JPH1163A - 樹木の植栽装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】抵抗板の取付け角度を及び打設深度を自在にす
ることにより、地中の埋設物の損壊を回避すると共に、
根鉢を固定するための根鉢押え板を容易に取り付け可能
とした樹木の植栽装置を提供する。 【解決手段】根鉢１０を載置するように長尺の鋼板から
成る脚部２、２…を放射状に形成して成る脚部材１と、
該脚部材１の各脚部２、２…の先端に回動自在にネジ止
めして垂直方向から水平方向まで自在角度で固定するよ
うにした固定金具３と、該固定金具３に形成された折返
片４に挿着して自在位置でネジ止めされる抵抗板５とを
有し、脚部材１に載置した根鉢１０を該脚部材１に締め
付け固定する根鉢締込み装置６によって結合するように
した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガス管、水道管、
ケーブル等の埋設物の存在するおそれのある街路地等に
樹木を自立固定するため、埋設物を損壊せずに所定位置
に樹木を自立を補助するようにした樹木の植栽装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、街路地等の地盤に樹木を植栽する
ために、掘削した根穴に根鉢の支持部材を載置すると共
に、地中に打設した抵抗板を支持部材に結合することに
より、該支持部材を地盤に対して固定するようにしてい
た。

【０００３】ところが、このような従来の植栽装置にお
いては、抵抗板が支持部材に対して特定角度で結合され
るため、抵抗板の打設位置に埋設物がある場合、抵抗板
を打設することができず、支持部材の位置を変更して抵
抗板の打設位置を修正したり、根穴そのものの位置を変
更する必要があった。

【０００４】また、従来の植栽装置においては、根穴に
設けた支持部材に根鉢を載置した後、この根鉢を支持部
材に固定するのに複数の根鉢押え板を根鉢の外周に添え
て、各根鉢押え板の下端を支持部材に結合すると共に、
各根鉢押え板の上端にワイヤを係止して根本の外周に廻
らせたワイヤを締め付けることにより、根鉢を支持部材
に対して固定するようにしていた。

【０００５】ところが、このような方法によると、夫々
の根鉢押え板を支持部材に結合する作業、及びワイヤー
を締めつける作業が面倒であるという問題点があった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解消するために為されたもので、抵抗板の取付
け角度及び打設深度を自在にすることにより、地中の埋
設物の損壊を回避すると共に、根鉢を固定するための根
鉢押え板を容易に取り付け可能とした樹木の植栽装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の樹木の植栽装置は、根鉢を載置するように
長尺の鋼板から成る脚部を放射状に形成して成る脚部材
と、該脚部材の各脚部の先端に回動自在にネジ止めして
垂直方向から水平方向まで自在角度で固定するようにし
た固定金具と、該固定金具に形成された折返片に挿着し
て自在位置でネジ止めされる抵抗板とを有し、前記脚部
材に載置した根鉢を該脚部材に締め付け固定する根鉢締
込み装置によって結合するようにしたものである。

【０００８】また、前記根鉢締込み装置は、結合環に固
定されたパイプ部材の上部に長ネジを挿通する小径内腔
と該小径内腔から次第に内径を広げたテーパ状内腔を経
て大径内腔を有し、該大径内腔の下端部内周に前記長ネ
ジを挿通するフランジが形成され、前記大径内腔内に隙
間を有して収納されたスプリング内に前記小径内腔から
長ネジを打設すると、該スプリングが該長ネジのネジ溝
に螺合されつつ前記大径内腔内で拡径することにより該
スプリングの上端が前記テーパ状内腔の内壁に当接され
て回り止めされる一方、前記長ネジの上端に該長ネジの
頭部に係止される係止金具が設けられ、前記脚部材に載
置される根鉢の根部の外周に設けられた環状部材に複数
の根鉢当て部材を係合して各根鉢当て部材に設けられた
複数の係止穴のいずれかに前記係止金具の引掛片を係止
した状態で前記長ネジの打設または回動によって前記根
鉢当て部材を締込むようにして成るのが好ましい。

【０００９】さらに、前記脚部材の上面にループ状の安
定部材を固着するのがよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明する。

【００１１】図１は本発明の植栽装置の全体斜視図であ
る。図２は本発明の植栽装置に用いる固定金具の斜視図
である。図３は本発明の植栽装置に用いる根鉢押え板の
平面図である。図４(a) は本発明の植栽装置に用いる根
鉢締込み装置の上部拡大断面図であり、図４(b) は図４
(a) の根鉢締込み装置に長ネジを螺合した状態を示す上
部拡大断面図である。図５は本発明の植栽装置に用いる
根鉢締込み装置の施工状態を示す部分断面図である。図
６は本発明の植栽装置の施工状態を示す側面図である。
図７は本発明の植栽装置の施工状態を示す上面図であ
る。図５は本発明の植栽装置の施工状態を示す側面図で
ある。

【００１２】本発明の樹木の植栽装置は、図１に示すよ
うに、長尺の鋼板から成る脚部２、２…を放射状に形成
して成る脚部材１と、該脚部材１の各脚部２、２…の先
端に回動自在にネジ（ボルト８ｂ）止めして自在角度で
固定するようにした固定金具３と、該固定金具３に形成
された折返片４、４内に挿着して自在位置でネジ（ボル
ト９ｂ）止めされる抵抗板５とを有し、脚部材１に載置
した根鉢１０を該脚部材１に締め付け固定する根鉢締込
み装置６によって結合するようにしたものである。

【００１３】このような各部の構成を説明すると、脚部
材１は、例えば四方放射状に脚部２、２…を形成してそ
の中央で交差状に結合した構成とすることにより、脚部
材１の上部に根鉢１０を載置するようにしてある。

【００１４】この脚部材１の上面に図１のようなループ
状の安定部材１ａを固着することにより、図６に示すよ
うに脚部材１の上部に根鉢１０をより安定して載置する
ことが可能となる。

【００１５】また、脚部材１の各脚部２、２…の先端に
設けられた固定金具３は、図２に示すように、脚部２の
先端を挟持する挟持板７、７を固着した板部材の両端の
反対方向に傾斜状の折返片４、４を形成して先端が尖っ
た断面Ｖ字形の抵抗板５を挿入（図１参照）するように
してあり、各脚部２、２…と挟持板７、７にはネジ穴８
が設けられ、このネジ穴８に挿通されたボルト８ｂ及び
ナット８ｃの締結により各脚部２、２…に対して固定金
具３を自由な角度で固定することができる。

【００１６】さらに、折返片４、４の一方の貫通孔を設
けた部位にナット９ａを固定してあり、このナット９ａ
にボルト９ｂを締結して抵抗板５の板面に締付けること
により、該抵抗板５を自由位置で固定するようにしてあ
る。

【００１７】一方、脚部材１の各脚部２、２…には根鉢
締込み装置６が設けられている。この根鉢締込み装置６
は、上記の固定金具３を取付ける前に各脚部２、２…に
挿通する。

【００１８】この根鉢締込み装置６の構成は、図５に示
すように、下端に脚部材１の各脚部２に移動自在に挿着
する結合環１１を有し、この結合環１１に固定されたパ
イプ部材１２の上部に長ネジ１３を挿通する小径内腔１
４と該小径内腔１４から次第に内径を広げたテーパ状内
腔１５を経て大径内腔１６を形成し、該大径内腔１６の
下端部内周に長ネジ１３を挿通するフランジ１７を形成
してある。

【００１９】そして、図４(a) に示すように、大径内腔
１６内に収納されたスプリング１８は、小径内腔１４よ
りも小径であって大径内腔１６内で多少の遊びを有する
外径とされている。

【００２０】また、スプリング１８は長ネジ１３のネジ
溝と略同ピッチで形成され、図４(b) に示すように、先
端がテーパ状に形成された長ネジ１３を小径内腔１４に
挿入すると、スプリング１８が大径内腔１６内で拡径し
つつ進入するごとに、スプリング１８の弾性力によって
長ネジ１３のネジ溝に係合される。

【００２１】そして、スプリング１８の上端がテーパ状
内腔１５の内壁に当接されると、スプリング１８の回動
が規制され、それ以降は、長ネジ１３の頭部１３ａ（図
１参照）をスパナ等で回動することにより長ネジ１３の
ネジ溝がスプリング１８の内周形状に螺合して案内さ
れ、回動方向によって、長ネジ１３を締付け方向に沿っ
て下方または上方に移動することができる。

【００２２】また、図５に示すように、長ネジ１３の上
端に該長ネジ１３の頭部１３ａに係止される係止金具１
９が設けられている。

【００２３】この係止金具１９は、長ネジ１３の頭部１
３ａに係合される筒部材２０の上端に引掛片２１、２１
を有し、長ネジ１３を根鉢締込み装置６の大径内腔１６
内に打設する際この長ネジ１３を筒部材２０の内腔６ａ
（図１参照）に挿通する。

【００２４】根鉢当て部材２２は、図３に示すように、
一端に牽引環２３を取り付けた長方形の可撓性板材に複
数の係止穴２４を形成して成り、この係止穴２４は二列
を成し、長ネジ１３に設けられた係止金具１９が引掛片
２１を二個並列状に形成されたことに対応したもので、
係止金具１９の引掛片２１、２１を根鉢当て部材２２の
係止穴２４、２４に並列的に引っ掛けることにより係止
する。

【００２５】以上のような構成を有する本発明の根鉢締
込み装置６を用いて樹木を植栽するには、図６及び図７
に示すように、所定の地面に根穴２５を掘り、根穴２５
の底面に脚部材１を載置する。

【００２６】この脚部材１には予め各脚部２、２…に根
鉢締込み装置６、６…を挿着してある。図６に示すよう
に、固定金具３は抵抗板５を垂直に打設するように固定
するほか、地中に埋設物２６が存在する場合、この埋設
物２６を避ける角度で固定金具３をネジ（ボルト８ｂ）
止めしておき、各固定金具３に抵抗板５を挿着して地中
に打設した後、抵抗板５をネジ（ボルト９ｂ）止めによ
り所定位置に固定するとよい。これにより、抵抗板５の
打設角度及び打設深度を自由に調整することができる。

【００２７】そして、根鉢１０を脚部材１に載置すると
共に、各脚部２、２…の根鉢締込み装置６を根鉢１０の
外周の垂直下方に移動しておく。

【００２８】また、根鉢締込み装置６の上方の根鉢１０
の周囲に根鉢当て部材２２、２２…を配置すると共に、
幹部の外周にて、夫々の根鉢当て部材２２の牽引環２３
に環状部材２７を挿通してから端部同士を結合する一
方、各根鉢当て部材２２の係止穴２４、２４に根鉢締込
み装置６の係止金具１９の引掛片２１、２１を引っ掛け
た後、長ネジ１３を打設してスプリング１８の内周に締
結する。

【００２９】長ネジ１３をさらに強固に締結する場合
は、長ネジ１３の頭部（例えば六角頭部）１３ａをスパ
ナで締込むと、スプリング１８が拡径することによりテ
ーパ状内腔１５に当接してこのスプリング１８が回動を
規制されることにより、スプリング１８が雌ネジの役割
をして、長ネジ１３のネジ溝を螺合して長ネジ１３を締
付方向に螺入し、根鉢当て部材２２を根鉢１０の外周に
締め付け、脚部材１に根鉢１０を固定することができ
る。

【００３０】また、根鉢当て部材２２の締め付けを緩め
るには、長ネジ１３を上方へ移動する方向へ回動するこ
とにより、上記同様、スプリング１８が雌ネジの役割を
果たして長ネジ１３を上方に移動することができる。

【００３１】なお、このようにして根鉢の固定が終了し
た後に、根穴に掘削土を埋め戻して樹木の植栽を終え
る。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹木の植
栽装置によれば、根穴に設けた脚部材の各先端に設けた
固定部材の角度調節及び固定により、該固定部材に挿着
した抵抗板の取付け角度及び打設深度を自在にして固定
することができるため、抵抗板が地中の埋設物を損壊す
る危険性を回避した状態で、アンカーとして脚部材に締
結した根鉢を地中に固定することが可能となる。

【００３３】また、脚部材の各脚部に挿着した根鉢締込
み装置の長ネジを打設することにより、その内部のスプ
リングが拡径して長ネジを打設方向に進入させると共
に、スプリングの弾性力によってスプリングの内周が長
ネジの溝穴に係合する。これによって、環状部材で連結
された根鉢当て部材を根鉢に対して締め付けることがで
きる。

【００３４】また、長ネジの回動によってスプリングを
雌ネジとして螺入または緩めることができ、これによ
り、根鉢を固定するための根鉢押え板を容易に締め付
け、取り外すことが可能となり、迅速かつ容易な作業を
要求される市街地での植栽樹木の自立固定に有用とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の植栽装置の全体斜視図である。

【図２】図２は本発明の植栽装置に用いる固定金具の斜
視図である。

【図３】図３は本発明の植栽装置に用いる根鉢押え板の
平面図である。

【図４】図４(a) は本発明の植栽装置に用いる根鉢締込
み装置の上部拡大断面図であり、図４(b) は図４(a) の
根鉢締込み装置に長ネジを挿着固定した状態を示す上部
拡大断面図である。

【図５】図５は本発明の植栽装置に用いる根鉢締込み装
置の施工状態を示す部分断面図である。

【図６】図６は本発明の植栽装置の施工状態を示す側面
図である。

【図７】図７は本発明の植栽装置の施工状態を示す上面
図である。

【符合の説明】

１…脚部材、１ａ…安定部材、２…脚部、３…固定金
具、４…折返片、５…抵抗板、６…根鉢締込み装置、７
…挟持板、８…ネジ穴、８ｂ…ボルト、９ａ…ナット、
９ｂ…ボルト、１０…根鉢、１１…結合環、１２…パイ
プ部材、１３…長ネジ、１３ａ…頭部、１４…小径内
腔、１５…テーパ状内腔、１６…大径内腔、１７…フラ
ンジ、１８…スプリング、１９…係止金具、２０…筒部
材、２１…引掛片、２２…根鉢当て部材、２３…牽引
環、２４…係止穴、２５…根穴、２６…埋設物、２７…
環状部材。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】根鉢を載置するように長尺の鋼板から成る
   脚部を放射状に形成して成る脚部材と、該脚部材の各脚
   部の先端に回動自在にネジ止めして垂直方向から水平方
   向まで自在角度で固定するようにした固定金具と、該固
   定金具に形成された折返片に挿着して自在位置でネジ止
   めされる抵抗板とを有し、前記脚部材に載置した根鉢を
   該脚部材に締め付け固定する根鉢締込み装置によって結
   合するようにしたことを特徴とする樹木の植栽装置。
2. 【請求項２】前記根鉢締込み装置は、結合環に固定され
   たパイプ部材の上部に長ネジを挿通する小径内腔と該小
   径内腔から次第に内径を広げたテーパ状内腔を経て大径
   内腔を有し、該大径内腔の下端部内周に前記長ネジを挿
   通するフランジが形成され、前記大径内腔内に隙間を有
   して収納されたスプリング内に前記小径内腔から長ネジ
   を打設すると、該スプリングが該長ネジのネジ溝に螺合
   されつつ前記大径内腔内で拡径することにより該スプリ
   ングの上端が前記テーパ状内腔の内壁に当接されて回り
   止めされる一方、前記長ネジの上端に該長ネジの頭部に
   係止される係止金具が設けられ、前記脚部材に載置され
   る根鉢の根部の外周に設けられた環状部材に複数の根鉢
   当て部材を係合して各根鉢当て部材に設けられた複数の
   係止穴のいずれかに前記係止金具の引掛片を係止した状
   態で前記長ネジの打設または回動によって前記根鉢当て
   部材を締込むようにして成ることを特徴とする請求項１
   記載の樹木の植栽装置。
3. 【請求項３】前記脚部材の上面にループ状の安定部材を
   固着したことを特徴とする請求項１記載の樹木の植栽装
   置。