JPH1162859A - 横置き型スクロールコンプレッサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸の軸受部の潤滑性を向上させると共
に、該軸受部の温度上昇を抑制する。 【解決手段】 駆動軸のスパイラルポンプの吐出側が開
口する部位に環状のオイル圧空間を形成し、また該オイ
ル圧空間と高圧空間との間にシール部を配設すると共
に、前記オイル圧空間とオイル溜とを連通するオイル排
出通路を設けるようにしたことによって、前記オイル圧
空間の潤滑油を所定の圧力に上昇させることができるた
めに、前記スパイラルポンプの一端が開口するオイル空
間と高圧空間を完全に遮断にすることができると共に、
オイル圧空間内のオイルをオイル溜に排出、循環させる
ことができるので、駆動軸とメイン軸受との間、駆動軸
とシール部の間の温度上昇を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】この発明は、空調装置の冷媒
圧縮に用いられるスクロールコンプレッサであって、特
に横長に配される横置き型スクロールコンプレッサに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のスクロール圧縮機として、特開昭
６４−８７８９４号公報に開示されるものは、高圧と低
圧の差圧によって摺動部へ給油を行うスクロール圧縮機
において、フレームの駆動軸ハウジング部分に密閉容器
下部油溜に開口する給油通路と、この給油通路と連通す
る油溜部と、駆動部に設けた差圧給油通路と、モータ側
軸受に向かって揚程を発生する粘性ポンプとを具備する
ものである。

【０００３】具体的には、給油管３０は、シール軸受３
６とモータ側軸受３８との間に形成された油溜３３に接
続され、この給油管３０を介して高圧と低圧の差圧及び
粘性ポンプ３１の吸引力によってフレーム下部の潤滑油
６が吸引される。この油溜３３から、一方では給油通路
３４を介して旋回スクロール側へ潤滑油が送油され、他
方では前記粘性ポンプ３１によってモータ側軸受３８に
潤滑油が供給される。これによって、モータ側軸受３８
の端部は高圧側に開口し、油溜３３の潤滑油圧は流体損
失及び位置エネルギーにより前記高圧側よりも若干低圧
になっていることによるモータ軸受３８への潤滑油の送
油の困難さを解消することができるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記引
例の発明によれば、モータ側軸受と駆動軸との間に供給
された潤滑油は、モータ側軸受端部が高圧側に開口して
いる点、モータ側軸受と駆動軸との間のクリアランスが
非常に狭い点から排出され難く、モータ軸受と駆動軸と
の間に発生する摩擦熱のために大変高温になるという不
具合を生じる。また、潤滑油における冷却を行うために
モータ側軸受と駆動軸との間のクリアランスを大きくす
ると、高圧側から冷媒が侵入するという不具合が生じた
り、高圧側との間をシールするシール部を特別に形成す
る必要がある。

【０００５】このため、この発明は、駆動軸の軸受部の
潤滑性を向上させると共に、該軸受部の温度上昇を抑制
することのできる構造を有する横置き型スクロールコン
プレッサを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】よって、この発明は、水
平方向に軸を有すると共に冷媒吸入パイプ及び冷媒吐出
パイプが配される略円筒形状の密閉ケースと、該密閉ケ
ース内に形成される高圧空間と、該高圧空間内に配され
た駆動部と、前記駆動部から前記水平方向に延出する回
転軸と、該回転軸を回転自在に保持するメイン軸受と、
該メイン軸受が装着される貫通孔を有するブロックと、
前記回転軸の中心軸に偏心して前記回転軸の端部から延
出する偏心軸と、該偏心軸に装着され該偏心軸と反対側
に渦巻状の揺動スクロールを有する揺動スクロール部材
と、前記揺動スクロールと噛合して圧縮室を画成する固
定スクロールを有し前記揺動スクロール部材を揺動自在
に前記ブロックとの間に保持する固定スクロール部材
と、前記密閉ケースの下方に形成されるオイル溜と、前
記メイン軸受の一端、前記回転軸及び前記ブロックによ
って画成され、オイル吸引パイプを介してオイル溜と連
通するオイル空間と、該オイル空間に一端が開口し、前
記メイン軸受が当接する回転軸の表面に螺旋状に形成さ
れるスパイラルポンプとを具備する横置き型スクロール
コンプレッサにおいて、前記スパイラルポンプの吐出側
端部が開口する部位に形成される環状のオイル圧空間
と、前記オイル圧空間と前記高圧空間の間に配設される
シール部と、前記オイル圧空間に滞留するオイルをオイ
ル溜に排出するオイル排出通路と、該オイル排出通路に
形成された絞り機構とを具備することにある（請求項
１）。

【０００７】したがって、この発明によれば、駆動軸の
スパイラルポンプの吐出側が開口する部位に環状のオイ
ル圧空間を形成し、また該オイル圧空間と高圧空間との
間にシール部を配設すると共に、前記オイル圧空間とオ
イル溜とを連通するオイル排出通路を設けるようにした
ことによって、前記オイル圧空間の潤滑油を所定の圧力
に上昇させることができるために、前記スパイラルポン
プの一端が開口するオイル空間と高圧空間を完全に遮断
にすることができると共に、オイル圧空間内のオイルを
オイル溜に排出、循環させることができるので、駆動軸
とメイン軸受との間、駆動軸とシール部の間の温度上昇
を抑制することができるものである。

【０００８】また、この発明において、前記オイル排出
通路は、前記ブロックに環状に形成される環状通路と、
該環状通路の下部と前記オイル溜を連通する排出通路と
によって構成され、前記環状通路は前記オイル圧空間と
該オイル圧空間の上部で連通することにある（請求項
２）。これによって、駆動軸の周囲を潤滑油が上昇し、
またブロック内を潤滑油が通過することから周縁の温度
上昇を抑制することができるものである。

【０００９】さらに、前記オイル排出通路には、所定の
通路抵抗を有する絞り機構が設けられることにある（請
求項３）。これによって、前記オイル圧空間の潤滑油の
圧力を高圧に維持することができるので、シール部のシ
ール性を向上させることができる。特に、前記絞り機構
は、前記排出通路に設けることが望ましいものである。

【００１０】さらにまた、前記シール部は、前記オイル
圧空間と前記高圧空間の間の所定の位置に前記回転軸の
外周側面に沿って環状に形成されたオイル溝を有し、該
オイル溝は前記オイル圧空間と第２のスパイラルポンプ
によって連通されることにある（請求項４）。これによ
って、オイル溝に所定の圧力の潤滑油を収容することが
できるので、シール部のシール性を向上させることがで
きると共に、積極的な潤滑が可能となるものである。

【００１１】また、前記メイン軸受と前記シール部は一
体に成形しても良いものである。これによって、シール
部とメイン軸受とを一体に成形できるので、部品点数を
減じることができるものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面により説明する。

【００１３】図１及び図２に示す横置き型スクロールコ
ンプレッサ１は、水平方向に延出する中心軸を有する密
閉ケース２と、該密閉ケース２内に配された駆動部３
と、該駆動部３によって駆動される圧縮部４とによって
構成される。

【００１４】前記密閉ケース２は、側部に冷媒吸入パイ
プ５が装着された円筒状ケース６と、該円筒ケース６の
両端を閉塞する一対の蓋部７，８によって構成されるも
ので、前記一方蓋部７には、冷媒吐出パイプ８と、前記
駆動部３へ電力を供給する電源端子９が設けられている
ものである。

【００１５】前記駆動部３は、この実施の形態において
はブラシレスモータであり、前記円筒状ケース６の内周
面に固着され励磁コイル１０が巻回されて回転磁界を発
生させるステータ１１と、該ステータ１１と対峙する位
置に配され、交互に磁極が異なるように配された永久磁
石を有するロータ１２と、該ロータ１２が固着される回
転軸１３とによって構成される。

【００１６】この回転軸１３は水平方向の延出して設け
られ、この回転軸１３の前記蓋部７側の一端は、前記円
筒状ケース６に固着された保持プレート１４の中央部分
に配されたサブ軸受１８によって回転自在に保持される
ものである。また、この保持プレート１４には、冷媒通
孔１５が形成され、さらにこの冷媒通孔１５の対峙する
部分には冷媒ガイド１６が形成される。これによって冷
媒通孔１５を軸方向に通過した冷媒は、冷媒ガイド１６
に導かれて径方向外方に方向転換させられ、円筒状ケー
ス６の内面に衝突して冷媒とオイルのオイル分離が行な
われるものである。

【００１７】前記回転軸１３の他端側は、拡径されて形
成された拡径部１９を有し、さらにその端部には該回転
軸１３の中心軸に偏心して突出する偏心軸２０が形成さ
れる。また、回転軸１３の他端側に形成された前記拡径
部１９は、前記円筒状ケース６の内周面に固着されたブ
ロック２１の貫通孔２２に装着されたメイン軸受２３に
回動自在に保持される。

【００１８】さらにまた、前記回転軸１３の前記ロータ
１２と前記拡径部１９の間には、下記する揺動スクロー
ル部材３０との回転バランスをとるためのバランスウェ
ート２４が設けられる。また、前記回転軸１３の他端側
端部は、拡径部１９の軸方向の端面であって、前記偏心
軸２０の周縁側面がシールベアリング２５で支持され、
さらに回転軸１３、該シールベアリング２５、及びメイ
ン軸受２３の端面によってオイル空間２６が画成される
ものである。

【００１９】また、拡径部１９には、拡径部１９の軸方
向略中央に形成された環状のオイル圧空間２８が形成さ
れ、さらに前記オイル空間２６とこのオイル圧空間２８
との間にはスパイラルポンプ２７が形成されるものであ
る。また、前記拡径部１９から前記偏心軸２０にかけ
て、前記オイル空間２６に一端が開口し、他端が前記偏
心軸２０の軸方向端部に開口するオイル導引孔２９が形
成される。尚、前記スパイラルポンプ２７は、回転軸の
回動方向先端である一端が前記オイル空間２６に開口
し、回動方向後端である前記オイル圧空間２８に開口す
る他端に向けスパイラル状に形成されたものである。

【００２０】前記圧縮部４は、前記ブロック２１と、前
記偏心軸１４に装着される揺動スクロール部材３０と、
該揺動スクロール部材３０と噛合して圧縮室４０を画成
する固定スクロール部材５０とによって構成される。

【００２１】前記ブロック２１は、その中央を前記回転
軸１３の中心軸の軸方向（以下、軸方向）に貫通する貫
通孔２２を有し、該貫通孔２２にはメイン軸受２３が装
着され、さらに前オイル圧空間２８を挟んで、シール部
６１が設けられる。この実施の形態においては、前記メ
イン軸受２３とシール部６１とは一体に成形される。

【００２２】また、前記ブロック２１の揺動スクロール
部材側端面には、旋回スクロール部材３０を摺動自在に
保持するスラスト軸受７１が形成され、さらにこの端面
には環状に形成されるオルダムリング収納溝７２が形成
され、さらにこのオルダムリング収納溝７２の所定の位
置から径方向に延出するブロック側オルダムリング噛合
溝７３が形成されるものである。

【００２３】前記揺動スクロール部材３０には、前記ス
ラスト軸受７１と当接摺動する面に前記ブロック側オル
ダムリング噛合溝７３と垂直をなす位置に、揺動スクロ
ール側オルダムリング噛合溝３１が形成され、前記オル
ダムリング収納溝７２に収納されたオルダムリング７４
の爪部がブロック側オルダムリング噛合溝７２及び揺動
スクロール型オルダムリング噛合溝３１に噛合すること
によって、揺動スクロール部材３０の自転を防止するも
のである。

【００２４】前記揺動スクロール部材３０のブロック側
側面の中央部分には、前記偏心軸２０が装着される揺動
軸受３２が軸方向に突出して形成され、前記揺動軸受３
２に前記偏心軸２１が装着されることによって、前記揺
動軸受３２内に軸受空間３３が画成される。また前記揺
動スクロール部材３０の固定スクロール部材５０側の側
面には、固定スクロール部材５０側に突出すると共に該
側面に対して渦巻き状である揺動スクロール３４が形成
される。

【００２５】前記固定スクロール部材５０は、前記揺動
スクロール部材３０を前記ブロック２１との間で旋回自
在に挟持するように前記ブロック２１に固定されるもの
で、前記揺動スクロール部材３０側に突出すると共に該
側面に対して渦巻き状である固定スクロール５１を有
し、該固定スクロール５１は前記揺動スクロール３４と
噛合して前記圧縮室４０を画成するものである。

【００２６】また、この圧縮室４０は前記揺動スクロー
ル部材３０の揺動運動（自転が防止された旋回運動）に
伴って外周方向から中心方向に漸次容積を減少させて移
動するもので、圧縮室４０の最外端が開口する吸入空間
４１は前記冷媒吸入パイプ５と連通し、圧縮室４０の最
内端は固定スクロール部材５０の中央部分を軸方向に貫
通する吐出孔５２と連通するものである。

【００２７】さらに、前記吐出孔５２には逆止弁５３が
配され、さらに前記固定スクロール部材５０の蓋部８側
の側面には前記逆止弁５３を保持する逆止弁保持プレー
ト５４が装着される。また、この逆止弁保持プレート５
４は、吐出空間５５とを連通するリーク孔５６を開閉す
るリリーフ弁５７を保持固定するものである。

【００２８】また、前記吐出空間５５は、前記固定スク
ロール部材５０及びブロック２１を貫通して形成された
冷媒通路５８によって、駆動部３が配される高圧空間７
４と連通される。また、前記密閉ケース２の下部にはオ
イル溜７５が形成され、該オイル溜７５と前記オイル空
間２６とは、オイル吸引パイプ７６によって連通され
る。

【００２９】前記ブロック２１の駆動部側端部には、オ
イル排出通路形成用ブロック８０がネジ８１等によって
固定される。このオイルは移出通路形成用ブロック８０
は、前記ブロック２１に固着されることによってオイル
排出通路８２を形成するもので、このオイル排出通路８
２は、図３に示すように、前記オイル圧空間２８と連通
する上部連通路８３と、前記ブロック２１との当接面に
環状に形成された環状通路８４と、該環状通路８４と前
記オイル溜７５を連通する排出通路８５とによって構成
され、さらに、この排出通路８５には、絞り機構として
のオリフィス８６が設けられるものである。

【００３０】以上の構成により、前記回転軸１３が回転
すると、前記揺動スクロール部材３０が前記固定スクロ
ール部材５０に対して揺動運動（自転をしない旋回運
動）を行う。この揺動運動に伴って前記圧縮室４０は、
外周部分から中心方向に向けてその容積を漸次減少さ
せ、同時に吸入空間に開口する外周部分ではその容積が
拡大するので、この吸入空間４１から冷媒が吸引され、
中心方向に向けて圧縮されるものである。そして、固定
スクロール部材５０の中央部分の吐出孔５２から圧縮さ
れた冷媒が吐出空間５５に吐出され、冷媒通路４１を介
して高圧空間７４に至るものである。さらに、圧縮され
た冷媒は、前記冷媒通孔１５を経て冷媒吐出パイプ８か
ら次なる工程に送出されるものである。

【００３１】また、オイル溜７５に収容された潤滑油
は、前記高圧空間７４の高圧と前記吸入空間４１との間
の差圧及びスパイラルポンプ２７のポンプ作用によっ
て、前記オイル吸引パイプ７６を介して前記オイル空間
２６に吸引される。そしてこのオイル空間２６に吸引さ
れた潤滑油は、一方ではオイル導引孔２９を介して軸受
空間３３に至り、そして揺動軸受３２と偏心軸２０との
当接摺動面を潤滑した後、前記スラスト軸受７１と前記
揺動スクロール部材３０の当接摺動面を潤滑し、さらに
オルダムリング７４の周辺を潤滑して吸入空間４１に至
るものである。

【００３２】そして、冷媒と共に圧縮室４０に吸入さ
れ、揺動スクロール３４及び固定スクロール５１の当接
部分のシール、潤滑を行い、冷媒と共に吐出孔５２から
吐出される。そして、蓋部８の内側面やロータ１２に衝
突したり、冷媒ガイド１６によって密閉ケース２の内周
側面に衝突したりすることによって、冷媒と潤滑油は分
離され、冷媒は冷媒吐出パイプ８から次なる工程へ、潤
滑油はオイル溜に回帰するものである。

【００３３】また、前記オイル空間２６に吸引された冷
媒は、他方ではスパイラルポンプ２７に吸引され、メイ
ン軸受２３と回転軸１３の拡径部１９との間を通過する
ことによってこの部分の潤滑を行うと共にメイン軸受２
３と拡径部１９との間に発生する摩擦熱を吸収し冷却す
るものである。そして、潤滑油は、スパイラルポンプ２
７からオイル圧空間２８に送出される。このオイル圧空
間２８に至った潤滑油は、オイル空間２６内の潤滑油が
さらにスパイラルポンプ２７によって加圧されることか
ら、高圧空間７４内の冷媒圧力よりも若干高めとなるこ
とから、前記シール部６１と前記ブロック２１との間の
クリアランス若しくは前記シール部６１と前記拡径部１
９との間のクリアランスから高圧空間７４内の冷媒が侵
入することを防止できると共に、前記クリアランス内に
浸透して前記シール部６１と前記ブロック２１との間及
び前記シール部６１と前記拡径部１９との間を潤滑及び
冷却することができるものである。

【００３４】さらに、オイル圧空間２８内の潤滑油は、
該オイル圧空間２８の上部に形成された上部連通路８３
から環状通路８４を流れ、この環状通路８４の下部から
排出通路８５を経てオイル溜７５に回帰するもので、前
記スパイラルポンプ２７からオイル圧空間２８に送出さ
れた潤滑油は常に流れているので、摺動各部の熱を吸収
して冷却することができるものである。

【００３５】また、排出通路８５にオリフィス８６を形
成することによって、オイル圧空間２８を移動する潤滑
油の圧力を安定させることができる共に、オイル排出通
路８２を流れる潤滑油の量及び流速を制限できるので、
メイン軸受２３及びシール部６１の潤滑効率及び冷却効
率を高めることができるものである。

【００３６】図４に示す第２の実施の形態は、シール部
６１に、環状のオイル溝９０と、前記オイル圧空間２８
と前記オイル溝９０とを連通する第２のスパイラルポン
プ９１を設けたことを特徴とするものである。これによ
って、オイル圧空間２８の潤滑油を積極的にシール部６
１に供給できるため、シール性及び冷却性を更に向上さ
せることができるものである。尚、第２の実施の形態に
おいて、前述した第１の実施の形態と同一の個所若しく
は同一の作用を奏する個所は同一の符号を付すことによ
って説明を省略する。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、駆動軸のスパイラルポンプの吐出側が開口する部位
に環状のオイル圧空間を形成し、また該オイル圧空間と
高圧空間との間にシール部を配設すると共に、前記オイ
ル圧空間とオイル溜とを連通するオイル排出通路を設け
るようにしたことによって、メイン軸受及びシール部の
潤滑性を向上させることができると共に、オイル圧空間
の圧力が高圧空間の圧力よりも若干高めになることか
ら、シール部のシール性を向上させることができると共
に、オイル空間を高圧空間から隔絶することができるの
で、起動時のオイル空間へのオイルの吸入性を安定させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係る横置き型スク
ロールコンプレッサの断面図である。

【図２】本発明の第１の実施の形態に係る横置き型スク
ロールコンプレッサの一部拡大断面図である。

【図３】本発明の第１の実施の形態に係る横置き型スク
ロールコンプレッサのＡ−Ａ断面図である。

【図４】本発明の第２の実施の形態に係る横置き型スク
ロールコンプレッサの一部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 横置き型スクロールコンプレッサ ２ 密閉ケース ３ 駆動部 ４ 圧縮部 １３ 回転軸 １９ 拡径部 ２０ 偏心軸 ２１ ブロック ２２ 貫通孔 ２３ メイン軸受 ２７ スパイラルポンプ ２８ オイル圧空間 ３０ 揺動スクロール部材 ３２ 揺動軸受 ３３ 軸受空間 ３４ 揺動スクロール ４０ 圧縮室 ４１ 吸入空間 ５０ 固定スクロール部材 ５１ 固定スクロール ６１ シール部 ７４ 高圧空間 ７５ オイル溜 ８０ オイル排出通路形成用ブロック ８２ オイル排出通路 ８３ 上部連通路 ８４ 環状通路 ８５ 排出通路 ８６ オリフィス（絞り機構） ９０ オイル溝 ９１ 第２のスパイラルポンプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川合 智 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番地 株式会社ゼクセル江南工場内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平方向に軸を有すると共に冷媒吸入パ
   イプ及び冷媒吐出パイプが配される略円筒形状の密閉ケ
   ースと、該密閉ケース内に形成される高圧空間と、該高
   圧空間内に配された駆動部と、前記駆動部から前記水平
   方向に延出する回転軸と、該回転軸を回転自在に保持す
   るメイン軸受と、該メイン軸受が装着される貫通孔を有
   するブロックと、前記回転軸の中心軸に偏心して前記回
   転軸の端部から延出する偏心軸と、該偏心軸に装着され
   該偏心軸と反対側に渦巻状の揺動スクロールを有する揺
   動スクロール部材と、前記揺動スクロールと噛合して圧
   縮室を画成する固定スクロールを有し前記揺動スクロー
   ル部材を揺動自在に前記ブロックとの間に保持する固定
   スクロール部材と、前記密閉ケースの下方に形成される
   オイル溜と、前記メイン軸受の一端、前記回転軸及び前
   記ブロックによって画成され、オイル吸引パイプを介し
   てオイル溜と連通するオイル空間と、該オイル空間に一
   端が開口し、前記メイン軸受が当接する回転軸の表面に
   螺旋状に形成されるスパイラルポンプとを具備する横置
   き型スクロールコンプレッサにおいて、 前記スパイラルポンプの吐出側端部が開口する部位に形
   成される環状のオイル圧空間と、 前記オイル圧空間と前記高圧空間の間に配設されるシー
   ル部と、 前記オイル圧空間に滞留するオイルをオイル溜に排出す
   るオイル排出通路とを具備すること特徴とする横置き型
   スクロールコンプレッサ。
2. 【請求項２】 前記オイル排出通路は、前記ブロックに
   環状に形成される環状通路と、該環状通路の下部と前記
   オイル溜を連通する排出通路とによって構成され、前記
   環状通路は前記オイル圧空間と該オイル圧空間の上部で
   連通することを特徴とする請求項１記載の横置き型スク
   ロールコンプレッサ。
3. 【請求項３】 前記オイル排出通路には、所定の通路抵
   抗を有する絞り機構が設けられることを特徴とする請求
   項１又は２記載の横置き型スクロールコンプレッサ。
4. 【請求項４】 前記シール部は、前記オイル圧空間と前
   記高圧空間の間の所定の位置に前記回転軸の外周側面に
   沿って環状に形成されたオイル溝を有し、該オイル溝は
   前記オイル圧空間と第２のスパイラルポンプによって連
   通されることを特徴とする請求項１、２又は３記載の横
   置き型スクロールコンプレッサ。