JPH1162757A - エンジンへの燃料供給システム及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンによって自動的に加温された戻り燃
料を優先的にポンプに吸引させて、コスト安で、フィル
タの目詰りを有効に予防し、システムが安定して動作で
きるエンジンへの燃料供給システム及びその装置を提供
する。 【解決手段】 燃料タンク１とサブフィルタ３とメイン
フィルタ１７とポンプ６とエンジン８と燃料戻り管１０
とからなるエンジンへの燃料供給システムであって、燃
料タンク内に独立したサブフィルタ室２を形成し、該サ
ブフィルタ室へエンジンからの燃料戻り管を直接に導い
て燃料戻り管とサブフィルタとメインフィルタとポンプ
とエンジンとで燃料の循環系を形成すると共に、前記サ
ブフィルタ室と燃料タンク間にエンジンでの燃料消費量
に対応した燃料補給系４を形成したエンジンへの燃料供
給システム。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンクとサブフィ
ルタとメインフィルタとポンプとエンジンと燃料戻り管
とからなるエンジンへの燃料供給システム及びその装置
に関し、特に寒冷地における前記エンジンへの燃料供給
システムでフィルタの目詰りを予防するようにしたもの
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】エンジンへの燃料供給システムとして図
４に示すようなものが普通に知られている。即ち、図４
において、２１は燃料タンクであり、該燃料タンク２１
からの燃料（軽油）は、供給管２２からフィルタ２３を
経てポンプ２４で吸引され、ポンプアップされて供給管
２５を経てエンジン２６で噴射され、エンジン２６を稼
働する。エンジン２６の稼働に使用されない余剰の燃料
は燃料戻り管２７から前記燃料タンク２１に戻される。

【０００３】ところで、上記エンジンへの燃料供給シス
テムでは、これを寒冷地の自動車等に適用した場合、周
囲の温度が低温時（例えば摂氏−２０度）には燃料（軽
油）中のワックス成分が該システムのフィルタ２３に積
層し、フィルタ２３が目詰りするおそれがあるので、該
フィルタ２３を電気ヒ―タ２８等で加温して前記ワック
ス成分の積層を防止しフィルタ２３の目詰りを予防して
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述のよう
にフィルタ２３を電気ヒ―タ２８等で加温するようにし
た場合、そのコストが高く、また電気ヒ―タ２８の故障
時にはフィルタ２３の目詰りを有効に予防することがで
きない、という問題がある。

【０００５】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、エンジンに
よって自動的に加温された戻り燃料を優先的にポンプに
吸引させて、コスト安で、フィルタの目詰りを有効に予
防し、システムが安定して動作できるエンジンへの燃料
供給システム及びその装置を提供しようとするものであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明におけるエンジンへの燃料供給システムは、
燃料タンクとサブフィルタとメインフィルタとポンプと
エンジンと燃料戻り管とからなるエンジンへの燃料供給
システムであって、燃料タンク内に独立したサブフィル
タ室を形成し、該サブフィルタ室へエンジンからの燃料
戻り管を直接に導いて燃料戻り管とサブフィルタとメイ
ンフィルタとポンプとエンジンとで燃料の循環系を形成
すると共に、前記サブフィルタ室と燃料タンク間にエン
ジンでの燃料消費量に対応した燃料補給系を形成したこ
とを特徴とするものである。

【０００７】また、燃料タンク内に独立したサブフイル
タ室を形成し、該サブフイルタ室のサブフィルタの外側
にエンジンからの燃料戻り管の吐出口を開口させ、サブ
フィルタの内側にメインフィルタ及びポンプへの燃料供
給管の吸込口を開口させ、前記サブフィルタ室の下部に
燃料タンクと連通する燃料補給穴を形成したことを特徴
とするものでもある。

【０００８】また、前記サブフイルタ室の上部に、空気
抜き穴を形成したことを特徴とするものでもある。

【０００９】更に、前記サブフィルタの下部に、サブフ
ィルタの目詰り時の燃料吸込穴を形成したことを特徴と
するものでもある。

【００１０】

【発明の実施の形態】添付図面の図１ないし図３を参照
して本発明の実施例について説明する。図１あるいは図
２，図３において、１は燃料タンクでありエンジン用の
燃料である軽油が貯溜されており、該燃料タンク１内に
は独立してサブフィルタ室２が形成されている。該サブ
フィルタ室２にはサブフィルタ３が配置され、またサブ
フィルタ室２の底面には前記燃料タンク１と連通する燃
料補給穴４が形成されている。なお、該燃料補給穴４は
サブフィルタ室２の底面に限定されることなく、サブフ
ィルタ室２の下部であれば該室の側面に形成してもよ
い。

【００１１】５はメインフィルタ１７及びポンプ６への
燃料供給管であり、該燃料供給管５の一端は前記サブフ
ィルタ３の内側に吸込口７として開口している。また、
ポンプ６とエンジン８とは供給管９で接続されており、
エンジン８と前記燃料タンク１とは燃料戻り管１０で接
続されている。

【００１２】そして、前記燃料戻り管１０の一端は前記
サブフィルタ室２のサブフィルタ３の外側に吐出口１１
として開口している。

【００１３】したがって、この実施例では、燃料タンク
１とサブフィルタ３とメインフィルタ１７とポンプ６と
エンジン８と燃料戻り管１０とからなるエンジンへの燃
料供給システムであって、燃料タンク１内に独立したサ
ブフィルタ室２が形成され、該サブフィルタ室２へエン
ジン８からの燃料戻り管１０が直接に導かれ、これら燃
料戻り管１０とサブフィルタ３とメインフィルタ１７と
ポンプ６とエンジン８とで燃料の１つの循環系が形成さ
れることになる。また、前記サブフィルタ室２と燃料タ
ンク１間には燃料補給穴４を介してエンジン８での燃料
消費量に対応した燃料補給系が形成されることになる。

【００１４】上述のように、エンジン８からの燃料戻り
管１０内の戻り燃料はエンジン８で自動的に加温された
状態にあり、この加温された燃料がサブフィルタ室２の
サブフィルタ３の外側に吐出口１１から排出される。こ
こで、燃料補給穴４を介してエンジン８での燃料消費量
に対応した燃料が燃料タンク１から付加される。そし
て、全体としても暖かい燃料がサブフィルタ３に供給さ
れ、この燃料がサブフィルタ３を通過し、サブフィルタ
３の内側の燃料供給管５の吸込口７からメインフィルタ
１７，ポンプ６へと吸引されるようになるので、サブフ
ィルタ３及びメインフィルタ１７自体が暖かい燃料で加
温され、該サブフィルタ３及びメインフィルタ１７に燃
料（軽油）中のワックス成分が積層することはなく、サ
ブフィルタ３及びメインフィルタ１７の目詰りが予防さ
れ、システム全体としても安定して動作できるエンジン
への燃料供給システムとなる。

【００１５】そして、図３に示すように、サブフイルタ
室２の上部に、空気抜き穴１５を形成した場合には、サ
ブフィルタ３によって戻り燃料中に包含された空気が分
離されて、該空気抜き穴１５から外部に排出されるの
で、ポンプ６に吸引される燃料に空気が含まれることが
少なく、ポンプ効率を向上され、且つエンジン８での燃
料噴射効率も向上する。

【００１６】また、図２に示すように、サブフィルタ３
の下部に、サブフィルタ３の目詰り時の燃料吸込穴１６
を形成した場合には、仮にサブフィルタ３が目詰りした
時でも最少限度の戻り燃料が該吸込穴１６から供給管５
を介してメインフィルタ１７及びポンプ６に吸引される
ので、エンジン８がその稼働を停止することがない。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように、燃料タンク内に
独立したサブフィルタ室を形成し、該サブフィルタ室へ
エンジンからの燃料戻り管を直接に導いて、燃料戻り管
とサブフィルタとメインフィルタとポンプとエンジンと
で燃料の循環系を形成すると共に、前記サブフィルタ室
と燃料タンク間にエンジンでの燃料消費量に対応した燃
料補給系を形成したので、両フィルタ自体が暖かい燃料
で加温され、該両フィルタに燃料（軽油）中のワックス
成分が積層することはなく、フィルタの目詰りが予防さ
れ、システム全体としても安定して動作できるエンジン
への燃料供給システムとなる。

【００１８】また、請求項２の発明では、燃料タンク内
に独立したサブフイルタ室を形成し、該サブフイルタ室
のサブフィルタの外側にエンジンからの燃料戻り管の吐
出口を開口させ、サブフィルタの内側にメインフィル
タ，ポンプへの燃料供給管の吸込口を開口させ、前記サ
ブフィルタ室の下部に燃料タンクと連通する燃料補給穴
を形成したので、本発明に係るエンジンへの燃料供給シ
ステムを実施するのに最適なフイルタ装置となる。

【００１９】また、請求項３の発明では、前記サブフイ
ルタ室の上部に、空気抜き穴を形成したので、サブフィ
ルタによって戻り燃料中に包含された空気が分離され
て、該空気抜き穴から外部に排出されることから、ポン
プに吸引される燃料に空気が含まれることが少なく、ポ
ンプ効率が向上され、且つエンジンでの燃料噴射効率も
向上されるものとなる。

【００２０】更に、請求項４の発明では、前記サブフィ
ルタの下部に、サブフィルタの目詰り時の燃料吸込穴を
形成したので、仮にサブフィルタが目詰りした時でも最
少限度の戻り燃料が該吸込穴から供給管を介してメイン
フィルタ及びポンプに吸引されるので、エンジンがその
稼働を停止することがなく、より安定したエンジンへの
燃料供給システムを実施することができるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係るエンジンへの燃料供給シ
ステムの一実施例のブロック図である。

【図２】図２は、本発明に係るサブフイルタ室であり、
図３のＡ―Ａ断面図である。

【図３】図３は、本発明に係るサブフイルタ室の平面概
略図である。

【図４】図４は、従来例のエンジンへの燃料供給システ
ムのブロック図である。

【符号の説明】

１ 燃料タンク ２ フィルタ室 ３ フィルタ ４ 燃料補給穴 ５ 燃料供給管 ６ ポンプ ７ 吸込口 ８ エンジン ９ 供給管 １０ 燃料戻り管 １１ 吐出口 １５ 空気抜き穴 １６ 燃料吸込穴 １７ メインフィルタ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃料タンクとサブフィルタとメインフィル
   タとポンプとエンジンと燃料戻り管とからなるエンジン
   への燃料供給システムであって、燃料タンク内に独立し
   たサブフィルタ室を形成し、該サブフィルタ室へエンジ
   ンからの燃料戻り管を直接に導いて燃料戻り管とサブフ
   ィルタとメインフィルタとポンプとエンジンとで燃料の
   循環系を形成すると共に、前記サブフィルタ室と燃料タ
   ンク間にエンジンでの燃料消費量に対応した燃料補給系
   を形成したことを特徴とするエンジンへの燃料供給シス
   テム。
2. 【請求項２】燃料タンク内に独立したサブフイルタ室を
   形成し、該サブフイルタ室のサブフィルタの外側にエン
   ジンからの燃料戻り管の吐出口を開口させ、サブフィル
   タの内側にメインフィルタ及びポンプへの燃料供給管の
   吸込口を開口させ、前記サブフィルタ室の下部に燃料タ
   ンクと連通する燃料補給穴を形成したことを特徴とする
   エンジンへの燃料供給システムに適用されるフィルタ装
   置。
3. 【請求項３】前記サブフイルタ室の上部に、空気抜き穴
   を形成したことを特徴とする請求項２記載のフィルタ装
   置。
4. 【請求項４】前記サブフィルタの下部に、サブフィルタ
   の目詰り時の燃料吸込穴を形成したことを特徴とする請
   求項２記載のフィルタ装置。