JPH1169866A - センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法 - Google Patents

センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法

Info

Publication number
JPH1169866A
JPH1169866A JP9216247A JP21624797A JPH1169866A JP H1169866 A JPH1169866 A JP H1169866A JP 9216247 A JP9216247 A JP 9216247A JP 21624797 A JP21624797 A JP 21624797A JP H1169866 A JPH1169866 A JP H1169866A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
operation mode
motor
commutation
brushless motor
stator winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9216247A
Other languages
English (en)
Inventor
誠 ▲吉▼田
Makoto Yoshida
Susumu Yamano
進 山野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9216247A priority Critical patent/JPH1169866A/ja
Publication of JPH1169866A publication Critical patent/JPH1169866A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 差圧起動時のような大きな起動トルクを要す
る状態でも確実にDCブラシレスモータの起動を可能と
するDCブラシレスモータの駆動装置を提供する。 【解決手段】 センサレスDCブラシレスモータ7を、
起動時には固定子巻線8の誘起電圧に無関係に固定子巻
線8への転流を制御する同期運転モードで運転し、定常
運転時には固定子巻線8の誘起電圧から回転子9の位置
を検出し、その位置に基づいて固定子巻線8への転流を
制御する通常運転モードで運転し、モータ7への転流お
よび印加電圧を制御する制御部13を有したDCブラシ
レスモータの制御駆動装置において、同期運転モードか
ら通常運転モードへ移行する直前から所定時間の間、モ
ータ7への印加電圧を上昇させるために、印加電圧のデ
ューティ比を増加させる高速電圧デューティ制御部25
aを制御部13内に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサレスDCブ
ラシレスモータを用いたエアコン用の圧縮機の制御駆動
装置であって、特に、自動車用エアコンのように吐出圧
力と吸入圧力との差が大きい状態で起動することが可能
な制御駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に従来のセンサレスDCブラシレ
スモータの制御駆動装置の概略ブロック図を示す。図に
おいて、DCブラシレスモータ(以下、「モータ」とい
う。)の制御駆動装置(以下、「インバータ」とい
う。)は、直流電源VDCからの直流電圧を三相疑似交流
電圧に変換するスイッチング回路11と、スイッチング
回路11の動作を制御する制御部13と、モータ7に流
れる過電流を検出する過電流保護回路15とからなる。
【0003】このように構成されたインバータは、起動
時には所定の低周波電圧をモータ7に印加し、回転子9
を同期運転する(このような運転モードを「同期運転モ
ード」という。)。その後、所定周波数まで加速し、固
定子巻線8に誘起電圧が充分に発生するようになった時
点で、この誘起電圧を検出し、誘起電圧に基づいて回転
子9位置を制御する(このような運転モードを「通常運
転モード」という。)。
【0004】両運転モードにおいて、転流制御部23お
よび電圧デューティ制御部25cからの制御信号に基づ
きスイッチング回路11のスイッチング素子41a〜4
3bのオン・オフが制御されることにより、直流電源V
DCからの直流電圧が疑似交流電圧に変換され、モータ7
に印加される。このとき、モータ7に印加される疑似交
流電圧の大きさはPWM(Pulse Width Modulation)制
御されており、これは、スイッチング素子41a〜43
bのベースに印加される電圧のデューティ比が電圧デュ
ーティ制御部25cにより制御されることにより行われ
る。
【0005】図11に同期運転モードから通常運転モー
ドへ移行する前後の電圧デューティ制御部25cによる
電圧デューティ比の変化を示す。この図に示すように電
圧デューティ比は、起動直後から所定の同期周波数に達
するまではa部に示すように緩やかに上昇し、同期運転
モードから通常運転モードへ移行後、外部より入力され
た設定回転数に達するまではc部に示すように緩やかに
上昇させている。しかし、運転モードの移行直前直後の
b部では電圧デューティ比は一定に制御されている。こ
のとき、一般に電圧デューティ比は数%から10%程度
の値である。このように、運転モードの移行直前直後に
おいて一定のデューティ比で制御した場合、起動時の負
荷が大きいとき等の大きなトルクを要する場合に起動が
失敗することがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】例えば、エアコンの停
止直後に再起動する場合に発生する、圧縮機の冷媒を吐
出する吐出口と冷媒を吸入する吸入口とにおける圧力差
(以下、「差圧」という。)がある状態で起動する場
合、モータを起動するために大きなトルクが必要とされ
る。このため、同期運転モードから通常運転モードへ移
行するときにトルク不足のためモータ7の回転が停止
し、起動が失敗することがある。
【0007】従来のガソリンエンジン自動車におけるエ
アコンにおいては、エンジンとコンプレッサの圧縮部分
とがベルトで機械的に連結されており、エンジンの駆動
によりコンプレッサの圧縮部分が駆動されるため、大き
なトルクが得られ、このような差圧があるときでも問題
なく起動できる。
【0008】他方、ルームエアコンの場合は、空調空間
が比較的広範囲であるため、差圧がなくなるまで2〜3
分経過しても温度変化が少なく、差圧がなくなってから
電動コンプレッサを起動しても、使用者はそれほど不快
感を感じない。また、ルームエアコンの場合、一旦コン
プレッサを作動させると、外部から強制的に停止させら
れることは殆どなく、このため差圧起動の頻度も少なく
なる。したがって、ルームエアコンにおいて、このよう
な差圧起動については、考慮する必要がなかった。
【0009】しかし、電気自動車用エアコンの場合、乗
員の乗降にともないエアコンの電源のオン/オフも頻繁
に行われ、また、空調空間が狭く、ルームエアコンのよ
うに差圧がなくなるまで起動を待っては、使用者は不快
感を感じる。このため、差圧があっても電動コンプレッ
サを駆動して空調可能な電気自動車用エアコンが要望さ
れている。
【0010】本発明は、上記問題を解決すべくなされた
ものであり、その目的とするところは、差圧起動時のよ
うな大きな起動トルクを要する状態でも確実にDCブラ
シレスモータの起動を可能とするDCブラシレスモータ
の駆動装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るDCブラシ
レスモータの制御駆動装置は、永久磁石からなる回転子
と固定子巻線とを有するDCブラシレスモータを、起動
時には前記固定子巻線の誘起電圧に無関係に前記固定子
巻線への転流を制御する第1の運転モードで運転し、前
記転流を制御する複数の転流パターンのうちの1つを最
終転流パターンとし、該最終転流パターン出力後に第1
の運転モードを終了し、該第1の運転モード終了後、前
記固定子巻線の誘起電圧から前記回転子の位置を検出
し、該位置に基づいて前記固定子巻線への転流を制御す
る第2の運転モードで運転するDCブラシレスモータの
制御駆動装置において、前記モータの固定子巻線への転
流および印加電圧を制御する制御部を備え、該制御部
に、前記第1の運転モードから前記第2の運転モードへ
移行する直前から所定時間の間、前記固定子巻線に対す
る前記印加電圧を上昇させる電圧制御部を設けた。この
電圧制御部により第1の運転モードから第2の運転モー
ドへ移行する直前から所定時間の間、印加電圧を上昇さ
せることにより、この間のモータトルクを大きくする。
【0012】また、前記DCブラシレスモータの制御駆
動装置において、前記第1の運転モードにおける前記最
終転流パターン出力時点から前記固定子巻線に対する印
加電圧を上昇させてもよい。
【0013】また、前記DCブラシレスモータの制御駆
動装置において、前記電圧制御部は、第2の運転モード
移行後、所定数の転流が終了するまでの間、前記固定子
巻線への印加電圧を上昇させてもよい。
【0014】また、前記DCブラシレスモータの制御駆
動装置において、前記電圧制御部は、第2の運転モード
移行後、前記モータが所定回転数に到達するまでの間、
前記固定子巻線への印加電圧を上昇させてもよい。
【0015】また、前記DCブラシレスモータの制御駆
動装置において、前記第1の運転モード開始前におい
て、前記固定子巻線の所定の相に固定通電することによ
り前記回転子を前記固定子巻線に対して、前記最終転流
パターン出力時にモータのトルクが最大となるような所
定位置に固定した後、前記モータの起動を開始するよう
にしてもよい。このとき、前記所定位置は、そのときの
最終転流パターンにおいてモータトルクが最大となるよ
うな位置に決定される。
【0016】また、前記DCブラシレスモータの制御駆
動装置において、前記制御部は、モータ起動失敗後、再
度モータを起動する場合に、前記失敗時の最終転流パタ
ーンとは異なる転流パターンを新たに最終転流パターン
に設定し、新たに設定された該最終転流パターン出力後
に第1の運転モードから第2の運転モードに切り換える
ようにしてもよい。このように最終転流パターンを変更
して再起動を行うことにより確実に起動が行える。
【0017】本発明に係るDCブラシレスモータの制御
駆動方法は、永久磁石からなる回転子と固定子巻線とを
有するDCブラシレスモータを、起動時において前記固
定子巻線の誘起電圧に無関係に前記固定子巻線への転流
を制御する第1の運転モードで運転し、転流を制御する
複数の転流パターンのうちの1つを最終転流パターンと
し、該最終転流パターン出力後に第1の運転モードを終
了し、該第1の運転モード終了後、前記固定子巻線の誘
起電圧から前記回転子の位置を検出し、該位置に基づい
て前記固定子巻線への転流を制御する第2の運転モード
で運転するDCブラシレスモータの制御駆動方法におい
て、前記第1の運転モードから前記第1の運転モードへ
の移行直前から所定時間の間、前記固定子巻線に対する
前記印加電圧を上昇させる。
【0018】前記DCブラシレスモータの制御駆動方法
は、前記第1の運転モード開始前において、前記固定子
巻線の所定の相に固定通電することにより前記回転子を
前記固定子巻線に対して、前記最終転流パターン出力時
にモータのトルクが最大となるような所定位置に固定し
た後、前記モータの起動を開始してもよい。このとき、
前記所定位置は、そのときの最終転流パターンにおいて
モータトルクが最大となるような位置に決定される。
【0019】前記DCブラシレスモータの制御駆動方法
は、所定の転流パターンである最終転流パターン出力後
に第1の運転モードから第2の運転モードへ切り換える
制御駆動方法であって、モータ起動失敗後、再度モータ
を起動する場合に、前記失敗時の最終転流パターンとは
異なる転流パターンを新たに最終転流パターンに設定
し、新たに設定された該最終転流パターン出力後に第1
の運転モードから第2の運転モードに切り換えてもよ
い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を用いて本発明
に係るDCブラシレスモータの制御駆動装置の実施の形
態を説明する。
【0021】図1は、DCブラシレスモータの制御駆動
装置の実施形態の概略ブロック図である。図において、
DCブラシレスモータ(以下、「モータ」という。)の
制御駆動装置(以下、「インバータ」という。)は、直
流電源VDCからの直流電圧を三相疑似交流電圧に変換す
るスイッチング回路11と、スイッチング回路11の動
作を制御する制御部13と、モータ7に流れる過電流を
検出する過電流保護回路15とからなる。
【0022】スイッチング回路11は、スイッチング素
子41a,41b、スイッチング素子42a,42b、
スイッチング素子43a,43bがそれぞれ対をなして
構成される。スイッチング回路11の各スイッチング素
子対の中点(対を構成するスイッチング素子間の接続
点)はDCブラシレスモータ7(以下、「モータ」とい
う。)のU,V,Wの各相の固定子巻線8にそれぞれ接
続されている。
【0023】制御部13は、固定子巻線8への転流を制
御する転流制御部23と、PWM電圧制御されるモータ
印加電圧のデューティ比を制御する電圧デューティ制御
部25と、起動時の運転モードである同期運転モードに
おいて固定子巻線8の通電相を決定する第1の運転モー
ド制御部27と、定常運転時の運転モードである通常運
転モードにおいて固定子巻線8の通電相を決定する第2
の運転モード制御部29と、第1の運転モード制御部2
7と第2の運転モード制御部29とを切り換えるスイッ
チ30とから構成される。また、電圧デューティ制御部
25は高速デューティ制御部25aを有し、第1の運転
モード制御部27は再起動制御部27aと位置決め制御
部27bとを有する。
【0024】このように構成されたインバータについて
以下にその動作を説明する。スイッチング回路11にお
いて、高圧側に接続されたスイッチング素子41a〜4
3aのベースには、ANDゲート31〜33を介して、
転流制御部23からの制御信号A,B,Cおよび電圧デ
ューティ制御部25からの制御信号の論理積をとった制
御信号A',B',C'が入力される。以下、スイッチン
グ素子41a〜43bのベースに入力される信号を「ベ
ース信号」という。このように、ANDゲート31〜3
3を介して、転流制御部23および電圧デューティ制御
部25から制御信号が入力されるため、双方の制御信号
がオンのときのみベース信号A',B',C'はオンとな
る。低圧側に接続されたスイッチング素子41b,42
b,43bには転流制御部23からベース信号D,E,
Fが入力される。このときのスイッチング素子41a〜
43bのベースに入力されるベース信号の波形を図2に
示す。各スイッチング素子41a〜43bがベース信号
に基づいてオン・オフされることにより、直流電源VDC
からの直流電圧が所望の疑似交流電圧に変換され、モー
タ7に印加される。各スイッチング素子41a〜43b
はベース信号が「High」レベルのときにオンし、
「Low」レベルのときにオフする。また、図2に示す
ようにベース信号はデューティ制御されている。
【0025】転流制御部23は、スイッチング回路11
におけるスイッチング素子のオン・オフを制御すること
により固定子巻線8の通電相を制御する。図4に転流制
御部23の出力を示す。転流制御部23の出力は、パタ
ーン0からパターン5までの6種類の転流パターンを有
している。例えば、パターン0では転流出力A,Eがオ
ンしており、スイッチング素子41a,42bがオン
し、U相とV相が通電相となる。また、モータ7に印加
される疑似交流電圧は、ベース信号がPWM(Pulse Wi
dth Modulation)制御されることにより制御され、この
ときのデューティ比は電圧デューティ制御部25により
制御される。電圧デューティ制御部25の出力を図3に
示す。図3に示すように電圧デューティ制御部25はデ
ューティ比を実線から破線のように変化させることによ
り、モータ7に印加される疑似交流電圧の大きさを制御
する。
【0026】また、過電流保護回路15はスイッチング
回路11に流れる電流すなわち固定子巻線8に流れる電
流の電流値を検出し、過電流が流れたときに過電流検出
信号を転流制御部23に出力する。転流制御部23はこ
の過電流検出信号を受けてスイッチング素子41a,4
2a,43aをオフすることにより過電流からインバー
タおよびモータ7を保護する。また、過電流保護回路1
5はスイッチング回路11に過電流が流れたときに、第
1の運転モード制御部27における再起動制御部27a
に対しても、過電流検出信号を出力する。再起動制御部
27aはこの過電流検出信号によりモータの起動失敗を
判断する。
【0027】起動モードでは、スイッチ30により第1
の運転モード制御部29が選択され、第1の運転モード
制御部27の指令に基づき転流制御部23によりモータ
7の回転子9の位置に無関係にスイッチング回路11の
転流が制御される。すなわち、第1の運転モード制御部
27は、位置信号出力に関係なく所定の時間間隔で通電
相を切り換えるように指示を出し、転流制御部23はこ
の指示に基づいて図4の(a)に示すようなベース信号
を出力する。また、このとき、第1の運転モード制御部
27によりデューティ比の指示がなされ、電圧デューテ
ィ制御部25はこの指示に基づいて図4の(c)に示す
ように低い値にデューティ比を制御する。
【0028】通常運転モードでは、スイッチ30により
第2の運転モード制御部29が選択され、第2の運転モ
ード制御部29によりモータ7の固定子巻線8に発生す
る誘起電圧に基づいて回転子9の位置が検出され、この
回転子9の位置情報に基づいて転流制御部23及び電圧
デューティ制御部25によりスイッチング回路11の転
流が制御される。具体的には、第2の運転モード制御部
29によりモータ7の固定子巻線8に発生する誘起電圧
に基づいて図4の(b)に示すような回転子9の位置を
示す位置信号へ変換され、この位置信号をトリガーとし
て通電相が切り換えられる。すなわち、各位置信号の立
ち上がり、立ち下がりエッジをトリガーとして通電相が
切り換えられる。
【0029】また、同期運転モードから通常運転モード
への切り換えは、モータ起動後に、モータ7の回転周波
数が所定の周波数に達し、誘起電圧が充分に発生するよ
うになった状態において、所定の転流パターンが出力さ
れた後に行われる。この運転モード切り換え時の転流パ
ターンを最終転流パターンという。図4では、パターン
5が最終転流パターンであり、同期運転モードにおいて
パターン5出力後に、U相位置信号の立ち上がりエッジ
が検出された時点で運転モードの切り換えが行われる。
【0030】図4の(c)は、電圧デューティ制御部2
5により制御される電圧デューティ比の変化を示したも
のである。図に示すように電圧デューティ制御部25
は、同期運転モードから通常運転モードへ移行直前の最
終転流パターン(パターン5)出力時点から、所定数の
パターンが終了するまでの所定時間の間、デューティ比
を急激に上昇させている。例えば、図中、実線で示され
る場合では最終転流パターン出力時点から1つのパター
ンが終了するまで、破線で示される場合では最終転流パ
ターン出力時点から2つのパターンが終了するまで、一
点鎖線で示される場合では最終転流パターン出力時点か
ら3つのパターンが終了するまで、デューティ比を急激
に上昇させている。この制御は電圧デューティ制御部2
5内の高速デューティ制御部25aにより行われる。こ
のように、運転モードの切り換え直前にデューティ比を
急激に上昇させることにより、切り換え時の前後におい
て起動電圧が増加され、モータ7のトルクを増大させる
ことができる。これにより、モータ7の負荷が大きく、
大きなトルクが必要とされる場合においても、モータを
起動することができる。また、図4の(c)では、最終
転流パターン出力時点から所定数の転流パターンが終了
するまでの間、デューティ比を上昇させるているが、最
終転流パターン出力時点からモータ7が所定回転数に到
達するまでの間、デューティ比を上昇させるようにして
もよい。
【0031】また、前述の方法によってもモータの起動
に失敗したときは、本実施形態のインバータは、モード
切り換え時のベース信号パターンまたは起動開始時の回
転子位置を変えて再起動を行う。以下に、この再起動の
それぞれの制御について説明する。
【0032】最初に、モード切り換え時のベース信号パ
ターンを変えて再起動を行う第1の起動制御について説
明する。前述の説明においては最終転流パターンをパタ
ーン5に設定していたが、本制御では、起動失敗時にお
いてこの最終転流パターンを別のパターンに新たに設定
して再度起動を行う。以下に、この第1の再起動制御に
ついて図5のフローチャートを用いて説明する。なお、
以下の説明においては、パターン1、パターン3、パタ
ーン5を最終転流パターン群として設定し、起動失敗時
において、パターン5→パターン1→パターン3の順で
最終転流パターンを変更していくものとする。
【0033】第1の運転モード制御部27は、最終転流
パターンを最初の最終転流パターンであるパターン5に
設定する(S11)。次に、第1の運転モード制御部2
7は、転流制御部23及び電圧デューティ比制御部25
に対して同期運転モードでの運転を指示し、モータを起
動する(S12)。モータ7の回転数が増加し、所定回
転数に達した後、ベース信号がステップS11で設定さ
れた最終転流パターンになると、高速デューティ制御部
25aによりデューティ比が増加される(S13)。そ
の後、起動が成功したか否かが判断される(S14)。
このとき、起動が成功したか否かの判断は、第1の運転
モード制御部27の再起動制御部27aにおいて過電流
保護回路15からの過電流検出信号に基づいて判断され
る。すなわち、起動が失敗したときは過電流が流れるた
め、この過電流検出により起動が成功したか否かを検出
できる。起動が成功した場合はこの制御処理を終了す
る。起動が失敗した場合は、再起動制御部27aにより
最終転流パターンが次の最終転流パターンであるパター
ン2に設定される(S15)。その後、ステップS12
に戻り、モータ7を再起動する。以降、起動が成功する
まで、順次最終転流パターンを変更し起動を繰り返す。
すなわち、パターン5の最終転流パターンを用いて再起
動が失敗したときは、最終転流パターンをパターン1に
変更する。ここで、パターン1、パターン3、パターン
5は固定子巻線8において120°ずつ異なる方向の回
転磁界を発生するものであり、この中のいずれかのパタ
ーンで切り換えることにより必ず起動できることが実験
的に確認されている。また、最終転流パターン群とし
て、パターン0、パターン2、パターン4を組み合わせ
て用いてもよい。
【0034】図6は、第1の起動制御による再起動時の
固定子巻線8および回転子9の位置関係の一例を示した
ものである。ここで、同期運転モード時において、回転
子が回転していないのは、差圧が大きいために回転子が
ロック条件になっているからである。図6の(a)〜
(f)は、最初の起動において失敗したときの様子を示
したものである。このとき、最終転流パターンはパター
ン5に設定されており、パータン5で同期運転モードか
ら通常運転モードへ切り換わっているが、回転子9は回
転せず、起動は失敗している。図6の(a)〜(f)で
示す失敗の後、図6の(g)〜(j)では、最終転流パ
ターンをパターン1に切り換えて、再起動を行なうこと
により、起動が成功したときの様子を示している。
【0035】次に、起動開始時の回転子9の位置を変え
て再起動を行う第2の起動制御について説明する。第2
の起動制御では、起動に失敗した時に、回転子9の位置
を所定の起動開始位置に移動した後、再起動を行う。起
動開始時の回転子9の位置は、最終転流パターンでの回
転子9と固定子巻線8の位置関係が最大トルクを発生す
る位置関係になるように設定される。ここで、最大トル
クを発生する回転子9と固定子巻線8の位置関係は図7
の(a)で示される。また、図7の(b)は発生するト
ルクがゼロとなる位置関係を示している。
【0036】以下に、第2の起動制御について図8のフ
ローチャートを用いて説明する。第1の運転モード制御
部27は、転流制御部23及び電圧デューティ比制御部
25に対して同期運転モードでの運転を指示することに
より、モータ7を起動する(S21)。モータ7の回転
数が増加し、所定回転数に達した後、ベース信号が所定
の最終転流パターンになると、高速デューティ制御部2
5aによりデューティ比が増加される(S22)。その
後、第1の起動制御の場合と同様に、過電流検出信号に
より、再起動制御部27aにおいて起動が成功したか否
かが判断される(S23)。起動が成功した場合はこの
起動制御を終了する。起動が失敗した場合は、第1の運
転モード制御部27の位置決め制御部27bからの指令
に基づいて、転流制御部23により固定子巻線8の所定
の相に固定通電され、回転子9の位置が所定の再起動開
始位置に設定される(S24)。この再起動開始位置
は、前述のように、最終転流パターン出力時での回転子
9と固定子巻線8との位置関係が最大トルクを発生する
位置関係になるように設定される。その後、ステップS
21に戻り、モータ7を再起動する。以降、起動が成功
するまで、回転子9の起動開始位置を所定値に設定し起
動を繰り返す。
【0037】図9は、第2の再起動制御による再起動時
の固定子巻線8および回転子9の位置関係の一例を示し
たものである。図9において、最初の起動失敗後、回転
子9は(a)に示す位置で停止している。その後、位置
決め制御部27bにより、回転子9の位置が(b)に示
す所定の位置に設定された後、起動される。このように
再起動開始位置が設定されることにより、最終転流パタ
ーンであるパターン5において、回転子9は固定子巻線
8に対してトルクが最大となる位置(図9の(a)で示
す位置関係)になり、運転モード移行時において大きな
トルクが得られるため確実に再起動することができる。
【0038】以上のようにして、本実施形態のインバー
タでは、モータ起動時において、同期運転モードから通
常運転モードへ切り換える際に、デューティ比を急激に
上昇させることにより起動トルクを増大させる。これに
より、差圧起動時のようなモータに対する負荷が大きい
場合の起動時においても起動が可能となる。また、起動
が失敗した場合においても、運転モード切り換え時の最
終転流パターン、または、起動開始時の固定子巻線8に
対する回転子9の位置を変更することにより再起動時に
おいて、モータ7を確実に起動することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るDCブラシレスモータの制
御駆動装置によれば、電圧制御部により第1の運転モー
ドから第2の運転モードへ移行する直前から所定時間の
間、モータに対する印加電圧を上昇させることにより、
この間のモータトルクを大きくすることができるため、
差圧起動時のような大きな起動トルクを要する起動時に
おいても起動することができる。
【0040】また、本発明に係るDCブラシレスモータ
の制御駆動装置によれば、起動失敗時に、モータの回転
子を前記固定子巻線に対して、最終転流パターンにおい
てモータトルクが最大となるように所定位置に固定した
後、モータの起動を開始するため、これによりモータを
確実に起動することができる。
【0041】また、本発明に係るDCブラシレスモータ
の制御駆動装置によれば、モータ起動失敗時に、最終転
流パターンを変更した後で再起動を行うためモータを確
実に起動することができる。
【0042】本発明に係るDCブラシレスモータの制御
駆動方法によれば、第1の運転モードから第2の運転モ
ードへ移行する直前から所定時間の間、モータに対する
印加電圧を上昇させることにより、この間のモータトル
クを大きくすることができるため、差圧起動時のような
大きな起動トルクを要する起動時においても起動するこ
とができる。
【0043】また、本発明に係るDCブラシレスモータ
の制御駆動方法によれば、最終転流パターンにおいてモ
ータトルクが最大となるように所定位置に固定した後、
モータの起動を開始するため、これによりモータを確実
に起動することができる。
【0044】また、本発明に係るDCブラシレスモータ
の制御駆動方法によれば、モータ起動失敗時に、最終転
流パターンを変更した後で再起動を行うためモータを確
実に起動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るDCブラシレスモータの制御駆
動装置の実施形態の概略ブロック図。
【図2】 スイッチング素子のベース電圧波形を示す
図。
【図3】 本実施形態の電圧デューティ制御部の出力を
示す図。
【図4】 (a)転流出力、(b)位置信号出力および
(c)電圧デューティ比を示す図。
【図5】 第1の再起動制御のフローチャート。
【図6】 第1の再起動制御で再起動した場合のモータ
の回転子と固定子巻線の位置関係の一例を示す図。
【図7】 (a)出力トルクが最大および(b)最小と
なる場合のモータの回転子と固定子巻線の位置関係を示
す図。
【図8】 第2の再起動制御のフローチャート。
【図9】 第2の再起動制御で再起動した場合のモータ
の回転子と固定子巻
【図10】 従来のDCブラシレスモータの制御駆動装
置の概略ブロック図。
【図11】 従来の電圧デューティ制御部の出力を示す
図。
【符号の説明】
7…DCブラシレスモータ、 8…固定子巻線、 9…
回転子、 11…スイッチング回路、 13…制御部、
15…過電流保護回路、 23…転流制御部、 25
…電圧デューティ制御部、 25a…高速デューティ制
御部、 27…第1の運転モード制御部、 27a…再
起動制御部、 27b…位置決め制御部、 29…第2
の運転モード制御部、 30…スイッチ、 41a〜4
3b…スイッチング素子、 VDC…直流電源。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石からなる回転子と固定子巻線と
    を有するDCブラシレスモータを、起動時には前記固定
    子巻線の誘起電圧に無関係に前記固定子巻線への転流を
    制御する第1の運転モードで運転し、前記転流を制御す
    る複数の転流パターンのうちの1つを最終転流パターン
    とし、該最終転流パターン出力後に第1の運転モードを
    終了し、該第1の運転モード終了後、前記固定子巻線の
    誘起電圧から前記回転子の位置を検出し、該位置に基づ
    いて前記固定子巻線への転流を制御する第2の運転モー
    ドで運転するDCブラシレスモータの制御駆動装置にお
    いて、 前記モータの固定子巻線への転流および印加電圧を制御
    する制御部を備え、 該制御部に、前記第1の運転モードから前記第2の運転
    モードへ移行する直前から所定時間の間、前記固定子巻
    線に対する前記印加電圧を上昇させる電圧制御部を設け
    たことを特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動装置において、前記第1の運転モードにおけ
    る前記最終転流パターン出力時点から前記固定子巻線に
    対する印加電圧を上昇させることを特徴とするDCブラ
    シレスモータの制御駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動装置において、前記電圧制御部は、第2の運
    転モード移行後、所定数の転流パターンが終了するまで
    の間、前記固定子巻線への印加電圧を上昇させることを
    特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動装置において、前記電圧制御部は、第2の運
    転モード移行後、前記モータが所定回転数に到達するま
    での間、前記固定子巻線への印加電圧を上昇させること
    を特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動装置において、前記第1の運転モード開始前
    において、前記固定子巻線の所定の相に固定通電するこ
    とにより前記回転子を前記固定子巻線に対して、前記最
    終転流パターン出力時にモータのトルクが最大となるよ
    うな所定位置に固定した後、前記モータの起動を開始す
    ることを特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動装置において、前記制御部は、モータ起動失
    敗後、再度モータを起動する場合に、前記失敗時の最終
    転流パターンとは異なる転流パターンを新たに最終転流
    パターンに設定し、新たに設定された該最終転流パター
    ン出力後に第1の運転モードから第2の運転モードに切
    り換えることを特徴とするDCブラシレスモータの制御
    駆動装置。
  7. 【請求項7】 永久磁石からなる回転子と固定子巻線と
    を有するDCブラシレスモータを、起動時において前記
    固定子巻線の誘起電圧に無関係に前記固定子巻線への転
    流を制御する第1の運転モードで運転し、転流を制御す
    る複数の転流パターンのうちの1つを最終転流パターン
    とし、該最終転流パターン出力後に第1の運転モードを
    終了し、該第1の運転モード終了後、前記固定子巻線の
    誘起電圧から前記回転子の位置を検出し、該位置に基づ
    いて前記固定子巻線への転流を制御する第2の運転モー
    ドで運転するDCブラシレスモータの制御駆動方法にお
    いて、 前記第1の運転モードから前記第1の運転モードへの移
    行直前から所定時間の間、前記固定子巻線に対する前記
    印加電圧を上昇させることを特徴とするDCブラシレス
    モータの制御駆動方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動方法において、前記第1の運転モード開始前
    において、前記固定子巻線の所定の相に固定通電するこ
    とにより前記回転子を前記固定子巻線に対して、前記最
    終転流パターン出力時にモータのトルクが最大となるよ
    うな所定位置に固定した後、前記モータの起動を開始す
    ることを特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のDCブラシレスモータ
    の制御駆動方法において、モータ起動失敗後、再度モー
    タを起動する場合に、前記失敗時の最終転流パターンと
    は異なる転流パターンを新たに最終転流パターンに設定
    し、新たに設定された該最終転流パターン出力後に第1
    の運転モードから第2の運転モードに切り換えることを
    特徴とするDCブラシレスモータの制御駆動方法。
JP9216247A 1997-08-11 1997-08-11 センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法 Pending JPH1169866A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9216247A JPH1169866A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9216247A JPH1169866A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1169866A true JPH1169866A (ja) 1999-03-09

Family

ID=16685586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9216247A Pending JPH1169866A (ja) 1997-08-11 1997-08-11 センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1169866A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008278633A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Hitachi Koki Co Ltd 電動工具
CN110798103A (zh) * 2018-07-30 2020-02-14 日本电产株式会社 马达驱动控制装置、马达以及送风装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008278633A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Hitachi Koki Co Ltd 電動工具
CN110798103A (zh) * 2018-07-30 2020-02-14 日本电产株式会社 马达驱动控制装置、马达以及送风装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3506457B2 (ja) 空気調和機におけるコンプレッサの起動制御方法
JP3204644B2 (ja) 電動機の駆動装置および駆動方法
EP1696552B1 (en) Method and apparatus for controlling motor
WO2013191183A1 (ja) モータ制御装置
EP1739822A1 (en) Three phase BLDC motor controller and control method thereof
JP4147399B2 (ja) Dcブラシレスモータの並列駆動方法
KR100548843B1 (ko) 직류 무브러시 모터의 제어 방법
JP4147383B2 (ja) Dcブラシレスモータの並列駆動回路
JPH11318097A (ja) ブラシレスモータの駆動制御装置
JP3415417B2 (ja) モータ制御装置
JP2001204192A (ja) ブラシレスモータの制御装置及びそれを用いた自吸式ポンプ
JP3818389B2 (ja) ブラシレスモータの制御方法
JPH1169866A (ja) センサレスdcブラシレスモータの制御駆動装置および制御駆動方法
JP3531701B2 (ja) ブラシレスモータの制御方法
JP4269921B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JPH09327194A (ja) ブラシレスモータの制御方法
JP2001054295A (ja) モータ起動制御装置
JP2005278320A (ja) ブラシレスモータの起動方法、ブラシレスモータの制御装置及び電動ポンプ
JP4085818B2 (ja) 直流電動機の駆動方法および直流電動機の駆動装置
JPH09117188A (ja) 冷凍サイクル装置
JP3298267B2 (ja) 位置センサレスdcブラシレスモータの制御装置
JPH09312996A (ja) ブラシレスモータの制御方法
JP3244799B2 (ja) センサレス多相直流モータの起動方法
JPH06311778A (ja) 冷凍サイクル制御装置
JP2001327187A (ja) ブラシレスモータの制御方法