JPH1163158A - 差動装置 - Google Patents

差動装置

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Publication number
JPH1163158A
JPH1163158A JP21421897A JP21421897A JPH1163158A JP H1163158 A JPH1163158 A JP H1163158A JP 21421897 A JP21421897 A JP 21421897A JP 21421897 A JP21421897 A JP 21421897A JP H1163158 A JPH1163158 A JP H1163158A
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JP
Japan
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disc spring
ball
rotating
gear case
rotating body
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Application number
JP21421897A
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English (en)
Inventor
Naoki Maruyama
直樹 丸山
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1163158A publication Critical patent/JPH1163158A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/12Differential gearings without gears having orbital motion
    • F16H48/14Differential gearings without gears having orbital motion with cams
    • F16H48/147Differential gearings without gears having orbital motion with cams with driven cam followers or balls engaging two opposite cams

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】皿ばねおよびそれが摺動しているディスクプレ
ート(あるいはボールディスク)やギアケースに傷が付
いたり、磨耗したりすることを防止した差動装置を提供
する。 【解決手段】外部からの駆動力によって回転する入力側
回転体と、互いに対向して入力側回転体と同軸状に配置
された一対の回転体と、各回転体の対向面間に配置され
た複数の転動体と、各転動体を保持して入力側回転体と
一体に回転する保持体と、前記各回転体を軸方向に押圧
する圧力付与手段とを備え、保持体には各回転体の径方
向に延びる複数の長孔を設けて各長孔に各転動体を移動
自在に収容するとともに、各回転体の対向面のそれぞれ
には各転動体を転動自在に係合する溝を設けた差動装置
において、前記圧力付与手段は、皿ばねと、それととも
に回転する回転板を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の左
右または前後駆動輪の回転差を許容する差動装置に関
し、特に差動制限機能を備えた差動装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の差動装置としては、出力
軸に連結された一対のベベルギヤの間にピニオンギヤを
介在させ、ピニオンギヤのシャフトに外側から回転力が
加わると、差動時にピニオンギヤを自転させて各出力軸
の回転差を許容するようにしたものが一般的である。ま
た、旋回時や摩擦係数の低い路面の走行時に駆動輪の片
方が空転しようとするのを規制する差動制限機能を持っ
た差動装置としては、例えば粘性流体の抵抗を利用した
ビスカス・カップリング等の差動制限機構を別途追加し
たものが知られている。しかしながら、このように差動
制限機構として特別な機構を追加する構造では、装置本
体の大型化及び高コスト化を来すという欠点があった。
【0003】そこで、このような構造の差動装置よりも
小型で、しかも特別な機構を追加することなく差動制限
効果を達成し得るものとして、特開平8−170705
号公報などに提案されている。
【0004】この提案されている差動装置では、外部か
らの駆動力によって回転するギヤケースと、互いに対向
してギヤケースと同軸状に配置された一対のディスクプ
レートと、各ディスクプレートの対向面間に配置された
複数のボールと、各ボールを保持してギヤケースと一体
に回転するセンタープレートとを備え、センタープレー
トには各ディスクプレートの径方向に延びる複数の長孔
を設けて各長孔に各ボールを移動自在に収容するととも
に、各ディスクプレートの対向面には各ボールを転動自
在に係合する溝を設け、ギヤケースの回転力を各ボール
と各溝を介して各ディスクプレートに伝達するととも
に、各ボールを各ディスクプレートの溝に沿って転動さ
せながらセンタープレートの長孔内を往復移動させるこ
とにより各ディスクプレートの回転差を許容し、各ボー
ルと各溝との間に発生する軸方向の反力によって各ディ
スクプレートの差動を制限するようにしている。
【0005】また、特開平8ー58411号公報に提案
されている差動装置では、外部からの駆動力によって回
転するギアケースと、互いに対向してギアケースと同軸
状に配置された一対のボールディスクと、各ボールディ
スクの周面に配置された複数のボールと、各ボールディ
スク側のボールを一対ずつ保持してギアケースと一体に
回転しながら各ボールディスクの軸方向に移動する複数
のボールホルダとを備え、各ボールディスクの周面には
各ボールを転動自在に係合する溝を設け、ギアケースの
回転力を各ボールと各溝を介して各ボールディスクに伝
達するとともに、各ボールを各ボールディスクの溝に沿
って転動しながらボールホルダと共に各ボールディスク
の軸方向に往復移動することによって各ボールディスク
の回転差を許容し、各ボールと各溝との間に発生する軸
方向の反力によって各ボールディスクの差動を制限する
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの差動装置にお
いては、両ディスクプレートの間、あるいは両ボールデ
ィスクの間の差動制限効果は、ボールと溝の間の反力に
よって生じる。差動が生じたときには、ボールの溝に沿
った転がりが生じるので、このような反力が生じること
になるが、両ディスクプレートあるいは両ボールディス
クの間に軸方向に圧力を予め付与しておくことによっ
て、より大きな反力が生じて、差動制限効果が大きくな
る。また、この予め付与しておく圧力を調整することで
差動制限効果も調節することができる。
【0007】この圧力付与手段として皿ばねが用いられ
ることが多い。この皿ばねは、ディスクプレート(ある
いはボールディスク)端面とギアケースの間、あるいは
一対のボールディスクの対向面の間に挿入されて、皿ば
ねによるスラスト力をディスクプレート(あるいはボー
ルディスク)に伝えている。差動装置としてはディスク
プレート(あるいはボールディスク)とギアケースの間
およびディスクプレート(あるいはボールディスク)間
で相対的な運動を起こすことになるので、その間に挿入
した皿ばねとディスクプレート(あるいはボールディス
ク)およびギアケース内面の間で摺動することになって
いた。
【0008】皿ばねは通常その断面が平行四辺形をして
いるので、その頂きの線形の部分がディスクプレート
(あるいはボールディスク)の端面やギアケースの内端
面と接触して、摺動を繰り返していると、摺動している
頂きの部分に傷が付いたり磨耗してくる。皿ばねは通常
ばね鋼などで作られているので、ディスクプレート(あ
るいはボールディスク)やギアケースを構成している材
料よりも硬い。このために、皿ばね自体に傷が付いたり
磨耗したりするよりもむしろ、皿ばねが摺動しているデ
ィスクプレート(あるいはボールディスク)やギアケー
スなどに傷を付けたり磨耗させたりする。この傷や磨耗
のために摺動面の滑りが悪くなったり、皿ばねを収容し
ているスラストクリアランスが大きくなって皿ばねによ
る弾性力やスラスト力が弱くなるということが生じてい
た。
【0009】そこで本発明では、皿ばねおよびそれが摺
動しているディスクプレート(あるいはボールディス
ク)やギアケースに傷が付いたり、磨耗したりすること
を防止した差動装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の差動装置は、外
部からの駆動力によって回転する入力側回転体と、互い
に対向して入力側回転体と同軸状に配置された一対の回
転体と、各回転体の対向面間に配置された複数の転動体
と、各転動体を保持して入力側回転体と一体に回転する
保持体と、前記各回転体を軸方向に押圧する圧力付与手
段とを備え、保持体には各回転体の径方向に延びる複数
の長孔を設けて各長孔に各転動体を移動自在に収容する
とともに、各回転体の対向面のそれぞれには各転動体を
転動自在に係合する溝を設けたものにおいて、前記圧力
付与手段は、皿ばねと、それとともに回転する回転板を
有することを特徴とするものである。
【0011】また本発明の差動装置は、外部からの駆動
力によって回転する入力側回転体と、互いに対向して入
力側回転体と同軸状に配置された一対の回転体と、各回
転体の周面に配置された複数の転動体と、各回転体側の
転動体を一対ずつ保持して入力側回転体と一体に回転し
ながら各回転体の軸方向に移動する複数の保持体と、前
記各回転体を軸方向に押圧する圧力付与手段とを備え、
各回転体の周面には各転動体を転動自在に係合する溝を
設けたものにおいて、前記圧力付与手段は、皿ばねと、
それとともに回転する回転板を有することを特徴とする
ものである。
【0012】また、前記圧力付与手段の皿ばねとともに
回転する回転板は、皿ばねと前記一対の回転体の1つと
の間、皿ばねと前記入力側回転体との間、あるいは皿ば
ねと前記一対の回転体の対向面の少なくとも1方との間
にに設けることができる。
【0013】更に、本発明の差動装置では、皿ばねの両
面に回転板を取り付けて、回転板で皿ばねを挟み込んだ
構造とすることができる。本発明で使用する回転板とし
て、ばね鋼などで作られた平ワッシャや、スラストベア
リングを用いることができる。平ワッシャを用いる場
合、一対の回転体の平ワッシャを固定する端面に、平ワ
ッシャの回り止を付けておいて、平ワッシャと回転体の
間の相対的な回転を防ぐこともできる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1および図2は本発明の一実施
形態を示すもので、図1は差動装置の側面断面図、図2
は図1におけるA−A線矢視方向断面図である。
【0015】図1および図2に示す差動装置は、ギヤケ
ース1と、ギヤケース1の一端を閉塞するギヤケースカ
バー2と、互いに同軸状に対向して配置された一対のデ
ィスクプレート3と、各ディスクプレート3の間に配置
されたセンタープレート4と、センタープレート4に転
動自在に保持された多数のボール5とを備え、ギアケー
ス1は入力側回転体を、各ディスクプレート3は回転体
を、センタープレート4は各転動体を保持する保持体
を、各ボール5は転動体をそれぞれ構成している。
【0016】ギヤケース1は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のディスクプレート3を支持する
軸受け1aが設けられている。ギヤケース1の開口端面
にはギアケースカバー2の取付部が設けられている。ま
た、ギヤケース1の内面にはセンタープレート4を固定
するための溝1dが設けられている。ギヤケースカバー
2は円盤状に形成され、その中央には他方のディスクプ
レート3を支持する軸受け2aが設けられている。
【0017】各ディスクプレート3は互いに対向面を平
坦に形成され、その他端には車輪側のドライブシャフト
(図示せず)を連結するための連結部3aが設けられて
いる。各ディスクプレート3の対向面には各ボール5が
転動自在に係合する溝3bが設けられ、各溝3bは周方
向に連続して形成されている。また、一方のディスクプ
レート3とギヤケース1との間、他方のディスクプレー
ト3とギヤケースカバー2との間にはそれぞれ軸方向に
押圧する圧力付与手段3cおよびスラストベアリング3
dが介装されている。各溝3bは、図2に示すようにボ
ール5をディスクプレート3の径方向内側から外側に向
かって移動させる第1の案内区間3b−1と、ボール5
をディスクプレート3の径方向外側から内側に向かって
移動させる第2の案内区間3b−2とを周方向に連続し
て有し、一方のディスクプレート3では第1の案内区間
3b−1が第2の案内区間3b−2よりも周方向に長く
形成され、他方のディスクプレート3では第2の案内区
間3b−2が第1の案内区間3b−1よりも周方向に長
く形成されている。即ち、各ディスクプレート3の対向
面においては、ボール5を反転させる位置が、図2に示
すように各溝3bの一方(図中外側)が重なり合ったと
きは、他方(図中内側)では互いに周方向にずれるよう
になっている。
【0018】センタープレート4は両端面が平坦状に形
成され、その周面に設けた突起4aをギヤケース1の内
周面に設けた溝1dに嵌合することによってギヤケース
1内に固定されている。センタープレート4には各ボー
ル5を転動自在に収容する計8つの長孔4cが周方向に
等間隔で設けられ、各長孔4cは径方向に直線状に延
び、それぞれ軸方向に貫通して設けられている。
【0019】各ボール5はセンタープレート4の各長孔
4cに収容され、それぞれ各ディスクプレート3の溝3
bに係合している。以上のように構成された差動装置に
おいては、ギヤケース1にエンジンからの駆動力を伝達
するリングギヤ(図示省略)が取付けられ、装置全体が
ギヤケース1の軸心回りに回転するようになっている。
即ち、ギヤケース1に駆動力が入力されると、ギヤケー
ス1と一体にセンタープレート4が回転し、この回転力
は各ボール5を介して各ディスクプレート3の溝3bに
伝達され、各ディスクプレート3に連結された左右のド
ライブシャフトに伝達される。
【0020】ここで、前記差動装置の動作を、各ドライ
ブシャフトに回転差が生じていない場合と、各ドライブ
シャフトに回転差が生じた場合と、一方のドライブシャ
フトのみが空転し易い状態に陥った場合について説明す
る。
【0021】まず、車両が摩擦力の十分な路面を直進し
ているときなど、各ドライブシャフトに回転差が生じて
いない場合は、各ディスクプレート3には回転差が生じ
ないので、各ボール5の転動は起こらず、各ディスクプ
レート3がセンタープレート4と一体に回転する。
【0022】次に、車両が摩擦力の十分な路面を旋回し
ているときなど、各駆動輪にトルクが均等に伝わってい
る状態で各ドライブシャフトに回転差が生じた場合に
は、以下に示す動作によって各ドライブシャフトの回転
差が許容される。即ち、各ドライブシャフトの回転差に
より各ディスクプレート3が互いに反対方向に回転する
と、各長孔4c内のボール5が各溝3bに案内されて転
動し、それぞれの長孔4cに沿って往復移動する。即
ち、図2において径方向の内側にあったボール5は、各
溝3bの第1の案内区間3b−1に沿って径方向の外側
に向かって移動し、外側の反転位置に達した後は、各溝
3bの第2の案内区間3b−2に沿って径方向の内側に
向かって移動する。この場合、図2に示すように一つお
きに半数ずつのボール5が各溝3bの内側の反転位置に
達するが、各ディスクプレート3の対向面では各溝3b
の反転位置が内側または外側の一方で一致したときに他
方では互いにずれるようになっているので、他のボール
5は内側の反転位置まで達していない。つまり、ボール
5が各溝3bの反転位置に達したときは、ボール5と溝
3bとの間で力を伝達することができないので、全ての
ボール5が同時に各溝3bの反転位置に達しないように
する必要がある。
【0023】次に、一方の駆動輪が路面との摩擦力を失
ったときなど、片方のドライブシャフトのみが空転し易
い状態に陥った場合には、以下に示す動作により各ドラ
イブシャフトの差動が制限される。即ち、前述のように
各ディスクプレート3の回転差が均等な力によって生じ
た場合、各溝3bは各ボール5を円滑に転動させること
ができるが、一方のディスクプレート3のみをドライブ
シャフト側から回転させようとした場合、一方の溝3b
のみが各ボール5を転動させようとするので、各溝3b
には各ボール5との接触面における反力が作用する。こ
れが抵抗となって一方のディスクプレート3の回転に他
方のディスクプレート3を追従させることが困難にな
り、各ドライブシャフトの差動が制限される。すなわ
ち、各溝3bと各ボール間の転がり摩擦と滑り摩擦によ
る力と、これらの摩擦力を生じるスラスト方向の力によ
って差動制限効果が得られている。
【0024】このスラスト方向の力を得るために、各回
転体を軸方向に押圧する圧力付与手段3cを有し、この
圧力付与手段3cは、ディスクプレート3の端面にスラ
ストベアリング3c1が取り付けられ、その上側に平ワ
ッシャ3c2、またその上に皿ばね3c3、この皿ばね
3c3とギアケース1内面との間に平ワッシャ3c4を
持った構造をしている。平ワッシャは回転板を構成して
いる。皿ばね3c3によってスラスト方向の力が生じ
る。ここで、ディスクプレート3がギアケース1に対し
て回転すると、ディスクプレート3の回転の約半分の早
さでスラストベアリング3c1が回転し、皿ばね3c3
とそれを挟み込んでいる平ワッシャ3c2、3c4はと
もにギアケース1とともに止っており、皿ばね3c3は
それを挟み込んでいる平ワッシャ3c2、3c4に対し
て回転しないので、その間の傷の発生や磨耗は生じな
い。
【0025】ここで、スラストベアリングをギアケース
側に設けて、スラストベアリングとディスクプレートの
間に皿ばねとそれを挟み込んだ平ワッシャを設けても同
じ様な作用効果が得られる。
【0026】図1でスラストベアリング3c1を用いた
が、これに代えて平ワッシャを用いこの平ワッシャをデ
ィスクプレートとともに回るようにすると、皿ばねを挟
み込んでいる平ワッシャは皿ばねに対して停まり、すな
わち皿ばねとそれを挟み込んでいる平ワッシャはディス
クプレートにくっついている平ワッシャに対して回転す
るので、平ワッシャ同士の摺動は生じるが、皿ばねと平
ワッシャの間の摺動は生じない。このために、皿ばねの
頂部が他のものとの間で擦られることがないので、傷や
磨耗が生じることはない。
【0027】図3および図4は本発明の他の実施形態を
示すもので、図3は差動装置の側面断面図、図4は図3
の差動装置の溝の展開図である。この差動装置におい
て、ギヤケース10と、ギヤケース10の一端を閉塞す
るギヤケースカバー11と、互いに同軸状に配置された
一対のボールディスク12と、各ボールディスク12の
間に配置された多数のボールホルダ13と、各ボールホ
ルダ13に転動自在に保持された多数のボール14とか
ら構成されている。即ち、各ボールディスク12は回転
体を、各ボールホルダ13は保持体を、各ボール14は
転動体をそれぞれ構成している。
【0028】ギヤケース10は一端を開口した筒形をな
し、その中央には一方のボールディスク12を支持する
軸受け10aが設けられている。ギヤケース10の周囲
にはフランジ10bが設けられており、フランジ10b
にはボルト挿通用の多数の孔10cが設けられている。
ギヤケース10の内周面には各ボール14を係合する多
数の溝10dが設けられ、各溝10dはギヤケース10
の軸方向に直線状に延び、周方向に等間隔で設けられて
いる。
【0029】ギヤケースカバー11は円盤状に形成さ
れ、その中央には他方のボールディスク12を支持する
軸受け11aが設けられている。ギヤケースカバー11
の周囲にはフランジ11bが設けられ、フランジ11b
にはボルト挿通用の多数の孔11cが設けられている。
即ち、ギヤケースカバー11は各フランジ10b,11
bを締結するボルトによってギヤケース10に組付けら
れている。
【0030】各ボールディスク12はそれぞれ円筒状に
形成され、その一端には車輪側のドライブシャフトを連
結するための連結部12aが設けられている。各ボール
ディスク12は互いに等しい外径を有し、その一端面同
士を対向させている。各ボールディスク12の外周面に
は各ボール14が転動自在に係合する溝12bが設けら
れ、溝12bは周方向に連続して形成されている。ま
た、各ボールディスク12の端面とギヤケース10との
間にはそれぞれ圧力付与手段12cとスラストベアリン
グ12dが介装され、各ボールディスク12の対向面の
間にはスラストベアリングを介装することができる。図
4は各ボールディスク12を平面状に展開したもので、
図中の角度0゜〜360゜は周方向の位置を示す。即
ち、各溝12bは、ボール14をボールディスク12の
軸方向一端側から他端側に向かって移動させる第1の案
内区間12b−1と、ボール14をボールディスク12
の軸方向一端側から他端側に向かって移動させる第2の
案内区間12b−2とを交互に連続して有し、一方のボ
ールディスク12では第1の案内区間12b−1が第2
の案内区間12b−2よりも周方向に長く形成され、他
方のボールディスク12では第2の案内区間12b−2
が第1の案内区間12b−1よりも周方向に長く形成さ
れている。即ち、各ボールディスク12においては、第
1の実施形態と同様、各溝12bの軸方向一方の反転位
置が周方向で一致したときには、他方の反転位置が互い
に周方向にずれるようになっている。
【0031】各ボールホルダ13は一方のボールディス
ク12の周面から他方のボールディスク12の周面まで
延びる板状に形成され、ギヤケース10及び各ボールデ
ィスク12の間に摺動自在に介装されている。各ボール
ホルダ13は一方のボールディスク12側のボール14
と他方のボールディスク12側のボール14をそれぞれ
一つずつ収容する計2つの孔13aを有し、各ボールデ
ィスク12側のボール14を一定の間隔を保持した状態
で各ボールディスク12の軸方向に往復するようになっ
ている。
【0032】各ボール14は各ボールホルダ13の孔1
3aに収容され、それぞれギヤケース10の溝10dと
各ボールディスク12の溝12bに係合している。以上
のように構成された差動装置においては、各ボールディ
スク12に回転差が生ずると、各ボール14は各ボール
ディスク12の溝12bに案内されて転動し、各ボール
ホルダ13と共に各ボールディスク12の軸方向に往復
移動する。その際、各ボールディスク12の一方のみを
ドライブシャフト側から回転させようとした場合、各ボ
ール14が溝12bから受ける反力によって差動が制限
される。
【0033】この差動制限効果を大きくするために、ボ
ールディスクを軸方向に押圧する圧力付与手段12cを
備えている。図3に示す差動装置においては、この圧力
付与手段12cはボールディスクの端面にスラストベア
リング12c1が取り付けられ、その上側(ボールディ
スクの反対側)に平ワッシャ12c2、またその上に皿
ばね12c3、この皿ばね12c3とギアケース10の
内面との間に平ワッシャ12c4を持った構造をしてい
る。皿ばね12c3によってスラスト方向の力が生じ
る。ここでボールディスク12がギアケース10に対し
て回転すると、ボールディスク12の回転の半分の早さ
でスラストベアリング12c1が回転し、皿ばね12c
3とそれを挟み込んでいる平ワッシャ12c2、12c
4はともにギアケースとともに止っており、皿ばね12
c3はそれを挟み込んでいる平ワッシャ12c2、12
c4に対して回転しないので、その間の傷の発生や磨耗
は生じない。
【0034】ここで、スラストベアリングをギアケース
側に設けて、スラストベアリングとボールディスクの間
に皿ばねとそれを挟み込んだ平ワッシャを設けても同じ
様な作用効果が得られる。
【0035】図3でスラストベアリング12c1を用い
たが、これに代えて平ワッシャを用いこの平ワッシャを
ボールディスクとともに回るようにすると、皿ばねを挟
み込んでいる平ワッシャは皿ばねに対して停まり、すな
わち皿ばねとそれを挟み込んでいる平ワッシャはボール
ディスクにくっついている平ワッシャに対して回転する
ので、平ワッシャ同士の摺動は生じるが、皿ばねと平ワ
ッシャの間の摺動は生じない。このために、皿ばねの頂
部が他のものとの間で擦られることがないので、傷や磨
耗が生じることはない。
【0036】図5は、図3、4に示した差動装置とほぼ
同じ構造をしたものをその縦断面図で示しており、ギア
ケース1、ギアケースカバー2、一対のボールディス
ク、各ボールディスクの外周に配置されたボールホル
ダ、ボールホルダに転動自在に保持された多数のボール
5の構造は図3、4に示したものと全く同じである。
【0037】図5で用いている圧力付与手段12c’
は、一対のボールディスク12の対向する部分に挿入さ
れており、中間部に皿ばね12c3’、その両面を挟む
ようにして平ワッシャ、その外側にスラストベアリング
12c1’が付いたものである。皿ばね12c3’を挟
み込んでいる平ワッシャ12c2’、12c4’は皿ば
ね12c3’とともに回転するので、皿ばねの頂部が他
のものとの間で摺動することがなく傷や磨耗が生じるこ
とはない。
【0038】
【発明の効果】本発明の差動装置では、差動制限効果を
高めるために軸方向の押圧力を皿ばねで高めており、ま
た回転板を有するためこの皿ばねおよびこの皿ばねが摺
動しているディスクプレートやギアケースに傷が付いた
り磨耗したりすることがなく、安定した使用ができ長期
の信頼性の得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動装置の一実施形態の側面断面図を
示す。
【図2】図1のA−A線矢視方向の断面図を示す。
【図3】本発明の差動装置の他の実施形態の側面断面図
を示す。
【図4】図3の差動装置の溝の展開図を示す。
【図5】本発明の差動装置の更に他の実施形態の側面断
面図を示す。
【符号の説明】
1、10 ギアケース 1a、10a 軸受け 2、11 ギアケースカバー 2a,11a 軸受け 3 ディスクプレート(回転体) 12 ボールディスク(回転体) 3a、12a 連結部 3b,12b 溝 3c、12c、12c’ 圧力付与手段 3c1、12c1、12c1’ スラストベアリング 3c2、3c4、12c2、12c4、12c2’、1
2c4’ 平ワッシャ 3c3、12c3、12c3’ 皿ばね 3d、12d、12d’ スラストベアリング 4 センタープレート(保持体) 4c 長孔 13 ボールホルダ(保持体) 5、14 ボール(転動体)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、互いに対向して入力側回転体と同軸状に配
    置された一対の回転体と、各回転体の対向面間に配置さ
    れた複数の転動体と、各転動体を保持して入力側回転体
    と一体に回転する保持体と、前記各回転体を軸方向に押
    圧する圧力付与手段とを備え、保持体には各回転体の径
    方向に延びる複数の長孔を設けて各長孔に各転動体を移
    動自在に収容するとともに、各回転体の対向面のそれぞ
    れには各転動体を転動自在に係合する溝を設けた差動装
    置において、 前記圧力付与手段は、皿ばねと、それとともに回転する
    回転板を有することを特徴とする差動装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力付与手段の皿ばねとともに回転
    する回転板は、皿ばねと前記一対の回転体の1つとの間
    に設けられていることを特徴とする請求項1記載の差動
    装置。
  3. 【請求項3】 前記圧力付与手段の皿ばねとともに回転
    する回転板は、皿ばねと前記入力側回転体との間に設け
    られていることを特徴とする請求項1記載の差動装置。
  4. 【請求項4】 外部からの駆動力によって回転する入力
    側回転体と、互いに対向して入力側回転体と同軸状に配
    置された一対の回転体と、各回転体の周面に配置された
    複数の転動体と、各回転体側の転動体を一対ずつ保持し
    て入力側回転体と一体に回転しながら各回転体の軸方向
    に移動する複数の保持体と、前記各回転体を軸方向に押
    圧する圧力付与手段とを備え、各回転体の周面には各転
    動体を転動自在に係合する溝を設けた差動装置におい
    て、 前記圧力付与手段は、皿ばねと、それとともに回転する
    回転板を有することを特徴とする差動装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力付与手段の皿ばねとともに回転
    する回転板は、皿ばねと前記一対の回転体の1つとの間
    に設けられていることを特徴とする請求項4記載の差動
    装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力付与手段の皿ばねとともに回転
    する回転板は、皿ばねと前記入力側回転体との間に設け
    られていることを特徴とする請求項4記載の差動装置。
  7. 【請求項7】 前記圧力付与手段の皿ばねとともに回転
    する回転板は、皿ばねと前記一対の回転体の対向面の少
    なくとも1方との間に設けられていることを特徴とする
    請求項4記載の差動装置。
JP21421897A 1997-08-08 1997-08-08 差動装置 Pending JPH1163158A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009903A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Toyoda Mach Works Ltd 車両用駆動力伝達装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006009903A (ja) * 2004-06-24 2006-01-12 Toyoda Mach Works Ltd 車両用駆動力伝達装置
JP4665445B2 (ja) * 2004-06-24 2011-04-06 株式会社ジェイテクト 車両用駆動力伝達装置

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