JPH1170587A - 型内発泡成型体の製造装置、発泡粒子移送補助部材及び型内発泡成型体の製造方法 - Google Patents

型内発泡成型体の製造装置、発泡粒子移送補助部材及び型内発泡成型体の製造方法

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JPH1170587A
JPH1170587A JP10176685A JP17668598A JPH1170587A JP H1170587 A JPH1170587 A JP H1170587A JP 10176685 A JP10176685 A JP 10176685A JP 17668598 A JP17668598 A JP 17668598A JP H1170587 A JPH1170587 A JP H1170587A
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foamed
mold
hole
port
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JP10176685A
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English (en)
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Akira Kamiyama
亮 神山
Hideo Ishikawa
秀夫 石川
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IKEDA KAKO KK
NITSUKU KK
JSP Corp
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IKEDA KAKO KK
NITSUKU KK
JSP Corp
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Publication date
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 型内発泡成型体の製造時に、発泡粒子を成型
型に適度な密度で均一に充填することができ成型不良を
防ぐこと。 【解決手段】 圧縮エアー噴出口4とを有する発泡粒子
充填機1を、成型型5の発泡粒子導入口6に取り付け
る。圧縮エアー噴出口4から圧縮エアーを噴出させると
共に、発泡粒子供給口3側に向かう圧縮エアーを供給す
ることにより、発泡粒子を、発泡粒子供給口3を経て成
型型5内に導入する。発泡粒子が成型型5内へ充満した
ら、圧縮エアー排出口11からの配管10内への圧縮エ
アーの供給を止め、圧縮エアー噴出口4からの圧縮エア
ーの噴出を続けたまま充填機1のピストン2を前進させ
て成型型5の発泡粒子導入口6を閉鎖して、成型型5内
への発泡粒子の充填を完了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、型内発泡成型体の
製造装置、特に、発泡粒子の成型型内への充填性を効果
的に高めるための工夫がなされた型内発泡成型体の製造
装置に関する。また本発明は、この型内発泡成型体の製
造装置に用いる発泡粒子移送補助部材に関する。更にま
た本発明は、この装置を用いて型内発泡成型体を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡粒子を成型型内で成型する際
に、ホッパー内に貯留されている発泡粒子を成型型まで
移送して型内に充填する方法としては次の方法が知られ
ている。 充填時に成型型内を真空引きして空気の流れを作り、
この空気の流れによって発泡粒子を成型型まで移送する
とともに型内に充填する方法(特開昭53−43762
号公報)。 成型型に取り付けられた発泡粒子充填機の圧縮エアー
噴出口から、圧縮エアーを噴出させて空気の流れを作
り、この空気の流れによって発泡粒子を成型型まで移送
するとともに型内に充填する方法(特開昭53−437
62号公報、特開昭62−46623号公報、特開平5
−77331号公報)。 ホッパー内の発泡粒子を加圧下に置き、ホッパー内圧
力と上記の方法を併用して空気の流れを作り、この空
気の流れによってホッパー内の発泡粒子を成型型まで移
送するとともに型内に充填する方法(特開昭60−17
6747号公報、特開昭61−79625号公報、特開
昭62−87327号公報、特公平5−87364号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、最大で1気圧の差圧しか得られないので、
発泡粒子を高い充填密度で成型型内に充填することがで
きなかった。このため得られる型内発泡成型体は、発泡
粒子間に融着不良が存在したり、収縮率が大きいものと
なり易く、不良品発生率が高まるという問題があった。
また、この方法では型内に充填されなかった余剰の発泡
粒子を、ホッパー方向にブローバックすることは不可能
であった。
【0004】発泡粒子のブローバックが完全に行なわれ
ないと、成型型の発泡粒子導入口を閉鎖するためのピス
トンが前進している間に、ピストンの後方の隙間に発泡
粒子が滞留する虞れがあり、ピストン後方の隙間に滞留
した発泡粒子によってピストンの後退が妨げられ、次の
成型を行う際に発泡粒子の型内への充填が充分に行えな
かったりする虞れがあった。
【0005】また、上記の方法では、と比較して充
填密度の高い充填を行なうことはできるが、成型空間の
形状がやや複雑になると発泡粒子の充填不良等が生じ、
その結果、発泡粒子間に融着不良の生じた型内発泡成型
体や、収縮率の大きな型内発泡成型体が多く生産され易
く、不良品発生率が高まるという問題があった。
【0006】成型空間の形状が複雑であることによって
生じる上記した発泡粒子の充填不良は、成型型に充填機
を増設することである程度改良することができる場合も
あるが、充填機を増設するには、成型型に充填機取り付
け用の孔を新たに設けなければならない。しかしなが
ら、新たに設ける充填機取り付け用の孔の位置によって
は、成型型の強度が著しく低下する虞れがあったり、充
填機を増設すると得られた成型体の表面に充填機先端形
状の転写跡の数が増えて外観を低下させるという問題が
あり、いずれも望ましいものではない。また、充填機を
増設すること自体が不可能な場合もあった。即ち、充填
機を増設しようとする箇所が、成型体表面に導入口跡が
残ってはならないような箇所であったり、成型装置の配
管などの存在により充填機の設置ができないという場合
もあった。結局、充填機の増設は好ましい解決手段とは
なり得なかった。
【0007】更に、上記の方法では、ホッパー内で加
圧下におかれていた発泡粒子は、充填時にホッパー内よ
りも低い圧力下に晒されるため、ホッパー内や、その出
口或いは配管内等において発泡粒子に体積膨張が生じ、
膨張した発泡粒子が配管内等にに詰まり易いという問題
があった。そして、配管内等に発泡粒子が詰まると、成
型型内への発泡粒子の充填不良が生じるという問題があ
った。また、ホッパー内は加圧されているため、充填完
了後に余剰の発泡粒子を効率良くブローバックすること
ができないという問題があった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、従来の欠点を解消し、充填不良に伴う成型不良を確
実に低減できる、型内発泡成型体の製造装置を提供する
ことを目的とする。また本発明は、この型内発泡成型体
の製造装置に発泡粒子を効果的に充填することのでき
る、発泡粒子移送補助部材を提供することを目的とす
る。更にまた本発明は、上記型内発泡成型体の製造装置
を用いた型内発泡成型体の製造方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の型内発泡成型体
の製造装置は、発泡粒子供給口と成型型に向かって開口
した圧縮エアー噴出口とを有する発泡粒子充填機が成型
型に取り付けられており、前記圧縮エアー噴出口から圧
縮エアーを噴出させることにより、ホッパー内に収容さ
れた発泡粒子を、前記発泡粒子供給口を経て成型型内に
充填した後、加熱して発泡粒子を発泡させ、次いで冷却
することにより型内発泡成型体を製造する製造装置にお
いて、前記ホッパーと前記発泡粒子供給口を結ぶ発泡粒
子供給経路上に、発泡粒子充填側に向かって開口する圧
縮エアー排出口を装備してなることを特徴とする。本発
明の製造装置における圧縮エアー排出口は、発泡粒子が
流通できる貫通孔と、該貫通孔に連通しかつ圧縮エアー
を上記貫通孔の延長方向の一方に向けて供給できるよう
に上記貫通孔内に開口した開口部を有する通気孔とを備
えた発泡粒子移送補助部材を、開口部から供給される圧
縮エアーの方向が充填機側となるように、ホッパーと発
泡粒子供給口を結ぶ発泡粒子供給経路上の発泡粒子移送
配管に連結することによって形成することができる。ま
た圧縮エアー排出口はホッパー出口付近に設けることが
好ましい。更に圧縮エアー排出口は、ホッパーと発泡粒
子供給口を結ぶ発泡粒子供給経路上に、複数形成するこ
ともできる。また、圧縮エアー排出口のホッパー側開口
縁部及びその付近は、発泡粒子供給経路の外周方向に向
かってやや落とし込んだ形状に形成され、且つ落とし込
み開始部分が曲面状に滑らかに形成されていることが好
ましい。
【0010】また本発明の発泡粒子移送補助部材は、発
泡粒子が流通できる貫通孔と、貫通孔内の発泡粒子の移
送を補助するための圧縮エアーを貫通孔に供給するため
の、貫通孔と連通した通気孔とを有し、且つ、通気孔の
貫通孔内における開口部が、圧縮エアーを上記貫通孔の
延長方向の一方に向けて供給できるように開口している
ことを特徴とする。この補助部材における通気孔の開口
部によって形成される圧縮エアー排出口は、ホッパー側
開口縁部及びその付近が、発泡粒子移送補助部材の外周
方向に向かってやや落とし込んだ形状に形成され、且つ
落とし込み開始部分が曲面状に滑らかに形成されている
ことが好ましい。
【0011】本発明の型内発泡成型体の製造方法は、発
泡粒子供給口と成型型に向かって開口した圧縮エアー噴
出口とを有する発泡粒子充填機が取り付けられてなる成
型型を用い、前記圧縮エアー噴出口から圧縮エアーを所
定時間噴出させてホッパー内に収容された発泡粒子を、
前記発泡粒子供給口を経て成型型内に導入した後、圧縮
エアー噴出口からの圧縮エアーの噴出を続けたまま充填
機のピストンを前進させて成型型の発泡粒子導入口を閉
鎖し、成型型内に充填された発泡粒子を加熱して発泡さ
せ、次いで冷却することにより型内発泡成型体を製造す
る方法において、発泡粒子を成型型内に充填する際に、
前記ホッパーと前記発泡粒子供給口を結ぶ発泡粒子供給
経路上に設けられた圧縮エアー排出口をから発泡粒子充
填側に向かう圧縮エアーを供給することを特徴とする。
本発明方法において、圧縮エアー排出口からの発泡粒子
供給経路途上への圧縮エアーの供給時期は、圧縮エアー
噴出口から圧縮エアーを噴出させた時点乃至は圧縮エア
ーの噴出のための圧縮エアーの供給開始時点を開始点と
し、充填機のピストンの前進を開始する時点と同時かそ
れよりも手前を終了点とすることが好ましく、特に圧縮
エアー噴出口から圧縮エアーを噴出させた時点乃至は圧
縮エアーの噴出のための圧縮エアーの供給開始時点を開
始点とし、充填機のピストンの前進を開始する直前を終
了点とすることが好ましい。また圧縮エアー噴出口側の
圧縮エアー圧力を1〜10kg/cm2 Gに維持し、圧
縮エアー排出口側の圧縮エアー圧力を、圧縮エアー噴出
口側の圧縮エアー圧力の30〜95%に維持することが
好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の型内発泡成型体の
製造装置について、図面に基づき詳細に説明する。図1
は本発明の型内発泡成型体の製造装置におけるホッパ
ー、発泡粒子充填機、成型型、それらに連結されたエア
ー配管及びその周辺機器を示す略図である。成型型付近
は拡大して示してある。図1において、圧縮エアー排出
口11を含むその周辺(二点鎖線の円の範囲)の拡大図
を図中矢印の先に示す。
【0013】図中、1は発泡粒子の充填機、2は充填機
1のピストン、3は充填機1の発泡粒子供給口、4は充
填機の圧縮エアー噴出口、5は成型型、6は充填機の取
り付け孔であって、成型型5への発泡粒子導入口であ
る。また、7はホッパー、8はホッパーの発泡粒子出口
孔、9は該発泡粒子出口孔8を開閉可能とするシャッタ
ー、10は発泡粒子供給経路となる配管である。更に、
11は発泡粒子供給経路途上に設けられた圧縮エアー排
出口、12は前記圧縮エアー噴出口4に向けて圧縮エア
ーを供給するエアー供給装置、13は発泡粒子供給経路
途上に設けられた圧縮エアー排出口11に向けて圧縮エ
アーを供給するエアー供給装置、14、15は圧縮エア
ー供給用配管である。
【0014】圧縮エアー供給装置12、13は、図示し
ない圧縮エアー発生装置、電磁弁、調圧弁、ヘッダー
と、それらをこの順で繋ぐ空気配管で通常構成されてい
る。供給装置12のヘッダーと充填機1とは空気配管1
4で連結されている。また、供給装置13のヘッダーと
圧縮エアー排出口11とは空気配管15で連結されてい
る。尚、エアー供給装置12、13における圧縮エアー
発生装置は共用にしても良い。
【0015】図1に示すように、発泡粒子供給口3と成
型型5に向かって開口した圧縮エアー噴出口4とを有す
る発泡粒子充填機1は、そのピストン2の先端が成型型
5の発泡粒子導入口6を閉鎖できるように成型型5に取
り付けられている。前記圧縮エアー噴出口4は、圧縮エ
アーを噴出させることによって空気の流れを作り、この
流れにのせてホッパー7内の発泡粒子を、前記発泡粒子
供給口3を経て成型型5内に充填するように構成されて
いる。成型型5内に充填された発泡粒子は加熱された
後、冷却されて型内発泡成型体が得られるが、このよう
な型内発泡成型体の製造装置は、従来公知のものであ
る。本発明はこのような従来公知の製造装置において、
前記ホッパー7と前記発泡粒子供給口3とを結ぶ発泡粒
子供給経路に、発泡粒子充填側に向かって開口する圧縮
エアー排出口11を装備したことを特徴とするものであ
る。
【0016】尚、発泡粒子供給経路とは、具体的には、
ホッパー7の発泡粒子出口孔8の近辺、配管10及び充
填機1の発泡粒子供給口3の近辺などをいう。
【0017】上記圧縮エアー排出口11は、発泡粒子供
給経路上に複数設けられていてもよい。また、圧縮エア
ー排出口11の開口形状・構造は、図1に示す態様に限
られず如何なる形状・構造であってもよい。具体的には
例えば、図2(a)に示すような、発泡粒子供給配管1
0の内周面に沿った断面環状(円環、楕円環など形状を
問わずリング状)、図2(b)に示すような、発泡粒子
供給経路の内周面に沿って複数の円管が並列した態様、
図2(c)に示すような、1個の円管が設けられた態様
等が挙げられる。尚、図2の(a)、(b)、(c)の
各図中、左側の図が発泡粒子供給経路に沿う中央縦断面
図であり、右方向が発泡粒子充填機1側となる。また、
各図の右側の図は上記各左側の図のA−A線に沿う断面
図である。
【0018】本発明の製造装置は、以下の一連の動作を
自動的に行なうことができるようにプログラミングされ
た制御装置を備えているか、或いはそのような制御装置
を装備可能に構成されているのが好ましい。この制御装
置は、製造装置の各部分の作動周期等を外部から入力し
て設定できるようになっている。作動周期等の条件の設
定は、制御装置に設けられた入力ボタンを操作すること
で行なえるようになっていても、或いは磁気カードなど
を用いて行なうことができるようになっていてもよい。
この制御装置を型内発泡成型体の製造装置に電気的に繋
げ、型内発泡成型体の製造装置の各部の作動のタイミン
グ、時間、距離等を自在に制御して、発泡粒子充填時の
圧縮エアーの圧力、発泡粒子の流量、充填密度、充填に
要する時間、ブローバックに要する時間等の条件を自在
に制御するようにする。
【0019】通常、製造装置の各部の動作が、以下の手
順に沿って一連に行なわれ、この一連のサイクルが繰り
返し行なわれるようにプログラミングされる。各部の動
作の開始時期、終了時期、及び動作の継続時間などの時
間的条件は、細かい設定が可能なように構成されてい
る。 (1)成型型5を閉じる。尚、完全に閉じる場合と僅か
な隙間(クラッキング)を残して閉じる場合とがある。 (2)充填機1のピストン2を後退させる。 (3)圧縮エアーを充填機1に供給し、圧縮エアー噴出
口4からの圧縮エアーの噴出を開始し、発泡粒子供給経
路内を負圧にすると共に空気の流れを作る。 (4)圧縮エアーを圧縮エアー排出口11に供給し、圧
縮エアー排出口11から発泡粒子供給経路途上に、発泡
粒子供給口3に向けて圧縮エアーを供給する。 (5)ホッパー7の発泡粒子出口孔8付近に設けられた
出口開閉シャッター9を閉鎖の状態から開放の状態に
し、ホッパー7内の発泡粒子を配管10内に、吸引作用
を利用して導き入れ、充填機1の圧縮エアー噴出口4か
ら先の成型型5内へは空気の流れに載せて導き入れる。 (6)圧縮エアー排出口11から発泡粒子供給経路途上
への圧縮エアーの供給を止める。 (7)充填機1のピストン2を前進させて、成型型5の
発泡粒子導入口6を閉鎖し、発泡粒子の充填を完了す
る。 (8)圧縮エアー噴出口4からの圧縮エアーの噴出を所
定時間続け、発泡粒子のブローバックを行なう。 (9)ホッパーのシャッター9を閉鎖し、その直後に圧
縮エアー噴出口4からの圧縮エアーの噴出を止め、ブロ
ーバックを完了する。 (10)上記(1)で成型型5を僅かな隙間を残して閉
じた場合には、成型型5を完全に閉じる。 (11)成型型5内の発泡粒子を加熱後、冷却して発泡
成型体を得る。 (12)成型型5を開き、発泡成型体を取り出す。
【0020】以上、上記した(1)〜(12)の一連の
動作を1サイクルとし、このサイクルを繰り返し行なう
ことで連続的に一定周期で発泡成型体を製造する。
【0021】連続する工程相互のタイミングは以下の通
りである。上記(2)は、発泡粒子の充填開始前であれ
ば成型型5を閉じる前であっても構わないが、通常は上
記(1)と同時に進行する。上記(3)と(4)におけ
る圧縮エアーの供給開始時期は略同時であることが好ま
しい。上記(5)におけるシャッター9の開放は、上記
(3)と(4)における圧縮エアーの供給開始時期と同
時か又は上記(3)と(4)における圧縮エアー供給開
始時期よりも僅かに遅れて開始されることが好ましい。
上記(6)は成型型5内へ発泡粒子が均一な適当密度で
満杯に充填された後に行なわれる必要があり、また、充
填機1のピストン2を前進させる直前に行なわれるよう
にするのが好ましい。上記(7)は(6)における圧縮
エアー排出口11からの圧縮エアーの供給を止めた直後
に行なわれるようにするのが好ましい。上記(9)は
(8)における発泡粒子のブローバック操作を所定時間
行なって発泡粒子が配管10内からホッパー7内に完全
に戻された後に行なわれるようにする。上記(10)
は、(9)の次工程のみならず、(8)の開始から
(9)の完了までの間に同時進行で行なうようにするこ
とが好ましい。
【0022】本発明においては、圧縮エアー排出口11
は、図3、図4に示すような発泡粒子移送補助部材(以
下、単に補助部材と呼ぶ。)16を発泡粒子供給経路に
取り付けることにより形成するようにしても良い。図4
は図3の補助部材16のA−A線切断断面図である。上
記補助部材16は、発泡粒子が流通できる貫通孔17
と、該貫通孔17に連通し、圧縮エアーを貫通孔17の
延長方向の一方に向けて排出できるように、貫通孔17
内に開口した開口部18を有する通気孔19とを備え、
上記貫通孔17が発泡粒子流通経路となり、上記通気孔
19の開口部18が圧縮エアー排出口11となるように
構成されたものである。
【0023】通気孔19から貫通孔17に供給される圧
縮エアーが、貫通孔17の延長方向の一方に向かって排
出されるように、通気孔19の開口部18付近は、通
常、傾斜して形成されている。通気孔19には圧縮エア
ー供給用の配管を連結し易いように、雌ねじ42が形成
されている。
【0024】図4では、開口部18を貫通孔17の内壁
に沿った断面円環状に構成した例を示したが、補助部材
16における開口部18は、図4に示す態様に限られ
ず、前記したような圧縮エアー排出口11として可能な
種々の形状、構造とすることができる。補助部材16の
貫通孔17に沿う両端部には、雄ねじ40と雌ねじ41
が各々形成されており、配管10の途中などに設ける際
に配管との連結が容易となるようになっている。
【0025】上記補助部材16は、ホッパー7と発泡粒
子供給口3とを結ぶ例えば発泡粒子供給配管10途中
に、補助部材16の開口部18から貫通孔17への圧縮
エアー排出方向が、発泡粒子供給方向と一致するように
連結し、且つ通気孔19に圧縮エアー供給用配管を連結
する。しかして、発泡粒子供給経路途上に、発泡粒子充
填側に向かって開口する圧縮エアー排出口11が形成さ
れる。このような補助部材16を用いて圧縮エアー排出
口11を形成した場合、発泡粒子が発泡粒子供給配管1
0内等に詰まる等のトラブルが生じても、補助部材16
の取り付け、取り外しが容易であるため、詰まった発泡
粒子の除去が容易となる。しかも、新しい構造の配管を
敷設する必要がなく、既に設置されている配管の途中を
分断してその間に補助部材16を取り付ければよいの
で、既存の装置も簡単に改造することができる。また、
補助部材16は簡単に製造できる。
【0026】上記補助部材16は、一体構造のものとし
て製造されたものでもよいが、2つ以上の部材を組み合
わせて構成されたものであっても良い。例えば図5〜図
7に示すように、第一部材20と、これと嵌合可能な第
二部材21とから構成することができる。図6は図5の
A−A線に沿う縦断面図、図7は図5に示す第一部材2
0と第二部材21とを嵌着して一体化させた状態を示す
縦断面図である。
【0027】第一部材20は、円筒状管体22の外周に
鍔体23が設けられて構成されている。第一部材20の
管体22の一方の開口端24付近の肉厚は、開口端24
側に向かって漸次薄肉となるように形成されている。ま
た、鍔体23の開口端24側の基部には、肉厚部27が
形成されている。鍔体23には該鍔体23を鍔の厚み方
向に貫通するビス孔28が設けられている。
【0028】第二部材21は、第一部材20の管体22
の肉厚部27から開口端24までの間の部分29が挿入
されるとともに、肉厚部27が嵌合可能に構成された円
筒状管体30が用いられている。該管体30は、図7に
示すように、第一部材20の管体22を嵌入した時に、
管体22の開口端24の位置よりも先方の所定範囲の部
分31の内周壁32が、管体22の内周壁25と略同一
延長線上に位置するように該部分31の肉厚が厚くなっ
ている。また、第一部材20の管体22を嵌入した状態
において、第二部材21の、管体22の開口端24付近
の漸次薄肉になっている部分と対応する部分33の内周
壁34と、管体22の先端及び該先端付近の外周壁26
との間に所定間隔の隙間G1 が形成されるように、第二
部材21の上記肉厚に形成された部分31から、管体2
2の肉薄部分と対応する部分33に漸次薄肉となるよう
に形成されている。
【0029】第一部材20と第二部材21とを嵌着せし
めた際に、第一部材20の肉厚部27と開口端24との
間の部分と対応する部分35の所定位置には、管体30
の内外壁を貫通する圧縮エアー導入孔36が第二部材2
1に設けられており、該導入孔36には雌ねじ42が切
ってあり、圧縮エアー供給配管の先端をねじ込めるよう
になっている。上記部分35の圧縮エアー導入孔36か
ら前記部分33までの間においても、第二部材21の内
周壁34と、第一部材20の管体22の外周壁26との
間に、所定間隔の隙間G2 が形成されるようになってい
る。圧縮エアー導入孔36は隙間G2 と連通しており、
隙間G2 は隙間G1 と連通している。また隙間G1 は管
体30の内空部37と連通し、管体30の内空部37と
管体22の内空部38も連通するようになっている。隙
間G1 、G2 は0.1〜0.5mmが好ましく、更に好
ましくは0.2〜0.4mmである。
【0030】管体30にも、図5に示すように管の方向
に沿って貫通するビス孔39が設けられており、このビ
ス孔39は第一部材20の鍔体23に設けられたビス孔
28と対応位置にある。
【0031】上記のように構成された第一部材20と第
二部材21とを嵌合させ、ビス孔28と39とを重ね合
わせてビスを通して図7に示すように連結一体化させる
ことにより、前記した補助部材16が形成される。開口
部18は管体22の開口端24における外周壁26と、
その周囲に位置する管体30の内周壁32と、内周壁3
4の境界部との間に形成される。該開口部18の隙間は
上記G1 に相当する。上記した如き補助部材16は、比
較的複雑な形状を有するものであるが、優れた発泡粒子
充填効果をあげることができるので有効である。このよ
うに、補助部材16を2以上の部材の組み合わせとして
構成することにより、比較的複雑な形状のものでも容易
に製造できるという利点がある。
【0032】図1、図2に示されるように、圧縮エアー
排出口11の先端が、配管10内に突出していると、ブ
ローバック時に、発泡粒子の移送が妨げられて効率的な
ブローバックが行なえない虞れがあったり、発泡粒子が
上記突出部分(図2中、aで示す)に勢いよく接触する
と発泡粒子が破損したりする虞れがある。従って、圧縮
エアー排出口11を発泡粒子供給配管10内に突出した
状態で設けることは、可能な限り避けることが望まし
い。
【0033】また、圧縮エアー排出口11の先端部分が
配管10内へ突出しないように、図2の二点鎖線に沿っ
た位置に圧縮エアー排出口11の開口縁部が位置するよ
うに構成した場合(この場合の開口縁部を図中、bで示
す)、ブローバック時に発泡粒子の移送を妨げることは
ないが、発泡粒子の破損の虞れがある。即ち、空気配管
15は配管10に対して通常斜め方向から侵入乃至接合
する形で設けられ、空気配管15の空気通路又はその延
長上の空気通路cは配管10の発泡粒子通路dに斜めに
交わるように構成されるが、このような態様において、
通常、圧縮エアー排出口11の開口縁部bのホッパー側
部分eは鋭く形成される。つまり、圧縮エアー排出口1
1は、鋭利な刃物の刃先のような開口縁部eを充填機側
に向けて持った形となる。そのため、ブローバック時に
発泡粒子が上記ホッパー側開口縁部eに勢いよく接触し
た場合に発泡粒子が破損する虞れがある。
【0034】これに対し、図3〜図7に示すような補助
部材16では、圧縮エアー排出口11のホッパー側開口
縁部及びその付近が、補助部材16の外側方向に向かっ
てやや落とし込んだ形状に形成され、且つ落とし込み開
始部分が曲面状に滑らかに形成されているので、上記し
た発泡粒子の破損の虞れはなくなる。更に、図3〜図7
に示すような圧縮エアー排出口11では、圧縮エアー排
出口の発泡粒子充填機側の開口縁部も曲面状に形成され
ているので、発泡粒子充填時に発泡粒子が損傷を受ける
虞れもない。
【0035】上記補助部材16は、複数個を連接できる
ように、図4、図7に示したように、貫通孔17の両端
側の端面に雄ねじ40と雌ねじ41とをそれぞれ設けて
おくのが好ましい。図8は、このように構成された同形
状の補助部材16の複数個を連結した態様を示す。この
ように複数個の補助部材を連結したものを、発泡粒子供
給経路上に設けて複数の圧縮エアー排出口を発泡粒子供
給経路途上に形成することにより、発泡粒子の移送を効
果的を向上することができる。
【0036】本発明においては、圧縮エアー排出口11
は、発泡粒子供給経路上であればどの位置に設けてもよ
い。図9〜図12は前記した補助部材16を用いて圧縮
エアー排出口11を設けた一例を示し、図9はホッパー
7と充填機1とを結ぶ配管10の途中に設けた例を、図
10は充填機1に接した位置に設けた例を、図11はホ
ッパー7に接した位置に設けた例を示す。また配管10
がホッパー7の内部にまで入り込んでいる場合は、図1
2に示すようにホッパー7の内部に位置するように設け
てもかまわない。このように圧縮エアー排出口11は、
発泡粒子供給経路上であれば、どのような位置に設けて
も良い。
【0037】しかしながら、本発明においては、前記圧
縮エアー噴出口11は、上記図11や図12に示される
ように、ホッパー7の出口付近に設けることが最も好ま
しい。この最も好ましい態様では、最も少ない圧縮エア
ー使用量で効率良く発泡粒子の移送を補助することがで
き、発泡粒子の成型型内への充填を効率良く充分且つ確
実に行なうことができるという利点がある。
【0038】次に、本発明の型内発泡成型体の製造方法
について説明する。本発明の型内発泡成型体の製造方法
は、例えば上記した如き補助部材16を、発泡粒子供給
経路上に、通気孔19の開口部18から圧縮エアーが発
泡粒子充填側(充填機1側)に向かって排出されるよう
に取り付け、上記開口部18を圧縮エアー排出口11と
した型内発泡成型体の製造装置を用いて成型を行うが、
発泡粒子を成型型内に充填するに際し、ホッパーから成
型型内への発泡粒子の充填を行なっている時間、或いは
発泡粒子の充填を行なっている時間内の所定時間、上記
圧縮エアー排出口11を通して、発泡粒子供給経路上に
発泡粒子充填側に向かう圧縮エアーを供給するものであ
る。
【0039】より具体的には、圧縮エアー供給装置12
から供給される圧縮エアーを、圧縮エアー噴出口4から
噴出しながら、乃至は圧縮エアーの噴出を行なっている
時間内の所定時間、圧縮エアー供給装置13から供給さ
れる圧縮エアーを圧縮エアー排出口11を通して発泡粒
子供給配管10内に供給し、発泡粒子供給経路内を負圧
にすると共に空気の流れを作る。次いでホッパーの発泡
粒子出口付近に設けられた出口開閉シャッターを閉鎖の
状態から開放状態にし、ホッパー内の発泡粒子を配管内
に、吸引作用を利用して導き入れる。
【0040】充填機1内に設けた圧縮エアー噴出口4か
ら圧縮エアーを噴出させることによって配管10内に生
じた負圧と空気の流れによって、ホッパー7内から発泡
粒子供給配管10内に導き入れられた発泡粒子は、充填
機1の発泡粒子供給口3側へと吸引され、充填機1を経
て成型型5内に充填される。
【0041】ホッパー7内は通常、大気圧下に置かれて
いるが、必要に応じて加圧しても構わない。ホッパー7
内を加圧する場合はその圧力が3.0kg/cm2 G以
下となるようにする。
【0042】成型型5内へ発泡粒子が均一な適当密度に
充填された後、充填機1のピストン2を前進させ、成型
型5の発泡粒子導入口6を閉鎖することにより、成型型
5内への発泡粒子の充填が終了する。この間、充填機1
の圧縮エアー噴出口4からの圧縮エアーの噴出は継続し
て行なわれている。本発明においては、発泡粒子充填の
際に、更に発泡粒子供給経路上に設けた圧縮エアー排出
口11から発泡粒子充填側へ向けて圧縮エアーを供給す
るので、発泡粒子は成型型5内に、均一で適当な充填密
度で満杯に充填される。発泡粒子が成型型5内に満杯に
充填されると、それより以上は充填されず、余剰の発泡
粒子は圧縮エアー噴出口4から噴出され続けている圧縮
エアーによって発泡粒子供給口3方向に戻される。この
時ピストン2が前進し、成型型5の発泡粒子導入口6を
閉鎖する。
【0043】成型型5の発泡粒子導入口6が閉鎖された
後も、引き続き充填機1内へ圧縮エアー噴出口4から圧
縮エアーを噴出させ、このエアーによって充填機1内の
余剰の発泡粒子をホッパー7に押し戻す。これをブロー
バックという。ブローバックは余剰の発泡粒子がホッパ
ー7に戻った後、ホッパー7のシャッター9を閉鎖する
ことで完了する。尚、圧縮エアー排出口11からの発泡
粒子供給配管10内への圧縮エアーの供給は、通常、充
填機1のピストン2が前進する前に終了させるが、これ
に限られない。ブローバックを完了させた後、成型型5
内に充填された発泡粒子を加熱して発泡させ、冷却して
発泡成型体が得られる。
【0044】以上説明した、圧縮エアー噴出口4からの
圧縮エアーの噴出と、圧縮エアー排出口11からの圧縮
エアーの排出と、ホッパー7のシャッター9の開閉動作
と、充填機1のピストン2の前進・後退の動作とのタイ
ミングの3例を、図13〜図15に示す。図13は上記
した例の場合のタイミングを示し、図14、図15は他
の例を示す。図の横軸は時間の経過を表す。
【0045】本発明においては、圧縮エアー排出口11
から圧縮エアーを排出させる時期と、圧縮エアー噴出口
4から圧縮エアーを噴出させる時期とを一致させ、ま
た、図13、図14に示したように、充填機1のピスト
ン2の前進を開始する時期と同時かそれよりも前に圧縮
エアー排出口11からの圧縮エアーの排出を終了するよ
うにすることが好ましい。このようにすると、圧縮エア
ー排出口11から配管10内へ供給される圧縮エアーを
無駄に使用することなく、効率よく目的を達成できる。
【0046】中でも、図13に示したように、圧縮エア
ー排出口11からの圧縮エアーの排出を、ピストン2の
前進が開始する直前に終了させるようにするのが好まし
い。このようにすると、上記の効果の他に成型サイクル
におけるロスタイムがなくなり、また発泡粒子のブロー
バックが妨げられる虞れが解消される等の利点がある。
【0047】また、本発明においては、圧縮エアー噴出
口4から噴出させる圧縮エアー圧力を1〜10kg/c
2 Gに維持し、圧縮エアー排出口11から排出させる
圧縮エアー圧力を、圧縮エアー噴出口4から噴出させる
圧縮エアー圧力の30〜95%に維持するのが好まし
い。上記圧力は、いずれも圧縮エアーを供給する供給装
置から供給する時の元圧としての値である。このように
すると、充填不良を生じることなく発泡粒子を成型型内
に充填することができ、充填不良に伴う成型不良を、よ
り一層確実に解消、或いは低減でき、安定した品質の成
型品を得ることができる。しかも、圧縮エアーを無駄に
使用することも防止できる。
【0048】
【実施例】次に、本発明の型内発泡成型体の製造方法を
具体的実施例により説明する。尚、以下の各実施例で用
いた製造装置は、図7に示した補助部材16を、図11
に示すように発泡粒子供給配管10のホッパー7の出口
に付近に装着した装置である。
【0049】実施例1、比較例1 発泡粒子としてエチレン成分4.0重量%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体樹脂粒子を架橋することな
く発泡させて得られた嵩密度0.015g/cm3 の発
泡粒子を用い、 4機の充填機を備えた成型型に、充填機
の圧縮エアー噴出口から噴出させる圧縮エアーの圧力を
7.0kg/cm2 Gに設定して充填し、目標サイズが
長さ910mm×幅263mm×厚み80mm(長手方
向の両端部各45mm部分は厚み60mm)の発泡成型
体を成型した。
【0050】実施例1は、発泡粒子供給時に、発泡粒子
供給配管に設けた圧縮エアー排出口から充填機側へ向か
って、圧力4.5kg/cm2 Gの圧縮エアーを排出さ
せた。圧縮エアーの排出時期は、充填機の圧縮エアー噴
出口から圧縮エアーを噴出させた時点から始まり、充填
機のピストンの前進を開始する時点(直前)迄とした。
【0051】このようにして製造した発泡成型体100
個を、製造後直ちに55℃に設定された大気圧下の養生
室に移し、該養生室内にて24時間養生し、更に養生室
から取り出して常温の大気圧下で24時間放置して養生
した後、発泡成型体の長さ、幅、厚みを測定した。上記
目標とするサイズを100%とした時、発泡成型体10
0個中の最小寸法は99.9%であり、最大寸法は10
0.3%であり、極めて高い寸法精度を達成した。
【0052】一方、比較例1は、実施例1と同じ成型
型、同じ充填機を備えた成型装置を用い、同じ発泡粒子
を圧縮エアー排出口から圧縮エアーを排出せずに成型型
内へ充填して成型した。このようにして製造した発泡成
型体100個を、上記実施例1と同様に養生室内で24
時間、常温の体気圧下の養生室外で24時間放置して養
生した後、同様にして発泡成型体のサイズを測定した。
上記成型体の目標サイズを100%とした時、発泡成型
体100個中の最小寸法は98.0%であり、最大寸法
は101.5%であり、実施例1に比べて劣った寸法精
度を示すに止まった。
【0053】実施例2、比較例2 発泡粒子として密度0.925g/cm3 の直鎖状低密
度ポリエチレン樹脂粒子を架橋することなく発泡させて
得られた嵩密度0.024g/cm3 の発泡粒子を用
い、4機の充填機を備えた成型型に、充填機の圧縮エア
ー噴出口から噴出させる圧縮エアーの圧力を7.0kg
/cm2 Gとして充填し、目標サイズが直径700mm
×高さ900mmの略円柱状成型体を成型した。
【0054】実施例2は、発泡粒子供給時に、発泡粒子
供給配管に設けた圧縮エアー排出口から充填機側に向か
って、圧力5.5kg/cm2 Gの圧縮エアーを排出さ
せた。圧縮エアーの排出時期は、充填機の圧縮エアー噴
出口から圧縮エアーを噴出させた時点から始まり、充填
機のピストンの前進を開始する時点(直前)迄とした。
【0055】このようにして製造した発泡成型体100
個を、製造後直ちに80℃に設定された大気圧下の養生
室に移し、該養生室内にて24時間養生した後、養生室
から取り出して常温の大気圧下で24時間放置した後、
発泡成型体の直径、高さを測定した。上記成型体の目標
とするサイズを100%とした時、発泡成型体100個
中の最小寸法は99.6%であり、最大寸法は100.
5%であり、極めて高い寸法精度を達成した。
【0056】一方、比較例2は、実施例2と同じ成型
型、同じ充填機を備えた成型装置を用い、同じ発泡粒子
を圧縮エアー排出口から圧縮エアーを排出せずに成型型
内へ充填して成型した。このようにして製造した発泡成
型体100個を、上記実施例2と同様にして養生した
後、同様にして発泡成型体のサイズを測定した。上記目
標とするサイズを100%とした時、発泡成型体100
個中の最小寸法は96.8%であり、最大寸法は10
1.0%であり、実施例2に比べて劣った寸法精度を示
すに止まった。
【0057】実施例3、比較例3 発泡粒子として密度0.923g/cm3 の分岐低密度
ポリエチレン樹脂粒子をゲル分率53重量%に架橋した
後に発泡させて得られた嵩密度0.035g/cm3
発泡粒子を用い、この発泡粒子を1機の充填機を備えた
金型に、充填機の圧縮エアー噴出口から噴出させる圧縮
エアーの圧力を7.0kg/cm2 Gとして充填し、目
標サイズが長さ360mm×幅110mm×厚み10m
m(幅方向両端部に高さ20mm、幅10mmの立ち上
がり壁有り)の発泡成型体を成型した。
【0058】実施例3は、発泡粒子供給時に、発泡粒子
供配管に設けた圧縮エアー排出口から充填機側に向かっ
て、圧力4.0kg/cm2 Gの圧縮エアーを排出させ
た。圧縮エアーの排出時期は、充填機の圧縮エアー噴出
口から圧縮エアーを噴出させた時点から始まり、充填機
のピストンの前進を開始する時点(直前)迄とした。成
型後に得られた発泡成型体の立ち上がり壁部分の発泡粒
子欠けによる不良品発生率は0.3%であった。
【0059】一方、比較例3は、圧縮エアー排出口から
圧縮エアーを排出せずに成型型内へ発泡粒子の充填を行
ない、成型した。成型後に得られた発泡成型体の立ち上
がり壁部分の発泡粒子欠けによる不良品発生率は19.
6%であった。
【0060】実施例4、比較例4 発泡粒子として密度0.923g/cm3 の分岐低密度
ポリエチレン樹脂粒子をゲル分率53重量%に架橋した
後に発泡させて得られた嵩密度0.035g/cm3
発泡粒子を用い、この発泡粒子を充填機の圧縮エアー噴
出口から噴出させる圧縮エアーの圧力を7.0kg/c
2 Gとして成型型に充填し、目標サイズが長さ700
mm×幅700mm×厚み200mm(部分的に高さ2
0mm、幅12mmの立ち上がり壁有り)の発泡成型体
を成型した。
【0061】実施例4は、発泡粒子供給時に、発泡粒子
供給配管に設けた圧縮エアー排出口から充填機側に向か
って圧力6.0kg/cm2 Gの圧縮エアーを排出させ
た。圧縮エアーの排出時期は、充填機の圧縮エアー噴出
口から圧縮エアーを噴出させた時点から始まり、充填機
のピストンの前進を開始する時点(直前)迄とした。1
金型(成型品1個)当たりに取り付ける充填機の数を変
えて成型し、得られた発泡成型体の立ち上がり壁部分の
発泡粒子欠けによる不良品発生率を0.5%以内とする
ために必要な充填機の数を調べたところ、1金型当たり
4機の充填機が必要であった。
【0062】一方、比較例4は、圧縮エアー排出口から
排出エアーを排出せずに成型型内へ発泡粒子の充填を行
なって成型した。1金型(成型品1個)当たりに取り付
ける充填機の数を変えて成型し、得られた発泡成型体の
立ち上がり壁部分の発泡粒子欠けによる不良品発生率を
0.5%以内とするために必要な充填機の数を調べたと
ころ、1金型当たり11機の充填機が必要であった。
【0063】
【発明の効果】本発明の型内発泡成型体の製造装置は以
上のように構成されているので、成型型に発泡粒子を充
填する際、外部から発泡粒子供給経路に圧縮エアーを供
給するだけで発泡粒子の充填率を向上でき、その結果、
成型不良を大幅に低減することができる。
【0064】また、本発明の型内発泡成型体の製造方法
によれば、発泡粒子を成型型内へ充填不良なく充填する
ことができるので、成型体の欠けや、成型後の成型体の
収縮の問題を解消し、寸法精度の優れた発泡成型体を得
ることができる。従って、成型体の欠けや、収縮・変形
などによる寸法精度悪化等の成型不良を大幅に低減する
ことができる。更に、充填機を増設することなく充填率
を大幅に向上できるので、成型体表面に形成される充填
機先端形状の転写跡の数が増えて成型体の外観を低下さ
せるという問題も解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型内発泡成型体の製造装置の例を示す
概念図である。
【図2】本発明の製造装置における圧縮エアー排出口の
態様を示す図である。
【図3】圧縮エアー排出口を形成するために用いる発泡
粒子移送補助部材の一例の斜視図である。
【図4】図3のA−A線切断断面図である。
【図5】圧縮エアー排出口を形成するために用いる発泡
粒子移送補助部材を2部材で構成した例を示す分解斜視
図である。
【図6】図5のA−A線切断断面図である。
【図7】図5示す補助部材を連結一体化させた状態を示
す縦断面図である。
【図8】補助部材の複数個を連結一体化させた状態を示
す縦断面図である。
【図9】補助部材を発泡粒子供給配管に接続して圧縮エ
アー排出口を形成する例を示す縦断面図である。
【図10】補助部材を発泡粒子供給配管に接続して圧縮
エアー排出口を形成する他の例を示す縦断面図である。
【図11】補助部材を発泡粒子供給配管に接続して圧縮
エアー排出口を形成する他の例を示す縦断面図である。
【図12】補助部材を発泡粒子供給配管に接続して圧縮
エアー排出口を形成する他の例を示す縦断面図である。
【図13】圧縮エアーの噴出と排出、及びピストンの前
進のタイミングの例について説明するための説明図であ
る。
【図14】圧縮エアーの噴出と排出、及びピストンの前
進のタイミングの別の例について説明するための説明図
である。
【図15】圧縮エアーの噴出と排出、及びピストンの前
進のタイミングの更に別の例について説明するための説
明図である。
【符号の説明】
1 充填機 2 ピストン 3 発泡粒子供給口 4 圧縮エアー噴出口 5 成型型 6 発泡粒子導入口 7 ホッパー 8 発泡粒子出口孔 9 シャッター 10 発泡粒子供給配管 11 圧縮エアー排出口 16 発泡粒子移送補助部材 17 貫通孔 18 開口部 19 通気孔 20 第一部材 21 第二部材 36 圧縮エアー導入孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 秀夫 栃木県鹿沼市千渡1877−2

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡粒子供給口と成型型に向かって開口
    した圧縮エアー噴出口とを有する発泡粒子充填機が成型
    型に取り付けられており、前記圧縮エアー噴出口から圧
    縮エアーを噴出させることにより、ホッパー内に収容さ
    れた発泡粒子を、前記発泡粒子供給口を経て成型型内に
    充填した後、加熱して発泡粒子を発泡させ、次いで冷却
    することにより型内発泡成型体を製造する製造装置にお
    いて、前記ホッパーと前記発泡粒子供給口を結ぶ発泡粒
    子供給経路上に、発泡粒子充填側に向かって開口する圧
    縮エアー排出口を装備してなることを特徴とする型内発
    泡成型体の製造装置。
  2. 【請求項2】 発泡粒子が流通できる貫通孔と、該貫通
    孔に連通しかつ圧縮エアーを上記貫通孔の延長方向の一
    方に向けて供給できるように上記貫通孔内に開口した開
    口部を有する通気孔とを備えた発泡粒子移送補助部材
    を、開口部から供給される圧縮エアーの方向が充填機側
    となるように、ホッパーと発泡粒子供給口を結ぶ発泡粒
    子供給経路上の発泡粒子移送配管に連結して圧縮エアー
    排出口を形成したことを特徴とする請求項1記載の型内
    発泡成型体の製造装置。
  3. 【請求項3】 圧縮エアー排出口をホッパー出口付近に
    設ける請求項1記載の型内発泡成型体の製造装置。
  4. 【請求項4】 ホッパーと発泡粒子供給口を結ぶ発泡粒
    子供給経路上に、複数の圧縮エアー排出口を設けた請求
    項1記載の型内発泡成型体の製造装置。
  5. 【請求項5】 圧縮エアー排出口のホッパー側開口縁部
    及びその付近が、発泡粒子供給経路の外周方向に向かっ
    てやや落とし込んだ形状に形成され、且つ落とし込み開
    始部分が曲面状に滑らかに形成されている請求項1記載
    の型内発泡成型体の製造装置。
  6. 【請求項6】 発泡粒子が流通できる貫通孔と、貫通孔
    内の発泡粒子の移送を補助するための圧縮エアーを貫通
    孔に供給するための、貫通孔と連通した通気孔とを有
    し、且つ、通気孔の貫通孔内における開口部が、圧縮エ
    アーを上記貫通孔の延長方向の一方に向けて供給できる
    ように開口していることを特徴とする発泡粒子移送補助
    部材。
  7. 【請求項7】 通気孔の開口部によって形成される圧縮
    エアー排出口のホッパー側開口縁部及びその付近が、発
    泡粒子移送補助部材の外周方向に向かってやや落とし込
    んだ形状に形成され、且つ落とし込み開始部分が曲面状
    に滑らかに形成されている請求項6記載の発泡粒子移送
    補助部材。
  8. 【請求項8】 発泡粒子供給口と成型型に向かって開口
    した圧縮エアー噴出口とを有する発泡粒子充填機が取り
    付けられてなる成型型を用い、前記圧縮エアー噴出口か
    ら圧縮エアーを所定時間噴出させてホッパー内に収容さ
    れた発泡粒子を、前記発泡粒子供給口を経て成型型内に
    導入した後、圧縮エアー噴出口からの圧縮エアーの噴出
    を続けたまま充填機のピストンを前進させて成型型の発
    泡粒子導入口を閉鎖し、成型型内に充填された発泡粒子
    を加熱して発泡させ、次いで冷却することにより型内発
    泡成型体を製造する方法において、発泡粒子を成型型内
    に充填する際に、前記ホッパーと前記発泡粒子供給口を
    結ぶ発泡粒子供給経路上に設けられた圧縮エアー排出口
    から発泡粒子充填側に向かう圧縮エアーを供給すること
    を特徴とする型内発泡成型体の製造方法。
  9. 【請求項9】 圧縮エアー排出口からの発泡粒子供給経
    路途上への圧縮エアーの供給時期が、圧縮エアー噴出口
    から圧縮エアーを噴出させた時点乃至は圧縮エアーの噴
    出のための圧縮エアーの供給開始時点を開始点とし、充
    填機のピストンの前進を開始する時点と同時かそれより
    も手前を終了点とする請求項8記載の型内発泡成型体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 圧縮エアー排出口からの発泡粒子供給
    経路途上への圧縮エアーの供給時期が、圧縮エアー噴出
    口から圧縮エアーを噴出させた時点乃至は圧縮エアーの
    噴出のための圧縮エアーの供給開始時点を開始点とし、
    充填機のピストンの前進を開始する直前を終了点とする
    請求項8記載の型内発泡成型体の製造方法。
  11. 【請求項11】 圧縮エアー噴出口側の圧縮エアー圧力
    を1〜10kg/cm2 Gに維持し、圧縮エアー排出口
    側の圧縮エアー圧力を、圧縮エアー噴出口側の圧縮エア
    ー圧力の30〜95%に維持する請求項8記載の型内発
    泡成型体の製造方法。
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