JPH1172695A - カメラ - Google Patents

カメラ

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JPH1172695A
JPH1172695A JP24746897A JP24746897A JPH1172695A JP H1172695 A JPH1172695 A JP H1172695A JP 24746897 A JP24746897 A JP 24746897A JP 24746897 A JP24746897 A JP 24746897A JP H1172695 A JPH1172695 A JP H1172695A
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JP
Japan
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photographing
photographing optical
optical axis
cam
group
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JP24746897A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ebe
昭彦 江部
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影倍率範囲を拡大する。 【解決手段】 撮影光学系を構成する複数の撮影レンズ
群を保持する複数の保持部材1と、該複数の保持部材の
一部が係合するカム部5cを持つ板状カム部材5とを有
し、前記撮影光学系を撮影光軸方向に移動させて撮影倍
率を変化させるカメラであって、前記板状カム部材を、
前記撮影光学系の撮影倍率を変化させる為に、撮影光軸
方向に移動すると共に撮影光軸と略平行な面内において
回転動作をし、前記カム部により前記少なくとも一つの
保持部材を撮影光軸方向に案内する構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影光学系を撮影
光軸方向に移動させて撮影倍率を変化させる機能を持つ
カメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影光学系を撮影光軸方向に移動
させて撮影倍率を変倍するカメラは、撮影光学系の移動
手段を撮影光軸まわりに回転するリングにそれぞれの撮
影光学系のレンズ群のリフトに対応するカム溝を設けた
カムリング方式で行ったり、変倍率が大きく撮影光学系
の移動量が大きい場合は、さらに該カムリングを撮影光
軸方向に移動させるヘリコイド筒等を併用して行ったり
する方式が広く用いられている。
【0003】また、変倍率が比較的小さい場合は、特開
昭59−104613号,特開昭63−132212号
及び本出願人による実開平1−152327号,特開平
2−195313号で提案されている撮影光学系の移動
手段を撮影光軸に平行な平面を回転する平板カムで行わ
せるものがある。
【0004】特開昭59−104613号で示されてい
るのは第1のレンズ保持枠と第2のレンズ保持枠を光軸
方向に移動させる光軸と平行な平面内で回動する第1及
び第2のカムを具備しているレンズ駆動装置であり、実
開平1−152327号はさらに平板カム板の回転に応
じて焦点距離、ファインダー視野画角及びストロボ照射
角を相関的に可変可能とするようにカム溝を形成したズ
ームカメラである。尚、ここで、上記特開昭59−10
4613号及び実開平1−152327号の提案の平板
カムは回転のみの運動である事を付記しておく。
【0005】また、特開平2−195313号はカム板
のカム溝においてレンズ鏡筒の突部が嵌合する部分と光
軸方向の異なる位置で該突部が溝縁の前縁あるいは後縁
のみと当接する非嵌合部分を具備させた事を特徴とする
ズームカメラにおける光学系の駆動機構であり、レンズ
鏡筒の位置の安定化を主とした目的として提案されたも
のである。
【0006】さらに、特開昭63−132212号は少
なくとも第1,第2のレンズ群を有し、第1レンズ群と
一体に光軸方向に移動するズーム枠に一方を当接させ、
他方を第2レンズ群を保持する第2レンズ保持枠と当接
させた揺動自在に支持された揺動アームと、該第2レン
ズ保持枠を該揺動アームを介してズーム枠方向にに当接
させるように付勢する弾性部材を具備させたレンズ駆動
装置である。このレンズ駆動装置では、第1レンズ群の
光軸方向の移動は平板カムに相当する揺動アームでは行
われず、揺動アームの回動により第1のレンズ群と第2
のレンズ群の群間隔を変える働きをする構成が、上記特
開昭59−104613号及び特開昭63−13221
2号とは異なる。
【0007】また、撮影光学系を撮影光軸方向に移動さ
せて撮影倍率を変倍するカメラで、変倍できる撮影倍率
位置を予め限定させて、その位置でのみ撮影が可能で、
さらに、レリーズ動作によりシャッタが開く前に、被写
体までの距離情報に応じた焦点合わせ駆動を、撮影倍率
を変倍する駆動方式をそのまま用い行わせるものが知ら
れている。この種のカメラはステップズームカメラとも
称されるが、その撮影光学系の駆動構成は、例えば第1
のレンズ群と第2のレンズ群を光軸の周りに回転するカ
ム筒のカム溝で光軸方向に進退させて撮影倍率を変倍す
るとともに、所定の撮影倍率位置においては、被写体ま
での距離情報に応じた焦点合わせ駆動を該カム筒の回転
により行い、第1のレンズ群のみ被写体方向に繰り出
し、第2のレンズ群は移動しないようにカム筒のカム溝
を形成させて行わせるものである。この様なステップズ
ームカメラは撮影倍率を変倍する駆動源と焦点合わせを
行う駆動源を同一にすることができ、具体的には1つの
アクチュエーター及び減速ギア列で両方を行わせること
ができる点で、カメラのコスト及びスペース的に大変有
効なズームカメラである。
【0008】尚、ここで前述の特開昭59−10461
3号,特開昭63−132212号実開平1−1523
27号及び特開平2−195313号で提案されてい
る、撮影倍率の変倍のための撮影光学系の移動手段を撮
影光軸に平行な平面を回転する平板カムで行わせるもの
は、ステップズームカメラの様に被写体の距離に応じた
焦点合わせ駆動をも行わせるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の撮影光学系の移
動手段を撮影光軸まわりに回転するリングにそれぞれの
撮影光学系のリフトに対応するカム溝を設けたカムリン
グ方式では、該カムリングの他に撮影レンズ群を直進さ
せるための部材、例えば直進キーをもつ固定筒等が必要
となり、撮影光学系をとりまくリング状の部材構成が複
雑になる。さらに、各リング状の部材の形状がカム,キ
ー溝を含めて複雑となり、該リング状の部材を成形する
型の構造にしても内径あるいは外径スライドの多用を余
儀なくされ複雑で高価な型となるとともに、該リング状
の部材のコストも高くなる問題がある。
【0010】また、上記従来例の平板カムの回転により
撮影光学系を光軸方向に移動させる方式は、カムリング
方式と比較したとき、部材構成が単純化され、かつ各部
材の成形型も複雑になることもなく、コスト的にも安く
なるものである。具体的には、平板カム自体はカムを有
してはいるが、成形で加工する場合は複雑なスライド型
を必要とせず、単純な型での形成が可能になりやすい。
また、撮影光学群を直進させるにはガイドバーで撮影光
学群を支持すればよく、撮影光軸方向移動の部材構成も
比較的単純化が可能になる。
【0011】しかしながら、平板カムの回転により撮影
光学系を光軸方向に移動させる方式は、撮影光学群を大
きく移動出来ない欠点がある。平板カムの回転で、撮影
光学群を大きく移動させる為には大きな回転量と長いカ
ム長が必要となるが、カメラの大きさ,平板カムの作動
スペースなどの大きな制約を受け現実的なものにならな
い。従って、従来の平板カム方式はズーム比の小さい、
すなわち撮影光学群の移動が少ない撮影倍率を変倍する
カメラにのみ使用されている。
【0012】また、従来例の中で示したステップズーム
カメラなるものは、カメラのコスト及びスペース的に大
変有効なズームカメラであるものの、撮影光学系の光軸
方向の移動を該カムリング方式またはその類似方式によ
るものが多く、上記平板カム方式のものは考案されてい
ない。
【0013】(発明の目的)本発明の第1の目的は、撮
影倍率範囲を拡大することのできるカメラを提供しよう
とするものである。
【0014】本発明の第2の目的は、複雑な構成にする
ことなく、設定されたズーム位置において、撮影光学系
の焦点合わせを行うことのできるカメラを提供しようと
するものである。
【0015】本発明の第3の目的は、撮影倍率範囲を拡
大すると共に、複雑な構成にすることなく、設定された
ズーム位置において、撮影光学系の焦点合わせを行うこ
とのできるカメラを提供しようとするものである。
【0016】本発明の第4の目的は、撮影光学系の撮影
倍率位置を正確に検出することができ、しかも撮影倍率
検出手段の電気的実装を簡単なものにすることのできる
カメラを提供しようとするものである。
【0017】本発明の第5の目的は、撮影光学系の焦点
合わせのための移動量検出を、撮影倍率の位置検出より
も細かく行わせることができ、しかも移動量検出手段の
電気的実装を簡単なものにすることのできるカメラを提
供しようとするものである。
【0018】本発明の第6の目的は、焦点調節用の撮影
レンズ群の光軸方向の移動量の検出及び制御を簡単に行
うことのできるカメラを提供しようとするものである。
【0019】本発明の第7の目的は、所定の異なる撮影
倍率位置においても、焦点調節用の撮影レンズ群の光軸
方向の移動量の検出及び制御を簡単に行うことのできる
カメラを提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明は、撮影光学系を構成
する複数の撮影レンズ群を保持する複数の保持部材と、
該複数の保持部材の一部が係合するカム部を持つ板状カ
ム部材とを有し、前記撮影光学系を撮影光軸方向に移動
させて撮影倍率を変化させるカメラであって、前記板状
カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を変化させる為
に、撮影光軸方向に移動すると共に撮影光軸と略平行な
面内において回転動作をし、前記カム部により前記少な
くとも一つの保持部材を撮影光軸方向に案内するカメラ
とするものである。
【0021】上記構成において、板状カム部材を、撮影
光軸方向に移動させると共に撮影光軸上において回転さ
せるようにし、従来のように板状カム部材の撮影光軸上
における回転のみで撮影倍率を変化させていた構成のも
のよりも、撮影光学系の移動量を大きくするようにして
いる。つまり、従来の板状カム部材の回転のみの方式に
比べ、該板状カム部材の撮影光軸方向への移動量の分、
撮影光学系の移動量を大きくし、撮影光学系の撮影倍率
範囲を拡大するようにしている。
【0022】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項2記載の本発明は、撮影光学系を構成する複数の
撮影レンズ群を保持する複数の保持部材と、該複数の保
持部材の一部が係合する変倍用カム部及び焦点調節用カ
ム部を有する板状カム部材とを有し、前記撮影光学系を
撮影光軸方向に移動させて撮影倍率を変化させ、かつ、
選択可能な撮影倍率位置が予め設定されたカメラであっ
て、前記板状カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を
変化させる為に、撮影光軸と略平行な面内において回転
動作をし、前記変倍用カム部により前記少なくとも一つ
の保持部材を撮影光軸方向に案内し、所定の撮影倍率位
置においては、焦点調節の為に、前記回転動作をし、前
記焦点調節用カム部により焦点調節用の撮影レンズ群を
保持する保持部材を撮影光軸方向に案内するカメラとす
るものである。
【0023】上記構成において、選択可能な撮影倍率位
置が予め設定されたカメラにおける撮影光学系の撮影倍
率の変化を、従来の様な複雑かつ高価となってしまうカ
ムリング方式で行うのではなく、板状カム部材の撮影光
軸上における回転にて行わせ、かつ、従来は行っていな
かった所定の撮影倍率位置において、焦点調節を行える
ようにしている。
【0024】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項3記載の本発明は、撮影光学系を構成する複数の
撮影レンズ群を保持する複数の保持部材と、該複数の保
持部材の一部が係合する変倍用カム部及び焦点調節用カ
ム部を有する板状カム部材とを有し、前記撮影光学系を
撮影光軸方向に移動させて撮影倍率を変化させ、かつ、
選択可能な撮影倍率位置が予め設定されたカメラであっ
て、前記板状カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を
変化させる為に、撮影光軸方向に移動すると共に撮影光
軸と略平行な面内において回転動作をし、前記変倍用カ
ム部により前記少なくとも一つの保持部材を撮影光軸方
向に案内し、所定の撮影倍率位置においては、焦点調節
の為に、前記回転動作をし、前記焦点調節用カム部によ
り焦点調節用の撮影レンズ群を保持する保持部材を撮影
光軸方向に案内するカメラとするものである。
【0025】上記の撮影倍率位置が予め設定されたカメ
ラにおいて、従来の様な複雑かつ高価となってしまうカ
ムリング方式で撮影光学系の撮影倍率の変化を行うので
はなく、板状カム部材にて行うようにすると共に、該板
状カム部材を、単に撮影光軸上における回転のみで前記
撮影倍率変化を行うのではなく、撮影光軸方向へも移動
させる構成にし、該板状カム部材の撮影光軸方向への移
動量の分、撮影光学系の移動量を大きくし、撮影光学系
の撮影倍率範囲を拡大するようにしている。更に、従来
は行っていなかった所定の撮影倍率位置において、焦点
調節を行えるようにしている。
【0026】また、上記第4の目的を達成するために、
請求項4記載の本発明は、撮影光学系の撮影倍率位置
を、板状カム部材が配設される移動部材の撮影光軸方向
の移動位置より検出する撮影倍率位置検出手段を設けた
カメラとするものである。
【0027】上記構成において、移動部材は撮影光学系
と連動して撮影光軸方向に直進移動する為、板状カム部
材が配設される前記移動部材の撮影光軸方向の移動位置
より撮影光学系の撮影倍率を検出するようにしている。
具体例として、例えば撮影倍率位置検出手段をポテンシ
ョメータにより構成し、該ポテンショメータをカメラ本
体等の不動体に設け、前記移動部材にその移動により前
記ポテンショメータの抵抗値を変化させる為の摺動部材
を設けるようにし、検出信号を制御手段へ伝達する為の
フレキシブル基板等により成る信号ラインを移動部材と
共に引きずられて直進移動させる必要がなくなるように
している。又、取り付け作業性を考慮して、不動体にポ
テンショメータを取り付ければ良いようにしている。
【0028】同じく上記第4の目的を達成するために、
請求項5記載の本発明は、撮影光学系の撮影倍率位置
を、板状カム部材の回転位置より検出する撮影倍率位置
検出手段を設けたカメラとするものである。
【0029】上記構成において、板状カム部材は撮影光
学系と連動して円弧運動をする為、該板状カム部材の回
転位置より撮影光学系の撮影倍率を検出するようにして
いる。つまり、前記板状カメラ部材はカメラ本体等の不
動体に設けられるので、この回転位置を検出する接片等
より成る撮影倍率位置検出手段も不動体に設けることが
でき、検出信号を制御手段へ伝達する為のフレキシブル
基板等により成る信号ラインを前記板状カム部材と共に
回転移動させる必要がなく、又取り付け作業性も考慮し
た構成となる。
【0030】また、上記第5の目的を達成するために、
請求項6記載の本発明は、焦点調節用の撮影レンズ群の
撮影光軸方向の移動量検出を、板状カム部材へ駆動源か
らの動力を伝達する減速機構の何れかのギアの回転量よ
り行う移動量検出手段を設けたカメラとするものであ
る。
【0031】上記構成において、板状カム部材の回転量
を検出するより、該板状カム部材へ例えばDCモータか
ら動力を伝達する減速機構を構成するギア列の何れかの
ギアの回転量を検出した方が、より細かな検出が可能で
あることから、減速機構の何れかのギアの回転量より行
う移動量の検出、つまり焦点調節用の撮影レンズ群の撮
影光軸方向の移動量検出を行うようにしている。また、
この様な構成にすることにより、フォトインタラプタ等
の移動量検出手段をカメラ本体等の不動体に配置可能と
し、検出信号を制御手段へ伝達する為のフレキシブル基
板等により成る信号ラインを前記ギアと共に回転移動さ
せる必要がなく、又取り付け作業性も考慮した構成とな
る。
【0032】また、上記第6の目的を達成するために、
請求項7記載の本発明は、焦点調節の為の焦点調節用の
撮影レンズ群の撮影光軸方向の移動量と、移動量検出手
段により検出されるギアの回転量とが比例するように、
板状カム部材の焦点調節用カム部の形状を形成したカメ
ラとするものである。
【0033】上記構成において、板状カム部材の回転角
と焦点調節用の撮影レンズ群の移動量が、又は、板状カ
ム部材の撮影光軸方向の移動量及び回転角と焦点調節用
の撮影レンズ群の移動量が、それぞれ比例するように、
かつ、異なる焦点合わせの為の移動量検出を同じ敏感度
で行えるように、板状カム部材の焦点調節用カム部の形
状を形成するようにしている。
【0034】また、上記第7の目的を達成するために、
請求項8記載の本発明は、選択可能なそれぞれの撮影倍
率位置においても、焦点調節の為の前記焦点調節用の撮
影レンズ群の撮影光軸方向の移動量と、前記移動量検出
手段により検出されるギアの回転量とが同じ比例関係と
なるように、板状カム部材の変倍用カム部及び焦点調節
用カム部の形状を形成したカメラとするものである。
【0035】上記構成において、所定の異なる撮影倍率
位置においても、板状カム部材の回転角と焦点調節用の
撮影レンズ群の移動量が、又は、板状カム部材の撮影光
軸方向の移動量及び回転角と焦点調節用の撮影レンズ群
の移動量が、それぞれ同じ比例関係となるように、か
つ、異なる焦点合わせの為の移動量検出を同じ敏感度で
行えるように、板状カム部材の変倍用カム部及び焦点調
節用カム部の形状を形成するようにしている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0037】図1及び図2は本発明の実施の第1の形態
に係るカメラの斜視図であり、図1はカメラ正面右上か
ら、図2はカメラ正面左上から見た図である。尚、図中
で図1又は図2の片方のみに図示されている部材は、本
図を分かり易くするためにあえて不図示にしたもので、
本来は図1及び図2双方に図示すべきものである。
【0038】これらの図において、1は第1の撮影光学
群を保持する1群レンズユニットであり、2は1群レン
ズユニット1を2a部で保持し、不図示のシャッタユニ
ット等を有するところの1群保持部材である。3は第2
の撮影光学群を保持する2群レンズユニットであり、9
は1群保持部材2と2群レンズユニット3をカメラ光軸
に対してそれぞれ前後に付勢するレンズ間スプリングで
ある。
【0039】4は撮影光軸方向に移動する移動枠であ
り、該移動枠4の内部には上述の1群保持部材2及び2
群レンズユニット3が光軸方向に移動自在に配設され、
上面にはカムを有する板状部材であるカムレバー5が回
転自在に配設される。なお、2群レンズユニット3には
2群移動ピン8が、該2群レンズユニット3を移動枠4
の内部の所定の位置に配置した状態で移動枠4の2群移
動溝4cを介して3c部に一体化される。また、2群レ
ンズユニット3には撮影光軸方向の直進ガイド3a,3
a’が一体に形成されており、該直進ガイド3a,3
a’が1群保持部材2の内側に形成された図1及び図2
では不図示の2群ガイド溝に嵌合され、2群レンズユニ
ット3が1群保持部材2に対して回転せず、撮影光軸と
偏心することなく、撮影光軸方向に移動自在に配設され
る。なお、2dは2群移動ピン8の直進移動を妨げない
ようにするための逃げ溝である。また、不図示の2群ガ
イド溝は後述の図4でかくれ線で示した2eであるが、
角状の溝を1群保持部材2の両サイドの内側に形成した
ものである。
【0040】前記1群保持部材2も移動枠4の内部の所
定の位置に配置した状態で、1群移動ピン7が移動枠4
の1群移動溝4bを介して2c部に一体化される。ま
た、1群保持部材2には撮影光軸方向の直進ガイド2b
が一体に形成されており、移動枠4の内側に形成された
1群ガイド溝4d,4d’と嵌合し、1群保持部材2が
移動枠4に対して回転せず、撮影光軸と偏心することな
く撮影光軸方向に移動自在に配設される。なお、図1で
は不図示であるが、1群保持部材2に一体形成された直
進ガイド2bの撮影光軸と対称方向に同じ直進ガイドが
形成されており、該直進ガイドが移動枠4の1群ガイド
溝4dと嵌合することを付記しておく。
【0041】10は移動枠4を撮影光軸方向に直進移動
させる移動枠直進ガイドピンであり、移動枠4に形成さ
れたガイド穴4eと直進自在に嵌合し、一端はカメラ本
体27の位置決め穴27bに、もう一端は本体に固定さ
れる前押さえ12の位置決め穴12iに撮影光軸と平行
に保持されている。
【0042】ここで、前述のカムレバー5の説明に戻る
が、カムレバー5は移動枠4に形成されている回転軸4
aに該カムレバー5の回転中心穴5aが回転自在に、移
動枠4上に配設される。またカムレバー5には1群移動
ピン7と撮影光軸方向に当接するカム溝5b及び2群移
動ピン8と撮影光軸方向に当接するカム溝5cが形成さ
れている。また、6はカムレバー5を回転させる最終部
材であるところのギアであり、回転中心穴6aが回転軸
4aに回転自在に嵌合するとともに、一体化ピン6bが
カムレバー5に形成した一体化穴5dに合わせ込まれカ
ムレバー5と回転方向で一体化される。25はカムレバ
ー5とギア6の抜け止め及び適当なスラストガタを与え
るところのGリングであり、軸4aに最後に取り付けら
れる。なお、前述の1群移動ピン7及び2群移動ピン8
の上端はカムレバー5のギア6の取付け面側の面より低
くなるように設定されており、該上端とギア6は干渉す
ることはない。
【0043】11はカメラ本体27に配備されギア6と
噛み合うラックギアを有するラック部材であり、位置決
め穴及び固定ビス穴11b部がカメラ本体27の位置決
め軸及び固定用ビス穴27aに位置決めされかつ不図示
のビス等でカメラ本体27に固定される。またラック部
11aはギア6の歯形部6cとギアの噛み合い嵌合する
ように本体に配備される。
【0044】次に、図2を中心に構成部材を説明する。
【0045】13はモータであり、モータ軸にピニオン
ギア14が圧入され、該モータ軸と一体にピニオンギア
14が一体に回転するように構成されている。モータ1
3はピニオンギア14とともに前押さえ12の12a部
に位置決め固定される。なお、固定手段は不図示のモー
タ止めビスなどである。15,16及び17は減速ギア
であり、ギア15はピニオンギア14と噛み合うととも
に回転軸12bに回転自在に取り付けられ、ギア16は
前記ギア15と噛み合うとともに回転軸12cに回転自
在に取り付けられ、ギア17は前記ギア16と噛み合う
とともに回転軸12dに回転自在に取り付けられる。ま
た、18は前記ギア17と噛み合うギアで、カメラ本体
27の後方に伝達する軸ギア19の軸部19aと18a
部で一体に回転するように構成され、軸ギア19は軸部
19aが前押さえ12の穴12eと嵌合自在にまた他端
は図1に示すカメラ本体の軸27eと嵌合自在に取り付
けられる。20は軸ギア19のギア部19bと噛み合う
ギア20bを有するヘリコイドギアである。ヘリコイド
ギア20の20c部がオスヘリコイド部であり、ヘリコ
イドギア20の先端軸20aが前押さえ12の穴12h
と回転自在に嵌合するとともに、他端はカメラ本体27
の回転軸27fと回転自在に取付けられている。また、
オスヘリコイド部20cは移動枠4に形成されたメスヘ
リコイド部4gとヘリコイド噛み合いをしている。
【0046】22はギアの回転量の検出手段であるパル
ス板であり、ギア18と一体で回転するようギア18に
取り付けられている。23はギアの回転量の検出部材で
あるフォトインタラプタであり、ギア18と一体に回転
するパルス板22の回転に伴うパルス数を明暗でカウン
トするもので、前押さえ12に固定される。また、21
は減速ギアのスラストガタを規制するギア押さえであ
り、21a,21b部で前押さえ12の12f,12g
で位置決め及び不図示のビス等で固定される。
【0047】24は移動枠4の位置検出部材であるポテ
ンションメータであり、24b部がカメラ本体27の2
7g部に取り付くよう本体27に固定される。ポテンシ
ョンメータ24には移動可能な凸起24aが配備されて
おり、前記凸起24aが移動枠4の位置検出手段である
凹部4hに嵌め込まれるように取り付けられる。なお、
ポテンションメータ24の内部構造は周知のことである
ので詳細は省略するが、凸起24aの移動位置によって
電気抵抗量がリニアに変化するようになっており、抵抗
値の変化で位置を検出するものである。前押さえ12は
位置決め穴12j,12j’がカメラ本体27の位置決
め軸27c、27c’に位置決めされるとともに、ビス
穴12kがカメラ本体27のネジ穴部27dに不図示の
ビス等によって固定される。
【0048】最後に図1に戻って、26はギア6及びカ
ムレバー5を外観的に隠す化粧板であり、移動枠4の取
付け受け部4fに取付け接着等で固定される。
【0049】以上の構成において、モータ13に通電さ
れピニオンギア14が回転すると減速ギア15,16,
17,18及び軸ギア19にその回転が伝達され、ヘリ
コイドギア20が回転することになる。ヘリコイドギア
20が回転すると移動枠4がメスヘリコイド部4g と移
動枠直進ガイドピン10に案内されて撮影光軸方向に移
動する。また、移動枠4の光軸方向への移動によりギア
6がカメラ本体27の側面に固定配備されたラック部材
11のラックギア部11aと噛み合っているため(図4
も参照)、該ギア6も回転し、該ギア6が回転すると一
体化されたカムレバー5が回転することになる。すなわ
ち、カムレバー5は撮影光軸方向に移動しながら、撮影
光軸と平行な平面上を回転することになる。このカムレ
バー5の回転により1群移動ピン7と撮影光軸方向に当
接するカム溝5b及び2群移動ピン8と撮影光軸方向に
当接するカム溝5cのカム形状に沿い、1群保持部材2
及び2群レンズユニット3が撮影光軸方向に移動するこ
とになる。
【0050】以上の動作を簡単にまとめると、モータ1
3の通電によって、移動枠4が撮影光軸方向に移動す
る。移動枠4が移動することによって、カムレバー5も
撮影光軸方向に移動しながら回転する。カムレバー5の
移動及び回転によって、カム溝5b,5cのカム形状に
沿って1群保持部材2及び2群レンズユニット3が光軸
方向に移動する。すなわち、撮影光学系の撮影光学群が
撮影光軸方向に移動して、撮影倍率を変倍することが可
能なカメラとなる。
【0051】続いて、図3について説明する。図3は撮
影変倍位置を模式的に示した図であり、この図では1群
レンズユニット1と2群レンズユニット3とカムレバー
5を除いて、殆ど前述の図1及び図2に記載した部材を
省略している。又図面繁雑化を防ぐため、1群レンズユ
ニット1や2群レンズユニット3は断面で示してあるが
それを明示するハッチングは省略し、更に各部材の符号
はテレ状態を示す図のみに付してある(以降の同様な図
においては、何れか一つの状態のみに符号を付してい
る)。
【0052】図3では上から順番に沈胴端,ワイド,ミ
ドル1,ミドル2,テレ状態を示しており、カムレバー
5が撮影光軸方向に移動しながら撮影光軸と平行な平面
とで回転している様子、及び各レンズユニットが撮影光
軸上をフィルム面に対して移動し撮影倍率が変倍する様
子を示している。なお、上記変倍位置ワイド,ミドル
1,ミドル2,テレの各部材は予め決められており、そ
の位置でのみ撮影光学系を停止することが可能で、撮影
もまたその位置でのみ可能であるカメラである。なお、
上記の撮影光学系を停止させるシーケンス等は後述す
る。
【0053】さて、図中で2点鎖線で示したカムレバー
5の移動及び回転位置は各撮影倍率位置すなわちズーム
位置において、焦点合わせのための撮影光学群の移動を
行わせたところのカムレバー5の状態を示したものであ
る。この図3の撮影光学系では、焦点合わせのための撮
影光学群の移動は1群レンズユニット1のみを移動さ
せ、2群レンズユニットは移動させず状態を保持するこ
とで行われる。図3では“フォーカス”と記している1
群の移動量は、焦点合わせのための移動量を示している
もので、例えば、図で左側に移動した状態が近側で焦点
が合い、移動量が少ない状態が遠側で焦点が合うことに
なる。
【0054】図3でわかる様に、2群移動ピン8と撮影
光軸方向に当接するカム溝5cのカム形状は、各ズーム
位置でフォーカスの為の移動及び回転が行われても、2
群レンズユニット3が撮影光軸方向に移動しないように
形成されている。また、2群レンズユニット3が撮影光
軸方向に移動しないで保持されるのは、ここでは不図示
のレンズ間スプリング9の2群レンズユニット1をフィ
ルム面方向に付勢する働き、すなわち2群移動ピン8を
カム溝5cのフィルム面側に付勢する働きを利用してカ
ム溝5cのカム形状を形成しているものである。また、
1群移動ピン7は焦点合わせのためのカムレバー5の移
動及び回転がされると撮影光軸方向に移動し、例えば
7’に位置を移動するようにカム溝5dは形成されてい
る。尚、当然であるが、被写体までの距離によって、1
群レンズユニット1を移動させる量は異なるが、移動量
の制御の方法については後述するものとする。
【0055】ところで、図3で1群レンズユニット1の
レンズ構成は1a,1b,1c,1dの4枚で構成さ
れ、2群レンズユニット3のレンズ構成は3aと3bの
2枚で構成した例を示しているが、本発明はもちろんこ
のレンズ構成に限るものではなく、さらに2群構成の撮
影光学系に限るものでもないことをここで付記しておき
たい。
【0056】次に、図4から図9までについて説明す
る。
【0057】図4〜図9は前述の図1及び図2の構成図
を部分的に結合させたもので、前述の説明をより分かり
易くする目的で書いたものである。図4〜図6は正面右
上から見た斜視図であり、図4が沈胴端状態、図5がワ
イド状態、図6がテレ状態の図である。同様に、図7〜
図9は正面左上から見た斜視図であり、図7が沈胴端状
態、図8がワイド状態、図9がテレ状態の図である。
【0058】図4〜図9は、カメラ本体27を始め多く
の部材を省略して書いているが、これは図面繁雑化を防
ぐために省略したもので、各部材の構成や機能は図1及
び図2と同じである。従って、図4〜図9について、改
めて詳細を説明をするのを省略するが、図4〜図6に
て、移動枠4の撮影光軸方向の移動の様子、この移動に
伴うギア6の回転の様子、ギア6の回転と一体になって
回転するカムレバー5の回転の様子、及び該カムレバー
5の回転に伴って撮影光学群の1群保持部材2及び2群
レンズユニット3の撮影光軸方向の移動の様子が、沈胴
端からワイド,テレへと順を追って立体的に示されてい
る。また、図7〜図9にて、移動枠4の撮影光軸方向の
移動手段であるヘリコイドギア20によって移動枠4の
メスヘリコイド部4gが移動する様子、移動枠4の位置
検出部材であるポテンショメータ24の凸起24aが移
動枠4の位置検出手段である凹部4hの撮影光軸方向へ
の移動によって変位していく様子などが、沈胴端からワ
イド,テレへと順を追って立体的に示されている。
【0059】図10は上記構成のカメラの撮影レンズ群
を駆動させる部分の簡単な回路構成を示すブロック図で
あり、101はカメラの各種の動作を制御するマイクロ
コンピュータ(以下、マイコンと記す)、102はモー
タ駆動回路、103は図2に示したモータ13に相当す
るモータ、104は図1等の1群レンズユニット1及び
第2群レンズユニット3に相当する撮影レンズ群、10
5は図2の移動枠4の位置を検出するポテンショメータ
24に相当するズーム位置検出回路、106は被写体距
離までの測距、つまり測距情報を算出する測距回路、1
07は図2のフォトインタラプタ23とギア18に取り
付けられたパルス板22に相当するフォーカス量検出回
路である。
【0060】次に、上記図10の回路構成のカメラにお
けるズーム位置制御時の動作を、図11のフローチャー
トに従って説明する。
【0061】まず、マイコン101は不図示のズームス
イッチがONしているか否かを判別し、ONしていなけ
ればこのステップを繰り返す。その後、不図示のズーム
スイッチがONしたことを判別するとステップ#202
へ進み、ここでは上記ズームスイッチにて何れの方向へ
のズーミングが選択されたかを判別する。この結果、テ
レ方向へのズーミングであると判別した場合にはステッ
プ#203へ進み、モータ駆動回路102及びモータ1
03を駆動して撮影レンズ群104をテレ方向へ移動さ
せる。次のステップ#204では、上記ズームスイッチ
がOFFされたか否かを判別し、ONのままであればス
テップ#205へ進み、テレ端に達したか否かを判別す
る。ここで、もしテレ端に達していればステップ#20
6へ進み、その旨の警告を行う。これにより、撮影者は
例えば一旦ズームスイッチをOFFして逆のズーム方向
への操作を開始することになる。従って、この様な操作
がされた場合には、動作としては、上記ステップ#20
6からステップ#201へ戻り、ここで再びズームスイ
ッチがONされて次のステップ#202では、今度はワ
イド方向と判別してステップ#209以降の動作を進め
ることになる。
【0062】また、上記ステップ#205にて、テレ端
に達していないことを判別した場合にはステップ#20
3へ戻り、テレ方向へのズーミングを継続する(#20
5→#203→#204→#205……)。そして、こ
の動作を繰り返している途中に、撮影者が所望のズーム
位置に達したとしてズームスイッチがOFFされるとス
テップ#204からステップ#207へ進む。そして、
ここでは所望とされる位置に確実に達したか否かをズー
ム位置検出回路105からの情報を基に判別する。未だ
所望とされるズーム位置に達していない場合はステップ
#203へ戻り、その方向のズーミングを継続する(#
207→#203→#204→#207……)。そし
て、所望とされるズーム位置に達したらステップ#20
7からステップ#208へ進み、上記モータ103の駆
動を停止し、ズーム位置制御を終了する。
【0063】また、上記ステップ#202にてワイド方
向へのズーミングが選択されている場合はステップ#2
09へ進み、ここではモータ駆動回路102及びモータ
103を駆動して撮影レンズ群104をワイド方向へと
の移動させる。以下、上記のテレ方向へのズーミングと
同様の処理が、ステップ#210,#211,#212
等にて行われることになる。
【0064】次に、上記図10の回路構成のカメラにお
ける一連の撮影動作の概略を、図12のフローチャート
に従って説明する。尚、既にズーム位置制御は終了して
いるものとする。
【0065】まず、ステップ#301において、不図示
のレリーズスイッチが撮影者によってONされているか
否かを判別し、ONされていなければこのステップに留
まる。その後、前記レリーズスイッチがONされるとス
テップ#301へ進み、ここでは測距回路106を駆動
して測距情報(被写体までの距離情報)を測定する。次
のステップ#303においては、ズーム位置検出回路1
05より現在のズーム位置情報を得る。そして、次のス
テップ#304において、上記ステップ#302にて得
られた測距結果と上記ステップ#303にて得られたズ
ーム位置情報とを基に、撮影レンズ群の繰出し移動量を
算出し、続くステップ#305にて、モータ駆動回路1
02を介してモータ103を駆動して、焦点合わせの為
に撮影レンズ群の繰出しを開始する。
【0066】次のステップ#306においては、所定の
繰出し量に達したかどうかをフォーカス量検出回路10
7からの情報より確認し、達していなければステップ#
305へ戻り、撮影レンズ群の繰出しを継続する。やが
て所定の繰出し量に達したことを検知すると、ステップ
#306からステップ#307へ進み、上記モータ10
3の駆動を停止する。次のステップ#308において
は、公知に様にして露光動作が行われ、続くステップ#
310にて、不図示の給送回路及びフィルム給送モータ
(上記モータ103を遊星ギア機構等を介して動力分割
することにより、該モータを給送用として用いることも
可能である)を駆動して撮影駒の1駒巻き上げを行う。
そして、次のステップ#310において、規定駒数の撮
影が終了したか否かを判別し、未だ規定駒数に達してい
なければステップ#301へ戻り、次の撮影に備える。
【0067】一方、上記ステップ#310にて、規定駒
全ての撮影が終了したことを検知すると、ステップ#3
11へ進み、上記フィルム給送用モータを逆回転させ、
フィルムカートリッジへのフィルムの巻き戻しを行い、
この動作が完了することで一連の撮影を終了する。
【0068】尚、被写体の明るさを測定する測光は、本
発明とは直接関係ない為に、このフローチャートでは省
略している。また、ズーム位置のデータを繰出し量算出
に使用するのは、例えば、各撮影変倍位置において被写
体までの距離が同じであっても、光学的な位置の製造的
なズレなどによって、焦点を合わせるための撮影光学群
の移動量が異なることが一般的であるためである。
【0069】上記の実施の第1の形態では、カムを有す
る板状部材であるカムレバー5の撮影光軸と平行な平面
上での回転及び該回転と連動して行われるカムレバー5
の撮影光軸方向への移動によって、撮影光学群を保持す
る部材、即ち上記実施の形態では1群保持部材2及び2
群レンズユニット3を撮影光軸方向に移動させ撮影倍率
を変倍することができ、さらに所定の撮影変倍位置にお
いて、該カムレバー5の回転と該カムレバー5の撮影光
軸方向の移動動作で撮影光学系の焦点合わせのための撮
影光学群の移動を行わせることが可能となる。
【0070】また、撮影光学系の撮影倍率の移動位置の
検出を、カムを有する板状部材であるカムレバー5を配
設している移動枠4の撮影光軸方向の移動位置から検出
(ポテンショメータ24にて)しており、また撮影光学
系の焦点合わせのための移動量検出を該カムレバー5の
回転量より多い、該カムレバー5の回転と連動している
撮影光学系駆動用モータとの間のギア列と連動するギ
ア、即ち上記実施の形態ではギア18の回転量から行う
(フォトインタラプタ23とパルス板22により)よう
にしている。
【0071】(実施の第2の形態)図13は本発明の実
施の第2の形態に係るカメラの撮影光学系の光軸方向の
移動を模式的に表した図であり、カメラの構成的には上
記実施の第1の形態のカメラと殆ど同じであるため、こ
こでは大幅に構成部材を省略してある。
【0072】図13において、28は第1の撮影光学群
を保持する1群レンズユニット、29は第2の撮影光学
群を保持する2群レンズユニット、30は前記1群レン
ズユニット28を保持する1群保持部材、32はカムを
有する板状部材であるカムレバー、33,34はそれぞ
れ1群移動ピンと2群移動ピンである。
【0073】各部材の配置や働きは上記実施の第1の形
態のカメラと殆ど同じであり、1群レンズユニット2
8,2群レンズユニット29,1群保持部材30,カム
レバー32,1群移動ピン33及び2群移動ピン34
は、それぞれ上記第1の実施例の1群レンズユニット
1、2群レンズユニット3,1群保持部材2,カムレバ
ー5,1群移動ピン7及び2群移動ピン8に対応する。
【0074】従って、図13では省略してあるが、上記
実施の第1の形態のカメラで示した移動枠,レンズ間ス
プリング,カムレバーと一体に回転するギア,ラック部
材及び撮影光学群を移動させるモータ,ギア,ヘリコイ
ド等が実施の第1の形態と同じように構成されているも
のである。
【0075】上記実施の第1の形態と異なる点は、この
実施の第2の形態のカメラは、1群移動部材30の中に
1群レンズユニット28を焦点合わせのために撮影光軸
方向に移動させる移動手段であるステッピングモータ3
1を配備していることであり、該実施の第2の形態のカ
メラは各変倍位置で焦点合わせのための撮影光学群の移
動を、カムレバー32の回転及び撮影光軸方向への移動
による手段を使わずに、独立に配備したステッピングモ
ータ等のアクチュエータを使うことである。なお、この
実施の第2の形態ではステッピングモータを使用してい
るが、当然DCモータ等の別のアクチュエータでも構わ
ない。
【0076】さて、図13について説明すると、図13
の上から順に撮影光学系の位置は、沈胴端,ワイド,ミ
ドル任意,ミドル任意,テレである。各撮影光学群の変
倍位置の移動は、上記実施の第1の形態と同じ方法で行
われ、すなわち、不図示の移動枠上に配設したカムレバ
ー32には1群移動ピン33と撮影光軸方向に当接する
カム溝32bと2群移動ピン34と撮影光軸方向に当接
するカム溝32cが形成されており、不図示の移動枠の
撮影光軸方向への移動に連動してカムレバー32が回転
中心32aを中心に回転しながら撮影光軸方向へ移動す
ることによって行われる。
【0077】この実施の第2の形態のカメラでは、上記
実施の第1の形態のカメラと異なり、焦点合わせのため
の撮影光学群の移動を別のアクチュエータで行っている
ため、比較的多くの撮影変倍位置を設定できる。
【0078】なお、ここでは、ステッピングモータ31
による1群レンズユニット28の移動方法は、周知の技
術であるため省略するものとする。
【0079】以上説明したように、この実施の第2の形
態では、カムを有する板状部材であるカムレバー32の
撮影光軸と平行な平面上での回転及び該回転と連動して
行われる撮影光軸方向への移動によって、撮影倍率を変
倍するカメラとしている。
【0080】(実施の第3の形態)本発明の実施の第3
の形態に係るカメラについて、図14〜図16を用いて
説明する。
【0081】図14はカメラ正面右上から見たカメラの
分解斜視図で、図15はカメラのワイド状態の正面右上
から見た斜視図である。
【0082】図14及び図15において、35は第1の
撮影光学群を保持する1群レンズユニットであり、36
は1群レンズユニット35を保持し、不図示のシャッタ
ーユニット等を有するところの1群保持鏡筒である。3
8は第2の撮影光学群を保持する2群レンズユニットで
あり、37は1群保持鏡筒36と2群レンズユニット3
8をカメラ光軸に対してそれぞれ前後に付勢するレンズ
間スプリングである。1群レンズユニット35は1群保
持鏡筒36に固定される。また、2群レンズユニット3
8はレンズ間スプリング37を介して1群保持鏡筒36
の内部に配設されるが、この時、2群直進ガイド38
b,38b’が不図示の1群保持鏡筒36の内部に形成
した直進ガイド溝に嵌合され、2群レンズユニット38
が1群保持鏡筒36に対して回転せず、撮影光軸と偏心
することなく、撮影光軸方向に移動自在に配設される。
また、1群保持鏡筒36の切欠け部36cは2群レンズ
ユニット38が撮影光軸方向に移動する際、後述する2
群連動軸38aの移動を妨げないための逃げである。
【0083】39はカメラ本体であり、前記1群保持部
材36は、該1群保持部材36に一体に形成された1群
直進ガイド36b,36b’をカメラ本体39に形成さ
れた1群直進ガイド溝39b,39b’に嵌合され、該
カメラ本体39に対して回転せず、撮影光軸と偏心する
ことなく、撮影光軸方向に移動自在に配設される。な
お、カメラ本体39に形成されている切欠け部39a,
39cはそれぞれ2群連動軸38a、後述する1群保持
鏡筒36に一体に形成された1群連動軸36aの移動を
妨げないための逃げである。36aは1群保持鏡筒36
を撮影光軸方向に移動させる1群連動軸であり、38a
は2群レンズユニット38aを撮影光軸方向に移動させ
る2群連動軸である。
【0084】40はカムを有する板状部材であるところ
のカム板であり、カメラ本体39の回転軸39hに回転
穴40aを嵌合させてカメラ本体39上に回転自在に配
設される。また、この時、前記1群連動軸36a及び2
群連動軸38aは、それぞれカムを有する板状部材40
のカム溝40b,40cに挿入され、かつレンズ間スプ
リング37によって、それぞれ撮影光軸の前後方向に付
勢当接される。従って、カムを有する板状部材が回転す
ることで、1群連動軸36aはカム溝40bの撮影光軸
前方の端面形状に、2群連動軸38aはカム溝40cの
撮影光軸後方の端面形状にそれぞれ沿った撮影光軸方向
への移動を行うことになる。すなわち、1群保持鏡筒3
6と2群レンズユニット38がカム板40の回転により
撮影光軸方向へ直進移動することになる。
【0085】44はカム板40を回転させるための駆動
用モータであり、ギアが配備されるモータ地板46にビ
ス47によって固定される。45はモータ44の回転軸
に回転方向に一体化されたピニオンギアである。48は
第1減速ギアであり、回転軸46aに回転自在に取り付
けられ、スラスト方向はGリング49によって規制され
る。50は第1減速ギア48と噛み合う第2減速ギアで
あり、回転軸46bに回転自在に取り付けられる。51
は第2減速ギア50の回転量を検出するためのパルス板
であり、第2減速ギア50に回転方向に一体に固定され
る。52はパルス板51の回転量を検出する部材である
フォトインタラプタであり、モータ地板46の取付け部
46eに取付け固定される。前記モータ44等が配備さ
れたモータ地板46はカメラ本体39の位置決め突起3
9dに位置決め穴46cを合わせ、ビス57によってビ
ス穴46dを通してカメラ本体39のネジ穴部39eに
取付けられる。53は第2減速ギア50と噛み合う第3
減速ギアであり、回転軸39fに回転自在に取付けられ
る。54は第3減速ギア53と噛み合う第4減速ギアで
あり、回転軸39gに回転自在に取り付けられる。な
お、カム板40は回転軸39hに回転自在に取り付けら
れるが、この時、カム板40のギア部40d が第4減速
ギア54に噛み合うように取り付けられる。
【0086】以上のギア部材の配備によって、モータ4
4のピニオンギア45からカム板40のギア部40dま
で減速ギア列が構成される。
【0087】41はカム板40の回転位置を検出するた
めの検知パターン41aを配備したパルス基板であり、
カム板40に一体化される。42はパルス基板41の回
転位置を検出する検出部材であるカム板位置検出スイッ
チであり、位置決め突起39j に位置決めガイド42c
を合わせ、ビス43によってビス穴42cを通して、ネ
ジ穴部39iに取付けられる。55は第3減速ギア5
3,第4減速ギア54,カム板40と一体になったパル
ス基板41のスラストを規制するギア押さえであり、ビ
ス56によって、ネジ穴部39k,39mに取付けられ
る。
【0088】以上の構成において、モータ44への通電
によりピニオンギア45が回転されると、第1減速ギア
48から第4減速ギア54まで回転が伝達され、第4減
速ギア54と噛み合うカム板40dによってカム板40
が回転することになり、該カム板40のカム溝40b,
40cと撮影光軸方向に当接している1群連動軸36
a、2群連同軸38aによって、1群保持鏡筒36及び
2群レンズユニット38が撮影光軸方向に直進移動する
ことになる。すなわち、カムを有する板状部材であるカ
ム板40の撮影光軸と平行な平面上での回転によって、
撮影光学系を構成する撮影光学群である1群レンズユニ
ット35及び2群レンズユニット38が撮影光軸方向に
移動される、撮影倍率の変倍が可能なカメラとなる。
【0089】図16は、この実施の第3の形態のカメラ
の撮影光学系の撮影倍率の変倍位置を模式的に表したも
ので、上からワイド,ミドルそしてテレ状態を表してい
る。
【0090】ワイド,ミドル,テレの変倍位置は予め設
定されており、位置の制御は前記のパルス基板41上に
配備した検知パターン41aの回転、すなわちカム板4
0の回転をカム板位置検出スイッチ42の接片部42a
で検知し、モータ44の停止を行うことでなされてい
る。
【0091】図16で2点鎖線で表している状態は、各
変倍位置で、焦点合わせのための撮影光学群の移動、す
なわちフォーカスを行っている状態の図であり、本実施
の第3の形態の2群レンズ構成では、1群レンズユニッ
ト35のみを移動させ、2群レンズユニット38は移動
させないことで行われる。詳細に説明すると、35’は
1群レンズユニットがカメラ前方に繰り出した状態、つ
まり近距離の被写体に焦点を合わせた状態であり、この
時のカム板40の回転位置が40’に相当する。カム板
40の40’の位置では、カム溝40bと連動している
1群連動軸36aが36a’まで押し出されているが、
カム溝40cと連動している2群連動軸38aは、カム
溝40cの形状によって、押し出されることなく、位置
を保持している。
【0092】また、各撮影変倍位置での焦点合わせのた
めの1群レンズユニット35の移動量の制御は、前記の
カム板40の回転量より多い、パルス板51の回転量、
すなわち第2減速ギア50の回転量をフォトインタラプ
タ52で検出し、モータ44の通電を停止させることで
行われ、上記実施の第1の形態のカメラで説明したマイ
コンによって制御されている。
【0093】以上の実施の第3の形態によれば、撮影光
学系を構成する撮影レンズ群を保持する保持部材である
1群保持鏡筒36及び2群レンズユニット38を、カム
を有する板状部材であるカム板40のカム溝に連動さ
せ、該カム板40の撮影光軸と平行な平面上での回転に
よって、1群保持鏡筒36と2群レンズユニット38を
撮影光軸上を移動させ、撮影倍率を変倍するものとな
り、各撮影倍率の移動位置の検出は、該カム板40の回
転位置により行わせる事を特徴としたカメラとなる。
【0094】また、各撮影倍率の位置において、さらに
該カム板40を回転させることで焦点合わせのための撮
影光学系の移動を行わせることができるカメラで、焦点
合わせのための撮影光学系の移動量の検出は、カム板4
0より回転量の多い、カム板40と連動している第2減
速ギア50の回転量から検出することを特徴としたカメ
ラとなる。
【0095】(実施の第4の形態)図17は本発明の実
施の第4の形態に係るカメラの撮影光学系の撮影倍率の
変倍位置を模式的に表したもので、上からワイド,ミド
ルそしてテレ状態を表しているが、この実施の形態で
は、前述の実施の第3の形態のカメラにおけるカム板4
0をカム板57に代えたもので、その他の構成部材,動
作などは基本的に同じものである。
【0096】カム板57の特徴は、各撮影倍率位置にお
ける焦点合わせのための撮影光学群の移動の際、光学群
の移動量とカム板57の回転角が比例の関係になるよう
にカム溝の形状を形成したことであり、かつ、ワイド,
ミドル,テレのどの位置でも同じ比例定数で撮影光学群
を移動させるようにカム溝の形状を形成したことであ
る。
【0097】図17に従って説明すると、35は1群レ
ンズユニット、38は2群レンズユニットであり、57
は57a部を回転中心にするカム板である。図中で2点
鎖線で表している部分は焦点合わせのための撮影光学群
の移動、すなわちフォーカス移動を行った状態であり、
1群レンズユニットの移動量がBの状態を表している。
また、57’はこの時のカム板57の回転移動位置を表
しており、カム溝57bの撮影光軸前方の端面形状の回
転移動に従って、1群連動軸36aが36a’に移動し
た状態も表している。勿論、36aが36a’に移動し
た移動量は、1群連動軸36aが1群レンズユニット3
5と一体化されているため1群レンズユニット35と同
じ移動量であるBである。
【0098】ところで、1 群連動軸36aがカム溝57
bの撮影光軸前方の端面形状の回転移動に従うのは、図
17では不図示のレンズ間スプリング37によって、1
群連同軸36aが撮影光軸前方に付勢されているからで
ある。なお、2群レンズユニット38の方は、2群連動
軸38aがカム板57のカム溝57cの撮影光軸後方の
端面形状の回転移動に従い、2群レンズユニット38の
移動がされるが、上記実施の第3の形態で説明したよう
に、焦点合わせのための撮影光学群の移動時、この実施
の形態の2群レンズタイプでは2群レンズユニットは移
動させず、位置を保持させることになり、従って、カム
溝57cの撮影光軸後方の端面形状は該回転移動によっ
ても2群連動軸38aが移動しないように形成されてい
る。前記1群レンズユニット35の移動量Bの時のカム
板57の各撮影倍率停止位置からの回転角は同図でA゜
で表している。
【0099】前述のように、この実施の形態のカム板5
7のカム溝57aの撮影光軸前方の端面形状は、カム板
57の回転角と1群レンズユニット35の移動量が比例
関係になるように形成してあるため、1群レンズユニッ
ト35の移動量Bは比例定数をαとすると「B=αA」
の関係式になる。また、ミドル及びテレの撮影倍率位置
においても、同じ比例関係になるように、それぞれの撮
影倍率停止位置からのカム溝57bの撮影光軸前方の端
面形状は、カム板57の回転角A゜に対して1群レンズ
ユニット35の移動量Bが「B=αA」の関係が成立す
るように形成してある。
【0100】ここで、カム板57の回転角は、焦点合わ
せのための撮影光学系の移動量の検出手段である第2減
速ギア50の回転量ともギア噛み合いで連結されている
ため比例関係になる。従って、焦点合わせのための撮影
光学群の移動量は、移動量検出手段のギアの回転量とも
比例関係となる。つまり、同一の敏感度にて移動量検出
が可能になる。また、各撮影倍率位置でも同じ比例関係
が成立するため、より移動量の制御が簡単にできること
になる。
【0101】(実施の第5の形態)図18は本発明の実
施の第5の形態に係るカメラの撮影光学系の撮影倍率の
変倍位置を模式的に表したもので、上から沈胴端,ワイ
ド,ミドル1,ミドル2,テレの状態を表しているが、
この実施の形態では、前述の実施の第1の形態のカメラ
におけるカムレバー5をカムレバー58に代えたもの
で、その他の構成部材,動作などはは基本的に同じもの
である。
【0102】カムレバー58の特徴は、各撮影倍率位置
における焦点合わせのための撮影光学群の移動の際、光
学群の移動量とカムレバー58の回転角が比例の関係に
なるようにカム溝の形状を形成したことであり、かつ、
ワイド,ミドル1,ミドル2,テレのどの位置でも同じ
比例定数で撮影光学群を移動させるようにカム溝の形状
を形成したことである。
【0103】図18に従って説明すると、1は1群レン
ズユニットで、3は2群レンズユニットであり、58は
58a部を回転中心にするカムレバーであり、撮影光軸
方向に移動しながら回転する。図中で2点鎖線で表して
いる部分は焦点合わせのための撮影光学群の移動、すな
わちフォーカス移動を行った状態の図であり、1群レン
ズユニット1の移動量がAの状態を表している。また、
58’はこの時のカムレバー58の回転及び移動位置を
表しており、カム溝58bの撮影光軸前方の端面形状の
回転移動にしたがって1群連動ピン7が7’に移動した
状態も表している。勿論、1群連動ピン7が7’に移動
した移動量は、1群連動ピン7が1群レンズユニット1
と一体化されているため、1群レンズユニット1と同じ
移動量であるAである。
【0104】ところで、1群連動ピン7がカム溝58b
の撮影光軸前方の端面形状の回転移動に従うのは、図1
8では不図示のレンズ間スプリング9によって、1群連
動ピン7が撮影光軸前方に付勢されているからである。
なお、2群レンズユニット3の方は、2群連動ピン8が
カム板58のカム溝58cの撮影光軸後方の端面形状の
回転移動に従い、2群レンズユニット3の移動がされる
が、上記実施の第1の形態で説明したように、焦点合わ
せのための撮影光学群の移動時、この実施例の2群レン
ズタイプでは2群レンズユニット3は移動させず、位置
を保持させることになり、従って、カム溝58cの撮影
光軸後方の端面形状は該回転移動によっても2群連動ピ
ン8が移動しないように形成されている。前記1群レン
ズユニット1の移動量Aの時のカム板58の各撮影倍率
停止位置からの回転角は同図でB゜で表している。
【0105】前述のように、本実施の形態のカム板58
のカム溝58aの撮影光軸前方の端面形状は、カム板5
8の回転角と1群レンズユニット1の移動量が比例関係
になるように形成してあるため、1群レンズユニット1
の移動量Aは比例定数をβとすると「A=βB+C」の
関係式になる。また、ミドル及びテレの撮影倍率位置に
おいても、同じ比例関係になるように、それぞれの撮影
倍率停止位置からのカム溝58bの撮影光軸前方の端面
形状は、カム板58の回転角B゜に対して1群レンズユ
ニット1の移動量Aが「A=βB+C」の関係が成立す
るように形成してある。なお、Cはカムレバー58がB
゜回転する間に光軸方向にカムレバー58が移動する量
であるが、実はCとBの間にもギアとラックの噛み合い
による比例関係があり、その比例定数をγとすると「C
=γB」となり、上記の1群レンズユニット1の移動量
とカムレバー58の回転角の関係式は「A=βB+γ
B」、すなわち「A=(β+γ)B」と表され、完全な
比例式となる。
【0106】ここで、カム板58の回転角は、焦点合わ
せのための撮影光学系の移動量の検出手段であるギア1
8の回転量ともギア噛み合いで連結されているため比例
関係になる。従って、焦点合わせのための撮影光学群の
移動量は、移動量検出手段のギアの回転量とも比例関係
となる。また、各撮影倍率位置でも同じ比例関係が成立
するため、より移動量の制御が簡単にできることにな
る。
【0107】(変形例)上記実施の形態では、全て2群
レンズタイプの撮影光学系について紹介してきたが、本
発明は、当然2群レンズタイプに限定されるものではな
く、例えば3群レンズタイプの撮影光学系であれば、カ
ムを有する板状部材にカム溝を3個形成することによっ
て、各撮影光学群の移動が可能になり、撮影倍率の変倍
が可能なカメラとなり、また、各撮影倍率の位置におけ
る焦点合わせのための撮影光学群の移動も1群のみを移
動させるのではなく複数の撮影レンズ群を移動させるこ
とも可能であるため、例えば3群タイプの撮影光学系で
も対応が出来るものである。
【0108】また、本発明は、レンズシャッタカメラに
適用した例を示しているが、一眼レフカメラやビデオカ
メラや電子スチルカメラ等の種々の形態のカメラに対し
ても適用できるものである。
【0109】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
板状カム部材を、撮影光軸方向に移動させると共に撮影
光軸上において回転させるようにし、従来のように板状
カム部材の撮影光軸上における回転のみで撮影倍率を変
化させていた構成のものよりも、撮影光学系の移動量を
大きくするようにしている為、撮影倍率範囲を拡大する
ことができるカメラを提供できるものである。
【0111】また、本発明によれば、撮影倍率位置が予
め設定されたカメラにおける撮影光学系の撮影倍率の変
化を、従来の様な複雑かつ高価となってしまうカムリン
グ方式で行うのではなく、板状カム部材の撮影光軸上に
おける回転にて行わせ、かつ、従来は行っていなかった
所定の撮影倍率位置において、焦点調節を行えるように
している為、複雑な構成にすることなく、設定されたズ
ーム位置において、撮影光学系の焦点合わせを行うこと
ができるカメラを提供できるものである。
【0112】また、本発明によれば、撮影倍率位置が予
め設定されたカメラにおいて、従来の様な複雑かつ高価
となってしまうカムリング方式で撮影光学系の撮影倍率
の変化を行うのではなく、板状カム部材にて行うように
すると共に、該板状カム部材を、単に撮影光軸上におけ
る回転のみで前記撮影倍率変化を行うのではなく、撮影
光軸方向へも移動させる構成にしている為、撮影倍率範
囲を拡大すると共に、複雑な構成にすることなく、設定
されたズーム位置において、撮影光学系の焦点合わせを
行うことができるカメラを提供できるものである。
【0113】また、本発明によれば、撮影倍率位置検出
手段を、板状カム部材が配設される、撮影光学系と連動
して直進運動をする移動部材の撮影光軸方向の移動位置
より撮影光学系の撮影倍率を検出するものとしている
為、撮影光学系の撮影倍率位置を正確に検出することが
でき、しかも撮影倍率検出手段の電気的実装を簡単なも
のにすることができるカメラを提供できるものである。
【0114】また、本発明によれば、撮影倍率位置検出
手段を、撮影光学系と連動して円弧運動をする板状カム
部材の回転位置より撮影光学系の撮影倍率を検出するよ
うにしている為、撮影光学系の撮影倍率位置を正確に検
出することができ、しかも撮影倍率検出手段の電気的実
装を簡単なものにすることができるカメラを提供できる
ものである。
【0115】また、本発明によれば、板状カム部材の回
転量を検出するより、該板状カム部材へ例えばDCモー
タから動力を伝達する減速機構を構成するギア列の何れ
かのギアの回転量を検出した方が、より細かな検出が可
能であることから、減速機構の何れかのギアの回転量よ
り行う移動量の検出するようにしている為、撮影光学系
の焦点合わせのための移動量検出を、撮影倍率の位置検
出よりも細かく行わせることができ、しかも移動量検出
手段の電気的実装を簡単なものにすることができるカメ
ラを提供できるものである。
【0116】また、本発明によれば、板状カム部材の回
転角と焦点調節用の撮影レンズ群の移動量が、又は、板
状カム部材の撮影光軸方向の移動量及び回転角と焦点調
節用の撮影レンズ群の移動量が、それぞれ比例するよう
に、かつ、異なる焦点合わせの為の移動量検出を同じ敏
感度で行えるように、板状カム部材の焦点調節用カム部
の形状を形成するようにしている為、焦点調節用の撮影
レンズ群の光軸方向の移動量の検出及び制御を簡単に行
うことができるカメラを提供できるものである。
【0117】また、本発明によれば、所定の異なる撮影
倍率位置においても、板状カム部材の回転角と焦点調節
用の撮影レンズ群の移動量が、又は、板状カム部材の撮
影光軸方向の移動量及び回転角と焦点調節用の撮影レン
ズ群の移動量が、それぞれ比例するように、かつ、異な
る焦点合わせの為の移動量検出を同じ敏感度で行えるよ
うに、板状カム部材の変倍用カム部及び焦点調節用カム
部の形状を形成するようにしている為、所定の異なる撮
影倍率位置においても、焦点調節用の撮影レンズ群の光
軸方向の移動量の検出及び制御を簡単に行うことができ
るカメラを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの要部
構成を正面右上から見て示す分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの要部
構成を正面左上から見て示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの撮影
変倍位置を模式的に示した図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの沈胴
端状態の要部構成を右上から見て示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのワイ
ド状態の要部構成を右上から見て示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのテレ
状態の要部構成を右上から見て示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの沈胴
端状態の要部構成を左上から見て示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのワイ
ド状態の要部構成を左上から見て示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのテレ
状態の要部構成を左上から見て示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの概
略構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのズ
ーム動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の第1の形態に係るカメラのレ
リーズ動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの撮
影変倍位置を模式的に示した図である。
【図14】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの要
部構成を正面右上から見て示す分解斜視図である。
【図15】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの要
部構成を正面右上から見て示すワイド状態時の斜視図で
ある。
【図16】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの撮
影変倍位置を模式的に示した図である。
【図17】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの撮
影変倍位置を模式的に示した図である。
【図18】本発明の実施の第5の形態に係るカメラの撮
影変倍位置を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1……1群レンズユニット 2……1群保持部
材 3……2群レンズユニット 4……移動枠 5……カムレバー 6……ギア 7……1群移動ピン 8……2群移動ピ
ン 9……レンズ間スプリング 10……移動枠直
進ガイドピン 11……ラック部材 12……前押さえ 13……モータ 14……ピニオン
ギア 15……ギア 16……ギア 17……ギア 18……ギア 19……軸ギア 20……ヘリコイ
ドギア 21……ギア押さえ 22……パルス板 23……フォトインタラプター 24……ポテンシ
ョンメータ 25……Gリング 26……化粧板 27……カメラ本体 28……1群レン
ズユニット 29……2群レンズユニット 30……1群保持
部材 31……ステッピングモータ 32……カムレバ
ー 33……1群移動ピン 34……2群移動
ピン 35……1群レンズユニット 36……1群保持
鏡筒 37……レンズ間スプリング 38……2群レン
ズユニット 39……カメラ本体 40……カム板 41……パルス基板 42……カム板位
置検出スイッチ 43……ビス 44……モータ 45……ピニオンギア 46……モータ地
板 47……ビス 48……第1減速
ギア 49……Gリング 50……第2減速
ギア 51……パルス板 52……ビス 53……第3減速ギア 54……第4減速
ギア 55……ギア押さえ 56……ビス 57……カム板 58……カムレバ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系を構成する複数の撮影レンズ
    群を保持する複数の保持部材と、該複数の保持部材の一
    部が係合するカム部を持つ板状カム部材とを有し、前記
    撮影光学系を撮影光軸方向に移動させて撮影倍率を変化
    させるカメラであって、 前記板状カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を変化
    させる為に、撮影光軸方向に移動すると共に撮影光軸と
    略平行な面内において回転動作をし、前記カム部により
    前記少なくとも一つの保持部材を撮影光軸方向に案内す
    ることを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 撮影光学系を構成する複数の撮影レンズ
    群を保持する複数の保持部材と、該複数の保持部材の一
    部が係合する変倍用カム部及び焦点調節用カム部を有す
    る板状カム部材とを有し、前記撮影光学系を撮影光軸方
    向に移動させて撮影倍率を変化させ、かつ、選択可能な
    撮影倍率位置が予め設定されたカメラであって、 前記板状カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を変化
    させる為に、撮影光軸と略平行な面内において回転動作
    をし、前記変倍用カム部により前記少なくとも一つの保
    持部材を撮影光軸方向に案内し、所定の撮影倍率位置に
    おいては、焦点調節の為に、前記回転動作をし、前記焦
    点調節用カム部により焦点調節用の撮影レンズ群を保持
    する保持部材を撮影光軸方向に案内することを特徴とす
    るカメラ。
  3. 【請求項3】 撮影光学系を構成する複数の撮影レンズ
    群を保持する複数の保持部材と、該複数の保持部材の一
    部が係合する変倍用カム部及び焦点調節用カム部を有す
    る板状カム部材とを有し、前記撮影光学系を撮影光軸方
    向に移動させて撮影倍率を変化させ、かつ、選択可能な
    撮影倍率位置が予め設定されたカメラであって、 前記板状カム部材は、前記撮影光学系の撮影倍率を変化
    させる為に、撮影光軸方向に移動すると共に撮影光軸と
    略平行な面内において回転動作をし、前記変倍用カム部
    により前記少なくとも一つの保持部材を撮影光軸方向に
    案内し、所定の撮影倍率位置においては、焦点調節の為
    に、前記回転動作をし、前記焦点調節用カム部により焦
    点調節用の撮影レンズ群を保持する保持部材を撮影光軸
    方向に案内することを特徴とするカメラ。
  4. 【請求項4】 前記撮影光学系の撮影倍率位置を、前記
    板状カム部材が配設される移動部材の撮影光軸方向の移
    動位置より検出する撮影倍率位置検出手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1又は3記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 前記撮影光学系の撮影倍率位置を、前記
    板状カム部材の回転位置より検出する撮影倍率位置検出
    手段を設けたことを特徴とする請求項2記載のカメラ。
  6. 【請求項6】 前記焦点調節用の撮影レンズ群の撮影光
    軸方向の移動量検出を、前記板状カム部材へ駆動源から
    の動力を伝達する減速機構の何れかのギアの回転量より
    行う移動量検出手段を設けたことを特徴とする請求項
    2,3,4又は5記載のカメラ。
  7. 【請求項7】 焦点調節の為の前記焦点調節用の撮影レ
    ンズ群の撮影光軸方向の移動量と、前記移動量検出手段
    により検出されるギアの回転量とが比例するように、前
    記板状カム部材の焦点調節用カム部の形状を形成したこ
    とを特徴とする請求項6記載のカメラ。
  8. 【請求項8】 選択可能なそれぞれの撮影倍率位置にお
    いても、焦点調節の為の前記焦点調節用の撮影レンズ群
    の撮影光軸方向の移動量と、前記移動量検出手段により
    検出されるギアの回転量とが同じ比例関係になるよう
    に、前記板状カム部材の変倍用カム部及び焦点調節用カ
    ム部の形状を形成したことを特徴とする請求項7記載の
    カメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001343577A (ja) * 2000-05-30 2001-12-14 Canon Inc 光学機器および撮影装置

Cited By (2)

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