JPH1163022A - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置

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JPH1163022A
JPH1163022A JP22673297A JP22673297A JPH1163022A JP H1163022 A JPH1163022 A JP H1163022A JP 22673297 A JP22673297 A JP 22673297A JP 22673297 A JP22673297 A JP 22673297A JP H1163022 A JPH1163022 A JP H1163022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスカストルクの立上りを速くしつつ、タイ
トコーナブレーキング現象の発生を回避すると共に、高
速走行時の駆動力伝達特性の向上を図る。 【解決手段】 動力伝達装置100 は、ハブ10とハウジン
グ20によって画成されてシリコンオイルが封入された作
動室30と、ハブ10と一体に回転する第1及び第2のプレ
ート組70,40 と、ハウジング20と一体に回転する第1及
び第2のクラッチプレート組80,50 と、第1のクラッチ
プレート組80によって挾持されてハウジング20と一体に
回転可能な第3のプレート組75と、第1のクラッチプレ
ート組80を挾持方向へ弾性付勢する皿ばね95と、第2の
クラッチプレート組50によって挾持されてハウジング20
と一体に回転可能な第4のプレート組45と、作動室30内
が所定以上の圧力となると皿ばね65の付勢力に抗して第
2のクラッチプレート組50から離間する方向に変位する
ピストン60とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一軸線の周りに
相対回転可能に配置された一対の伝達部材間で駆動トル
クを伝達する車両用の動力伝達装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、4輪駆動車の前後輪を駆動するた
めの駆動形式としては種々の駆動形式が開発されている
が、例えば常時駆動される前輪側から後輪側に駆動トル
クを伝達可能なプロペラシャフトの途中にビスカスカッ
プリングを介装し、前後輪間に回転数差が生じた場合に
後輪に駆動トルクを伝達する形式のものがある。この駆
動形式は、前後輪間に回転数差が生じるやいなや常時駆
動される前輪側から後輪側に駆動トルクを伝達できるば
かりでなく、タイトコーナブレーキング現象の発生を防
止でき、さらにはABS(アンチロック・ブレーキ・シ
ステム)作動時における前後輪間の回転干渉を防止でき
る等、種々の優れた特徴を有している。
【0003】ところで、前記ビスカスカップリングは、
相対回転可能に配置された第1および第2の伝達部材に
よって画成された作動室内に粘性流体を封入するととも
に、第1の伝達部材と相対回転不能に係合する第1のプ
レート組と、第2の伝達部材と相対回転不能に係合する
第2のプレート組とを、前記作動室内に交互に配置した
ものである。そして、このビスカスカップリングによっ
て伝達される駆動トルクは、第1及び第2の伝達部材間
の回転速度差の増加に伴って大きくなる。
【0004】従って、上述した駆動形式を有する4輪駆
動車において、走破性を向上させるべく前後輪間の相対
回転数差の小さな領域においても後輪に大きな駆動トル
クを伝達できるようにするためには、第1及び第2のプ
レート組の枚数を増やしたり、作動室に封入する粘性流
体の粘度を高めることにより、ビスカストルクの立上り
を速くすればよい。しかしながら、上述したビスカスカ
ップリングをプロペラシャフトの途中に装備した車両に
おいては、車両速度が速い領域では伝達可能な駆動力が
大きくなり過ぎ、第1及び第2の伝達部材間の相対回転
数の大きさによって後輪に伝達する駆動力の大きさが決
まってしまう。そこで、前記ビスカスカップリングの伝
達トルク特性を上述のようにビスカストルクの立上りが
速くなるように設定すると、車両速度が速い領域では伝
達可能な駆動力が大きくなり過ぎ、前後輪間の相対回転
数差の大きいUターン走行時等に、タイトコーナブレー
キング現象が現れてしまう。
【0005】そこで、前後輪間の相対回転数差の小さな
領域においても前輪側から後輪側に大きな駆動トルクを
伝達できるようにビスカストルクの立上りを速くしつ
つ、タイトコーナブレーキング現象の発生を回避できる
ようにするために、ビスカストルク感応形のトルクリミ
ッタを備えたビスカスカップリングが提案されている。
この様なビスカスカップリングにおいては、第2のプレ
ート組は第2の回転部材に対して直接相対回転不能に係
合せず、第2の回転部材と相対回転不能に係合するクラ
ッチプレート組によって挾装される。そして、前記クラ
ッチプレート組を皿ばね等により弾性付勢して第2のプ
レート組を挾持させることにより、クラッチプレート組
と第2のプレート組との間に生じる摩擦力によって第2
のプレート組は第2の回転部材と一体に回転することが
できる。
【0006】即ち、上記ビスカストルク感応形のトルク
リミッタを備えたビスカスカップリングにおいては、ク
ラッチプレート組と第2のプレート組との間に生じる摩
擦力以上の駆動力を第1及び第2の伝達部材間で伝達す
ることができないので、前後輪間の相対回転数差の小さ
な領域においても前輪側から後輪側に大きな駆動トルク
を伝達できるようにビスカストルクの立上りを速くしつ
つ、タイトコーナブレーキング現象の発生を回避するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たビスカストルク感応形のトルクリミッタを備えたビス
カスカップリングは、伝達可能な駆動トルクの上限を制
限してタイトコーナブレーキング現象の発生を回避でき
るものの、4輪駆動車が高速走行する際には前後輪間で
循環する駆動力が大きくなることによって、ABS作動
時における前後輪間の回転干渉が生じると共に、駆動抵
抗が増大して高速走行時の燃費が悪化してしまう。
【0008】従って、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、ビスカストルクの立上りを速くしつつ、
タイトコーナブレーキング現象の発生を回避できると共
に、高速走行時の良好な駆動力伝達特性を備えた動力伝
達装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、相
対回転自在に配置された第1及び第2の伝達部材によっ
て画成されるとともにその内部に粘性流体が封入された
作動室と、前記第1の伝達部材と相対回転不能に係合し
て前記作動室内に配置された第1及び第2のプレート組
と、前記第2の伝達部材と相対回転不能に係合して前記
作動室内に配置された第1及び第2のクラッチプレート
組と、前記作動室内で前記第1のプレート組と交互に配
置されると共に、前記第1のクラッチプレート組によっ
て挾持されると前記第2の伝達部材と一体に回転可能な
第3のプレート組と、前記第3のプレート組を挾持する
方向へ前記第1のクラッチプレート組を弾性付勢する第
1の付勢手段と、前記作動室内で前記第2のプレート組
と交互に配置されると共に、前記第2のクラッチプレー
ト組によって挾持されると前記第2の伝達部材と一体に
回転可能な第4のプレート組と、前記第2のクラッチプ
レート組に前記第4のプレート組を挾持させるべく第2
の付勢手段によって弾性付勢されると共に、前記作動室
内が所定以上の圧力となると前記第2の付勢手段による
付勢力に抗して前記第2のクラッチプレート組から離間
する方向に変位するピストンと、を備えたことを特徴と
する動力伝達装置により達成される。
【0010】上記構成によれば、第1及び第2のクラッ
チプレート組が第3及び第4のプレート組を挾持する摩
擦力よりも、第1及び第2のプレート組と第3及び第4
のプレート組との間に作用する粘性抵抗(ビスカストル
ク)が大きくなると、各クラッチプレート組と第3及び
第4のプレート組との間に滑りが生じる。そこで、第1
及び第2の伝達部材間では、各クラッチプレート組が第
3及び第4のプレート組を挾持する摩擦力以上の駆動力
を伝達することができず、ビスカストルクの大きさに応
じてトルクリミッターが作動する。
【0011】又、第1及び第2の伝達部材が高速回転す
ることにより作動室内に封入された粘性流体の温度が高
まり、作動室内の圧力が所定以上に高くなると、ピスト
ンが第2の付勢手段による付勢力に抗して前記第2のク
ラッチプレート組から離間する方向に変位する。そこ
で、第4のプレート組は第2のクラッチプレート組によ
って挾持されなくなり、第2の伝達部材と一体に回転す
ることができなくなるので、第1及び第2の伝達部材間
では、第1のプレート組と第3のプレート組との間に作
用する粘性抵抗のみが作用し、伝達可能な駆動トルクが
減少する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
に係る動力伝達装置の一実施形態を詳細に説明する。図
1は本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の全体半断
面図、図2は図1の要部拡大断面図である。図1に示し
た本実施形態の動力伝達装置100は、4輪駆動車の後
輪を駆動するプロペラシャフトの途中に介装されるもの
で、同一軸線の周りに相対回転可能な第1の伝達部材で
あるハブ10と、第2の伝達部材であるハウジング20
とを備えている。そして、これらハブ10及びハウジン
グ20は、それぞれ車体1,2に対して軸受3,4を介
して回転自在に支持されている。
【0013】前記ハブ10は略円筒状の部材であり、そ
の内周面に形成された雌スプライン11には図示されな
いリヤデフ側のシャフトが取り付けられる。また、その
外周面には回転軸線C方向に延びる雄スプライン12が
形成されている。前記ハウジング20は、変速機から出
力される駆動力によって回転駆動される後輪側のプロペ
ラシャフトに接続されるスタブシャフト21と、このス
タブシャフト21から延設された後壁22と、この後壁
22から前方に延びる円筒部分23と、この円筒部分2
3の前方に延設された前壁部分24とから構成されてい
る。そして、前記円筒部分23の内周面には回転軸線C
方向に延びる雌スプライン25が形成されている。
【0014】そして、これらハブ10及びハウジング2
0により、回転軸線Cの周りに環状に延びる作動室30
が画成されている。そして、この作動室30内に封入さ
れた粘性流体としてのシリコンオイルと少量の空気と
が、一対のXリング31,32によって密封されてい
る。また、この作動室30内には、後述する第1乃至第
4のプレート組70,40,75,45、第1及び第2
のクラッチプレート組80,50、ピストン60、第1
及び第2の付勢手段としての皿ばね95,65がそれぞ
れ収納されている。
【0015】図2中右側に配置される前記第1及び第2
のプレート組70,40は、それぞれ薄い鋼板を幅の広
い円環状に打ち抜いた複数枚のインナプレート71,4
1から構成されている。そして、すべてのインナプレー
ト71,41は、その内周縁が前記ハブ10の雄スプラ
イン12と相対回転不能に係合し、ハブ10と一体に回
転するようになっている。又、図2中左側に配置される
前記第3及び第4のプレート組75,45は、それぞれ
薄い鋼板を幅の広い円環状に打ち抜いた複数枚のアウタ
プレート76,46から構成されている。そして、各ア
ウタプレート76,46は、それぞれ前記インナプレー
ト71,41と交互に配置されるが、ハブ10及びハウ
ジング20のいずれとも係合しない状態で作動室30内
に遊嵌されている。
【0016】前記第1及び第2のクラッチプレート組8
0,50は、それぞれ厚手の鋼板を幅の狭い円環状に打
ち抜いた複数枚のクラッチプレート81,51から構成
されている。そして、すべてのクラッチプレート81,
51は、その外周縁がハウジング20の前記雌スプライ
ン25と相対回転不能に係合し、ハウジング20と一体
に回転するようになっている。また、各クラッチプレー
ト81は、各アウタプレート76の外周部分を両側から
挟み込めるように、各アウタプレート76に対して交互
に配置されており、各クラッチプレート51は、各アウ
タプレート46の外周部分を両側から挟み込めるよう
に、各アウタプレート46に対して交互に配置されてい
る。
【0017】更に、前記作動室30の軸線C方向の中央
部には、スナップリング90が該作動室30の内壁面に
凹設された凹溝内に嵌着され、軸線C方向に変位不能に
固定されている。そして、第1の付勢手段である皿ばね
95は、前記スナップリング90と前記第1のクラッチ
プレート組80との間に介装され、第1のクラッチプレ
ート組80を前記ハウジング20の後壁22側(図2
中、右側)に押圧付勢する。これにより、第1のクラッ
チプレート組80が第3のプレート組75を挾持するの
で、アウタプレート76はクラッチプレート81と共に
ハウジング20と一体に回転することができる。
【0018】前記ピストン60は環状の部材であり、前
記ハウジング20の前壁24の内壁面に凹設された回転
軸線Cと同軸な環状凹部26内に、回転軸線C方向にス
ライド自在に嵌装されている。また、このピストン60
の外周面及び内周面にそれぞれ凹設された凹溝内には、
それぞれオーリング61,62が取り付けられている。
これにより、ピストン60が回転軸線C方向にスライド
しても、作動室30内に封入されたシリコンオイル及び
少量の空気が前記環状凹部26内に漏れ出ることはな
い。
【0019】また、前記環状凹部26内には、ピストン
60を第2のクラッチプレート組50側(図2中、右
側)に付勢する第2の付勢手段である皿ばね65が取り
付けられている。そこで、前記皿ばね65によって付勢
されるピストン60が、第2のクラッチプレート組50
を前記スナップリング90側に押圧付勢するので、第4
のプレート組45は第2のクラッチプレート組50によ
って挾持され、クラッチプレート4はクラッチプレート
51と共にハウジング20と一体に回転することができ
る。
【0020】次に、上述のように構成された本実施形態
の動力伝達装置100の作動について説明する。本実施
形態の動力伝達装置100がプロペラシャフトの途中に
介装された4輪駆動車が雪道や悪路等の低ミュー路を走
行すると、前輪が空転した際の前後輪間の相対回転数差
によって、ハブ10とハウジング20との間に回転速度
差が生じる。
【0021】すると、ハブ10と一体に回転する第1及
び第2のプレート組70,40と、ハウジング20と一
体に回転する第3及び第4のプレート組75,45との
間には、それぞれ回転速度差が生じるので、インナプレ
ート71とアウタープレート76との間、及びインナプ
レート41とアウタープレート46との間には、それぞ
れ作動室30内に封入されたシリコンオイルの粘性に起
因する粘性抵抗が生じる。これにより、ハブ10とハウ
ジング20との間では、第1及び第3のプレート組7
0,75と第2及び第4のプレート組75,45との間
に生じる粘性抵抗の総和に等しいビスカストルクが生じ
るので、前後輪間の相対回転数差の小さな領域において
も前輪側から後輪側に立上り良く駆動トルクが伝達さ
れ、速やかに後輪が回転駆動される。
【0022】また、前記4輪駆動車が極めて小さい半径
で旋回走行する際には、内外輪差によって前後輪間に大
きな相対回転数差が生じる。これに伴い、ハブ10とハ
ウジング20との間には大きな回転速度差が生じるの
で、第1及び第2のプレート組70,40と、第3及び
第4のプレート組75,45との間には、大きな粘性抵
抗が生じる。
【0023】そして、第3のプレート組75に作用する
粘性抵抗が高まり、第1のクラッチプレート組80が第
3のプレート組75を挾持する摩擦力を上回ると、クラ
ッチプレート81とアウタープレート76との間には滑
りが生じる。同様に、第4のプレート組45に作用する
粘性抵抗が高まり、第2のクラッチプレート組50が第
4のプレート組45を挾持する摩擦力を上回ると、クラ
ッチプレート51とアウタープレート46との間には滑
りが生じる。
【0024】すなわち、ハブ10とハウジング20との
間で伝達可能な駆動力の上限は、第1のクラッチプレー
ト組80が第3のプレート組75を挾持する摩擦力の大
きさ、及び第2のクラッチプレート組50が第4のプレ
ート組45を挾持する摩擦力の大きさによって決定され
る。従って、皿ばね95が第1のクラッチプレート組8
0を挾持方向に弾性付勢する付勢力と、皿ばね65がピ
ストン60を介して第2のクラッチプレート組50を挾
持方向に弾性付勢する付勢力とを適宜設定することによ
り、ハブ10とハウジング20との間で伝達可能な駆動
力の上限を設定し、前記4輪駆動車が旋回走行する際に
タイトコーナブレーキング現象が生じないようにするこ
とができる。
【0025】一方、前記4輪駆動車が高速走行する際に
は、ハブ10とハウジング20との間に生じる回転速度
差が走行速度の増加に比例して高まるので、第1及び第
2のプレート組70,40と、第3及び第4のプレート
組75,45との間に作用する粘性抵抗によって作動室
30内に封入されたシリコンオイルの温度が次第に高ま
り、作動室30内の圧力が徐々に高くなる。
【0026】そして、前記ピストン60を前記ハウジン
グ20の前壁24側に押圧する作動室30内の圧力が、
該ピストン60をスナップリング90側に弾性付勢する
皿ばね65の付勢力を上回ると、ピストン60は皿ばね
65による付勢力に抗して変位し、第2のクラッチプレ
ート組50から離間する。すると、アウタープレート4
6は、クラッチプレート51によって挾持されなくな
り、ハウジング20と一体に回転することができなくな
る。そこで、前記動力伝達装置100のハブ10とハウ
ジング20との間では、インナプレート41とアウター
プレート46とを介して駆動力を伝達することができな
くなる。
【0027】したがって、本実施形態の動力伝達装置1
00を備えた前記4輪駆動車が高速走行する際には、前
後輪のスリップ率の差すなわち前後輪間の相対回転数差
によって、ハブ10とハウジング20との間には回転速
度差が生じるが、これらハブ10とハウジング20との
間で伝達される駆動トルクは、第1のプレート組70と
第3のプレート組75との間に作用するビスカストルク
のみとなるので、高速走行しない際に比較して大幅に減
少する。
【0028】これにより、前記4輪駆動車が高速走行す
る際には前後輪間で循環する駆動力が低下するので、駆
動抵抗が減少して高速走行時の燃費を改善することがで
きると共に、ABS作動時における前後輪間の回転干渉
を防止できる。なお、ピストン60の受圧面積を適宜設
定することにより、ピストン60が第2のクラッチプレ
ート組50から離間する方向へ変位し始める作動室30
内の所定圧力を設定することができる。
【0029】更に、上記動力伝達装置100を備えた前
記4輪駆動車においては、高速走行の直後等で前記作動
室30内が所定以上の圧力より高い場合でも、第1及び
第3のプレート組70,75間に作用する粘性抵抗によ
りハブ10とハウジング20との間で駆動トルクを伝達
することができるから、4輪駆動車としての走行性能を
維持することができる。
【0030】以上、本発明に係る動力伝達装置の一実施
形態ついて詳しく説明したが、本発明は上述した実施形
態によって限定されるものではなく、種々の変更が可能
であることは言うまでもない。例えば、上述した実施形
態においては、4輪駆動車の前後輪間で駆動力を伝達す
るプロペラシャフトの途中に本発明の動力伝達装置を介
装した場合を例に取って説明しているが、例えば差動歯
車装置に本発明の動力伝達装置を適用し、左右一対の出
力軸間の差動を制限する差動制限装置として適用するこ
ともできる。又、上記実施形態においては、第1の伝達
部材としてハブ10、第2の伝達部材としてハウジング
20を用いたが、ハウジングを第1の伝達部材、ハブを
第2の伝達部材とすることもできる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の動力伝達装置によれば、第1及び第2のクラッチプレ
ート組が第3及び第4のプレート組を挾持する摩擦力よ
りも、第1及び第2のプレート組と第3及び第4のプレ
ート組との間に作用する粘性抵抗(ビスカストルク)が
大きくなると、各クラッチプレート組と第3及び第4の
プレート組との間に滑りが生じる。そこで、第1及び第
2の伝達部材間では、各クラッチプレート組が第3及び
第4のプレート組を挾持する摩擦力以上の駆動力を伝達
することができず、ビスカストルクの大きさに応じてト
ルクリミッターが作動する。従って、4輪駆動車の前後
輪間で駆動力を伝達するプロペラシャフトの途中にこの
動力伝達装置を介装すれば、ビスカストルクの立上りを
速くしつつ、タイトコーナブレーキング現象の発生を回
避できる。
【0032】又、第1及び第2の伝達部材が高速回転す
ることにより作動室内に封入された粘性流体の温度が高
まり、作動室内の圧力が所定以上に高くなると、ピスト
ンが第2の付勢手段による付勢力に抗して前記第2のク
ラッチプレート組から離間する方向に変位する。そこ
で、第4のプレート組は第2のクラッチプレート組によ
って挾持されなくなり、第2の伝達部材と一体に回転す
ることができなくなるので、第1及び第2の伝達部材間
では、第1のプレート組と第3のプレート組との間に作
用する粘性抵抗のみが作用し、伝達可能な駆動トルクが
減少する。従って、4輪駆動車の前後輪間で駆動力を伝
達するプロペラシャフトの途中にこの動力伝達装置を介
装すれば、該4輪駆動車が高速走行する際には前後輪間
で循環する駆動力が低下するので、駆動抵抗が減少して
高速走行時の燃費を改善することができると共に、AB
S作動時における前後輪間の回転干渉を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の全体
半断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1,2 車体 3,4 軸受 10 ハブ(第1の伝達部材) 20 ハウジング(第2の伝達部材) 30 作動室 40 第2のプレート組 45 第4のプレート組 50 第2のクラッチプレート組 60 ピストン 65 皿ばね(第2の付勢手段) 70 第1のプレート組 75 第3のプレート組 80 第1のクラッチプレート組 90 スナップリング 95 皿ばね(第1の付勢手段) 100 動力伝達装置 C 回転軸線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転自在に配置された第1及び第2
    の伝達部材によって画成されるとともにその内部に粘性
    流体が封入された作動室と、 前記第1の伝達部材と相対回転不能に係合して前記作動
    室内に配置された第1及び第2のプレート組と、 前記第2の伝達部材と相対回転不能に係合して前記作動
    室内に配置された第1及び第2のクラッチプレート組
    と、 前記作動室内で前記第1のプレート組と交互に配置され
    ると共に、前記第1のクラッチプレート組によって挾持
    されると前記第2の伝達部材と一体に回転可能な第3の
    プレート組と、 前記第3のプレート組を挾持する方向へ前記第1のクラ
    ッチプレート組を弾性付勢する第1の付勢手段と、 前記作動室内で前記第2のプレート組と交互に配置され
    ると共に、前記第2のクラッチプレート組によって挾持
    されると前記第2の伝達部材と一体に回転可能な第4の
    プレート組と、 前記第2のクラッチプレート組に前記第4のプレート組
    を挾持させるべく第2の付勢手段によって弾性付勢され
    ると共に、前記作動室内が所定以上の圧力となると前記
    第2の付勢手段による付勢力に抗して前記第2のクラッ
    チプレート組から離間する方向に変位するピストンと、
    を備えたことを特徴とする動力伝達装置。
JP22673297A 1997-08-22 1997-08-22 動力伝達装置 Expired - Fee Related JP3921280B2 (ja)

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