JPH1172839A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Publication number
JPH1172839A
JPH1172839A JP23371297A JP23371297A JPH1172839A JP H1172839 A JPH1172839 A JP H1172839A JP 23371297 A JP23371297 A JP 23371297A JP 23371297 A JP23371297 A JP 23371297A JP H1172839 A JPH1172839 A JP H1172839A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
pressure plate
cam
push
tunnel gap
Prior art date
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Pending
Application number
JP23371297A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Saito
竜夫 齊藤
Hisashi Hamada
寿 浜田
Tokuji Sato
徳次 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujinon Corp
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd, Fuji Photo Optical Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP23371297A priority Critical patent/JPH1172839A/ja
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブローニーサイズのフイルムにおいて、最後
のコマを撮影した後の、フイルム巻取りを円滑に行う。 【解決手段】 フイルムレール40,41の外側にガイ
ド孔50を形成し、押動ピン51をスライド自在に取り
付ける。押動カム55により押動ピン51をシフトさせ
る。このシフトにより、フイルムレール40,41と圧
板42との間のトンネル隙間を、120ロールフイルム
用と220ロールフイルム用とに切り替える。最後のコ
マを撮影した後に、フイルム種別に関係なくトンネル隙
間を120ロールフイルム用にし、フイルム16をスプ
ール17に巻き取る。フイルム,トレーラーペーパー,
接合テープの3種類の複合厚みで厚くなった220ロー
ルフイルムの接合部分が、広くなったトンネル隙間を通
過するため、フイルムが円滑に巻き取られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、裏紙の有無などに
応じて厚みの異なる写真フイルムを用いるカメラに関
し、特にブローニーサイズの120ロールフイルムと2
20ロールフイルムのようにフイルム厚みが異なる写真
フイルムを用いるカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブローニーサイズのロールフイルムは、
カートリッジ(パトローネ)が付いていないため、遮光
用の裏紙を用いてフイルムをロール形態に巻き取って遮
光した状態で市販されている。このブローニーサイズの
ロールフイルムとしては、120ロールフイルムと22
0ロールフイルムとが提供されており、これらは、どち
らも同じフイルム幅である。120ロールフイルムは、
フイルムと、このフイルムよりも長い裏紙と、これらを
接合する接合テープとを用い、裏紙の先端と後端とを余
らせた状態で、フイルムの先端と後端とを接合テープで
裏紙に取り付けたものである。これにより、接合テープ
よりも先端側の裏紙部分がリーダーペーパーとなり、接
合テープよりも後端側の裏紙部分がトレーラーペーパー
となる。また、220ロールフイルムは、フイルムの先
端側と後端側とだけにそれぞれ裏紙からなるリーダーペ
ーパーとトレーラーペーパーとを接合テープで取り付け
た形態である。したがって、カメラのアパーチャにロー
ルフイルムがセットされた状態では、220ロールフイ
ルムよりも120ロールフイルムの方が裏紙の分だけ厚
くなる。そこで、正しいピント位置にフイルム乳剤面が
合うように、トンネル隙間を変える機構を用いて、12
0ロールフイルムを用いる場合にはフイルムレールと圧
板との間のトンネルの隙間を広くし、また、220ロー
ルフイルムを用いる場合にはトンネルの隙間を狭くして
いる。
【0003】トンネルの隙間を切り換える機構として
は、例えばニューマミヤ6(マミヤ株式会社の商品名)
では、裏蓋を開けて裏蓋の内側に設けた圧板を90度回
すことで、圧板が前後に移動し、220ロールフイルム
用の位置にセットした場合には圧板が圧板受け面に当接
し、また120ロールフイルム用にセットした場合には
圧板が圧板受け面から僅かに離れる。また、本出願人か
ら提供されているフジGSW680III プロフェッショ
ナル(商品名)では、裏蓋を開けて、裏蓋の圧板をいっ
たん外し、圧板の裏表を入れ換えて再び取り付けること
で、前述したと同じにトンネルの隙間が変化する。さら
に、本出願人から提供されているフジGA645プロフ
ェッショナル(商品名)では、裏蓋を開けて、圧板を裏
蓋側に向けて押し付けながらフイルム送り方向に沿って
スライド移動させることで、トンネルの隙間を変化させ
ている。
【0004】このように、ブローニーサイズのロールフ
イルムを用いるカメラでは、いずれも裏蓋を開けてその
裏蓋の内側にある圧板を露呈させなければ、トンネルの
隙間を切り換える操作が行えない。したがって、フイル
ムを装填して裏蓋を閉じ、フイルム巻き上げを行った後
にトンネル隙間が適正でないことに気づいたとしても、
簡単には圧板の位置を直すことができないという問題が
ある。そして、圧板位置が不適当でありトンネル隙間が
広いとピントがあまくなり、逆にトンネル隙間が狭いと
フイルムに擦り傷をつけるなどの問題が発生する。この
ため、実公昭48−33284号に開示されているよう
に、裏蓋につまみを設けてこれをスライド移動すること
で撮影光軸方向における圧板の支持位置を変更し、トン
ネル隙間を変更するものも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、220ロー
ルフイルムはフイルムの先端側と後端側とだけにそれぞ
れ裏紙を取り付けてリーダーペーパーとトレーラーペー
パーとした形態であり、これらの接合は120ロールフ
イルムと同じにように接合テープにより行われている。
したがって、220ロールフイルムは、フイルム部分の
みはフイルム厚みとなるが、リーダーペーパーやトレー
ラーペーパーとの接合部分は、これら裏紙とフイルムと
接合テープとが重なるため、三種類の総合的な厚みにな
る。これにより、220ロールフイルムの厚みに合わせ
てトンネル隙間を設定してしまうと、この接合部分が通
過するときに、フイルム巻き取り負荷が増大する。しか
も、写真フイルムの終端部であるトレーラーペーパーが
通過する場合には、スプールに巻き取られた写真フイル
ムは巻き太りした状態になっている。したがって、巻取
り径が大きくなってフイルム巻き取りのためのトルクが
増大する上に、狭くなっているトンネル隙間を前記接合
部分が通過することになり、フイルム送りのために大き
な力が必要になる。したがって、狭いトンネル隙間をこ
の接合部分が通過するので、フイルムを巻き取るために
比較的トルクの高いモータを用いる必要があり、カメラ
が大型化し重量が増加するという問題がある。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためのもの
であり、220ロールフイルムのように、フイルム自体
は120ロールフイルムに比べて裏紙の分だけ薄くなっ
ているものの、裏紙とフイルムとを接合した部分ではほ
ぼ120ロールフイルムと同じ厚みを有する写真フイル
ムに対して、フイルム送りが円滑に行えるようにしたカ
メラを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のカメラでは、最後のコマを撮影した
後に、トンネル隙間を大きくしてフイルムを巻き取るフ
イルム最終巻取り手段を設けたものである。なお、圧板
を撮影光軸方向に変位させる押動カムと、この押動カム
を回転させてトンネル隙間を写真フイルムの厚さに応じ
た隙間に設定するカム回転制御手段とを備えることが好
ましい。更に、押動カムと圧板との間に、撮影光軸方向
に変位自在な押動ピンを介在させて、押動カムにより押
動ピンを変位させトンネル隙間を変更することが好まし
い。
【0008】フイルムレールに沿って且つフイルム通過
域を外れた位置で、圧板が当接する圧板受け部材を設
け、この圧板受け部材の撮影光軸方向での突出量を、使
用する写真フイルムの最小厚みに基づき設定し、押動カ
ムは、押動ピンの先端を圧板受け部材の圧板受け面より
も押動カム側に位置させる第1シフト位置と、押動ピン
の先端を圧板受け部材の圧板受け面よりも圧板側に位置
させる第2シフト位置を備えることが好ましい。更に、
カム回転制御手段は、圧板位置を切り換えるためのモー
タを備えることが好ましい。また、カム回転制御手段
は、フイルム給送モータと、このフイルム給送モータの
回転を選択的に押動カムに伝達する遊星ギヤクラッチと
を備えることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図2は、裏蓋10を開放した状態
のカメラ本体11を背面側から見たものである。アパー
チャ12を有するフイルム通路13の両側には、フイル
ム供給室14とフイルム巻取り室15とが配置されてい
る。フイルム供給室14にはブローニーサイズの写真フ
イルム16が、フイルム巻取り室15には空のスプール
17が装填される。空のスプール17の回動孔17aに
は、スプール回転軸18(図1参照)が入り込み、この
スプール回転軸18の回転によりフイルム16を空のス
プール17に巻き取る。
【0010】ブローニーフイルム16は、予めスプール
17に巻き付けられた形態とされており、このままフイ
ルム供給室14に装填される。装填後は、リーダーペー
パーの先端をフイルム巻取り室15のスプール17の溝
17bに差し込み、図示していない巻き上げボタンの押
下操作によりスプール17をフイルム巻き上げ方向に回
転し、リーダーぺーパーをスプール17に2〜3巻分だ
け巻き付ける。なお、リーダーペーパーの先端に係止孔
を設け、この係止孔をスプール17の溝17b内に設け
た爪に係止させるようにした写真フイルムの場合には、
リーダーペーパー先端を溝内に挿入して爪に係止孔を係
止させるだけでよく、上記2〜3巻きのスプール巻取り
操作は不要になる。この後に、ヒンジ19を中心として
裏蓋10を閉めると、裏蓋10で検出ピン20が押され
て裏蓋スイッチ21(図3参照)がオンになり、裏蓋1
0の閉じ位置が検出される。そして、この検出に連動し
て後に説明するようにフイルム初期送りが自動的に行わ
れる。
【0011】アパーチャ12とフイルム供給室14との
間のフイルム通路13には透明窓22が設けてあり、こ
の透明窓22内に図3に示すように、バーコードセンサ
23が配置されている。このバーコードセンサ23は、
写真フイルム16に記録されたバーコード24を読み取
る。バーコード24は接合テープ16cの表面に記録さ
れており、幅の異なる2種類の黒バーと白バーとの組み
合わせにより、フイルム種別、フイルム感度、フイルム
枚数のデータが記録されている。接合テープ16cは、
リーダーペーパー16aにフイルム16bの先端を重
ね、この重ね合わせ部分に貼り付けられている。バーコ
ードセンサ23はフォトセンサから構成されており、フ
イルム通路13内の写真フイルム16に赤外線を照射
し、反射光を受光する。このバーコードセンサ23は、
受光した反射光の強度に応じた信号レベルの光電信号を
出力し、これをコントローラ25に送る。
【0012】図2に示すように、フイルム巻取り室15
内のフイルム通路13側部分には、写真フイルム16に
接触して回転するカウンタローラ26が配置されてい
る。図1に示すように、カウンタローラ26にはギヤ2
7,28を介して、搬送エンコーダ29が連結されてい
る。搬送エンコーダ29は、エンコード板29aとフォ
トインタラプタ29bとパルス発生器29c(図3参
照)とから構成されている。エンコード板29aには、
一定ピッチで放射状にスリットが形成されている。フォ
トインタラプタ29bは、エンコード板29aのスリッ
トの通過を検出する。図3に示すように、パルス発生器
29cは、フォトインタラプタ29bがスリットを検出
すると1個のパルス(搬送パルス)を発生する。この搬
送パルスはコントローラ25に送られる。
【0013】コントローラ25は、ドライバ35aを介
してフイルム給送モータ35を回転させる。更に、コン
トローラ25は、バーコードセンサ23からのバーコー
ド検出信号に基づき前記テープ16cの通過を検出し、
この検出タイミングに基づき、搬送エンコーダ29から
の搬送パルス数のカウントを開始する。そして、コント
ローラ25は、カウント値が予め定めた一定値に達した
ときに、写真フイルム16の1コマ目がアパーチャ12
にセットされたことを検出する。また、撮影後の1コマ
送りでは、コントローラ25は、搬送エンコーダ29か
らの搬送パルス数が1コマ送り分に達したか否かを判定
してコマ送りを行う。
【0014】更に、コントローラ25は、ドライバ36
aを介して圧板位置切替えモータ36を回転させる。ま
た、コントローラ25には、周知のように測光部30、
AF部31、露光部32、レリーズスイッチ33、液晶
表示パネル(LCD)34等が接続されており、レリー
ズ操作により撮影が行われる。
【0015】図2に示すように、アパーチャ12の上下
には、フイルムレール40,41が配置されている。フ
イルムレール40,41は、裏蓋10の側に向けて僅か
に突出し、且つ、フイルム送り方向に沿って長く形成し
た細幅の突条から構成されている。そして、圧板42と
平行な表面(フイルム走行面)40a,41aがフイル
ム乳剤面側の画面範囲外の両側縁部に接触して、フイル
ム走行時の案内面とされている。
【0016】上側フイルムレール40の上方及び下側フ
イルムレール41の下方には、フイルムレール40,4
1に沿って、細幅の一対の突条からなる圧板受けレール
43,44が設けられている。図4に示すように、上側
圧板受けレール43の圧板42と平行な表面43aは、
フイルムレール40のフイルム走行面40aよりも裏蓋
10の側に向けて僅かに突出して形成されている。同様
に下側の圧板レール44も構成されている。また、下側
の圧板受けレール44の上端面と、上側の圧板受けレー
ル43の下端面との間隔は、フイルム幅よりも僅かに広
くされている。したがって、これら端面により、写真フ
イルム16の両側縁がずれることのないように案内され
る。また、フイルムレール40,41のフイルム走行面
40a,41aと、圧板受けレール43,44の圧板受
け面43a,44aとの間の段差分が厚みの薄いフイル
ム、本実施例では220ロールフイルムに応じたトンネ
ル隙間G1となり、このG1は0.235±0.05mm
の範囲に設定されている。
【0017】図2に示すように、裏蓋10には、一対の
取付金具46とガイドピン47とを介して圧板42が撮
影光軸方向に沿って変位自在に取り付けられている。ま
た、裏蓋10と圧板42との間には一対の圧板バネ48
が配置されており、圧板42をフイルム通路13側に付
勢している。なお、取付金具46とガイドピン47とを
介して圧板42を裏板10に取り付ける代わりに、圧板
バネ48の自由端部48aを圧板によりスライド自在に
保持させることにより、圧板を裏蓋に取り付けてもよ
い。
【0018】前記アパーチャ12の四隅から少し離れた
位置で、前記上側圧板受けレール43の上方及び下側圧
板受けレール44の下方にはガイド孔50が形成されて
いる。これら4個のガイド孔50は撮影光軸方向に形成
されている。このガイド孔50には、押動ピン51が撮
影光軸方向で出没自在に配置されている。押動ピン51
はつば付きとされており、図4に示すように、このつば
51aがガイド孔50の縁面50aに当たることで、ガ
イド孔50からフイルム通路13側に脱落することのな
いようにされている。
【0019】図1に示すように、各押動ピン51は、押
動カム55によりシフトされる。押動カム55は各押動
ピン51に対応する位置に配置されており、上下の押動
カム55が連結軸56を介して接続されている。上側の
押動カム55には同軸でギヤ57が固定されており、こ
のギヤ57は、圧板位置切替え用減速ギヤ列58を介し
て圧板位置切替えモータ36に連係されている。
【0020】圧板位置切替え信号を受けると、コントロ
ーラ25は圧板位置切替えモータ36を回転させる。圧
板位置切替え用ギヤ列58はモータ36の回転を減速し
て押動カム55に伝達する。これにより、押動カム55
が回転して、押動ピン51を光軸方向にシフトさせる。
このシフトにより、図4(B)に示すように、圧板受け
レール43の圧板受け面43aよりも押動ピン51の先
端が突出して、フイルム走行面40aと圧板42との間
のトンネル隙間がG1からG2に切り替えられる。これ
ら押動ピン51,押動カム55,連結軸56により圧板
位置切替え部52が構成されている。なお、本実施形態
では、アパーチャ12に対してフイルム供給室側の押動
カム55とフイルム巻取り室側の押動カム55とは、互
いに反対側に回転するようにしているが、これは同方向
に回転させてもよい。
【0021】図1に示すように、圧板位置切替モータ3
6の駆動軸には、モータ回転数エンコーダ68が取り付
けられている。モータ回転数エンコーダ68は、搬送エ
ンコーダ29と同様に構成されており、エンコード板6
8aとフォトインタラプタ68bとパルス発生器(図示
せず)とを備えている。フォトインタラプタ68bは、
エンコード板68aの切欠きの通過を検出し、この検出
に対応して1個のパルス(モータ回転パルス)を発生す
る。このモータ回転パルスはコントローラ25に送られ
る。コントローラ25はこのフォトインタラプタ68b
のパルス数をカウントすることにより、圧板位置切替え
モータ36の回転数を得る。同様にして、スプール回転
軸18にもスプール回転数エンコーダ69が取り付けら
れおり、フォトインタラプタ69bによりエンコード板
69aのスリットを検出することにより、スプール回転
軸18の回転数に応じたスプール回転パルスを発生し、
これをコントローラ25に送る。
【0022】図4及び図5に示すように、120タイプ
及び220タイプ用の各トンネル隙間G1,G2を精度
良く設定するために、押動カム55の軸孔60を撮影光
軸方向に長い長孔に形成してある。この軸孔60により
押動カム55の軸55aが撮影光軸方向に移動自在に保
持される。また、連結軸56を圧板42側に付勢するた
めのカムバネ板62が設けてある。このカムバネ板62
の付勢力F1は、圧板バネ48の付勢力F2よりも大き
くなるように設定されている。図4(B)及び図5
(B)に示すように、押動カム55が120タイプ用シ
フト位置にあるときには、押動ピン51をシフト量S0
で圧板方向に変位させるとともに、カムバネ板62によ
り、押動ピン51のつば51aがガイド孔50の縁面5
0aに当たるように、押動ピン51が付勢される。これ
により、押動ピン51は常に一定量だけ突出する。した
がって、ガイド孔50の縁面50aからフイルムレール
40,41の走行面40a,41aまでの距離LGと、
押動ピン51の先端面51bからつば51aまでの距離
LPとの寸法精度を上げておくことにより、たとえ押動
カム55のシフト量にある程度の寸法誤差があっても、
この寸法誤差の影響を受けることがなく、圧板42とフ
イルム走行面40aとのトンネル隙間G2を0.4±
0.02mmの範囲に精度よく保つことができる。
【0023】また、図4(A)及び図5(A)に示すよ
うに、押動カムが220タイプ用シフト位置にあるとき
には、押動カム55が軸孔60内で圧板方向にカムバネ
板62の付勢で押しつけられているものの、シフト量は
最小であるため、押動ピン51の先端51bは圧板受け
レール43の受け面43aよりも圧板方向に突出するこ
とはなく、圧板受けレール43の受け面43aに圧板4
2が当たるように、圧板バネ48で付勢された状態にな
る。
【0024】図1に示すように、フイルム供給室側の上
側押動カム55を回転させるギヤ57の上部には、表示
ドラム70が配置されている。この表示ドラム70の周
面には、前記トンネル隙間が120タイプ用か220タ
イプ用かを表示するための「120」及び「220」の
数字が表示されている。この表示ドラム70の数字は、
カメラ本体11の背面に形成した表示窓(図示せず)か
ら観察され、これにより現在トンネル隙間がどのタイプ
のものにセットされているかを簡単に知ることができ
る。
【0025】他方の上側押動カム45の押動ピン41と
は反対側には、トンネル隙間検出スイッチ71が配置さ
れている。このトンネル隙間検出スイッチ71は、押動
カム55の周面に接触して接片71aが押されることで
他方の接片71bに接触して、現在設定されているトン
ネル隙間が120用か220用かを電気的に検出する。
この検出信号はコントローラ25に送られる。
【0026】図3はカメラのフイルム送り系と圧板切替
え系とを制御するためのブロック図である。コントロー
ラ25は、周知のように、レリーズスイッチ33等の操
作に応じて各部30〜32を制御して撮影を行う他に、
フイルム送りと圧板位置の切替えとを行う。
【0027】フイルム送り時には、フイルム給送モータ
35が回転され、これによりスプール回転軸18がフイ
ルム巻取り方向に回転して、フイルム16をスプール1
7に巻き取る。フイルム送りには、フイルム初期送り
と、1コマ送りと、フイルム最終送りとがある。
【0028】フイルム初期送りでは、写真フイルム16
をカメラにセットした後に裏蓋10を閉めると自動的に
行われ、最初の1コマ目の撮影コマをアパーチャ12に
セットするまでフイルム16を送る。1コマ送りは、シ
ャッタレリーズ操作後に行われ、1コマ分だけフイルム
16を送る。フイルム最終送りは、最後の撮影コマを撮
影した後にフイルム16の全部をスプール17に巻き取
るまでフイルム16を送る。
【0029】図6に示すように、フイルム初期送り時に
は、先ず裏蓋スイッチ21により裏蓋10が閉じられた
か否かが検出される。そして、裏蓋10が閉じられてい
る場合にはトンネル隙間検出スイッチ71により圧板位
置が読み取られる。そして、220用の圧板位置である
場合には、120用の圧板位置であるトンネル隙間G2
になるように、圧板位置の切替え処理が行われる。ま
た、120用の圧板位置である場合にはそのままとされ
る。次に、フイルム給送モータ35が起動され、フイル
ム送りが開始される。これとともに安全タイマも起動さ
れる。そして、一定時間を経過しても1コマ目のセット
終了が検出されない場合には、フイルム給送モータ35
が停止され、初期送りエラー表示が液晶表示パネル34
に表示される。この場合には、裏蓋10を開いて、写真
フイルム16の再セットが行われる。
【0030】1コマ目がアパーチャ12にセットされる
と、フイルム給送モータ35にブレーキがかけられた後
に停止される。ブレーキは、フイルム給送モータ35を
例えば50ms程度逆転させることにより行われる。ま
た、このフイルム初期送り中に、バーコード24がバー
コードセンサ23から読み取られる。読み取ったバーコ
ードに基づきフイルム種類が220ロールフイルムとさ
れる場合には、圧板位置切替えモータ36が起動され、
圧板位置が220ロールフイルム用のトンネル隙間G1
に切り換えられる。また、120ロールフイルムとされ
る場合にはそのままとされる。次に、液晶表示パネル3
4の撮影枚数カウンタの表示が「1」にされる。このよ
うに、フイルム初期送りの際には、トンネル隙間は最大
隙間となる120タイプ用のG2に設定された状態で行
われるので、120タイプのみならずこれよりも薄い2
20タイプのフイルムであっても円滑なフイルム送りが
可能になる。
【0031】図7に示すように、圧板位置切替え処理で
は、先ずトンネル隙間検出スイッチ71により現在の圧
板位置が120用か220用かが読み取られる。そし
て、読み取った圧板位置が目標位置か否かが判定され、
目標位置でない場合に、圧板位置切替えモータ36が起
動される。また、このモータ起動に伴い安全タイマが起
動される。そして、トンネル隙間検出スイッチ71によ
り圧板位置が切り替わったか否かが検出される。切り替
わっている場合には圧板位置切替えモータ36にブレー
キ(50msの逆転)がかけられた後にモータ36が停
止される。そして、この後に、液晶表示パネル34のフ
イルム種別表示が切り換えられる。また、圧板位置切替
えモータ36を起動してから2秒経過しても圧板位置が
切り替わらない場合には、圧板位置切替えモータ36を
停止した後に、圧板位置切替えエラー表示が液晶表示パ
ネル34に表示される。エラー処理では、マニュアル操
作によって圧板位置切替え信号が入力され、再度の圧板
位置切替え処理が行われる。そして、このエラー処理に
おいても圧板位置が切り替わらない場合には液晶表示パ
ネル34に故障表示が行われる。
【0032】各コマの撮影を終了すると、その都度フイ
ルム給送モータ35が回転され、フイルム16が1コマ
分送られる。この1コマ送りの際は、カウンタローラ2
6に設けた搬送エンコーダ29からの搬送パルス数がカ
ウントされ、1コマ分の送り量が検出され、コマ送りが
確実に行われる。
【0033】図8に示すように、全てのコマの撮影が終
了すると、フイルム最終送りが行われる。先ず、トンネ
ル隙間検出スイッチ71により現在の圧板位置が120
用か220用かが読み取られる。220用のトンネル隙
間G1である場合には、120用のトンネル隙間G2に
なるように圧板位置の切替え処理が行われる。切替え処
理後及び120用のトンネル隙間の場合には、フイルム
給送モータ35が起動される。また、このモータ起動に
伴い安全タイマが起動される。安全タイマにより30秒
経過しても巻取りが完了しない場合には、フイルム給送
モータ35が停止された後に、最終送りエラー表示が液
晶表示パネル34に表示され、エラー処理が行われる。
エラー処理では、これ以降の撮影を禁止する。また、搬
送エンコーダ29の搬送パルス数が所定値に達した後
に、搬送パルスの発生が停止することにより、フイルム
の巻取り完了が判定される。フイルムの巻取りが完了す
ると、フイルム給送モータ35にブレーキ(50msの
逆転)がかけられた後にモータ35が停止される。そし
て、この後に、液晶表示パネル34に送り完了を示す
「E」が表示される。この状態でカメラの裏蓋10を開
け、撮影済みのフイルムが取り出された後、空となった
スプール17がフイルム巻取り室15にセットされる。
【0034】トンネル隙間はフイルム初期送りの際に読
み取られたフイルム種別に応じて予め自動設定される。
しかも電源をオフにしても押動カム55は変位すること
がないので、装填されたフイルム種別に応じた状態でト
ンネル隙間は維持される。したがって、カメラを使わな
い場合に電源をオフにしても、トンネル隙間が変更され
ることはなく、装填したフイルム種別に応じたトンネル
隙間になっている。これにより、トンネル隙間表示窓か
ら表示ドラム70の表示を確認することで、現在セット
されている写真フイルム16の種別を簡単に知ることが
できる。
【0035】なお、上記実施形態では、圧板位置切替え
モータ36を用いて圧板位置の切替えを行うようにした
が、この他に、図9に示すように、フイルム給送モータ
35と遊星ギヤクラッチ59とを用い、フイルム給送モ
ータ35の回転により、フイルム送りと圧板位置の切り
替えとを選択的に行うようにしてもよい。なお、図1に
示す実施形態と同一構成部材に同一符号が付してある。
この場合には、図10に示すように、遊星ギヤクラッチ
59を、太陽ギヤ59aと、これに噛み合って回転する
遊星ギヤ59bと、遊星ギヤ59bを太陽ギヤ59aの
周りで転接させる揺動アーム59cと、アームシフト部
63とから構成する。
【0036】アームシフト部63はソレノイドから構成
されており、通電されていない場合は、内蔵するコイル
バネ63aにより揺動アーム59cをフイルム送り用ギ
ヤ列61(図9参照)の駆動歯車80に噛み合うように
位置させており、フイルム給送モータ35の回転をスプ
ール回転軸18に伝達する。また、圧板位置切り替え信
号によりソレノイドが通電されると、揺動アーム59c
が圧板位置切り替え用ギヤ列58の駆動ギヤ81側に回
転して、遊星ギヤ59bの回転が圧板位置切り替え用ギ
ヤ列58に伝達され、押動カム55が回転する。
【0037】なお、アームシフト部63を用いて強制的
に遊星ギヤ59bの噛み合い位置を変更する代わりに、
図11に示すように、フイルム給送モータ35の回転方
向を変えることで、遊星ギヤ59bの太陽ギヤ59a上
での噛み合い位置を変更して、フイルム給送モータ35
の回転を、スプール回転軸又は押動カムのいずれか一方
に選択的に伝達させてもよい。この場合には、フイルム
給送モータ35をフイルム送り方向に回転すると、太陽
ギヤ59aが時計方向に回転し、この回転に伴い遊星ギ
ヤ59bも太陽ギヤ59aの周りを時計方向に回転して
フイルム送り用ギヤ列61の駆動ギヤ80に噛み合う。
これにより、フイルム給送モータ35の回転がフイルム
送り用ギヤ列61に伝達され、スプール回転軸18をフ
イルム巻取り方向に回転させてスプール17にフイルム
16を巻き取る。また、フイルム給送モータ35がフイ
ルム送り方向とは反対側に回転すると、遊星ギヤ59b
が圧板位置切替え用ギヤ列の駆動ギヤ81に噛み合っ
て、フイルム給送モータ35の回転を押動カム55に伝
達する。
【0038】写真フイルム16をフイルム収納室14に
セットしてフイルム初期送りを行った後に、トンネル隙
間を変更しようとすると、太陽ギヤ59aがフイルム送
り方向とは反対の押動カム回転方向に回転する。したが
って、この時に、遊星ギヤ59bがフイルム送り側駆動
ギヤ80に噛み合っていると、回転初期に僅かにフイル
ム送り側駆動ギヤ80がフイルム送り方向とは逆に回転
してしまい、これによりスプール回転軸18がフイルム
巻取り方向とは反対方向に少し回転してフイルム16に
巻き弛みが発生する。同様にして、圧板位置切替えを行
った後に、フイルムのコマ送りを行う場合にも、コマ送
り初期時に、遊星ギヤ59bが圧板位置切替え側駆動ギ
ヤ81に噛み合っていると、回転初期に僅かに圧板位置
切替え側駆動ギヤ81が逆転してしまい、これにより押
動カム45のシフト位置が変化する。
【0039】この巻き弛みやシフト位置の変更を防止す
るために、本実施形態では、図11に示すように、初期
回転吸収型の二重ギヤを用いている。この二重ギヤは、
2枚の副ギヤ80a,80bを互いに回転自在に同軸で
重ね合わせ、これらの副ギヤ80a,80bをその各対
向面に設けた係合突起80c,80dで係合させて構成
されている。下側の副ギヤ80aには、上側の副ギヤ8
0bとの対向面に72°のピッチで4個の係合突起80
cと1個のバネ板80eとが設けられている。また、上
側の副ギヤ80bには、下側の副ギヤ80aとの対向面
に72°のピッチで4個の係合突起80dと、バネ板8
0eの先端を受ける係合凹部80fとが設けられてい
る。そして、バネ板80eの先端が係合凹部80fに入
り込むように2枚の副ギヤ80a,80bが重ね合わさ
れている。バネ板80eは、2つの副ギヤ80a,80
bをその係合突起80c,80dの間がほぼ同じ隙間に
なる中立位置に位置決めさせる。したがって、遊星ギヤ
59bがフイルム送り側駆動ギヤ80の副ギヤ80aに
噛み合ってフイルム送り方向とは反対方向に回転する場
合には、これら係合突起80c,80dの間の隙間でこ
の回転が吸収されるため、スプール回転軸にこの回転が
伝達されることがない。また、圧板位置切替え側駆動ギ
ヤ81もフイルム送り側駆動ギヤ80と同じ構成の副ギ
ヤ81a,81bから構成されている。なお、中立位置
を保持させるためにバネ体80eを設けているが、これ
は省略してもよい。この場合にも、回転方向が切り替わ
ると、この初期回転により各係合部の係合面が変わるた
め、初期回転が吸収される。したがって、遊星ギヤが噛
み合っていた駆動ギヤに遊星ギヤの駆動が伝達されるこ
とがなくなる。また、初期回転吸収型の二重ギヤを用い
る代わりに、一方向クラッチを用いてもよく、この場合
にも、揺動アームが切り替わる前の初期回転における遊
星ギヤの逆転が、スプール回転軸や押動カム側に伝達さ
れることがなくなる。
【0040】上記実施形態では、フイルム給送モータ3
5を用いてフイルムを自動的に巻き取るようにしたが、
これに代えて、フイルム巻取りレバーを用いて手動でフ
イルムを巻き取るカメラに本発明を実施してもよい。
【0041】上記実施形態では押動ピン51を用いて押
動カム55のシフトを圧板42に伝達させたが、この他
に、押動ピン51を省略して、押動カム55を圧板42
に直接に接触させて圧板42を撮影光軸方向にシフトさ
せてもよい。上記実施形態では、押動ピン51を4個用
いているが、本発明はこの個数に限定されることはな
い。フイルム走行面に対して平行に圧板42をシフトす
ることができるものであればよく、3個以上であれば何
個でもよい。
【0042】上記実施形態では、120タイプと220
タイプの二種類にトンネル隙間を設定したが、この他
に、図12に示すような押動カム83を用いてもよい。
この押動カム83は、220タイプ用シフト部83aを
基準にして、シフト量S1を有する新タイプ用シフト部
83bと、シフト量S2を有する120タイプ用シフト
部83cと、シフト量S3を有する新タイプ用シフト部
83dとを90°ピッチで順に有する。したがって、従
来のものとはフイルム厚さが異なる新タイプのフイルム
が提供された場合にも、これら新タイプ用シフト部83
b,83dを用いることで簡単に対応が可能になる。な
お、図12の押動カム83は、新タイプフイルムの厚み
が220タイプよりも厚く120タイプよりも薄い場合
のものであるが、この他に、220タイプよりも薄い新
タイプフイルムや、120タイプよりも厚い新タイプフ
イルムの場合には、当然のことながら、それに合わせて
シフト量を設定する。
【0043】また、新タイプフイルムのフイルム厚みが
予め分かっていない場合には、120タイプと220タ
イプとの間のシフト量を無段階に変化可能なカム形状に
しておき、このカムの回転変位からシフト量を求めて、
このシフト量により新タイプフイルムに対応するトンネ
ル隙間に設定してもよい。
【0044】また、上記実施形態では、押動カム55を
連結する連結軸56をカムバネ板62により付勢して押
動ピン51を圧板42側に付勢したが、この他に、押動
カム55をカムバネ板で付勢してもよい。更には、図1
3に示すように、押動カム55と押動ピン51との間に
バネ板85を設けて、バネ板85を介して押動ピン51
を圧板方向にシフトさせてもよい。この場合には、押動
カム55の回転によりバネ板85を曲げて押動ピン51
のつば51aがガイド孔50の縁面50aに当接するよ
うに押しつけるので、効率のよい押動が行える。なお、
上記実施形態と同じ構成部材には同一符号が付してあ
る。また、押動ピン51で圧板42をシフトさせる他
に、フイルム送り方向の2個の押動ピン51の先端に圧
板受けレールをかけ渡すように設け、これら上下方向に
配置した1対の可動圧板受けレールを介して圧板42を
変位させてもよい。
【0045】上記実施形態ではバーコードセンサ23を
用いて写真フイルム16のバーコードを読み取り、これ
に基づきトンネル隙間を自動的に設定するようにした
が、手動で切り替えるようにしてもよい。この場合に
は、圧板位置変更スイッチを操作してモータを圧板位置
切替え方向に回転させるなどして、圧板位置の切替えを
行う。
【0046】また、上記実施形態では、最後のコマを撮
影した後に、トンネル隙間を最大設定値にしてフイルム
を巻き取るようにしたが、このトンネル隙間は最大設定
値に限定されることなく、例えば220ロールフイルム
の最大厚み部分が円滑に通過することができる隙間であ
ればよい。更には、120ロールフイルム用のトンネル
隙間よりも大きな隙間に設定してフイルム最終送りをし
てもよく、この場合にはフイルム最終送りの際の負荷を
より一層軽減させることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、最後
のコマを撮影した後に、前記トンネル隙間を大きくして
フイルム送りを行うフイルム最終送り手段を設けたか
ら、220ロールフイルムのように、写真フイルムのみ
の厚み部分に続いて、写真フイルムとトレーラーペーパ
ーとをテープで接合した3種類の複合厚みからなる最大
厚み部分が通過しても、これを円滑に通過させることが
できる。したがって、高トルクのモータを用いる必要が
なくなり、カメラの大型化や重量増加が抑えられる。
【0048】圧板を撮影光軸方向に変位させる押動カム
と、この押動カムを回転させて前記トンネル隙間を写真
フイルムの厚さに応じた隙間に設定するカム回転制御手
段とを設けたから、ブローニーサイズのフイルムのよう
にフイルム厚みが異なる複数種類のフイルムがある場合
でも、フイルム通路のトンネル隙間を簡単に切り替える
ことができる。しかも、押動カムとしたから、そのシフ
ト量を無段階に変化させることで、従来のものとは異な
る厚みのフイルムが提供された場合でも、この新タイプ
フイルムの厚みに合わせて簡単にトンネル隙間を設定す
ることができる。したがって、フイルム種別に応じた最
適なトンネル隙間になるので、フイルム傷やピント精度
の低下等の発生が確実に抑えられる。
【0049】押動カムと圧板との間に、撮影光軸方向に
変位自在な押動ピンを介在させて、押動カムにより押動
ピンを変位させ前記トンネル隙間を変更することによ
り、トンネル隙間を確実に変更することができる。フイ
ルムレールに沿って且つフイルム通過域を外れた位置
で、前記圧板が当接する圧板受け部材を設け、この圧板
受け部材の撮影光軸方向での突出量は、使用する写真フ
イルムの最小厚みに基づき設定することにより、最小厚
みフイルムに対応するトンネル隙間の設定を精度良く行
うことができる。フイルム給送モータと、このフイルム
給送モータの回転を選択的に押動カムに伝達する遊星ギ
ヤクラッチとから、カム回転制御手段を構成することに
より、圧板位置切替え用のモータを別個に設ける必要が
なく、構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラの要部を裏蓋側から見た斜視図
である。
【図2】カメラの裏蓋を開けた状態のカメラ本体側と圧
板とを分解して示す斜視図である。
【図3】カメラの制御系を示すブロック図である。
【図4】トンネル隙間を説明するための縦断面図であ
り、(A)は、220ロールフイルム用のトンネル隙間
を表し、(B)は120ロールフイルム用のトンネル隙
間を表している。
【図5】トンネル隙間を説明するための横断面図であ
り、(A)は、220ロールフイルム用のトンネル隙間
を表し、(B)は120ロールフイルム用のトンネル隙
間を表している。
【図6】写真フイルムの初期送り処理を示すフローチャ
ートである。
【図7】圧板位置の切替え処理を示すフローチャートで
ある。
【図8】写真フイルムの最終送り処理を示すフローチャ
ートである。
【図9】フイルム給送モータを用いて圧板位置を切り替
える他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】遊星ギヤクラッチを示す斜視図である。
【図11】二重ギヤを用いた遊星ギヤクラッチを示す斜
視図である。
【図12】別の実施形態における押動カムを示す平面図
である。
【図13】押動カムの位置を変えた他の実施形態を示す
横断面図である。
【符号の説明】
10 裏蓋 11 カメラ本体 12 アパーチャ 13 フイルム通路 35 フイルム給送モータ 36 圧板位置切替えモータ 40,41 フイルムレール 42 圧板 43,44 圧板受けレール 48 圧板バネ 50 ガイド孔 51 押動ピン 52 圧板位置切替え部 55 押動カム 59 遊星ギヤクラッチ 60 軸孔 62 カムバネ板 63 アームシフト部 80,81 駆動ギヤ 85 バネ板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徳次 埼玉県朝霞市泉水3丁目13番45号 富士写 真フイルム株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用する写真フイルムの厚さに応じて、
    圧板とフイルムレールとの間のトンネル隙間を撮影光軸
    方向に変更自在にしたカメラにおいて、 最後のコマを撮影した後に、前記トンネル隙間を大きく
    してフイルムを巻き取るフイルム最終巻取り手段を設け
    たことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 使用する写真フイルムの厚さに応じて、
    圧板バネで付勢される圧板とフイルムレールとの間のト
    ンネル隙間を撮影光軸方向に変更自在にしたカメラにお
    いて、 前記圧板を撮影光軸方向に変位させる押動カムと、 この押動カムを回転させて前記トンネル隙間を写真フイ
    ルムの厚さに応じた隙間に設定するカム回転制御手段
    と、 最後のコマを撮影した後に、前記カム回転制御手段によ
    りトンネル隙間を大きくしてフイルムを巻き取るフイル
    ム最終巻取り手段とを設けたことを特徴とするカメラ。
  3. 【請求項3】 前記押動カムと圧板との間に、撮影光軸
    方向に変位自在な押動ピンを介在させて、押動カムによ
    り押動ピンを変位させ前記トンネル隙間を変更すること
    を特徴とする請求項2記載のカメラ。
  4. 【請求項4】 前記フイルムレールに沿って且つフイル
    ム通過域を外れた位置で、前記圧板が当接する圧板受け
    部材を設け、この圧板受け部材の撮影光軸方向での突出
    量を、使用する写真フイルムの最小厚みに基づき設定
    し、 前記押動カムは、押動ピンの先端を前記圧板受け部材の
    圧板受け面よりも押動カム側に位置させる第1シフト位
    置と、押動ピンの先端を前記圧板受け部材の圧板受け面
    よりも圧板側に位置させる第2シフト位置とを備えたこ
    とを特徴とする請求項3記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 前記カム回転制御手段は、圧板位置を切
    り換えるためのモータを備えたことを特徴とする請求項
    2ないし4いずれか1つ記載のカメラ。
  6. 【請求項6】 前記カム回転制御手段は、フイルム給送
    モータと、このフイルム給送モータからの回転を選択的
    に押動カムに伝達する遊星ギヤクラッチとを備えたこと
    を特徴とする請求項2ないし4いずれか1つ記載のカメ
    ラ。
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