JPH1173642A - 磁気媒体の検査装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 仕様の変更に柔軟に対応できるようにする。 【解決手段】 オンライン検査装置１６は、製造ライン
１０から供給される磁気媒体１４に、その搬送速度に応
じたレートで所定データを書き込み及び読み取りして、
再生電圧を出力する。本格製造前に、基準券２０をオフ
ライン検査装置１８で検査する。オフライン検査装置１
８は、セットされた基準券２０に所定データを書き込み
及び読み取りし、その再生電圧（平均値）を内部メモリ
に記憶する。次に、製造ライン１０で製造されたサンプ
ルをオフライン検査装置１８にセットして、同様に所定
データを書き込み及び読み取りし、その再生電圧（平均
値）を基準券２０の再生電圧（平均値）で規格化する。
換算回路２２はオンライン検査装置１６からの同じサン
プルの再生電圧を規格化出力Ｘ（％）で除算し、基準値
電圧Ｖｒｅｆとして判定回路２４にセットする。判定回
路２４は、オンライン検査装置１６からの再生電圧を基
準電圧Ｖｒｅｆと比較し、良否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体の検査装
置及び方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】磁気媒体は、鉄道切符及び航空切符等の
各種のチケット類に幅広く利用されている。例えば、台
紙の裏面の全面又は一部に磁性材料を塗布する。塗布さ
れた磁性材料の磁気特性は、発注者により異なるのが普
通であり、製造段階では、発注者毎の仕様に応じたもの
になっているかどうかを個別に検査して、納品してい
る。

【０００３】即ち、磁気媒体の仕様が変更される度に、
製造ラインの後段での検査部にこれから製造しようとす
る磁気媒体の基準磁気特性データをセットし、仕様を満
足するもののみを選別して出荷するようにしている。検
査部は、通常、所定のデータを指定の電圧又は電流で磁
気媒体に書き込んだ後、再生し、その再生電圧が基準値
（の範囲）にあるかどうかを検査する。基準磁気特性デ
ータをセットする方法としては、指定の仕様の基準とな
る基準券を当該検査部に通し、所定のデータを指定の電
圧又は電流で基準券に書き込んだ後の再生出力電圧を基
準値として、検査部の記憶手段にセットする方法があ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来例では、製造する
磁気媒体の仕様が変更される度に、検査部で基準券の読
み取りによる基準値のセットを行なわなければならず、
面倒であるだけでなく、製造ラインの休止時間が長くな
り、生産性を上げにくい一因になっている。

【０００５】本発明は、このような面倒を解消し、仕様
の変更に柔軟に対応できる磁気媒体の検査装置及び方法
を提示することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、基準値生成
手段又はステップにより、基準磁気媒体及び当該磁気媒
体製造手段により製造されたサンプルに所定信号を書き
込み及び再生し、両再生出力及び当該サンプルの当該オ
ンライン検査手段による再生出力から、当該オンライン
検査手段の再生出力に対する基準値を生成する。そし
て、判定手段又はステップが、当該基準値生成手段又は
ステップで生成される当該基準値に従い、当該磁気媒体
製造手段により製造される磁気媒体の当該オンライン検
査手段による検査結果を判定する。

【０００７】このような構成により、基準磁気媒体から
即座に基準値を生成できるので、製造仕様の変更に対し
ても柔軟に且つ迅速に対応できるようになる。

【０００８】基準値生成手段は、磁気媒体製造手段の製
造ラインから分離され、基準磁気媒体及び当該磁気媒体
製造手段により製造されたサンプルに所定信号を書き込
み及び再生し、当該サンプルの再生出力を当該基準磁気
媒体の再生出力で規格化して出力するオフライン検査手
段と、当該サンプルの当該オンライン検査手段による再
生出力及び当該オフライン検査手段の規格化出力から、
当該オンライン検査手段の再生出力に対する基準値を生
成する換算手段とからなる。

【０００９】また、基準値生成ステップは、磁気媒体製
造手段の製造ラインから分離されたオフライン検査手段
で、当該基準磁気媒体及び当該サンプルに所定信号を書
き込み及び再生し、当該サンプルの再生出力を当該基準
磁気媒体の再生出力で規格化して出力する規格化ステッ
プと、当該サンプルの当該オンライン検査手段による再
生出力及び当該オフライン検査手段の規格化出力から、
当該オンライン検査手段の再生出力に対する基準値を生
成する換算ステップとからなる。

【００１０】このような基準値生成手段又はステップの
構成により、検査特性が大きく異なるオンライン検査手
段とオフライン検査手段を使ったとしても、所望の基準
値を生成できる。また、製造ラインとは独立に基準値を
生成できるので、基準磁気媒体の変更に対応しやすくな
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。

【００１２】図１は、本発明の一実施例の概略構成ブロ
ック図を示す。製造ライン１０は、供給される台紙１２
に磁気材料を塗布及び乾燥して磁気媒体１４を連続的に
製造する。オンライン検査装置１６は、製造ライン１０
から供給される磁気媒体１４に、その搬送速度に応じた
レートで所定データを書き込み、書き込んだデータを再
生して、再生電圧を出力する。

【００１３】図２は、オンライン検査装置１６の書き込
みヘッド及び読み取りヘッドと磁気媒体１４（の磁気ス
トライプ）との位置関係を示す平面図である。磁気媒体
１４の磁気ストライプ３０に対し、その幅方向に４つの
書き込みヘッド３２−１〜３２−４を並置すると共に、
それぞれ書き込みヘッド３２−１〜３２−４で書き込ん
だデータを再生する読み取りヘッド３４−１〜３４−４
を並置してある。書き込みヘッド３２−１〜３２−４及
び読み取りヘッド３４−１〜３４−４は、同じフレーム
３６上に固定されている。カメラ３８が磁気ストライプ
３０のエッジ部をモニタしており、図示しない位置制御
機構により、書き込みヘッド３２−１〜３２−４及び読
み取りヘッド３４−１〜３４−４が磁気ストライプ３０
の幅方向で一定の位置に位置するように、フレーム３６
又は磁気ストライプが位置調節される。

【００１４】オフライン検査装置１８は、製造ライン１
０により製造されたサンプルの特性と基準券の特性とを
比較するために設けられる。書き込みヘッドと読み取り
ヘッドの構成及び磁気媒体に対する位置決め機構は、オ
ンライン検査装置１６と同じである。本格製造前に、基
準券２０をオフライン検査装置１８で検査する。オフラ
イン検査装置１８は、セットされた基準券２０に所定デ
ータを書き込み及び読み取りし、その再生電圧（平均
値）を内部メモリに記憶する。次に、製造ライン１０で
製造されたサンプルをオフライン検査装置１８にセット
して、同様に所定データを書き込み及び読み取りし、そ
の再生電圧（平均値）を、基準券２０の再生電圧（平均
値）で規格化する。

【００１５】オフライン検査装置１８の規格化出力Ｘ
（％）は換算回路２２に印加され、換算回路２２の別の
入力には、同じサンプルのオンライン検査装置１６によ
る再生電圧が印加されている。換算回路２２は、オンラ
イン検査装置１６からの再生電圧を規格化出力Ｘ（％）
で除算し、その除算結果は、基準値電圧Ｖｒｅｆとして
判定回路２４に供給され、セットされる。換算回路２２
の換算と判定回路２４へのセットは、オペレータ自身が
行なっても良い。

【００１６】例えば、オフライン検査装置１８で、基準
券２０の再生電圧が４．８（Ｖ）で、サンプルの再生電
圧が４．０（Ｖ）のとき、規格化出力Ｘは８３．３
（％）になる。同じサンプルのオンライン検査装置１６
による再生電圧が、０．７（Ｖ）であるとすると、その
再生電圧０．７（Ｖ）が基準券２０に対して８３．３
（％）になっていることになるので、基準電圧Ｖｒｅｆ
は、 Ｖｒｅｆ＝０．７／０．８３３ ＝０．８４（Ｖ） ということになる。

【００１７】判定回路２４には、オンライン検査装置１
６から各読み取りヘッド３４−１〜３４−４の再生電圧
出力が供給されている。判定回路２４は、セットされた
基準電圧Ｖｒｅｆとオンライン検査装置１６からの再生
電圧出力を所定の許容公差範囲内で比較し、良否を判定
する。いうまでもなく、良否は、再生電圧の最大値、最
小値及び平均値で評価される。

【００１８】判定回路２４で不良と判定されると、その
判定結果は製造条件を変更するために製造ライン１０に
フィードバックされる。

【００１９】オフライン検査装置１８における規格化と
換算回路２２による換算は、上記実施例と逆の関係にな
っても同様に基準電圧を生成できることは、数学的に明
らかである。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明から容易に理解できるよう
に、本発明によれば、製造ラインに接続していないオフ
ライン検査装置を設けて、そこで基準券とサンプルを比
較し、その比較結果により、製造ラインに接続するオン
ライン検査装置の検査結果の判定基準値を生成するよう
にしているので、基準券の変更などに柔軟且つ迅速に対
応できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の概略構成ブロック図であ
る。

【図２】 オンライン検査装置１６の書き込みヘッド及
び読み取りヘッドと磁気媒体１４の磁気ストライプの位
置関係を示す平面図である。

【符号の説明】

１０：製造ライン １２：台紙 １４：磁気媒体 １６：オンライン検査装置 １８：オフライン検査装置 ２０：基準券 ２２：換算回路 ２４：判定回路 ３０：磁気ストライプ ３２−１〜３２−４：書き込みヘッド ３４−１〜３４−４：読み取りヘッド ３６：フレーム ３８：カメラ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気媒体製造手段の製造ラインにつなが
   り、磁気媒体製造手段から供給される磁気媒体に所定信
   号を書き込み及び再生するオンライン検査手段と、 基準磁気媒体及び当該磁気媒体製造手段により製造され
   たサンプルに所定信号を書き込み及び再生し、両再生出
   力及び当該サンプルの当該オンライン検査手段による再
   生出力から、当該オンライン検査手段の再生出力に対す
   る基準値を生成する基準値生成手段と、 当該基準値生成手段で生成される当該基準値に従い、当
   該磁気媒体製造手段により製造される磁気媒体の当該オ
   ンライン検査手段による検査結果を判定する判定手段と
   からなることを特徴とする磁気媒体の検査装置。
2. 【請求項２】 当該基準値生成手段が、 磁気媒体製造手段の製造ラインから分離され、基準磁気
   媒体及び当該磁気媒体製造手段により製造されたサンプ
   ルに所定信号を書き込み及び再生し、当該サンプルの再
   生出力を当該基準磁気媒体の再生出力で規格化して出力
   するオフライン検査手段と、 当該サンプルの当該オンライン検査手段による再生出力
   及び当該オフライン検査手段の規格化出力から、当該オ
   ンライン検査手段の再生出力に対する基準値を生成する
   換算手段とからなる請求項１に記載の磁気媒体の検査装
   置。
3. 【請求項３】 磁気媒体製造手段の製造ラインにつなが
   るオンライン検査手段により、当該磁気媒体製造手段か
   ら供給されるサンプルに所定信号を書き込み及び再生す
   るサンプル検査ステップと、 基準磁気媒体及び当該サンプルに所定信号を書き込み及
   び再生し、両再生出力及び当該サンプルのオンライン検
   査手段による再生出力から、当該オンライン検査手段の
   再生出力に対する基準値を生成する基準値生成ステップ
   と、 当該基準値生成ステップで生成される当該基準値に従
   い、当該磁気媒体製造手段により製造される磁気媒体の
   当該オンライン検査手段による検査結果を判定する判定
   ステップとからなることを特徴とする磁気媒体の検査方
   法。
4. 【請求項４】 当該基準値生成ステップが、 磁気媒体製造手段の製造ラインから分離されたオフライ
   ン検査手段で、当該基準磁気媒体及び当該サンプルに所
   定信号を書き込み及び再生し、当該サンプルの再生出力
   を当該基準磁気媒体の再生出力で規格化して出力する規
   格化ステップと、 当該サンプルの当該オンライン検査手段による再生出力
   及び当該オフライン検査手段の規格化出力から、当該オ
   ンライン検査手段の再生出力に対する基準値を生成する
   換算ステップとからなる請求項３に記載の磁気媒体の検
   査方法。