔明け工法
JP2001099363A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Ube Ind Ltd ホットホース
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WO2012144586A1 (ja) 2011-04-20 2012-10-26 宇部興産株式会社 スパイラル管状ヒータ
US10667331B2 (en) 2013-09-30 2020-05-26 Nichias Corporation Heating tape
WO2023188955A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 株式会社巴川製紙所 シート状ヒータ

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