JP2000114013A - 磁性材料およびその製造方法 - Google Patents

磁性材料およびその製造方法

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JP2000114013A JP10292860A JP29286098A JP2000114013A JP 2000114013 A JP2000114013 A JP 2000114013A JP 10292860 A JP10292860 A JP 10292860A JP 29286098 A JP29286098 A JP 29286098A JP 2000114013 A JP2000114013 A JP 2000114013A
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Tetsuya Hidaka
徹也 日高
Akira Fukuno
亮 福野
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties

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  • Power Engineering (AREA)
  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、保磁力の温度依存性の低い磁性材料
を提供する。 【解決手段】 MnおよびNを主成分とし、少なくとも
Mn4N型結晶を含み、このMn4N型結晶の格子定数が
0.385nm以下である磁性材料。MnおよびNを主成
分とし、少なくともMn4N型結晶を含み、保磁力が
0.5kOe以上である磁性材料。MnおよびNを主成分
とし、少なくともMn4N型結晶およびδ−MnN型結
晶を含む磁性材料。この磁性材料の製造に際しては、窒
素含有雰囲気中において加熱する窒化処理工程を設け、
その後、真空中または窒素を含有しない非酸化性雰囲気
中において前記窒化処理工程における加熱温度以上の温
度に加熱する熱処理工程を設けるか、機械的な歪力を加
える歪付与工程を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石や磁気記録媒
体などへの適用が可能な磁性材料およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】高性能永久磁石として、Nd2Fe14
系磁石等の希土類磁石が一般に用いられている。希土類
磁石を製造する際には、保磁力発現のために微粉砕工程
を設けることが必須であり、また、厳密な雰囲気制御が
要求されるため、コスト高の原因になっている。また、
希土類磁石は保磁力の温度依存性が比較的大きいため、
高温環境下での使用に制限がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
で、保磁力の温度依存性の小さい磁性材料を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記(1)
〜(8)の本発明により達成される。 (1) MnおよびNを主成分とし、少なくともMn4
N型結晶を含み、このMn4N型結晶の格子定数が0.
385nm以下である磁性材料。 (2) MnおよびNを主成分とし、少なくともMn4
N型結晶を含み、保磁力が0.5kOe以上である磁性材
料。 (3) MnおよびNを主成分とし、少なくともMn4
N型結晶およびδ−MnN型結晶を含む磁性材料。 (4) N含有率が4〜20原子%である上記(1)〜
(3)のいずれかの磁性材料。 (5) Fe、Co、Ni、C、P、BおよびSiの少
なくとも1種を含有する上記(1)〜(4)のいずれか
の磁性材料。 (6) 25〜125℃における保磁力の温度係数が−
0.1〜0%/℃である上記(1)〜(5)のいずれかの
磁性材料。 (7) 上記(1)〜(6)のいずれかの磁性材料を製
造する方法であって、Mnを窒素含有雰囲気中において
加熱する窒化処理工程と、この窒化処理工程において得
られたMn窒化物を、真空中または窒素を含有しない非
酸化性雰囲気中において前記窒化処理工程における加熱
温度以上の温度に加熱する熱処理工程とを有する磁性材
料の製造方法。 (8) 上記(1)〜(6)のいずれかの磁性材料を製
造する方法であって、Mnを窒素含有雰囲気中において
加熱する窒化処理工程と、この窒化処理工程において得
られたMn窒化物に、機械的な歪力を加える歪付与工程
とを有する磁性材料の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】磁性材料 本発明の磁性材料は、Mn4N型結晶を含むMn窒化物
を主成分とする。Mn窒化物については、Mn4N相が
唯一の強磁性相であることが以前から知られている[N.
A.Gokcen:Bulletin of Phase Diagrams,11(1).,33(199
0)]。しかし、Mn窒化物において保磁力が発現したと
の報告はない。
【0006】Mn4N相は立方晶であり、前記Bulletin
of Phase Diagrams,11(1).,33(1990)には、格子定数が
0.3864nmと記載されている。本発明の磁性材料に
おいては、Mn4N型結晶の歪みが保磁力発現の一要素
であると考えられ、Mn4N型結晶の格子定数が0.3
85nm以下であるとき、実用的な保磁力が発現する。
【0007】ただし、Mn4N型結晶の格子定数を0.
385nm以下とすることは保磁力発現に必須ではない。
例えば、後述するように本発明では窒化処理工程の後に
機械的な歪力を加えることにより保磁力を発現させるこ
とが可能であるが、この場合には、必ずしも格子定数が
0.385nm以下とはならない。
【0008】本発明の磁性材料は、Mn4N型結晶のほ
かに、δ−MnN型結晶を含むことが好ましい。δ−M
nN型結晶を含むことは保磁力発現に必須ではないが、
δ−MnN相を含む場合、より高い保磁力が得られる。
なお、δ−MnN相も以前から知られている[G.Hagg:
Z.Phys.Chem.,B4,346(1929)]が、この相については、
磁性相であるとの報告はない。
【0009】上記各結晶の存在はX線回折により確認す
ることができる。また、Mn4N型結晶の格子定数は、
X線回折においてMn4N型結晶のピーク位置から求め
ることができる。
【0010】本発明の磁性材料において、N含有率は好
ましくは4〜20原子%、より好ましくは5〜17原子
%である。N含有率が低すぎても高すぎても、実用的な
保磁力を得ることが困難となる。
【0011】本発明の磁性材料は、Fe、Co、Ni、
C、P、BおよびSiの少なくとも1種を含有していて
もよい。これらの元素を添加した場合でも保磁力に大き
な変化はないが、Coを添加した場合には保磁力がやや
向上する。磁性材料中におけるこれらの元素の含有率
は、Mn4N型結晶の生成を阻害しない範囲であればよ
いが、好ましくは20原子%以下、より好ましくは10
原子%以下とする。
【0012】本発明の磁性材料は、多結晶であっても単
結晶であってもよく、多結晶である場合、平均結晶粒径
は特に限定されない。
【0013】本発明の磁性材料では、0.5kOe以上の
保磁力(HcJ)を得ることができ、1.0kOe以上の保
磁力を得ることもできる。また、本発明の磁性材料は、
保磁力の温度依存性が小さい。具体的には、25〜12
5℃における保磁力の温度係数として−0.1〜0%/℃
内の値が容易に得られ、−0.08〜0%/℃内の値を得
ることもできる。なお、25〜125℃における保磁力
の温度係数は、25℃における保磁力をHcJ25、125
℃における保磁力をHcJ125とし、 △HcJ=HcJ125−HcJ25 としたとき、 △HcJ/HcJ25/(125−25) で表される。
【0014】製造方法 次に、本発明の磁性材料を製造する好ましい方法を説明
する。
【0015】本発明の磁性材料を製造するに際しては、
Mn粉末を窒素含有雰囲気中において加熱する窒化処理
工程を少なくとも設ける。
【0016】本発明では、磁性発現のメカニズムが希土
類磁石とは異なるため、希土類磁石を製造する際に用い
る微粉に比べ寸法が著しく大きな粒子からなるMn粉末
を磁石化できる。したがって、微粉砕工程を設ける必要
がなく、また、Mn粉末の取り扱いが容易となる。ただ
し、Mn粒子の粒径が大きすぎると窒化が粒子表面付近
に片寄りすぎ、また、所望の窒素含有率とするために長
時間の窒化処理が必要となるので、Mn粉末の平均粒径
は500μm以下、特に300μm以下であることが好ま
しい。保磁力の点からはMn粉末の平均粒径の下限は特
にないが、平均粒径が小さすぎると酸化しやすくなるの
で、平均粒径は10μm以上、特に15μm以上であるこ
とが好ましい。この場合の平均粒径とは、篩別により求
められた重量平均粒径D50を意味する。重量平均粒径D
50は、径の小さな粒子から重量を加算していって、その
合計重量が全粒子の合計重量の50%となったときの粒
径である。なお、Mn粉末は、例えば電解Mnを粉砕す
ることにより製造することができる。
【0017】窒化処理工程における窒素含有雰囲気を構
成するガスとしては、例えばN2およびNH3の少なくと
も1種、またはこれらにH2やArを混合したものなど
を用いることができるが、好ましくはN2を用いる。窒
化処理工程における加熱温度は、Mn粉末の粒径によっ
ても異なるが、好ましくは400〜1000℃、より好
ましくは500〜900℃である。この加熱温度が低す
ぎると、窒化が不十分になって保磁力の高い磁性材料を
得ることが困難となる。一方、この加熱温度が高すぎる
と窒化が過剰に進み、やはり高保磁力の磁性材料を得る
ことが困難となる。また、窒化工程における加熱時間
は、Mn粉末の粒径や加熱温度によっても異なるが、通
常、0.5〜100時間の範囲から選択することが好ま
しい。
【0018】窒化処理工程において得られたMn窒化物
粉末は、そのままで微小な保磁力が発現していることも
あるが、この保磁力は、粉砕によりMn粉末を製造する
際に生じたα−Mn結晶の歪みによるものと考えられ
る。α−Mnは磁化が極めて小さいため、保磁力が生じ
ても磁石として使用することはできない。
【0019】本発明では、窒化処理により生じた軟磁性
のMn4N相に保磁力を発現させるため、窒化処理工程
の後に熱処理工程または歪付与工程を設ける。
【0020】熱処理工程は、Mn窒化物粉末を、真空中
または窒素を含有しない非酸化性雰囲気中において加熱
する工程である。熱処理工程における雰囲気を構成する
ガスとしては、例えばAr、HeおよびH2の少なくと
も1種を用いればよい。熱処理工程における加熱温度
は、窒化処理工程における加熱温度以上、好ましくはそ
れを超える温度とする。具体的な温度は、Mn窒化物粉
末の粒径や加熱時間によっても異なるが、400〜12
00℃、特に600〜1100℃とすることが好まし
い。加熱時間は、Mn窒化物粉末の粒径や加熱温度によ
っても異なるが、通常、0.5〜50時間の範囲から選
択することが好ましい。
【0021】歪付与工程は、Mn窒化物粉末に機械的な
歪力を加える工程である。機械的な歪力を加える手段は
特に限定されず、例えばベッセルミル、アトライタ、デ
ィスクミル、ボールミル、スタンプミル等の各種粉砕機
を利用することができる。機械的な歪力を加える時間は
特に限定されず、十分な保磁力が得られるように実験的
に決定すればよいが、通常、0.1〜100時間の範囲
から選択することが好ましい。
【0022】なお、熱処理工程と歪付与工程とを共に設
けてもよい。その場合、両工程の順序は任意である。
【0023】熱処理工程または歪付与工程を経た磁性材
料を、そのまま、または必要に応じて粉砕し、粒子同士
をバインダで結合してボンディッド磁石とすることがで
きる。本発明の磁性材料は、プレス成形を用いるコンプ
レッションボンディッド磁石、あるいは射出成形を用い
るインジェクションボンディッド磁石のいずれにも適用
することができる。バインダとしては、各種樹脂を用い
ることが好ましいが、金属バインダを用いてメタルボン
ディッド磁石とすることもできる。
【0024】また、熱処理工程または歪付与工程を経た
磁性材料を、そのまま、または必要に応じて粉砕し、こ
れを圧縮成形して圧粉磁石として用いることもでき、成
形して焼結し、焼結磁石とすることもできる。
【0025】また、熱処理工程または歪付与工程を経た
磁性材料を、そのまま、または必要に応じて粉砕した
後、バインダ中に分散し、非磁性基体に塗布することに
より、磁気記録媒体とすることができる。
【0026】以上では、Mn粉末を窒化処理する方法を
説明したが、Mnの薄板ないし薄膜を窒化処理し、その
後、上記した熱処理工程および/または歪付与工程を設
けてもよい。
【0027】
【実施例】実施例1 電解Mn粉末を粉砕して、粒径が150〜250μmの
範囲内に収まるように篩い分けし、平均粒径180μm
の原料粉末を得た。この原料粉末に、N2ガスフロー雰
囲気中において表1に示す処理温度および処理時間で窒
化処理を施し、Mn窒化物粉末を得た。Mn窒化物粉末
の保磁力および窒素含有率を、表1に示す。また、表1
には、窒化処理前のMn粉末の保磁力も示してある。
【0028】なお、本明細書の実施例では、窒素含有率
はガス分析により測定し、磁気特性はVSMにより最大
印加磁界19kOeで測定した。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示される窒化物粉末では、窒化処理
温度を400〜600℃とした場合にはMn4N型結晶
が認められたが、900℃および1000℃とした場合
には、窒素含有率が高くなり、Mn62.58型結晶が生
成した。また、窒化処理温度を300℃以下とした場合
には、Mn4N型結晶は認められなかった。
【0031】表1において、窒化処理を施さない場合お
よび窒化処理温度を300℃以下とした場合に比較的大
きな保磁力が発現しているのは、粉砕によりα−Mnに
歪みが生じた結果と考えられる。窒化処理温度を400
℃以上として窒素含有率を4.5原子%以上にした粉末
では、軟磁性Mn4N相の生成により保磁力が減少して
いる。
【0032】実施例2 実施例1と同じ原料粉末を用い、表2に示す条件で窒化
処理を施した後、熱処理または歪付与処理を施した。熱
処理は、Ar雰囲気中において表2に示す処理温度およ
び処理時間で行った。また、歪付与処理は、ベッセルミ
ルで表2に示す時間粉砕することにより行った。それぞ
れの処理後のMn窒化物粉末について、保磁力(Hc
J)、Mn4N型結晶の有無およびその格子定数、δ−M
nN型結晶の有無、窒素含有率を調べた。なお、結晶の
存在の有無および結晶の格子定数は、X線回折により測
定した。これらの結果を表2に示す。表2では、結晶が
存在する場合を○、存在しない場合を×とし、Mn4
型結晶の格子定数が0.385nm以下である場合を○、
0.385nm超0.386nm以下である場合を△、0.
386nm超である場合を×とした。
【0033】
【表2】
【0034】表2に示される結果から、窒化処理に続い
て、窒化処理温度以上の温度で熱処理を施すか、粉砕機
により機械的歪力を与えることにより、高い保磁力が得
られることがわかる。
【0035】なお、900℃で窒化処理した粉末では、
窒素含有率が高くなってMn62.5 8型結晶が生成した
が、熱処理後にはMn62.58型結晶に替わってMn4
型結晶が生成した。これは、熱処理工程において過剰な
窒素が放出されたり、粒子内部に窒素が拡散したりした
結果と考えられる。
【0036】表2に示す磁性材料は、飽和磁化が最大で
約10emu/gであった。
【0037】表2に示す窒化物粉末のうちNo.204に
ついて保磁力の温度係数を測定したところ、25〜12
5℃において−0.07%/℃であり、また、25〜40
0℃において−0.13%/℃であり、いずれも極めて小
さかった。これに対し、Nd2Fe14B系、Sm2Fe17
x系およびSm2Co17系の各希土類磁石を作製し、同
様な測定を行ったところ、25〜125℃における温度
係数がそれぞれ−0.4〜−0.6%/℃、−0.4%/℃
および−0.15%/℃であり、本発明の磁性材料に比べ
いずれも保磁力の温度依存性が著しく大きかった。
【0038】実施例3 表3に示す組成の原料粉末を用いたほかは表2のNo.2
04と同様にして、窒化物粉末を製造した。これらの窒
化物粉末の保磁力を表3に示す。なお、これらの窒化物
粉末の窒素含有率は、12〜15原子%であった。
【0039】
【表3】
【0040】表3から、Mn以外の遷移金属元素を添加
した場合でも、添加しない場合と少なくとも同等の保磁
力が得られ、Coを添加した場合には、保磁力が向上す
ることがわかる。
【0041】実施例4 原料粉末の組成をMn0.90.1とし、熱処理時間を4時
間としたほかは表2のNo.204と同様にして、窒化物
粉末を製造した。この窒化物粉末は、窒素含有率が1
2.8原子%であり、保磁力が1.1kOeであった。
【0042】実施例5 本発明の磁性材料と希土類磁石とについて、粒径を同等
としたときの保磁力の違いを調べた。結果を表4に示
す。なお、表4において、Mn−N系磁性材料は、表2
のNo.205、および、No.205を粉砕して分級した粉
末であり、Nd2Fe14B系磁石は、合金インゴットの
粉砕粉であり、Sm2Fe17x系磁石は、合金インゴッ
ト粉砕粉を窒化したものである。
【0043】
【表4】
【0044】表4から、本発明の磁性材料は、希土類磁
石が保磁力を示さない大径の粒子であっても磁石として
使用可能であることがわかる。
【0045】実施例6 窒化処理時間を10時間としたほかは表2のNo.205
と同様にして窒化物粉末を製造した。この窒化物粉末の
窒素含有率は、6.5原子%であった。この窒化物粉末
について、回転ヒステリシス損失Wrを飽和磁化Msで
規格化した値Wr/Msと、Wr測定時の磁場強度Hと
の関係を示す曲線を、図1に示す。高磁場側においてこ
の曲線がWr/Ms=0と交わる点の磁場強度が異方性
磁界Haとなる。比較のために、図1にはSrフェライ
ト磁石(Ha=15kOe)およびNd2Fe14B系急冷磁
石粉(MQI社製、商品名MQPB、Ha=44kOe)
について測定した同様な曲線を併記してある。図1か
ら、本発明の磁性材料は、従来の磁石に比べ極めて大き
な異方性磁界をもつことが推定される。
【0046】本発明の磁性材料が粗粉とした場合でも高
保磁力を示すのは、その高い磁気異方性に起因すると考
えられる。
【0047】実施例7 窒化処理時間を10時間としたほかは表2に示すNo.2
01(熱処理なし)、No.204(900℃で1時間熱
処理)およびNo.205(900℃で12時間熱処理)
と同様にして製造した窒化物粉末について、X線回折パ
ターンを図2に、磁化曲線を図3にそれぞれ示す。図3
から、熱処理を施すことにより保磁力が向上することが
明瞭にわかる。また、熱処理時間を12時間とした場合
には、ヒステリシス曲線が二重になることから、高保磁
力成分が生じたことがわかる。ここで図2のX線回折パ
ターンとあわせて考えると、1時間の熱処理により発現
する低保磁力成分はMn4N型結晶の歪みに起因し、1
2時間の熱処理により発現する高保磁力成分はδ−Mn
Nの生成に起因すると推定される。
【0048】以上の実施例から、本発明の効果が明らか
である。
【0049】
【発明の効果】本発明の磁性材料は、粗粉で高保磁力が
得られるため、製造の際に微粉砕工程を設ける必要がな
く、また、高価な希土類元素を含まず安価なMnおよび
Nを主成分とするため、低コストで製造できる。しか
も、本発明の磁性材料は、保磁力の温度依存性が小さ
い。したがって、本発明は工業的意義の大きな発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転ヒステリシス損失Wrを飽和磁化Msで規
格化した値Wr/Msと、Wr測定時の磁場強度との関
係を示すグラフである。
【図2】Mn窒化物粉末のX線回折パターンである。
【図3】Mn窒化物粉末の磁化曲線を示すグラフであ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 BC01 BC09 BC19 BC35 4K028 AA02 AB02 5E040 AB09 AB10 CA01 HB05 HB11 HB17 NN02 NN06 NN12 NN15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MnおよびNを主成分とし、少なくとも
    Mn4N型結晶を含み、このMn4N型結晶の格子定数が
    0.385nm以下である磁性材料。
  2. 【請求項2】 MnおよびNを主成分とし、少なくとも
    Mn4N型結晶を含み、保磁力が0.5kOe以上である磁
    性材料。
  3. 【請求項3】 MnおよびNを主成分とし、少なくとも
    Mn4N型結晶およびδ−MnN型結晶を含む磁性材
    料。
  4. 【請求項4】 N含有率が4〜20原子%である請求項
    1〜3のいずれかの磁性材料。
  5. 【請求項5】 Fe、Co、Ni、C、P、BおよびS
    iの少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか
    の磁性材料。
  6. 【請求項6】 25〜125℃における保磁力の温度係
    数が−0.1〜0%/℃である請求項1〜5のいずれかの
    磁性材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかの磁性材料を製
    造する方法であって、 Mnを窒素含有雰囲気中において加熱する窒化処理工程
    と、この窒化処理工程において得られたMn窒化物を、
    真空中または窒素を含有しない非酸化性雰囲気中におい
    て前記窒化処理工程における加熱温度以上の温度に加熱
    する熱処理工程とを有する磁性材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの磁性材料を製
    造する方法であって、 Mnを窒素含有雰囲気中において加熱する窒化処理工程
    と、この窒化処理工程において得られたMn窒化物に、
    機械的な歪力を加える歪付与工程とを有する磁性材料の
    製造方法。
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