JPH0232505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、自動車に装備される燃料タンク内の
燃料をエンジン側へ供給する燃料供給装置に関す
るものである。

【従来の技術】

一般に、自動車に装備される燃料タンクは容積
が大きいため、その配置場所に苦慮する。特に室
内を少しでも広くしたい小型車においては、この
傾向が大である。そこで、燃料タンクを床下に配
置することが従来から行われている。 このような燃料タンクの配置では、車室も広く
とれ、車体の重心も下げられる等の利点がある
が、反面、プロペラシヤフト等の部材との干渉を
避けるために燃料タンクの形状も薄くせざるを得
ず、タンク容量を充分確保し難い。 そこで従来、燃料タンクを薄くせずに充分なタ
ンク容量を確保するため、燃料タンクの底面の中
央にプロペラシヤフト等を挿通する凹部を設ける
ことが提案されている（実開昭49−98624号公報
参照）。この場合、燃料タンク内の燃料は燃料減
少時に上記凹部の両側に分離されるので、分離さ
れた燃料を連通管で連通したり、サクシヨンパイ
プ（燃料吸入パイプ）を凹部の両側に分岐させた
りして燃料の吸い残しを防止するようにしてい
る。

【考案が解決しようとする課題】

ところで、燃料タンク底面の凹部で分離された
燃料を連通管で連通する構成では、自動車の急旋
回、急制動などにより燃料液面が低下して連通管
内に空気が進入すると、それ以後連通管が機能し
なくなる。また、サクシヨンパイプ（燃料吸入パ
イプ）を凹部の両側に分岐させたものでは、凹部
のいずれか一方の側の燃料が空になつた場合に、
その分岐管から空気が吸込まれるのを防止するた
めの弁機構が必要となる。 そこで本考案は、連通管や分岐管を用いずに燃
料を無駄なくエンジン側へ供給できる効率の良い
燃料供給装置を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

この目的のため本考案は、燃料タンク内の底面
に形成された膨出部により一室と他室とに分離さ
れた燃料タンク内の燃料をエンジン側へ供給する
燃料供給装置であつて、上記一室内にインタンク
ポンプを備え、このインタンクポンプは、一室内
の燃料を吸入してエンジン側へ供給する第１のイ
ンペラと、他室内の燃料を移送パイプを介して一
室内に吸引する第２のインペラとを有することを
特徴とする。

【作用】

このような手段では、インタンクポンプの作動
により、第２のインペラが他室内の燃料を一室内
に吸引しつつ、第１のインペラが一室内の燃料を
エンジン側へ供給するから、燃料タンク内の燃料
は最後まで無駄なくエンジン側へ供給される。

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付の図面に基いて
具体的に説明する。 第１図に示すように、燃料タンク１は自動車の
後部座席の床下に配置され、その底面中央部には
第２図に示すようにプロペラシヤフト２を挿通す
るための凹部３が形成されている。そしてこの凹
部３により燃料タンク１の底面内側には壁状の膨
出部４が形成され、燃料減少時には上記膨出部４
の両側の一室Ａと他室Ｂとに燃料が分離されるよ
うになつている。 ここで、燃料タンク１の前記一室Ａ内には、第
３図に示す構造のインタンクポンプ５が設置され
ている。このインタンクポンプ５は、ケース６に
固定されたモータ７と、モータ９の回転軸７ａに
固定して上下２段に配置された第１のインペラ８
及び第２のインペラ９を主体に構成されている。 ここで前記第１のインペラ８は、ケース６の燃
料吸入口６ａと燃料吐出口６ｂとを連通する燃料
通路６ｃに臨んでいる。そして上記燃料吸入口６
ａには吸入パイプ１０が接続され、その先端には
一室Ａの底部に臨むフイルタ１１が固定さてい
る。また、燃料吐出口６ｂにはリリーフバルブ１
２を介して供給パイプ１３が接続されている。 一方、第２のインペラ９は、ケース６の燃料排
出口６ｄに連通するチヤンバ１４に臨んでいる。
そしてこのチヤンバ１４の燃料吸引口１４ａに
は、燃料の移送パイプ１５が接続され、この移送
パイプ１５は燃料タンク１底面の膨出部４に沿つ
て他室Ｂの底部に先端が臨んでいる。 以上の構成では、モータ９の駆動により第１の
インペラ８及び第２のインペラ９が回転してイン
タンクポンプ５が作動する。そして第２のインペ
ラ９の回転により、燃料タンク１の他室Ｂ内の燃
料は、移送パイプ１５を介してチヤンバ１４内に
吸引され、燃料排出口６ｄを介して燃料タンク１
の一室Ａ内に移送される。そしてこの一室Ａ内の
燃料は、第１のインペラ８の回転により、フイル
タ１１から吸入パイプ１０、燃料通路６ｃ、リリ
ーフバルブ１２、供給パイプ１３を介してエンジ
ン側へ供給される。こうして燃料タンク１内の燃
料は、最後まで無駄なくエンジン側へ供給される
ようになる。 ここで本実施例では、第１のエンペラ８と第２
のエンペラ９とを共通のモータ７で駆動している
ので、装置構成がコンパクトである。 なお、チヤンバ１４の下隈に小孔１６を設けれ
ば、燃料の移送効率の向上に役立つ。 また、第１のエンペラ８と第２のエンペラ９と
はそれぞれ独立した駆動源で駆動するようにして
もよい。

【考案の効果】

以上説明したとおり本考案によれば、インタン
クポンプの作動により、第２のインペラが他室内
の燃料を一室内に吸引しつつ、第１のインペラが
一室内の燃料をエンジン側へ供給する。従つて、
燃料タンク内の燃料を最後まで無駄なくエンジン
側へ供給することができ、効率がよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における燃料タンク
の配置を示す側面図、第２図は第１図の−線
断面図、第３図は一実施例の断面図である。 １……燃料タンク、２……プロペラシヤフト、
３……凹部、４……膨出部、５……インタンクポ
ンプ、６……ケース、６ａ……燃料吸入口、６ｂ
……燃料吐出口、６ｃ……燃料通路、６ｄ……燃
料排出口、７……モータ、７ａ……回転軸、８…
…第１のインペラ、９……第２のインペラ、１０
……吸入パイプ、１１……フイルタ、１２……リ
リーフバルブ、１３……供給パイプ、１４……チ
ヤンバ、１４ａ……燃料吸引口、１５……移送パ
イプ、Ａ……一室、Ｂ……他室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料タンク内の底面に形成された膨出部により
   一室と他室とに分離された燃料タンク内の燃料を
   エンジン側へ供給する燃料供給装置であつて、 上記一室内にインタンクポンプを備え、このイ
   ンタンクポンプは、一室内の燃料を吸入してエン
   ジン側へ供給する第１のインペラと、他室内の燃
   料を移送パイプを介して一室内に吸引する第２の
   インペラとを有することを特徴とする燃料供給装
   置。