JPH1162184A - 床パネル支持装置用支柱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端に加わる横荷重に対して有効に補強され
た床パネル支持装置用支柱を提供する。 【解決手段】 床パネル支持装置用支柱１は、支持プレ
ート２と、支持プレート２に下端部を組み付けられた支
柱パイプ４と、支柱パイプ４の上端部に設けられた雌ネ
ジ部材５と、雌ネジ部材５に螺合したボルト７と、を備
える。支柱１はさらに、外径より大なる長さを有する筒
状の補強部材１０を有する。補強部材１０は、少なくと
も上端部にボルト７と螺合するネジ孔６を有している。
補強部材１０は、ボルト７に螺着したときに下端が雌ネ
ジ部材５の上端に当接可能となされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、床パネルを支持す
るための床パネル支持装置に用いられる支柱に関する。

【０００２】

【従来の技術】二重床構造を形成するため、コンクリー
トスラブ等の基盤面から上方に間隔をあけた調整可能な
高さ位置に床パネルを支持するための床パネル支持装置
は数多く知られている。かかる床パネル支持装置用の支
柱の基本的な構成は、床パネルが載置されるパネル受け
部品を調整可能な高さ位置に装架することのできるボル
トと、該ボルトの下端部に組み付けられて横方向に広が
る支持プレートとの組み合わせである。かかる構成の支
柱は、低床用の支柱として好適である。

【０００３】中床用または高床用の支柱としては、ボル
トと支持プレートとの間に中間の支柱パイプないし支柱
パイプ部分を介在させたものが用いられる。支柱パイプ
ないし支柱パイプ部分には雌ネジ部材ないし雌ネジ部分
が設けられており、この雌ネジとボルトとが螺合するこ
とにより、ボルトは自身の高さ位置を調整可能となされ
ている。したがって、かかる構成の支柱は、ボルト上で
のパネル受け部品の高さ位置調整と、ボルト自身の高さ
位置調整との双方が可能なので、適用される床パネルの
高さへの対応範囲が広い。

【０００４】支柱パイプ等を利用した支柱としては、特
開平２−８５４５９号公報および特開平３−２９５９６
９号公報に記載のものが知られている。いずれの場合に
おいても、ボルトを雌ネジ部材ないし雌ネジ部分上に固
定するために通常のナットが用いられている。これらの
従来技術の支柱における欠点は、横方向荷重に対する強
度の観点から、支柱パイプ等から上方に突出させること
のできるボルト部分の長さに制限がある、ということで
ある。

【０００５】支柱パイプ等から突出させることができる
ボルト部分の長さが長いほど、対応できる床高さの範囲
が広くなるので有利である。しかしながら、単一の外径
を有するボルトの突出部分が長くなるほど、パネル受け
部品を介して受ける横荷重によりボルトの突出部分の基
部に作用する曲げ応力は大きくなるので、強度上の点か
らボルトの突出部分をあまり長くすることはできないの
である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の解決し
ようとする課題は、支柱パイプから上方に突出するボル
ト部分が横荷重に対して有効に補強された、床パネル支
持装置用支柱を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明によれば、基盤面から上方に間隔をあけた調
整可能な高さ位置に床パネルを支持するための床パネル
支持装置に用いられる支柱において、横方向に広がって
前記基盤面と当接可能な支持プレートと、該支持プレー
トの中央に下端部を組み付けられた直立する支柱パイプ
と、該支柱パイプの上端部に設けられ、該支柱パイプと
同心のネジ孔を有する雌ネジ部材と、該雌ネジ部材のネ
ジ孔に螺合して自身の高さ位置を調整可能なボルトにし
て、床パネルが載置されるパネル受け部品を調整可能な
高さ位置に装架可能なボルトと、外径より大なる長さを
有する筒状の補強部材であって、少なくとも上端部に前
記ボルトと螺合するネジ孔を有しており、前記ボルトに
螺着したときに下端が前記雌ネジ部材の上端に当接可能
となされている補強部材と、を備えて成る床パネル支持
装置用支柱が提供される。

【０００８】前記補強部材は、その全長にわたってネジ
孔が設けられているものとしてもよい。

【０００９】前記補強部材は、ネジ部を有さずに前記ボ
ルトに嵌合するスリーブ部分と、該スリーブ部分とは別
体とされたナット部分にして、前記ボルトに嵌合した前
記スリーブ部分の上方から前記ボルトに螺合され、前記
スリーブ部分をその下端が前記雌ネジ部材の上端に当接
せしめるように押圧可能となされたナット部分とから構
成されたものとしてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１に、本発明の一実施例による
床パネル支持装置用支柱１の縦断面図を示す。該支柱１
は、横方向に広がり、コンクリートスラブ等の基盤面に
固定される支持プレート２を備えている。支持プレート
２のほぼ中央には孔３が設けられている。直立する支柱
パイプ４が、その下端部を孔３に嵌合せしめられ、適当
な結合手段により支持プレート２に組み付けられてい
る。支柱パイプ４の上端部には、雌ネジ部材５が適当な
固着手段により取り付けられている。雌ネジ部材５に
は、支柱パイプ４と同芯のネジ孔６が設けられている。

【００１１】雌ネジ部材５のネジ孔６には、全長にわた
ってネジが切られているボルト７が螺合している。該ボ
ルト７を回転させることにより、支柱パイプ４に対する
ボルト７自身の高さ位置を調整することができる。図４
に示すように、ボルト７の上端部には、床パネル８の隅
部を載置するパネル受け部品９を調整可能な高さ位置に
装架することができる。

【００１２】図１に示すように、支柱パイプ４から上方
にあるボルト７の突出部分の基部には、補強部材１０が
取り付けられている。この補強部材１０は、全体とし
て、外径より長さの方が寸法が大きく、筒状をしてい
る。

【００１３】図１に示した補強部材１０は、互いに別体
の二つの構成部分からなる。一方の構成部分は、ボルト
７と螺合するためのネジ孔１１を有するナット部分１２
であり、他方の構成部分は、半径方向の間隙をもってボ
ルト７に嵌合するスリーブ部分１３である。ナット部分
１２の下面からは、環状のスカート部１４が下方に伸長
している。

【００１４】スリーブ部分１３をボルト７に嵌めた後、
ナット部分１２をボルト７に取り付けて下方に螺進させ
てゆくと、スカート部１４がスリーブ部分１３内に嵌合
し、該スカート部１４の半径方向外方に位置するナット
部分１２の下面がスリーブ部分１３の上端に当接する。
一方、スリーブ部分１３の下端は、雌ネジ部材５の上端
に押し付けられるように当接する。ナット部分１２をさ
らに回して、スリーブ部分１３がナット部分１２と雌ネ
ジ部材５との間で締め付けられるようにすると、補強部
材１０は、ボルト７および支柱パイプ４に対して一体的
構造となり、ボルト７を固定する。

【００１５】このようにして、支柱パイプ４から上方に
あるボルト７の突出部分の基部は、補強部材１０によっ
て実質的に大径部構造とされることにより、横方向荷重
に関して補強される。したがって、図１のように支柱パ
イプ４からボルト７を長く突出させても、十分な強度が
保証される。

【００１６】床パネルをさらに高い位置で支持したい場
合、支柱パイプ４から上方に突出するボルト７の部分の
長さも、図２に示すように長くなる。このような場合、
図１に示した長さの補強部材１０では補強が不十分とな
ることがある。そこで、図２に示すような比較的長い補
強部材１０ａを使用する。実際には、補強部材１０のス
リーブ部分１３を、より長いスリーブ部分１３ａと交換
し、これを補強部材１０のナット部分１２と組み合わせ
ることにより、長い補強部材１０ａを容易に得ることが
できる。

【００１７】このように、安価に製造できる、ネジ部を
有しないスリーブ部分１３、１３ａを長さ別に何種類か
用意しておけば、支柱パイプ４からのボルト７の突出部
分の長さに応じて、的確な補強を行うことができる。

【００１８】いかなる長さの補強部材１０、１０ａを用
いるかは、雌ネジ部材５からボルト７が突出する長さ
（図１および図２においてそれぞれＬ₁およびＬ₂）によ
って決められる。パネル受け部品９を介してボルト７の
先端が受ける想定横荷重に対し、比較的小径のボルト７
が比較的大径の補強部材１０、１０ａから突出すること
を許容される長さは、計算から求められる。したがっ
て、図１および図２にそれぞれ示すような、補強部材１
０、１０ａから突出するボルト７の長さｌ₁およびｌ
₂が、常に、この許容長さ以下の範囲内に収まるよう、
使用すべき補強部材１０、１０ａの長さが決定される。

【００１９】本発明による支柱１を用いて、床パネル８
を基盤面から上方に高く間隔をあけた位置に支持した状
態を、図４に示す。

【００２０】図１および図２に示した実施例において
は、補強部材１０、１０ａが、互いに別体とされたナッ
ト部分１２とスリーブ部分１３、１３ａとを組み合わせ
て構成されている。しかしながら、これらのナット部分
とスリーブ部分とが一体となって補強部材を構成するよ
うにしてもよい。この場合、一体の補強部材の上端部に
ネジ孔１１が形成されることになる。一体の補強部材を
使用する場合でも、互いに長さの異なる何種類かの補強
部材を用意しておけば、対応範囲が広くなって有利であ
る点は、前述した通りである。

【００２１】一体の補強部材の別の形態として、ボルト
７と螺合可能なネジ孔を、全長にわたって設けたものを
採用することができる。かかる補強部材は、外径より大
きな寸法の長さを有するナットに類似した形状とするこ
とができる。その一例となる補強部材１０ｂを図３に示
す。この場合においても、互いに長さの異なる補強部材
１０ｂを何種類か用意しておくとよい。

【００２２】本発明の支柱に採用される補強部材の各実
施例は、いずれも外径よりも長さが大きくされており、
それにより、ボルトの固定締め付け機能とは別に、ボル
ト突出部分の補強機能をも発揮することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の床パネル支持装置用支柱によれ
ば、支柱パイプから突出するボルト部分が補強部材によ
って横荷重に対し有効に補強されるので、該補強部材が
無い場合と比べ、ボルト突出部分を長くすることができ
る。

【００２４】互いに長さ（高さ）の異なる何種類かの補
強部材を用意し、これらを選択して使用すれば、広範囲
にわたるボルト突出部分の長さに対して的確に対応する
ことができる。

【００２５】補強部材が、ネジ部を有しないスリーブ部
分と、これとは別体のナット部分とからなる場合には、
安価に製造できるスリーブ部分のみを何種類か用意して
おけばよいので、さらに有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による床パネル支持装置用支
柱の縦断面図であり、比較的短い補強部材が用いられて
いる。

【図２】本発明の別の実施例による床パネル支持装置用
支柱の縦断面図であり、比較的長い補強部材が用いられ
ている。

【図３】本発明のさらに別の実施例による床パネル支持
装置用支柱の縦断面図であり、図１および図２に示した
補強部材とは異なる形態の補強部材が用いられている。

【図４】本発明による支柱を用いて床パネルを支持して
いる状態を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 床パネル支持装置用支柱、２ 支持プレート、３
孔、４ 支柱パイプ、５雌ネジ部材、６ ネジ孔、７
ボルト、８ 床パネル、９ パネル受け部品、１０；１
０ａ；１０ｂ 補強部材、１１ ネジ孔、１２ ナット
部分、１３；１３ａ スリーブ部分、１４ スカート
部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 周藤 剛 埼玉県八潮市新町39番地 ナカ工業株式会 社技術研究所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基盤面から上方に間隔をあけた調整可能
   な高さ位置に床パネルを支持するための床パネル支持装
   置に用いられる支柱において、 横方向に広がって前記基盤面と当接可能な支持プレート
   と、 該支持プレートの中央に下端部を組み付けられた直立す
   る支柱パイプと、 該支柱パイプの上端部に設けられ、該支柱パイプと同心
   のネジ孔を有する雌ネジ部材と、 該雌ネジ部材のネジ孔に螺合して自身の高さ位置を調整
   可能なボルトにして、床パネルが載置されるパネル受け
   部品を調整可能な高さ位置に装架可能なボルトと、 外径より大なる長さを有する筒状の補強部材であって、
   少なくとも上端部に前記ボルトと螺合するネジ孔を有し
   ており、前記ボルトに螺着したときに下端が前記雌ネジ
   部材の上端に当接可能となされている補強部材と、 を備えて成る床パネル支持装置用支柱。
2. 【請求項２】 前記補強部材の全長にわたってネジ孔が
   設けられていることを特徴とする請求項１に記載の床パ
   ネル支持装置用支柱。
3. 【請求項３】 前記補強部材が、ネジ部を有さずに前記
   ボルトに嵌合するスリーブ部分と、該スリーブ部分とは
   別体とされたナット部分にして、前記ボルトに嵌合した
   前記スリーブ部分の上方から前記ボルトに螺合され、前
   記スリーブ部分をその下端が前記雌ネジ部材の上端に当
   接せしめるように押圧可能となされたナット部分とから
   構成されていることを特徴とする請求項１に記載の床パ
   ネル支持装置用支柱。