JPH1171117A - 前炉および前炉の屋根部に使用される耐火物ならびにこの耐火物の製造方法 - Google Patents

前炉および前炉の屋根部に使用される耐火物ならびにこの耐火物の製造方法

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JPH1171117A
JPH1171117A JP9228633A JP22863397A JPH1171117A JP H1171117 A JPH1171117 A JP H1171117A JP 9228633 A JP9228633 A JP 9228633A JP 22863397 A JP22863397 A JP 22863397A JP H1171117 A JPH1171117 A JP H1171117A
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refractory
forehearth
roof
alumina
cooling
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Isao Imai
功 今井
Kazuhiro Iwakawa
和弘 岩川
Hisahiro Teranishi
久広 寺西
Makoto Ebina
誠 蝦名
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/42Details of construction of furnace walls, e.g. to prevent corrosion; Use of materials for furnace walls
    • C03B5/43Use of materials for furnace walls, e.g. fire-bricks

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】屋根部に適する強固で大きな耐火物、およびこ
の耐火物を用い屋根部の目地を減少させ溶融ガラスの品
質の低下を招くことが少ない前炉を提供する。 【解決手段】屋根部の耐火物は主構成原料をアルミナお
よびムライトとで構成し、かつアルミナ成分を60%以
上とし、その硬化材としてアルミナセメントあるいはア
ルミン酸ソーダのいずれかを用いたキャスタブル耐火物
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融ガラスの流れを
冷却する前炉および前炉の屋根部に使用される耐火物な
らびにこの耐火物の製造方法に係わり、特に冷却域の屋
根部の耐火物を改良した前炉およびこの屋根部に適する
耐火物ならびにこの耐火物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にガラスの生産において、融解炉
(図示せず)中でガラスを製造し次の加工工程の成形機
(図示せず)に送り込む前にガラスの温度を均一にする
ため図1のような前炉1に流す。
【0003】この前炉1では高温かつ不均一な温度で流
れてきた溶融ガラスを冷却し、温度を均一化して、次の
加工工程に送り込む。
【0004】前炉1中の溶融ガラスの流れは炉入口2か
ら反対側の耐火物製の受器3まで図中右から左への流れ
とすると、この前炉1は溶融ガラスを冷却する冷却域C
と、さらに均一に冷却する均一化域Eとを有する。冷却
域Cは溶融ガラスを運ぶためのほぼ舟形形状でかつ横断
面がほぼ弓形形状の樋部Tを形成する耐火物4と、この
耐火物4の上方を覆い屋根部Rcを形成する平板状の耐
火物5とで形成され、均一化域Eは前記樋部Tを形成す
る耐火物4とこの耐火物4の上方を覆い屋根部Reを形
成する平板状の耐火物6とで形成されている。
【0005】冷却域Cで溶融ガラスを冷却する冷却方式
には、間接冷却方式、直接冷却方式および輻射冷却方式
等がある。これらの各冷却方式により冷却域Cの構造は
異なるが、特に図3の間接冷却方式の屋根部Rc1、図
4の直接冷却方式の屋根部Rc2および図5の輻射冷却
方式の屋根部Rc3のように形状は異なる。
【0006】これら各冷却方式の屋根部Rc1、Rc
2、Rc3構造を形成する耐火物5は原料をプレスある
いは鋳込み成形後、所定温度で焼成することにより製造
されている。
【0007】このため、耐火物5、6は製造上大きさに
制約を受け、ある程度の大きさの耐火物5、6しか製造
できず、その結果前炉1の屋根部Rc、Reを形成する
には多くの耐火物5、6を必要とし、かつこれらの耐火
物5、6をモルタル等で相互に結合させるために耐火物
5、6の使用枚数に相当する目地7が前炉1に長さ方向
に存在する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この目地7は前炉1の
繰り返しの使用により、溶融ガラスの揮発分が再凝縮し
再び溶融ガラス中に混入する起点をなし、製品ガラスの
品質低下招く要因となっていた。また、屋根部Rc、R
eの組立は大きさに制限のある耐火物5、6を結合して
行われ、かつ耐火物5、6が焼成して製作されるので耐
火物5、6内に補強芯金あるい冷却管を兼ねた補強用芯
金を埋設することができず、別個の鋼鉄製骨組みを補強
のために必要としていた。
【0009】また、特開平4−38694号公報記載の
前炉には、屋根部にプレハブ製ブロック、例えば発泡ア
ルミナブロックを用いるものが開示されているが、発泡
アルミナブロックがキャスタブル耐火物(以下キャスタ
ブルという)かプレス成形かその製造方法が不明であ
り、かつ主構成原料、その成分および硬化材が特定され
ていないので、強度的問題は解決されていない。
【0010】高品質のガラスを得るには屋根部の目地を
減少させた前炉が必要あり、かつ強度が強い前炉の屋根
部の組立が容易な耐火物が要望されている。
【0011】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、屋根部に適する強固で大きな耐火物、およびこ
の耐火物を用い屋根部の目地を減少させ溶融ガラスの品
質の低下を招くことが少ない前炉およびこの前炉に用い
られる耐火物ならびにこの耐火物の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本願請求項1の発明は、溶融ガラスを冷却す
るための冷却域を有する前炉において、この冷却域を溶
融ガラスを運ぶために耐火物で形成した樋部と、この樋
部の上方を覆い耐火物で形成した屋根部とを有し、この
屋根部の耐火物は主構成原料をアルミナおよびムライト
とで構成し、かつアルミナ成分を60wt%以上とし、
その硬化材としてアルミナセメントおよびアルミン酸ソ
ーダの少なくとも一方を用いたキャスタブルであること
を特徴とする前炉を要旨としている。
【0013】請求項2の発明は、屋根部の耐火物は主構
成原料をアルミナ、ムライトおよび25wt%以下のジ
ルコニアで構成する請求項1記載の前炉を要旨としてい
る。
【0014】請求項3の発明は、屋根部の耐火物に芯金
を埋設することを特徴とする請求項1または請求項2記
載の前炉を要旨としている。
【0015】請求項4の発明は、芯金を屋根部の耐火物
の稼働面から20mm以上内部に埋設することを特徴と
する請求項3記載の前炉を要旨としている。
【0016】請求項5の発明は、芯金を中空状とし、屋
根部の耐火物を冷却する冷却媒体が流れるようにするこ
とを特徴とする請求項3または請求項4記載の前炉を要
旨としている。
【0017】請求項6の発明は、屋根部の耐火物は主構
成原料をアルミナおよびムライトで構成し、かつアルミ
ナ成分を60%以上とし、その硬化材としてアルミナセ
メントあるいはアルミン酸ソーダのいずれかを用いたキ
ャスタブルであることを特徴とする前炉の屋根部の耐火
物を要旨としている。
【0018】請求項7の発明は、屋根部の耐火物は主構
成原料をアルミナ、ムライトおよび25wt%以下のジ
ルコニアで構成することを特徴とする前炉の屋根部の耐
火物を要旨としている。
【0019】請求項8の発明は、屋根部の耐火物に芯金
を埋設したことを特徴とする請求項6または請求項7記
載の前炉の屋根部の耐火物を要旨としている。
【0020】請求項9の発明は、芯金を屋根部の耐火物
の稼働面から20mm以上内部に埋設することを特徴と
する請求項8記載の前炉の屋根部の耐火物を要旨として
いる。
【0021】請求項10の発明は、芯金を中空状とし、
屋根部の耐火物を冷却する冷却媒体が流れるようにする
ことを特徴とする請求項8または請求項9記載の前炉の
屋根部の耐火物を要旨としている。
【0022】請求項10の発明は、鋼管とスタッドが設
けられた固定具とを溶接により強固に固定して梯子状の
骨組を形成し、しかる後鋼管端部を残して骨組を形枠で
囲い、型枠にキャスタブルを流し込み所定時間乾燥する
ことを特徴とする前炉の屋根部の耐火物の製造方法を要
旨としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる前炉を図面
に基づき説明する。
【0024】図1の従来例と同一部分には、同一番号を
付して説明する。
【0025】本発明に係る前炉8は、図6に示すように
冷却域C、均一化域Eが輻射冷却方式で、かつ溶融ガラ
スがガラス溶融炉から成形機(いずれも図示せず)へと
流れる際に、溶融ガラスの流れを比較的均一な温度に冷
却する冷却域Cとさらにガラスを冷却してガラスの温度
をより均一化する均一化域Eと受部3で構成されてい
る。
【0026】これらの冷却域Cと均一化域Eは、前炉8
の本体の低部に構成され、溶融ガラスを運ぶため樋部T
の長手方向に連続して順次構成されている。
【0027】冷却域Cと均一化域Eが設けられる樋部T
は、耐火物4で形成され、平面形状がほぼ船形で、かつ
横断面形状はほぼ弓形をなし、前記冷却域Cが形成され
るように樋部Tの上方には図7に示すように屋根部Rc
が設けられている。
【0028】この屋根部Rcは耐火物9で形成され、耐
火物9は図7および図8に示すように平板状の直方体を
なし、その各寸法は例えば、長さl(前炉幅方向)10
00mm、幅w(前炉長手方向)900mm、厚さt2
00mmであり、さらに耐火物9は機械的、物理的強度
を増し強固にするために芯金、例えば外径20mmの中
空状の鋼管10が炉内側(稼働面)から20mm以上、
例えば100mm離れたところのところに複数本づつ、
例えば3本づつ耐火物9を貫くように埋設されている。
この中空状の鋼管10には耐火物9乃至冷却域Cを冷却
するため冷却媒体、例えば冷却水、冷却空気が流れるよ
うになっており、鋼管10の各鋼管端部10aは耐火物
9から両側に突出して各々配水管11に固着さる。配水
管11は樋部Tを形成する耐火物4乃至断熱れんが4a
に強固に固着されて耐火物9を補強するように支持して
いる。
【0029】冷却域Cに比べてその断面積が小さい均一
化域Eには図6に示すように樋部Tを覆い屋根部Reを
形成し、耐火物9より小さい耐火物12が設けられてい
る。なお、この耐火物12に耐火物9と使用温度、面積
が異なるため芯金を設けていないが、必要に応じ中実の
芯金を入れ、あるいは中空状の鋼管を入れ冷却媒体を流
すようにしてもよい。
【0030】耐火物9に埋設された3本の鋼管10は所
要の間隔、例えば300mm間隔で平行に配設される一
方、耐火物9と鋼管10の結合を強固にするための複数
のスタッド13が設けられた複数の固定具14に相互に
連結されて一体化され梯子状あるいは梯子状に形成され
骨格を構成している。
【0031】平板状の耐火物9は前炉の長手方向に沿っ
て樋部Tに複数枚断熱かつ気密的に載置され、各耐火物
9間はモルタルで相互に結合され、各耐火物9間に複数
の目地15が形成される。しかし、この目地15の個数
は耐火物9の大形(大面積)化により減らすことがで
き、小さな耐火物を多数モルタルで結合し、多数の目地
7が形成された従来の前炉に比較して目地15の個数を
著しく減じることができる。
【0032】従って目地15は前炉8の繰り返しの使用
により、溶解ガラスの揮発分が再凝縮し再び溶融ガラス
中に混入する虞が著しく少なくなり、製品ガラスの品質
低下招く要因を取り除くことができる。
【0033】一方、耐火物9を製作するには、鋼管10
とスタッド13が設けられた固定具14と組み立てて溶
接により強固に固定して梯子状あるいは格子状の骨組
(フレーム組立体)を形成し、しかる後鋼管端部10a
を残して骨組を型枠に入れるかあるいは順次型枠材で囲
うことで骨組を型枠で囲い、この型枠内にキャスタブル
を流し込み、所定温度例えば200℃〜300℃の温度
で乾燥させ固化処理を行う。
【0034】また、耐火物9、12のキャスタブルの主
構成原料はアルミナおよびムライトで構成され、かつア
ルミナ成分を60%wt以上含有し、その硬化材として
アルミナセメントおよびアルミン酸ソーダの少なくとも
一方を用いるものである。さらに、耐火物9、12の機
械的、物理的強度を増すために、キャスタブルの主構成
原料であるアルミナおよびムライト、25wt%以下、
好ましくは23.5wt%のジルコニアを追加してもよ
い。ただし、ジルコニアの追加量が25wt%以上にな
るとアルミナ成分が60wt%以下になり、耐食性の低
下を招くので好ましくない。
【0035】耐火物9、12の主構成原料がアルミナお
よびムライトで構成され、かつアルミナ成分を60wt
%以上含有する目的は、容器ガラスや繊維ガラスの揮発
分であるアルカリ蒸気やホウ酸蒸気に対する耐食性に優
れるためである。
【0036】アルミナ成分を60wt%以下では、揮発
分に対する耐食性に劣るため、十分な耐用が得られなく
なる。また、硬化材としてアルミナセメントあるいはア
ルミン酸ソーダのいずれかを使用する理由は、主原料の
限定理由と同じく、揮発分の特にアルカリ蒸気に対する
耐食性に優れることと同時に、200〜300℃程度の
乾燥処理で必要な機械的、物理的強度が得られ、かつ操
業温度下においても十分な強度を維持し得るためであ
る。
【0037】さらに、骨格を形成する芯金を設ける理由
は、屋根部Rcの耐火物9を大形とした場合の強度的な
問題やクリープ変形を防ぐことにある。さらには、大形
とした場合に重量を軽減するために厚みを薄くできるこ
とにある。
【0038】例えば、耐火物9、12の厚みtが長さl
と比較して1/10以上程度であれば骨格となる芯金を
特に必要としないが、骨格となる芯金を設けることによ
り、厚みtを従来の厚みの1/2程度まで薄くすること
が可能である。
【0039】芯金は溶融ガラス面と相対する炉内側(稼
働面;作用面)から20mm以上、例えば100mm離
れたところに埋設されているが、20mm未満に設けた
場合、稼働面より浸潤する溶融ガラスの揮発分と芯金が
反応し、芯金が腐食する虞がある。
【0040】なお、本実施態様では屋根部Rc、Reを
形成する耐火物9、12を平板状に製作したが、上述冷
却域Cの各冷却方式に基づき所望の屋根部形状にする必
要がある場合には、耐火物9、12を任意の形状にして
もよい。
【0041】また、耐火物9の強度を増し強固にするた
めの芯金は上述冷却域Cの各冷却方式ないし、所望の屋
根部Rcの形状により耐火物9の冷却を必要としない場
合には、中空状の鋼管とする必要はなく、中実の鉄筋で
もよい。
【0042】耐火物9、12を以上述べたような焼成を
必要としないキャスタブルの組成および構造にすること
により大形化、軽量化および強度を強くすることが可能
になる。
【0043】それ故、前炉8の屋根部Rc、Reを従来
に比べて数少ない枚数の耐火物9、12とこの耐火物
9、12を結合する従来に比べ数少ない目地15で形成
することができる。
【0044】従って、ガラス溶融炉からこのような耐火
物9、12を組み込み目地15で結合された前炉8に溶
融ガラスが繰り返し導入され、前炉8の冷却域Cで比較
的均一になるように冷却されるが、冷却域Cで高温の溶
融ガラスの揮発分であるアルカリ蒸気やホウ酸蒸気が発
生するが、目地15の数が少ないのでこの目地15を起
点として揮発分が再凝縮し、再び溶融ガラス中に混入し
て製品ガラスの品質を低下させることが少ない。
【0045】一方、溶融ガラスから耐火物9に輻射によ
り伝達された熱は耐火物9、冷却管10を介して冷却水
により前炉1外へ取り去られ、さらに均一化域Eによっ
て一層均一温度になるよう冷却される。この場合にも屋
根部Reを形成する耐火物12を相互に結合する目地1
5が少ないので、この目地15を起点として揮発分が再
凝縮し、再び溶融ガラス中に混入するのを有効的に防止
でき製品ガラスの品質を低下させることが少ない。
【0046】さらに、耐火物9、12を以上述べたよう
な焼成を必要としないキャスタブルの組成および形状変
形自由な芯金構造でできているので、従来の耐火物に比
べて著しく大形化、軽量化および強度を強くすることが
可能であるとともに、耐火物9、12の形状を比較的自
由に製作でき、各冷却方式により異なる冷却域Cの構造
に対応するための種々の屋根部形状に対応でき、その用
途も広い。また、芯金を中空の鋼管10として耐火物
9、12乃至冷却域Cを冷却可能にしたので、耐火物
9、12の形状を単純化することも可能となった。
【0047】
【実施例】本発明に係わる耐火物について実施例に基づ
き、さらに詳細に説明する。
【0048】(1)機械的強度と侵食テスト 実施例1: 表1に示すように化学組成が、Al
2 3 ;70.1wt%、SiO2 ;28.1wt%に
なるようにアルミナ原料とムライト原料を配合し、硬化
剤としてアルミナセメント6.0wt%を添加後、水を
加えて混練し、40×40×160mmおよび100×
100×25mmの形枠に流し込んだ。硬化後に脱型
し、250℃で24時間乾燥し不焼成で、耐火物の試料
を得た。
【0049】40×40×160mmの試料1を用いて
測定を行い、見掛気孔率;20.1%、かさ比重;2.
37、圧縮強さ;51MPa、曲げ強さ;3.8MPa
(at900℃)、4.4MPa(at1200℃)の
結果を得た。
【0050】図9は100×100×25mmの試料2
に対する耐侵食のベーパーテストの試験方法および評価
方法を示す。
【0051】アルミナルツボにNa2 SO4 +B2 3
からなる侵食剤40gを入れた後、アルミナルツボに1
00×100×25mmの試料2を載置し、1200
℃、24時間アルミナルツボを加熱し、試料2の侵食剤
対向面の反応層と浸潤層を測定し、反応層厚;0.2m
m、浸潤層厚;0.3mmを得た。
【0052】実施例2: 化学組成をAl2 3 ;9
2.6wt%と実施例1に比べて増加し、SiO2
7.1wt%と減少させ、実施例1と同様な方法で耐火
物の試料を得た。この試料は実施例1に比べ反応層厚;
0.1mm以下と小さくなったが、浸潤層厚;0.8m
mと増大した。
【0053】実施例3: 化学組成にZrO2 ;23.
5wt%を加え、実施例1と同様な方法で耐火物の試料
を得たこの試料は実施例1に比べて見掛気孔率は減少
し、かつかさ比重は増加して、圧縮強さが増した。実施
例1に比べ反応層厚、浸潤層厚に差異はない。
【0054】実施例4: 硬化剤として、アルミナセメ
ント6.0wt%に替えて同量のアルミン酸ソーダを加
え、実施例1と同様な方法で耐火物の試料を得た。この
試料は実施例1に比べて圧縮強さは低下したが、曲げ強
さは増加した。実施例1に比べ反応層厚、浸潤層厚にほ
とんど差異はない。
【0055】実施例5: 硬化剤として、アルミナセメ
ント3.0wt%と同量のアルミン酸ソーダを加えた。
実施例1に比べて圧縮強さは低下したが、曲げ強さは増
加した。実施例1に比べ反応層厚、浸潤層厚に差異はな
い。
【0056】
【表1】
【0057】次に、実施例1と同様の方法で作成した試
料について試験を試みた表2の比較例について説明す
る。
【0058】比較例1: 表2に示すように化学組成
が、Al2 3 ;52.3wt%、SiO2 ;46.8
wt%になるようにアルミナ原料とムライト原料を配合
し、硬化剤としてアルミナセメント6.0wt%を添加
したもので、Al2 3 ;70.1wt%の実施例1と
比べてAl2 3 を大きく減少させた。反応層厚が1.
2mmと実施例1に比べ著しく増加した。
【0059】比較例2: Al2 3 ;57.7wt%
とし、比較例1と同様にAl2 3;70.1wt%の
実施例1と比べてAl2 3 を大きく減少させ、かつ化
学組成にZrO2 ;28.1wt%を加えた。比較例1
と同様に反応層厚が1.1mmと実施例1に比べ著しく
増加した。
【0060】比較例3: 比較例1の硬化剤アルミナセ
メント6.0wt%を同量のアルミン酸ソーダに替え
た。実施例1に比べて圧縮強さは低下し、反応層厚が
1.4mmと実施例1に比べ著しく増加した。
【0061】従来例: 従来材質で鋳込み成形・焼成し
た耐火物を用いた。従来例は焼成体であるので、実施例
1に比べて曲げ強さが若干増したが、実施例4とはほぼ
同等である。反応層厚、浸潤層厚ついては、各実施例と
差異はない。
【0062】
【表2】
【0063】(2)ベンドテスト表1の実施例1および
表2の従来例の肉厚および芯金の有無を変えて棒状試料
を作り、片持ちによるベンドテストを行った。試料の長
さは160mm、幅は40mmである。テスト方法は図
10に示す。
【0064】実施例1: 試料の厚さが20mmでも芯
金を埋設したものはベンド量が0.1mmと極めて小さ
い。
【0065】試料の厚さが40mmのものは芯金を埋設
したものはベンド量が0.1mm以下で極めて小さく、
芯金を埋設しないものでもベンド量は0.3mmと小さ
い。
【0066】従来例: 焼成れんがであるため、芯金を
埋設することはできないので、芯金なしで、厚さのにを
変えてテストした。
【0067】厚さ20mmではベンド量が2.5mmと
極めて大きく、実施例1の芯金を埋設したものの0.1
mmと比べると25倍大きい。厚さ40mmでもベンド
量が0.2mmと、実施例1の芯金を埋設したものの
0.1mmと比べると2倍になる。
【0068】ほぼ極めて大きく、実施例1の芯金を埋設
したものの0.1mmと比べると25倍大きい。
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明の耐火物は焼成を必要としないキ
ャスタブルの組成および形状変形自由な芯金構造ででき
ているので、大形化、軽量化および強度を強くすること
が可能であるとともに、形状を比較的自由に作製でき種
々の屋根部の形状に対応でき、その用途も広い。また、
芯金を中空の鋼管として耐火物乃至冷却域を冷却可能に
したので、耐火物の形状を単純化することも可能となっ
た。
【0071】さらに、本発明の耐火物を屋根部に用いた
本発明の前炉は、従来に比べて数少ない枚数の耐火物と
この耐火物を結合する従来に比べ数少ない目地で形成す
ることができる。
【0072】従って、本発明の前炉は高温の溶融ガラス
の揮発分であるアルカリ蒸気やホウ酸蒸気が発生する
が、目地の数が少ないのでこの目地を起点として揮発分
が再凝縮し、再び溶融ガラス中に混入するのを有効的に
防止でき、製品ガラスの品質を低下させることが少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の前炉の斜視図。
【図2】図1の横断面図。
【図3】従来の間接冷却方式の屋根部を示す概略断面
図。
【図4】従来の直接冷却方式の屋根部を示す概略断面
図。
【図5】従来の輻射冷却方式の屋根部を示す概略断面
図。
【図6】本発明の前炉の斜視図。
【図7】図6の縦断面図。
【図8】本発明の耐火物を一部切欠した斜視図。
【図9】機械的強度と侵食テストの試験方法および評価
方法を示す説明図。
【図10】耐火物のベンドテスト方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 前炉 2 炉入口 3 受器 4 耐火物 4a 断熱れんが 5 耐火物 6 耐火物 7 目地 8 前炉 9 耐火物 10 鋼管 11a 鋼管端部 11 配水管 12 耐火物 13 スタッド 14 固定具 15 目地 C 冷却域 E 均一化域 T 樋部 Rc 屋根部 Re 屋根部 Rc1、Rc2、Rc3 屋根部
フロントページの続き (72)発明者 蝦名 誠 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスを冷却するための冷却域を有
    する前炉において、この冷却域は溶融ガラスを運ぶため
    に耐火物で形成した樋部と、この樋部の上方を覆い耐火
    物で形成した屋根部とを有し、この屋根部の耐火物は主
    構成原料をアルミナおよびムライトで構成し、かつアル
    ミナ成分を60wt%以上とし、その硬化材としてアル
    ミナセメントおよびアルミン酸ソーダの少なくとも一方
    を用いたキャスタブル耐火物であることを特徴とする前
    炉。
  2. 【請求項2】 屋根部の耐火物は主構成原料をアルミ
    ナ、ムライトおよび25wt%以下のジルコニアとで構
    成することを特徴とする請求項1記載の前炉。
  3. 【請求項3】 屋根部の耐火物に芯金を埋設することを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の前炉。
  4. 【請求項4】 芯金を屋根部の耐火物の稼働面から20
    mm以上離れた内部に埋設することを特徴とする請求項
    3記載の前炉。
  5. 【請求項5】 芯金を中空状とし、屋根部の耐火物を冷
    却する冷却媒体が流れるようにすることを特徴とする請
    求項3または請求項4記載の前炉。
  6. 【請求項6】 主構成原料をアルミナおよびムライトで
    構成し、かつアルミナ成分を60wt%以上とし、その
    硬化材としてアルミナセメントおよびアルミン酸ソーダ
    の少なくとも一方を用いたキャスタブル耐火物で成形し
    たことを特徴とする前炉の屋根部の耐火物。
  7. 【請求項7】 主構成原料をアルミナ、ムライトおよび
    25wt%以下のジルコニアとで構成することを特徴と
    する請求項7に記載の前炉の屋根部の耐火物。
  8. 【請求項8】 屋根部の耐火物に芯金を埋設することを
    特徴とする請求項6または請求項7記載の前炉。
  9. 【請求項9】 芯金を屋根部の耐火物の稼働面から20
    mm以上内部に埋設することを特徴とする請求項8記載
    の前炉の屋根部の耐火物。
  10. 【請求項10】 芯金を中空状とし、屋根部の耐火物を
    冷却する冷却媒体が流れるようにすることを特徴とする
    請求項8または請求項9記載の前炉の屋根部の耐火物。
  11. 【請求項11】 鋼管とスタッドが設けられた固定具を
    溶接により強固に固定して骨組を形成し、しかる後鋼管
    端部を残して骨組を型枠で囲い、この型枠内にキャスタ
    ブル耐火物を流し込み所定時間乾燥することを特徴とす
    る前炉の屋根部の耐火物の製造方法。
JP9228633A 1997-08-25 1997-08-25 前炉および前炉の屋根部に使用される耐火物ならびにこの耐火物の製造方法 Pending JPH1171117A (ja)

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Cited By (1)

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