JPH1161352A - 高温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼 - Google Patents
高温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼Info
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- JPH1161352A JPH1161352A JP23085997A JP23085997A JPH1161352A JP H1161352 A JPH1161352 A JP H1161352A JP 23085997 A JP23085997 A JP 23085997A JP 23085997 A JP23085997 A JP 23085997A JP H1161352 A JPH1161352 A JP H1161352A
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- Japan
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- corrosion resistance
- steel
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- austenitic steel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】700℃越えの高温における強度と耐食性に優
れたオーステナイト鋼を提供する。 【解決手段】重量%で、C:0.01〜0.1%と、S
i:0.1〜0.5%と、Mn:0.5〜2%と、P:
0.021〜0.05%と、S:0.01%以下と、N
i:13〜18%と、Cr:20〜25%と、Nb:
0.3〜1%と、B:0.001〜0.005%と、
N:0.1〜0.2%と、Al:0.008%以下とを
含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる高温にお
ける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼。
れたオーステナイト鋼を提供する。 【解決手段】重量%で、C:0.01〜0.1%と、S
i:0.1〜0.5%と、Mn:0.5〜2%と、P:
0.021〜0.05%と、S:0.01%以下と、N
i:13〜18%と、Cr:20〜25%と、Nb:
0.3〜1%と、B:0.001〜0.005%と、
N:0.1〜0.2%と、Al:0.008%以下とを
含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる高温にお
ける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、700℃越えの高
温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼に関
する。
温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼に関
する。
【0002】
【従来の技術】18%Cr−8%Ni系オーステナイト
系ステンレス鋼は、高温強度と耐食性に優れNi基合金
等に比べ経済的であるため、ボイラや化学プラント機器
等の装置用材料等に広く使用されている。
系ステンレス鋼は、高温強度と耐食性に優れNi基合金
等に比べ経済的であるため、ボイラや化学プラント機器
等の装置用材料等に広く使用されている。
【0003】ところが、近年かかる用途では、使用条件
の苛酷化が著しく、この種の装置用材料に必要とされる
性能が高度化し、その結果現用の上記18−8系ステン
レス鋼では高温強度、耐食性ともに不十分となってき
た。従って、特に700℃を越える高温腐食環境下にお
ける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼の開発が望
まれている。
の苛酷化が著しく、この種の装置用材料に必要とされる
性能が高度化し、その結果現用の上記18−8系ステン
レス鋼では高温強度、耐食性ともに不十分となってき
た。従って、特に700℃を越える高温腐食環境下にお
ける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼の開発が望
まれている。
【0004】一般に、耐食性の改善はCrの増量によっ
て達成される。ところでCr量を増すと、オーステナイ
ト相を維持するのにNi量の増加を余儀なくされること
となるが、このような高合金化では、耐食性の改善は達
せられるものの、高温強度としては、18−8系ステン
レス鋼レベルを維持できればよい方で、多くの場合、高
Cr−Ni系のSUS310鋼の例にみるように低下を
きたす。その対策として、特公昭62−14629号公
報、特公昭62−14630号公報、特公平1−202
22号公報では、高Cr−Ni系鋼に、オーステナイト
相維持のためNを添加し、さらに必要に応じてNb、B
を添加して高温強度を改善した合金が提案されている。
また、特開昭62−243742号公報、特開昭62−
243743号公報及び特開昭62−243744号公
報では、高Cr−Ni系鋼に強化機構を適用するためP
を添加し、さらに必要に応じてNb、Bを添加して高温
強度を改善した合金が提案されている。
て達成される。ところでCr量を増すと、オーステナイ
ト相を維持するのにNi量の増加を余儀なくされること
となるが、このような高合金化では、耐食性の改善は達
せられるものの、高温強度としては、18−8系ステン
レス鋼レベルを維持できればよい方で、多くの場合、高
Cr−Ni系のSUS310鋼の例にみるように低下を
きたす。その対策として、特公昭62−14629号公
報、特公昭62−14630号公報、特公平1−202
22号公報では、高Cr−Ni系鋼に、オーステナイト
相維持のためNを添加し、さらに必要に応じてNb、B
を添加して高温強度を改善した合金が提案されている。
また、特開昭62−243742号公報、特開昭62−
243743号公報及び特開昭62−243744号公
報では、高Cr−Ni系鋼に強化機構を適用するためP
を添加し、さらに必要に応じてNb、Bを添加して高温
強度を改善した合金が提案されている。
【0005】一方、高温における耐食性改善について
は、特公昭60−33182号公報では、オーステナイ
ト鋼の耐力または降伏応力を経験式に基づいて規定する
ことにより、特に固体粒子を含有する高温エロージョン
環境下で優れた耐エロージョン性を有する合金が提案さ
れている。また、特公平3−79423号公報では、オ
ーステナイト鋼の酸素量を0.006%以下に抑えると
ともにN含有量を調整し、両者の相乗作用により、耐水
蒸気酸化性及び耐高温腐食性を改善した合金が提案され
ている。
は、特公昭60−33182号公報では、オーステナイ
ト鋼の耐力または降伏応力を経験式に基づいて規定する
ことにより、特に固体粒子を含有する高温エロージョン
環境下で優れた耐エロージョン性を有する合金が提案さ
れている。また、特公平3−79423号公報では、オ
ーステナイト鋼の酸素量を0.006%以下に抑えると
ともにN含有量を調整し、両者の相乗作用により、耐水
蒸気酸化性及び耐高温腐食性を改善した合金が提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た特公昭62−14629号公報、特公昭62−146
30号公報、特公平1−20222号公報、特開昭62
−243742号公報、特開昭62−243743号公
報及び特開昭62−243744号公報の技術はいずれ
も、700℃以下の高温におけるオーステナイト鋼の強
度(650〜700℃×1000時間以上のクリープ破
断応力)の改善に係るものであり、700℃を越える高
温における強度と耐食性の改善についての解決手段は示
されていない。
た特公昭62−14629号公報、特公昭62−146
30号公報、特公平1−20222号公報、特開昭62
−243742号公報、特開昭62−243743号公
報及び特開昭62−243744号公報の技術はいずれ
も、700℃以下の高温におけるオーステナイト鋼の強
度(650〜700℃×1000時間以上のクリープ破
断応力)の改善に係るものであり、700℃を越える高
温における強度と耐食性の改善についての解決手段は示
されていない。
【0007】また、特公昭60−33182号公報に
は、高温における固体粒子吹付け時(500〜750℃
×1時間)の耐力については示されているが、700℃
越えの高温における強度の改善(700℃×1000時
間以上のクリープ破断応力改善)については示されてお
らず、特公平3−79423号公報は、高温における耐
食性の向上が主体であり、高温強度の改善については示
されていない。本発明の目的は、700℃越えの高温に
おける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼を提供す
ることにある。
は、高温における固体粒子吹付け時(500〜750℃
×1時間)の耐力については示されているが、700℃
越えの高温における強度の改善(700℃×1000時
間以上のクリープ破断応力改善)については示されてお
らず、特公平3−79423号公報は、高温における耐
食性の向上が主体であり、高温強度の改善については示
されていない。本発明の目的は、700℃越えの高温に
おける強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。
【0009】(1)本発明の鋼は、重量%で、C:0.
01〜0.1%と、Si:0.1〜0.5%と、Mn:
0.5〜2%と、P:0.021〜0.05%と、S:
0.01%以下と、Ni:13〜18%と、Cr:20
〜25%と、Nb:0.3〜1%と、B:0.001〜
0.005%と、N:0.1〜0.2%と、Al:0.
008%以下とを含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなる高温における強度と耐食性に優れたオーステナ
イト鋼である。
01〜0.1%と、Si:0.1〜0.5%と、Mn:
0.5〜2%と、P:0.021〜0.05%と、S:
0.01%以下と、Ni:13〜18%と、Cr:20
〜25%と、Nb:0.3〜1%と、B:0.001〜
0.005%と、N:0.1〜0.2%と、Al:0.
008%以下とを含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなる高温における強度と耐食性に優れたオーステナ
イト鋼である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記の課題を解決
するために、鋼の化学成分と700℃越えの高温におけ
る強度及び耐食性との関係について、鋭意研究を重ね
た。その結果、オーステナイト鋼の700℃越えの高温
強度を向上させるためには、Cr:20〜25%及びN
i:13〜18%の含有を基本組成とする22%Cr−
15%Ni系鋼でPの添加による強化機構を適用し、さ
らにN,Nb,Bの添加とAl添加量の抑制(≦0.0
08%)が有効であるという知見が得られた。
するために、鋼の化学成分と700℃越えの高温におけ
る強度及び耐食性との関係について、鋭意研究を重ね
た。その結果、オーステナイト鋼の700℃越えの高温
強度を向上させるためには、Cr:20〜25%及びN
i:13〜18%の含有を基本組成とする22%Cr−
15%Ni系鋼でPの添加による強化機構を適用し、さ
らにN,Nb,Bの添加とAl添加量の抑制(≦0.0
08%)が有効であるという知見が得られた。
【0011】この知見に基づき、本発明者らは、22%
Cr−15%Ni系鋼にP,N,Nb及びBを一定範囲
量添加し、さらにAl添加量を一定値以下に抑制するよ
うにして、700℃越えの高温における強度と耐食性に
優れたオーステナイト鋼を見出し、本発明を完成させ
た。
Cr−15%Ni系鋼にP,N,Nb及びBを一定範囲
量添加し、さらにAl添加量を一定値以下に抑制するよ
うにして、700℃越えの高温における強度と耐食性に
優れたオーステナイト鋼を見出し、本発明を完成させ
た。
【0012】すなわち、本発明は、鋼組成を下記範囲に
限定することにより、700℃越えの高温における強度
と耐食性に優れたオーステナイト鋼を提供することがで
きる。
限定することにより、700℃越えの高温における強度
と耐食性に優れたオーステナイト鋼を提供することがで
きる。
【0013】以下に本発明の成分添加理由及び成分限定
理由について説明する。
理由について説明する。
【0014】(1)成分組成範囲 C:0.01〜0.1% 鋼の粒界強度向上に役立ち高温強度を向上させる作用が
ある。しかし、0.01%未満では所望の高温強度が得
られず、0.1%を越えて添加すると溶接性が劣化する
ことから、添加量は0.01〜0.1%である。 Si:0.1〜0.5% 脱酸に効果があり、鋼中のO低減を通じて熱間加工性を
向上させる。しかし、0.1%未満では脱酸効果が不足
し、0.5%を越えて添加すると、熱間加工性の低下を
招くため、添加量は0.1〜0.5%である。
ある。しかし、0.01%未満では所望の高温強度が得
られず、0.1%を越えて添加すると溶接性が劣化する
ことから、添加量は0.01〜0.1%である。 Si:0.1〜0.5% 脱酸に効果があり、鋼中のO低減を通じて熱間加工性を
向上させる。しかし、0.1%未満では脱酸効果が不足
し、0.5%を越えて添加すると、熱間加工性の低下を
招くため、添加量は0.1〜0.5%である。
【0015】Mn:0.5〜2% 脱硫及び脱酸作用がある。しかし、0.5%未満では脱
酸不足となり、2%を越えて添加すると高温強度及び耐
食性が低下するため、添加量は0.5〜2%である。
酸不足となり、2%を越えて添加すると高温強度及び耐
食性が低下するため、添加量は0.5〜2%である。
【0016】P:0.021〜0.05% 高温強度を向上させる作用がある。しかし、0.021
%未満では所望の高温強度が得られず、0.05%を越
えて添加すると熱間加工性の低下を招くことから、添加
量は0.021〜0.05%である。 S:0.01%以下 0.01%を越えて添加すると、熱間加工性の低下を招
くため、上限は0.01%である。 Ni:13〜18% 高温強度の向上、オーステナイト相の安定化及び耐食性
向上の作用がある。しかし、13%未満では所望の高温
強度及び耐食性が得られない。また、18%を越えて添
加すると熱間加工性の低下と同時にコストの上昇を招く
ため、添加量は13〜18%である。
%未満では所望の高温強度が得られず、0.05%を越
えて添加すると熱間加工性の低下を招くことから、添加
量は0.021〜0.05%である。 S:0.01%以下 0.01%を越えて添加すると、熱間加工性の低下を招
くため、上限は0.01%である。 Ni:13〜18% 高温強度の向上、オーステナイト相の安定化及び耐食性
向上の作用がある。しかし、13%未満では所望の高温
強度及び耐食性が得られない。また、18%を越えて添
加すると熱間加工性の低下と同時にコストの上昇を招く
ため、添加量は13〜18%である。
【0017】Cr:20〜25% 特に高温での耐食性を向上させる作用がある。しかし、
20%未満では所望の耐食性が得られない。また、25
%を越えて添加すると熱間加工性の低下と同時にコスト
の上昇を招くため、添加量は20〜25%である。 Nb:0.3〜1% 炭化物を形成し、高温強度を向上させる作用がある。し
かし、0.3%未満では所望の高温強度が得られない。
また、1%を越えて添加すると熱間加工性及び溶接性が
劣化するため、添加量は0.3〜1%である。 B:0.001〜0.005% 高温強度を向上させる作用がある。しかし、0.001
%未満では所望の高温強度が得られない。また、0.0
05%を越えて添加すると熱間加工性及び溶接性が劣化
するため、添加量は0.001〜0.005%である。 N:0.1〜0.2% 高温強度を向上させ、オーステナイト相を安定させる作
用がある。しかし、0.1%未満では所望の高温強度が
得られない。また、0.2%を越えて添加すると熱間加
工性が低下するため、添加量は0.1〜0.2%であ
る。
20%未満では所望の耐食性が得られない。また、25
%を越えて添加すると熱間加工性の低下と同時にコスト
の上昇を招くため、添加量は20〜25%である。 Nb:0.3〜1% 炭化物を形成し、高温強度を向上させる作用がある。し
かし、0.3%未満では所望の高温強度が得られない。
また、1%を越えて添加すると熱間加工性及び溶接性が
劣化するため、添加量は0.3〜1%である。 B:0.001〜0.005% 高温強度を向上させる作用がある。しかし、0.001
%未満では所望の高温強度が得られない。また、0.0
05%を越えて添加すると熱間加工性及び溶接性が劣化
するため、添加量は0.001〜0.005%である。 N:0.1〜0.2% 高温強度を向上させ、オーステナイト相を安定させる作
用がある。しかし、0.1%未満では所望の高温強度が
得られない。また、0.2%を越えて添加すると熱間加
工性が低下するため、添加量は0.1〜0.2%であ
る。
【0018】Al:0.008%以下 脱酸作用がある。しかし、0.008%を越えて添加す
ると高温強度が低下するため、上限は0.008%であ
る。上記の成分組成範囲に調整することにより、700
℃越えの高温における強度と耐食性に優れたオーステナ
イト鋼を得ることが可能となる。
ると高温強度が低下するため、上限は0.008%であ
る。上記の成分組成範囲に調整することにより、700
℃越えの高温における強度と耐食性に優れたオーステナ
イト鋼を得ることが可能となる。
【0019】なお、製造条件については本発明では特に
限定されない。すなわち、鋼の溶製方法、鋼板製造時の
圧延方法及び熱処理方法は通常採用される条件であれば
よい。
限定されない。すなわち、鋼の溶製方法、鋼板製造時の
圧延方法及び熱処理方法は通常採用される条件であれば
よい。
【0020】以下に本発明の実施例を挙げ、本発明の効
果を立証する。
果を立証する。
【0021】
【実施例】表1、2に示す化学成分を有する本発明鋼N
o.1〜30及び比較鋼A〜M(本発明鋼を30チャー
ジ及び比較鋼を13チャージ、計43チャージ)を各々
50kg電気炉で溶解し、得られた鋼塊を12mm板に
圧延後、溶体化熱処理を行い、クリープ破断試験片と腐
食試験片を長手方向に採取した。
o.1〜30及び比較鋼A〜M(本発明鋼を30チャー
ジ及び比較鋼を13チャージ、計43チャージ)を各々
50kg電気炉で溶解し、得られた鋼塊を12mm板に
圧延後、溶体化熱処理を行い、クリープ破断試験片と腐
食試験片を長手方向に採取した。
【0022】クリープ破断試験は750℃で実施し、1
000時間の破断応力を求めた。
000時間の破断応力を求めた。
【0023】高温腐食試験は試験片表面に合成石炭灰
(34%Na2 SO4 −41%K2 SO4 −25%Fe
2 O3 )を塗布し、720℃で1%SO2 −5%O2 −
10%CO2 −残部N2 の雰囲気で、100時間曝し
た。試験後、表面スケールを過マンガン酸カリウムで溶
かし、試験前と試験後の試験片重量差を求め、腐食減量
を算出した。なお、高温腐食試験温度の720℃は、オ
ーステナイト系ステンレス鋼で高温腐食量が最もピーク
に達する温度であるため、あえてクリープ破断試験温度
(750℃)と変えて条件設定した。以上の試験結果を
表2に示す。同表より、本発明鋼No.1〜30はいず
れも、本発明の目標とする750℃×1000時間の破
断応力が11kgf/mm2以上、かつ720℃×10
0時間の腐食減量が170mg/cm2 以下の性能を示
しており、700℃越えの高温における強度と耐食性に
優れていることがわかる。
(34%Na2 SO4 −41%K2 SO4 −25%Fe
2 O3 )を塗布し、720℃で1%SO2 −5%O2 −
10%CO2 −残部N2 の雰囲気で、100時間曝し
た。試験後、表面スケールを過マンガン酸カリウムで溶
かし、試験前と試験後の試験片重量差を求め、腐食減量
を算出した。なお、高温腐食試験温度の720℃は、オ
ーステナイト系ステンレス鋼で高温腐食量が最もピーク
に達する温度であるため、あえてクリープ破断試験温度
(750℃)と変えて条件設定した。以上の試験結果を
表2に示す。同表より、本発明鋼No.1〜30はいず
れも、本発明の目標とする750℃×1000時間の破
断応力が11kgf/mm2以上、かつ720℃×10
0時間の腐食減量が170mg/cm2 以下の性能を示
しており、700℃越えの高温における強度と耐食性に
優れていることがわかる。
【0024】一方、比較鋼A〜Mは、いずれも化学成分
が本発明で規定する範囲から外れているため、700℃
越えの高温における強度または耐食性のいずれかが劣っ
ている。
が本発明で規定する範囲から外れているため、700℃
越えの高温における強度または耐食性のいずれかが劣っ
ている。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明は、鋼組成を特定することによ
り、700℃越えの高温における強度と耐食性に優れた
オーステナイト鋼を提供することができる。本発明の鋼
は、特に700℃越えの高温腐食環境下等使用条件の過
酷なボイラや化学プラント機器等の装置用材料に適用で
きるなど、産業上極めて有用である。
り、700℃越えの高温における強度と耐食性に優れた
オーステナイト鋼を提供することができる。本発明の鋼
は、特に700℃越えの高温腐食環境下等使用条件の過
酷なボイラや化学プラント機器等の装置用材料に適用で
きるなど、産業上極めて有用である。
【図1】本発明の実施例に係る各供試鋼の高温強度と高
温腐食減量を示す図。
温腐食減量を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠山 晃 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.01〜0.1%と、
Si:0.1〜0.5%と、Mn:0.5〜2%と、
P:0.021〜0.05%と、S:0.01%以下
と、Ni:13〜18%と、Cr:20〜25%と、N
b:0.3〜1%と、B:0.001〜0.005%
と、N:0.1〜0.2%と、Al:0.008%以下
とを含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる高温
における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23085997A JPH1161352A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 高温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23085997A JPH1161352A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 高温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1161352A true JPH1161352A (ja) | 1999-03-05 |
Family
ID=16914433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23085997A Pending JPH1161352A (ja) | 1997-08-27 | 1997-08-27 | 高温における強度と耐食性に優れたオーステナイト鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1161352A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006075853A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | オーステナイト系合金鋼のレーザ溶接継手およびその製造方法 |
JP2012255198A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | オーステナイト系ステンレス鋼管の製造方法及びオーステナイト系ステンレス鋼管 |
-
1997
- 1997-08-27 JP JP23085997A patent/JPH1161352A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006075853A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Sumitomo Metal Ind Ltd | オーステナイト系合金鋼のレーザ溶接継手およびその製造方法 |
JP2012255198A (ja) * | 2011-06-10 | 2012-12-27 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | オーステナイト系ステンレス鋼管の製造方法及びオーステナイト系ステンレス鋼管 |
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