JPH1161470A - 重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方法 - Google Patents

重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方法

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JPH1161470A
JPH1161470A JP22180197A JP22180197A JPH1161470A JP H1161470 A JPH1161470 A JP H1161470A JP 22180197 A JP22180197 A JP 22180197A JP 22180197 A JP22180197 A JP 22180197A JP H1161470 A JPH1161470 A JP H1161470A
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heavy hydrocarbon
cleaning agent
equipment
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Akio Furuta
昭男 古田
Masatoshi Yamada
正年 山田
Yuji Ito
祐二 伊藤
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業時間が短く、作業時の危険性がなく、洗
浄後の廃液処理にも問題のない重質炭化水素系スラッジ
も付着した機器の洗浄方法を提供する。 【解決手段】 上記スラッジの油分汚れに対して溶解性
を有する石油系炭化水素Aと、溶解分散を促進する含酸
素極性有機化合物Bとの混合物からなる有機洗浄剤を用
い、この有機洗浄剤を機器に循環供給するか、浸漬させ
て、有機洗浄剤中にスラッジの油分成分を溶解分散さ
せ、残ったスラッジの残渣を機械洗浄法によって除去
し、洗浄廃液を石油プラント内の原料に戻し、混合する
ことによって重質炭化水素系スラッジの付着した機器の
洗浄を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油系炭化水素を
原料として処理する装置に組み込まれ、また重質炭化水
素系スラッジが付着した多管式熱交換器等の機器の洗浄
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油精製プラントにおいて、重質炭化水
素系の原料を処理する装置である真空蒸留装置、流動接
触分解装置、コーキング装置等に組み込まれる熱交換器
等の機器では、その内部のチューブ等の表面に高粘性の
油分を含む重質炭化水素系の付着物(以下、スラッジと
する。)が付着する。このスラッジが付着した機器類で
は、伝熱効率などが低下し、プラント全体の生産効率に
も影響を及ぼすため、定期的にプラントを一定期間停止
して、機器類の洗浄を実施している。
【0003】従来、この機器類の洗浄は、物理的に汚れ
を落とす機械洗浄法や、化学的に汚れを落とす化学洗浄
法によって実施されている。機械洗浄法には、高圧水を
小径ノズルにより連続的に噴射し、水の衝突力によりス
ラッジを除去するジェット洗浄法、砂、アルミナ、鋼球
などの研硝材を高速で噴射し、その衝突力でスラッジを
除去するブラスト洗浄法、管内にピグを水や空気で圧送
しスラッジを除去するピグ洗浄法、カッターやブラシを
回転させてスラッジを除去する切削洗浄法などがある。
化学洗浄法は、界面活性剤を主とする化学薬品を用いて
スラッジを溶解させて除去する洗浄方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重質炭
化水素系スラッジを洗浄の対象にした場合、上記機械洗
浄法のいずれの方法を採用しても、高粘性のスラッジを
除去するのに多大な時間と費用がかかり、その上スラッ
ジを完全に除去することができなかった。また、汚れ作
業、廃水処理作業、高圧ジェット作業等による作業員へ
の危険性の問題があった。
【0005】また、化学洗浄法においては、一般に重質
炭化水素系スラッジの溶解除去効率は十分ではなく、従
来の化学薬品を用いる場合、除去効率を上げるために、
例えば、洗浄処理温度を80℃程度に保持しなければな
らなかった。また、従来の化学薬品を用いた水溶液洗浄
剤には環境汚染の危険性があり、洗浄処理後の洗浄廃液
を環境汚染の危険がないように処理しなければならず、
そのための費用がかかった。その上、これらの化学薬品
は高価なものであるため、全体のコストが高くなってし
まうという問題があった。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、スラッジを除去するのに作業時間が短く、作業時の
危険性がなく、洗浄後の洗浄廃液の処理にも問題がな
く、スラッジを容易に確実に除去することができ、しか
も低コストで実施できる重質炭化水素系スラッジが付着
した機器の洗浄方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、石油系炭化水素を原料として処理する装置
に組み込まれ重質炭化水素系スラッジが付着した機器
を、有機洗浄剤を用いて洗浄する方法において、前記有
機洗浄剤が、重質炭化水素系スラッジの油分汚れに対し
て溶解性を有する石油系炭化水素Aと、溶解分散を促進
する含酸素極性有機化合物Bとの混合物であり、前記機
器内に有機洗浄剤を循環供給するかまたは機器を有機洗
浄剤に浸漬することによって、油分汚れを溶解分散する
工程と、前記溶解分散工程の後、重質炭化水素系スラッ
ジの汚れ残渣を剥離除去する工程と、洗浄後の有機洗浄
剤を原料に混合して処理する工程とを有する重質炭化水
素系スラッジが付着した機器の洗浄方法を提供する。
【0008】上記洗浄方法においては、有機洗浄剤の石
油系炭化水素Aと含酸素極性有機化合物Bとの混合比
A:Bを100:1〜5:5とすることがの望まく、上
記石油系炭化水素Aが、沸点が200℃以上で、常温に
おいて液体であることが望ましい。また、上記含酸素極
性有機化合物Bが、上記石油系炭化水素Aと相互溶解性
を有する下記一般式(I)で示されるカルボン酸エステ
ル、脂肪族ケトンまたは芳香族ケトンの群から選ばれる
少なくとも1つの化合物であることが望ましい。
【0009】
【化2】 〔式中、R1はアルキル基(置換アルキル基を含む)、
フェニル基またはアルコキシ基を示し、R2は炭素数1
〜4のアルキル基またはアルコキシ基またはフェニル基
を示す。〕
【0010】さらに、上記溶解分散工程を、室温〜26
0℃において実施し、上記スラッジの残渣を剥離除去す
る物理処理工程を、ジェット洗浄法にて実施することが
望ましい。
【0011】
【作用】上記多管式熱交換器等の機器の内部のチューブ
等に付着する重質炭化水素系スラッジは、高粘性の油分
と金属酸化物(硫化鉄等)等の粒子成分からなり、油分
の粘着力によりチューブ表面に固着されている。本発明
の有機洗浄剤の成分の一つである石油系炭化水素Aは、
スラッジの高粘性の油分汚れを溶解する作用があり、も
う一つの成分である含酸素極性有機化合物Bには、スラ
ッジに石油系炭化水素Aを浸透させる作用がある。本発
明の洗浄方法における溶解分散工程においては、この両
者の共同作用によりスラッジの表面だけではなく、その
内部の油分汚れまで、有機洗浄剤中に溶解分散するの
で、高粘性のスラッジはサラサラ状に変化する。そし
て、つづく剥離除去する物理処理工程によって、サラサ
ラ状に変化した固体粒子状のスラッジの残渣が機器表面
から容易に除去される。
【0012】また、本発明に用いられる含酸素極性有機
化合物B及び有機洗浄剤は、石油精製装置の処理対象で
ある原料中に戻し、混合して原料として処理したとして
も石油精製プラントにおける処理、例えば触媒等に悪影
響を及ぼすことはなく、石油系炭化水素Aも、石油精製
設備内で供給されるものであるので問題がない。したが
って、上記石油系炭化水素Aと含酸素極性有機化合物B
からなる有機洗浄剤においては、洗浄後の洗浄廃液を別
途処理することなく、製油所設備系内にフィードバック
して処理することができる。このため、廃液処理コスト
の削減が可能となり、また、この混合物から石油系炭化
水素Aを製品として回収可能となり、環境汚染の問題も
ない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる有機洗浄剤は、重質炭化水素
系スラッジの油分汚れに対して溶解性を有する石油系炭
化水素Aと、スラッジの前記石油系炭化水素Aへの溶解
分散を促進する含酸素極性有機化合物Bとの混合物であ
る。
【0014】石油系炭化水素Aとしては、重質炭化水素
系スラッジの油分汚れを溶解する炭化水素であれば、ガ
ソリン、ナフサなどの沸点の低いものから重油などの沸
点の高いものまで特に制限無く用いることができるが、
取り扱い易さ、入手の容易さ等から、原料を精製して得
られるもので沸点が200℃以上で、常温において液体
であるものが好ましい。具体的には、石油精製装置の常
圧蒸留塔(トッパー)からの軽油留分であるガスオイル
(以下、GOと略記)、減圧蒸留塔からの軽油留分であ
るライトガスオイル(以下、LGOと略記)、サイクル
オイル(以下、CLGOと略記)、ライトサイクルオイ
ル(以下、LCOと略記)等が挙げられ、これらの中か
ら、洗浄対象である重質炭化水素系スラッジに対する溶
解性などを考慮して適宜選択して用いることができる。
【0015】含酸素極性有機化合物Bとしては、好まし
くは、前記石油系炭化水素Aと相溶性のある上記一般式
(I)で示されるカルボン酸エステル、脂肪族ケトンお
よび芳香族ケトンの群から選ばれる少なくとも一つの化
合物が用いられる。具体的には、カルボン酸エステルと
しては、β−メトキシイソ酪酸メチル(以下、MBMと
略記)、ギ酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エ
チル、安息香酸エチル等が挙げられ、脂肪族ケトンとし
ては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピル
ケトン、イソプロピルメチルケトン、イソブチルメチル
ケトン、ピナコロン、ジエチルケトン、ジイソプロピル
ケトン等が挙げられ、芳香族ケトンとしては、アセトフ
ェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレロフ
ェノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。これらの化合
物は、それ単独で用いても、2種以上を混合して用いて
もよく、MBMまたはアセトフェノンがスラッジの油分
を溶解させる効果が高く最適とされ、これらの単独使用
あるいは混合使用したものが好適に用いられる。
【0016】上述の石油系炭化水素Aと含酸素極性有機
化合物Bとの混合比A:Bは、100:1〜5:5の範
囲が好ましく、さらに、100:1〜4:6であればよ
り好ましい。石油系炭化水素Aの割合が前記範囲を越え
ると、石油系炭化水素Aが重質炭化水素系スラッジに浸
透する速度が遅くなり、結果的に溶解速度が遅く、機器
の洗浄に要する時間が長くなり不都合となる。また、含
酸素極性有機化合物Bの割合が前記範囲を越えると、ス
ラッジの減少率は低下し、またコストがかかり不都合と
なり、この範囲未満であれば、スラッジを除去すること
ができなくなり不都合となる。
【0017】また、上記有機洗浄剤に、含酸素極性有機
化合物B以外の有機溶媒を添加することができる。具体
的には、重質炭化水素系以外の汚れが存在している場合
に、その汚れに対して溶解性を有する有機溶剤、例えば
ベンジルエーテルなどのエーテル類、アルコール類、グ
リコールエーテル類などが挙げられる。
【0018】次に、本発明の洗浄工程について説明す
る。第1段階は機器に付着したスラッジを溶解除去する
工程である。まず、石油精製プラントの運転を停止し、
常圧蒸留装置、流動接触分解装置、コーキング装置等に
組み込まれる機器、例えば熱交換をプラントシステムか
ら独立させる。そして、これらの機器の洗浄対象部分で
あるチューブ内、またはチューブとシュルとの間に、上
述の有機洗浄剤を流し込み、ポンプなどにより該有機洗
浄剤を循環させてスラッジが有機洗浄剤とよく接触する
ようにする。あるいは、熱交換器のチューブバンドルを
引き出し、スラッジの付着部分を有機洗浄剤中に浸漬さ
せて、バブリング等により撹拌する。
【0019】このいずれかの方法により有機洗浄剤とス
ラッジとを所定時間、例えば室温(20℃)において1
0時間程度接触させることにより、機器表面に付着した
重質炭酸水素系スラッジの油分のほとんどを有機洗浄剤
中に溶解分散させることができ、残りのスラッジの汚れ
残渣は、機器表面から剥離し易いサラサラ状の状態に変
化する。
【0020】第2の工程は、上記スラッジの汚れ残渣を
物理的に除去する工程である。この工程には、一般に用
いられる機械洗浄法を用いることができるが、ジェット
洗浄によるスラッジの汚れ残渣の除去が容易に短時間で
できるので好適に用いられる。この第2の工程において
は、上述の第1の工程を経ているので、従来の機械洗浄
のみの洗浄方法よりも、洗浄力に要するエネルギーがは
るかに少なくて済み、しかも短時間の処理でスラッジを
除去することができるので、作業時の危険性も少なく、
コストも低く抑えられる。
【0021】そして、最後の工程は、上記第1の工程に
おいてスラッジの油分汚れが溶解分散した有機洗浄廃液
を原料中に戻し混合する工程である。この洗浄廃液は、
石油精製装置内の原料に混合することができ、この混合
物は、通常の蒸留装置などの石油プラントで処理するこ
とができる。よって、洗浄廃液を処理するのに特別な処
理をする必要がないので、コストもかからず、また環境
汚染の危険性もない。
【0022】これらの洗浄工程は、全て常温にて行うこ
とができるが、第1の溶解分散工程においては、高温ほ
どスラッジの油分の溶解速度が早くなり処理時間を短縮
することができるため、その処理温度を常温〜260℃
の範囲にすることができ、好ましくは、常温〜200℃
の範囲がより好ましい。260℃を越えると有機洗浄剤
の成分が分解する危険性があり好ましくない。本発明の
洗浄方法においては、上記有機洗浄剤を用いたものであ
り、スラッジの残余汚れの除去は第2の工程において行
うものであるので、高温により第1の工程の処理を行う
場合にも処理時間が非常に少ないので、従来の化学洗浄
法に比べて作業コストや危険性等は低くなる。この処理
温度は、作業コストや全体の処理時間とを考慮して適宜
選択される。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 試験例1 まず、本発明に適用される有機洗浄剤を実施例とし、そ
れ以外のものを比較例として有機洗浄剤を調製した。
【0024】(実施例1)石油系炭化水素AとしてGO
を用い、含酸素極性有機化合物BとしてMBMとアセト
フェノンとを2:1の割合で混合した混合物を用いて、
A:Bの混合比が15:3となるように混合して、実施
例1の有機洗浄剤を調製した。 (実施例2)石油系炭化水素AとしてGOを用い、含酸
素極性有機化合物BとしてMBMを用い、混合比A:B
が6:4となるように混合して実施例2の有機洗浄剤を
調製した。 (実施例3)石油系炭化水素AとしてGOを用い、含酸
素極性有機化合物Bとしてアセトフェノンを用い、混合
比A:Bが6:4となるように混合して実施例3の有機
洗浄剤を調製した。
【0025】(比較例1)GO単独のものを比較例1の
有機洗浄剤とした。 (比較例2)MBM単独のものを比較例2の有機洗浄剤
とした。 (比較例3)アセトフェノン単独のものを比較例3の有
機洗浄剤とした。
【0026】上記実施例1〜3、比較例1〜3の有機洗
浄剤と、減圧蒸留装置に組み込まれた機器である多管式
熱交換器のチューブの一部に付着したスラッジとをそれ
ぞれ1:1の割合となるように混合し、振とう速度を2
16rpm、温度20℃にて振とうさせ、振とう時間に
おけるスラッジの減少量を測定した。
【0027】このとき、振とう前のスラッジの厚さをL
0とし、振とう後のスラッジの厚さをLとして、L/L0
を求め、これをスラッジの減少量とした。これらの結果
を、縦軸をスラッジの減少量L/L0、横軸を振とう時
間として図1のグラフに示す。図中、記号●は実施例1
を、記号▲は実施例2を、記号▼は実施例3を、記号○
は比較例1を、記号◇は比較例2を、記号×は比較例3
を示す。
【0028】この試験例1の結果より、比較例2と3、
すなわち含酸素極性有機化合物B単独のものでは、重質
炭化水素系スラッジは全く除去されていないことがわか
る。また、比較例3、すなわちGO単独のものにおいて
は、スラッジは一部除去されているものの、その除去速
度は実施例に比べて遅いことがわかる。これに対し、実
施例1〜3においては、スラッジの除去速度が早く、ス
ラッジが大幅に減少していることがわかる。また、上述
の実施例1〜3について洗浄を実施したあとに残ったス
ラッジの残渣に対し、高圧水を小径のノズルから噴射し
たところ、この残渣を容易に取り除くことができた。
【0029】試験例2 上記G0の代わりにLCOを用いた以外は試験例1と同
様にして、実施例4〜6(実施例1〜3に対応する)、
比較例4(比較例1に対応する)の有機洗浄剤を調製
し、試験例1と同様にしてスラッジの減少量についてそ
れぞれ測定した。これら結果を、縦軸をスラッジの減少
量L/L0、横軸を振とう時間として図2のグラフに示
す。図中、記号●は実施例4を、記号▲は実施例5を、
記号▼は実施例6を、記号○は比較例4を、記号◇は比
較例2を、記号×は比較例3を示す。
【0030】この試験例2の結果より、比較例4、すな
わちLCO単独のものにおいては、スラッジは除去速度
は、比較例2、3に比べて早いことがわかるが、実施例
4〜6においては、さらにスラッジの除去速度が早く、
スラッジが大幅に減少していることがわかる。
【0031】試験例3 石油系炭化水素AとしてGOを用い、含酸素極性有機化
合物BとしてMBMとアセトフェノンを1:2の割合で
混合した混合物を用い、その混合比A:Bを1:0(0
%)、19:1(5%)、9:1(10%)、8:2
(20%)、6:4(40%)としてそれぞれの有機洗
浄剤を調整した。このとき上記括弧内は有機洗浄剤中の
含酸素極性有機化合物Bの割合を%(ここでの%はvo
l%を示す)として表示したものである。
【0032】そして、スラッジ試料として流動接触装置
よりキャリーオーバーした平衡触媒と精留塔ボトム油を
用いて、このスラッジと上記調製した有機洗浄剤とをそ
れぞれ1:1の割合となるように混合し、振とう速度を
215rpm、温度20℃にて振とうさせ、振とう時間
におけるスラッジの減少量L/L0を測定した。これら
結果を、縦軸をスラッジの減少量L/L0、横軸を振と
う時間として図3のグラフに示す。図中、混合比を有機
洗浄剤に対する含酸素極性有機化合物Bの割合を%とし
て表示し、記号●は0%、記号○は5%、記号△は10
%、記号□は20%、記号◇は40%を示す。
【0033】試験3の結果より、本発明の洗浄方法に用
いられる有機洗浄剤(上記5%〜40%の範囲のもの)
においては、十分な洗浄効果を有することがわかる。
【0034】試験例4 石油系炭化水素AとしてGOを用い、含酸素極性有機化
合物Bとしてアセトフェノンを用いて、両者の混合比を
変えて有機洗浄剤を調製し、試験例1と同様の条件にて
該有機洗浄剤とスラッジとを振とうし、スラッジの減少
率を算出した。このとき、スラッジの減少率とは、(L
0−L)/L0を示す。これらの結果を図4のグラフに示
す。図中、混合比を有機洗浄剤に対するアセトフェノン
の割合(アセトフェノンの濃度)として表示し、縦軸を
スラッジの減少率(L0−L)/L0、横軸をアセトフェ
ノンの濃度(vol%)とした。記号○は試験例4の結
果を示す。
【0035】試験例4の結果から、アセトフェノンの割
合が、1%(混合比A:Bが約100:1)以上におい
て、スラッジの減少率がG0単独のときよりも大きくな
り、50%(混合比A:Bが5:5)がスラッジ減少率
が最も高く、その除去効率上好ましいといえる。そし
て、80%(混合比A:Bが1:4)を越えると、スラ
ッジの減少率はGO単独のものよりも低下しており、そ
れ以上アセトフェノンを加えても意味がなく、逆に除去
効率が低下することがわかる。上記のように、GOに僅
かにアセトフェノンを添加する場合においても、その効
果がみられるということがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の洗浄方法
を用いて、石油精製プラントの重質炭化水素系スラッジ
が付着した、減圧蒸留装置、流動接触分解装置、コーキ
ング装置等に組み込まれる熱交換器などの機器を洗浄す
る場合には、危険作業を伴うことなく、短時間に確実
に、また低コストで重質炭化水素系スラッジを除去する
ことができる。よって、石油精製プラントの停止期間も
短縮でき、熱交換器等の運転効率を高めることができ、
操業コストの低減を計ることができる。また、洗浄処理
後に排出された洗浄廃液を石油精製設備内で処理するこ
とができるので、廃液処理のコストが削減でき、環境汚
染の問題も全く心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試験例1の結果を示したグラフであ
る。
【図2】本発明の試験例2の結果を示したグラフであ
る。
【図3】本発明の試験例3の結果を示したグラフであ
る。
【図4】本発明の試験例4の結果を示したグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古田 昭男 愛知県半田市州の崎町2−110 日揮株式 会社衣浦研究所内 (72)発明者 山田 正年 愛知県半田市州の崎町2−110 日揮株式 会社衣浦研究所内 (72)発明者 伊藤 祐二 愛知県半田市州の崎町2−110 日本工業 洗浄株式会社試験室内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油系炭化水素を原料として処理する装
    置に組み込まれ重質炭酸水素系スラッジが付着した機器
    を、有機洗浄剤を用いて洗浄する方法において、 前記有機洗浄剤が、重質炭化水素系スラッジの油分汚れ
    に対して溶解性を有する石油系炭化水素Aと、溶解分散
    を促進する含酸素極性有機化合物Bとの混合物であり、 前記機器内に有機洗浄剤を循環供給するかまたは機器を
    有機洗浄剤に浸漬することによって、油分汚れを溶解分
    散する工程と、 前記溶解分散工程の後、重質炭化水素系スラッジの汚れ
    残渣を剥離除去する工程と、 洗浄後の有機洗浄剤を原料に混合して処理する工程とを
    有する重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方
    法。
  2. 【請求項2】 上記有機洗浄剤の石油系炭化水素Aと含
    酸素極性有機化合物Bとの混合比A:Bが100:1〜
    5:5であることを特徴とする請求項1記載の重質炭化
    水素系スラッジが付着した機器の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 上記石油系炭化水素Aが、沸点が200
    ℃以上で、常温において液体である請求項1または2記
    載の重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 上記含酸素極性有機化合物Bが、上記石
    油系炭化水素Aと相互溶解性を有する下記一般式(I)
    で示されるカルボン酸エステル、脂肪族ケトンまたは芳
    香族ケトンの群から選ばれる少なくとも1つの化合物で
    あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の
    重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方法。 【化1】 〔式中、R1はアルキル基(置換アルキル基を含む)、
    フェニル基またはアルコキシ基を示し、R2は炭素数1
    〜4のアルキル基またはアルコキシ基またはフェニル基
    を示す。〕
  5. 【請求項5】 上記溶解分散工程を、室温〜260℃に
    おいて実施することを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか記載の重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗
    浄方法。
  6. 【請求項6】 上記スラッジの残渣を剥離除去する物理
    処理工程を、ジェット洗浄法にて実施することを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか記載の重質炭化水素系ス
    ラッジが付着した機器の洗浄方法。
JP22180197A 1997-08-18 1997-08-18 重質炭化水素系スラッジが付着した機器の洗浄方法 Pending JPH1161470A (ja)

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