JPH1172680A - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents

ズームレンズ鏡筒

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JPH1172680A
JPH1172680A JP23143297A JP23143297A JPH1172680A JP H1172680 A JPH1172680 A JP H1172680A JP 23143297 A JP23143297 A JP 23143297A JP 23143297 A JP23143297 A JP 23143297A JP H1172680 A JPH1172680 A JP H1172680A
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JP
Japan
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zoom lens
lens group
aperture
lens barrel
optical axis
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JP23143297A
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Inventor
Naoki Fujii
尚樹 藤井
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ズームレンズ鏡筒内部の内面反射に
よるフレア、ゴースト等の有害光線を効果的に低減させ
ると共に、絞り部材を小型化して効率的な部材配置を行
い小型化を実現したズームレンズ鏡筒を提供する。 【解決手段】最もフイルム面側に配置され、焦点距離に
応じてフイルム面との間隔を変更する第1のズームレン
ズ群と、この第1のズームレンズ群よりも被写体側に配
置された第2のズームレンズ群と、この第2のズームレ
ンズ群を光軸方向に移動可能に保持するレンズ群保持手
段7と、第1のズームレンズ群の後方に配置された絞り
部材13と、この絞り部材をレンズ群保持手段に対して
支持する絞り支持手段(シャッタ保持部材)6とを具備
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ズームレンズ鏡
筒、詳しくは写真撮影を行うカメラに装着され、変倍可
能な撮影光学系により構成されるズームレンズ鏡筒に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真撮影等を行うカメラ等に
おいては、複数の撮影レンズ群からなり、撮影倍率の変
倍機能を有する撮影光学系によって構成される、いわゆ
るズームレンズが広く普及している。このズームレンズ
は、カメラ本体の前面側に装着されるズームレンズ鏡筒
に保持された複数の撮影レンズ群を光軸方向に相対的に
移動させることによって、焦点調節動作及び変倍動作を
行うように形成されているものである。
【0003】ところで、上記ズームレンズ鏡筒におい
て、可動レンズ群を最も長焦点(望遠:tele)側に
移動させる最大望遠状態とした場合には、最後端側(カ
メラ本体側)に配置されるレンズ群は、被写体側に向け
て光軸方向に繰り出される。このとき、上記最後端側の
可動レンズ群の最後端部分とカメラ本体内に配設され、
被写体像を露光するフイルムの表面の間隔が長くなるの
で、ここに比較的広い空洞が形成されることとなる。こ
のように、レンズ鏡筒及びカメラ本体内部において空洞
部分が存在すると、その部分では内面反射が生じ易くな
り、これによってフレア、ゴースト等の有害光線が発生
し易い状況となる。
【0004】そこで、上述のようなフレア、ゴースト等
の有害光線を効果的に低減するために、絞り部材を配設
することが一般的である。この絞り部材は、ズームレン
ズ鏡筒内部に配設される複数のレンズ群の内、最後端側
(最もフイルム面側)に配置されるレンズ群のさらに後
方に配置され、これにより上記空洞部分をより狭くする
ように構成するのが普通である。
【0005】例えば特開平8−136787号公報に開
示されているカメラのズームレンズ鏡筒においては、カ
メラ本体に対して固定される固定筒に一体的に絞り部材
を配設しており、特開平8−106035号公報に開示
されているカメラのズームレンズ鏡筒においては、変倍
動作(ズーミング)によって光軸方向に移動するレンズ
鏡枠の最後端部に一体的に絞り部材を配置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−136787号公報に開示されているズームレンズ
鏡筒のように、カメラ本体に対して固定されるレンズ鏡
枠に一体的に絞り部材を配設した場合には、可動レンズ
群を最も短焦点(広角:wide)側に移動させる最大
広角状態のときに比べて、最大望遠状態のときのフイル
ム面近傍における光線高が高くなる。したがって、この
ような点を考慮して、最大望遠状態における有効光線高
に合わせた絞り部材の開口部の大きさ、形状を設定する
必要がある。しかし、このようにすると絞り部材の外形
形状が大きくなってしまうので、レンズ鏡筒全体も大型
化してしまう。さらに、最大望遠状態以外のズーム領域
においては、開口部が大きいために絞り効果が弱くなっ
てしまい、フレア、ゴーストが発生し易いという問題点
もある。
【0007】一方、上記特開平8−106035号公報
に開示されているズームレンズ鏡筒のように、ズーミン
グによって光軸方向に移動するレンズ鏡筒部材の最後端
部に絞り部材を一体的に配置した場合には、ズーミング
に伴って絞り部材も光軸方向に移動するので、フイルム
面近傍における光線高が変化する。このために、光線高
が最も高くなる最大望遠状態で、絞り部材の位置が最も
被写体寄りに配置されることとなる。したがって、絞り
部材の開口部の大きさ、形状等は、フイルム面近傍での
光線高が最も低くなる最大広角状態における有効光線高
に合わせて設定すれば良く、上記特開平8−13678
7号公報に開示されている手段よりは、絞り部材の大型
化を避けることができるという利点を有する。
【0008】しかし、光軸方向に移動するレンズ鏡枠の
最後端部に絞り部材が設けられているため、最後端側の
レンズ群から上記絞り部材までの距離を所定量設けなく
てはならず、最大広角状態はもちろん沈胴時において、
レンズ鏡筒全体の長さ寸法が大きくなってしまい、ズー
ムレンズ鏡筒自体の小型化を阻害してしまうという問題
点がある。
【0009】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その第1の目的は、絞りの大きさを望遠状
態時のような最も高い光線に合わせなくても良いように
して、鏡筒の径方向の大きさを小さくし、同時にズーム
レンズ鏡筒内部の内面反射に起因して生じるフレア、ゴ
ースト等の有害光線を効果的に低減させるズームレンズ
鏡筒を提供するにある。また、本発明の第2の目的は、
広角状態又は沈胴状態にしたときの光軸方向の長さの短
いズームレンズ鏡筒を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明によるズームレンズ鏡筒は、最もフイル
ム面側に配置され、焦点距離に応じてフイルム面との間
隔を変更する第1のズームレンズ群と、この第1のズー
ムレンズ群よりも被写体側に配置された第2のズームレ
ンズ群と、この第2のズームレンズ群を光軸方向に移動
可能に保持するレンズ群保持手段と、上記第1のズーム
レンズ群の後方に配置された絞り部材と、絞り部材を上
記レンズ群保持手段に対して支持する絞り支持手段とを
具備したことを特徴とする。
【0011】また、第2の発明は、上記第1の発明によ
るズームレンズ鏡筒おいて、上記絞り部材は、上記レン
ズ群保持手段に対して光軸方向の位置が決められている
ことを特徴とする。
【0012】そして、第3の発明は、上記第2の発明に
よるズームレンズ鏡筒おいて、上記絞り部材の開口中心
の調整は、光軸方向の位置が決められた状態で、上記第
1のズームレンズ群に対して行われることを特徴とす
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1、図2、図3、図4は、本発明
の第1の実施形態を示すズームレンズ鏡筒の縦断面図で
あって、図1、図4は可動レンズ群を最も短焦点(広
角:wide)側に移動させた最大広角状態を、図2は
可動レンズ群を最も長焦点(望遠:tele)側に移動
させた最大望遠状態をそれぞれ示している。また、図3
はズームレンズ鏡筒がカメラ本体内に収納される際の沈
胴状態を示している。なお、図1、図3に対して図2と
図4は、その縦断面の角度を異ならせて描いてある。本
実施形態においては、二つのズームレンズ群によって構
成されたズームレンズ鏡筒を示すものである。
【0014】本実施形態のズームレンズ鏡筒は、カメラ
本体(図示せず)の前面側に固設されるようになってお
り、このカメラ本体内には、ズームレンズ鏡筒の後方の
光軸線上に被写体像を露光する感光フイルムが配置され
るようになっている。そして、同フイルムの表面(以
下、フイルム面又は撮像面という)Pは、上記ズームレ
ンズ鏡筒の光軸線と直交するように配置されている。
【0015】上記ズームレンズ鏡筒は、最もフイルム面
側(カメラ本体寄り)に配置され、焦点距離に応じて同
鏡筒が装着されるカメラ本体に対して光軸方向に移動
し、フイルム面との位置を変更する複数枚の撮影レンズ
からなる第1のズームレンズ群、及び、この第1のズー
ムレンズ群を支持する第1のレンズ保持枠7と、上記第
1のズームレンズ群よりも被写体側に配置され、カメラ
本体に対して光軸方向に移動する複数枚の撮影レンズか
らなる第2のズームレンズ群、及び、この第2のズーム
レンズ群を支持するレンズ群保持手段である第2のレン
ズ保持枠1等によって構成されている。
【0016】上記ズームレンズ鏡筒の最外周側には、円
筒形状の回転枠12が回動自在に設けられており、この
回転枠12の内周側には、この回転枠12と略同形状の
複数の枠部材、即ち固定枠11、直進ガイド枠10、第
2のレンズ保持枠1、カム環9が順に嵌合されて、上記
ズームレンズ鏡筒を構成している。
【0017】上記カム環9の後端寄りには、カムフォロ
ワ部9aが外周側に向けて突設されており、カムフォロ
ワ部9aは、上記固定枠11のカム溝孔11aを貫通
し、その先端が上記回転枠12の内周面に設けられた直
進溝12aに嵌合している。また、上記カムフォロワ部
9aと隣接して設けられたスラスト位置決め部9bは、
上記直進ガイド枠10の最後端部の内周面側に設けられ
た周溝10bに嵌合している。そして、上記直進ガイド
枠10の外周側の後端部寄りには、カムフォロワ部10
aが突設されていて、上記固定枠11の内周面側に設け
られた直進溝11aに嵌合している。
【0018】また、上記第2のレンズ保持枠1の後端側
の外周面上には、カムフォロワ部1bが突設されてお
り、このカムフォロワ部1bは直進ガイド枠10の直進
溝10cに嵌合している。さらに、上記第2のレンズ保
持枠1の最後端側の内周面には、カムフォロワ部材1a
が略等間隔に三つ配設されていて(図1では一つのみ図
示されている)、各カムフォロワ部材1aは、それぞれ
上記カム環9の外周側に設けられたカム溝9cに嵌合し
ている。これにより上記第2のレンズ保持枠1は、上記
回転枠12及びカム環9の回転駆動に連動して光軸方向
に進退駆動されるようになっている。
【0019】一方、上記第2のレンズ保持枠1には、被
写体側の前端部に内向フランジからなる支持部1cが設
けられており、同第2のレンズ保持枠1の内部に一体的
に配設されるシャッタ機構は、上記支持部1cに支持さ
れている。上記シャッタ機構は、上記第2のレンズ保持
枠1の上記支持部1cの内面側において、ズームレンズ
鏡筒の後端側に向けて設けられたシャッタ前蓋5と、こ
のシャッタ前蓋5に固着された軸部材からなるシャッタ
吊軸3と、このシャッタ吊軸3の自由端部に固着された
シャッタ保持部材6と、このシャッタ保持部材6に支持
されたシャッタ部材6a等によって構成されている。
【0020】上記シャッタ吊軸3には、第2のズームレ
ンズ群を直接保持する第2レンズ群フォーカス枠2が光
軸方向に摺動可能に支持されており、同フォーカス枠2
とシャッタ前蓋5との間には、伸長性のコイルバネ等の
付勢部材4が上記シャッタ吊軸3に巻回されて介挿され
ている。なお、この付勢部材4は、上記フォーカス枠2
とフォーカス枠駆動手段(図示せず)との間のガタつき
等を除去する役目をしているものである。
【0021】また、上記第1のレンズ保持枠7は、上記
第2のレンズ保持枠1によって光軸方向に進退自在に支
持されている。即ち、図2、図4に示すように上記第1
のレンズ保持枠7の外周面側には、カムフォロワ部7
a,7bが突設されており、上記カム環9の内周面上に
設けられたカム溝9d,9eにそれぞれ嵌合している。
これにより上記第1のレンズ保持枠7は、変倍動作時に
おける回転枠12及びカム環9の回転に伴って光軸方向
に直進駆動されるようになっている。
【0022】また、上記第1のレンズ保持枠7には、図
2に示すように第1レンズ群吊軸8が前面側(被写体
側)に向けて突出するように固着されており、同吊軸8
は上記シャッタ保持部材6に設けられたガイド孔6bに
摺動自在に挿通している。これにより、第1のレンズ保
持枠7は上記第2のレンズ保持枠1に軸支されることに
なる。
【0023】なお、上記第1のレンズ保持枠7に設けら
れたカムフォロワ部7a,7bは、ズームレンズ鏡筒の
ズーミング可能領域内の途中の焦点距離にあるときにカ
ム環9の内周面上に設けられた二種類のカムが、相互に
乗り換えることができるように構成されている。これに
より上記カムフォロワ7a,7bは、上記第1のレンズ
保持枠7の光軸方向における位置決めをする役目をして
いる。
【0024】即ち、一方のカムフォロワ部7aは、最大
広角状態から中間焦点領域にあるスタンダード状態の、
また他方のカムフォロワ部7bは、スタンダード状態か
ら最大望遠状態の間の焦点領域の、上記第1のレンズ保
持枠7の光軸方向におけるそれぞれの所定の位置を規定
している。これは、上記カム環9の光軸方向における長
さを必要最小限に抑えるための構成であって、この構成
に加えて、ズームレンズ鏡筒をカメラ本体内に収納し沈
胴状態とする沈胴動作(後述する)を行わしめること
で、ズームレンズ鏡筒の光軸方向における寸法を可能な
限り短小化し、よってカメラ自体を小型化すると共に、
不使用時(非撮影時)においては、さらにカメラを小型
化するようにしている。
【0025】また、上記第2のレンズ保持枠1の支持部
1cの内面には、固定部材1dが設けられており、この
固定部材1dには、ガイド軸18の一端部が植設されて
いる。同ガイド軸18の他端部は、上記第1のレンズ保
持枠7の支持部7d(図4、図5参照)内に挿通されて
いて、上記ガイド軸18には、伸長性のコイルバネ等か
らなる付勢手段であるレンズ付勢バネ17が巻回されて
いる。つまり、上記レンズ付勢バネ17を上記第2のレ
ンズ保持枠1と第1のレンズ保持枠7の間に介挿するこ
とによって、同レンズ付勢バネ17の付勢力を利用し
て、上記第1、第2のレンズ保持枠7,1の間隔を所定
の間隔となるように保持していると共に、上記第1のレ
ンズ保持枠7の光軸方向におけるガタつき等を除去して
いる。
【0026】このように構成された上記ズームレンズ鏡
筒においては、カメラ本体内に配設されたレンズ駆動用
モータ(図示せず)の回転駆動力がズーム駆動力伝達部
材(図示せず)を介して回転枠12を回転駆動させるこ
とにより、上記第1、第2のズームレンズ群をそれぞれ
支持する第1、第2のレンズ保持枠7,1を、光軸方向
に進退駆動して変倍動作が行われるようになっている。
【0027】ここで、上記ズームレンズ鏡筒による変倍
動作を簡単に説明すると、以下の通りとなる。まず、カ
メラ本体内に配設されたレンズ駆動用モータ(図示せ
ず)を回転駆動させる。これにより、同モータの回転駆
動力はズーム駆動力伝達部材(図示せず)を介して回転
枠12を回転駆動させる。すると、同回転枠12の回転
駆動力は、上記カム環9のカムフォロワ部9aを介して
カム環9に伝達される。これにより、同カム環9は、固
定枠11に対して同固定枠11のカム溝孔11aのカム
形状に沿って光軸方向に進退駆動する。これと共に、上
記直進ガイド枠10は、上記固定枠11によって直進ガ
イドされた状態で、光軸方向に上記カム環9と一体的に
進退する。そして、上記第2のレンズ保持枠1は、上記
直進ガイド枠10に直進ガイドされて光軸方向に進退駆
動される。このようにして上記第2のレンズ保持枠1
は、上記回転枠12及びカム環9の回転駆動に伴って光
軸方向に進退駆動し、これにより変倍動作が行われる。
【0028】一方、上記ズームレンズ鏡筒における合焦
動作は、上記シャッタ保持部材6に固定されているフォ
ーカス駆動用モータ(図示せず)を回転駆動させること
により行われる。上記フォーカス駆動用モータ(図示せ
ず)が回転駆動すると、その回転駆動力は、フォーカス
駆動力伝達部(図示せず)を介して第2レンズ群フォー
カス枠2に伝達され、この第2レンズ群フォーカス枠2
が上記シャッタ吊軸3にガイドされて上記第2のレンズ
保持枠1に対して相対的に光軸方向に摺動し、これによ
り合焦動作が行われる。
【0029】上述したように、上記ズームレンズ鏡筒に
おいては、上記回転枠12が回転すると第2のレンズ保
持枠1は、固定枠11のカム及びカム環9の外周カムに
よって、また第1のレンズ保持枠7は固定枠11のカム
及びカム環9の内周カムによって、それぞれ光軸方向に
進退駆動され、これにより所定の変倍動作がなされるこ
ととなる。そして、各カム形状の設定によって、所望の
焦点距離調整を行うことができる。
【0030】他方、カメラの保管時、携帯時等の非撮影
時(不使用時)には、上述の最大広角状態(図1、図4
参照)から、さらに上記第1のズームレンズ群と第2の
ズームレンズ群の間隔及び第1のズームレンズ群とカメ
ラ本体内のフイルム面Pとの間隔を縮めて、本ズームレ
ンズ鏡筒の全長を短くし、この短くした状態のズームレ
ンズ鏡筒をカメラ本体内に収納する沈胴動作を行って、
図3に示す沈胴状態とする。これによって、非撮影状態
にあるカメラをさらに小型化することが一般的に行われ
ている。
【0031】本実施形態においては、カメラ本体に対し
て固定枠11を直進ガイドすると共に、レンズ駆動用モ
ータ(図示せず)によって沈胴動作駆動伝達部(図示せ
ず)を介してリードネジ等の駆動手段(図示せず)を駆
動して、固定枠11を光軸方向に移動させるようにして
いる。これによって、第1、第2のズームレンズ群を共
に最大広角状態よりもフイルム面P側に移動させてい
る。
【0032】この場合において、カメラ本体側には、ズ
ームレンズ鏡筒側に光軸方向に沿って突出した軸状のス
トップ部材である沈胴ストッパ19(図3参照)が設け
られていて、上記固定枠11が所定量だけフイルム面P
に向けて後退すると、フイルム面Pに対する絞り部材1
3(詳細は後述する)の位置を決めるストップ部材であ
る上記沈胴ストッパ19(図3参照)が、ズームレンズ
鏡筒の最後端部の上記絞り部材13に当接し、同絞り部
材13を介して第1のレンズ保持枠7の位置決めが行わ
れるようになっている。この状態からさらに上記固定枠
11が後退すると、上記第2のズームレンズ群のみが後
退するようになっており、第1のズームレンズ群と第2
のズームレンズ群の間隔は、レンズ付勢バネ17に抗し
て縮められるようになっている。
【0033】なお、沈胴動作が行われる際には、第1の
レンズ保持枠7がカム環9に対して相対的に移動される
ように、第1のレンズ保持枠7のカムフォロワ部7aと
係合するカム環9の内周カム9dには、逃げ部が設けら
れている。
【0034】また、図3の沈胴状態から図1、図4の最
大広角状態に変位する場合、即ちカメラの非撮影状態か
ら撮影状態に移行する場合には、固定枠11が駆動モー
タによってレンズ繰出方向に駆動されると、第1のズー
ムレンズ群と第2のズームレンズ群の間隔は、レンズ付
勢バネ17の付勢力によって、上記カム環9のカムによ
り規定される所定の位置まで広げられる。
【0035】なお、沈胴動作に伴って、カメラ本体に対
して固定枠11が光軸方向に進退駆動されることとなる
が、固定枠11とカメラ本体との間には、伸縮自在に設
けられた、例えば蛇腹形状の遮光部材20が設けられて
おり、これにより不要光を遮光している。
【0036】このように構成されたズームレンズ鏡筒に
おける上記第1のレンズ保持枠7の後方には、絞り部材
13が配置されている。この絞り部材13について、図
5によって以下に説明する(なお、図1も参照)。図5
は、上記ズームレンズ鏡筒における絞り部材13及び第
1のレンズ保持枠7を取り出して示す要部分解斜視図で
ある。
【0037】上記絞り部材13は、被写体からズームレ
ンズ鏡筒を通過してカメラ本体内のフイルム面に照射さ
れる被写体光の内、フイルム面P上に露光して被写体像
を形成するために必要な光以外の不要光を遮断して、鏡
筒内部に発生する内面反射を低減させてフレア、ゴース
ト等の有害光線の発生を防止するために設けられた、い
わゆるフレア絞りである。この絞り部材13の略中央部
には、被写体像を形成するために必要な被写体光を通過
させると共に不要光を遮断するために、所定の画面枠か
らなる絞り開口部13bが穿設されている。そして、上
記絞り部材13の絞り開口部13bがズームレンズ鏡筒
の光軸と直交するように開口中心の調整が施された後、
上記絞り部材13が絞り吊軸14に一体的に接着されて
いる。
【0038】即ち、上記絞り部材13には、絞り吊軸1
4が光軸方向にズームレンズ鏡筒の前面側(被写体側)
に向けて延び出すように、その一端部が接着剤等によっ
て一体的に接着されている。また、この絞り吊軸14の
他端部側は、絞り支持手段でもある上記シャッタ保持部
材6の孔部6cを摺動自在に貫通し、同吊軸14の他端
部にストッパ部材16が固定されており、同ストッパ部
材16は、上記吊軸14のシャッタ保持部材6に対する
位置決め部材の役目をしている。このような構成によっ
て、上記絞り部材13は、シャッタ保持部材6を介して
上記第2のレンズ保持枠1と連動して光軸方向に進退す
るようになっている。
【0039】また、上記絞り部材13とシャッタ保持部
材6の間には、上記絞り吊軸14の外周に伸長性のコイ
ルバネ等からなる付勢手段としての絞りバネ15が巻回
されていて、上記絞り部材13とシャッタ保持部材6と
の間隔を所定間隔となるように保持している。つまり、
カメラが撮影状態にありズーミング動作が行われると
き、即ち上記第1、第2のズームレンズ群が最大広角状
態(図1、図4)から最大望遠状態(図2)の間を変位
する場合において、上記絞り部材13の光軸方向におけ
る位置は、上記シャッタ保持部材6(第2のレンズ保持
枠1)に対して所定の位置となるように、上記絞りバネ
15によって位置決めされている。このように、この絞
りバネ15は、第2のレンズ保持枠1に対して絞り部材
13の光軸方向の位置を決定する決定手段の役目をして
いる。
【0040】一方、カメラが非撮影状態となり上記ズー
ムレンズ鏡筒がカメラ本体内に収納される沈胴動作が行
なわれる場合には、上記絞り部材13は、上述したよう
に上記沈胴ストッパ19(図3参照)によって最後端側
の位置が規定されるが、上記シャッタ保持部材6(第2
のレンズ保持枠1)は、上記絞りバネ15の付勢力に抗
してさらに光軸方向に沿って沈胴方向に移動するように
なっているので、上記シャッタ保持部材6と絞り部材1
3の間隔はさらに縮まるようになっている(図3参
照)。
【0041】なお、上記絞り部材13には、図5に示す
ように上記絞り吊軸14と並行にかつ同方向に向けて回
転規制部材である絞り回転規制アーム13aが一体的に
設けられている。この回転規制アーム13aが、第1の
レンズ保持枠7の外周面上に設けられた絞り回転規制溝
7cに係合することによって、上記絞り部材13が回転
しないように回転規制がなされている。
【0042】また、上記第1のレンズ保持枠7には、第
1のレンズ保持枠回転規制軸8bの一端部が固着されて
おり、光軸方向に沿って延び出した他端部が上記第2の
レンズ保持枠1の支持部1cの内面側の固定部材(図示
せず)に嵌合している。これにより、上記回転規制軸8
bが上記第1のレンズ保持枠7を回転規制している。
【0043】ところで、上記絞り部材13の絞り開口部
13bをズームレンズ鏡筒の光軸に対して直交する位置
に配置するためには、例えば予め絞り部材13に対する
所定位置に絞り吊軸14を固着しておいて、同吊軸14
に上記絞り部材13を接着して組み立てる等の手段が考
えられる。
【0044】一般に、上記絞り部材13の絞り開口部1
3bを形成する画面枠の開口面積(大きさ)と、撮影レ
ンズの前面側から入射してフイルム面に到達する有効光
線の照射範囲は、上記第1のズームレンズ群の相対芯精
度によって決定されるものである。つまり、上記第1の
ズームレンズ群の配設位置が所定位置からずれた場合に
は、これに伴って上記有効光線の照射範囲も変わってし
まうこととなる。
【0045】なお、上記有効光線については、図1にお
いて符号S1,S2で示し、符号S1は、上記ズームレ
ンズ鏡筒の撮影光学系を通過する光線の内、フイルム面
に形成される撮像画面の対角線方向の最も外側に照射さ
れ得る有効光線(点線で示す線)を示しており、また符
号S2は、実際にフイルム面に到達する光線の内の縦方
向の最も外側に照射される有効光線(実線で示す線)を
概念的に示している。
【0046】ところが、上記第1のズームレンズ群の相
対芯精度は、上記シャッタ保持部材6に対する絞り開口
部13bの位置ずれ誤差及び上記シャッタ保持部材6に
対する第1のレンズ保持枠7の位置ずれ誤差の合計によ
って決定されるものであるので、上記第1のズームレン
ズ群の相対芯精度を高精度に維持して製造を行うことは
容易ではない。
【0047】そこで、本実施形態においては、上記絞り
開口部13bと上記第1のズームレンズ群の相対芯精度
を向上させるために、上記第1のレンズ保持枠7に対し
て直接絞り部材13の位置調整を行うようにしている。
ここで、上記絞り部材13と上記第1のレンズ保持枠7
の位置調整の手段について、以下に図6を参照して説明
する。
【0048】図6は、本実施形態のズームレンズ鏡筒に
おいて、上記絞り部材13及び第1のレンズ保持枠7の
みを取り出して示す要部拡大縦断面図であって、絞り部
材13と第1のレンズ保持枠7の位置調整を行う手段を
説明するための図である。
【0049】ここでは、図6に示すように上記シャッタ
保持部材6に対して第1のレンズ保持枠7を光軸方向に
摺動自在に支持した状態で、上記絞り部材13の位置調
整を行うようにしている。
【0050】まず、上記シャッタ保持部材6に対する第
1のレンズ保持枠7の位置は、固定部材(図示せず)に
より固定された第1レンズ群位置調整治具31によって
所定位置に固定する。ここで、上記レンズ群位置調整治
具31による所定位置としては、本ズームレンズ鏡筒を
最大広角状態とした場合の上記シャッタ保持部材6に対
する上記第1のレンズ保持枠7の相対位置に対して、後
述するスペーサ治具32の光軸方向の長さL1だけ補正
を加えた位置としている。
【0051】一方、上記絞り部材13には、絞り吊軸1
4が仮固着された状態で、同絞り吊軸14に絞りバネ1
5を巻回し、同吊軸14の他端部をシャッタ保持部材6
の孔部6cに貫通させ、先端にストッパ部材16を固着
した状態とする。この状態、つまり上記絞り吊軸14の
一端部が上記シャッタ保持部材6に支持された状態にお
いて、上記ストッパ部材16に軸付勢治具33を当接さ
せる。
【0052】なお、上記軸付勢治具33は、軸部33a
によって固定部材(図示せず)に回動自在に軸支されて
おり、同軸付勢治具33の一腕部には、同軸付勢治具3
3を図6において軸部33aを中心として時計方向に回
動させ得る緊縮性の付勢部材33bの一端が係止されて
いる。そして、この付勢部材33bの他端は、固定部3
4に係止されている。つまり、上記付勢手段33bは、
上記軸付勢治具33と固定部34との間に張架されるこ
とにより、同治具33に当接された上記ストッパ部材1
6を介して上記絞り吊軸14を光軸に沿う方向であって
フイルム面P側に向けて付勢している。
【0053】そして、ここで行われる位置調整作業中に
おいては、上記絞りバネ15の一端部がバネ保持治具3
5により係止され、同バネ15の付勢力の作用が絞り部
材13に影響を及ぼさないように上記バネ15を保持し
ている。なお、位置調整時におけるシャッタ保持部材6
の位置決めは、上記第1レンズ群位置調整治具31を支
持する固定部材(図示せず)によりなされている。
【0054】次に、上記絞り部材13と上記第1のレン
ズ保持枠7との間には、絞り部材13の内径部分に対し
て嵌合する円環形状のスペーサ治具32を介挿し、これ
により上記絞り部材13の絞り開口部13bの上記第1
のレンズ保持枠7に対する開口中心の調整を行う。そし
て、この状態を保持しながら、上記絞り吊軸14を絞り
部材13の所定の位置に接着剤等によって固着させる。
【0055】なお、上記絞り部材13に設けられ、上記
絞り吊軸14を挿入して固着させるための挿入孔は、同
挿入孔に絞り吊軸14が挿入されたときに多少の調整余
裕が生じるように、絞り吊軸14の軸径より余裕量δ分
だけ大径に穿設されている。この余裕量δが上記絞り吊
軸14と上記第1のレンズ保持枠7の位置ずれ誤差を吸
収し、よって上記第1のレンズ保持枠7と上記絞り部材
13との相対位置の調整を行うことできる。
【0056】そして、上記絞り部材13と上記絞り吊軸
14を接着固定した後、上記各治具(31,32,3
3,35)を取り外す。これにより上記シャッタ保持部
材6に対して絞り吊軸14により軸支持される上記絞り
部材13の絞り開口部13bの開口中心は、上記第1の
レンズ保持枠7に対して高精度に調整され、よって上記
絞り開口部13bが光軸に対して直交する位置に位置決
めされることとなる。
【0057】以上説明した位置調整を行う手段によれ
ば、各部材の製作上、組立上の誤差等を考慮せずに、上
記第1のレンズ保持枠7(第1のズームレンズ群)と上
記絞り部材13の相対位置の調整を行うことができると
いう利点がある。
【0058】つまり、ズームレンズ鏡筒内において、上
記絞り部材13の絞り開口部13bの中心位置の調整と
共に、同第1のズームレンズ群に対する上記絞り部材1
3の光軸方向における位置をも高精度に位置決めするこ
とができる。即ち、位置調整時においてシャッタ保持部
材6に対する第1のレンズ保持枠7の位置を、組立て完
了状態におけるカム環9のカムによって設定されるべき
最大広角状態の位置関係と等価となるようにするレンズ
群位置調整治具31を利用することによって(なお、ス
ペーサ治具32による長さL1の補正は必要であ
る。)、同ズームレンズ鏡筒における最大広角状態時の
第1のズームレンズ群に対する絞り部材13の光軸方向
の位置決めを高精度に管理することができる。
【0059】なお、上述したように上記第1のズームレ
ンズ群と上記絞り部材13の位置調整を行う場合におい
て、上記第1のレンズ保持枠7と絞り部材13との間に
スペーサ治具32を介挿することで、光軸方向の長さL
1だけ離して上記絞り部材13の位置決めを行ってい
る。これは、ズームレンズ鏡筒を組み立てた後、これを
作動させてズーミング動作を行い、同レンズ鏡筒を最大
広角状態としたときに、上記第1のズームレンズ群の最
後端レンズと上記絞り部材13との干渉を防止するため
に設けられた余裕分(長さL1)である。
【0060】また、上述の第1の実施形態においては、
上記第1のレンズ保持枠7に対して絞り部材13の位置
調整を行うようにしているが、これに限らず、例えば上
記第1のズームレンズ群の最後端側のレンズ外径に対し
て位置出しを行うようにしても同様の効果を得ることが
できる。
【0061】また、上記第1のズームレンズ群が複数の
レンズによって構成されている場合には、上記第1のズ
ームレンズ群の最後端部からフイルム面の間の有効光線
の照射位置に最も影響を与えるレンズに対して上記絞り
部材13の絞り開口部13bの開口中心の位置精度を確
保するように位置調整を行うことが望ましい。
【0062】通常の場合において、ズームレンズ鏡筒が
最大広角状態にあるときに、上記絞り部材13は第1の
レンズ保持枠7の後方のフイルム面寄りに配置され、こ
の場合において有効光線を遮断しないように絞り開口部
13bの形状が決められる。上記第1の実施形態のズー
ムレンズ鏡筒によれば、有効光線の照射位置に対する影
響が大である第1のズームレンズ群の位置に対して、上
記絞り部材13の光軸と直交する方向の位置及び光軸方
向の位置を、共に高精度に位置決めするようにしたの
で、上記絞り開口部13bは有効光線の設計値に対して
必要最小限の余裕を見込むだけで良く、よって、絞り開
口部13bの画面枠のサイズを最小限に抑えることがで
きる。これによって、上記絞り部材13の外径も最小限
に抑えることが可能となる。
【0063】また、最大望遠状態においては、上記絞り
部材13がカム環9の内周に入り込む必要があるので、
絞り部材13の小型化は鏡筒全体の小型化に寄与するこ
ととなる。そこで、本実施例によれば、最大望遠状態と
される際に、上記絞り部材13がズーミング動作に連動
してフイルム面寄りの位置から被写体側に向けて繰り出
されるように構成したので、フイルム面近傍における有
効光線高が広角時に比べて高くなる望遠状態であっても
上記絞り開口部13bが有効光線を遮断することがな
い。さらに、最大望遠状態において第1、第2のズーム
レンズ群の間隔の変位に連動して、上記絞り部材13は
上記第1のレンズ保持枠7に対して後方側(フイルム面
側)に離れた位置に配置されるようにしたので、第1の
ズームレンズ群の最後端面による有効光線高が広角時よ
り低くなる望遠状態であっても、不要光を遮断するフレ
ア絞りとしての充分な絞り効果を得ることができる。
【0064】また、沈胴動作時においては、上記絞り部
材13は沈胴ストッパ19によって位置決めされ、第2
のレンズ保持枠1に対する光軸方向の相対位置を変位さ
せることができるので、沈胴状態においては、レンズ鏡
筒の長さ寸法をさらに短くすることができ、よって鏡筒
自体の小型化に寄与することができる。
【0065】なお、上述の第1の実施形態においては、
ズームレンズ鏡筒のズーミング可能領域内、つまり最大
広角状態から最大望遠状態までのズーム作動範囲内で
は、第2のレンズ保持枠1(シャッタ保持部材6)に対
する絞り部材13の光軸方向における位置を常に一定に
保持するように構成したが、これに限らず、例えば第2
のレンズ保持枠1に対する絞り部材13の光軸方向にお
ける位置を任意に変更し得るようすることもできる。
【0066】即ち、上記絞り部材13に一体的に設けた
カムフォロア部と、カム環9の内周面に設けられ、上記
絞り部材13の光軸方向の位置決めを行うカム溝とを互
いに係合させることによって、絞り部材13を光軸方向
に移動させ得るように構成すれば、上記カム形状を変更
することによって、各焦点距離にそれぞれ対応させた絞
り部材13の光軸方向の所定位置を任意に設定すること
ができる。このように構成した場合においては、ズーミ
ング動作に伴って上記絞り部材13の光軸方向における
所定位置を最適化することが容易にできるので、ズーム
レンズ鏡筒内部における絞り部材13及びこれに設けら
れる絞り開口部13bの画面枠サイズを可能な限り小型
化することができる。したがって、最大限の絞り効果、
つまり不要光を遮光することによる有害光線等の低減化
に寄与することができる。
【0067】ところで、上述したように上記第1の実施
形態におけるズームレンズ鏡筒において、上記第2のレ
ンズ保持枠1に一体的に固着されるシャッタ保持部材6
には、フォーカス駆動用モータ(図示せず)やシャッタ
制御用センサ(図示せず)等の構成部材が装着されてい
る。これらの各構成部材に電源等を供給し、制御信号等
を伝達するために、カメラ本体側の回路基板等との間に
は電気的な接続を確保する必要がある。そこで、上記ズ
ームレンズ鏡筒とカメラ本体との間を電気的に接続する
手段として、例えばフレキシブルプリント基板(以下、
FPCという)等の接続部材を設ける必要がある。
【0068】図7、図8は、本発明の第2の実施形態を
示すズームレンズ鏡筒の縦断面図であって、同ズームレ
ンズ鏡筒のシャッタ保持部材とカメラ本体との電気的接
続を行うフレキシブルプリント基板の配線状態を示す図
である。なお、図7は最大広角状態にある場合を、図8
は最大望遠状態にある場合をそれぞれ示しており、図7
と図8は互いに異なる角度の断面で示されている。ま
た、ズームレンズ鏡筒自体の構成は、上述の第1の実施
形態と略同様である(図1、図3参照)が、本実施形態
においては、絞り部材13Bの形状が若干異なる。
【0069】本実施形態における接続部材であるFPC
21は、一端寄りの所定部をシャッタ保持部材6の所定
位置21aに固定されていると共に、上記FPC21の
中程は、カム環9の最後端部の内周面側の所定位置21
bと、固定枠11の最後端部の内周面の所定位置21c
とに、それぞれ固定されている。そして、上記固定枠1
1の後端部を経て上記遮光部材20の取付部近傍から外
部に延出し、カメラ本体側の回路基板等に接続されるよ
うになっている。
【0070】このようにFPC21を配設すれば、図8
に示すようにズームレンズ鏡筒が最大望遠状態となり、
最も長く延出された状態においても、上記FPC21は
余裕を有するように、その長さが設定される。そして、
図7に示す最大広角状態においては、各鏡枠間に折り畳
まれるように配設される。
【0071】つまり、上記FPC21の弾性変形を利用
することによって、ズームレンズ鏡筒の変倍動作に伴っ
てカメラ本体に対し光軸方向に進退駆動される上記第2
のレンズ保持枠1の伸縮動作を吸収し、ズームレンズ鏡
筒とカメラ本体との間の電気的接続を確実に保持してい
る。
【0072】なお、この場合において、第1のズームレ
ンズ群の最後端レンズの後方に配置され、カム環9の内
部に収納される絞り部材13Bと、カム環9の内部に設
けられるシャッタ保持部材6からカメラ本体までの間を
接続するFPC21が干渉することが考えられ、これに
より円滑なズーミング動作を確保し得ないという虞があ
る。
【0073】このような状況を避けるためには、例えば
ズームレンズ鏡筒の変倍動作に伴ってなされるFPC2
1の弾性変形による軌跡に対応する所定空間を鏡筒内に
確保しておく等の措置が考えられるが、この場合には鏡
筒自体を大型化してしまうこととなる。
【0074】そこで、本実施形態の絞り部材13Bで
は、図9の斜視図に示すように変倍動作に伴ってなされ
るFPC21の弾性変形による軌跡に対応してFPC2
1との干渉を防止するための切欠部13Bcが設けられ
ている。
【0075】この切欠部13Bcを設けることによって
本実施形態によれば、絞り部材13B及びこれを収納す
る空間を大型化することなく、またFPC21が絞り部
材13Bに干渉することなく、円滑なズーミング動作を
行わしめることができる。
【0076】また、上記絞り部材13Bに切欠部13B
cを配設した場合、この切欠部13Bcを透過した不要
光によってフレア、ゴースト等の有害光線の発生が増加
し、不要光の遮光レベルが悪化する虞も考えられる。
【0077】そこで、次に示すような救済手段が考えら
れる。即ち、図10は上記第2の実施形態の変形例を示
し、ズームレンズ鏡筒における絞り部材のみを取り出し
て示す概略斜視図である。
【0078】本変形例の絞り部材13Bの切欠部13B
cには、弾性を有するシート状の素材からなる遮光シー
ト22がさらに設けられており、同遮光シート22が上
記切欠部13Bcから漏出する有害光を遮光している。
【0079】これにより、上記FPC21がズームレン
ズ鏡筒の変倍動作に連動して弾性変形し、絞り部材13
Bの切欠部13Bcに逃げると、同FPC21は遮光シ
ート22に当たる。このとき、同遮光シート22は弾性
変形して退避するので、上記FPC21の変形を妨げる
ことはない。上記遮光シート22は、わずかな力量によ
って変形するようになっているので、FPC21と遮光
シート22の接触によってズーミング動作を妨げ得るよ
うな負荷が生じることもない。
【0080】したがって、本変形例によれば上述の第2
の実施形態と全く同様に、絞り部材13B及び鏡筒自体
を大型化することなく、絞り部材13BとFPC21と
の干渉を避けて、円滑なズーミング動作を行わしめるこ
とができると共に、上記遮光シート22によって切欠部
13Bcを遮光することにより、同切欠部13Bcから
漏出する不要光を低減させ、充分な絞り効果を得ること
が可能となる。
【0081】[付記]上記発明の実施形態により、以下
のような構成の発明を得ることができる。
【0082】(1) 焦点距離に応じてフイルム面から
の距離が変更されるズームレンズ光学系を有するズーム
カメラにおいて、最もフイルム面側に配置された最後端
ズームレンズ群の後方に配置され、上記ズームレンズ光
学系の焦点距離に応じて上記フイルム面からの距離が変
更される絞り部材と、上記ズームレンズ光学系の所定位
置から上記絞り部材までの位置がズーミング可能領域に
おいて一定となるように上記絞り部材を支持する支持手
段と、を具備したズームカメラ。
【0083】(2) 焦点距離に応じてフイルム面から
の距離が変更されるズームレンズ光学系を有する沈胴可
能なカメラにおいて、最もフイルム面側に配置された最
後端ズームレンズ群の後方に配置され、上記ズームレン
ズ光学系の焦点距離に応じて上記フイルム面からの距離
が変更される絞り部材と、上記ズームレンズ光学系が沈
胴位置へ移動する際に、フイルム面に対する上記絞り部
材の位置を決めるストップ部材と、ズーミング可能領域
に位置する際には、上記ズームレンズ光学系の所定位置
から上記絞り部材までの距離が一定となるように上記絞
り部材を支持し、この絞り部材が上記ズームレンズ光学
系と共に沈胴して、上記絞り部材がストップ部材に当接
した後には上記ズームレンズ光学系の長さが短くなるよ
うにする上記絞り部材を支持する絞り支持手段と、を具
備した沈胴可能なカメラ。
【0084】(3) 上記絞り支持手段は、上記最後端
ズームレンズ群よりも被写体側に配置された被写体側ズ
ームレンズ群を保持する保持手段と、上記保持手段に対
して上記絞り部材の光軸方向の位置を決定する決定手段
とによって構成されている付記1又は付記2に記載のズ
ームカメラ。
【0085】(4) 最もフイルム面側に配置され、焦
点距離に応じてフイルム面との位置が変更される第1の
ズームレンズ群と、上記第1のズームレンズ群よりも被
写体側に配置された第2のズームレンズ群と、上記第1
のズームレンズ群の後方に設けられていて、焦点位置に
応じて上記第2のズームレンズ群との相対距離が変更さ
れるように支持された絞り部材と、を具備したズームカ
メラ。
【0086】(5) 上記絞り部材は、上記焦点距離の
変更に対応してフイルム面との距離が変わるようにした
付記4に記載のズームカメラ。
【0087】(6) 上記絞り部材は、上記第2のズー
ムレンズ群又は同第2のズームレンズ群を保持する保持
手段に支持されている付記5に記載のズームカメラ。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、絞り
の大きさを望遠状態時のように、最も高い光線に合わせ
なくても良いよいにして、鏡筒の径方向の大きさを小さ
くし、同時にズームレンズ鏡筒内部の内面反射に起因し
て生じるフレア、ゴースト等の有害光線を効果的に低減
させるズームレンズ鏡筒を提供することができる。
【0089】また、広角状態又は沈胴状態にしたときの
光軸方向の長さの短いズームレンズ鏡筒を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すズームレンズ鏡
筒の、可動レンズ群を最も短焦点(広角:wide)側
に移動させた最大広角状態を示す縦断面図。
【図2】図1のズームレンズ鏡筒の、可動レンズ群を最
も長焦点(望遠:tele)側に移動させた最大望遠状
態を示す縦断面図。
【図3】図1のズームレンズ鏡筒の、同ズームレンズ鏡
筒がカメラ本体内に収納される際の沈胴状態を示す縦断
面図。
【図4】図1のズームレンズ鏡筒の、最大広角状態を示
す縦断面図。
【図5】図1のズームレンズ鏡筒における絞り部材及び
第1のレンズ保持枠のみを取り出して示す要部分解斜視
図。
【図6】図1のズームレンズ鏡筒において、絞り部材及
び第1のレンズ保持枠のみを取り出して示す要部拡大縦
断面図であって、絞り部材の位置調整を行う方法を説明
するための図。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すズームレンズ鏡
筒の最大広角状態における縦断面図であって、シャッタ
保持部材とカメラ本体とを接続するフレキシブルプリン
ト基板の配線状態を示す図。
【図8】本発明の第2の実施形態を示すズームレンズ鏡
筒の最大望遠状態における縦断面図であって、シャッタ
保持部材とカメラ本体とを接続するフレキシブルプリン
ト基板の配線状態を示す図。
【図9】図9のズームレンズ鏡筒における絞り部材のみ
を取り出して示す概略斜視図。
【図10】本発明の第2の実施形態の変形例を示し、ズ
ームレンズ鏡筒における絞り部材のみを取り出して示す
概略斜視図。
【符号の説明】
1……第2のレンズ保持枠(レンズ群保持手段) 2……第2レンズ群フォーカス枠 6……シャッタ保持部材(絞り支持手段、支持手段) 7……第1のレンズ保持枠 9……カム環 10……直進ガイド枠 11……固定枠 12……回転枠 13,13B……絞り部材 14……絞り吊軸 15……絞りバネ(決定手段) 16……ストッパ部材 19……沈胴ストッパ(ストップ部材) 20……遮光部材 21……フレキシブルプリント基板(FPC) 22……遮光シート 31……第1レンズ群位置調整治具 32……スペーサ治具 33……軸付勢治具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最もフイルム面側に配置され、焦点距
    離に応じてフイルム面との間隔を変更する第1のズーム
    レンズ群と、 上記第1のズームレンズ群よりも被写体側に配置された
    第2のズームレンズ群と、 上記第2のズームレンズ群を光軸方向に移動可能に保持
    するレンズ群保持手段と、 上記第1のズームレンズ群の後方に配置された絞り部材
    と、 上記絞り部材を上記レンズ群保持手段に対して支持する
    絞り支持手段と、 を具備したことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 上記絞り部材は、上記レンズ群保持手
    段に対して光軸方向の位置が決められていることを特徴
    とする請求項1に記載のズームレンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 上記絞り部材の開口中心の調整は、光
    軸方向の位置が決められた状態で、上記第1のズームレ
    ンズ群に対して行われることを特徴とする請求項2に記
    載のズームレンズ鏡筒。
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