JPH1167511A - 磁気材料 - Google Patents

磁気材料

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JPH1167511A
JPH1167511A JP9230452A JP23045297A JPH1167511A JP H1167511 A JPH1167511 A JP H1167511A JP 9230452 A JP9230452 A JP 9230452A JP 23045297 A JP23045297 A JP 23045297A JP H1167511 A JPH1167511 A JP H1167511A
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magnetic
magnetic field
magnetic material
magnetization
powder
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JP9230452A
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Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
Shinichi Kitahata
慎一 北畑
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の軟磁性材料、磁気記録材料および硬磁
性材料のいずれとも異なる性質をもった新規な磁気材料
を提供する。 【解決手段】 MnとBiとを主体とする磁性粉末を含
有し、特定方向に磁界を印加したときにのみ大きな磁化
を示す性質を有する。初期化後最初に着磁した印加磁界
方向に磁界を印加したときの磁化の値(A)と、その印
加磁界方向とは反対方向に磁界を印加したときの磁化の
値(B)との比(B/A)を調節する場合には、Mnと
Biとを主体とする磁性粉末とともに、磁界の印加方向
に関係なく、1000(好ましくは100)Oe以下の
低い磁界で容易に飽和磁化する磁性材料(他の磁性材
料)を使用する。その場合、MnBi磁性粉末と他の磁
性材料との含有割合を変えることで、磁化の値の比(B
/A)を調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、MnとBiとを
主体とする磁性粉末を含有する、特異な性質を持った磁
気材料に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性体は、一般にその保磁力により軟磁
性材料、磁気記録材料および硬磁性材料の3種類に分類
される。軟磁性材料は、保磁力が50Oe程度の材料
で、磁気ヘッドやトランスのコア材などに使用されてい
る。磁気記録材料は、保磁力が200〜3000Oe程
度の材料で、磁気テープや磁気ディスクなど各種の磁気
記録媒体に使用されている。硬磁性材料は、保磁力が2
000Oe程度以上の材料で、主として永久磁石用に使
用されている。
【0003】これらの材料のうち、軟磁性材料および磁
気記録材料は保磁力より十分大きい磁界を印加すれば、
磁界の印加方向に飽和磁化させることができることが必
要とされる。すなわち、一つの方向に飽和磁化したもの
であっても、逆方向に磁界を印加すれば容易に磁化反転
して逆方向に飽和磁化できる。また、このように磁界の
印加方向に飽和磁化できることが、これらの用途におい
ては不可欠な性質となる。一方、硬磁性材料では、永久
磁石にみられるように、最初に着磁すると、その後に逆
方向に磁界を印加しても容易に磁化反転しない。すなわ
ち、硬磁性材料では、一度着磁するとその後はどの方向
に磁界を印加しても、磁化強度が変化しないことが要求
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな従来の軟磁性材料、磁気記録材料および硬磁性材料
のいずれとも異なる性質をもった新規な磁気材料を実現
し、ひいてはその特異な磁気的性質を利用した新製品の
開発を促そうとするものである。具体的には、例えば、
磁気記録媒体や磁気センサ等の各種製品に応用できる磁
気材料として、初期化後、最初に印加した磁界の方向に
のみ磁化されやすくなり、逆方向に印加した場合には、
その磁化強度が著しく小さくなるという、従来にはない
極めて特異な性質をもった磁気材料を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
磁気材料は、容易に磁化されるが、一度磁化すると保磁
力が極めて大きくなる性質を有するMnBi磁性粉末を
含有し、磁界の印加方向により磁化強度が大きく異なる
性質を示すことによって特徴づけられる。また、本発明
の請求項3に係る磁気材料は、上記のMnBi磁性粉末
を含有し、初期化後最初に着磁した印加磁界方向に磁界
を印加した時の磁化の値(A)と前記印加磁界方向とは
反対方向に磁界を印加した時の磁化の値(B)との比
(B/A)が、絶対値で2〜60%であることを特徴と
する。
【0006】このような磁気材料は、上述した軟磁性材
料、磁気記録材料および硬磁性材料のいずれとも異なる
極めて特異な磁気的性質を示す。例えば、本発明の磁気
材料を初期化後、室温で一方向に磁界を印加すると容易
に飽和磁化するが、その後逆方向に磁界を印加してもほ
とんど磁化を示さなくなる。また、再初期化後、室温で
逆方向に磁界を印加すると容易に飽和磁化するが、逆に
元の磁界の方向に磁界を印加してもほとんど磁化を示さ
なくなる。すなわち、初期化後、最初に印加した磁界の
方向にのみ磁化され易くなり、逆方向に印加した場合に
は、その磁化強度が著しく小さくなるといった極めて特
異な性質を示す。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、この発明についてさらに詳
細に説明する。 〔磁気材料の磁気特性〕MnBi磁性粉末の保磁力は、
室温では8000〜12000Oeと高い値を示すが、
温度がさがると低下し、100Kでは1500Oe以下
となる。従って、この性質を利用して低温に冷却するこ
とにより消磁することができ(初期化)、消磁後は室温
で容易に磁化することができる(着磁)。
【0008】図4は、MnBi磁性粉末のみを有機樹脂
中に分散させて磁界中配向させた磁気材料(後述する本
発明の比較例3を参照)の初期化後の磁化曲線を示す。
初期化後は、室温で正方向に磁界を印加した場合、30
00Oe程度の低い磁界で容易に磁化することができ
る。しかし一度磁化すると、保磁力が14000Oe程
度と極めて高くなり、その後は容易に減磁しなくなる。
また、この磁気材料を再度初期化した後、負方向に磁界
を印加すると、負方向に磁化して正方向に14000O
e程度の保磁力を示すようになる。図5は、この磁気材
料を再度初期化した後、図4とは逆方向に磁界を印加し
て着磁した場合を示す。このように一度着磁すると極め
て大きな保磁力を示し、その後外部磁界に対してほとん
ど影響を受けなくなるが、再度初期化することにより、
再着磁が可能となる。このような性質は、例えば磁気カ
ードの変造ないし偽造防止技術に利用することができ
る。
【0009】一方、10%Siおよび5%Alを含む鉄
合金であるセンダスト磁性粉末のような磁性材料は、磁
界の印加方向に関係なく、1000Oe以下の低い磁界
で容易に飽和磁化するが、磁界を取り除くと残留磁化は
ほとんど存在しなくなる。すなわち、これらの磁性材料
は容易に磁化できるが、着磁性は有していない。図6
は、センダスト磁性粉末のみを用いた磁気材料の磁化曲
線で、この図からも明らかなように、これらの磁気材料
は500Oe程度の磁界で飽和磁化しているが、磁界を
ゼロにすると残留磁化もほとんどゼロとなる。
【0010】本発明では、上述のMnBi磁性粉末と、
磁界の印加方向に関係なく、1000Oe以下の低い磁
界で容易に飽和磁化する磁性材料(以下、単に「他の磁
性材料」という)を使用することによって、磁界の印加
方向により異なる磁化強度を示す新規な磁気材料を実現
する。この磁気材料は、まず初期化し、その後着磁して
使用される。着磁を行った後は、着磁時に印加した磁界
方向(正方向)に磁界を印加すると、前記MnBi磁性
粉末と他の磁性材料の磁化が足し合わさって大きな磁化
を示す磁気材料となる。一方、着磁時に印加した磁界方
向とは反対方向(逆方向)に磁界を印加した場合には、
MnBi磁性粉末と他の磁性材料の磁化が打ち消しあっ
て、著しく小さな磁化を示す磁気材料となる。すなわ
ち、磁界の印加方向により異なる磁化強度を示す磁気材
料となる。また、この正方向に磁界を印加したときの磁
化の値(A)と、負方向に磁界を印加したときの磁化の
値(B)との比(B/A)については、当該磁気材料中
の成分の含有割合を変えることにより任意の値に制御で
きる。通常はこの磁化の値の比が絶対値で2%以上60
%以下となるように含有割合を調整して使用する。この
ようにすると、上述した本発明磁気材料の特徴ないし性
質が顕著にあらわれる。さらに、本発明磁気材料におい
ては、再度初期化を行うことで、この磁界方向依存性を
逆転させることも可能である。つまり、負方向に大きな
磁化を示し、正方向の磁化がほとんどゼロになるように
することも可能である。
【0011】〔MnBi磁性粉末の製造方法〕この発明
で用いるMnBi磁性粉末は、粉末冶金法、アーク炉溶
解法、高周波溶解法、溶融急冷法等によりMnBiイン
ゴットとし、これを粉砕することにより得られる。例え
ば、粉末冶金法による場合には、インゴットを作製する
工程、これを粉砕する工程および安定化処理工程に分け
て下記のようにして製造できる。なお、この場合、必ず
しも粉砕法による必要はなく、その他の方法でMnBi
磁性粉末としてもよいことは勿論である。
【0012】 インゴットの作製 まず、インゴットは、50〜300メッシュのMn粉お
よびBi粉を充分に混合し、これを加圧プレスして成型
体とすることにより作製される。
【0013】Mn粉およびBi粉を混合する場合、その
比率(Mn/Bi)は、モル比で45:55から65:
35の範囲にするのが好ましい。この場合において、B
iに比べてMnを多くすると、MnBi磁性粉末とした
ときにその表面にMnの酸化物や水酸化物が形成され、
その結果、MnBi磁性粉末の耐食性が向上し、良質な
磁性粉末が得られる。このため、Biに比べてMnを多
くするのがより好ましい。ここで使用されるMn粉およ
びBi粉としては、不純物の含有量の少ないものが好ま
しいが、磁気特性を調製するときには、これにNi、A
l、Cu、Pt、Zn、Feなどの金属を添加する。そ
の場合、添加量を、MnBiに対して0.6原子%以上と
することにより磁気特性を良好に制御することができ、
5.0原子%より少なくすることによりMnBiの結晶構
造自体を良好に維持することができてMnBi本来の特
性を発揮できるため、前記金属の添加量は、0.6〜5.0
原子%の範囲内になるようにするのが好ましい。また、
添加方法としては、あらかじめMnと前記金属元素との
合金を作っておくことが好ましい。
【0014】Mn粉またはBi粉としては、あらかじめ
粉砕してあったものを用いてもよいし、フレークあるい
はショット等の塊を粉砕して微粉化したものを用いても
よい。焼結反応により合成する場合には、MnとBiの
接触界面を通しての拡散反応によりMnBiが生成する
ため、Mn粉およびBi粉は50〜300メッシュに微
粉化したものを用いると生成反応がスムーズに進む。こ
れらMn粉およびBi粉の混合は、自動乳鉢、ボールミ
ルなど任意の手段で行われる。
【0015】Mn粉およびBi粉を加圧プレスして成型
体とする場合、加圧力は、1〜8t/cm2 にするのが好
ましい。このような加圧力で加圧プレスして成型体とす
ると、焼結反応が促進されて均一なインゴットが作製さ
れる。加圧力を1t/cm2 以上とすることによりMnB
iインゴットをより均一にすることができ、8t/cm2
以下とすることにより生産性を向上させることができ
る。
【0016】得られた成型体は、ガラス容器あるいは金
属容器に密封される。容器内を真空あるいは不活性ガス
雰囲気に保つことで、熱処理中の酸化が防止される。不
活性ガスとしては、水素、窒素、アルゴン等を使用でき
るが、コストの点から窒素ガスが最適なものとして使用
できる。このようにして成型体を密封した容器は、次い
で、電気炉に入れられて、260〜271℃で2〜15
日間熱処理される。この熱処理については、その処理温
度を260℃以上とすることにより熱処理を短時間で行
えること、得られるインゴットの磁化量を高くすること
ができること、また271℃以下とすることによりBi
の融解を抑制し、均一なインゴットが得られることか
ら、Biの融点直下で行うことが好ましい
【0017】 粉砕化工程 このようにして作製されたMnBiインゴットは、取り
出されて予め自動乳鉢等により不活性ガス雰囲気中で粗
粉砕され、粒子サイズが100〜500μmとなるよう
に調製される。そして、ボールミル、遊星ボールミル等
を用いたボールの衝撃を利用した湿式粉砕、あるいはジ
エットミル等の乾式粉砕により粒子間や容器壁への粒子
の衝突による衝撃によりさらに微粒子化される。
【0018】このボールミルの衝撃を利用した粉砕にお
いては、粉砕が進むにつれて、ボールミルの径を段階的
に小さくして粉砕すると、より粒子径の均一な磁性粉が
得られる。元々、MnBiは六方晶構造を有し、劈開す
る性質があるため、高いエネルギーをかけて粉砕する必
要はない。湿式粉砕の場合の液体としては有機溶媒を使
用することが好ましい。有機溶媒としてはトルエン等の
非極性用溶媒を使用し、あらかじめ溶媒中の溶存水分を
除去しておくことが望ましい。一方、乾式粉砕の場合に
は、非酸化性雰囲気で行なうことが好ましい。非酸化性
雰囲気としては、真空あるいは窒素ガス、アルゴンガス
等の不活性ガス雰囲気が好適なものとして用いられる。
このようにして得られるMnBi磁性粉末の平均粒子径
は0.1〜20μm以下の範囲にあり、粉砕条件により粒
子径をコントロールできる。粒子径が0.1μmより大き
くすることにより最終的に得られる磁性粉の飽和磁化を
高くすることができ、また20μm以下とすることによ
り、磁性粉の保磁力を充分に大きくすることができると
ともに、最終的に得られる媒体の表面平滑性が良好とな
り、充分な記録を行うことができる。
【0019】以上の工程により、16kOeの磁界を印
加して測定した保磁力が300Kにおいて3000〜1
5000Oeの範囲に、80Kにおいて50〜1000
Oeの範囲にあり、かつ300Kにおいて16kOeの
磁界を印加して測定した飽和磁化量が20〜60emu
/gの範囲にあるMnBi磁性粉末が得られる。
【0020】 安定化処理工程 上記のような方法で作製されたMnBi磁性粉末は、こ
のままでも本発明の磁性粉末として使用できるが、Mn
Bi磁性粉末は化学的に不安定であり、高温、高湿下に
長期保存すると腐食が進行し、磁化が劣化する問題もあ
るため、さらに以下のような安定化処理を行うことが望
ましい。
【0021】MnBi磁性粉末の安定化処理方法として
は、MnBi磁性粉末の表面近傍に、MnBi磁性粉末
自身が有するMnあるいはBiを用いてこれらの金属の
酸化物、水酸化物の被膜を形成する方法や、さらにMn
Bi磁性粉末に直接、あるいは前述の被膜を形成した上
にさらにチタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、カーボンなどの無機物の被膜を形成させるなどの方
法がある。これらの方法は、いずれもMnBi磁性粉末
の表面に無機物の被膜を形成するものであるが、MnB
i磁性粉末の表面に界面活性剤などの有機物の被膜を形
成することもある。
【0022】ここでは、上記のような安定化処理のう
ち、代表的なものとして、酸素を利用してMnBi磁性
粉末の表面にMnおよびBiの酸化物の被膜を形成する
方法について説明する。
【0023】まず、100ppmから10000ppm
程度の酸素を有する窒素ガス中やアルゴンガス中におい
て、MnBi磁性粉末を20〜150℃の温度で加熱す
る。加熱時間は、0.5時間から40時間程度が適当であ
る。温度が低いほど、この加熱時間を長くすることが好
ましい。この処理により、MnおよびBiの酸化物が形
成される。特にこの処理において、MnBi磁性粉末の
化学的安定性に大きく寄与するMn酸化物の被膜が優先
的に厚くなり、化学的安定性は向上するが、飽和磁化の
初期値が低下してしまう。
【0024】この酸化物被膜の厚さを正確に測定するこ
とは困難であるが、磁性粉末の飽和磁化で表して300
Kにおいて20〜60emu/gの範囲になるように調
製することが好ましい。飽和磁化が20emu/gより
小さい磁性粉末は、酸化物被膜の厚さが厚いため、化学
的安定性は良好となるが、飽和磁化が低すぎて磁気記録
媒体としたときの再生出力が小さくなる。また、60e
mu/gより大きいと酸化物被膜の厚さが薄すぎて化学
的安定性に劣ったものとなる。
【0025】以上のような処理により、MnBi磁性粉
末の化学的安定性は著しく向上するが、この状態の磁性
粉末は触媒活性が極めて強く、例えば磁気記録媒体で
は、通常、磁性粉末を有機物である結合剤樹脂中に分散
させて使用するため、このような触媒活性の強い磁性粉
が有機物である結合剤樹脂と接すると、その触媒性によ
り結合剤樹脂が分解され、さらに分解した結合剤樹脂か
ら生じた物質により磁性粉末が腐食する可能性がある。
【0026】そこで、前述の処理を行った後、さらに不
活性ガス中熱処理して、MnBi磁性粉末の表面近傍に
形成されているMnBiの酸化物を安定な酸化物である
MnO2 に変換する。このMnO2 への変換時の熱処理
温度は、前述の熱処理温度よりも高いことが好ましく、
通常200〜400℃程度にするのが好ましい。温度が
200℃より低いとMnO2 への変換が不充分となり、
400℃より高いとMnBiがMnとBiに分解しやす
くなる。また、不活性ガスとしては通常窒素ガスやアル
ゴンガスが使用されるが、真空中熱処理しても同じ効果
が得られる。MnO2 の構造としては、α型やβ型、さ
らにγ型が知られているが、触媒活性が最も小さいβ型
にすることが好ましく、β型にするためは熱処理温度を
300〜400℃にすることが特に好ましい。
【0027】このような熱処理を施すことにより、Mn
Bi磁性粉末の表面近傍には、主としてMnO2 で表さ
れるMnの酸化物被膜が形成され、かつ16kOeの磁
界を印加して測定した保磁力が300Kにおいて300
0〜15000Oeの範囲に、80Kにおいて50〜1
000Oeの範囲にあり、かつ300Kにおいて16k
Oeの磁界を印加して測定した飽和磁化量が、20〜6
0emu/gの範囲にあり、さらに結合剤樹脂中での分
散性、配向性などに優れた磁性粉末を得ることができ
る。
【0028】〔MnBi磁性粉末とともに用いられる他
の磁性材料〕本発明は、以上のようにして製造されたM
nBi磁性粉末を、他の磁性材料とともに使用する。使
用方法としては、MnBi磁性粉末と他の磁性材料とを
一つの組成物中に共に含有させると、工程が簡単になる
ため好ましいが、MnBi磁性粉末を含有する磁気組成
物と、他の磁性材料を含有する磁気組成物を積層形成し
てもよい。また、他の磁性材料を有する磁気組成物とし
て、磁性粉末を含有させた磁気組成物の他に、金属板や
焼結体を使用することも可能である。
【0029】他の磁性材料としては、保磁力が1000
Oe以下の磁性材料が好ましい。保磁力が1000Oe
以下の磁性材料を用いることにより、容易に飽和磁化す
ることができる。これらの磁性材料としては、金属では
鉄合金が、酸化物としてはスピネルフェライトが好まし
い。具体的には、鉄合金としては、鉄−シリコン合金で
あるケイ素鋼、鉄−アルミニウム合金であるアルパー
ム、鉄−アルミニウム−シリコン合金であるセンダス
ト、鉄−ニッケル合金であるパーマロイなどが好ましい
ものとして使用される。また、スピネルフェライトとし
ては、マンガン−亜鉛フェライト、ニッケル−亜鉛フェ
ライト、銅−亜鉛フェライトなどが好ましいものとして
使用される。
【0030】既述したように、本発明の磁気材料は、磁
界の印加方向により磁化強度が大きく異なる性質を有す
るが、この性質を従来の磁性材料と充分な有異差とする
ためには、MnBi磁性粉末に対する他の磁性材料の重
量比を0.1〜10.0程度とすることが好ましい。この範
囲内のときに磁界印加方向による磁化強度の差異が充分
な大きさとなる。この範囲内で、上記の値が小さいとき
には、着磁方向に対して逆方向に磁界を印加したときの
磁化の極性が着磁方向と同じになりやすく、この値が大
きいときには逆方向に磁界を印加したときの磁化の極性
が着磁方向と逆方向になりやすい。
【0031】〔その他〕本発明の磁気材料は、ブロック
状、円柱状あるいはシート状と任意の形状にできる。ま
た、磁気材料そのものをMnBi磁性粉末および他の磁
性材料のみからなる成型体にすることができるが、これ
らを分散、固定するために非磁性物質、例えば有機樹脂
を含有させることも可能である。この場合の樹脂として
は、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリ
ビニルブチラール樹脂、繊維素系樹脂、フッ素系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、イソシアネート化合物、放射線硬
化型樹脂など、一般に磁気記録媒体に使用されている樹
脂や、シリコン樹脂などの熱硬化型の樹脂、さらにブタ
ジエン樹脂などゴム系の樹脂なども使用できる。
【0032】このようなMnBi磁性粉末および他の磁
性材料からなる磁気材料を固化して所定形状とする場合
には、固化前に磁界配向を行うのが好ましい。その場合
の磁界強度としては、1000〜5000Oe程度が好
ましい。この磁界配向により、MnBi磁性粉末、10
0Oe以下の保磁力を有する磁性粉末(他の磁性材料)
ともに磁界配向に磁化容易軸が揃う。
【0033】
〔実施例1〕
<MnBi磁性粉末の作製>まず、粒子サイズが200
メッシュになるように粉砕したMn粉末およびBi粉末
を、MnとBiがモル比で55:45になるように秤量
し、ボールミルを用いて充分に混合した。
【0034】次に、これらの混合物を、加圧プレス機を
用いて、3t/cm2 の圧力で、直径20mm、高さ10mm
の円柱状に成型した。この成型体を密閉式のアルミ容器
に入れ、真空引きした後、窒素ガスを0.5気圧導入し
た。次いで、この容器を電気炉に入れ、270℃の温度
で10日間熱処理した。熱処理後、MnBiインゴット
を空気中に取り出し、乳鉢で軽く粉砕して磁気特性を測
定した。300Kで最大磁界16kOeの磁界を印加し
て測定した保磁力は840Oeで、磁化量は53.6em
u/gであった。
【0035】次いで、得られたMnBiインゴットをグ
ローボックスを使用し、不活性雰囲気中で乳鉢を用いて
粗粉砕し、さらに、篩により500μm以下にした。こ
れを遊星ボールミルを用いてトルエン中にて、200r
pmで2時間粉砕した。
【0036】さらに、上記の粗粉砕したMnBi粉末
を、遊星ボールミルを用いて微粉砕した。すなわち、内
容積1000ccのボールミルポットに、直径3mmのジル
コニアボールを内容積の1/3を占めるように充填し、
この中に、粗粉砕したMnBi粉末500gと、溶媒と
してトルエンを500g入れ、回転数150rpmで4
時間粉砕した。300Kで最大磁界16kOeの磁界を
印加して測定した保磁力および磁化量は、それぞれ86
00Oeおよび39.2emu/gであった。
【0037】前記の方法により得られたMnBi磁性粉
末に、以下の方法で安定化処理を施した。トルエンに浸
した状態でMnBi磁性粉末を取り出し、熱処理容器に
移して室温で約2時間真空乾燥した。次に同じ容器に入
れたまま、酸素を1000ppm含有する窒素ガスを1
気圧導入し、40℃の温度で15時間熱処理を行った。
【0038】引続き第2段階の熱処理として、容器に充
填されている酸素混合ガスを真空引きして除去した後、
窒素ガスを0.5気圧導入し、温度を330℃まで上昇さ
せた後、この温度で2時間加熱処理した。
【0039】上記の方法により、最終的に得られたMn
Bi磁性粉末の平均粒子径は、1.8μmで、300kで
最大磁界16kOeの磁界を印加して測定した保磁力お
よび磁化量は、それぞれ8500Oeおよび46.3em
u/gであった。
【0040】<磁気材料の作製>磁性粉末として、上記
の方法で作製したMnBi磁性粉末とセンダスト磁性粉
末とを用い、下記組成の磁気材料(組成物)を調合し
た。センダスト磁性粉末としては、平均粒子サイズ14
μm、保磁力70Oe、飽和磁化124emu/gのも
のを用いた。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 70重量部 センダスト磁性粉末(Hc:70Oe) 20 〃 シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TSE3032(A)) 80 〃 シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TSE3032(B)) 10 〃
【0041】MnBi磁性粉末、センダスト磁性粉末お
よび主剤のシリコーン樹脂(A)を、ニーダを用いて4
時間混練分散した。この磁気材料を長さと幅が5cmで高
さが1cmのアルミ製の金型にいれ、さらにアルミ製の蓋
をした後、高さ方向に磁界が加わるように3000Oe
の磁界中に入れて、5分間放置した。次にプレス機で加
圧しながら、120℃で1分間加熱して、硬化させた。
室温に冷却した後、この金型からMnBi磁性粉末とセ
ンダスト磁性粉末とを分散させた磁気材料を取り出し
た。
【0042】〔実施例2〕実施例1における磁気材料の
組成において、センダスト磁性粉末に代えてマンガン−
亜鉛フェライト磁性粉末を使用し、その添加割合をMn
Bi磁性粉末55重量部、マンガン−亜鉛フェライト磁
性粉末35重量部とした以外は、実施例1と同様にして
混練分散物を作製し、加熱硬化して磁気材料を得た。な
お、マンガン−亜鉛フェライト磁性粉末としては、平均
粒子径サイズ0.5μm、保磁力8Oe、飽和磁化56e
mu/gのものを用いた。
【0043】〔実施例3〕実施例1における磁気材料の
組成において、MnBi磁性粉末の添加量を70重量部
から80重量部に、センダスト磁性粉末の添加量を20
重量部から10重量部とした以外は、実施例1と同様に
して混練分散物を作製し、加熱硬化して磁気材料を得
た。
【0044】〔実施例4〕実施例1における磁気材料の
組成において、MnBi磁性粉末の添加量を70重量部
から45重量部に、センダスト磁性粉末の添加量を20
重量部から45重量部とした以外は、実施例1と同様に
して混練分散物を作製し、加熱硬化して磁気材料を得
た。
【0045】〔実施例5〕実施例2における磁気材料の
組成において、MnBi磁性粉末の添加量を55重量部
から30重量部に、マンガン−亜鉛フェライト磁性粉末
35重量部から60重量部とした以外は、実施例2と同
様にして混練分散物を作製し、加熱硬化して磁気材料を
得た。
【0046】〔実施例6〕まず、下記組成を有する磁気
材料を調合した。 MnBi磁性粉末(Hc:8500Oe) 90重量部 シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TSE3032(A)) 80 〃 シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製、TSE3032(B)) 10 〃
【0047】次に、この磁気材料をニーダを用いて4時
間混練分散した。その後硬化剤であるシリコーン樹脂
(B)を加えて、さらに10分間混練分散した。この磁
気材料を長さと幅が5cmで高さが1cmのアルミ製の金型
にいれ、さらにアルミ製の蓋をした後、高さ方向に磁界
が加わるように3000Oeの磁界中に入れて、5分間
放置した。次にプレス機で加圧しながら、120℃で1
分間加熱して、硬化させた。室温に冷却した後、この金
型からMnBi磁性粉末を分散させた磁気材料を取り出
した。この磁気材料を長さと幅が5cmで、厚さが約0.4
mmのパーマロイ板に貼り付けてサンプルとした。
【0048】〔比較例1〕実施例1における磁気材料の
組成において、MnBi磁性粉末のみを用いて、MnB
i磁性粉末の添加量を90重量部に変更した以外は、実
施例1と同様にして混練分散物を作製し、加熱硬化して
磁気材料を得た。
【0049】〔比較例2〕実施例1における磁気材料の
組成において、センダスト磁性粉末のみを用いて、セン
ダスト磁性粉末の添加量を90重量部に変更した以外
は、実施例1と同様にして混練分散物を作製し、加熱硬
化して磁気材料を得た。
【0050】〔比較例3〕実施例1における磁気材料の
組成において、MnBi磁性粉末およびセンダスト磁性
粉末に代えて、磁性粉末としてバリウムフェライト磁性
粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして混練分散
物を作製し、加熱硬化して磁気材料を得た。なお、バリ
ウムフェライト磁性粉末としては、平均粒子径サイズ0.
5μm、保磁力275Oe、飽和磁化55emu/gの
ものを用いた。
【0051】〔磁気特性の評価〕このようにして作製し
た各磁気材料を液体窒素温度に冷却した後、室温に戻し
た。この初期化処理を行った後、正方向に16kOeの
磁界を印加して着磁し、その後、磁界を1000Oeま
で減少させて磁化の値を測定した。このとき、磁気材料
の磁界配向方向に平行な特定方向を正方向と定義した。
次に磁界をゼロまで戻した後、負方向に磁界を印加し、
負方向に1000Oeの磁界を印加した状態での磁化の
値を測定した。実施例および比較例の磁気材料につい
て、上記の操作を行い、正方向に16kOeの磁界印加
時の磁化の値を100%としたときの、正負方向に10
00Oeの磁界印加時の磁化の値を測定した結果を表1
に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、本発明のサンプ
ルは、+方向(正方向)に1kOeの磁界を印加したと
きには大きな磁化の値を示すが、−方向(負方向)に1
kOeの磁界を印加したときの磁化の値は低くなる。特
に、MnBi磁性粉末と他の磁性材料の磁化がほぼ打ち
消し合うように調製した実施例1・2・6の磁気材料で
は、−方向に1kOeの磁界を印加したときの値は著し
く小さくなり、見かけ上非磁性体のような挙動を示す。
このような−方向に磁界を印加した時の磁化の値は、M
nBi磁性粉末と他の磁性材料との重量割合を変えるこ
とにより、実施例1・2・6のように6%以下とほとん
どゼロに近い値を示すように設定できるし、実施例3の
ように+38.8%、実施例5、4では約−52〜55%
と任意の値に調製できる。
【0054】これに対して、MnBi磁性粉末のみを用
いた比較例1の磁気材料では、一度磁化すると室温では
保磁力が著しく大きくなるというMnBi磁性粉末の特
性を反映して、+方向に1kOeの磁界を印加しても、
−方向に1kOeの磁界を印加しても磁化強度はほとん
ど変化しない。
【0055】センダスト磁性粉末のみを用いた比較例2
の磁気材料では、保磁力が100Oe以下と低いため、
変化が反転するだけで、磁界印加方向に関係なく一定の
磁化強度を示す。
【0056】通常の磁気記録用の磁性粉末であるバリウ
ムフェライト磁性粉末を用いた比較例3の磁気材料で
は、センダスト磁性粉末に比べて保磁力が大きいため、
1kOeの磁界では磁化反転が不充分であり、+方向と
−方向では若干磁化強度が異なるが、本発明の磁気材料
ほど磁化強度に大きな差異は認められない。
【0057】これらの実施例および比較例の磁気材料に
ついて測定した磁化曲線の例を図1〜図3および図4〜
図7に示す。これらの図において、縦軸は磁化の強さを
示し、横軸は磁界の強さを示す。図1は、実施例の磁気
材料の磁化曲線であり、初期化処理後、正方向に16k
Oeの磁界を印加し、その後5kOeの強度の磁界で磁
化曲線を描いたものである(ここでは代表例として実施
例1のものを示したが、その他の実施例についてもほぼ
同様である)。
【0058】図2は、同一の磁気材料について、初期化
処理後、負方向に16kOeの磁界を印加し、その後5
kOeの強度の磁界で磁化曲線を描いたものである。最
初に正方向に磁界を印加した図1の磁化曲線では、正方
向には大きな磁化の値を示すが、負方向の磁化の値はほ
とんどゼロになる。逆に、最初に負方向に磁界を印加し
た図2の磁化曲線では、負方向には大きな磁化の値を示
すが、正方向の磁化の値はほとんどゼロになる。このよ
うに初期化後に最初に印加する磁界の方向により、正方
向と負方向では磁化強度は大きく異なり、通常の磁性体
では認められない極めて特異な性質を示す。
【0059】図3は、同一の磁気材料について、初期化
処理後、正方向に16kOeの磁界を印加し、その後1
6kOeの強度の磁界で磁化曲線を描いたものである。
図1の磁化曲線は、図3の磁化曲線において、負方向の
印加磁界強度を−5kOeまでとした場合に相当する。
【0060】図4は、MnBi磁性粉末のみを用いた比
較例1の磁気材料について測定した磁化曲線を示す。初
期化処理後、正方向に16kOeの磁界を印加し、その
後16kOeの強度の磁界で磁化曲線を描いたものであ
る。16kOeの磁界を印加しても、磁化曲線が対称の
形状にならないのは、一度磁化すると保磁力が著しく大
きくなるため、逆方向に16kOeの磁界を印加して
も、この磁化強度では磁気的に飽和できないからであ
る。
【0061】図5は、同一の磁気材料について、再初期
化処理後、負方向に16kOeの磁界を印加し、その後
16kOeの強度の磁界で磁化曲線を描いたものであ
る。磁化曲線は非対称な形状であるが、図4とは逆に負
方向の磁化が大きい磁化曲線となる。
【0062】図6は、センダスト磁性粉末のみを用いた
比較例2の磁気材料について測定した磁化曲線を示す。
保磁力が低いため、5000Oeの印加磁界でほぼ対称
な形状となる。なお、このような磁気ヘッドで磁化反転
できる適当な保磁力と対称な磁化曲線は、通常の磁気記
録媒体に不可欠な特性である。
【0063】図7は、バリウムフェライト磁性粉末のみ
を用いた比較例3の磁気材料について測定した磁化曲線
を示す。5000Oeの印加磁界でほぼ対称な形状とな
る。なお、このような磁気ヘッドで磁化反転できる適当
な保磁力と対称な磁化曲線は、通常の磁気記録媒体に不
可欠な特性である。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気材料は、磁
界印加方向により磁化強度が大きく異なる性質を有す
る。例えば磁気記録媒体用の磁性粉末や保磁力の低い軟
磁性材料のみを用いた磁気材料では、容易に磁化反転し
て、磁化の極性は逆になるが、磁化強度そのものは磁界
印加方向によらず一定の値を示す。また、保磁力が大き
い永久石などに使用される硬磁性材料のみを用いた磁気
材料では、磁化反転が生じにくいため、やはり、磁化強
度は磁界印加方向によらずほぼ一定の値を示す。
【0065】これに対し、本発明の磁気材料は、例えば
正方向に磁界を印加した場合には、極めて大きな磁化強
度を示し、負方向に磁界を印加した場合にはほとんど磁
化せず、見かけ上非磁性体のような挙動を示す。このよ
うな特性を利用すると、例えば、初期化時の印加磁界方
向を記憶しおくことが可能な磁気カードあるいは磁気デ
ィスク等の磁気記録媒体や、一方向にのみ感度が敏感な
磁気センサなどを作ることができる。また、本発明の磁
気材料を用いて板状部材を成型すると、その一方の面は
磁石に対して吸着されるが、他方の面は非磁性体のよう
に振る舞うため磁石の極性にかかわらず吸着されない。
従って、このような性質を利用して、磁石に対する吸着
性が表面側と裏面側とで異なる部材を作ることができ
る。さらに、大きな磁化強度を示す側における透磁率の
大きさを利用して、磁気シールド材を作ることもでき
る。以上のような特性をもった磁気材料はこれまで存在
せず、本発明により始めて実現したものであり、これま
でにない新規な用途を切り開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の磁気材料について、初期化処理
後、正方向に16kOeの磁界を印加し、その後5kO
eの強度の磁界で磁化曲線を描いた図である。
【図2】図1と同一の磁気材料について、初期化処理
後、負方向に16kOeの磁界を印加し、その後5kO
eの強度の磁界で磁化曲線を描いた図である。
【図3】図1と同一の磁気材料について、初期化処理
後、正方向に16kOeの磁界を印加し、その後16k
Oeの強度の磁界で磁化曲線を描いた図である。
【図4】比較例1の磁気材料について、初期化処理後、
正方向に16kOeの磁界を印加し、その後16kOe
の強度の磁界で磁化曲線を描いた図である。
【図5】図4と同一の磁気材料について、再初期化処理
後、負方向に16kOeの磁界を印加し、その後16k
Oeの強度の磁界で磁化曲線を描いた図である。
【図6】比較例2の磁気材料について測定した磁化曲線
を示す図である。
【図7】比較例3の磁気材料について測定した磁化曲線
を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnとBiとを主体とする磁性粉末を含
    有し、磁界の印加方向により異なる磁化強度を示すこと
    を特徴とする磁気材料。
  2. 【請求項2】 印加磁界が1000Oe以上である請求
    項1記載の磁気材料。
  3. 【請求項3】 MnとBiとを主体とする磁性粉末を含
    有し、初期化後最初に着磁した印加磁界方向に磁界を印
    加した時の磁化の値(A)と前記印加磁界方向とは反対
    方向に磁界を印加した時の磁化の値(B)との比(B/
    A)が、絶対値で2%以上60%以下であることを特徴
    とする磁気材料。
  4. 【請求項4】 磁界の印加方向に関係なく、1000O
    e以下の低い磁界で容易に飽和磁化する磁性材料を含有
    する請求項1又は3記載の磁気材料。
  5. 【請求項5】 磁界の印加方向に関係なく、1000O
    e以下の低い磁界で容易に飽和磁化する磁性材料は、1
    00Oe以下の保磁力を有する磁性粉末からなる請求項
    1又は3記載の磁気材料。
  6. 【請求項6】 MnとBiとを主体とする磁性粉末を含
    有する組成物ないし材料と、磁界の印加方向に関係な
    く、1000Oe以下の低い磁界で容易に飽和磁化する
    磁性材料を含有する組成物ないし材料とを積層形成して
    なる請求項1又は3記載の磁気材料。
  7. 【請求項7】 1000Oe以下の低い磁界で容易に飽
    和磁化する磁性材料は、金属鉄、鉄合金あるいは酸化物
    フェライト磁性粉末である請求項4記載の磁気材料。
  8. 【請求項8】 1000Oe以下の低い磁界で容易に飽
    和磁化する磁性材料は、金属板あるいは焼結体である請
    求項4記載の磁気材料。
  9. 【請求項9】 1000Oe以下の低い磁界で容易に飽
    和磁化する磁性材料は、金属鉄、鉄合金あるいは酸化物
    フェライト磁性粉末である請求項4記載の磁気材料。
  10. 【請求項10】 磁性粉末を固定するための非磁性物質
    が含有されている請求項1ないし9のいずれかに記載の
    磁気材料。
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