JPH1164278A - 電気泳動部材及びそれを用いた電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動部材及びそれを用いた電気泳動装置

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JPH1164278A
JPH1164278A JP9244616A JP24461697A JPH1164278A JP H1164278 A JPH1164278 A JP H1164278A JP 9244616 A JP9244616 A JP 9244616A JP 24461697 A JP24461697 A JP 24461697A JP H1164278 A JPH1164278 A JP H1164278A
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capillary
electrophoresis
sample
analysis
thin film
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JP9244616A
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Takuro Deo
卓朗 出尾
Hiroaki Nakanishi
博昭 中西
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Shimadzu Corp
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極微量の試料に対し、高感度の測定を行なう
ことができるプレート状電気泳動部材及びプレート状電
気泳動装置を供給する。 【構成】 レーザ光源31からの光を電気泳動部材1の
検出部に入射し、検出部の金属薄膜14表面で反射され
た光をフォトダイオードアレイ検出器32で受光するよ
うにしておく。電極10c,10dに電圧を印加し、分
析用流路溝8でサンプルを泳動・分離する。サンプルは
貫通穴10d方向に泳動されながら分離され、分析用流
路溝8の金属薄膜14及びプリズム15の下を通過す
る。屈折率変化による光励起表面プラズモン共鳴の変化
を利用して、金属薄膜14表面からの反射光の強度をフ
ォトダイオードアレイ検出器32により順次検出し、入
射角の情報と反射角の強度の関係(共鳴曲線)を得る。
共鳴曲線の変化は、共鳴角のシフト、又は特定の波長に
おける反射率の変化として読み取ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極微量のタンパク
や核酸などを高速かつ高分解能に分析する場合に利用さ
れるキャピラリー電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より極微量のタンパクや核酸などを
分析する場合には、電気泳動装置が用いられており、そ
の代表的な装置としてスラブゲル電気泳動装置がある。
このスラブゲル電気泳動装置は、一対のガラス板の間に
ゲルを充填してゲル泳動部を形成した後、ゲル部の一端
にサンプルを注入し、その両端に電圧(〜100V)を
印加して、分析対象物を電気泳動させて、ゲル上に展開
するものである。展開された分析対象物の検出は、ゲル
部にレーザー光を照射してその吸光度を検出する方法
や、染色剤で染色する方法、予め分析対象物をRI(放
射性同位元素)でラベル(標識)しておき、オートラジ
オグラフで検出する方法などにより行なわれている。
【0003】しかし、スラブゲル電気泳動装置では、ゲ
ル内でのジュール熱による発熱が問題となるため、高電
圧を印加して分析することができない。そのため、分析
時間(泳動時間)に数時間〜十数時間程度の長時間を要
するという欠点を有しており、DNA診断のように迅速
な分析が必要とされる応用分野には有用な装置とは言え
ない。そこで、スラブゲル電気泳動装置に代わるものと
して、内径100μm程度又はそれ以下のガラスキャピ
ラリー内に泳動バッファを充填し、一方の端にサンプル
を導入した後、キャピラリーの両端に高電圧を印加し
て、分析対象物をキャピラリー内で展開させるキャピラ
リー電気泳動装置が提案されている。
【0004】図1に、そのキャピラリー電気泳動装置の
構成例を示す。ガラスキャピラリー20は、その両端
を、泳動バッファ溜め21a,21bに満たされた泳動
バッファ22a,22bにそれぞれ浸されており、各々
の泳動バッファ溜め21a,21bには高電圧印加用の
電極23a,23bが浸されている。電極23a,23
bはそれぞれ高圧電源24のプラス端子,マイナス端子
に接続されている。ガラスキャピラリー20の一端側に
は、ガラスキャピラリー20内を泳動する分析対象物を
検出する検出器25が備えられている。
【0005】電極23a,23b及びバッファ22a,
22bを介して高圧電源24によりガラスキャピラリー
20の両端に高電圧を印加することにより、分析対象物
をガラスキャピラリー20内で展開させて検出器25に
よって検出する。キャピラリー電気泳動装置は、ガラス
キャピラリー20内の容積に対して表面積が大きいので
冷却効果が高く、高電圧の印加により生じる熱を放熱す
ることができるので、高電圧を印加してDNAなどの極
微量サンプルを高速かつ高分解能にて分析することがで
きる。
【0006】しかしながら、キャピラリー電気泳動装置
で使用されるガラスキャピラリーは、その外径が数10
〜100μm程度と細く、破損し易いため、ユーザが行
なうべきキャピラリー交換時の取扱いが容易ではない。
これに対し、D.J.Harrison et al. / Anal.Chim.Acta 2
83 (1993) 361-366に記されているように、2枚の基板
を接合して形成されたプレート状のキャピラリー部材が
提案されている。
【0007】図2に従来のプレート状キャピラリー部材
の一例を示す。フォトファブリケーション技術を用いて
分析用流路溝8、サンプル注入用流路溝7及び泳動バッ
ファ溜め9が形成された基板1aと、泳動バッファ溜め
9に対応する位置に超音波加工により貫通穴10が形成
された基板1bを接合することで、プレート状のキャピ
ラリー部材を構成している。
【0008】分析時は、サンプル注入用流路溝7と分析
用流路溝8に泳動バッファを入れ、サンプル注入用流路
溝7の一端の泳動バッファ溜め9から試料を注入する。
まず、サンプル注入用流路溝7両端の泳動バッファ溜め
9に位置する貫通穴10の内壁及びその周辺に予め形成
された電極に高電圧を印加して、電気泳動により試料を
サンプル注入用流路溝7と分析用流路溝8の交差部に導
く。その後、分析用流路溝8に接続されている泳動バッ
ファ溜め9に位置する貫通穴10の内壁及びその周辺に
予め形成された電極に高電圧を印加して、分析用流路溝
8の両端に高電圧を印加することにより、分析対象物を
分析用流路溝8内で展開させる。展開された分析対象物
は、外部からレーザー光を照射してその吸光度を測定す
る検出方法などにより検出される。このキャピラリー部
材はプレート状をしているため、ガラスキャピラリーに
比べて破損しにくく、取扱いが容易である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレー
ト状キャピラリー電気泳動装置の光吸収による検出方法
では、試料が極微量になるに伴い、検出感度が低下する
という問題があった。そこで本発明は、キャピラリー内
の極微量の試料に対し、高感度の測定を行なうことがで
きるプレート状キャピラリー部材及びプレート状キャピ
ラリー電気泳動装置を供給することを目的とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による電気泳動部
材は、キャピラリーに高電圧を印加してキャピラリー内
で試料を電気泳動させ、試料の分離分析を行なうキャピ
ラリー電気泳動装置に備えられるキャピラリーを備えた
電気泳動部材であり、一対の板状部材の、少なくとも一
方の板状部材の表面には分離分析用細溝が形成され、少
なくとも一方の板状部材には分離分析用細溝の端部に相
当する位置に貫通穴が形成され、両板状部材が分離分析
用細溝を内側にして接合されてキャピラリーが形成され
ており、そのキャピラリー内壁の一部には金属薄膜が形
成されており、その金属薄膜を介して高屈折率透明部材
からなるプリズムが配置されている。
【0011】本発明によるキャピラリー電気泳動装置
は、キャピラリー部に高電圧を印加してキャピラリー内
で試料を電気泳動させ、試料の分離分析を行なうキャピ
ラリー電気泳動装置であり上記の電気泳動部材と、分離
分析用細溝の両端に電位差を与えて泳動液と液体試料を
電気泳動させる電源手段と、金属薄膜表面へ全反射角以
上で光を照射する光照射手段と、その光の反射光を検出
する光検出手段と、電気泳動部材を位置決めする固定手
段と、光検出手段からの検出信号をデータ処理するデー
タ処理手段と、を備えたものである。
【0012】本発明によれば、分離対象物が泳動される
分離分析用細溝の一端部に金属薄膜を介してプリズムを
配置するので、光励起表面プラズモンを励起する系( K
retschmann 配置 )が構成される。図3(A)にKretsc
hmann 配置 の一例を表す断面図、(B)に表面プラズ
モン現象発生時の光入射角と反射率との関係を示す。図
3を用いて表面プラズモン現象の説明をする。
【0013】レーザー光をプリズム15を介して金属薄
膜16の表面へ全反射角以上で入射させると、金属薄膜
16とサンプル17との境界に表面プラズモン(電子の
粗密波)が発生する。ある入射角θで入射した入射光の
波数ベクトルの境界に対する平行成分が表面プラズモン
の波数と等しいとき、表面プラズモン共鳴が起こる。こ
のとき、レーザー光のエネルギーは表面エネルギーに移
行し、その結果、(B)に示すように反射光量が減少す
る。この反射光のエネルギーが最低になる入射角θを共
鳴角θspとする。この共鳴角θspは、金属薄膜16
直下のサンプル17の誘電率(サンプル濃度)に依存す
る。
【0014】本発明は、分離分析用細溝上にKretschman
n 配置を持つので表面プラズモン現象を利用して、電気
泳動により分離分析用細溝で展開された検出すべき微量
成分の濃度変化を金属薄膜直下で検出することができ
る。
【0015】
【実施例】図4は、電気泳動部材の一実施例を表す構成
図であり、(A)はガラス基板1aとガラス基板1bが
接合される前の状態、(B)は接合された後の状態を表
す。図2と同じ部分には同じ符号を付す。ガラス基板1
aとガラス基板1bが接合され、プレート状の電気泳動
部材1が構成されている。ガラス基板1bと接合される
側のガラス基板1aの表面には、分析用流路溝8、サン
プル注入用流路溝7及び泳動バッファ溜め9が形成され
ており、分析用流路溝8、サンプル注入用流路溝7及び
泳動バッファ溜め9には泳動バッファが充填される。
【0016】ガラス基板1bには、泳動バッファ溜め9
に対応する位置に貫通穴10a,10b,10c,10
dが形成されている。また、ガラス基板1aと接合され
る側のガラス基板1bの表面には、分析用流路溝8の一
端部に対応した位置に金属薄膜14が形成され、ガラス
基板1aと接合されない側のガラス基板1bの表面に
は、金属薄膜14に対応した位置に半円筒形のプリズム
15が設置されている。ガラス基板1bとプリズム15
は高屈折率の透明材質で構成されている。
【0017】図5に、図4の電気泳動部材を用いた電気
泳動装置の一実施例を表す概略構成図を示す。(A)は
分析用流路方向から見た正面図、(B)はサンプル注入
用流路方向から見た側面図である。31はレーザー光源
で、例えばHe−Neレーザー(波長λ=632.8n
m)、Arレーザー(波長λ=488nm)又は半導体
レーザー(波長λ=数100nm)が用いられる。レー
ザー光源31は、レーザー光源31からの光が図示しな
い各種レンズ、偏光板及びプリズム15を経て金属薄膜
の表面に全反射以上の入射角で入射するように設置され
ている。金属薄膜の表面からの反射光の光路に反射光を
検出するフォトダイオード又はフォトダイオードアレイ
検出器32が設置されている。これらの光学系はいずれ
も光学測定に一般的に用いられるものである。
【0018】33はステージであり、電気泳動部材1を
位置決めできる凹部34が設けられている。35a,3
5b,35c,35dは電気泳動部材1の流路の両端に
電位差を与えて液体試料を電気泳動させる電極であり、
電気泳動部材1の貫通穴10a〜10dに設置されてい
る。
【0019】図4及び図5を用いて実施例の動作を説明
する。泳動液をサンプル注入流路溝7及び分析用流路溝
8に充填し、電気泳動部材1をステージ33の凹部34
に装着する。試料導入口である貫通穴10a又は10b
にサンプルを注入した後、電極10a,10bに電圧を
印加して、サンプル注入流路溝7と分析用流路溝8の交
差部までサンプル注入流路溝7でサンプルを泳動させ
る。さらに、レーザ光源31からの光を電気泳動部材1
の検出部に入射し、検出部の金属薄膜14で反射された
光をフォトダイオード又はフォトダイオードアレイ検出
器32で受光するようにしておく。
【0020】電極10c,10dに電圧を印加し、分析
用流路溝8でサンプルを泳動・分離する。サンプルは貫
通穴10d方向に泳動されながら分離され、分析用流路
溝8の金属薄膜14及びプリズム15の下を通過する。
屈折率変化による光励起表面プラズモン共鳴の変化を利
用して、金属薄膜14からの反射光の強度をフォトダイ
オード又はフォトダイオードアレイ検出器32により順
次検出し、入射角の情報と反射角の強度の関係(共鳴曲
線)を得る。この共鳴曲線から、極微量のサンプルに対
して、各種反応の様子、分離速度、サンプルの特定の成
分の含有量及び濃度などの測定を行なうことができる。
ここで、共鳴曲線の変化は、共鳴角θspのシフト、又
は特定波長における反射率の変化として読み取ることが
できる。
【0021】高い理論段数を得るために、レーザー光の
ビームサイズは小さく絞ることが望ましい。泳動液を充
填した電気泳動部材1をステージ33の凹部34に装着
してサンプルを注入した後の動作は自動化されているこ
とが望ましい。実施例ではガラス基板1aに形成された
分離用流路溝8をガラス基板1bでカバーしてキャピラ
リーを形成し、ガラス基板1bのキャピラリー内壁に金
属薄膜14及びプリズム15を設置したが、分離用流路
溝8の一部を、金属薄膜が被着されたプリズムを用い
て、その金属薄膜が分離用流路溝8の液と接するように
して、直接被ってもよい。
【0022】次に、本発明のプレート状電気泳動部材を
フォトファブリケーション技術により作製するプロセス
の一例について図6を用いて説明する。図6は、実施例
の作製過程の一例を表す工程断面図である。電気泳動部
材1は、表面に流路溝が形成されたガラス基板1aと、
ガラス基板1aの流路溝に対応した位置の表面の一部に
金属薄膜が蒸着されたガラス基板1bから構成される。
ガラス基板1aとガラス基板1bは別々の工程で作製さ
れ、(A)から(D)はガラス基板1aの、(E)から
(G)はガラス基板1bの作製工程を表し、(H)は電
気泳動部材1の完成断面図を表す。
【0023】フォトファブリケーション技術とは、フォ
トマスクのパターンを転写して複製を作製する技術をい
い、一般にはフォトレジスト又はレジストと呼ばれる感
光性材料を基板表面に塗布し、光でパターン転写する。
そして、転写した平面的なパターンからエッチングなど
により立体的な形に加工するものである。使用するフォ
トレジストは特に限定されるものではなく、後のエッチ
ング工程に耐え得るものであればよい。また、その厚さ
は、後のエッチング工程に耐える厚さが必要であるが、
数μm程度の厚みが一般的である。さらに、フォトレジ
ストの露光は、一般に半導体製造に用いられている露光
装置(アライナ又はステッパ)を用いて行なうことがで
きる。
【0024】まず、ガラス基板1aの作製工程について
説明する。 (A)ガラス基板1a上に、エッチング保護膜3(例え
ば、数1000Åの厚さのSi膜)を例えばスパッタ蒸
着装置により成膜し、そのエッチング保護膜3上に、パ
ターニング用レジスト2(例えばAZ4620)をスピ
ナーを用いてスピンコートする。ここで、基板材料に
は、各種ガラス、石英又はSi基板が用いられ、それら
の厚みは例えば0.2〜1mm程度が望ましい。また、
エッチング保護膜3の材質及びその厚みは、後のエッチ
ング工程に耐え得るものであれば特に限定されるもので
はなく、基板1aがガラスの場合は、Cr膜上にAu膜
を積層したAu/Cr(約2000Å/500Å)を用
いることもある。また、基板1aがSiの場合は、窒化
シリコン膜、酸化シリコン膜又はこれらの積層膜などが
望ましく、厚みはいずれも数1000Å程度が一般的で
ある。
【0025】(B)露光装置を用い、フォトリソグラフ
ィ用マスク4を介して、UV光でレジスト2を露光し、
その後、現像して所望の形状にパターニングする。 (C)パターニングされたレジスト2をエッチングマス
クとしてエッチング保護膜3をパターニングする。エッ
チング保護膜3のSiに対しては、例えば20sccm
のSF6、5sccmのO2の混合ガスを用いて20mT
orrの真空にてドライエッチングする。ドライエッチ
ングのプロセスガスとしては、他のものも使用すること
ができ、例えばCF4とCHF3の混合ガスにArなどを
混合したガス、又はSF6にArなどを混合したガスな
どで、この分野で使用されているエッチングガスであれ
ば、特に限定されるものではない。 (D)パターニングされたレジスト2及びエッチング保
護膜3をマスクとして、ガラス基板1aを、例えば約4
6%のフッ酸水溶液にて室温でエッチングして、分析用
流路溝8、サンプル用流路溝7及び泳動バッファ溜め9
を形成する。そのあと、レジスト2及び保護膜3をエッ
チング除去する。
【0026】ここで、ガラス基板1aに代えてSi基板
を用いた場合は、Si基板に細溝をエッチング形成する
方法のひとつとして、ウエットエッチング(異方性エッ
チング)が挙げられる。異方性エッチングに用いられる
エッチング液は、KOH水溶液、TMAH(テトラエチ
ルアンモニウムハイドライド)、ヒドラジンなど、この
分野で使用されているエッチング液であれば、特に限定
されるものではない。また、Si基板に細溝をドライエ
ッチングで形成する方法もある。ドライエッチングのプ
ロセスガスとしては、CF4とCHF3の混合ガスにAr
などを混合したガス、又はSF6にArなどを混合した
ガスなどで、この分野で使用されているエッチングガス
であれば、特に限定されるものではない。
【0027】次にガラス基板1bの作製工程について説
明する。ガラス基板1bには、まず、例えばテーパ状の
貫通穴を形成する。ここで、ガラスや石英基板に貫通穴
を形成する手段は、特に限定されるものではないが、超
音波加工やサンドブラスト加工を用いるのが一般的であ
る。貫通穴の大きさは、特に限定されるものではない
が、例えば開口直径は数100μm〜数mm程度が望ま
しい。
【0028】次に金属薄膜14を形成する方法を説明す
る。 (E)ガラス基板1bに、金属薄膜14(例えばAu、
Au/Cr(Crが下層)、Ag、Cuなど)を例えば
蒸着装置により成膜し、パターニング用レジスト2’
(例えばAZ4620)をスピナーを用いて塗布する。
また、金属薄膜14の厚みは、プラズモンの共鳴曲線の
ディップにおける反射率が0に近くなるように、数10
0Å程度が一般的である。 (F)フォトリソグラフィ用マスク4’を用いて、露光
装置でUV光にてレジスト2’を露光・現像して所望の
形状にパターニングする。 (G)パターニングされたレジスト2’をエッチングマ
スクとして、金属薄膜14をパターニングする。金属薄
膜14にAuを用いた場合、例えば1.2gのヨード、
3gのヨウ化アンモニウム、40ccの水、60ccの
アルコールの混合液を用いて室温でエッチングする。金
属薄膜14のパターニング方法としては、他の方法を用
いることもできる。例えば、まずレジストをパターニン
グし、そのレジスト上に金属薄膜を蒸着などの方法によ
り形成し、レジストを除去することにより金属薄膜をパ
ターン化するリフトオフ法を用いてもよい。金属薄膜1
4の表面には、シリコン窒化膜やシリコン酸化窒化膜を
などの保護膜を形成しておいてもよい。
【0029】(H)工程(D)で形成されたガラス基板
1aと工程(G)で形成されたガラス基板1bを流路溝
と金属薄膜を内側にして重ね合わせて、例えば、真空炉
中にて600℃程度に数時間加熱した後、自然冷却する
ことで融着する。その後、高屈折プリズム15(材質
は、例えばBK7、BaK4、F2、LaK13などが
ある)を、例えば屈折率がプリズムに近い物質(液体、
ペースト又はワックス)を介して貼り付ける。ここで、
プリズム15の形状は、例えば分析用流路溝方向に数1
0〜数100μmの長さをもつ半円筒形又は三角柱のも
のである。また、ガラス基板1bにプリズム15を貼り
付ける別の方法として、プリズム15をガラス基板1b
の所定の位置に配置した後、真空炉中にて600℃程度
に数時間加熱した後、自然冷却することで融着すること
もできる。
【0030】電気泳動時に泳動液に電圧を印加するため
の電極及びコンタクトパッドは、ガラス基板1aとガラ
ス基板1bを接合する前に、ガラス基板1bの両表面及
び貫通穴内壁に、例えばメタルマスクを介して、例えば
Alをスパッタ成膜することによって形成される。ここ
で、電極及びコンタクトパッドの材料は、電極及びコン
タクトパッド形成後行なわれる基板接合工程の熱に耐え
られる導電体膜であれば特に限定されるものではなく、
例えば一般に半導体製造に用いられている配線材料(A
u、Cu、Crなど)を挙げることができる。これらの
材料を真空蒸着、スパッタリングなどの手段により形成
することができる。導電体膜の厚みは特に限定されるも
のではないが、数100〜数1000Å程度が一般的で
ある。
【0031】
【発明の効果】本発明による電気泳動部材は、電気泳動
部材の内部の分析用流路溝に金属薄膜が形成され、電気
泳動部材の表面の金属薄膜に対応した位置にプリズム1
5が設置されているので、光励起表面プラズモンを利用
して電気泳動分離された成分の検出を行なうことがで
き、極微量の試料に対して、各種反応の様子、分離速
度、サンプルの特定の成分の含有量及び濃度などの測定
を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電気泳動装置の一例を表す概略構成図で
ある。
【図2】従来のプレート状キャピラリー部材の一例を表
す概略分解斜視図である。
【図3】本発明での検出原理を説明する図であり、
(A)はKretschmann 配置 の一例を表す断面図、
(B)は表面プラズモン現象における光入射角と反射率
との関係を表す図である。
【図4】電気泳動部材の一実施例を表す構成図であり、
(A)は組立て前の概略斜視図、(B)は組立て後の概
略斜視図である。
【図5】同実施例を用いた電気泳動装置の一実施例を表
す概略構成図であり、(A)は分析用流路方向から見た
正面図、(B)はサンプル注入用流路方向から見た側面
図である。
【図6】図4の実施例の作製過程の一例を表す工程断面
図である。
【符号の説明】
1a,1b ガラス基板 7 サンプル注入用流路溝 8 分析用流路溝 9 泳動バッファ溜め 10a,10b,10c,10d 貫通穴 14 金属薄膜 15 プリズム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャピラリーに高電圧を印加してキャピ
    ラリー内で試料を電気泳動させ、試料の分離分析を行な
    うキャピラリー電気泳動装置に備えられるキャピラリー
    を備えた電気泳動部材において、 一対の板状部材の、少なくとも一方の板状部材の表面に
    は分離分析用細溝が形成され、少なくとも一方の板状部
    材には前記分離分析用細溝の端部に相当する位置に貫通
    穴が形成され、両板状部材が前記分離分析用細溝を内側
    にして接合されてキャピラリーが形成されており、その
    キャピラリー内壁の一部には金属薄膜が形成されてお
    り、その金属薄膜を介して高屈折率透明部材からなるプ
    リズムが配置されていることを特徴とする電気泳動部
    材。
  2. 【請求項2】 キャピラリー部に高電圧を印加してキャ
    ピラリー内で試料を電気泳動させ、試料の分離分析を行
    なうキャピラリー電気泳動装置において、 一対の板状部材の少なくとも一方の板状部材の表面には
    分離分析用細溝が形成され、少なくとも一方の板状部材
    には前記分離分析用細溝の端部に相当する位置に貫通穴
    が形成され、両板状部材が前記分離分析用細溝を内側に
    して接合されてキャピラリーが形成されており、そのキ
    ャピラリーの一端部には検出部として金属薄膜を介して
    高屈折率透明部材からなるプリズムが配置されている電
    気泳動部材と、 前記分離分析用細溝の両端に電位差を与えて泳動液と液
    体試料を電気泳動させる電源手段と、 前記金属薄膜表面へ全反射角以上で光を照射する光照射
    手段と、 前記光の反射光を検出する光検出手段と、 前記電気泳動部材を位置決めする固定手段と、 前記光検出手段からの検出信号をデータ処理するデータ
    処理手段と、を備えたことを特徴とするキャピラリー電
    気泳動装置。
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