JPH1170535A - セルロース系成形体の製造方法 - Google Patents

セルロース系成形体の製造方法

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JPH1170535A
JPH1170535A JP23270397A JP23270397A JPH1170535A JP H1170535 A JPH1170535 A JP H1170535A JP 23270397 A JP23270397 A JP 23270397A JP 23270397 A JP23270397 A JP 23270397A JP H1170535 A JPH1170535 A JP H1170535A
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JP
Japan
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powder
cellulose
cellulosic
molding
thermoplastic resin
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JP23270397A
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English (en)
Inventor
Takayoshi Ueno
貴由 上野
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルマリンを使用しないで、セルロース系粉
体を多量に含有したセルロース系成形体を良好に製造す
る方法を提供する。 【解決手段】 セルロース系粉体と少なくとも一部の粒
子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを含
有する混合粉体を作製する混合工程、および前記混合粉
体を加熱圧縮成形する成形工程を含む製造方法。熱可塑
性樹脂粉体を結着剤として用いるので、比較的簡便な操
作で熱可塑性樹脂粉体をセルロース系粉体の周辺に均一
に分散させることが可能で、セルロース系粉体の含有量
が高くても熱可塑性樹脂粉体の結着剤としての効果が発
揮される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系粉体
から形成される成形体、例えば建材、家具などに用いら
れるボード、あるいは家電製品などに用いられる成形品
など、セルロース系成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、木材の高付加価値化や廃木材利用に
よる森林資源の保護の観点から、押出成形による木粉と
熱可塑性樹脂との複合化材料(モールドウッド)が検討
されてきた(例えば特開平7−266313号公報)。
一方、従来から、木材チップ、木材小片、木材繊維など
に熱硬化性樹脂を添加して圧縮成形して得られるパーテ
ィクルボードやファイバーボードがある。
【0003】廃木材利用による木材資源のリサイクルを
考えると、廃木材の含有率を高くしてその再利用を促進
することが望ましい。また、廃木材と合成樹脂との複合
化されたモールドウッドをさらにリサイクルするために
は、使用済みのモールドウッドを破砕し、これに結着剤
となる合成樹脂を新たに添加することでモールドウッド
に再生する方法が考えられる。この場合、モールドウッ
ドのリサイクルを繰り返すたびに、合成樹脂が新たに添
加され、木材成分の含有率が低下していく。このため、
最初にモールドウッドとして再生する場合には、できる
だけ木材成分の含有率を高くすることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】木材成分などを含むセ
ルロース系成分の含有率が高くなると、上記のような押
出成形では、セルロース系成分と熱可塑性樹脂からなる
原料の流れ性が悪くなり、良好な成形性を得ることが困
難になる。さらに、機能付与などの観点から厚み方向に
組成あるいは密度の異なるセルロース系成形体を製造す
るためには、従来の押出成形では成形装置や成形条件に
困難が伴う。一方、上記パーティクルボードやファイバ
ーボードでは、セルロース系成分の含有率を高くするこ
とはできるが、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂などを結着剤として用いているため、成形体中に残
留するホルマリンの人体への影響が問題となっている。
【0005】本発明は、ホルマリンを使用しないで、セ
ルロース系粉体を多量に含有したセルロース成形体の製
造方法を提供することを第1の目的とする。本発明は、
また厚み方向に組成あるいは密度の異なるセルロース系
成形体を容易に製造する方法を提供することを第2の目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のセルロース系成
形体の製造方法は、セルロース系粉体と少なくとも一部
の粒子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体と
を均一に分散した混合粉体を作製する混合工程、および
前記混合粉体を加熱圧縮成形する成形工程を含むことを
特徴とする。この方法によって、上記第1の目的を達成
することができる。また、本発明は、セルロース系粉体
と少なくとも一部の粒子径が50メッシュ以下である熱
可塑性樹脂粉体とを分散したセルロース系混合粉体を作
製する混合工程、および前記混合工程で作製した組成の
異なる複数のセルロース系混合粉体を厚み方向に重ねて
加熱圧縮成形する成形工程を含む製造方法により、厚み
方向に組成の異なるセルロース系成形体を得る。さら
に、本発明は、セルロース系粉体と少なくとも一部の粒
子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを均
一に分散したセルロース系混合粉体を作製する混合工
程、前記混合工程で作製した組成または密度の異なる複
数の各セルロース系混合粉体を加熱圧縮成形して板状セ
ルロース系成形体を形成する予備成形工程、および前記
予備成形工程により得られた組成または密度の異なる複
数の前記板状セルロース系成形体を重ねて加熱圧縮成形
する成形工程を含む方法により、厚み方向に組成または
密度の異なるセルロース系成形体を得る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のセルロース系成形体の製
造方法は、セルロース系粉体と少なくとも一部の粒子径
が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを含んで
均一に分散した混合粉体を作製する混合工程、および前
記混合粉体を加熱圧縮成形する成形工程を含むことを特
徴とする。本発明においては、熱可塑性樹脂粉体はセル
ロース系粉体を結着するために用いられる。この場合、
熱可塑性樹脂粉体の粒子径が50メッシュ以下、好まし
くは100メッシュ以下の細かい粉体を用いることによ
り、混合工程において比較的簡便な操作で熱可塑性樹脂
粉体をセルロース系粉体の周辺に均一に分散させること
が可能になるだけでなく、熱可塑性樹脂粉体の粒子数が
多くなり、セルロース系粉体の含有量が高く熱可塑性樹
脂粉体の量が少ない場合においても熱可塑性樹脂粉体の
結着剤としての効果が充分に発揮される。特に、セルロ
ース系粉体の平均粒径よりも小さい熱可塑性樹脂粉体を
用いることにより、熱可塑性樹脂粉体がセルロース系粉
体表面に対して、より均一に付着・分散するために、セ
ルロース系粉体の含有量が高くなった場合においても熱
可塑性樹脂粉体の結着剤としての効果が充分に発揮され
る。
【0008】本発明に用いるセルロース系粉体として
は、特に限定はないが、木材、バガス、亜麻がら、藁な
どからなる粉体を用いることができる。また、使用済み
の木材、パーティクルボード、ファイバーボード、ある
いは故紙を粉砕して再生材としたものも用いることがで
きる。特に、パーティクルボード、ファイバーボードの
再生の際には、残留しているホルマリン成分を乾燥操作
などにより除去しておくことが望ましい。セルロース系
粉体の形態、大きさについても特に限定はないが、パー
ティクルボードに一般的に用いられる小薄木片のような
比較的粗いものから、木材を微粉砕して得られる木粉や
ファイバーボードに用いられる植物繊維状の細かいもの
まで様々な形態で用いることができる。特に、粒径の小
さいセルロース系粉体を用いると、得られる成形体の強
度を向上させることができる。この場合、好ましくは2
0メッシュ以下のセルロース系粉体を用いると効果的で
ある。成形工程時にセルロース系系粉体から発生する水
分や木酸ガスなどの発生を抑制するために、セルロース
系粉体をあらかじめ乾燥しておくことも好ましい。セル
ロース系粉体の作製については、小薄木片のような比較
的粗いものを得る場合には、パーティクルボードの原料
チップを得る方法がそのまま適用できる。さらに微粉化
するためには、ピンミルなどの高速回転ミルタイプや石
臼タイプの粉砕機などを用いる必要がある。
【0009】本発明に用いる熱可塑性樹脂粉体として
は、成形温度が220℃以下である一般的な熱可塑性樹
脂を用いることができるが、成形時の熱によるセルロー
ス系粉体の着色や劣化を抑えるために、融点が180℃
以下である熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリアク
リル酸エステル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ブチラール樹脂、ポリエ
チレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、
ポリアミドなどを用いることができる。用いられる熱可
塑性樹脂の組成は単独でも可能であるが、適宜数種混合
して用いることができる。特に、熱可塑性樹脂としてポ
リアミドを用いたセルロース系成形物は、高い強度が得
られる。この理由は現在明らかではないが、ポリアミド
の末端アミノ基がセルロース系粉体中の成分と反応する
ことにより、セルロース成分と樹脂成分との間で部分的
に架橋するためと考えられる。また、熱可塑性樹脂とし
てエチレン/酢酸ビニル共重合体を用いたセルロース系
成形物は、酢酸ビニル成分によりセルロース系粉体との
接着が良好になり、高い強度が得られる。また、ゴム弾
性を成形体に付与することができ、釘・ネジなどが成形
体に入りやすく、釘・ネジなどの使用よる成形体の盛り
上がりもおさえることができる。さらに、成形温度が1
00℃以下という低温で行われるため、加熱・冷却から
なる成形工程に要する時間を短縮できる特徴もある。
【0010】特に、ポリアミドとしては、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン68、ナイロン610、ナイロ
ン8、ナイロン88、ナイロン810、ナイロン12な
どから選ばれた成分を有する共重合体ポリアミド、ある
いは高級アルコール、ヒドロキシ安息香酸エステル、芳
香族スルホンアミドなどの可塑剤が添加された可塑化ナ
イロンを少なくとも含有させることにより、樹脂の融点
が低下しセルロース系粉体と良好に結着するため、成形
体の強度改善の効果が著しい。ポリアミドあるいはエチ
レン/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂粉体の効果を少
量の添加により得るためには、混合工程を2回に分けて
行うことも可能である。つまり、セルロース系粉体より
平均粒径の小さいポリアミドあるいはエチレン/酢酸ビ
ニル共重合体からなる樹脂粉体を用いて、両者をあらか
じめ混合する操作(第1の混合工程)を行うことによ
り、セルロース系粉体表面にあらかじめ前記樹脂粉体を
付着させ、その後別の熱可塑性樹脂粉体と混合する(第
2の混合工程)ことである。この場合、第1の混合工程
におけるセルロース系粉体に対するポリアミドあるいは
エチレン/酢酸ビニル共重合体からなる樹脂粉体の付着
をより強固にするために、第1の混合工程を前記樹脂粉
体の融点付近で行うことも可能である。
【0011】熱可塑性樹脂粉体は、樹脂製造時に粉末状
で得られるものをそのまま利用することができる。ま
た、ペレット状の熱可塑性樹脂や使用済みの熱可塑性樹
脂のように粒径が大きく微粉化が必要な場合は、樹脂を
液体窒素などで冷却しながらハンマーミルタイプの粉砕
機などを用いて粉砕・微粉化する方法が用いられる。ま
た、高温で溶解し、かつ低温では貧溶媒となる溶媒に樹
脂を高温下で溶解し、激しく撹拌しながら冷却沈殿させ
て粉体を得ることも可能である。本発明の製造方法は、
押出成形法や射出成形法などと異なり、セルロース系粉
体の添加量が多い場合でも成形性に影響しないために、
セルロース系粉体と熱可塑性樹脂粉体の混合比は特には
制限がないが、熱可塑性樹脂粉体の添加量が少ないと熱
可塑性樹脂による結着力が低くなり、一方セルロース系
粉体の添加量が少ないとセルロース系粉体による充填材
効果が低くなるために、成形体としての強度を確保する
ためには、セルロース系粉体が55wt%〜90wt%
の範囲にあることが望ましい。
【0012】本発明では、必要に応じて公知の添加剤の
粉体を混合粉体に添加することができる。例えば、抗菌
剤、害虫忌避剤、難燃剤、着色剤、発泡剤あるいは粉体
流動性改善剤などが適宜使用される。本発明における混
合工程は、通常の粉体混合の操作を用いることができ
る。本発明における成形工程は、一般的な圧縮成形機を
用いて、混合粉体を所定の成形型に仕込んだ後、成形型
を加熱しながら圧縮し、その後成形体を離型するために
冷却することにより行われる。この一般的な圧縮成形機
を用いた方法では、加熱・冷却操作がバッチ処理される
ために、成形工程における生産性が低くなる。この点を
改善する方法として、混合粉体をあらかじめ室温あるい
は比較的低温で加圧することにより仮成形を行い、その
後成形温度までの加熱および室温までの冷却を複数の熱
ロールにより行う方法が可能である。この方法により、
加熱・冷却を連続的に行うことができるため、成形工程
に要する時間を短縮することができる。
【0013】成形温度は、熱可塑性樹脂粉体の融点近傍
の温度が必要で、本発明では220℃以下にて行われる
が、成形時の熱によるセルロース系粉体の着色や劣化を
抑えるために、好ましくは180℃以下で行う。成形時
の印加圧力は、作製する成形体の密度にあわせて適宜調
節できる。圧力に応じて、低密度・軽量な成形体から、
高密度・高強度な成形体まで作製することができる。特
に、本発明の製造方法では、通常の押出成形法や射出成
形法と異なり、高い圧力の印加が可能であるため、成形
体密度が1.1g/cc以上になるように圧力を印加す
ることが可能で、高強度の成形体が得ることができる。
本発明の製造方法を用いてシート状の成形体を作製した
後、複雑な形状へさらに加工することも可能である。
【0014】本発明によると、混合工程で作製した組成
の異なる複数のセルロース系混合粉体を厚み方向に重ね
て型に仕込み、その後加熱圧縮成形する成形工程を行う
ことにより、厚み方向に組成の異なるセルロース系成形
体を容易に得ることができる。この製造方法では、組成
の異なる複数のセルロース系混合粉体のうち、一部はセ
ルロース系粉体を含まない混合粉体であってもよい。図
1は、本発明の厚み方向に組成の異なるセルロース系成
形体を製造する例を示している。上部プレート1および
下部枠2からなる成形型に、組成の異なるセルロース系
混合粉体3、4よび5を順次仕込んで成形工程を行うこ
とにより、3層が積層された成形体が得られる。セルロ
ース系混合粉体3または5に、例えば、抗菌性粉体、害
虫忌避粉体、難燃性粉体、あるいは着色粉体などの公知
の機能性粉体を含有させ、成形型内に薄く層状に仕込む
ことにより、機能性粉体を成形体表面に局所的に配する
ことができる。これによって、成形体中に均一に機能性
粉体が分散している場合に比べて機能性粉体の使用量を
低減することができる。
【0015】また、本発明によると、混合工程で作製し
た組成または密度の異なる複数の各セルロース系混合粉
体を加熱圧縮成形して板状セルロース系成形体を形成す
る予備成形工程、前記予備成形工程により得られた組成
または密度の異なる複数の前記板状セルロース系成形体
を重ねて加熱圧縮成形する成形工程を行うことで、容易
に厚み方向に組成または密度の異なるセルロース系成形
体を得ることができる。本発明では熱可塑性樹脂を結着
剤として用いているために、得られた複数の成形体同士
を重ねて加熱圧縮することにより、容易に積層体を得る
ことができる。この製造方法は、上記の製造方法と同様
に、機能性粉体を成形体表面に局所的に配することがで
きるという特徴を有するが、さらに、厚み方向で密度の
異なる成形体を製造することができるという特徴をも有
する。図2は、この製造方法により作製した成形体6の
例を示す。高密度の板状セルロース系成形体8と9の間
に、低密度の板状セルロース系成形体7が積層されてい
る。このような構成によって、表面の高密度の板状セル
ロース系成形体8,9により成形体全体の強度を確保
し、同時に低密度の板状セルロース系成形体7により軽
量化が達成される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 《実施例1》パーティクルボードの破砕片を微粉化して
50メッシュ以下の粒径のセルロース系粉体を作製し
た。得られたセルロース系粉体を120℃で真空乾燥を
行い、粉体中に含まれている水分、木酸ガス、ホルマリ
ンなどを除去した。熱可塑性樹脂粉体としてポリプロピ
レン粉体(融点155℃、粒径50メッシュ以下、住友
精化製)を用いた。セルロース系粉体90wt%と熱可
塑性樹脂粉体10wt%とをブレンダーで混合すること
により混合工程を行った。その後、型に混合粉体を入れ
て圧縮成形機により、成形温度170℃、印加圧力18
0kgf/cm2の条件で成形工程を行い、セルロース
系成形体を作製した。
【0017】《実施例2》実施例1の混合工程におい
て、セルロース系粉体を66wt%、熱可塑性樹脂粉体
を34wt%として、他の条件は同じにしてセルロース
系成形体を作製した。
【0018】《実施例3》実施例1の混合工程におい
て、セルロース系粉体を50wt%、熱可塑性樹脂粉体
を50wt%として、他の条件は同じにしてセルロース
系成形体を作製した。《実施例4》実施例1の混合工程
において、熱可塑性樹脂粉体としてナイロン12/ナイ
ロン6/ナイロン66共重合体の粉体(融点110℃、
粒径200メッシュ以下、エルフアトケム社製)を用
い、他の条件は同じにしてセルロース系成形体を作製し
た。
【0019】《実施例5》実施例4の混合工程におい
て、セルロース系粉体を66wt%、熱可塑性樹脂粉体
を34wt%として、他の条件は同じにしてセルロース
系成形体を作製した。
【0020】《実施例6》実施例4の混合工程におい
て、セルロース系粉体を50wt%、熱可塑性樹脂粉体
を50wt%として、他の条件は同じにしてセルロース
系成形体を作製した。
【0021】《実施例7》実施例1の混合工程におい
て、熱可塑性樹脂粉体としてエチレン/酢酸ビニル共重
合体の粉体(融点56℃、粒径100メッシュ以下、住
友精化社製)を用い、成形温度を80℃にして、他の条
件は同じにしてセルロース系成形体を作製した。
【0022】《実施例8》機能性粉体として難燃剤とな
る水酸化アルミニウム(粒径635メッシュ以下)40
wt%、実施例1で用いたセルロース系粉体40wt
%、および実施例4で用いた熱可塑性樹脂粉体20wt
%をブレンダーで混合することにより混合工程を行い、
セルロース系混合粉体Aを作製した。一方、実施例4と
同じ材料組成であるセルロース系粉体90wt%および
熱可塑性樹脂粉体10wt%からなるセルロース系混合
粉体Bを作製した。成形型の底部から、セルロース系混
合粉体A、B、Aと順に重量比が、1:3:1となるよう
に3層仕込み、圧縮成形機により成形温度170℃、印
加圧力180kgf/cm2の条件で成形工程を行い、
表面が難燃性を有するセルロース系成形体を作製した。
【0023】《実施例9》実施例5と同じ材料組成のセ
ルロース系混合粉体を成形型に仕込み、圧縮成形機によ
り成形温度170℃、印加圧力50kgf/cm2の条
件で予備成形工程を行い低密度の板状セルロース系成形
体(密度0.66g/cc、厚み5mm)を1枚作製し
た。一方、同じセルロース系混合粉体を用いて、圧縮成
形機により成形温度170℃、印加圧力180kgf/
cm2の条件で予備成形工程を行い高密度の板状セルロ
ース系成形体(密度1.23g/cc、厚み1mm)を
2枚作製した。低密度の板状セルロース系成形体を2枚
の高密度の板状セルロース系成形体で挟んで3層を重ね
て再び120℃に加熱しながら圧力50kgf/cm2
を印加して各層を融着することにより、厚み方向に密度
の異なるセルロース系成形体を得た。
【0024】《比較例1》実施例1において、熱可塑性
樹脂粉体として用いた粒径が50メッシュ以下であるポ
リプロピレン粉体の代わりに、粒径が22メッシュ以下
でかつ50メッシュより大きいポリプロピレン粉末を使
用して、他の条件は同じにしてセルロース系成形体を作
製した。
【0025】《比較例2》実施例1において、熱可塑性
樹脂粉体は添加せずに、セルロース系粉体100wt%
として、他の条件は同じにしてセルロース系成形体を作
製した。
【0026】実施例1〜7および比較例1、2で作製し
たセルロース系成形体について、密度および曲げ強度の
測定を行った。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】比較例1で作製したセルロース系成形体
は、成形体表面の色調が不均一で、かつ実施例1で作製
したセルロース系成形体に比べて強度が低かった。これ
は、熱可塑性樹脂粉体の粒径が大きくセルロース系成分
に対して樹脂成分が均一に分散していなかったためと考
えられる。また、比較例2で作製した熱可塑性樹脂粉体
を含有しないセルロース系成形体に比べて、熱可塑性樹
脂粉体を添加した実施例1〜7のセルロース系成形体
は、曲げ強度が向上した。特に、セルロース系粉体が9
0wt%のセルロース系成形体(実施例1および4)、
66wt%のセルロース系成形体(実施例2および5)
で曲げ強度が高くなった。また、実施例1〜3および4
〜6のセルロース系成形体を比較すると、熱可塑性樹脂
粉体として共重合ポリアミドを用いることにより曲げ強
度が向上した。また、実施例1および7のセルロース系
成形体を比較すると、熱可塑性樹脂粉体としてエチレン
/酢酸ビニル共重合体を用いることにより曲げ強度が向
上した。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ホルマ
リンを使用することなく、従来の押出成形では困難であ
ったセルロース系粉体を多量に含有したセルロース系成
形体を得ることができる。特に、成形工程において印加
する圧力を調節することにより、セルロース系成形体の
密度を容易に調節することができ、低密度・軽量のセル
ロース系成形体から高密度・高強度の高いセルロース系
成形体まで適宜得ることができる。さらに、厚み方向に
組成または密度の異なるセルロース系成形体を容易に製
造することができる。これによって、簡便にセルロース
系成形体表面に各種の機能を付与することができ、ま
た、厚み方向で密度の異なる構成を有するセルロース系
成形体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例において厚み方向に組成の異
なる成形体を成形する際の型の縦断面図である。
【図2】同実施例により作製したセルロース系成形体の
要部の断面図である。
【符号の説明】
1 成形型(上部プレート) 2 成形型(下部枠) 3 セルロース系混合粉体 4 セルロース系混合粉体 5 セルロース系混合粉体 6 セルロース系成形体 7 低密度板状セルロース系成形体 8、9 高密度板状セルロース系成形体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系粉体と少なくとも一部の粒
    子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを均
    一に分散した混合粉体を作製する混合工程、および前記
    混合粉体を加熱圧縮成形する成形工程を含むことを特徴
    とするセルロース系成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記混合粉体のセルロース系粉体含量が
    55〜90wt%である請求項1記載のセルロース系成
    形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂粉体が、少なくともポリア
    ミドおよびエチレン/酢酸ビニル共重合体の一方を含む
    請求項1記載のセルロース系成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリアミドが、ナイロン6、ナイロン6
    6、ナイロン68、ナイロン610、ナイロン8、ナイ
    ロン88、ナイロン810、およびナイロン12からな
    る群より選ばれた共重合成分を有する共重合ポリアミ
    ド、または可塑剤が添加された可塑化ポリアミドである
    請求項3記載のセルロース系成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形工程が、セルロース系成形体の密度
    が1.1g/cc以上になるような圧力を印加して加熱
    圧縮成形することからなる請求項1記載のセルロース系
    成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 セルロース系粉体と少なくとも一部の粒
    子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを均
    一に分散したセルロース系混合粉体を作製する混合工
    程、および前記混合工程で作製した組成の異なる複数の
    セルロース系混合粉体を厚み方向に重ねて加熱圧縮成形
    する成形工程を含むことを特徴とするセルロース系成形
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 セルロース系粉体と少なくとも一部の粒
    子径が50メッシュ以下である熱可塑性樹脂粉体とを均
    一に分散したセルロース系混合粉体を作製する混合工
    程、前記混合工程で作製した組成または密度の異なる複
    数の各セルロース系混合粉体を加熱圧縮成形して板状セ
    ルロース系成形体を形成する予備成形工程、および前記
    予備成形工程により得られた組成または密度の異なる複
    数の前記板状セルロース系成形体を重ねて加熱圧縮成形
    する成形工程を含むことを特徴とするセルロース系成形
    体の製造方法。
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