JP3415417B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JP3415417B2
JP3415417B2 JP32337997A JP32337997A JP3415417B2 JP 3415417 B2 JP3415417 B2 JP 3415417B2 JP 32337997 A JP32337997 A JP 32337997A JP 32337997 A JP32337997 A JP 32337997A JP 3415417 B2 JP3415417 B2 JP 3415417B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレシプロタ
イプの圧縮機のような変動する負荷を回転駆動するブラ
シレスDCモータを制御するモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なブラシレスDCモータの起動
は、比較的低い周波数で通電する巻線を切り替えること
により回転磁界を生成し、徐々に加速しながらロータを
回転磁界に同期させているが、巻線の通電位相と誘起電
圧の位相とがずれると両電圧の差に応じた過電流が流れ
たり振動したりする。従って、このような問題を防止す
るために、従来は例えば特開平3−235694号公報
や特開昭61−1290号公報に開示されているように
モータの起動前に固定磁界によるロータの位置合わせを
行い、起動直後の位相ずれを防止している。
【0003】図4に示す曲線は、レシプロタイプの圧縮
機の1回転中のトルク変動を回転角度に対する負荷(ト
ルク)として示している。レシプロタイプの圧縮機は1
回転中に圧縮工程と吸い込み工程があるため、同図に示
すように大きな負荷変動が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】DCモータの起動で
は、上述したようにスムーズに加速することが必要であ
り、そのためには図4において負荷の小さな○印で示し
た付近から起動することが好ましい。すなわち、次の圧
縮工程までに加速することができるからであり、例えば
図4の×印で示す付近から起動した場合には、起動直後
に大きな負荷があるため加速が圧縮負荷に妨げられ、ロ
ータの回転磁界に対する同期が取れなくなる。図4の○
印付近に位置合わせを行う場合においては、従来のよう
に固定巻線の励磁では4極ロータの場合180゜ずれた
図4の△印付近に位置合わせが行われる可能性があり、
起動直後に加速が圧縮負荷に妨げられて、スムーズな起
動を行うことができないという問題がある。
【0005】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、変動する負荷を回転駆動する
ブラシレスDCモータを小さな起動電流でスムーズに加
速することができるモータ制御装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、変動する負荷を回転駆動
するブラシレスDCモータを制御するモータ制御装置で
あって、前記モータの起動前に前記変動する負荷の山部
を超えない程度の電圧を前記モータに印加して該モータ
を逆回転させる電圧印加手段と、該電圧印加手段により
前記モータを逆回転させ、該モータが前記負荷の山部の
手前で空回りして停止したことを検出する検出手段と、
該検出手段により前記モータが停止したことを検出した
場合、この停止位置から前記モータを順方向に同期起動
する同期起動手段とを有することを要旨とする。
【0007】
【0008】
【0009】請求項記載の本発明にあっては、モータ
起動前に負荷の山部を超えない程度の電圧をモータに印
加して逆回転させ、モータが前記負荷の山部の手前で空
回りして停止したことを検出した場合、この停止位置か
らモータを順方向に同期起動するため、起動時、加速し
やすい位置にロータを位置決めし、良好な加速を行うこ
とができるとともに、誘起電圧と印加電圧の位相が合
い、少ない電流で起動することができる。
【0010】更に、請求項記載の本発明は、請求項
記載の発明において、前記電圧印加手段が、前記モータ
に印加する電圧を前記負荷の山部を超えない程度の電圧
以下において小さい値から徐々に増大する電圧増大手段
を有することを要旨とする。
【0011】請求項記載の本発明にあっては、負荷の
山部を超えない程度の電圧以下において小さい値から徐
々に増大する電圧をモータに印加するため、誘起電圧が
0である起動時に過電流の発生を防止できるとともに、
印加電圧を大きく設定でき、完全に圧力バランスしてな
くても位置合わせできる。
【0012】請求項記載の本発明は、請求項記載の
発明において、前記電圧印加手段が、前記検出手段が前
記モータの停止を検出した場合、前記モータに印加する
電圧を低下させる電圧低下手段を有することを要旨とす
る。
【0013】請求項記載の本発明にあっては、モータ
の停止を検出した場合、モータ印加電圧を低下させるた
め、過電流保護回路の動作を防止でき、起動失敗を低減
することができる。
【0014】また、請求項記載の本発明は、変動する
負荷を回転駆動するブラシレスDCモータを制御するモ
ータ制御装置であって、前記変動する負荷の山部を超え
ない電圧以下の小さい電圧から徐々に増大する電圧を前
記モータに印加してモータを逆回転させ、該モータが前
記負荷の山部を超えた時のモータ印加電圧を負荷点印加
電圧として記憶する記憶手段と、前記モータの起動前に
前記変動する負荷の山部を超えない程度の電圧を前記モ
ータに印加して該モータを逆回転させる電圧印加手段
と、該電圧印加手段により前記モータを逆回転させ、該
モータが前記負荷の山部の手前で空回りして停止したこ
とを検出する検出手段と、該検出手段により前記モータ
が停止したことを検出した場合、この停止位置から前記
負荷点印加電圧より小さい電圧を前記モータに印加して
順方向に同期起動し、ロータの1回転後に前記負荷点印
加電圧以上の電圧をモータに印加して大きなトルクでモ
ータを加速する同期起動手段とを有することを要旨とす
る。
【0015】請求項記載の本発明にあっては、モータ
が負荷の山部を超えた時のモータ印加電圧を負荷点印加
電圧として記憶しておき、モータ起動前に負荷の山部を
超えない程度の電圧を印加してモータを逆回転させ、モ
ータが負荷の山部の手前で空回りして停止したことを検
出した場合、この停止位置から前記負荷点印加電圧より
小さい電圧をモータに印加して順方向に同期起動し、ロ
ータの1回転後に負荷点印加電圧以上の電圧をモータに
印加して大きなトルクでモータを加速するため、圧力セ
ンサが不要となるとともに、再起動禁止期間を短縮する
ことができる。
【0016】更に、請求項記載の本発明は、変動する
負荷を回転駆動するブラシレスDCモータを制御するモ
ータ制御装置であって、前記モータの起動前に前記変動
する負荷の山部を超えない程度の電圧以下の小さい電圧
から徐々に増大する電圧を前記モータに印加して該モー
タを順方向に回転させる電圧印加手段と、該電圧印加手
段により前記モータを回転させ、該モータが前記負荷の
山部の手前で空回りした後、更にモータ印加電圧の増大
でモータが前記負荷の山部を超えたことを検出する検出
手段と、該検出手段により前記負荷の山部を超えたこと
を検出した時点から前記モータに大きな電圧を印加し、
該モータを同期起動する同期起動手段とを有することを
要旨とする。
【0017】請求項記載の本発明にあっては、モータ
起動前に小さい電圧から徐々に増大する電圧をモータに
印加して順方向に回転させ、モータが負荷の山部の手前
で空回りした後、更にモータ印加電圧の増大でモータが
負荷の山部を超えたことを検出した時点からモータに大
きな電圧を印加し、モータを同期起動するため、急加速
が可能となるとともに、再起動禁止期間を短縮すること
ができる。
【0018】請求項記載の本発明は、請求項1乃至
のいずれかに記載の発明において、前記負荷はレシプロ
タイプの圧縮機であることを要旨とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施形態に係わるモー
タ制御装置の構成を示す図である。同図に示すモータ制
御装置は、内部にホールIC等のセンサを用いていない
3相4極のブラシレス・センスレスDCモータ1を駆動
制御するものであるとともに、該ブラシレスDCモータ
1で負荷が変動する例えばレシプロタイプの圧縮機を回
転駆動する場合に低起動電流、低起動トリップ(低起動
失敗)で駆動制御し得るものであり、DC280Vの直
流電圧を複数のスイッチング素子からなるインバータ回
路3でチョッピングしてモータ1に印加し、この印加電
圧のオン/オフのデューティ比でモータ1のトルクを制
御する。
【0021】インバータ回路3にDC電圧を供給する一
方のラインには直列に過電流検出回路5が接続され、こ
の過電流検出回路5によりインバータ回路3に供給され
る電流が所定の値以上に大きな値になった場合、この過
電流状態を検出し、この過電流検出信号を電圧コントロ
ール回路7に供給し、これによりインバータ回路3の動
作を停止させるようになっている。
【0022】また、モータ1とインバータ回路3との間
の接続線には、回転検出回路9が接続され、該回転検出
回路9によりモータ1の回転を検出し、この回転検出信
号を前記電圧コントロール回路7に供給する。電圧コン
トロール回路7は、モータ1の逆転トルクまたは順方向
トルクを制御するとともに、内部に通電切り替え回路7
aを有しており、該通電切り替え回路7aによりモータ
1の電流を流す巻線を切り替えるようにインバータ回路
3の各スイッチング素子を制御している。
【0023】以上のように構成されるモータ制御装置に
おけるインバータ回路3の駆動電圧パターン、すなわち
モータ1への印加電圧パターンとモータ1の正常回転時
の誘起電圧波形は、図2において太線の矩形の波形が印
加電圧を示し、細線の正弦波状の曲線が誘起電圧を示す
ように、両電圧の位相が一致している。すなわち、モー
タ1のトルクTは、T=BIL(B:磁束密度、I:電
流、L:モータの巻線有効長)であるので、誘起電圧
(=ロータの磁束密度)と印加電圧の位相は図2に示す
ように一致していることが好ましい。
【0024】更に詳しくは、図3(a)に示すように、
モータ1の巻線には「印加電圧−誘起電圧」が印加さ
れ、この「印加電圧−誘起電圧」によってモータ1の巻
線に流れる電流が決まるので、誘起電圧と印加電圧の位
相を合わせ、磁束密度の高いタイミングで巻線に電流を
流すことにより、小さい電流で所定のトルクを得ること
ができる。
【0025】図3(b)に示すように、印加電圧と誘起
電圧の位相のタイミングが少しずれた場合には、磁束密
度が低いタイミングで電圧を印加しているため、同じト
ルクを出力するためには電流が大きくなる。また、図3
(c)に示すように、印加電圧と誘起電圧が大きくずれ
た場合には、モータ1に逆回転トルクが発生し、大きな
振動が発生することになる。
【0026】すなわち、モータ1の起動電流を低減する
ためには、モータ1の起動直後から図3(a)のように
誘起電圧と印加電圧の位相を合わせることが必要になる
のである。
【0027】一般的なDCモータの起動は、比較的低い
周期で通電する巻線を切り替えることで回転磁界を生成
し、徐々に加速しながらロータを回転磁界に同期させる
が、巻線の通電位相と誘起電圧位相がずれると、過電流
が流れたり振動が発生するため、それらが問題になる場
合には、従来例のように固定磁界による位置合わせを行
い、起動直後の位相ずれを防止している。
【0028】図4は、ブラシレスDCモータによりレシ
プロタイプの圧縮機を駆動している場合の圧縮機の1回
転中のトルクの変動を横軸に回転角度をとり、縦軸に負
荷(トルク)を取ったグラフの曲線で示すとともに、こ
の場合の3相4極のDCモータのU相、V相、W相の巻
線に流れる電流の向きを示している。レシプロタイプの
圧縮機では、1回転中に圧縮工程と吸い込み工程がある
ため、大きな負荷変動を示す。DCモータの起動では、
上述したようにスムーズに加速していくことが必要であ
るが、そのためには図4において○印で示す付近から起
動することが好ましい。これは、次の圧縮工程までに加
速できるからであり、例えば×印で示す付近から起動し
た場合には、起動直後に加速が圧縮負荷に妨げられ、ロ
ータの回転磁界に対する同期が取れなくなることにな
る。また、図4において、○印で示す付近に位置合わせ
を行う場合、従来例のように固定巻線の励磁では4極ロ
ータの場合180゜ずれた△印で示す付近に位置が固定
される場合がある。なお、図4では、U相−V相巻線に
電流を流し、直流励磁した例を示している。
【0029】従って、本実施形態のモータ制御装置で
は、図4の○印で示す付近の直前に存在する最大負荷点
を超えない回転トルクを電圧コントロール回路7に与
え、通電切り替え回路7aに逆回転指令を与えることに
より、逆回転磁界を形成し、モータ1のロータを最大負
荷点の直後の○印で示す付近で1秒程度空回りさせるこ
とにより位置合わせを行った後、逆回転トルクより大き
な順回転トルクに切り替え、これによりモータ1を順方
向に同期起動させている。
【0030】すなわち、本実施形態のモータ制御装置で
は、モータ1の起動前にレシプロタイプの圧縮機である
変動する負荷の山部である最大負荷点を超えない程度の
電圧をモータ1に印加して逆回転させ、モータ1を最大
負荷点の手前で1秒程度空回りさせた後、この位置から
モータ1を順方向に同期起動している。
【0031】この結果、起動時に加速しやすい位置にロ
ータを位置決めすることで良好な加速が得られ、誘起電
圧と印加電圧の位相が合い、小さい電流でモータ1を起
動することができる。従って、インバータ回路3を構成
している各駆動素子の電流容量を小さくでき、コストダ
ウンを図ることができる。また、起動失敗も減り、振動
の低減も図ることができる。
【0032】図5は、本発明の他の実施形態に係わるモ
ータ制御装置を説明するための回転角度に対する負荷
(トルク)の変化を曲線で示すとともに、モータ1に対
する印加電圧を該曲線に対応して示している図である。
【0033】図5の実施形態では、ロータの位置合わせ
時に逆回転トルクを小さい値から圧縮機の最大負荷点を
超えない値まで徐々に増大するものであり、この逆回転
トルクの増大に合わせて印加電圧を図示のように小さい
値から徐々に大きな値に増大している。
【0034】更に詳しくは、起動前のロータの位置は、
図5のPの区間で不定である。例えば、図5での位置
から付近にロータを移動するために必要なトルクは、
図5に示すようにT1<回転トルク<T2であり、それ
相応の電圧(Vst)を電圧コントロール回路7に与え
る。この時、実際に巻線に印加される電圧は、ロータが
逆回転し始めれば「印加電圧−誘起電圧」であるが、始
動時は誘起電圧が0であるため、流れる電流Iは、I=
Vst/R(R=巻線抵抗)となり、電圧Vstを大きく設
定した場合には、過電流が流れて、過電流検出回路5で
動作するため、電圧Vstを大きく設定できない。そこ
で、起動時の印加電圧を小さく設定し、最大負荷点のト
ルクT2を超えない値まで徐々に増大している。
【0035】すなわち、本実施形態のモータ制御装置で
は、モータ1の駆動前にレシプロタイプの圧縮機である
変動する負荷の山部である最大負荷点を超えない程度の
電圧以下において図5の印加電圧で示すように小さい値
から徐々に増大する電圧をモータ1に印加して逆回転さ
せ、モータ1が最大負荷点の手前で空回りした後、この
位置からモータ1を順方向に同期起動している。
【0036】この結果、本実施形態では、ロータが逆回
転している間は印加電圧を大きく設定できるので、完全
に圧力バランスしてなくても位置合わせすることができ
る。
【0037】図6は、本発明の更に他の実施形態に係わ
るモータ制御装置を説明するための回転角度に対する負
荷(トルク)の変化を曲線で示すとともに、モータ1に
対する印加電圧を該曲線に対応して示している図であ
る。
【0038】図6の実施形態では、ロータの逆回転位置
合わせ時、最大負荷点への到達を検出し、最大負荷点へ
の到達で逆転トルクを過電流検出回路5が作動しないレ
ベルまで低下させるものである。
【0039】更に詳しくは、起動前のロータ位置は図6
のPの区間で不定である。例えば、図6のの位置から
付近にロータを移動するときロータが逆回転中は「印
加電圧−誘起電圧」であるが、負荷最大点に到達し空回
りし始めると、誘起電圧が0になり、流れる電流Iは、
I=V/R(R=巻線抵抗)となり、過電流検出回路5
が作動する恐れがある。そこで、負荷最大点に到達した
時点で印加電圧を低下させ、過電流検出回路5が動作す
ることを防止することができる。
【0040】すなわち、本実施形態のモータ制御装置で
は、モータ1の起動前にレシプロタイプの圧縮機である
変動する負荷の山部である最大負荷点を超えない程度の
電圧以下において図6の印加電圧で示すように小さい値
から徐々に増大する電圧をモータ1に印加して逆回転さ
せ、モータ1が最大負荷点の手前で空回りした後、モー
タ1に印加する電圧を低下させ、それからモータ1を順
方向に同期起動している。
【0041】この結果、本実施形態では、過電流検出回
路5の動作を防止でき、起動失敗を低減することができ
る。
【0042】図7は、本発明の別の実施形態に係わるモ
ータ制御装置を説明するための回転角度に対する負荷
(トルク)の変化を曲線で示すとともに、モータ1に対
する印加電圧を該曲線に対応して逆転時および正転時に
対して示している図である。
【0043】図7の実施形態では、逆転位置合わせ時、
最大負荷点を通過する時の印加電圧を記憶し、この記憶
した値から起動負荷を推定し、必要な順方向トルクを計
算するものである。
【0044】更に詳しくは、上述したように逆転位置合
わせを行う。すなわち、起動時の印加電圧は小さいし、
それから徐々にロータが最大負荷点を超えるまで印加電
圧を増大していき、最大負荷点を超えたときの印加電圧
(Vmax )を記憶しておく。そして、この電圧Vmax は
次に順回転に切り替えるとき最大負荷を超えるのに必要
な順方向トルクとほぼ同じである。そして、順方向に切
り替える瞬間はロータは回転していないので、印加電圧
を小さくし、ロータの1回転後に前記電圧Vmax 以上に
なるように順方向トルクを増大させる。
【0045】一般的に起動前の負荷トルクが必要なとき
は、Pd /Ps センサをつけるが、本実施形態では圧力
センサが不要となり、コストダウンが可能である。ま
た、運転から停止時、更に運転時にPd /Ps の圧力差
がある程度高くても起動でき、圧力バランスするまで時
間待ちを短縮することができる。すなわち、再起動禁止
時間を短縮することができる。
【0046】図8は、本発明の更に別の実施形態に係わ
るモータ制御装置を説明するための回転角度に対する負
荷(トルク)の変化を曲線で示すとともに、モータ1に
対する印加電圧を該曲線に対応して示している図であ
る。
【0047】図8の実施形態では、起動時、順方向トル
クで最大負荷点に位置合わせし、最大負荷点通過を検出
した時点でそれまでの位置合わせトルクよりも大きなト
ルクで加速するものである。
【0048】更に詳しくは、順方向トルクで最大負荷点
で位置合わせを行う。起動時の印加電圧は小さくし、そ
れから徐々にロータが最大負荷点を超えるまで印加電圧
を増大していき、最大負荷点を超えた時点から図8の印
加電圧で示すように印加電圧の上昇率を増大する。すな
わち、最大負荷点を超えるまでの位置合わせ時の電圧上
昇率をS1(S1=Vstep/T)とすると、最大負荷点
を超えた後の電圧上昇率S2は、S2≧S1とする。位
置合わせ中、ロータは最大負荷点付近で空回りをする
が、徐々に印加電圧を増大することにより次第に最大負
荷点に近づく。更に電圧を増大し、最大負荷点を超えた
瞬間は、ロータの誘起電圧の位相と印加電圧の位相は同
期がとれているはずであるので、印加電圧を大きくして
も、過大な電流が流れず、良好な誘起特性を得ることが
できる。
【0049】本実施形態では、圧縮機の構造上逆回転で
は潤滑油が十分に作用しない場合でも信頼性を向上する
ことができる。また、起動時、短時間で一定回転数に達
することが必要な場合にも本実施形態によれば、誘起電
圧と印加電圧の位相が同期しているので、急加速が可能
である。更に、起動時、圧力差がある程度高くても起動
でき、圧力バランスするまで時間待ちを短縮することが
できる。すなわち、再起動禁止時間を短縮することがで
きる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明によれば、モータ起動前に負荷の山部を超えない程
度の電圧をモータに印加して逆回転させ、モータが負荷
の山部の手前で空回りして停止した場合、この停止位置
からモータを順方向に同期起動するので、起動時、加速
しやすい位置にロータを位置決めし、良好な加速を行う
ことができるとともに、誘起電圧と印加電圧の位相が合
い、少ない電流で起動することができる。従って、イン
バータ回路を構成するスイッチング素子の電流容量を小
さくでき、コストダウンを図ることができる。更に、起
動失敗も減り、振動の低減を図ることができる。
【0051】
【0052】更に、請求項記載の本発明によれば、負
荷の山部を超えない程度の電圧以下において小さい値か
ら徐々に増大する電圧をモータに印加するので、誘起電
圧が0である起動時の過電流の発生を防止できるととも
に、ロータが逆回転している間は印加電圧を大きく設定
でき、完全に圧力バランスしてなくても位置合わせでき
る。
【0053】請求項記載の本発明によれば、モータの
停止を検出した場合、モータ印加電圧を低下させるの
で、過電流保護回路の動作を防止でき、起動失敗を低減
することができる。
【0054】また、請求項記載の本発明によれば、モ
ータが負荷の山部を超えた時のモータ印加電圧を負荷点
印加電圧として記憶しておき、モータ起動前に負荷の山
部を超えない程度の電圧を印加してモータを逆回転さ
せ、モータが負荷の山部の手前で空回りして停止した場
合、この停止位置から負荷点印加電圧より小さい電圧を
モータに印加して順方向に同期起動し、ロータの1回転
後に負荷点印加電圧以上の電圧をモータに印加して大き
なトルクでモータを加速するので、圧力センサが不要と
なり、コストダウンを行うことができるとともに、再起
動禁止期間を短縮することができる。
【0055】請求項記載の本発明によれば、モータ起
動前に小さい電圧から徐々に増大する電圧をモータに印
加して順方向に回転させ、モータが負荷の山部の手前で
空回りした後、更にモータ印加電圧の増大でモータが負
荷の山部を超えたことを検出した時点からモータに大き
な電圧を印加し、モータを同期起動するので、負荷であ
る圧縮機の構造上逆回転では潤滑油が十分に作用しない
場合に信頼性を向上することができる。また、起動時、
短時間で一定回転数に達することが必要な場合も誘起電
圧と印加電圧の位相が同期しているため、急加速が可能
となるとともに、起動時圧力差がある程度高くても起動
でき、圧力バランスするまで時間待ちを短縮できる。す
なわち、再起動禁止期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるモータ制御装置の
構成を示す図である。
【図2】モータへの印加電圧パターンとモータの正常回
転時の誘起電圧波形を両電圧の位相が一致している場合
について示す波形図である。
【図3】モータの巻線に印加される電圧を説明するため
の説明図である。
【図4】ブラシレスDCモータによりレシプロタイプの
圧縮機を駆動している場合の圧縮機の1回転中のトルク
の変動を横軸に回転角度をとり、縦軸に負荷(トルク)
を取ったグラフの曲線で示すとともに、この場合の3相
4極のDCモータのU相、V相、W相の巻線に流れる電
流の向きを示す図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係わるモータ制御装置
を説明するための回転角度に対する負荷(トルク)の変
化を曲線で示すとともに、モータに対する印加電圧を該
曲線に対応して示している図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係わるモータ制御
装置を説明するための回転角度に対する負荷(トルク)
の変化を曲線で示すとともに、モータに対する印加電圧
を該曲線に対応して示している図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係わるモータ制御装置
を説明するための回転角度に対する負荷(トルク)の変
化を曲線で示すとともに、モータに対する印加電圧を該
曲線に対応して逆転時および正転時に対して示している
図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係わるモータ制御
装置を説明するための回転角度に対する負荷(トルク)
の変化を曲線で示すとともに、モータに対する印加電圧
を該曲線に対応して示している図である。
【符号の説明】
1 ブラシレスDCモータ 3 インバータ回路 5 過電流検出回路 7 電圧コントロール回路 7a 通電切り替え回路 9 回転検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 卓也 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (72)発明者 高橋 満男 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−233885(JP,A) 特開 平7−327392(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18 F04B 49/06 H02P 1/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変動する負荷を回転駆動するブラシレス
    DCモータを制御するモータ制御装置であって、 前記モータの起動前に前記変動する負荷の山部を超えな
    い程度の電圧を前記モータに印加して該モータを逆回転
    させる電圧印加手段と、 該電圧印加手段により前記モータを逆回転させ、該モー
    タが前記負荷の山部の手前で空回りして停止したことを
    検出する検出手段と、 該検出手段により前記モータが停止したことを検出した
    場合、この停止位置から前記モータを順方向に同期起動
    する同期起動手段とを有することを特徴とするモータ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧印加手段は、前記モータに印加
    する電圧を前記負荷の山部を超えない程度の電圧以下に
    おいて小さい値から徐々に増大する電圧増大手段を有す
    ることを特徴とする請求項記載のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電圧印加手段は、前記検出手段が前
    記モータの停止を検出した場合、前記モータに印加する
    電圧を低下させる電圧低下手段を有することを特徴とす
    る請求項記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 変動する負荷を回転駆動するブラシレス
    DCモータを制御するモータ制御装置であって、 前記変動する負荷の山部を超えない電圧以下の小さい電
    圧から徐々に増大する電圧を前記モータに印加してモー
    タを逆回転させ、該モータが前記負荷の山部を超えた時
    のモータ印加電圧を負荷点印加電圧として記憶する記憶
    手段と、 前記モータの起動前に前記変動する負荷の山部を超えな
    い程度の電圧を前記モータに印加して該モータを逆回転
    させる電圧印加手段と、 該電圧印加手段により前記モータを逆回転させ、該モー
    タが前記負荷の山部の手前で空回りして停止したことを
    検出する検出手段と、 該検出手段により前記モータが停止したことを検出した
    場合、この停止位置から前記負荷点印加電圧より小さい
    電圧を前記モータに印加して順方向に同期起動し、ロー
    タの1回転後に前記負荷点印加電圧以上の電圧をモータ
    に印加して大きなトルクでモータを加速する同期起動手
    段とを有することを特徴とするモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 変動する負荷を回転駆動するブラシレス
    DCモータを制御するモータ制御装置であって、 前記モータの起動前に前記変動する負荷の山部を超えな
    い程度の電圧以下の小さい電圧から徐々に増大する電圧
    を前記モータに印加して該モータを順方向に回転させる
    電圧印加手段と、 該電圧印加手段により前記モータを回転させ、該モータ
    が前記負荷の山部の手前で空回りした後、更にモータ印
    加電圧の増大でモータが前記負荷の山部を超えたことを
    検出する検出手段と、 該検出手段により前記負荷の山部を超えたことを検出し
    た時点から前記モータに大きな電圧を印加し、該モータ
    を同期起動する同期起動手段とを有することを特徴とす
    るモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記負荷はレシプロタイプの圧縮機であ
    ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の
    モータ制御装置。
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