JPH116435A - 圧縮着火エンジンの制御装置 - Google Patents
圧縮着火エンジンの制御装置Info
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- JPH116435A JPH116435A JP9160187A JP16018797A JPH116435A JP H116435 A JPH116435 A JP H116435A JP 9160187 A JP9160187 A JP 9160187A JP 16018797 A JP16018797 A JP 16018797A JP H116435 A JPH116435 A JP H116435A
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Abstract
を適正時期に得られる状態となったときに点火プラグに
よる強制点火から自己着火に移行させる。 【解決手段】点火プラグの点火により強制点火を行う点
火時期TADVをエンジン運転状態に基づいて設定すると
共に、燃焼室内の混合気に着火し燃焼ガスのイオンの存
在により該イオンを介して流れるイオン電流に基づいて
着火時期τAを検出する。そして、上記着火時期τAから
点火時期TADVを減算し、この減算値(τA−TADV)
を、設定値TSETと比較することで、適正時期で自己着
火が可能か否かを判断する(S15)。そして、τA−TAD
V≦TSETのとき、自己着火を行わせるための圧縮着火制
御を指示する圧縮着火制御フラグFCOMPをセットするこ
とで(S23)、点火プラグの点火による強制点火を中止
して自己着火に移行させる。
Description
おいて点火プラグの放電による火花点火によらず自己着
火を行う圧縮着火エンジンの制御装置に関し、詳しく
は、点火プラグによる強制点火から自己着火へ適切に移
行させることが可能な圧縮着火エンジンの制御装置に関
する。
し、ポンピングロスの低減や理論熱効率の向上により燃
費を向上するリーンバーンエンジンが採用されている。
しかし、大幅な燃費向上を目的として空燃比を更にリー
ン化して極希薄燃焼による運転を行うと、着火ミス(失
火)や燃焼の遅延によって熱効率の悪化が生じる。
または吸気加熱等により燃焼室内での混合気の温度を上
昇させ、所定の運転領域において、点火プラグの放電に
よる火花点火すなわち強制点火によらず、圧縮行程終期
ないし上死点付近で自己点火いわゆる自己着火を行わせ
る圧縮着火エンジンが提案されている(社団法人 自動
車技術会/学術講演会前刷集951/第309〜312
頁 「80 ガソリン予混合圧縮点火エンジンの研究」
(9534702)/1995年5月発行、或いは、特開昭6
2−157220号公報等)。
公報には、エンジン始動時、エンジン暖機未完了時、エ
ンジン高負荷時には、自己着火を行うことができないた
め、このときには、点火プラグの点火による強制点火を
行い、これ以外の時に、自己着火を行わせることが開示
されている。
行例においては、単に、エンジン始動、エンジン暖機状
態、及びエンジン負荷を判断しているに過ぎず、エンジ
ンの燃焼状態を判断していないため、自己着火が不能な
状態、或いは自己着火において適正な着火時期を得るこ
とができない状態下においても、点火プラグの点火によ
る強制点火から自己着火へ切換わる不都合がある。
生じたり、自己着火において適正な着火時期を得ること
ができず、異常燃焼が発生し、エンジンに悪影響を及ぼ
したり、燃費や排気エミッションが悪化する等の不都合
が発生する。
能で且つ自己着火による着火時期を適正に得られる状態
となったときに、点火プラグによる強制点火から自己着
火へ移行させることが可能な圧縮着火エンジンの制御装
置を提供することを目的とする。
め、請求項1記載の発明は、所定運転領域の下で、点火
プラグの放電による火花点火によらず圧縮行程終期ない
し上死点付近で自己着火を行う圧縮着火エンジンの制御
装置において、図1の基本構成図に示すように、点火プ
ラグの点火により強制点火を行う点火時期をエンジン運
転状態に基づいて設定する点火時期設定手段と、燃焼室
内の混合気が着火し燃焼ガスのイオンの存在により該イ
オンを介して流れるイオン電流に基づいて着火時期を検
出する着火時期検出手段と、上記点火時期と着火時期と
の差を所定値と比較し、差が所定値以下となったとき、
自己着火を行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立し
たと判断する圧縮着火制御移行条件判別手段と、圧縮着
火制御への移行条件成立時、点火プラグの点火による強
制点火を中止して自己着火に移行させる圧縮着火制御移
行手段とを備えたことを特徴とする。
明において、上記圧縮着火制御移行手段は、圧縮着火制
御への移行条件の成立時、点火プラグの点火による強制
点火を中止して自己着火に移行させ、混合気の空燃比を
リーン化することを特徴とする。
求項2記載の発明において、上記圧縮着火制御移行条件
判別手段は、更に、エンジン回転数及びエンジン負荷を
判断し、エンジン回転数及びエンジン負荷によるエンジ
ン運転領域が略同一領域にあるエンジン定常運転状態
で、且つ、上記点火時期と着火時期との差が所定値以下
となったとき、自己着火を行わせる圧縮着火制御への移
行条件が成立したと判断することを特徴とする。
明において、上記圧縮着火制御移行条件判別手段は、更
に、エンジン温度を判断し、エンジン温度が所定値以上
のエンジン暖機完了状態であり、且つ、エンジン回転数
及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が略同一領域
にあるエンジン定常運転状態で、且つ、上記点火時期と
着火時期との差が所定値以下となったとき、自己着火を
行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立したと判断す
ることを特徴とする。
求項4記載の発明において、上記圧縮着火制御移行条件
判別手段は、上記圧縮着火制御への移行条件成立の継続
時間が所定期間に達したとき、自己着火を行わせる圧縮
着火制御への移行条件が成立したと判断することを特徴
とする。
プラグの点火により強制点火を行う点火時期をエンジン
運転状態に基づいて設定すると共に、燃焼室内の混合気
に着火し燃焼ガスのイオンの存在により該イオンを介し
て流れるイオン電流に基づいて着火時期を検出する。そ
して、上記点火時期と着火時期との差を所定値と比較
し、差が所定値以下となったとき、自己着火を行わせる
圧縮着火制御への移行条件が成立したと判断し、点火プ
ラグによる強制点火を中止して自己着火に移行させる。
ここで、エンジン温度の上昇に伴い燃焼変動が減少して
燃焼が安定化すると共に燃焼速度が早くなり、点火プラ
グによる点火後、着火が検出されるまでの時間が短縮す
る。従って、点火プラグによる強制点火から自己着火へ
の移行条件として、点火時期と着火時期との差を求めて
所定値と比較することで、エンジン燃焼状態を判断する
ことが可能となり、自己着火への移行条件を適切に判断
して、適正時期で自己着火が可能な状態下において、的
確に自己着火に移行させることが可能となる。
の移行条件の成立時、自己着火へ移行するに際して、混
合気空燃比をリーン化することで、熱効率の向上と、C
O、NOx等の有害排気ガス成分を低く抑えることが可
能となる。
の移行条件を判別するに際して、更に、エンジン回転数
及びエンジン負荷を判断する。そして、エンジン回転数
及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が略同一領域
にあるエンジン定常運転状態で、且つ、上記点火時期と
着火時期との差が所定値以下となったとき、自己着火を
行わせる圧縮着火制御への移行条件の成立と判断し、自
己着火に移行させる。
制御への移行条件を判別するに際し、更に、エンジン温
度を判断する。そして、エンジン温度が所定値以上のエ
ンジン暖機完了状態であり、且つ、エンジン回転数及び
エンジン負荷によるエンジン運転領域が略同一領域にあ
るエンジン定常運転状態で、且つ、上記点火時期と着火
時期との差が所定値以下となったとき、自己着火を行わ
せる圧縮着火制御への移行条件の成立と判断し、自己着
火に移行させる。
制御への移行条件を判別するに際して、上記圧縮着火制
御への移行条件成立の継続時間が所定期間に達したと
き、自己着火を行わせる圧縮着火制御への移行条件が成
立したと判断し、自己着火に移行させる。
施の形態を説明する。図2〜図21は本発明の実施の第
1形態を示す。
の概略構成について説明する。符号1は圧縮着火エンジ
ンの一例としての自動車等の車輌用の圧縮着火エンジン
であり、図においては水平対向型4サイクル4気筒ガソ
リンエンジンを示す。尚、本実施の形態においては、圧
縮着火エンジン1は、リーンバーンエンジンをベースと
するものであるが、理論空燃比(ストイキオ)での運転
を基本とする通常のエンジンをベースとしてもよい。
ンジン(以下、単に「エンジン」と略記する)1は、吸
気加熱手段の一例として後述する排気ガス還流装置25
を採用し、排気ガス還流による吸気加熱と高圧縮比(例
えば、本実施の形態においては、圧縮比=11〜12)
とにより燃焼室内での混合気の温度を上昇させ、所定の
運転領域において、点火プラグの放電による火花点火す
なわち強制点火によらず、圧縮行程終期ないし圧縮上死
点付近で自己点火いわゆる自己着火を行う。
左右両バンクには、シリンダヘッド2がそれぞれ設けら
れ、各シリンダヘッド2に吸気ポート2aと排気ポート
2bが形成されている。
2aにインテークマニホルド3が連通され、このインテ
ークマニホルド3に各気筒の吸気通路が集合するエアチ
ャンバ4を介してスロットルチャンバ5が連通され、更
に、このスロットルチャンバ5の上流側に吸気管6を介
してエアクリーナ7が取り付けられ、このエアクリーナ
7がエアインテークチャンバ8に連通されている。
クセルペダルに連動するスロットル弁5aが設けられて
いる。上記吸気管6には、スロットル弁5aをバイパス
するバイパス通路9が接続され、このバイパス通路9
に、アイドル時にその弁開度によって該バイパス通路9
を流れるバイパス空気量を調整することでアイドル回転
数を制御するアイドル回転数制御弁(ISC弁)10が
介装されている。
気筒の吸気ポート2aの直上流にインジェクタ11が配
設されている。上記インジェクタ11は燃料供給路12
を介して燃料タンク13に連通されており、この燃料タ
ンク13にはインタンク式の燃料ポンプ14が設けられ
ている。この燃料ポンプ14からの燃料は、上記燃料供
給路12に介装された燃料フィルタ15を経て上記イン
ジェクタ11及びプレッシャレギュレータ16に圧送さ
れ、このプレッシャレギュレータ16から上記燃料タン
ク13にリターンされて上記インジェクタ11への燃料
圧力が所定の圧力に調圧される。
に、先端の放電電極18aを燃焼室17に露呈する点火
プラグ18が取り付けられ、この点火プラグ18に、各
気筒毎に配設された点火コイル19を介してイグナイタ
20が接続されている。
シリンダヘッド2の各排気ポート2bに連通するエキゾ
ーストマニホルド21の集合部に排気管22が連通さ
れ、この排気管22に触媒コンバータ23が介装されて
マフラ24に連通されている。
下、「EGR」と略称する)を行うためのEGR装置2
5が設けられている。このEGR装置25は、シリンダ
ヘッド2の少なくとも1つの上記排気ポート2bからス
ロットル弁5a下流のエアチャンバ4に排気ガスを還流
させるEGR通路26が接続され、このEGR通路26
に、排気ガス還流量調整弁の一例として、内蔵したステ
ッピングモータによって駆動されるステッピングモータ
駆動式のEGR弁27が介装されている。このEGR弁
27の制御量は、後述する電子制御装置50(図21参
照)によって演算される。そして、この制御量に対応し
て該電子制御装置50から出力される駆動信号に応じて
ステッピングモータが作動し、ステッピングモータの作
動によってEGR弁27の弁開度が調整される。
が00Hのとき、EGR弁27が全閉となり排気ガスの
還流、すなわちEGRが停止され、制御量がFFHのと
き、EGR弁27は全開となる。そして、制御量が00
H〜FFHの間で設定され、この制御量に対応した駆動
信号に応じてEGR弁27の弁開度が調整されて、EG
R量すなわちEGR率が制御される。
センサ類について説明する。
圧力/大気圧切換ソレノイド弁31の切換えに応じて上
記エアチャンバ4と大気とに選択的に連通し、スロット
ル弁5a下流の実吸気管圧力としてエアチャンバ4内の
吸気圧と、大気圧とを絶対圧で検出する。また、上記吸
気管6の上記エアクリーナ7の直下流に、ホットワイヤ
或いはホットフィルム等を用いた熱式の吸入空気量セン
サ32が介装され、更に、上記スロットルチャンバ5に
設けられたスロットル弁5aに、スロットル開度センサ
33aとスロットル弁5aの全閉でONするアイドルス
イッチ33bとを内蔵したスロットルセンサ33が連設
されている。
にノックセンサ34が取り付けられていると共に、シリ
ンダブロック1aの左右バンクを連通する冷却水通路3
5に冷却水温センサ36が臨まされている。また、上記
触媒コンバータ23の上流に空燃比センサの一例とし
て、空燃比に応じてリニアな出力特性を有するリニアO
2 センサ37が配設されている。
26を流れる還流排気ガス(以下、「EGRガス」と称
する)の温度を検出するEGRガス温度センサ38が介
装されている。
に軸着するクランクロータ40の外周に、クランク角セ
ンサ41が対設され、更に、クランクシャフト39に対
して1/2回転するカムシャフト42に連設するカムロ
ータ43に、気筒判別用のカム角センサ44が対設され
ている。
ように、その外周に突起40a,40b,40cが形成
され、これらの各突起40a,40b,40cが、各気
筒(#1,#2気筒と#3,#4気筒)の圧縮上死点前
(BTDC)θ1,θ2,θ3の位置に形成されている。
本実施の形態においては、θ1=97°CA,θ2=65
°CA,θ3=10°CAである。
タ43の外周には、気筒判別用の突起43a,43b,
43cが形成され、突起43aが#3,#4気筒の圧縮
上死点後(ATDC)θ4の位置に形成され、突起43
bが3個の突起で構成されて最初の突起が#1気筒のA
TDCθ5の位置に形成されている。更に、突起43c
が2個の突起で構成され、最初の突起が#2気筒のAT
DCθ6の位置に形成されている。本実施の形態におい
ては、θ4=20°CA,θ5=5°CA,θ6=20°
CAである。
うに、エンジン運転に伴いクランクシャフト39及びカ
ムシャフト42の回転により上記クランクロータ40及
びカムロータ43が回転して、クランクロータ40の各
突起が上記クランク角センサ41によって検出され、ク
ランク角センサ41からθ1,θ2,θ3(BTDC97
°,65°,10°)の各クランクパルスがエンジン1
/2回転(180°CA)毎に出力される。一方、θ3
クランクパルスとθ1クランクパルスとの間で上記カム
ロータ43の各突起が上記カム角センサ44によって検
出され、カム角センサ44から所定数のカムパルスが出
力される。
参照)において、上記クランク角センサ41から出力さ
れるクランクパルスの入力間隔時間Tθに基づいてエン
ジン回転数NEを算出し、また、各気筒の燃焼行程順
(例えば、#1気筒→#3気筒→#2気筒→#4気筒)
と、上記カム角センサ44からのカムパルスをカウンタ
によって計数した値とのパターンに基づいて、燃料噴射
対象気筒や点火対象気筒等の気筒判別を行う。
17内の混合気に着火して、その火炎により点火プラグ
18の放電電極18a間の放電間隙に燃焼ガスのイオン
が存在するとき、このイオンを介して流れるイオン電流
を検出するイオン電流検出回路である。本実施の形態に
おいては、特定気筒(例えば、#1気筒)にのみ対応し
てイオン電流検出回路45が配設されるが、全気筒に対
してそれぞれイオン電流検出回路を配設するようにして
もよい。
示すように、高圧電源46により高電圧(例えば、50
0V)のイオン電流電源が与えられ、この高圧電源46
と、点火コイル19の2次側及び点火プラグ18の放電
電極18aの接続間との間に、イオン電流検出用抵抗R
及び逆流防止用のダイオードDを直列接続し、更に上記
イオン電流検出用抵抗Rに電圧センサ45aを並列接続
して構成される。尚、図17において、符号60は電源
リレーであり、イグニッションスイッチ(同図において
はIGで示す)のONによってONし、電子制御装置5
0及び点火コイル19等に電源が与えられる。
出回路45を介して点火プラグ18に直流電圧を印加す
ると、正常着火してその火炎により点火プラグ18の放
電電極18a間に燃焼ガスのイオンが存在するとき、こ
のイオンを介してイオン電流が流れる。従って、イオン
電流が流れると、上記イオン電流検出回路45のイオン
電流検出用抵抗Rの両端子間に電位差が生じ、この電位
差を電圧センサ45aで検出することで、イオン電流を
検出することができる。
特開平6−241108号公報等により周知である。
電圧センサ45aの出力電圧、すなわちイオン電流検出
回路45により検出されるイオン電流のタイムチャート
を示す。電子制御装置50からイグナイタ20を介して
パルス波形の点火信号が出力されると(図13参照)、
点火コイル19の一次側に一次電流が流れる。そして、
点火信号の立下がりにより一次電流が遮断し(ドエルカ
ット)、点火コイルの2次側に高圧の二次電圧が誘起さ
れ、点火プラグ18の放電電極18a間が絶縁破壊され
て火花放電(スパーク)が行われる。そして、この点火
火花によるイオン電流が流れる。
すなわち強制点火によらず、圧縮行程終期ないし上死点
付近で自己点火いわゆる自己着火を行う圧縮着火制御時
には、点火信号が出力されず(図13参照)、このとき
には、点火火花によるイオン電流は発生しない。
て、燃焼室17内の混合気に着火して、その火炎により
点火プラグ18の放電電極18a間に燃焼ガスのイオン
が存在するとき、このイオンを介してイオン電流が流れ
る。
回路45により検出し、イオン電流検出回路45の電圧
センサ45aの出力電圧を電子制御装置50に入力し、
この電圧値を電子制御装置50においてモニタすること
で、着火時期を判断することが可能である。
する。
火プラグ18、ISC弁10等のアクチュエータ類に対
する制御量の演算、この制御量に対応する駆動信号の出
力、すなわち吸気温度制御を含むEGR制御、燃料噴射
制御、点火制御、アイドル回転数制御等のエンジン制御
は、図21に示す電子制御装置(ECU)50によって
行われる。
2、RAM53、バックアップRAM54、カウンタ・
タイマ群55、及びI/Oインターフェイス56がバス
ラインを介して互いに接続されるマイクロコンピュータ
を中心として構成され、各部に安定化電源を供給する定
電圧回路57、上記I/Oインターフェイス56に接続
される駆動回路58及びA/D変換器59等の周辺回路
が内蔵されている。
ーランカウンタ、カム角センサ信号(カムパルス)の入
力計数用カウンタ等の各種カウンタ、燃料噴射用タイ
マ、点火用タイマ、定期割り込みを発生させるための定
期割り込み用タイマ、クランク角センサ信号(クランク
パルス)の入力間隔計時用タイマ、エンジン始動後の経
過時間を計時する始動後時間計時用タイマ、着火時期を
計時するための着火時期計時用タイマ、及びシステム異
常監視用のウオッチドッグタイマ等の各種タイマを便宜
上総称するものであり、その他、各種のソフトウエアカ
ウンタ・タイマが用いられる。
点を有する電源リレー60の第1のリレー接点を介して
バッテリ61に接続され、バッテリ61に、上記電源リ
レー60のリレーコイルがイグニッションスイッチ62
を介して接続されている。また、上記定電圧回路57
は、直接、上記バッテリ61に接続されており、イグニ
ッションスイッチ62がONされて電源リレー60の接
点が閉となるとECU50内の各部へ電源を供給する一
方、上記イグニッションスイッチ62のON,OFFに
拘らず、常時、上記バックアップRAM54にバックア
ップ用の電源を供給する。更に、上記バッテリ61に
は、燃料ポンプリレー63のリレー接点を介して燃料ポ
ンプ14が接続されている。尚、上記電源リレー60の
第2のリレー接点には、上記バッテリ51から上記点火
コイル19を含む各アクチュエータに電源を供給するた
めの電源線が接続されている。
ートには、アイドルスイッチ33b、ノックセンサ3
4、クランク角センサ41、カム角センサ44、車速を
検出するための車速センサ47、及び始動状態を検出す
るためにスタータスイッチ48が接続されており、更
に、上記A/D変換器59を介して、絶対圧センサ3
0、吸入空気量センサ32、スロットル開度センサ33
a、冷却水温センサ36、O2センサ37、EGRガス
温度センサ38、及び電圧センサ45aが接続されると
共に、バッテリ電圧VBが入力されてモニタされる。
出力ポートには、上記燃料ポンプリレー63のリレーコ
イル、ISC弁10、インジェクタ11、EGR弁2
7、及び吸気管圧力/大気圧切換ソレノイド弁31が上
記駆動回路58を介して接続されると共に、イグナイタ
20が接続されている。
れている制御プログラムに従って、I/Oインターフェ
イス56を介して入力されるセンサ・スイッチ類からの
検出信号、及びバッテリ電圧等を処理し、RAM53に
格納される各種データ、及びバックアップRAM54に
格納されている各種学習値データ,ROM52に記憶さ
れている固定データ等に基づき、EGR弁27に対する
制御量、燃料噴射量、点火時期、ISC弁10に対する
駆動信号のデューティ比等を演算し、吸気温度制御を含
むEGR制御、燃料噴射制御、点火制御、アイドル回転
数制御等のエンジン制御を行う。
U50では、点火プラグ18の点火により強制点火を行
う点火時期TADVをエンジン運転状態に基づいて設定す
ると共に、燃焼室17内の混合気に着火し燃焼ガスのイ
オンの存在により該イオンを介して流れるイオン電流に
基づいて着火時期τAを検出する。そして、上記点火時
期TADVと着火時期τAとの差を所定値と比較し、差が所
定値以下となったとき、自己着火を行わせる圧縮着火制
御への移行条件が成立したと判断し、点火プラグ18の
点火による強制点火を中止して自己着火に移行させる。
ここで、エンジン温度の上昇に伴い燃焼変動が減少して
燃焼が安定化すると共に燃焼速度が早くなり、点火プラ
グ18による点火後、着火が検出されるまでの時間が短
縮する。従って、点火プラグ18の点火による強制点火
から自己着火への移行条件として、点火時期TADVと着
火時期τAとの差を求めて所定値と比較することで、エ
ンジン燃焼状態を判断することが可能となり、自己着火
への移行条件を適切に判断して、適正時期で自己着火が
可能な状態下において、的確に自己着火に移行させるこ
とが可能となる。
の移行条件の成立時、自己着火へ移行するに際し、混合
気空燃比をリーン化することで、熱効率の向上と、C
O、NOx等の有害な排気ガス成分を低く抑えることが
可能となる。
るに際し、更に、エンジン回転数NE及びエンジン負荷
を判断すると共に、エンジン温度を判断する。そして、
エンジン温度が所定値以上のエンジン暖機完了状態であ
り、且つ、エンジン回転数NE及びエンジン負荷による
エンジン運転領域が略同一領域にあるエンジン定常運転
状態で、且つ、上記点火時期TADVと着火時期τAとの差
が所定値以下となったとき、この状態の継続時間を計時
する。そして、この圧縮着火制御への移行条件成立の継
続時間が所定期間に達したとき、自己着火を行わせる圧
縮着火制御への移行条件が成立したと判断し、自己着火
に移行させる。
火時期設定手段、着火時期検出手段、圧縮着火制御移行
条件判別手段、圧縮着火制御移行手段としての機能を実
現する。
本発明に係る制御処理について、図2〜図12に示すフ
ローチャートに従って説明する。
され、ECU50に電源が投入されると、システムがイ
ニシャライズされ、バックアップRAM54に格納され
ている各種学習値等のデータを除く、各フラグ、各カウ
ンタ類、及び各タイマが初期化される。そして、スター
タスイッチ48がONされてエンジンが起動すると、ク
ランク角センサ41からのクランクパルス入力毎に、図
2に示す気筒判別/エンジン回転数算出ルーチンが実行
される。
ンでは、エンジン運転に伴いクランクロータ40が回転
してクランク角センサ41からのクランクパルスが入力
されると、先ず、ステップS1で、今回入力されたクラン
クパルスがθ1,θ2,θ3の何れのクランク角に対応す
る信号かをカム角センサ44からのカムパルスの入力パ
ターンに基づいて識別し、ステップS2で、クランクパル
スとカムパルスとの入力パターンから現在の圧縮行程気
筒すなわち点火対象気筒、着火対象気筒や、燃料噴射対
象気筒等の気筒判別を行う。
ように、例えば、前回クランクパルスが入力してから今
回クランクパルスが入力されるまでの間にカムパルス入
力が有れば、今回のクランクパルスはθ1クランクパル
スであると識別でき、更に次回入力されるクランクパル
スはθ2クランクパルスと識別できる。
間にカムパルス入力が無く、前々回と前回のクランクパ
ルス入力間にカムパルス入力が有ったときには、今回の
クランクパルスはθ2クランクパルスと識別でき、次回
入力されるクランクパルスはθ3クランクパルスと識別
できる。また、前回と今回との間、及び前々回と前回と
のクランクパルス入力間に、何れもカムパルス入力が無
いときには、今回入力されたクランクパルスはθ3クラ
ンクパルスと識別でき、次回入力されるクランクパルス
はθ1クランクパルスと識別できる。
力間にカムパルスが3個入力(突起43bに対応するθ
5カムパルス)したときには、次の圧縮上死点は#3気
筒であり、現在の圧縮行程気筒(点火対象気筒、着火対
象気筒)は#3気筒、次回の燃料噴射対象気筒は、その
2つ後の#4気筒と判別することができる。また、前回
と今回のクランクパルス入力間にカムパルスが2個入力
(突起43cに対応するθ6カムパルス)したときに
は、次の圧縮上死点は#4気筒であり、現在の圧縮行程
気筒,点火対象気筒,着火対象気筒は#4気筒、燃料噴
射対象気筒は#3気筒と判別できる。
間にカムパルスが1個入力(突起43aに対応するθ4
カムパルス)し、前の圧縮上死点判別が#4気筒であっ
たときには、次の圧縮上死点は#1気筒であり、現在の
圧縮行程気筒,点火対象気筒,着火対象気筒は#1気
筒、燃料噴射対象気筒は#2気筒と判別できる。同様
に、前回と今回とのクランクパルス入力間にカムパルス
が1個入力し、前の圧縮上死点判別が#3気筒であった
ときには、次の圧縮上死点は#2気筒であり、現在の圧
縮行程気筒,点火対象気筒,着火対象気筒は#2気筒、
燃料噴射対象気筒は#1気筒と判別できる。
1では、燃焼行程が#1→#3→#2→#4の気筒順で
あり、図13のタイムチャートに示すように、カムパル
ス出力時の今回(現在)の圧縮行程気筒#nを#1気筒
とすると、点火対象気筒,着火対象気筒は同様に#n=
#1気筒、このときの燃料噴射対象気筒はその2つ後の
#n-2=#2気筒となる。
18による火花点火が選択されているときには、後述の
図6の点火制御ルーチンにおいて上記点火対象気筒#n
の判別結果に応じて該当気筒#nに対する点火時期が設
定されて、気筒毎に点火時期制御が行われ、また、圧縮
着火制御による自己着火の選択時には点火時期の設定を
中止して点火プラグ18による火花点火を中止する。ま
た、後述の図7のθ2クランクパルス割り込みルーチン
において、上記着火対象気筒#nの判別結果に応じて、
イオン電流検出対象気筒すなわち着火時期検出対象気筒
か否かが判断される。更に、燃料噴射対象気筒#n-2の
判別結果が、所定周期毎に実行される図5の燃料噴射量
設定ルーチンにおいて参照されて、気筒毎に燃料噴射量
が設定される。
み、前記クランクパルス入力間隔計時用タイマによって
計時された前回のクランクパルス入力から今回のクラン
クパルス入力までの時間、すなわちクランクパルス入力
間隔時間(θ1クランクパルスとθ2クランクパルスの入
力間隔時間Tθ12、θ2クランクパルスとθ3クランクパ
ルスの入力間隔時間Tθ23、或いはθ3クランクパルス
とθ1クランクパルスの入力間隔時間Tθ31)を読み出
し、クランクパルス入力間隔時間Tθを検出する。
クランクパルスに対応するクランクパルス間角度を読み
出し、このクランクパルス間角度と上記クランクパルス
入力間隔時間Tθとに基づいて現在のエンジン回転数N
Eを算出し、RAM53の所定アドレスにストアしてル
ーチンを抜ける。尚、上記クランクパルス間角度は既知
であり、予めROM52に固定データとして記憶されて
いるものであり、本実施の形態においては、θ1クラン
クパルスとθ2クランクパルス間の角度は32°CAで
あり、θ2クランクパルスとθ3クランクパルス間の角度
は55°CA、θ3クランクパルスとθ1クランクパルス
間の角度は93°CAである。また、エンジン始動時を
考慮し、エンジン回転数NEは、例えば、150rpm以上
で算出される。
に実行される図3に示す圧縮着火制御条件判別ルーチン
において、上記エンジン回転数NE等の各データが読み
出され、点火プラグ18の火花点火による強制点火から
自己着火を行わせるための圧縮着火制御へ切換える際の
条件を判断する。
ンについて説明する。
ては、先ずステップS11で、圧縮着火制御フラグFCOMP
を参照し、現在、点火プラグ18の火花点火による強制
点火制御が行われているか、或いは、既に自己着火を行
わせるための圧縮着火制御が選択されているかを判断す
る。
ムイニシャライズ時にクリアされ、FCOMP=0により強
制点火制御が行われる。そして、本ルーチンにおいて強
制点火制御から圧縮着火制御への切換条件が成立したと
きセットされて(FCOMP←1)、この圧縮着火制御フラ
グFCOMPのセットにより圧縮着火制御へ移行する。尚、
FCOMP=1の圧縮着火制御への移行後は、後述する図1
1〜図12のEGR制御ルーチンにおいて、圧縮着火制
御から強制点火制御への切換条件が判断され、この条件
の成立時に圧縮着火制御フラグFCOMPがクリアされるこ
とで、強制点火制御に移行する。
う圧縮着火制御が指示されているときには、ステップS1
9へジャンプして、ステップS19,S20で、現在のエンジ
ン回転数NE,吸入空気量Qを前回の値NEOLD,QOLDと
してRAM53の所定アドレスにストアして、そのまま
ルーチンを抜ける。
御が選択され、点火プラグ18の放電による強制点火が
行われているとき、ステップS12へ進み、ステップS12以
降の処理によって圧縮着火制御への移行条件が成立して
いるか否かを判断する。
Eと吸入空気量Qの変化を判断し、エンジン定常運転状
態か否かを判断する。すなわち、ステップS12で、現在
のエンジン回転数NEを読み出して、このエンジン回転
数NEから前回の本ルーチン実行時のエンジン回転数NE
OLDを減算し、この減算値の絶対値|NE−NEOLD|を設
定値NESと比較することで、エンジン回転数領域が前
回と略同一領域に有るか否かを判断する。また、ステッ
プS13では、吸入空気量センサ32による現在の吸入空
気量Qを読み出して、この吸入空気量Qから前回ルーチ
ン実行時の吸入空気量QOLDを減算して、この減算値の
絶対値|Q−QOLD|を設定値QSと比較することで、
吸入空気量Qによるエンジン負荷領域が前回と略同一領
域に有るか否かを判断する。
|Q−QOLD|>QSで、エンジン回転数NEとエンジン
負荷とによるエンジン運転領域が変化しているエンジン
過渡運転状態時には、該当するステップからステップS1
8へジャンプして、圧縮着火制御への切換条件成立の継
続時間を計時するための条件継続時間カウント値CNを
クリアし(CN←0)、次回の判定に備え、続くステッ
プS19,S20で、それぞれ上記エンジン回転数NE,吸入
空気量Qを前回の値NEOLD,QOLDとしてRAM53の
所定アドレスにストアして、ルーチンを抜け、点火プラ
グ18の火花点火による強制点火制御を継続する。
E−NEOLD|≦NES且つ|Q−QOLD|≦QSで、エン
ジン回転数及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が
略同一領域にあるエンジン定常運転状態時には、ステッ
プS14へ進み、エンジン温度の一例としての冷却水温セ
ンサ36によるエンジン冷却水温度TWを読み出し、こ
の冷却水温度TWを設定値TWSと比較することで、エ
ンジン暖機完了状態か否かを判断する。
未完了時には、上記ステップS18へジャンプして、ステ
ップS18〜S20を経てルーチンを抜け、また、TW≧TW
Sのエンジン暖機完了状態時には、ステップS15へ進
み、後述の図6の点火制御ルーチンにおいて設定される
点火プラグ18による強制点火の点火時期TADV、及び
後述の図10の着火時期検出ルーチンおいてイオン電流
に基づき検出した着火時期τAを読み出して、着火時期
τAから点火時期TADVを減算し、この減算値(τA−TA
DV)を設定値TSETと比較することで、適正時期で自己
着火が可能か否かを判断する。
おいては、上記着火時期τA及び点火時期TADVは、図1
4に示すように、θ2クランクパルス入力を基準とする
時間値として設定される。
動が減少して燃焼状態が安定化すると共に燃焼速度が早
くなり、点火プラグ18の点火による強制点火によらず
且つ適正時期で自己着火が可能となる。
点火から自己着火への移行条件として、点火時期TADV
と着火時期τAとの差すなわち上記減算値(τA−TAD
V)を求め、上記設定値TSETによる所定値と比較するこ
とで、エンジン燃焼状態を判断することが可能となり、
自己着火への移行条件を適切に判断することが可能とな
る。
所定に上昇したエンジン暖機完了状態で、且つ適正時期
で自己着火可能な状態下において、点火時期TADVすな
わち点火プラグ18の放電により燃焼室17内の混合気
に点火した後、混合気の燃焼火炎が点火プラグ18の放
電電極18a間に達してイオン電流が流れるまでの期
間、すなわち点火からイオン電流に基づいて着火が検出
されるまでの時間を、予めシミュレーション或いは実験
等により求め、この時間値を設定値TSETとし、固定デ
ータとしてROM52にメモリされているものである。
TADVとイオン電流に基づき検出される着火時期τAとの
時間間隔が設定値TSETにより定まる所定時間を上回る
ときには、自己着火に移行させたとしても適正着火時期
での自己着火が不能と判断して、上記ステップS18〜S20
を経てルーチンを抜け、点火プラグ18の火花点火によ
る強制点火制御を継続する。
V≦TSETで、点火時期TADVとイオン電流に基づき検出
される着火時期τAとの時間間隔が上記設定値TSETによ
る所定値以内の時間に短縮されたとき、適正着火時期で
自己着火が可能であると判断して、ステップS16へ進
み、ステップS16,S17で、更に、EGRガス温度条件を
判断し、EGRによる吸気温度制御が可能か否かを判断
する。
の自己データに基づいてEGR弁27に対する制御量E
GRSが00H外で、現在、EGRが行われているか否
かを判断し、EGRS=00HでEGR弁27が全閉の
EGR停止時には、EGRガス温度を検出することがで
きず、従って、上記ステップS18〜S20を経てルーチンを
抜け、点火プラグ18の火花点火による強制点火制御を
継続する。
れているとき、ステップS17へ進み、EGRガス温度セ
ンサ38によるEGRガス温度TEGRを読み出し、この
EGRガス温度TEGRを設定値TEGRSと比較するこ
とで、EGRガスによる吸気温度制御が可能か否かを判
断する。
度が所定に上昇しEGR弁27によるEGR率を制御す
ることで、吸気温度を適切に制御することが可能なEG
Rガス温度を、予めシミュレーション或いは実験等によ
り求め、この温度値を設定値TEGRSとして設定し、
固定データとしてROM52にメモリされているもので
ある。
スにより吸気温度制御を適正に行い得ないと判断される
ときには、上記ステップS18〜S20を経てルーチンを抜
け、点火プラグ18の火花点火による強制点火制御を継
続する。
RSのときには、EGRガス温度TEGRが上記設定値に
よる所定温度以上に上昇し、EGR弁27によるEGR
率を制御することで吸気温度を適正に制御することが可
能と判断してステップS21へ進む。
EGRを設定値TEGRSと比較することで、EGRによ
る吸気温度制御が可能か否かを判断しているが、簡易的
には、EGRガス温度センサ38に代え、排気系に排気
温度センサを配設して、上記ステップS17において、こ
の排気温度センサにより検出される排気ガスの温度を設
定値と比較することで、EGRによる吸気温度制御が可
能か否かを判断するようにしてもよい。この場合は、E
GR判断を行う上記ステップS16を省略することが可能
となる。
の全ての条件による圧縮着火制御への切換条件成立の継
続時間を計時する条件継続時間カウント値CNをカウン
トアップし(CN←CN+1)、ステップS22で、上記条
件継続時間カウント値CNを設定値CSET(例えば、数se
c相当値)と比較する。
着火制御への切換条件が非成立であると判断して、上記
ステップS19へ進み、ステップS19,S20を経て、それぞ
れ上記エンジン回転数NE,吸入空気量Qを前回の値NE
OLD,QOLDとしてRAM53の所定アドレスにストアし
て、ルーチンを抜け、点火プラグ18の火花点火による
強制点火制御を継続する。
Tで、上記ステップS12〜S17による全ての条件成立の継
続時間が、本ルーチンの実行周期と上記設定値CSETと
により定まる所定期間に達したとき、ステップS23へ進
み、上記圧縮着火制御フラグFCOMPをセットすることで
(FCOMP←1)、点火プラグ18の火花点火による強制
点火制御を中止して、自己着火を行わせる圧縮着火制御
を選択する。
間カウント値CNをクリアして(CN←0)、続くステッ
プS25で、現在のEGR弁27に対する制御量EGRSに
設定値UPSETを加算して新たな制御量を設定し(E
GRS←EGRS+UPSET)、ルーチンを抜ける。
とによるエンジン運転領域が変化するエンジン過渡運転
状態時には、これに対応して、点火時期TADVとイオン
電流に基づき検出される着火時期τAとの時間間隔が変
化するため、この時間間隔に基づいて圧縮着火制御への
切換条件を適正に判断することができず、誤判定を生じ
る。
が生じるため、圧縮着火制御に移行しても自己着火が行
われるとは限らず、また、点火時期TADVとイオン電流
に基づき検出される着火時期τAとの時間間隔が所定時
間を上回るときには、燃焼速度が遅く、自己着火制御に
移行しても所望の時期に自己着火及び燃焼を行わせるこ
とができず、エンジン1の着火ミス(失火)を生じた
り、自己着火において適正な着火時期τAを得ることが
できず、異常燃焼が発生し、エンジンに悪影響を及ぼし
たり、燃費や排気エミッション等が悪化する。
においてEGRにより吸気温度制御を行い、自己着火に
よる着火時期τAをエンジン運転状態に基づいて設定し
た目標着火時期τTAGTに収束するよう制御しているた
め、EGRガス温度TEGRが所定温度未満のEGRガス
の低温時には、EGRガスにより吸気温度を十分に上昇
させることができず、圧縮着火制御に移行して自己着火
を行わせても、EGRによる吸気温度制御を行うことが
できないため、所望とする目標着火時期τTAGTに着火時
期τAを制御することができない。
ン回転数NEとエンジン負荷を表す吸入空気量Qとによ
るエンジン運転領域が略同一領域にあるエンジン定常運
転状態で、且つ、エンジン暖機完了状態で、点火時期T
ADVとイオン電流に基づき検出される着火時期τAとの時
間間隔が上記設定値TSETによる所定値以内の時間に短
縮し、適正時期で自己着火が可能であると判断され、且
つ、EGRの実行下においてEGRガス温度TEGRが所
定温度以上で、EGRによる吸気温度制御を適切に行う
ことができ、且つ、以上の全ての条件成立の継続時間が
上記設定値TSETによる所定期間に達し、自己着火制御
への移行条件が完全に成立したと判断されるとき、すな
わち、自己着火が可能で且つ自己着火による着火時期τ
Aを適正時期に得られる状態となったときに、圧縮着火
制御フラグFCOMPをセットして、燃焼室17に供給され
る混合気空燃比をリーン化すると共に、点火プラグ18
の火花点火による強制点火制御を中止し、自己着火を行
わせる圧縮着火制御に移行する。
誤判定を防止することが可能となり、且つ、点火プラグ
18の火花点火による強制点火制御から圧縮着火制御へ
の移行を適正なタイミングで行うことができる。その結
果、圧縮着火制御への移行後、直ちに、適正時期で自己
着火を行うことが可能となり、エンジン1の着火ミス
(失火)を生じることなく、また、自己着火における着
火時期τAの不適合による異常燃焼を防止することがで
きる。従って、異常燃焼に起因するエンジン1に対する
悪影響等の弊害を防止して、エンジン1の耐久信頼性を
向上することが可能となる。また、自己着火への移行時
における失火や着火時期不適合による異常燃焼が防止さ
れるので、排気エミッションの改善を図ることが可能と
なる。更に、圧縮着火制御への移行に際して、空燃比を
リーン化するので、燃費の大幅な向上を図ることが可能
となる。
が、図4の目標当量比算出ルーチン、図6の点火制御ル
ーチン、図7のθ2クランクパルス割り込みルーチン、
及び図11〜図12のEGR制御ルーチンにおいて参照
され、FCOMP=0の強制点火制御時には、エンジン運転
状態に応じて点火時期TADVを設定し、点火プラグ18
の火花点火による強制点火を行うと共にエンジン運転状
態に応じて所定空燃比による燃料噴射制御を行い、ま
た、エンジン運転状態に応じてEGR弁27に対する制
御量EGRSを設定し、通常のEGR制御を行う。
空燃比が強制点火制御時に対してリーン化されると共
に、点火時期TADVの設定が中止されて点火プラグ18
の火花点火による強制点火が中止される。また、圧縮着
火制御への移行時に(図16のタイムチャートにおける
t1の時点)、上述のステップS25においてEGR弁2
7に対する制御量EGRSが設定値UPSETによる所
定量増加され、これに対応してEGR弁27の弁開度が
所定量増加し、EGR量すなわちEGR率の増加によっ
て吸気加熱量を増加させることで、吸気温度が上昇す
る。そして、この吸気温度の上昇により、燃焼室17内
の混合気の温度が直ちに上昇され、点火プラグ18の放
電による火花点火から自己着火に移行される。
ン電流に基づいて検出される着火時期τAと、エンジン
運転状態に基づいて設定した目標着火時期τTAGTとの比
較結果に応じて、EGR弁27を制御することで、着火
時期τAが目標着火時期τTAGTに収束するよう吸気温度
を制御する。
目標当量比KTAGTを算出する図4の目標当量比算出ルー
チンについて説明する。
1/λであり、空気過剰率λは、λ=実空燃比/理論空
燃比である。従って、上記目標当量比KTAGTは、理論空
燃比/目標空燃比として表される。
いて、上記圧縮着火制御フラグFCOMPに応じ、圧縮着火
制御への移行時に、強制点火制御時に対して燃料噴射量
をより減量補正して、燃焼室17に供給される混合気の
空燃比をリーン化するためのリーン減量係数KLEANが設
定される。そして、このリーン減量係数KLEANが目標当
量比KTAGTの演算式においてマイナス項で与えられ(図
4のステップS37)、この目標当量比KTAGTが燃料噴射
量設定ルーチンにおいて燃料噴射量を定める燃料噴射パ
ルス幅Tiの演算式に組み込まれることで(図5のステ
ップS46)、燃料噴射量が減量補正され、空燃比がリー
ンに制御される。
イニシャライズ後、所定周期毎に実行され、ステップS3
1で、エンジン回転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料
噴射パルス幅Tp(後述の燃料噴射量設定ルーチンにお
いて算出される。Tp←K×Q/NE;Kはインジェク
タ特性補正定数)とに基づいてROM52に格納されて
いるフル増量係数テーブルを参照してフル増量係数KFU
LLを設定する。
状態が高回転及び高負荷との少なくとも一方の状態のと
きに、燃料増量補正により触媒温度の過上昇を防止して
触媒を保護すると共に、エンジン出力を確保するための
ものである。
Sを設定する。この始動後増量係数KASは、エンジン始
動直後のエンジン回転の安定性を確保するためエンジン
始動直後から所定期間燃料増量補正を行うためのもの
で、冷却水温度TWに基づいて初期値を設定し、ステッ
プS32中に示すように、エンジン始動後、KAS=0にな
るまで漸次的に減少される。
づいてテーブル参照により水温増量係数KTWを設定す
る。この水温増量係数KTWは、エンジン冷態時の運転性
を確保するための燃料増量率を定めるものであり、ステ
ップS33中に示すように、冷却水温度TWが低いほど、燃
料増量率を増加するために、大きい値の水温増量係数K
TWがテーブルにストアされている。
御フラグFCOMPを参照し、現在、点火プラグ18の火花
点火を行う強制点火制御が指示されているか、或いは点
火プラグ18の強制点火によらず自己着火を行わせる圧
縮着火制御が指示されているかを判断する。
されているときには、ステップS35へ進み、エンジン負
荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン回転数N
Eとに基づいて第1のリーン減量係数テーブルを検索
し、強制点火に適合して且つエンジン運転領域に応じ適
正リーン空燃比を得るための燃料減量率を定めるリーン
減量係数KLEANを設定して、ステップS37へ進む。
ンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン
回転数NEとによるエンジン運転領域毎に、強制点火時
において適正空燃比を得るに的確な燃料減量補正率を予
めシミュレーション或いは実験等により求め、この燃料
減量率に対応し当量比に対する減算値をリーン減量係数
KLEANとして、ROM52の一連のアドレスにメモリさ
れているものである。
をステップS35中に示す。この第1のリーン減量係数テ
ーブルには、ステップS35中に示すように、極低負荷低
回転及び高負荷領域において、リーン減量係数KLEAN=
0の値がストアされており、極低負荷低回転及び高回転
域を除く低負荷領域及び中負荷領域において、KLEAN>
0の値(本形態においては、空燃比=22〜24に相当
する値)がメモリされている。すなわち、エンジン回転
の安定化を要求される極低負荷低回転域及びエンジン出
力が要求される高負荷領域においては、リーン減量係数
KLEANがKLEAN=0に設定され、リーン減量係数KLEAN
による燃料減量補正無しの状態に設定される。また、低
負荷及び中負荷領域がリーン空燃比によりリーンバーン
を行うリーンバーン領域であり、この領域においてリー
ン減量係数KLEANがKLEAN>0に設定され、燃料減量補
正が行われる。
は、上記圧縮着火エンジン1は、リーンバーンエンジン
をベースとしたものであり、強制点火時においてもリー
ンバーンを行う。これに対し、理論空燃比(ストイキ
オ)での運転を基本とする通常のエンジンをベースとし
た圧縮着火エンジン1を採用する場合は、FCOMP=0の
強制点火が指示されているときには、一律にリーン減量
係数KLEANを、KLEAN=0とし、リーン減量係数KLEAN
による燃料減量補正無しの状態とする。
1で、自己着火を行うための圧縮着火制御が指示されて
いるときには、ステップS36へ進み、エンジン負荷を表
す基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン回転数NEとに
基づいて第2のリーン減量係数テーブルを検索し、自己
着火に適合し且つエンジン運転領域に応じ適正リーン空
燃比を得るための燃料減量率を定めるリーン減量係数K
LEANを設定して、ステップS37へ進む。
ンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン
回転数NEとによるエンジン運転領域毎に、自己着火を
行う上で適正空燃比を得るに的確な燃料減量補正率を予
めシミュレーション或いは実験等により求め、この燃料
減量率に対応し当量比に対する減算値をリーン減量係数
KLEANとして、ROM52の一連のアドレスにメモリさ
れているものである。
をステップS36中に示す。この第2のリーン減量係数テ
ーブルは、ステップS35中に示す強制点火時に適合する
上記第1のリーン減量係数テーブルに対し、相対的に大
きい値のリーン減量係数KLEANがストアされている。
尚、本形態においては、極低負荷低回転及び高負荷域で
空燃比=20〜21に相当する値のリーン減量係数KLE
ANがストアされ、低負荷領域及び中負荷領域において空
燃比=23〜37に相当する値のリーン減量係数KLEAN
がストアされている。
を中止して自己着火を行うときには、リーン減量係数K
LEANによる燃料減量率を強制点火時に対し相対的に増加
させ、燃焼室17内に供給される混合気の空燃比をリー
ン化することで、熱効率の向上と、CO、NOx等の有
害な排気ガス成分を低く抑えることが可能となる。
ステップS37へ進み、エンジン運転状態に応じて設定さ
れた各種補正項に対し上記リーン減量係数KLEANをマイ
ナス項として与え、目標当量比KTAGTを算出する。すな
わち、上記フル増量係数KFULL、始動後増量係数KAS、
水温増量係数KTW、及びリーン減量係数KLEANによっ
て、目標空燃比を得るための補正係数として空気過剰率
の逆数で表される目標当量比KTAGTを、次式により算出
し、ルーチンを抜ける。
料噴射量設定ルーチンにおいて、エンジン1に気筒毎に
供給する最終的な燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅
Tiが設定される。
について説明する。
毎(例えば、所定クランクパルス入力による180°C
A毎)に実行され、ステップS41で、エンジン回転数NE
と吸入空気量Qとから、基本燃料噴射量を定める基本燃
料噴射パルス幅Tpを算出し(Tp←K×Q/NE;K
はインジェクタ特性補正定数)、ステップS42,S43で、
それぞれ上記目標当量比KTAGT,空燃比フィードバック
補正係数LAMBDAを読み出す。
AMBDAは、図示しない空燃比フィードバック補正係
数設定ルーチンによって設定される。そして、前記始動
後時間計時用タイマによって計時されるエンジン始動後
の時間が設定時間(例えば、4sec)以上経過し、且
つ、リニアO2センサ37の出力電圧VO2が設定値以上
或いは所定範囲の状態が設定時間以上継続したリニアO
2センサ37が活性状態であり、且つ、クランプ条件非
成立のエンジン定常運転状態のとき、空燃比フィードバ
ック条件成立と判断し、このとき、上記目標当量比KTA
GTとリニアO2センサ出力電圧VO2に基づいて検出され
る排気当量比EXR(=理論空燃比/実空燃比;図15
参照)との比較結果に応じて、周知の比例積分制御(P
I制御)によって空燃比フィードバック補正係数LAM
BDAが設定され、排気当量比EXRが目標当量比KTA
GTに収束するよう、すなわち、空燃比が目標当量比KTA
GTによる目標空燃比に収束するよう制御される。また、
上記空燃比フィードバック条件の非成立時には、空燃比
フィードバック補正係数LAMBDAが、LAMBDA
=1.0に固定され、空燃比オープンループ制御とな
る。
とエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基
づいてバックアップRAM54の一連のアドレスからな
る空燃比学習値テーブルを参照して空燃比学習値KLRを
検索し、補間計算により空燃比学習補正係数KBLRCを設
定して、ステップS45へ進む。この空燃比学習補正係数
KBLRCの基となる空燃比学習値KLRは、周知のように、
エンジン回転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料噴射
パルス幅Tpとによるエンジン運転領域毎に、上記空燃
比フィードバック補正係数LAMBDAの所定周期にお
ける平均値の基準値に対するずれに応じて学習され、吸
入空気量センサ32等の吸入空気量計測系、及びインジ
ェクタ11等の燃料供給系の生産時のばらつきや経時劣
化等を補正するためのものである。
基づきテーブル参照によりインジェクタ11の無効噴射
時間を補償する電圧補正パルス幅TSを設定する。そし
て、ステップS46で、上記基本燃料噴射パルス幅Tp
に、上記目標当量比KTAGT及び空燃比フィードバック補
正係数LAMBDAを乗算して空燃比補正すると共に、
空燃比学習補正係数KBLRCを乗算して学習補正し、更
に、上記電圧補正パルス幅TSを加算して電圧補正し、
エンジン1に供給する最終的な燃料噴射量を定める燃料
噴射パルス幅Tiを設定する(Ti←Tp×KTAGT×L
AMBDA×KBLRC+TS)。
ルス幅Tiを燃料噴射対象気筒の噴射タイマにセットし
て、ルーチンを抜ける。
マがスタートされ、上記燃料噴射パルス幅Tiの駆動パ
ルス信号が燃料噴射対象気筒のインジェクタ11に出力
され、該インジェクタ11から所定に計量された燃料が
噴射される。
点火制御が指示されているときには、上記減量補正係数
KLEANが強制点火に適合し且つエンジン運転状態に適応
する空燃比を得る値に設定され、このリーン減量係数K
LEANが上記目標当量比KTAGTの演算式においてマイナス
項で与えられ(図4のステップS37)、更に、この目標
当量比KTAGTが燃料噴射量設定ルーチンの上記ステップ
S46において燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅Ti
の演算式に組み込まれることで、エンジン運転状態がリ
ーンバーン領域にあるときには、燃料噴射量が減量補正
され、リーンバーンが行われる。
れているときには、強制点火制御時に対し、上記リーン
減量係数KLEANが相対的に大きい値に設定されること
で、燃料噴射量に対する燃料減量補正率が増加され、燃
焼室17に供給される混合気の空燃比が相対的にリーン
化される。
点火から点火プラグ18の点火を中止して自己着火に移
行するに際し、この燃焼室17に供給される混合気の空
燃比のリーン化によって、熱効率の向上と、CO、NO
x等の有害な排気ガス成分を低く抑えることが可能とな
る。
制御が行われ、上記圧縮着火制御フラグFCOMPに応じ、
FCOMP=0の強制点火制御時には、エンジン運転状態に
応じて点火時期TADVを設定して、点火プラグ18の火
花点火による強制点火を行い、また、FCOMP=1の圧縮
着火制御時には、点火時期TADVの設定が中止されて点
火プラグ18の火花点火による強制点火が中止される。
て説明する。
ャライズ後、所定周期毎に実行され、先ず、ステップS5
1で、圧縮着火制御フラグFCOMPを参照し、現在、点火
プラグ18の火花点火を行う強制点火制御が指示されて
いるか、或いは点火プラグ18の強制点火によらず自己
着火を行わせる圧縮着火制御が指示されているかを判断
する。
されているときには、ステップS52へ進み、点火プラグ
18の火花点火により強制点火を行わせるため、ステッ
プS52以降の処理により点火時期TADVを設定する。
式により点火時期を制御し、図13のタイムチャートに
示すように、点火コイル19に対する通電開始タイミン
グ(ドエルセット)TDWL、及び通電遮断タイミング
(ドエルカット)すなわち点火時期TADVを、θ2クラン
クパルス入力を基準とした時間により設定する。
てエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとエン
ジン回転数NEとに基づいてROM52に格納されてい
る基本進角値テーブルを補間計算付きで参照して基本進
角値ADVBASEを設定する。
数NE及び基本燃料噴射パルス幅Tpによるエンジン運
転領域毎に最適点火時期を予めシミュレーション或いは
実験等により求め、この最適点火時期をBTDC何°C
Aにおいて点火するのかを定める基本進角値ADVBASE
として、エンジン回転数NE及び基本燃料噴射パルス幅
Tpをパラメータとするテーブルとして設定し、ROM
52の一連のアドレスにメモリされているものである。
により検出されるノックの有無に応じて運転領域毎に遅
角或いは進角量が学習される点火時期学習補正値ADV
KRを、エンジン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅Tp
とに基づいてバックアップRAM54にストアされてい
る点火時期学習補正値テーブルを補間計算付きで参照し
て設定する。
角値ADVBASEに上記点火時期学習補正値ADVKRを加
算して学習補正し、点火時期を定める制御進角ADVを
設定して(ADV←ADVBASE+ADVKR)、ステップ
S55へ進む。
基づいてθ2クランクパルス入力を基準とした点火コイ
ル19に対する通電遮断タイミングすなわち点火時期T
ADVを設定する。上述のように、本実施の形態では時間
制御方式を採用しており、この点火時期TADVを時間に
より設定する。
タ(BTDC°CA)のため、θ2クランクパルスが入
力してから点火するまでの時間に換算する必要があり、
図13のタイムチャートに示すように、最新のクランク
パルス入力間隔時間をTθ、該クランクパルス間角度を
θとすると、本実施の形態では、θ2クランクパルス入
力を基準として点火時期TADVを、次式により設定す
る。
ーブルを補間計算付きで参照して点火コイル19に対す
る通電時間(ドエル時間)DWLを設定する。この通電
時間は、バッテリ電圧VBに依存するコイル一次電流の
最適通電時間を定めるもので、ステップS56中に、この
テーブルの一例を示す。すなわち、バッテリ電圧VBの
低下時には、通電時間DWLを長くして点火エネルギを
確保し、バッテリ電圧VBの上昇時には、通電時間DW
Lを短くしてエネルギロスや点火コイル19の発熱を防
止する。
から通電時間DWLを減算してθ2クランクパルスを基
準とする通電開始タイミングTDWLを設定し(TDWL←T
ADV−DWL)、ステップS58で該当気筒の点火時期タイ
マに上記点火時期TADVをセットすると共に、ステップS
59で該当気筒の通電開始タイミングタイマに通電開始タ
イミングTDWLをセットして、ルーチンを抜ける。
の火花点火による強制点火制御が選択されているときに
は、θ2クランクパルス入力に同期して起動する図7の
θ2クランクパルス割り込みルーチンにより各タイマが
スタートされ、点火プラグ18による強制点火が行われ
る。
1で、自己着火のための圧縮着火制御が選択されている
ときには、上記通電開始タイミングTDWL,点火時期TA
DVの設定及びタイマセットを行うことなくルーチンを抜
け、これにより、圧縮着火制御時には点火プラグ18に
よる火花点火が中止される。
込みルーチンについて説明すると、θ2クランクパルス
入力に同期してルーチンが起動し、ステップS61で、圧
縮着火制御フラグFCOMPを参照する。
り強制点火する強制点火制御が指示されているときに
は、ステップS62で、該当点火対象気筒の通電開始タイ
ミングタイマをスタートすると共に、ステップS63で、
該当点火対象気筒の点火時期タイマをスタートして、ス
テップS64へ進み、ステップS64以降で、イオン電流検出
処理を行う。
開始タイミングタイマの計時により通電開始タイミング
TDWLに達すると、図8に示すルーチンが割り込み起動
し、ステップS71で点火対象気筒のドエルセットにより
ECU50からイグナイタ20へ該当気筒に対する通電
信号が出力され(図13の強制点火制御時点火信号参
照)、該当気筒の点火コイル19の通電(ドエル)が開
始される。
点火時期TADVに達すると、図9に示す割り込みルーチ
ンが起動し、ステップS81で点火対象気筒の点火コイル
19に対するドエルがカットされて、この点火コイル1
9に高圧の二次電圧が誘起され、点火対象気筒の点火プ
ラグ18の放電電極18aが放電して、該放電電極18
a間に火花が生じ、燃焼室17内の混合気が火花点火さ
れて着火燃焼される。
火に移行しても適正時期で自己着火を行うことができず
着火ミスや異常燃焼を来す虞のあるとき、若しくは、E
GRによる吸気温度制御の不能時、すなわちFCOMP=0
の強制点火制御時には、エンジン運転状態に応じて点火
時期TADVが設定され、点火プラグ18の火花点火によ
る強制点火が行われる。
ルーチンのステップS61において、FCOMP=1で圧縮着
火制御が指示されているときには、上記通電開始タイミ
ングタイマ及び点火時期タイマのスタートを行うことな
く、ステップS61からステップS64へジャンプし、ステッ
プS44以降でイオン電流検出開始処理を行う。
択時には、上述の点火制御ルーチンにより点火時期TAD
Vの設定が中止されおり、且つ上記各タイマを非作動と
することで、点火プラグ18の火花点火による強制点火
が中止される。
ジン回転数算出ルーチンによる現在の圧縮行程気筒(点
火対象気筒、着火対象気筒)データを読み出し、現在の
圧縮行程気筒がイオン電流検出回路45を備えたイオン
電流検出対象気筒(本実施の形態においては、#1気
筒)か否かを判断する。
検出対象気筒外のときには、そのままルーチンを抜け、
イオン電流検出対象気筒のとき、ステップS65へ進み、
ステップS65以下で、着火時期検出開始処理を行う。
群55における着火時期計時用タイマの計時値TMτを
読み出し、該計時値TMτがクリアされているか否かを
判断する。
述のステップS68でθ2クランクパルス入力に同期してそ
の計時が開始され、後述するA/D変換毎に実行される
図10の着火時期検出ルーチンにおいてイオン電流を検
出し、このイオン電流により該当気筒の着火が検出され
たとき、そのカウント値TMτがクリアされる。
の前回のθ2クランクパルス入力から着火時期計時用タ
イマの計時が続行されており、エンジン2回転の間にお
いて着火が検出されていない状態、すなわち失火状態で
あり、このときにはステップS66へ進み、着火時期計時
用タイマの計時値TMτすなわちエンジンが2回転に要
した時間を着火時期τAとしてRAM53の所定アドレ
スにストアする(τA←TMτ)。
制されると共に、このとき圧縮着火制御により自己着火
が行われているときには、この着火時期τAと目標着火
時期τTAGTとの比較により後述の図11〜図12のEG
R制御ルーチンにおいて圧縮着火制御フラグFCOMPがク
リアされて強制点火制御となり、点火プラグ18の火花
点火による強制点火に移行して、自己着火不能による失
火が解消される。
時用タイマの計時値TMτをクリアして(TMτ←
0)、ステップS68へ進む。
=0で、着火時期τAが正規に検出されているときに
は、ステップS65からステップS68へジャンプする。
タイマをスタートして、該当気筒のθ2クランクパルス
入力を基準として着火時期の計時を開始させ、続くステ
ップS69で、着火時期検出禁止フラグFτをクリアし
(Fτ←0)、着火時期の検出を許可してルーチンを抜
ける。
準として着火時期τAの計時が開始され、イオン電流検
出回路45の電圧センサ45aからの出力電圧VIONの
A/D変換入力毎に実行される図10の着火時期検出ル
ーチンによって着火時期τAが検出される。
説明すると、先ずステップS91で、着火時期検出禁止フ
ラグFτを参照し、Fτ=1で該当気筒1サイクル(エ
ンジン2回転;720°CA回転)において既に着火時
期τAの検出が行われ、着火時期τAの検出が禁止されて
いるときには、そのままルーチンを抜ける。また、Fτ
=0で該当気筒1サイクルにおいて着火時期τAの検出
が終了しておらず着火時期τAの検出が許可されている
ときには、ステップS92へ進む。
グFCOMPを参照する。そして、FCOMP=0で、現在、強
制点火制御が選択されているときには、ステップS93へ
進み、着火時期計時用タイマの計時値TMτ及び上記点
火制御ルーチンによる点火時期TADVを読み出し、上記
計時値TMτを、点火時期TADVに設定値TSEを加算
した加算値(TADV+TSE)と比較する。
18による火花点火を行う強制点火制御時においては、
混合気着火によるイオン電流のみならず、点火プラグ1
8の火花点火によるイオン電流が検出されてしまう。す
なわち、ECU50からイグナイタ20を介してパルス
波形の点火信号が出力されると(図13の強制点火制御
時点火信号を参照)、点火コイル19の一次側に一次電
流が流れ、この点火信号の立下がりにより一次電流が遮
断し(ドエルカット)、点火コイル19の2次側に高圧
の2次電圧が誘起され、点火プラグ18の放電電極18
a間が絶縁破壊されて火花放電(スパーク)が行われ、
イオン電流検出回路45において、この点火火花による
イオン電流が検出され、イオン電流検出回路45の電圧
センサ45aからECU50に、火花点火によるイオン
電流に対応した出力電圧VIONが入力される。
混合気に着火して、その火炎により点火プラグ18の放
電電極18a間に燃焼ガスのイオンが存在するとき、こ
のイオンを介して流れるイオン電流がイオン電流検出回
路45により検出されて、このイオン電流に伴いイオン
電流検出回路45中の電圧センサ45aからECU50
に火炎によるイオン電流に対応して出力電圧VIONが入
力される。
の火花点火によるイオン電流検出期間を除外する必要が
ある。このため、着火時期計時用タイマの計時値TMτ
を、点火時期TADVに設定値TSEを加算した加算値
(TADV+TSE)と比較することで、火花点火による
イオン電流検出期間を除外し、着火時期τAの誤検出を
防止する。
は、火花点火によるイオン電流検出の誤検出を防止する
ため、そのままルーチンを抜け、TMτ≧TADV+TS
Eで、火花点火によるイオン電流期間の経過後、ステッ
プS94へ進む。
1で、圧縮着火制御が選択されているときには、点火信
号が出力されず(図13の圧縮着火制御時点火信号を参
照)、このときには、点火火花によるイオン電流は発生
しない。
オン電流を判断する必要が無く、上記ステップS92から
ステップS94へジャンプする。
検出回路45中の電圧センサ45aによる出力電圧VIO
Nを、イオン電流の発生を判断するための判定値ION
と比較し、VION<IONのときには、火炎によるイオ
ン電流が生じていないと判断して、そのままルーチンを
抜ける。
イオン電流が生じ着火したと判断して、ステップS95へ
進み、着火時期計時用タイマの計時値TMτを着火時期
τAとし、RAM53の所定アドレスにストアして、続
くステップS96で、着火時期計時用タイマの計時値TM
τをクリア(TMτ←0)して該着火時期計時用タイマ
の作動を停止し、このサイクルにおける着火時期τAの
計時の終了により、ステップS97で、着火時期検出禁止
フラグFτをセットして(Fτ←1)、ルーチンを抜け
る。
ルス入力を基準とした着火時期τAが検出され、FCOMP
=0の点火プラグ18の火花点火による強制点火制御時
には、上述の圧縮着火制御条件判別ルーチンにおいて、
この着火時期τAと点火時期TADVとの時間間隔によって
圧縮着火制御への移行条件が判断され(図3のステップ
S15参照)、また、FCOMP=1の自己点火を行う圧縮着
火制御への移行後は、図11〜図12に示すEGR制御
ルーチンにおいて、この着火時期τAとエンジン運転状
態に基づいて設定した目標着火時期τTAGTとの比較結果
に応じてEGR弁27に対する制御量EGRSを設定
し、EGR弁27によるEGR量すなわちEGR率を制
御することで、着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収
束するよう吸気温度を制御する。
ンについて説明する。
シャライズ後、所定時間(例えば、16ms)毎に実行さ
れ、ステップS101で、圧縮着火制御フラグFCOMPを参照
する。
御が指示されているときには、ステップS102へ進み、ス
テップS102〜S111の処理により、エンジン運転状態に応
じてEGR弁27に対する制御量EGRSを設定して通
常のEGR制御を行い、FCOMP=1の圧縮着火制御が指
示されているときには、ステップS112へ進み、ステップ
S112以降の処理で、EGR制御によって、自己着火にお
いて着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収束するよう
に吸気温度制御を行う。
る通常のEGR制御について説明すると、ステップS102
で、前記カウンタ・タイマ群55における始動後時間計
時用タイマによって計時されたエンジン始動後時間TM
ASTを読み出して、設定値ASTEGRと比較する。
ンジン始動後時間TMASTが上記設定値ASTEGRに
より定まる所定時間に達しておらず、スタータスイッチ
48がONのエンジン始動中、或いはエンジン始動直後
の時には、エンジンが不安定状態であり、このとき、E
GRを行うとエンスト生じる虞がある。従って、TMAS
T<ASTEGRの時は、EGR条件不成立と判断し、
ステップS109へジャンプしてEGRを停止し、TMAST
≧ASTEGRのとき、ステップS103へ進み、ステップ
S103〜S108で、更に、EGR条件を判断する。
Wと水温判定値TWEGR(例えば、50°C)とを比較
し、TW≧TWEGRのエンジン暖機完了状態であり、且
つ、ステップS104,S105で、基本燃料噴射パルス幅Tp
を、それぞれ下限値LEGRL,上限値LEGRHと比
較して、エンジン負荷によるEGR実行の下限側及び上
限側を判断し、エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス
幅Tpが下限値LEGRLと上限値LEGRHとの間、
いわゆるエンジン中負荷状態であり、且つ、ステップS1
06で、エンジン回転数NEを高回転判定値NEGR(例え
ば、4000rpm)と比較し、NE≦NEGRでエンジン回
転数NEが高回転数域外であり、且つ、ステップS107
で、車速センサ47による車速VSPを高車速判定値VEG
R(例えば、120km/h)と比較し、VSP≦VEGRで車
速VSPが高速走行領域外のときのみ、ステップS108へ
進み、アイドルスイッチ33bの作動状態を判断する。
そして、アイドルスイッチ33bがOFFの非アイドル
時のみ、EGR条件成立と判断して、ステップS111へ進
み、EGRを実行する。
は、エンジンの燃焼状態が不安定であり、このときEG
Rを行うと燃焼性が悪化してエンジン運転性が著しく悪
化する。また、Tp<LEGRLのエンジン低負荷運転
時には新気の吸入量が少なく、EGRを行うとエンジン
の燃焼性が悪化する。また、Tp>LEGRHのエンジ
ン高負荷運転時は、エンジン出力要求時であり、このと
きEGRを行うと、出力要求時であるにも拘らず、エン
ジン出力が低下してしまう。更に、NE>NEGRのエンジ
ン高回転時、或いは、VSP>VEGRの高速走行時も出
力要求時であり、このときEGRを行うと、出力要求に
相反してエンジン出力が低下してしまう。
何れかの条件が満足しないときには、EGR実行条件の
不成立と判断して、該当するステップからステップS109
へ進み、EGR弁27に対する制御量EGRSを、全閉
を指示する“00H”に設定し、この制御量EGRS
を、ステップS110でセットして、ルーチンを抜ける。
駆動信号がECU50からEGR弁27に出力され、E
GR弁27内蔵のステッピングモータの駆動によりEG
R弁27が全閉となり、EGRが停止される。
て満足されたEGR実行条件の成立時には、ステップS1
11へ進み、EGRを実行する。ステップS111では、この
ときのエンジン回転数NEとエンジン負荷を表す基本燃
料噴射パルス幅Tpとに基づいて制御量テーブルを補間
計算付きで参照し、EGR弁27に対する制御量EGR
Sを設定する。
Eとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに
よるエンジン運転領域毎に、適正EGR量を得るEGR
弁27に対する制御量EGRSを、予めシミュレーショ
ン或いは実験等により求め、エンジン回転数NEと基本
燃料噴射パルス幅Tpとをパラメータとするテーブルと
して設定し、ROM52の一連のアドレスに固定データ
としてメモリされているものである。この制御量テーブ
ルの一例をステップS111中に示す。
ように、エンジン回転数NEと基本燃料噴射パルス幅T
pとが、それぞれ2000〜4000rpm、3.0〜
4.0msの所定領域において最も大きな値の制御量EG
RSがメモリされている。これはこの領域におけるNO
xの発生量が高く、EGR率を高めることによってNO
xの発生を抑制するためである。そして、エンジン回転
数NE或いは基本燃料噴射パルス幅Tpが上記範囲から
ずれるに従って、NOxの発生量が低下するため、これ
に対応してEGR率を低下させるべく小さい値の制御量
EGRSがメモリされている。
プS110へ進み、上記ステップS111で設定した制御量EG
RSをセットして、ルーチンを抜ける。
駆動信号がECU50からEGR弁27に出力され、E
GR弁27内蔵のステッピングモータの駆動により、E
GR弁27の弁開度がエンジン運転状態に適合するEG
R率を得る所定開度に調整される。
1で、点火プラグ18の火花点火による強制点火が中止
され自己着火を行うための圧縮着火制御が指示されてい
るときには、ステップS112へ進み、ステップS112以降の
処理によって、上記着火時期τAと目標着火時期τTAGT
との比較結果に応じたフィードバック制御によりEGR
弁27に対する制御量EGRSを設定してEGRによる
吸気温度制御を行うことで、自己着火による着火時期τ
Aが目標着火時期τTAGTに収束するよう制御する。
エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づ
いて基本目標着火角度テーブルを補間計算付きで参照し
て、圧縮上死点を基準とする基本目標着火角度ADVτ
BASEを設定する。
ン回転数NE及び基本燃料噴射パルス幅Tpによるエン
ジン運転領域毎に、自己着火における最適着火時期(角
度)を予めシミュレーション或いは実験等により求め、
この最適着火時期をBTDC何°CAにおいて得るのか
を定める基本目標着火角度ADVτBASEとして設定し、
ROM52の一連のアドレスにメモリされているもので
ある。
テップS112中に示す。この基本目標着火角度テーブルに
は、基本燃料噴射パルス幅Tpが大きい高負荷領域、及
びエンジン回転数NEの低い低回転領域において、小さ
い値すなわち遅角側の基本目標着火角度ADVτBASEが
メモリされている。逆に基本燃料噴射パルス幅Tpが小
さく且つエンジン回転数NEが高いほど、すなわちエン
ジン低負荷高回転領域に移行するほど、大きい値すなわ
ち進角側の基本目標着火角度ADVτBASEがメモリされ
ている。
程)での燃焼期間は、エンジン運転状態によって相違す
る。すなわち、低回転領域においては、1行程に要する
時間が長く相対的に1行程中での燃焼期間が短くなり、
高負荷領域においては充填効率の上昇により同様に相対
的に燃焼期間が短くなる。また、高回転領域において
は、1行程に要する時間が短く相対的に1行程中での燃
焼期間が長くなり、低負荷領域においては、充填効率の
低下によって相対的に燃焼期間が長くなる。
回転領域及び高負荷領域では燃焼が早く終了し、また、
高回転領域及び低負荷領域では、燃焼が遅く、何れにし
ても熱効率が低下してしまう。
標着火角度ADVτBASEを遅角化することで、この基本
目標着火角度ADVτBASEに基づいて設定される目標着
火時期τTAGTを遅角化し、この目標着火時期τTAGTに対
応して後述するフィードバック制御により着火時期τA
を遅角化させる。その結果、燃焼の終了時期が相対的に
遅角化して高負荷低回転時の熱効率を向上することが可
能となる。
着火角度ADVτBASEを進角化することで、目標着火時
期τTAGTを進角化し、この目標着火時期τTAGTに対応し
て後述するフィードバック制御により着火時期τAを進
角化させる。その結果、低負荷高回転領域においては、
燃焼期間が相対的に進角化して燃焼の遅れが抑制され、
熱効率を向上することが可能となる。
る燃焼期間に対応して、適切な目標着火時期を設定する
ことが可能となり、各領域において熱効率を向上するこ
とが可能となる。
準とする角度データとして基本目標着火角度ADVτBA
SEを設定しているが、制御精度が若干低下するものの、
これに代え、エンジン回転数NEとエンジン負荷との少
なくとも一方によるテーブル参照によりθ2クランクパ
ルス入力を基準とした時間データとして基本目標着火時
期を設定するようにしてもよい。この場合は、角度デー
タを時間換算する後述のステップS115が不要となる。
火角度ADVτBASEの設定後、ステップS113へ進み、エ
ンジン温度の一例としての冷却水温度TWを読み出し
て、この冷却水温度TWに基づいて水温補正係数テーブ
ルを補間計算付きで参照し、エンジン温度に応じて上記
基本目標着火角度ADVτBASEを補正するための水温補
正係数Kτを設定する。
TWによるエンジン温度領域毎に、上記基本目標着火角
度ADVτBASEを補正して最適な目標着火時期(角度)
を得るための水温補正係数Kτを予めシミュレーション
或いは実験等により求め、ROM52の一連のアドレス
にメモリされているものである。
プS113中に示す。この水温補正係数テーブルには、通常
運転状態時のエンジン常温域に対し、冷却水温度TWが
低いエンジン低温域、及び冷却水温度TWの高いエンジ
ン高温域において、小さい値すなわち上記基本目標着火
角度ADVτBASEを遅角補正する水温補正係数Kτがメ
モリされている。
低温域では、上記基本目標着火角度ADVτBASEを水温
補正係数Kτによって遅角補正して目標着火時期τTAGT
を設定することで、目標着火時期τTAGTを遅角化し、こ
の目標着火時期τTAGTに対応して後述するフィードバッ
ク制御により着火時期τAを遅角化させる。これによ
り、燃焼温度が上昇してエンジン1の暖機が促進される
と共に、燃焼温度の上昇に伴いエンジン排気温度が上昇
して排気系に介装された触媒コンバータ23の触媒温度
を早期に昇温することが可能となり、触媒コンバータ2
3の活性を促進して触媒作用を有効に発揮させ、排気エ
ミッションの改善を図ることが可能となる。
域においても、水温補正係数Kτにより遅角補正して目
標着火時期τTAGTを設定することで、着火時期τAを遅
角化する。その結果、この着火時期τAの遅角化により
燃焼圧力すなわち筒内圧力を相対的に低下させることが
可能となり、エンジン1に対する悪影響を未然に回避す
ることが可能となる。
着火角度ADVτBASEを上記水温補正係数Kτにより補
正して目標着火角度ADVτTGTを設定する(ADVτT
GT←ADVτBASE×Kτ)。
とした上記目標着火角度ADVτTGTを時間換算してθ2
クランクパルス入力を基準とした目標着火時期τTAGTを
設定する。本実施の形態では、上述のように時間制御方
式を採用しており、この目標着火時期τTAGTを時間によ
り設定する。
は角度データ(BTDC°CA)のため、θ2クランク
パルスが入力してから自己着火により着火するまでの時
間に換算する必要があり、図14のタイムチャートに示
すように、最新のクランクパルス入力間隔時間をTθ、
該クランクパルス間角度をθとすると、本実施の形態で
は、θ2クランクパルス入力を基準として目標着火時期
τTAGTを、次式により設定する。
によって、上述の着火時期検出ルーチンにおいて検出さ
れた実際の着火時期τAと上記目標着火時期τTAGTとの
比較結果に応じてEGR弁27に対する制御量EGRS
を設定し、EGRによる吸気温度制御により着火時期τ
Aが目標着火時期τTAGTに収束するようフィードバック
制御する。
チンによる最新の着火時期τAを読み出して、この着火
時期τAと上記目標着火時期τTAGTに不感帯幅を定める
設定値αを加算した目標着火時期上限(τTAGT+α)と
を比較する。
が目標着火時期上限(τTAGT+α)を下回っているとき
には、ステップS117へ進み、更に着火時期τAを、上記
目標着火時期τTAGTから設定値を減算した目標着火時期
下限(τTAGT−α)と比較する。
時期τAが目標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内
にあるときには(τTAGT+α>τA≧τTAGT−α)、そ
のままルーチンを抜け、現在のEGR弁27に対する制
御量(以下、「EGR弁制御量」と称する)EGRSを
維持する。
AGT−αであり、不感帯の範囲外で、着火時期τAが目標
着火時期τTAGTよりも進角側のときには、ステップS118
へ進み、EGR弁27のステッピングモータにより該E
GR弁27の弁開度を所定量減少してEGR量を減少さ
せるために、現在のEGR弁制御量EGRSから設定値
DEGRを減算して新たな制御量EGRSを設定し(E
GRS←EGRS−DEGR)、前記ステップS110を経
て、上記ステップS118による新たなEGR弁制御量EG
RSをセットして、ルーチンを抜ける。
駆動信号がECU50からEGR弁27に出力され、E
GR弁27のステッピングモータの駆動によりEGR弁
27の弁開度が上記設定値DEGRにより定まる所定量
だけ減少し、EGR量(EGR率)の減少により吸気温
度が低下される。
して自己着火を行う圧縮着火制御時において、自己着火
による着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも進角側
のときには、EGR量の減少によって吸気温度が低下さ
れ、この吸気温度の低下に伴い燃焼室17内に供給され
る混合気の温度が低下し、圧縮行程時の筒内温度の低下
によって自己着火による着火時期τAが遅角化される。
AGT+αであり、不感帯の範囲外で、図14に示すよう
に、着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅角側の
ときには、ステップS119へ進み、EGR弁27のステッ
ピングモータにより該EGR弁27の弁開度を所定量増
加してEGR量を増加させるために、EGR弁制御量E
GRSに設定値UEGRを加算して新たな制御量EGRS
を設定し(EGRS←EGRS+UEGR)、ステップS1
20へ進む。
エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づ
いて上限値テーブルを補間計算付きで参照して、EGR
弁制御量EGRSを上限規制する上限値EGRSMAXを設
定する。
E及び基本燃料噴射パルス幅Tpによるエンジン運転領
域毎に、EGR弁制御量EGRSの適正上限値EGRSMA
Xを予めシミュレーション或いは実験等により求め、R
OM52の一連のアドレスにメモリされているものであ
る。
中に示す。この上限値テーブルには、基本燃料噴射パル
ス幅Tpが大きい高負荷領域、及びエンジン回転数NE
の低い低回転領域において、小さい値の上限値EGRSM
AXがメモリされている。逆に基本燃料噴射パルス幅Tp
が小さく且つエンジン回転数NEが高いほど、すなわち
エンジン低負荷高回転領域に移行するほど、大きい値の
上限値EGRSMAXがメモリされている。
あるほど、上記基本目標着火角度ADVτBASEを遅角設
定して目標着火時期τTAGTを遅角化することで、高負荷
低回転時の燃焼期間を適切に保ち熱効率の向上を図って
いる。このため、この目標着火時期τTAGTと着火時期τ
Aとの比較に応じて設定されるEGR弁制御量EGRSの
上限値EGRSMAXを、これに対応して低下することで、
上限許容限界を適切に設定することが可能となる。
着火角度ADVτBASEを進角設定して目標着火時期τTA
GTを進角化することで、燃焼期間を相対的に進角化さ
せ、低負荷高回転時の燃焼の遅れを抑制して熱効率の向
上を図っているため、これに対応してEGR弁制御量E
GRSの上限値EGRSMAXを上昇させる。
る目標着火時期τTAGTに対応して、EGR弁制御量EG
RSに対し適切な上限値EGRSMAXを設定することが可
能となり、各領域において上限許容限界を適切に設定す
ることが可能となる。
プS119で増加修正したEGR弁制御量EGRSと上記ス
テップS120で設定した上限値EGRSMAXとを比較し、E
GRS≦EGRSMAXでEGR制御量EGRSが上限値EG
RSMAX以下のときには、前記ステップS110へジャンプ
し、上記ステップS119において増加修正したEGR弁制
御量EGRSをセットして、ルーチンを抜ける。
駆動信号がECU50からEGR弁27に出力され、E
GR弁27のステッピングモータの駆動によりEGR弁
27の弁開度が上記設定値UEGRにより定まる所定量
だけ増加し、EGR量(EGR率)の増加により吸気温
度が上昇される。
して自己着火を行う圧縮着火制御時において、自己着火
による着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅角側
のときには、EGR量が増加されて吸気温度が上昇さ
れ、この吸気温度の上昇に伴い燃焼室17内に供給され
る混合気の温度が上昇し、圧縮行程時の筒内温度の上昇
によって自己着火による着火時期τAが進角化される。
エンジン運転状態に適合する目標着火時期τTAGTに収束
される。
>EGRSMAXとなり、すなわち、自己着火による着火時
期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅角側のために、E
GR弁制御量EGRSを逐次増加修正した結果、EGR
制御量EGRSが上限値EGRSMAXを上回りEGR弁2
7の弁開度がエンジン運転状態に応じた限界値に達した
とき、エンジン過渡運転への移行、或いはシステム異常
等に起因してEGRによる吸気温度制御が不能となり自
己着火による着火時期τAを制御することが不能になっ
た、或いは、自己着火自体が不能になったと判断して、
ステップS122へ進む。
ラグFCOMPをクリアし(FCOMP←0)、続くステップS1
23で、現在のEGR制御量EGRSから設定値DWNS
ETを減算して新たなEGR弁制御量EGRSを設定す
ることで(EGRS←EGRS−DWNSET)、該EG
R弁制御量EGRSを初期状態に戻し、前記ステップS11
0を経て、上記ステップS123によるEGR弁制御量EG
RSをセットして、ルーチンを抜ける。
のクリアにより圧縮着火制御から強制点火制御に移行
し、上述の点火制御ルーチンにおいて、点火時期TAD
V、通電開始時期タイミングTDWLの設定、及び各点火タ
イマのセットが行われ、点火プラグ18の火花点火によ
る強制点火が再開されると共に、上述の目標当量比算出
ルーチンにおいて、強制点火に適合するリーン減量係数
KLEANが設定されることで、混合気空燃比の相対的なリ
ーン化が解除される。
に基づいて説明する。
点で、上記圧縮着火制御条件判別ルーチンにより圧縮着
火制御への移行条件が成立したとき、圧縮着火制御フラ
グFCOMPがセット(FCOMP←1)されることで、強制点
火制御から圧縮着火制御に移行する。
応じ、強制点火制御から圧縮着火制御への移行時に、燃
料減量率を定めるリーン減量係数KLEANが、強制点火制
御時に比べ相対的に大きい値に設定される(図4のステ
ップS35,S36参照)。そして、このリーン減量係数KLE
ANが目標当量比KTAGTの演算式においてマイナス項で与
えられ(図4のステップS37)、更に、この目標当量比
KTAGTが燃料噴射量を定める燃料噴射パルス幅Tiの演
算式に組み込まれて(図5のステップS46)、強制点火
制御時に対して、燃料噴射量に対する燃料減量補正率が
増加され、燃焼室17に供給される混合気の空燃比が相
対的にリーン化される。そして、この空燃比のリーン化
は、圧縮着火制御に移行後も継続される。
から該点火プラグ18の点火を中止して自己着火に移行
する際、燃焼室17に供給される混合気空燃比のリーン
化によって、燃費を大幅に向上することが可能となる。
弁制御量EGRSが設定値UPSETによる所定量増加
され(図3のステップS25)、これに対応してEGR弁
27の弁開度が所定量増加し、EGR量(EGR率)の
増加によって吸気温度が上昇される。これにより、燃焼
室17内に供給される混合気の温度が上昇し、燃焼室1
7内の混合気の温度が直ちに上昇され、適正着火時期を
得ることが可能で且つ着火時期制御可能状態の下で、自
己着火への移行が可能となる。
トによって、点火制御ルーチンによる点火時期TADVの
設定及び各点火タイマのセットが中止されることで、点
火プラグ18による点火火花が中止され、点火プラグ1
8による強制点火から自己着火に移行される。
EGR制御ルーチンにおいて、イオン電流に基づき検出
された実際の着火時期τAを、エンジン運転状態に基づ
いて設定した目標着火時期τTAGTに不感帯幅を定める設
定値αを加算した目標着火時期上限(τTAGT+α)、及
び、目標着火時期τTAGTから設定値αを減算した目標着
火時期下限(τTAGT−α)とそれぞれ比較する。
時期τAが目標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内
にあるときには(τTAGT+α>τA≧τTAGT−α)、E
GR弁制御量EGRSをそのまま維持する。
時期τTAGTよりも遅角側で不感帯を逸脱すると(τA≧
τTAGT+α)、EGR制御ルーチン実行毎すなわち演算
周期毎にEGR弁制御量EGRSを設定値UEGRづつ
漸次的に増加させ、EGR弁27の弁開度が上記設定値
UEGRにより定まる所定量づつ増加される。そして、
このEGR弁27の弁開度の増加によってEGR量(E
GR率)が増加し、これにより吸気温度が上昇され、こ
の吸気温度の上昇に伴い燃焼室17内に供給される混合
気の温度が上昇し、圧縮行程時の筒内温度の上昇によっ
て自己着火による着火時期τAが進角化される。その結
果、自己着火による着火時期τAがエンジン運転状態に
適合する目標着火時期τTAGTに収束される。
標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内に収束したと
き、EGR弁制御量EGRSの増加修正が中止され、E
GR弁制御量EGRSすなわちEGR弁27の弁開度が
そのまま維持される。
標着火時期τTAGTよりも進角側で不感帯を逸脱すると
(τA<τTAGT−α)、EGR制御ルーチン実行毎にE
GR弁制御量EGRSを設定値DEGRづつ減少させ、
EGR弁27の弁開度を上記設定値DEGRにより定ま
る所定量づつ減少し、EGR量(EGR率)を減少させ
る。その結果、このEGR量の減少によって吸気温度が
低下され、この吸気温度の低下に伴い燃焼室17内に供
給される混合気の温度が低下し、圧縮行程時の筒内温度
の低下によって自己着火による着火時期τAが遅角化さ
れ、自己着火による着火時期τAがエンジン運転状態に
適合する目標着火時期τTAGTに収束される。
等が変化しても、エンジン運転状態に適合する目標着火
時期τTAGTに収束するよう着火時期τAが制御され、自
己着火時において常に最適な着火時期τAを得ることが
可能となり、熱効率の向上により燃費向上、信頼性の向
上を図ることができ、また、エンジン運転状態の相違に
関わらず最適着火時期を得ることが可能となるため、ノ
ッキング等の異常燃焼を未然に回避することができ、エ
ンジンに対する悪影響を未然に回避することができるば
かりか、エンジン騒音の低減を図ることが可能となる。
Aが目標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内に収束
したとき、EGR弁制御量EGRSの減少修正が中止さ
れ、EGR弁制御量EGRSすなわちEGR弁27の弁
開度がそのまま維持される。
が目標着火時期τTAGTよりも遅角側で不感帯を逸脱する
と(τA≧τTAGT+α)、EGR制御ルーチン実行毎に
EGR弁制御量EGRSを設定値UEGRづつ漸次的に
増加させ、EGR弁27の弁開度が上記設定値UEGR
により定まる所定量づつ増加される。
加修正によっても着火時期τAが目標着火時期τTAGTに
収束せず、t7の時点において、EGR弁制御量EGR
Sが、エンジン運転状態に基づいて設定した上限値EG
RSMAXを上回ったとき(EGRS>EGRSMAX)、すな
わち、自己着火による着火時期τAが目標着火時期τTAG
Tよりも遅角側のために、EGR弁制御量EGRSを逐次
増加修正した結果、EGR制御量EGRSが上限値EG
RSMAXを上回りEGR弁27の弁開度がエンジン運転状
態に応じた限界値に達したとき、エンジン過渡運転への
移行、或いはシステム異常等に起因してEGRによる吸
気温度制御が不能となり自己着火による着火時期τAを
制御することが不能になった、或いは、自己着火自体が
不能になったと判断して、圧縮着火制御フラグFCOMPが
クリアされる(FCOMP←0;図12のステップS122)。
クリアにより圧縮着火制御から強制点火制御に移行し、
上述の点火制御ルーチンにおいて、点火時期TADV、通
電開始時期タイミングTDWLの設定、及び各点火タイマ
セットが行われ、点火プラグ18の火花点火による強制
点火が再開されると共に、上述の目標当量比算出ルーチ
ンにおいて、強制点火に適合するリーン減量係数KLEAN
が設定されることで、混合気空燃比の相対的なリーン化
が解除される。
或いはシステム異常等に起因してEGRによる吸気温度
制御が不能となり自己着火による着火時期τAを制御す
ることが不能となった時、或いは、自己着火自体が不能
になった時には、自己着火から点火プラグ18の点火に
よる強制点火に確実に移行することが可能となる。その
結果、自己着火による着火時期τAの制御不能状態での
自己着火の継続が防止され、ドライバビリティの悪化を
防止することが可能となる。また、自己着火の継続によ
る異常燃焼や失火が防止されることで、排気エミッショ
ンの悪化を防止することが可能となり、且つ、エンジン
1の耐久信頼性を向上することが可能となる。
設定値DWNSETによる所定量減少され初期状態に復
帰される。これに対応してEGR弁27の弁開度が所定
量減少し、通常のEGR制御に復帰する。
御時におけるEGR制御量EGRSを、着火時期τAと目
標着火時期τTAGTとの比較結果に応じて積分制御により
設定しているが、比例積分制御(PI制御)或いは比例
積分微分制御(PID制御)により設定するようにして
もよい。
負荷として吸入空気量Q或いは基本燃料噴射パルス幅T
pを用いているが、エンジン負荷を表すものであればよ
く、本発明は、これに限定されない。
ングモータ式のEGR弁に限定されず、例えば、ダイヤ
フラムアクチュエータ式のEGR弁を採用し、このダイ
アフラムアクチュエータ式EGR弁を作動させるための
制御圧を調圧するデューティソレノイド弁に対する制御
量を制御することで吸気加熱制御を行うようにしてもよ
い。また、デューティソレノイド弁による直動式のEG
R弁を採用し、このデューティソレノイド弁に対する制
御量を制御することで吸気加熱制御を行うようにしても
よい。
グ18の点火による強制点火制御時においても、エンジ
ン運転状態に応じてEGR制御を行うようにしている
が、強制点火制御時においてEGRを中止し、自己着火
による圧縮着火制御時のみEGRを行い、EGRを吸気
加熱制御のみに使用するようにしてもよい。この場合
は、図3の圧縮着火制御条件判別ルーチンにおいて、上
述のように排気ガスの温度を設定値と比較することで、
EGRによる吸気温度制御が可能か否かを判断し、ま
た、図11のEGR制御ルーチンにおいて、ステップS1
02〜S108,S111を省略して、FCOMP=0で強制点火制御
が指示されているとき、ステップS101からステップS109
へ進み、EGRを停止するようにする。
の実施の第2形態を説明する。
手段としてEGR装置25を採用するのに対し、本実施
の形態は、吸気加熱手段として、図24に示すように、
排気ガスと熱交換を行う熱交換器70と、吸気系として
吸気通路6を流れる吸気の一部を上記熱交換器70に導
入すると共に該熱交換器70による熱交換後の加熱吸気
を吸気系のスロットル弁5a下流のエアチャンバ4に戻
す加熱吸気用通路71と、該加熱空気用通路71に介装
され加熱吸気用通路71を流れる加熱吸気の流量を調整
する加熱吸気量調整弁72とからなる吸気加熱装置を採
用する。
火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも進角側のとき、
加熱吸気量調整弁72による加熱吸気量を減少制御し
て、吸気温度を低下させることで、エンジン燃焼室17
内の混合気温度を低下し、自己着火による着火時期を遅
角化させる。また、着火時期τAが目標着火時期τTAGT
よりも遅角側のときには、加熱吸気量調整弁72による
加熱吸気流量を増加制御して、吸気温度を上昇させるこ
とで、燃焼室17内の混合気温度を上昇し、自己着火に
よる着火時期を進角化する。
同一のステップについては、同一の符号を付して、その
詳細説明は省略する。
熱装置について説明する。
排気ガスと熱交換を行う熱交換器70が配設されてい
る。そして、この熱交換器70に吸気の一部を導入する
ため吸気管6と熱交換器70とを連通する吸気導入通路
71aと、熱交換器70により排気ガスと熱交換された
加熱吸気を吸気系に戻すため熱交換器70とスロットル
弁5a下流のエアチャンバ4とを連通する加熱空気供給
通路71bとにより、加熱空気用通路71が構成され
る。
加熱空気供給通路71bを流れる加熱吸気の流量すなわ
ち吸入空気における加熱空気の供給率(以下、「加熱空
気供給率」と称する)を調整することで吸気温度を制御
するためのデューティソレノイド弁式の加熱吸気量調整
弁72が介装されている。尚、上記加熱吸気量調整弁7
2は、吸気導入通路71aに介装してもよい。
吸気負圧によって、吸気管6を流れる吸気の一部が上記
吸気導入通路71aを介して熱交換器70に導入され、
熱交換器70で熱交換された加熱吸気が加熱空気供給通
路71bを介して、スロットル弁5a下流のエアチャン
バ4に供給される。
I/Oインターフェイス56の出力ポートに、駆動回路
58を介して、上記加熱吸気量調整弁72が接続されて
いる。
御量すなわち駆動信号のデューティ比DUTYがECU
50によって演算され、このデューティ比DUTYに対
応してECU50から出力される駆動信号に応じて加熱
吸気量調整弁72の弁開度が調整される。
ティ比DUTYが15%以下で、加熱吸気量調整弁72
が全閉となり加熱吸気の供給が停止され、デューティ比
DUTYが90%以上のとき、加熱吸気量調整弁72が
全開となる。そして、デューティ比DUTYが0%〜1
00%の間で設定され、このデューティ比DUTYによ
る駆動信号に応じて加熱吸気量調整弁72の弁開度が調
整されて、加熱空気流量すなわち加熱空気供給率が制御
される。
1形態の図3の圧縮着火制御条件判別ルーチンに代え
て、図22に示す圧縮着火制御条件判別ルーチンを採用
し、また、図11〜図12のEGR制御ルーチンに代え
て、図23に示す吸気加熱制御ルーチンを採用する。
尚、その他のルーチンについては、上記実施の第1形態
のルーチンをそのまま採用し、その説明は省略する。
チン及び吸気加熱制御ルーチンについて説明する尚、上
記実施の第1形態と同ステップについては、同一の符号
を付して、その詳細説明は省略する。
ンは、上記実施の第1形態と同様に、システムイニシャ
ライズ後、所定時間(例えば、10msec)毎に実行さ
れ、ステップS11で、圧縮着火制御フラグFCOMPを参照
し、FCOMP=1で、既に自己着火を行う圧縮着火制御が
指示されているときには、ステップS19へジャンプし
て、ステップS19,S20で、現在のエンジン回転数NE,
吸入空気量Qを前回の値NEOLD,QOLDとしてRAM5
3の所定アドレスにストアして、そのままルーチンを抜
ける。
が選択され、点火プラグ18の放電による強制点火が行
われているとき、ステップS12へ進み、ステップS12〜S1
5,S22で、圧縮着火制御への移行条件が成立しているか
否かを判断する。
Eと吸入空気量Qの変化を判断し、エンジン定常運転状
態か否かを判断する。そして、|NE−NEOLD|>NE
S或いは|Q−QOLD|>QSのエンジン過渡運転状態
時には、該当するステップからステップS18へジャンプ
して、条件継続時間カウント値CNをクリアし、次回の
判定に備え、続くステップS19,S20で、それぞれ上記エ
ンジン回転数NE,吸入空気量Qを前回の値NEOLD,QO
LDとして、ルーチンを抜け、点火プラグ18の火花点火
による強制点火制御を継続する。
E−NEOLD|≦NES且つ|Q−QOLD|≦QSのエンジ
ン定常運転状態時には、ステップS14へ進み、エンジン
温度の一例としての冷却水温センサ36によるエンジン
冷却水温度TWを読み出し、この冷却水温度TWを設定値
TWSと比較することで、加熱空気の流量制御による吸
気温度制御が可能か否かを判断する。
Sは、エンジン1の暖機が完了し且つ排気温度が所定に
上昇して排気ガスとの熱交換により高温の加熱吸気が得
られ加熱吸気量調整弁72による加熱吸気流量すなわち
加熱空気供給率を制御することで、吸気温度を適切に制
御することが可能な冷却水温度を、予めシミュレーショ
ン或いは実験等により求め、この温度値を設定値TWS
として設定し、固定データとしてROM52にメモリさ
れているものである。
態で自己着火不能、或いは、加熱空気により吸気温度制
御を適正に行い得ないと判断されるときには、上記ステ
ップS18〜S20を経てルーチンを抜け、点火プラグ18の
火花点火による強制点火制御を継続する。
のエンジン温度が所定温度に達したときには、エンジン
1の暖機が完了し且つ排気温度が充分に上昇して、熱交
換器70による排気ガスとの熱交換後の加熱吸気により
吸気温度を充分上昇させることが可能であり、加熱吸気
量調整弁72による加熱空気供給率を制御することで吸
気温度を適正に制御することが可能と判断し、ステップ
S15へ進む。
ルーチンにおいて設定される点火プラグ18による強制
点火の点火時期TADV、及び図10の着火時期検出ルー
チンおいてイオン電流に基づき検出した着火時期τAを
読み出して、着火時期τAから点火時期TADVを減算し、
この減算値(τA−TADV)を設定値TSETと比較するこ
とで、適正時期で自己着火が可能か否かを判断する。
TADVとイオン電流に基づき検出される着火時期τAとの
時間間隔が設定値TSETにより定まる所定時間を上回る
ときには、自己着火不能ないし自己着火に移行させたと
しても適正着火時期での自己着火が不能と判断して、上
記ステップS18〜S20を経てルーチンを抜け、点火プラグ
18の火花点火による強制点火制御を継続する。
V≦TSETで、点火時期TADVとイオン電流に基づき検出
される着火時期τAとの時間間隔が上記設定値TSETによ
る所定値以内の時間に短縮されたとき、適正着火時期で
自己着火が可能であると判断して、ステップS21へ進
み、上記ステップS12〜S15の全ての条件による圧縮着火
制御への切換条件成立の継続時間を計時する条件継続時
間カウント値CNをカウントアップし、ステップS22で、
上記条件継続時間カウント値CNを設定値CSET(例え
ば、数sec相当値)と比較する。
着火制御への切換条件が非成立であると判断して、上記
ステップS19へ進み、ステップS19,S20を経てルーチン
を抜け、点火プラグ18の火花点火による強制点火制御
を継続する。
Tで、上記ステップS12〜S15による全ての条件成立の継
続時間が、本ルーチンの実行周期と上記設定値CSETと
により定まる所定期間に達したとき、ステップS23へ進
み、上記圧縮着火制御フラグFCOMPをセットすることで
(FCOMP←1)、点火プラグ18の火花点火による強制
点火制御を中止して自己着火を行わせる圧縮着火制御を
選択する。
カウント値CNをクリアして、続くステップS201で、加
熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデューティ比を
初期値DINIにより初期設定し(DUTY←DIN
I)、ルーチンを抜ける。
が、前述の図4の目標当量比算出ルーチン、図6の点火
制御ルーチン、図7のθ2クランクパルス割り込みルー
チン、及び、後述する図23の吸気加熱制御ルーチンに
おいて参照され、FCOMP=0の強制点火制御時には、エ
ンジン運転状態に応じて点火時期TADVを設定し、点火
プラグ18の火花点火による強制点火を行い、エンジン
運転状態に応じて所定空燃比による燃料噴射制御を行う
と共に、このときには、吸気加熱を中止する。
エンジン運転状態に応じて加熱吸気量調整弁72に対す
る駆動信号のデューティ比DUTYを設定し、吸気加熱
を行うようにしてもよい。
空燃比が強制点火制御時に対して相対的にリーン化され
ると共に、点火時期TADVの設定が中止されて点火プラ
グ18の火花点火による強制点火が中止される。また、
圧縮着火制御への移行時に、上述のステップS201におい
て加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデューティ
比DUTYが初期値DINIによる所定量増加され、こ
れに対応して加熱吸気量調整弁72の弁開度が所定量増
加し、加熱吸気流量すなわち加熱空気供給率の増加によ
って吸気加熱が開始、或いは吸気加熱量が増加させるこ
とで、吸気温度が上昇する。そして、この吸気温度の上
昇により、燃焼室17内の混合気の温度が直ちに上昇さ
れ、点火プラグ18の火花点火による強制点火から自己
着火に移行される。
ン電流に基づいて検出される着火時期τAと、エンジン
運転状態に基づいて設定した目標着火時期τTAGTとの比
較結果に応じて、加熱吸気量調整弁72を制御すること
で、着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収束するよう
吸気温度を制御する。
について説明する。
ニシャライズ後、所定時間(例えば、16ms)毎に実行
され、ステップS101で、圧縮着火制御フラグFCOMPを参
照する。
御が指示されているときには、そのままルーチンを抜
け、吸気加熱を中止する。尚、このとき、上述のよう
に、エンジン運転状態に応じて加熱吸気量調整弁72に
対する駆動信号のデューティ比DUTYを設定し、吸気
加熱を行うようにしてもよい。
1で、点火プラグ18の火花点火による強制点火が中止
され自己着火を行うための圧縮着火制御が指示されてい
るときには、ステップS112へ進み、ステップS112以降の
処理によって、上記着火時期τAと目標着火時期τTAGT
との比較結果に応じたフィードバック制御により加熱吸
気量調整弁72に対する駆動信号のデューティ比DUT
Yを設定して加熱吸気量調整弁72による吸気温度制御
を行い、自己着火による着火時期τAが目標着火時期τT
AGTに収束するよう制御する。
エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づ
いて基本目標着火角度テーブルを補間計算付きで参照し
て、圧縮上死点を基準とする基本目標着火角度ADVτ
BASEを設定する。
一例としての冷却水温度TWに基づいて水温補正係数テ
ーブルを補間計算付きで参照し、エンジン温度に応じて
上記基本目標着火角度ADVτBASEを補正するための水
温補正係数Kτを設定する。
着火角度ADVτBASEを上記水温補正係数Kτにより補
正して目標着火角度ADVτTGTを設定する(ADVτT
GT←ADVτBASE×Kτ)。
とした上記目標着火角度ADVτTGTを時間換算してθ2
クランクパルス入力を基準とした目標着火時期τTAGTを
設定する(τTAGT←(Tθ/θ)×(θ2−ADVτTG
T))。
16以降の処理によって、上述の着火時期検出ルーチンに
おいて検出された実際の着火時期τAと上記目標着火時
期τTAGTとの比較結果に応じて加熱吸気量調整弁72に
対する駆動信号のデューティ比DUTYを設定して、加
熱吸気流量(加熱空気供給率)を制御することで、吸気
温度制御を行い、着火時期τAが目標着火時期τTAGTに
収束するようフィードバック制御する。
による最新の着火時期τAを読み出して、この着火時期
τAと上記目標着火時期τTAGTに不感帯幅を定める設定
値αを加算した目標着火時期上限(τTAGT+α)とを比
較する。
が目標着火時期上限(τTAGT+α)を下回っているとき
には、ステップS117へ進み、更に着火時期τAを、上記
目標着火時期τTAGTから設定値を減算した目標着火時期
下限(τTAGT−α)と比較する。
時期τAが目標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内
にあるときには(τTAGT+α>τA≧τTAGT−α)、そ
のままルーチンを抜け、現在の加熱吸気量調整弁72に
対する駆動信号のデューティ比DUTYをそのまま維持
する。
AGT−αであり、不感帯の範囲外で、着火時期τAが目標
着火時期τTAGTよりも進角側のときには、ステップS211
へ進み、現在のデューティ比DUTYから設定値DDI
NTを減算して新たなデューティ比DUTYを設定する
(DUTY←DUTY−DDINT)。
プS211による新たなデューティ比DUTYをセットし
て、ルーチンを抜ける。
る駆動信号がECU50から加熱吸気量調整弁72に出
力され、加熱吸気量調整弁72の弁開度が上記設定値D
DINTにより定まる所定量だけ減少し、加熱吸気流量
(加熱空気供給率)の減少により吸気温度が低下され
る。
において、着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも進
角側で不感帯を逸脱すると(τA<τTAGT−α)、本ル
ーチン実行毎に加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号
のデューティ比DUTYを設定値DDINTづつ減少さ
せ、加熱吸気量調整弁72の弁開度を上記設定値DDI
NTにより定まる所定量づつ減少し、加熱吸気流量(加
熱空気供給率)を減少させる。その結果、この加熱吸気
流量の減少によって吸気温度が低下され、この吸気温度
の低下に伴い燃焼室17内に供給される混合気の温度が
低下し、圧縮行程時の筒内温度の低下によって自己着火
による着火時期τAが遅角化され、自己着火による着火
時期τAがエンジン運転状態に適合する目標着火時期τT
AGTに収束される。
Tに対する不感帯の範囲内に収束したとき、デューティ
比DUTYの減少修正が中止され、加熱吸気量調整弁7
2に対する駆動信号のデューティ比DUTY、すなわち
加熱吸気量調整弁72の弁開度がそのまま維持される。
AGT+αであり、不感帯の範囲外で、着火時期τAが目標
着火時期τTAGTよりも遅角側のときには、ステップS212
へ進み、現在のデューティ比DUTYに設定値UDIN
Tを加算して新たなデューティ比DUTYを設定する
(DUTY←DUTY+UDINT)。
転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅T
pとに基づいて上限値テーブルを補間計算付きで参照し
て、加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデューテ
ィ比DUTYを上限規制する上限値DUTYMAXを設定
する。
E及び基本燃料噴射パルス幅Tpによるエンジン運転領
域毎に、デューティ比DUTYの適正上限値DUTYMA
Xを予めシミュレーション或いは実験等により求め、R
OM52の一連のアドレスにメモリされているものであ
る。
中に示す。この上限値テーブルには、基本燃料噴射パル
ス幅Tpが大きい高負荷領域、及びエンジン回転数NE
の低い低回転領域において、小さい値の上限値DUTY
MAXがメモリされている。逆に基本燃料噴射パルス幅T
pが小さく且つエンジン回転数NEが高いほど、すなわ
ちエンジン低負荷高回転領域に移行するほど、大きい値
の上限値DUTYMAXがメモリされている。
あるほど、上記基本目標着火角度ADVτBASEを遅角設
定して目標着火時期τTAGTを遅角化することで、高負荷
低回転時の燃焼期間を適切に保ち熱効率の向上を図って
いるため、この目標着火時期τTAGTと着火時期τAとの
比較に応じて設定されるデューティ比DUTYの上限値
DUTYMAXを、これに対応して低下することで、上限
許容限界を適切に設定することが可能となる。
着火角度ADVτBASEを進角設定して目標着火時期τTA
GTを進角化することで、燃焼期間を相対的に進角化さ
せ、低負荷高回転時の燃焼の遅れを抑制して熱効率の向
上を図っているため、これに対応してデューティ比DU
TYの上限値DUTYMAXを上昇させる。
る目標着火時期τTAGTに対応して、デューティ比DUT
Yに対し適切な上限値DUTYMAXを設定することが可
能となり、各領域において上限許容限界を適切に設定す
ることが可能となる。
プS212で増加修正したデューティ比DUTYと上記ステ
ップS213で設定した上限値DUTYMAXとを比較し、D
UTY≦DUTYMAXで、加熱吸気量調整弁72に対す
る駆動信号のデューティ比DUTYが上限値DUTYMA
X以下のときには、上記ステップS217へジャンプし、上
記ステップS212において増加修正したデューティ比DU
TYをセットして、ルーチンを抜ける。
る駆動信号がECU50から加熱吸気量調整弁72に出
力され、加熱吸気量調整弁72の弁開度が上記設定値U
DINTにより定まる所定量だけ増加し、加熱吸気流量
(加熱空気供給率)の増加により吸気温度が上昇され
る。
において、着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅
角側で不感帯を逸脱すると(τA≧τTAGT+α)、本ル
ーチン実行毎に加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号
のデューティ比DUTYを設定値UDINTづつ漸次的
に増加させ、加熱吸気量調整弁72の弁開度が上記設定
値UDINTにより定まる所定量づつ増加される。そし
て、この加熱吸気量調整弁72の弁開度の増加によって
加熱吸気流量(加熱空気供給率)が増加し、これにより
吸気温度が上昇され、この吸気温度の上昇に伴い燃焼室
17内に供給される混合気の温度が上昇し、圧縮行程時
の筒内温度の上昇によって自己着火による着火時期τA
が進角化される。その結果、自己着火による着火時期τ
Aがエンジン運転状態に適合する目標着火時期τTAGTに
収束される。
Tに対する不感帯の範囲内に収束したとき、デューティ
比DUTYの増加修正が中止され、加熱吸気量調整弁7
2に対する駆動信号のデューティ比DUTYすなわち加
熱吸気量調整弁72の弁開度がそのまま維持される。
条件や大気条件等が変化しても、エンジン運転状態に適
合する目標着火時期τTAGTに収束するよう着火時期τA
が制御され、自己着火時において常に最適な着火時期τ
Aを得ることが可能となり、熱効率の向上により燃費向
上、信頼性の向上を図ることができる。
最適着火時期を得ることが可能となるため、ノッキング
等の異常燃焼を未然に回避することができ、その結果、
エンジンに対する悪影響を未然に回避することが可能と
なり、且つ、エンジン騒音の低減を図ることが可能とな
る。
Y>DUTYMAXとなり、デューティ比DUTYの増加
修正によっても着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収
束せず、加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデュ
ーティDUTYが、エンジン運転状態に基づいて設定し
た上限値DUTYMAXを上回ったとき、すなわち、自己
着火による着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅
角側のために、デューティ比DUTYを逐次増加修正し
た結果、デューティ比DUTYが上限値DUTYMAXを
上回り加熱吸気量調整弁72の弁開度がエンジン運転状
態に応じた限界値に達したとき、エンジン過渡運転への
移行、或いはシステム異常等に起因して加熱吸気流量
(加熱空気供給率)調整による吸気温度制御が不能とな
り自己着火による着火時期τAを制御することが不能に
なった、或いは、自己着火自体が不能になったと判断し
て、ステップS215へ進む。
ラグFCOMPをクリアし(FCOMP←0)、続くステップS2
16で、加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデュー
ティ比DUTYを0%とし(DUTY←0)、ステップ
S217で、上記ステップS216によるデューティ比DUTY
をセットして、ルーチンを抜ける。
のクリアにより圧縮着火制御から強制点火制御に移行
し、上述の点火制御ルーチンにおいて、点火時期TAD
V、通電開始時期タイミングTDWLの設定、及び各点火タ
イマセットが行われ、点火プラグ18の火花点火による
強制点火が再開されると共に、前述の目標当量比算出ル
ーチンにおいて、強制点火に適合するリーン減量係数K
LEANが設定されることで、混合気空燃比の相対的なリー
ン化が解除される。
或いはシステム異常等に起因して加熱吸気量調整による
吸気温度制御が不能となり自己着火による着火時期τA
を制御することが不能となった時、或いは、自己着火自
体が不能となった時には、自己着火から点火プラグ18
の点火による強制点火に確実に移行することが可能とな
る。その結果、本実施の形態においても、着火時期τA
の制御不能状態での自己着火の継続が防止されて、ドラ
イバビリティの悪化を防止することが可能となる。ま
た、自己着火の継続による異常燃焼や失火が防止される
ことで、排気エミッションの悪化を防止することが可能
となり、且つ、エンジン1の耐久信頼性を向上すること
が可能となる。
0%に設定され、初期状態に復帰される。これに対応し
て加熱吸気量調整弁72の弁開度が減少して全閉とな
り、吸気加熱が中止される。
強制点火制御への移行に伴い、加熱吸気量調整弁72に
対する駆動信号のデューティ比DUTYを0%とし、加
熱吸気制御弁72を全閉として、吸気加熱を中止してい
るが、強制点火制御時においても、エンジン運転状態に
応じて加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデュー
ティ比DUTYを設定して吸気加熱を行う場合は、上記
ステップS216において、現在のデューティ比DUTYか
ら設定値を減算して新たなデューティ比DUTYを設定
することで、吸気加熱制御量を初期状態に戻す。
における加熱吸気量調整弁72に対する駆動信号のデュ
ーティ比DUTYを、着火時期τAと目標着火時期τTAG
Tとの比較結果に応じて積分制御により設定している
が、比例積分制御(PI制御)或いは比例積分微分制御
(PID制御)により設定するようにしてもよい。
形態のデューティソレノイド弁式の加熱吸気量調整弁に
限定されず、適宜の形式のものを採用してもよいことは
勿論である。
70をエンジンの排気系に配設して、吸気系を流れる吸
気の一部を排気ガスと熱交換し、吸気加熱を行うように
しているが、例えば、熱交換器をエンジン1自体に配設
して、吸気の一部をエンジン発生熱と熱交換を行わせて
吸気加熱を行わせるようにしてもよい。
明の実施の第3形態を説明する。
26に示すように、吸気系に周知のPTCヒータ等の電
気式のヒータ80を介装する。
火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも進角側のとき、
ヒータ80の発熱量を減少制御して、吸気温度を低下さ
せることで、エンジン燃焼室17内の混合気温度を低下
し、自己着火による着火時期を遅角化させる。また、着
火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅角側のときに
は、ヒータ80の発熱量を増加制御して、吸気温度を上
昇させることで、燃焼室17内の混合気温度を上昇し、
自己着火による着火時期を進角化する。
いては、同一の符号を付して、その説明は省略する。
る。
吸気系としてインテークマニホルド3内の吸気通路に各
気筒毎に対応して配設されている。
I/Oインターフェイス56の出力ポートに、駆動回路
58を介して、ヒータ80に対する電源電圧を可変とし
ヒータ供給電力調整によりヒータ80の発熱量を調整す
る周知のヒータコントロールモジュール(以下、「HT
CM」と略称する)81が接続されており、このHTC
M81に上記ヒータ80が接続されている。そして、イ
グニッションスイッチ62を介してHTCM81にバッ
テリ61が接続され、電源が与えられる。
されるデューティ信号のデューティ比DUTYに応じて
バッテリ61からのバッテリ電圧VBを変圧し、この変
圧後の電圧を電源電圧としてヒータ80に与えるもので
あり、このHTCM81によりヒータ供給電力を調整す
ることで、ヒータ80の発熱量が調整される。
ティ比DUTYが0%で、HTCM81からヒータ80
に印可される電圧が0Vすなわちヒータ供給電力が0と
なり、ヒータ発熱が停止される。また、デューティ比D
UTYが100%のとき、HTCM81からヒータ80
に最大電圧が印可され、ヒータ発熱量が最大となる。
比DUTYが0%〜100%の間で設定され、このデュ
ーティ比DUTYによるデューティ信号に応じてHTC
M81によりヒータ80への電源電圧すなわちヒータ供
給電力が調整されて、ヒータ80の発熱量が調整され
る。
2形態の図22の圧縮着火制御条件判別ルーチン、及び
図23の吸気加熱制御ルーチンを採用する。但し、一部
のステップにおいて、その設定値内容等が異なる。これ
以外のステップについては同一であり、その詳細説明は
省略する。
ン回転数算出ルーチン、目標当量比算出ルーチン、燃料
噴射量設定ルーチン、点火制御ルーチン、θ2クランク
パルス割り込みルーチン、TDWL割り込みルーチン、TA
DV割り込みルーチン、着火時期検出ルーチン)について
は、上記実施の第1形態のルーチンをそのまま採用し、
その説明は省略する。
チン及び吸気加熱制御ルーチンについて、上述の図22
及び図23を用い説明する。
ルーチンについて説明すると、ステップS11で、圧縮着
火制御フラグFCOMPを参照し、FCOMP=1で、既に自己
着火を行う圧縮着火制御が指示されているときには、ス
テップS19へジャンプして、ステップS19,S20で、現在
のエンジン回転数NE,吸入空気量Qを前回の値NEOL
D,QOLDとしてRAM53の所定アドレスにストアし
て、そのままルーチンを抜ける。
が選択され、点火プラグ18の放電による強制点火が行
われているとき、ステップS12へ進み、ステップS12〜S1
5,S22で、圧縮着火制御への移行条件が成立しているか
否かを判断する。
OLD|>NES或いは|Q−QOLD|>QSのエンジン過
渡運転状態時には、該当するステップからステップS18
へジャンプして、条件継続時間カウント値CNをクリア
し、続くステップS19,S20で、それぞれエンジン回転数
NE,吸入空気量Qを前回の値NEOLD,QOLDとして、ル
ーチンを抜け、点火プラグ18の火花点火による強制点
火制御を継続する。
E−NEOLD|≦NES且つ|Q−QOLD|≦QSのエンジ
ン定常運転状態時には、ステップS14へ進み、エンジン
温度の一例としての冷却水温センサ36によるエンジン
冷却水温度TWを読み出し、この冷却水温度TWを設定値
TWSと比較することで、エンジン暖機完了状態か否か
を判断する。
未完了時には、上記ステップS18へジャンプして、ステ
ップS18〜S20を経てルーチンを抜け、また、TW≧TW
Sの暖機完了時には、ステップS15へ進む。
ルーチン、図10の着火時期検出ルーチンによる点火時
期TADV、着火時期τAをそれぞれ読み出して、着火時期
τAから点火時期TADVを減算し、この減算値を設定値T
SETと比較することで、適正時期で自己着火が可能か否
かを判断する。そして、τA−TADV>TSETで、点火時
期TADVと着火時期τAとの時間間隔が設定値TSETによ
り定まる所定時間を上回るときには、自己着火不能ない
し自己着火に移行させたとしても適正着火時期での自己
着火が不能と判断して、上記ステップS18〜S20を経てル
ーチンを抜け、点火プラグ18の火花点火による強制点
火制御を継続する。
V≦TSETで、点火時期TADVと着火時期τAとの時間間隔
が上記設定値TSETによる所定値以内の時間に短縮され
たとき、適正着火時期で自己着火が可能であると判断し
て、ステップS21へ進み、上記ステップS12〜S15の全て
の条件による圧縮着火制御への切換条件成立の継続時間
を計時する条件継続時間カウント値CNをカウントアッ
プし、ステップS22で、上記条件継続時間カウント値CN
を設定値CSETと比較する。
着火制御への切換条件が非成立であると判断して、上記
ステップS19へ進み、ステップS19,S20を経てルーチン
を抜け、点火プラグ18の火花点火による強制点火制御
を継続する。
Tで、上記ステップS12〜S15による全ての条件成立の継
続時間が、本ルーチンの実行周期と上記設定値CSETと
により定まる所定期間に達したとき、ステップS23へ進
み、上記圧縮着火制御フラグFCOMPをセットすることで
(FCOMP←1)、点火プラグ18の火花点火による強制
点火制御を中止して自己着火を行わせる圧縮着火制御を
選択する。
間カウント値CNをクリアして、続くステップS201で、
HTCM81に対するデューティ信号のデューティ比D
UTYを初期値DINIにより初期設定し(DUTY←
DINI)、ルーチンを抜ける。
が、前述の図4の目標当量比算出ルーチン、図6の点火
制御ルーチン、図7のθ2クランクパルス割り込みルー
チン、及び、後述する図23の吸気加熱制御ルーチンに
おいて参照され、FCOMP=0の強制点火制御時には、エ
ンジン運転状態に応じて点火時期TADVを設定し、点火
プラグ18の火花点火による強制点火を行い、エンジン
運転状態に応じて所定空燃比による燃料噴射制御を行う
と共に、このときには、吸気加熱を中止する。尚、ここ
で、強制点火制御時においても、エンジン運転状態に応
じHTCM81に対するデューティ信号のデューティ比
DUTYを設定し、ヒータ発熱量を制御して吸気加熱を
行うようにしてもよい。
空燃比が強制点火制御時に対して相対的にリーン化され
ると共に、点火時期TADVの設定が中止されて点火プラ
グ18の火花点火による強制点火が中止される。また、
圧縮着火制御への移行時に、上記ステップS201で、HT
CM81に対するデューティ信号のデューティ比DUT
Yが初期値DINIによる所定量増加され、これに対応
してHTCM81からヒータ80への電源電圧すなわち
ヒータ供給電力が所定量増加し、ヒータ80の発熱が開
始、或いはヒータ発熱量が増加されることで、ヒータ8
0による吸気加熱が開始、或いはヒータ80による吸気
加熱量が増加して、吸気温度が上昇する。そして、この
吸気温度の上昇により、燃焼室17内の混合気の温度が
直ちに上昇され、点火プラグ18の火花点火による強制
点火から自己着火に移行される。
ン電流に基づいて検出される着火時期τAと、エンジン
運転状態に基づいて設定した目標着火時期τTAGTとの比
較結果に応じて、HTCM81に対するデューティ信号
のデューティ比DUTYを設定して、HTCM81によ
りヒータ80への電源電圧を調整し、ヒータ80の発熱
量を制御することで、着火時期τAが目標着火時期τTAG
Tに収束するよう吸気温度を制御する。
ンについて説明すると、ステップS101で、圧縮着火制御
フラグFCOMPを参照し、FCOMP=0で強制点火制御が指
示されているときには、そのままルーチンを抜け、吸気
加熱を中止する。尚、上述のように本実施の形態におい
ては、強制点火制御時には、ヒータ80による吸気加熱
を中止しているが、強制点火制御時においても、エンジ
ン運転状態に応じHTCM81に対するデューティ信号
のデューティ比DUTYを設定し、ヒータ発熱量を制御
して吸気加熱を行うようにしてもよい。
1で、点火プラグ18の火花点火による強制点火が中止
され自己着火を行うための圧縮着火制御が指示されてい
るときには、ステップS112へ進み、ステップS112以降の
処理によって、上記着火時期τAと目標着火時期τTAGT
との比較結果に応じたフィードバック制御によりHTC
M81に対するデューティ信号のデューティ比DUTY
を設定してヒータ80による吸気温度制御を行い、自己
着火による着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収束す
るよう制御する。
エンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅Tpとに基づ
いてテーブル参照により、圧縮上死点を基準とする基本
目標着火角度ADVτBASEを設定し、続くステップS113
で、冷却水温度TWに基づいてテーブル参照により水温
補正係数Kτを設定する。
着火角度ADVτBASEを上記水温補正係数Kτにより補
正して目標着火角度ADVτTGTを設定し(ADVτTGT
←ADVτBASE×Kτ)、ステップS115で、圧縮上死点
を基準とした上記目標着火角度ADVτTGTを時間換算
してθ2クランクパルス入力を基準とした目標着火時期
τTAGTを設定する(τTAGT←(Tθ/θ)×(θ2−A
DVτTGT))。
16以降の処理によって、上述の着火時期検出ルーチンに
おいて検出された実際の着火時期τAと上記目標着火時
期τTAGTとの比較結果に応じてHTCM81に対するデ
ューティ信号のデューティ比DUTYを設定し、ヒータ
80の発熱量を制御することによって吸気温度制御を行
い、着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収束するよう
フィードバック制御する。
による最新の着火時期τAを読み出して、この着火時期
τAと上記目標着火時期τTAGTに不感帯幅を定める設定
値αを加算した目標着火時期上限(τTAGT+α)とを比
較する。
テップS117へ進み、更に着火時期τAを、上記目標着火
時期τTAGTから設定値を減算した目標着火時期下限(τ
TAGT−α)と比較する。
時期τAが目標着火時期τTAGTに対する不感帯の範囲内
にあるときには(τTAGT+α>τA≧τTAGT−α)、そ
のままルーチンを抜け、現在のHTCM81に対するデ
ューティ信号のデューティ比DUTYすなわちヒータ8
0による吸気加熱量をそのまま維持する。
AGT−αであり、不感帯の範囲外で、着火時期τAが目標
着火時期τTAGTよりも進角側のときには、ステップS211
へ進み、現在のデューティ比DUTYから設定値DDI
NTを減算して新たなデューティ比DUTYを設定する
(DUTY←DUTY−DDINT)。
プS211による新たなデューティ比DUTYをセットし
て、ルーチンを抜ける。
るデューティ信号がECU50からHTCM81に出力
され、HTCM81によるヒータ80への電源電圧すな
わちヒータ供給電力が上記設定値DDINTにより定ま
る所定量だけ減少し、ヒータ80の発熱量の減少によっ
てヒータ80による吸気加熱量が減少して、吸気温度が
低下される。
において、着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも進
角側で不感帯を逸脱すると(τA<τTAGT−α)、本ル
ーチン実行毎にHTCM81に対するデューティ信号の
デューティ比DUTYを設定値DDINTづつ減少さ
せ、ヒータ供給電力すなわちヒータ80の発熱量を漸次
的に減少させる。そして、このヒータ発熱量の減少によ
ってヒータ80による吸気加熱量が減少して吸気温度が
低下され、この吸気温度の低下に伴い燃焼室17内に供
給される混合気の温度が低下し、圧縮行程時の筒内温度
の低下によって自己着火による着火時期τAが遅角化さ
れ、自己着火による着火時期τAがエンジン運転状態に
適合する目標着火時期τTAGTに収束される。
Tに対する不感帯の範囲内に収束したとき、デューティ
比DUTYの減少修正が中止され、HTCM81に対す
るデューティ信号のデューティ比DUTY、すなわちヒ
ータ80による吸気加熱量がそのまま維持される。
AGT+αであり、不感帯の範囲外で、着火時期τAが目標
着火時期τTAGTよりも遅角側のときには、ステップS212
へ進み、現在のデューティ比DUTYに設定値UDIN
Tを加算して新たなデューティ比DUTYを設定する
(DUTY←DUTY+UDINT)。
転数NEとエンジン負荷を表す基本燃料噴射パルス幅T
pとに基づいて上限値テーブルを補間計算付きで参照し
て、HTCM81に対するデューティ信号のデューティ
比DUTYを上限規制する上限値DUTYMAXを設定す
る。
E及び基本燃料噴射パルス幅Tpによるエンジン運転領
域毎に、HTCM81に対するデューティ信号のデュー
ティ比DUTYの適正上限値DUTYMAXを予めシミュ
レーション或いは実験等により求め、ROM52の一連
のアドレスにメモリされているものである。
施の第2形態と同様、この上限値テーブルには、基本燃
料噴射パルス幅Tpが大きい高負荷領域、及びエンジン
回転数NEの低い低回転領域において、小さい値の上限
値DUTYMAXがメモリされている。逆に基本燃料噴射
パルス幅Tpが小さく且つエンジン回転数NEが高いほ
ど、すなわちエンジン低負荷高回転領域に移行するほ
ど、大きい値の上限値DUTYMAXがメモリされてい
る。
あるほど、上記基本目標着火角度ADVτBASEを遅角設
定して目標着火時期τTAGTを遅角化することで、高負荷
低回転時の燃焼期間を適切に保ち熱効率の向上を図って
いるため、この目標着火時期τTAGTと着火時期τAとの
比較に応じて設定されるHTCM81に対するデューテ
ィ信号のデューティ比DUTYの上限値DUTYMAX
を、これに対応して低下することで、上限許容限界を適
切に設定することが可能となる。
着火角度ADVτBASEを進角設定して目標着火時期τTA
GTを進角化することで、燃焼期間を相対的に進角化さ
せ、低負荷高回転時の燃焼の遅れを抑制して熱効率の向
上を図っているため、これに対応してデューティ比DU
TYの上限値DUTYMAXを上昇させる。
る目標着火時期τTAGTに対応して、デューティ比DUT
Yに対し適切な上限値DUTYMAXを設定することが可
能となり、各領域において上限許容限界を適切に設定す
ることが可能となる。
プS212で増加修正したデューティ比DUTYと上記ステ
ップS213で設定した上限値DUTYMAXとを比較し、D
UTY≦DUTYMAXで、HTCM81に対するデュー
ティ信号のデューティ比DUTYが上限値DUTYMAX
以下のときには、上記ステップS217へジャンプし、上記
ステップS212において増加修正したデューティ比DUT
Yをセットして、ルーチンを抜ける。
るデューティ信号がECU50からHTCM81に出力
され、HTCM81によるヒータ80への電源電圧すな
わちヒータ供給電力が上記設定値UDINTにより定ま
る所定量だけ増加し、ヒータ80の発熱量の増加によっ
てヒータ80による吸気加熱量が増加して、吸気温度が
上昇される。
において、着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅
角側で不感帯を逸脱すると(τA≧τTAGT+α)、本ル
ーチン実行毎にHTCM81に対するデューティ信号の
デューティ比DUTYを設定値UDINTづつ増加さ
せ、ヒータ供給電力すなわちヒータ80の発熱量を漸次
的に増加させる。そして、このヒータ発熱量の増加によ
ってヒータ80による吸気加熱量が増加して吸気温度が
上昇され、この吸気温度の上昇に伴い燃焼室17内に供
給される混合気の温度が上昇し、圧縮行程時の筒内温度
の上昇によって自己着火による着火時期τAが進角化さ
れ、自己着火による着火時期τAがエンジン運転状態に
適合する目標着火時期τTAGTに収束される。
Tに対する不感帯の範囲内に収束したとき、デューティ
比DUTYの増加修正が中止され、HTCM81に対す
るデューティ信号のデューティ比DUTY、すなわちヒ
ータ80による吸気加熱量がそのまま維持される。
ジン運転条件や大気条件等が変化しても、エンジン運転
状態に適合する目標着火時期τTAGTに収束するよう着火
時期τAが制御され、自己着火時において常に最適な着
火時期τAを得ることが可能となり、熱効率の向上によ
り燃費向上、信頼性の向上を図ることが可能となる。
運転状態の相違に関わらず最適着火時期を得ることが可
能となるため、ノッキング等の異常燃焼を未然に回避す
ることができ、その結果、エンジンに対する悪影響を未
然に回避することが可能となり、且つ、エンジン騒音の
低減を図ることが可能となる。
Y>DUTYMAXとなり、デューティ比DUTYの増加
修正によっても着火時期τAが目標着火時期τTAGTに収
束せず、HTCM81に対するデューティ信号のデュー
ティDUTYが、エンジン運転状態に基づいて設定した
上限値DUTYMAXを上回ったとき、すなわち、自己着
火による着火時期τAが目標着火時期τTAGTよりも遅角
側のために、デューティ比DUTYを逐次増加修正した
結果、デューティ比DUTYが上限値DUTYMAXを上
回りヒータ80の発熱量がエンジン運転状態に応じた限
界値に達したとき、エンジン過渡運転への移行、或いは
システム異常等に起因してヒータ供給電力(ヒータ発熱
量)調整による吸気温度制御が不能となり自己着火によ
る着火時期τAを制御することが不能になった、或い
は、自己着火自体が不能になったと判断して、ステップ
S215へ進む。
ラグFCOMPをクリアし(FCOMP←0)、続くステップS2
16で、HTCM81に対するデューティ信号のデューテ
ィ比DUTYを0%とし(DUTY←0)、ステップS2
17で、上記ステップS216によるデューティ比DUTYを
セットして、ルーチンを抜ける。
リアにより圧縮着火制御から強制点火制御に移行し、前
述の点火制御ルーチンにおいて、点火時期TADV、通電
開始時期タイミングTDWLの設定、及び各点火タイマの
セットが行われ、点火プラグ18の火花点火による強制
点火が再開されると共に、前述の目標当量比算出ルーチ
ンにおいて、強制点火に適合するリーン減量係数KLEAN
が設定されることで、混合気空燃比の相対的なリーン化
が解除される。
或いはシステム異常等に起因してヒータ発熱量調整によ
る吸気温度制御が不能となり自己着火による着火時期τ
Aを制御することが不能となった時、或いは、自己着火
自体が不能になった時には、自己着火から点火プラグ1
8の点火による強制点火に確実に移行することが可能と
なる。その結果、本実施の形態においても、自己着火に
よる着火時期τAの制御不能状態での自己着火の継続が
防止され、ドライバビリティの悪化を防止することが可
能となる。また、自己着火の継続による異常燃焼や失火
が防止されることで、排気エミッションの悪化を防止す
ることが可能となり、且つ、エンジン1の耐久信頼性を
向上することが可能となる。
0%に設定され、初期状態に復帰される。これに対応し
てヒータ80の発熱量が減少して、吸気加熱が中止され
る。
強制点火制御への移行に伴い、HTCM81に対するデ
ューティ信号のデューティ比DUTYを0%とし、ヒー
タ80による吸気加熱を中止しているが、強制点火制御
時においても、エンジン運転状態に応じてHTCM81
に対するデューティ信号のデューティ比DUTYを設定
して吸気加熱を行う場合は、上記ステップS216におい
て、現在のデューティ比DUTYから設定値を減算して
新たなデューティ比DUTYを設定することで、ヒータ
80による吸気加熱制御量を初期状態に戻す。
におけるHTCM81に対するデューティ信号のデュー
ティ比DUTYを、着火時期τAと目標着火時期τTAGT
との比較結果に応じて積分制御により設定しているが、
比例積分制御(PI制御)或いは比例積分微分制御(P
ID制御)により設定するようにしてもよい。
M81によりヒータ発熱量を制御するものに限定され
ず、ヒータ発熱量が可変制御されるものであればよく、
適宜のものを採用してもよいことは勿論である。
火制御時の点火時期制御、並びに着火時期検出を、いわ
ゆる時間制御方式により行っているが、本発明はこれに
限定されず、角度制御方式を採用してもよいことは勿論
である。
にのみイオン電流検出回路45を配設し、この特定気筒
の着火時期を検出しているが、コストアップを生じるも
のの全気筒に対してそれぞれイオン電流検出回路を配設
し、各気筒について着火時期を検出して、この着火時期
により吸気温度を制御するようにしてもよい。
によれば、点火プラグの点火により強制点火を行う点火
時期をエンジン運転状態に基づいて設定すると共に、燃
焼室内の混合気が着火し燃焼ガスのイオンの存在により
該イオンを介して流れるイオン電流に基づいて着火時期
を検出する。そして、上記点火時期と着火時期との差を
所定値と比較し、差が所定値以下となったとき、自己着
火を行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立したと判
断し、点火プラグによる強制点火を中止して自己着火に
移行させるので、点火プラグによる強制点火から自己着
火への移行条件として、このときのエンジン燃焼状態を
判断することが可能となり、自己着火への移行条件を適
切に判断することができる。
下において、的確に自己着火に移行させることができ
る。
御への移行条件の成立時、自己着火へ移行するに際し
て、混合気空燃比をリーン化するので、上記請求項1記
載の発明の効果に加え、空燃比のリーン化によって、燃
費の大幅な向上と、CO、NOx等の有害な排気ガス成
分の低減を図ることができる効果を有する。
御への移行条件を判別するに際して、更に、エンジン回
転数及びエンジン負荷を判断する。そして、エンジン回
転数及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が略同一
領域にあるエンジン定常運転状態で、且つ、上記点火時
期と着火時期との差が所定値以下となったとき、自己着
火を行わせる圧縮着火制御への移行条件の成立と判断
し、自己着火に移行させるので、上記請求項1或いは請
求項2記載の発明の効果に加え、エンジン過渡運転状態
時において点火時期とイオン電流に基づき検出される着
火時期との差が変化することによる圧縮着火制御への移
行条件の誤判定を未然に防止することができ、自己着火
への移行条件を更に的確に判断することができる効果を
有する。
の移行条件を判別するに際し、更に、エンジン温度を判
断する。そして、エンジン温度が所定値以上のエンジン
暖機完了状態であり、且つ、エンジン回転数及びエンジ
ン負荷によるエンジン運転領域が略同一領域にあるエン
ジン定常運転状態で、且つ、上記点火時期と着火時期と
の差が所定値以下となったとき、自己着火を行わせる圧
縮着火制御への移行条件の成立と判断し、自己着火に移
行させるので、上記請求項3記載の発明の効果に加え、
圧縮着火制御への移行条件の誤判定を防止して、且つ、
自己着火への移行後、直ちに、適正時期で自己着火を行
うことができ、エンジンの着火ミス(失火)を生じるこ
となく、また、自己着火における着火時期の不適合によ
る異常燃焼を防止することができる。従って、異常燃焼
に起因するエンジンに対する悪影響等の弊害を防止し
て、エンジンの耐久信頼性を向上することができる。ま
た、自己着火への移行時における失火や着火時期不適合
による異常燃焼が防止されるので、排気エミッションの
改善を図ることができる。
の移行条件を判別するに際して、上記圧縮着火制御への
移行条件成立の継続時間が所定期間に達したとき、自己
着火を行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立したと
判断し、自己着火に移行させるので、上記請求項1ない
し請求項4記載の発明の効果に加え、確実に圧縮着火制
御への移行条件が成立したときに、自己着火に移行させ
ることができ、制御信頼性を向上することができる効果
を有する。
ンジン回転数算出ルーチンのフローチャート
チャート
ト
ト
フローチャート
ト
ト
ト
(続き)
イミング、及び燃料噴射タイミングの関係を示すタイム
チャート
を示すタイムチャート
比との関係を示す説明図
弁に対する制御量の関係を示すタイムチャート
正面図
御条件判別ルーチンのフローチャート
ト
全体概略図
手段、圧縮着火制御移行条件判別手段、圧縮着火制御移
行手段) NE エンジン回転数(エンジン運転状態) Q 吸入空気量(エンジン負荷;エンジン運転状態) Tp 基本燃料噴射パルス幅(エンジン負荷;エンジン
運転状態) TADV 点火時期 τA 着火時期 TSET 設定値(所定値) TW 冷却水温度(エンジン温度) TWS 設定値(所定値)
Claims (5)
- 【請求項1】所定運転領域の下で、点火プラグの放電に
よる火花点火によらず圧縮行程終期ないし上死点付近で
自己着火を行う圧縮着火エンジンの制御装置において、 点火プラグの点火により強制点火を行う点火時期をエン
ジン運転状態に基づいて設定する点火時期設定手段と、 燃焼室内の混合気が着火し燃焼ガスのイオンの存在によ
り該イオンを介して流れるイオン電流に基づいて着火時
期を検出する着火時期検出手段と、 上記点火時期と着火時期との差を所定値と比較し、差が
所定値以下となったとき、自己着火を行わせる圧縮着火
制御への移行条件が成立したと判断する圧縮着火制御移
行条件判別手段と、 圧縮着火制御への移行条件成立時、点火プラグの点火に
よる強制点火を中止して自己着火に移行させる圧縮着火
制御移行手段とを備えたことを特徴とする圧縮着火エン
ジンの制御装置。 - 【請求項2】上記圧縮着火制御移行手段は、圧縮着火制
御への移行条件の成立時、点火プラグの点火による強制
点火を中止して自己着火に移行させ、混合気の空燃比を
リーン化することを特徴とする請求項1記載の圧縮着火
エンジンの制御装置。 - 【請求項3】上記圧縮着火制御移行条件判別手段は、更
に、エンジン回転数及びエンジン負荷を判断し、エンジ
ン回転数及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が略
同一領域にあるエンジン定常運転状態で、且つ、上記点
火時期と着火時期との差が所定値以下となったとき、自
己着火を行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立した
と判断することを特徴とする請求項1或いは請求項2記
載の圧縮着火エンジンの制御装置。 - 【請求項4】上記圧縮着火制御移行条件判別手段は、更
に、エンジン温度を判断し、エンジン温度が所定値以上
のエンジン暖機完了状態であり、且つ、エンジン回転数
及びエンジン負荷によるエンジン運転領域が略同一領域
にあるエンジン定常運転状態で、且つ、上記点火時期と
着火時期との差が所定値以下となったとき、自己着火を
行わせる圧縮着火制御への移行条件が成立したと判断す
ることを特徴とする請求項3記載の圧縮着火エンジンの
制御装置。 - 【請求項5】上記圧縮着火制御移行条件判別手段は、上
記圧縮着火制御への移行条件成立の継続時間が所定期間
に達したとき、自己着火を行わせる圧縮着火制御への移
行条件が成立したと判断することを特徴とする請求項1
ないし請求項4記載の圧縮着火エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16018797A JP3866378B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 圧縮着火エンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16018797A JP3866378B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 圧縮着火エンジンの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116435A true JPH116435A (ja) | 1999-01-12 |
JP3866378B2 JP3866378B2 (ja) | 2007-01-10 |
Family
ID=15709711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16018797A Expired - Fee Related JP3866378B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 圧縮着火エンジンの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3866378B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001140681A (ja) * | 1999-11-18 | 2001-05-22 | Osaka Gas Co Ltd | 予混合圧縮自着火エンジン及びその運転方法 |
JP2002276404A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-25 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮着火式内燃機関 |
US6772585B2 (en) | 2001-09-28 | 2004-08-10 | Hitachi, Ltd. | Controller of compression-ignition engine |
US7062902B2 (en) | 2000-08-02 | 2006-06-20 | Hitachi, Ltd. | Engine control equipment |
JP2007107407A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Yamaha Motor Co Ltd | エンジンシステムおよびそれを備える車両 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP16018797A patent/JP3866378B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001140681A (ja) * | 1999-11-18 | 2001-05-22 | Osaka Gas Co Ltd | 予混合圧縮自着火エンジン及びその運転方法 |
US7062902B2 (en) | 2000-08-02 | 2006-06-20 | Hitachi, Ltd. | Engine control equipment |
JP2002276404A (ja) * | 2001-03-14 | 2002-09-25 | Nissan Motor Co Ltd | 圧縮着火式内燃機関 |
US6772585B2 (en) | 2001-09-28 | 2004-08-10 | Hitachi, Ltd. | Controller of compression-ignition engine |
JP2007107407A (ja) * | 2005-10-11 | 2007-04-26 | Yamaha Motor Co Ltd | エンジンシステムおよびそれを備える車両 |
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---|---|
JP3866378B2 (ja) | 2007-01-10 |
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