JPH117058A - スライドカバー付きカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドカバーをスライド可能に支持するた
めの部位に異物が入り難くする。 【解決手段】 撮影レンズ４Ａを覆う閉位置と撮影レン
ズ４Ａから退避する開位置との間をアウターカバー２に
沿ってスライド可能とされたスライドカバー１と、スラ
イドカバー１をアウターカバー２との間に挟み込むこと
によりスライド可能に支持するインナーカバー３とを備
え、インナーカバー３の嵌合部３ｅ，３ｆをアウターカ
バー２に嵌合することにより嵌合部３ｅ，３ｆを固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撮影レンズの前面
を覆う位置と撮影レンズの前面から退避する位置との間
でスライド可能なスライドカバーを有するスライドカバ
ー付きカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のカメラとして、例えば実開平４
−５５３０９号公報に開示されたものが知られている。
このカメラは、カメラ本体の前面に配置されるスライド
カバーを備え、このスライドカバーの上下のガイド突起
がカメラ外カバーの上面および下面に形成されたガイド
溝に係合され、この係合によりスライドカバーがカメラ
横方向にスライドされるよう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来カメラでは、スライドカバー案内用のガイド溝がカメ
ラ外カバーの上下面にそれぞれ形成されているため、カ
メラ使用時／非使用時を問わずガイド溝の多くの部分が
外部に露出することになり、ガイド溝に異物が入り易く
スライドカバーをスムーズに開閉できなくなるおそれが
あった。

【０００４】本発明の目的は、スライドカバーをスライ
ド可能に支持するための部位に異物が入り難くしたスラ
イドカバーを有するカメラを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図１
〜図９および図１２に対応づけて説明すると、請求項１
に記載の発明は、撮影レンズ４Ａを覆う閉位置と撮影レ
ンズ４Ａから退避する開位置との間をカメラ本体２に沿
ってスライド可能とされたスライドカバー１と、スライ
ドカバー１をカメラ本体２との間に挟み込むことにより
スライド可能に支持する支持部材３とを備え、支持部材
３の嵌合部３ｅ，３ｆをカメラ本体２に嵌合することに
より嵌合部３ｅ，３ｆを固定したことにより上述の目的
が達成される。請求項２に記載の発明は、請求項１に記
載のスライドカバー付きカメラにおいて、支持部材３の
嵌合部３ｅ，３ｆをカメラ本体のカメラカバー２に形成
した凹部２ｅ，２ｆに差込むことにより嵌合部３ｅ，３
ｆをカメラカバー２に嵌合するものである。請求項３に
記載の発明は、請求項１に記載のスライドカバー付きカ
メラにおいて、支持部材３の嵌合部３ｅ，３ｆをカメラ
本体のカメラカバー２に形成した開口２ｇ，２ｈに差込
むことにより嵌合部３ｅ，３ｆをカメラカバー２に嵌合
するものである。請求項４に記載の発明は、請求項３に
記載のスライドカバー付きカメラにおいて、カメラカバ
ー２の開口３ｅ，３ｆを隠蔽部材２０ａ，２０ｂにより
隠蔽したものである。請求項５に記載の発明は、請求項
１〜４のいずれか１項に記載のスライドカバー付きカメ
ラにおいて、支持部材３の端部に嵌合部３ｅ，３ｆを形
成したものである。

【０００６】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が
実施の形態に限定されるものではない。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１〜図８により本発明の一実施
の形態を説明する。図１，図２は本発明に係るカメラの
正面図、図３，図４はそれぞれ図１，図２のIII−III線
およびIV−IV線断面図である。２はカメラ本体の外郭を
成すアウターカバーであり、以下、アウターカバー２の
うちカメラ本体の前面，上面および下面を形成する部分
をそれぞれ前カバー２Ａ，上カバー２Ｂおよび下カバー
２Ｃと呼ぶ。前カバー２Ａの前面には図示右上にストロ
ボ発光窓１１が設けられるとともに、中央部分に開口部
２ａ（図２）が形成されている。

【０００８】３はアウターカバー２の内側に配置される
インナーカバーであり、その前面の所定箇所には、上部
にファインダ窓３ａおよび測距窓３ｂが、下部にレンズ
鏡筒４が突出／退避可能なレンズ窓３ｃがそれぞれ形成
されている。これらのファインダ窓３ａ，測距窓３ｂお
よびレンズ窓３ｃは、前カバー２Ａの開口部２ａから露
出可能とされる。レンズ鏡筒４は複数の撮影レンズ４Ａ
を保持し、図３に示す沈胴位置から図４に示す広角端位
置、さらにはそれよりも突出した望遠端位置まで光軸Ｌ
方向に移動可能とされる。

【０００９】図７、図８および図９に示すように、イン
ナーカバー３の上端（図７における上端）には上部のガ
イド溝３ｄに隣接して一対の嵌合部３ｅが、インナーカ
バー３の下端（図８における下端）には下部のガイド溝
３ｄに隣接して一対の嵌合部３ｆがそれぞれ突設されて
いる。一方、上カバー２Ｂおよび下カバー２Ｃの内面に
は一対の溝２ｅおよび一対の溝２ｆがそれぞれ形成され
ており、嵌合部３ｅが上カバー２Ｂに形成された溝２ｅ
に、嵌合部３ｆが下カバー２Ｃに形成された溝２ｆに、
それぞれ嵌合されている。なお、図７および図８はそれ
ぞれ嵌合部３ｅおよび嵌合部３ｆの近傍部分の縦断面で
ある。

【００１０】図９に示すように、インナーカバー３の左
右両端には、ビス３２を通す貫通孔３１ａが形成された
取付け部３１が設けられている。一方、前カバー２Ａの
内面側から雌ねじ２１が切られており、ビス３２を雄ね
じ２１に螺進させることにより取付け部３１が前カバー
２Ａに締め付けられている。

【００１１】このように、インナーカバー３は上下端に
おいて上カバー２Ｂおよび下カバー２Ｃと嵌合されると
ともに、左右端において前面カバー２Ａにビス止めされ
て固定されている。

【００１２】１は前カバー２Ａの前面に配置されるスラ
イドカバーであり、図１に示す閉位置と、図２に示す開
位置との間でカメラ横方向にスライド可能とされる。ス
ライドカバー１は、閉位置では前カバー２Ａの開口部２
ａを塞いで撮影レンズ４Ａ，ファインダ窓３ａおよび測
距窓３ｂを覆い、開位置では開口部２ａから退避してこ
れらを露出させる。

【００１３】次に、図５〜図８も参照してスライドカバ
ー１のスライド機構について詳述する。図５，図６は図
１，図２のＶ−Ｖ線，VI−VI線断面図である。スライド
カバー１の上下部には、カメラ背面側に張り出した張り
出し部１Ａがそれぞれ形成され、これら上下張り出し部
１Ａの下面および上面先端には、一対の爪１ａが光軸Ｌ
と直交する方向に突設されている。一方、インナーカバ
ー３の上下面には、前面からある程度奥まった位置にガ
イド溝３ｄがカメラ横方向に延設され、これらのガイド
溝３ｄにスライドカバー１の爪１ａが摺動可能に係合さ
れる。インナーカバー３の上面および下面は、上カバー
２Ｂの下面および下カバー２Ｃの上面とそれぞれ所定間
隔をおいて対向しており、その隙間にスライドカバー１
の張り出し部１Ａが位置する。

【００１４】なお図３において、５は上カバー２Ｂに設
けられた液晶表示窓、６は液晶表示パネル、７は液晶表
示バックライト、８はモード選択スイッチ、９は電気実
装基板、１０はクリックスイッチ、１２はファインダで
ある。

【００１５】以上のように構成されたカメラにおいて、
スライドカバー１が閉位置にあるときには、図１に示す
ように撮影レンズ４Ａ，ファインダ窓３ａおよび測距窓
３ｂが覆われる。このとき、前カバー２Ａの開口部２ａ
が塞がれているために開口部２ａからガイド溝３ｄに異
物が侵入するおそれはない。スライドカバー１の左方に
おいては、ガイド溝３ｄがスリット２ｂを介して外部と
連通しているが、スリット２ｂは幅が狭く、しかもガイ
ド溝３ｄが奥まった位置にあるので、スリット２ｂから
異物が侵入してガイド溝３ｄに入り込むおそれは殆どな
い。

【００１６】スライドカバー１に左方の力を加えると、
上下の爪１ａがインナーカバー３の上下ガイド溝３ｄを
摺動しつつスライドカバー１が左方にスライドする。そ
の際、上下の張り出し部１Ａは、前カバー２Ａの開口部
２ａを貫通した状態で上下カバー２Ｂ，２Ｃとインナー
カバー３との隙間を移動する。スライドカバー１が所定
位置まで移動すると、張り出し部１Ａは開口部２ａから
スリット２ｂに移り、以降はスリット２ｂを貫通した状
態で移動する。図２および図６に示すようにスライドカ
バー１が完全に開くと、撮影レンズ４Ａ，ファインダ窓
３ａおよび測距窓３ｂが露出され、撮影可能な状態とな
る。

【００１７】スライドカバー１の開状態では、前カバー
２Ａの開口部２ａが開放されるためガイド溝３ｄが外部
と連通するが、ガイド溝３ｄが奥まった位置にあるので
異物が侵入するおそれは殆どない。一方、スリット２ｂ
は張り出し部１ａによって塞がれているので、スリット
２ｂからガイド溝３ｄに異物が侵入するおそれは全くな
い。

【００１８】ところで、本実施の形態では、図１から分
かるようにスライドカバー１の爪１ａがスライドカバー
１の右側にのみ設けられているので、左側にも爪１ａを
設けた場合と比べてスリット２ｂの長さを短くできる。
したがってスライドカバー閉時にスリット２ｂからガイ
ド溝３ｄへの異物の侵入を最小限に抑制できる。

【００１９】上述のように、第１の実施の形態のスライ
ドカバー付きカメラでは、嵌合部３ｅが上カバー２Ｂの
溝２ｅに、嵌合部３ｆが下カバー２Ｃの溝２ｆにそれぞ
れ差込まれることにより、インナーカバー３の上下端が
上カバー２Ｂおよび下カバー２Ｃに固定されている。こ
のため２本のビス３２を用いるのみでインナーカバー３
を十分な強度で固定することができるとともに、インナ
ーカバー３の取付けに接着作業が不要となる。

【００２０】この点に関して、インナーカバー３をアウ
ターカバーに嵌合させることなく固定する構造の問題点
を挙げることにより、第１の実施の形態のスライドカバ
ー付きカメラの利点について説明する。

【００２１】まず、図１０に示すように、インナーカバ
ー３の上下端３３に嵌合部を形成しない場合には、イン
ナーカバー３を固定するためインナーカバー３の上下端
３３をアウターカバー２の内面に接着することが考えら
れる。しかし、スライドカバー１を介してインナーカバ
ー３が受けるカメラ前後方向（撮影光軸方向）の力に対
して十分な接着力が得られない場合があり、例えばスラ
イドカバー１がカメラの前側から押されたときにインナ
ーカバー３が変形し、スライドカバー１がカメラの背面
方向に潜ってしまうおそれがある。また、カメラの分解
が困難になるという問題もある。

【００２２】また、固定を確実なものとするために、カ
メラの外側からビスによりインナーカバー３をビス止め
する方法が考えられる。図１１に示すようにインナーカ
バー３の上下端３３Ａをビス３４を用いてインナーカバ
ー２に締結することにより、十分な取付け強度を得るこ
とができる。しかし、インナーカバー３を固定するため
のビスが増えて組立にくくなるうえ、外観に現れるビス
が増えるのも好ましくない。

【００２３】これに対して、第１の実施の形態のカメラ
では、使用するビスの数を抑制しつつ十分な取付け強度
を得ることが可能となるうえ、組立や分解が簡単となり
製造コストの低減や検査の効率化を図ることができると
いう利点がある。

【００２４】なお、第１の実施の形態のカメラではイン
ナーカバー３をアウターカバー２に嵌合するようにして
いるが、アウターカバー以外の部位に嵌合するように構
成してもよい。

【００２５】−第２の実施の形態− 以下、図９および図１２を用いて、本発明によるスライ
ドカバー付きカメラの第２の実施の形態について説明す
る。なお、第１の実施の形態のカメラと同一構成部分、
あるいは第１のカメラの構成部分と対応する部分につい
ては同一符号を付してその説明を省略する。

【００２６】図９および図１２に示すように、第２の実
施の形態のカメラでは、第１の実施の形態における上カ
バー２Ｂおよび下カバー２Ｃの溝２ｅ，２ｆに代えて、
上カバー２Ｂおよび下カバー２Ｃに貫通孔２ｇおよび貫
通孔２ｈを形成している。そして、インナーカバー３の
上端に形成した嵌合部３ｅを上カバー２Ｂに形成した貫
通孔２ｇに、インナーカバー３の下端に形成した嵌合部
３ｆを下カバー２Ｃに形成した貫通孔２ｈにそれぞれ差
込むことにより、嵌合部３ｅおよび嵌合部３ｆをアウタ
ーカバー２に嵌合するようにしている。図９に示すよう
に、インナーカバー３の左右両端部に取付け部３１を形
成し、取付け部３１を前面カバー２Ａにビス止めしてい
る点については第１の実施の形態と同様である。

【００２７】図１２に示すように、貫通孔２ｇは上カバ
ー２Ｂに取付けられた隠蔽部材２０ａにより、貫通孔２
ｈは下カバー２Ｃに取付けられた隠蔽部材２０ｂによ
り、それぞれ隠蔽され、貫通孔２ｇおよび貫通孔２ｈは
外部から視認できないようにされている。

【００２８】第２の実施の形態のカメラでは、インナー
カバー３の上下端をアウターカバー２に嵌合しているの
で、第１の実施の形態と同様、ビスの使用数を減少させ
ることがき、接着作業が不要となる。また、カメラの組
立および分解が容易である。

【００２９】また、第２の実施の形態では、アウターカ
バー２に溝ではなく貫通孔を形成しているので、第１の
実施の形態と比較してアウターカバー２を容易に製造す
ることができるという利点がある。すなわち、アウター
カバー２を型成形により形成する場合、第１の実施の形
態のカメラでは上カバー２Ｂおよび下カバー２Ｃの溝２
ｅおよび溝２ｆがアンダーカットになるため、内側にス
ライド型が必要となって型構造が複雑になり、製造工程
が複雑化する。これに対して、第２の実施の形態のカメ
ラでは貫通孔２ｇ，２ｈを形成すれば足りるので型構造
を単純なものとすることができる。そしてアウターカバ
ー２の製造工程がより単純なものとなるのでカメラのコ
ストダウンを図ることができる。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、スライ
ドカバーをカメラ本体との間に挟み込むことによりスラ
イド可能に支持する支持部材の嵌合部をカメラ本体に嵌
合することにより嵌合部を固定したので、スライドカバ
ーをスライド可能に支持するための部位に異物が入り難
く、支持部材を強固に取付けることができる。請求項３
に記載の発明によれば、支持部材の嵌合部をカメラ本体
のカメラカバーに形成した開口に差込むことにより嵌合
部をカメラカバーに嵌合するので、製造が容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係るカメラの正面
図であり、スライドカバーが閉じた状態を示す。

【図２】図１と同様の図であり、スライドカバーが開い
た状態を示す。

【図３】図１のIII−III線断面図。

【図４】図２のIV−IV線断面図。

【図５】図１のＶ−Ｖ線断面図。

【図６】図２のVI−VI線断面図。

【図７】第１の実施の形態のカメラにおける嵌合部３ｅ
の近傍部分を示す断面図。

【図８】第１の実施の形態のカメラにおける嵌合部３ｆ
の近傍部分を示す断面図。

【図９】第１および第２の実施の形態のカメラにおける
インナーカバーの取付け方法を模式的に示す斜視図。

【図１０】接着によりインナーカバーの上下端を固定す
る場合の取付け方法を示す図。

【図１１】ビスによりインナーカバーの上下端を固定す
る場合の取付け方法を示す図。

【図１２】第２の実施の形態のカメラにおける嵌合部の
近傍部分を示す断面図。

【符号の説明】

１ スライドカバー ２ アウターカバー ２ｅ 溝 ２ｆ 溝 ２ｇ 貫通孔 ２ｈ 貫通孔 ３ インナーカバー ３ｅ 嵌合部 ３ｆ 嵌合部 ４Ａ 撮影レンズ ２０ａ 隠蔽部材 ２０ｂ 隠蔽部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影レンズを覆う閉位置と前記撮影レン
   ズから退避する開位置との間をカメラ本体に沿ってスラ
   イド可能とされたスライドカバーと、 前記スライドカバーを前記カメラ本体との間に挟み込む
   ことによりスライド可能に支持する支持部材とを備え、 前記支持部材の嵌合部を前記カメラ本体に嵌合すること
   により前記嵌合部を固定したことを特徴とするスライド
   カバー付きカメラ。
2. 【請求項２】 前記支持部材の前記嵌合部を前記カメラ
   本体のカメラカバーに形成した凹部に差込むことにより
   前記嵌合部を前記カメラカバーに嵌合することを特徴と
   する請求項１に記載のスライドカバー付きカメラ。
3. 【請求項３】 前記支持部材の前記嵌合部を前記カメラ
   本体のカメラカバーに形成した開口に差込むことにより
   前記嵌合部を前記カメラカバーに嵌合することを特徴と
   する請求項１に記載のスライドカバー付きカメラ。
4. 【請求項４】 前記カメラカバーの開口を隠蔽部材によ
   り隠蔽したことを特徴とする請求項３に記載のスライド
   カバー付きカメラ。
5. 【請求項５】 前記支持部材の端部に前記嵌合部を形成
   したことを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記
   載のスライドカバー付きカメラ。