JPH1161112A - 蛍光体ペースト組成物の製造方法 - Google Patents

蛍光体ペースト組成物の製造方法

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JPH1161112A
JPH1161112A JP22934997A JP22934997A JPH1161112A JP H1161112 A JPH1161112 A JP H1161112A JP 22934997 A JP22934997 A JP 22934997A JP 22934997 A JP22934997 A JP 22934997A JP H1161112 A JPH1161112 A JP H1161112A
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JP
Japan
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phosphor
paste composition
phosphor paste
composition
raw material
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JP22934997A
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English (en)
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Norio Miura
典夫 三浦
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Kasei Optonix Ltd
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造過程で蛍光体ペースト組成物の組成比や
粘度を変化させず、製造時の環境汚染を防止し、特性の
安定性、及び製造時の操業安全性に優れた蛍光体ペース
ト組成物の製造方法を提供しようとするものである。 【解決手段】 蛍光体とバインダー樹脂と有機溶剤とを
含む原料組成物を密閉容器内に収容し、前記原料組成物
中にホモジナイザーの攪拌部を浸漬させて高速回転させ
ることにより、前記組成物を混練することを特徴とする
蛍光体ペースト組成物の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプラズマ
ディスプレイ(PDP)やフィールドエミッションディ
スプレイ(FED)等のフラットパネルディスプレイ
(FPD)の蛍光膜作成に用いる蛍光体ペーストを効率
良く、かつ安定的に製造できる蛍光体ペースト組成物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】FPD用の蛍光膜を作成する方法の1つ
に、蛍光体とバインダー樹脂を有機溶剤中に分散させ、
混練して蛍光体ペースト組成物を製造し、該組成物を印
刷法等によって所定のパターンでパネル基板上に塗布
し、乾燥させて蛍光膜とする方法が採用されている。
【0003】従来は、前記用途に用いる蛍光体ペースト
組成物を製造するには、蛍光体とバインダー樹脂を有機
溶剤中に分散させてなる混合物原料をメディアミル、ロ
ールミル等で混練することによって製造していた。しか
し、この方法では、混練処理中に原料混合物から揮発性
成分が揮散して、ペースト用原料組成物の組成比や粘度
が変化するため、蛍光体ペースト組成物の特性が安定せ
ず、有機成分の揮散による環境汚染や製造中に塵等の不
純物の混入が問題になっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記の問題点を解消し、製造過程で蛍光体ペースト組成物
の組成比や粘度を変化させず、製造時の環境汚染を防止
し、特性の安定性、及び製造時の操業安全性に優れた蛍
光体ペースト組成物の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明者等は、蛍光体ペ
ースト組成物の原料を密閉容器に充填し、ホモジナイザ
ーを用いて高速攪拌して混練することにより、前記課題
を解決できることを見いだし本発明を完成した。本発明
の構成は以下のとおりである。
【0006】(1) 蛍光体とバインダー樹脂と有機溶剤と
を含む原料組成物を密閉容器内に収容し、前記原料組成
物中にホモジナイザーの攪拌部を浸漬させて高速回転さ
せることにより、前記組成物を混練することを特徴とす
る蛍光体ペースト組成物の製造方法。
【0007】(2) 前記蛍光体が200nm以下の真空紫
外線又は加速電圧が10kV以下の電子線で励起された
時に、可視域で発光する蛍光体であることを特徴とする
前記(1) に記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
【0008】(3) 前記原料組成物中の前記蛍光体の含有
量を25〜80重量%に調整することを特徴とする前記
(1) 又は(2) 記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
【0009】(4) 前記有機溶剤が170℃以上の沸点を
有することを特徴とする前記(1) 〜(3) のいずれか1項
に記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
【0010】(5) 前記原料組成物を混錬した後の前記蛍
光体ペースト組成物の粘度を10〜500Pa・sの範
囲に調整することを特徴とする前記(1) 〜(4) のいずれ
か1項に記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
【0011】(6) 前記ホモジナイザーの攪拌部を周速度
5〜15m/secで回転させることを特徴とする前記
()1 〜(5) のいづれか1項に記載の蛍光体ペースト組成
物の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明では、蛍光体をバインダー樹脂に分散さ
せ、有機溶剤を加えてペーストの粘度を調節するため、
蛍光体、バインダー樹脂及び有機溶剤からなる原料を密
閉可能な容器に充填し、必要に応じて分散剤等を添加し
て容器を密閉した後、ホモジナイザーを用いて高速攪拌
・混錬し、蛍光体ペースト組成物を製造する。
【0013】本発明でいう「ホモジナイザー」とは、例
えば、ホモミキサー(特殊機化工株式会社製)等の高速
攪拌・混練機をいい、原料組成物を密閉容器内で硬い攪
拌部材の空隙部を強制的に通過させることにより均一な
混合・乳化を行うことのできる分散・乳化機をいう。
【0014】本発明においては、ホモジナイザーの密閉
容器に原料組成物を充填し、ホモジナイザーの攪拌部分
を原料組成物中に浸漬させた状態で攪拌部分を回転さ
せ、攪拌する。攪拌部分は充填された原料組成物中に部
分的に浸漬させるのではなく、完全に浸漬した状態で回
転させた方が良い。
【0015】ホモジナイザーの攪拌部分の回転数は、原
料の蛍光体の硬度等により適宜調整するが、通常の蛍光
体であれば、攪拌部分の周速度を5〜15m/secの
範囲に調整することが好ましい。周速度を低くすると、
原料組成物中での蛍光体組成物中での蛍光体の分散が不
十分となり、また、周速度を高くすると、蛍光体の分散
は良好となるが、蛍光体へのダメージにより蛍光体の発
光輝度が低下するので共に好ましくない。混錬時間(処
理時間)は、ホモジナイザー中に仕込まれる原料組成物
の量や、蛍光体の種類、得られる蛍光体ペーストの粘度
にもよるが、ほぼ数十分ないし数時間の範囲で十分であ
る。
【0016】本発明の製造方法に用いる蛍光体は、特に
制限されないが、波長域が200nm以下の真空紫外線
励起下で高輝度に発光するPDP用蛍光体の、2価のユ
ーロピウム及び/又はマンガン付活アルカリ土類アルミ
ン酸塩蛍光体や、加速電圧が10kV以下の電子線で励
起して高効率に発光するFED用又は蛍光表示管用蛍光
体等が用いられ、有機バインダー中に分散してペースト
化して印刷法等の方法で蛍光膜を作成するために用いる
蛍光体が最適である。
【0017】本発明の製造方法に用いるバインダー樹脂
は、セルロース誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルアルコール、エチレンー酢酸ビニル共重合体樹脂、
ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等が
用いられる。
【0018】これらの蛍光体とバインダー樹脂と共に用
いる有機溶剤は、得られる蛍光体ペースト組成物を用い
てスクリーン印刷法等により蛍光膜を形成する際に、前
記溶剤が揮発して組成が変化する等などの不都合がある
ので、これを継続的に安定して蛍光膜を形成することが
できるように、170℃以上の沸点を有する有機溶剤を
選択する必要がある。また、蛍光膜形成後の蛍光膜の乾
燥を効率良く行うために、沸点が300℃以下の有機溶
剤を用いることが好ましい。
【0019】前記の有機溶剤を例示すると、エチレング
リコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコー
ルモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリ
コールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモ
ノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキ
ルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルアセテ
ート類、テルピネオール等を挙げることができる。
【0020】前記原料組成物中の蛍光体の配合量は、全
原料組成物に対して25〜80重量%の範囲とし、ホモ
ジナイザーにより混錬して最終的に得られる蛍光体ペー
スト組成物の粘度は、低すぎると、例えばスクリーン印
刷法で蛍光膜を作製する際に印刷用の版の裏面が汚れ易
くなり、蛍光体ペースト組成物が印刷後に流動して精細
な蛍光膜を得ることが難しい。また、前記粘度が高すぎ
ると、印刷用の版のメッシュ中のパスが悪くなって良好
な蛍光膜を得ることが難しい。そのため、蛍光体ペース
ト組成物の粘度は、10〜500Pa・sとなるように
調整することが好ましい。
【0021】また、これに加える有機溶剤の添加量は、
蛍光体ペースト組成物の粘度を所望の範囲にするように
適宜調整する。なお、原料組成物の粘度が高い場合は、
添加する有機溶剤の添加量を増量する代わりに、密閉容
器に充填した原料組成物を40〜100℃に保持して混
錬すれば低い粘度で処理することができ、比較的短時間
で均一に分散した蛍光体ペースト組成物を得ることがで
きる。
【0022】なお、ホモジナイザーの密閉容器内は、原
料組成物を充填した後、混練を始める前に予め窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性ガスで容器内部の空気を置
換してから混錬すると、混錬中に発する溶剤ガスが静電
気等により爆発するなどの危険を防止することができる
ので、環境上、安全上も好ましい。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これら
実施例に限定されるものではない。
【0024】(実施例1)バインダー樹脂としてエチレ
ンー酢酸ビニル共重合体樹脂(三井ポリケミカル社製、
エバフレックス40W)12重量%、有機溶剤としてテ
ルピネオールとジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルとの1:1の混合物88重量%と混合し、これを70
℃に加熱、溶解して、バインダー樹脂の溶解液を調製し
た。
【0025】このバインダー樹脂の溶解液30重量部と
ZnS:Ag,Al蛍光体(化成オプトニクス社製、P
22ーB1)70重量部とを混合して原料組成物を調製
し、この原料組成物1リットルをホモジナイザーの密閉
容器内に入れて容器を密閉し、タービン(攪拌部)の周
速度を8m/secに設定して6分間混錬処理し、実施
例1の蛍光体ペースト組成物(PーE1a)を得た。
【0026】得られた蛍光体ペースト組成物(PーE1
a)について、グラインドゲージを用いて、蛍光体ペー
スト組成物中の蛍光体粉末の分散性を評価したところ、
分散性は良好であった。
【0027】また、前記蛍光体ペースト組成物(PーE
1a)と全く同様にして4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーE1b、PーE1c、PーE1d、PーE1e)
を別途製造した。
【0028】前記蛍光体ペースト組成物(PーE1a〜
PーE1e)について、それぞれ製造後24時間経過し
た時の粘度をHAKKE社レオメータRSー50で測定
したところ、それらの粘度の平均値及びその偏差は、剪
断速度が5(1/s)の時、51±3Pa・sであり、
測定値の偏差は約5%であって、ロット間における粘度
のバラツキは比較的少ないことが分かる。
【0029】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーE
1a)をスクリーン印刷法(SUS325メッシュ使
用)によってガラス基板上に塗布し、次いで、塗膜を1
30℃で1.5時間熱処理して乾燥し、さらに、450
℃で60分間ベーキングして膜厚15μの蛍光膜(Fー
E1a)をガラス基板上に作製した。
【0030】また、他の4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーE1b〜PーE1e)を用いて、前記蛍光膜(F
ーE1a)と同様にして塗膜を塗布し、乾燥した後、さ
らに450℃で60分間ベーキングを行って樹脂分を除
去し、膜厚15μの4種類の蛍光膜(FーE1b、Fー
E1c、FーE1d、FーE1e)を作製した。
【0031】得られた5種類のそれぞれの蛍光膜(Fー
E1a〜FーE1e)について、加速電圧7kVの電子
線を照射して発光輝度を測定した。発光輝度測定時の標
準試料として、各蛍光体ペースト組成物(PーEa〜P
ーEe)製造に用いたと同じ蛍光体(ZnS:Ag,A
l)をガラス基板上に水中で沈降塗布し、これを水中か
ら取り出して乾燥させ、標準蛍光膜(FーS1)とし
た。
【0032】前記5種類の蛍光膜(FーE1a〜FーE
1e)の発光輝度の平均値及びその偏差は、標準蛍光膜
(FーS1)の発光輝度の98±1%であり、蛍光体を
ペースト化することにより、下記比較例1の場合と比べ
て発光輝度の低下が抑制されたことが分かる。
【0033】(比較例1)比較のために、実施例1で調
製したバインダー樹脂の溶解液と蛍光体とからなる原料
組成物1リットルを、実施例1のホモジナイザーの代わ
りに三本ロールを用いて10分間混錬して、比較例1の
蛍光体ペースト組成物(PーR1a)を得た。
【0034】得られた蛍光体ペースト組成物(PーR1
a)について、グラインドゲージを用いて、蛍光体ペー
スト組成物中の蛍光体粉末の分散性を評価したところ、
グラインドゲージのクリアランスが30〜40μのとこ
ろから、凝集粒子の粒によるスジが発生し、実施例1の
蛍光体ペースト組成物(PーE1a)と比べて、ペース
ト中の蛍光体粒子の分散性不良が明らかであった。な
お、グラインドゲージのクリアランスとは、両端に高さ
が連続的に変化する土手を設けた中央の溝の先端に蛍光
体ペーストを流し込み、これを上から土手に沿って平坦
な板でペーストを引っ張って掃引し、前記溝にペースト
を延ばして膜を作る。この時、溝内の膜にペースト中の
粒子の凝集があると、塗膜上にスジが発生する。このス
ジが最初に現れた位置の土手の高さを粒子径で表したも
のである。
【0035】なお、ここで得られた蛍光体ペースト組成
物(PーR1a)を前記の三本ロールを用いて、さらに
20分間混錬したところ、グラインドゲージを用いた分
散性評価において、実施例1の蛍光体ペースト組成物
(PーE1a)とほぼ同様の分散性を得ることができ
た。
【0036】また、これとは別に、上記蛍光体ペースト
組成物(PーR1a)と全く同様にして4種類の蛍光体
ペースト組成物(PーR1b、PーR1c、PーR1
d、PーR1e)を製造した。
【0037】得られた5種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR1a〜PーR1e)について、製造後24時間
経過した時の粘度を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、粘度の平均値及びその偏差は、剪断速度が5(1/
s)の時、57±9Pa・sであり、測定値の偏差は約
15%であって、ロット間における粘度のバラツキが大
きいことが分かる。
【0038】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーR
1a)を実施例1の蛍光膜(FーE1a)と同様にし
て、スクリーン印刷法によってガラス基板上に塗布し、
次いで、塗膜を130℃で1.5時間熱処理して乾燥
し、さらにベーキング処理して膜厚15μの蛍光膜(F
ーR1a)をガラス基板上に作製した。
【0039】また、他の4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR1b〜PーR1e)を用いて、前記蛍光膜(F
ーE1a)と同様にしてガラス基板上に塗膜を形成し、
乾燥した後、さらに450℃で60分間ベーキングを行
って樹脂分を除去し、4種類の蛍光膜(FーR1b〜F
ーR1e)を作製した。
【0040】得られた5種類の蛍光膜(FーR1a〜F
ーR1e)について、加速電圧7kVの電子線を照射し
て実施例1と同様にして、その発光輝度を測定したとこ
ろ、発光輝度の平均値及びその偏差は、標準蛍光膜(F
ーS1)の発光輝度の96±1%であり、実施例1のホ
モジナイザーで混錬処理する代わりに三本ロールを用い
て蛍光体をペースト化したことによる発光輝度の低下が
認められた。
【0041】(実施例2)バインダー樹脂としてエチル
セルロース(ハーキュレス社製、Nー100)11重量
%を、有機溶剤としてジエチレングリコールモノブチル
アセテート89重量%と共に混合し、これを70℃に加
熱して溶解し、バインダー樹脂の溶解液を調製した。こ
のバインダー樹脂溶解液60重量%と(Y,Gd)BO
4 :Eu蛍光体(化成オプトニクス社製、KXー504
A)40重量%とを混合して原料組成物を調製した。
【0042】この原料組成物1リットルをホモジナイザ
ーの密閉容器内に入れて密閉し、タービン(攪拌部)の
周速を10m/secに設定して5分間混錬し、実施例
2の蛍光体ペースト組成物(PーE2a)を得た。得ら
れた蛍光体ペースト組成物(PーE2a)について、グ
ラインドゲージを用いて、蛍光体ペースト組成物中の蛍
光体粉末の分散性を評価したところ、分散性は良好であ
った。
【0043】また、これとは別に、上記蛍光体ペースト
組成物(PーE2a)と全く同様にして、別途4種類の
蛍光体ペースト組成物(PーE2b、PーE2c、Pー
E2d、PーE2e)を製造した。
【0044】得られた5種類の蛍光体ペースト組成物
(PーE2a〜PーE2e)について、製造後24時間
経過した時の粘度をHAKKE社レオメータRSー50
で測定したところ、粘度の平均値及びその偏差は、剪断
速度が5(1/s)の時、43±3Pa・sであり、測
定値の偏差は約7%であって、ロット間における粘度の
バラツキは比較的少なかった。
【0045】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーE
2a)を、実施例1の蛍光膜(FーE1a)と同様にし
て、スクリーン印刷法によってガラス基板上に塗布し、
次いで、塗膜を130℃で1.5時間熱処理して乾燥
し、さらにベーキング処理して膜厚15μの蛍光膜(F
ーE2a)を作製した。
【0046】また、他の4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーE2b〜PーE2e)を用いて、前記蛍光膜(F
ーE2a)と同様にして、ガラス基板上に塗膜を塗布
し、乾燥した後、450℃で60分間ベーキングを行っ
て樹脂分を除去し、4種類の蛍光膜(FーE2b〜Fー
E2e)を作製した。
【0047】得られた5種類の蛍光膜(FーE2a〜F
ーE2e)について、147nmの真空紫外線を照射し
て、発光輝度を測定した。発光輝度測定時の標準試料と
して、蛍光体ペースト組成物(PーE2a〜PーE2
e)製造時の蛍光体〔(Y,Gd)BO4 :Eu〕を用
いた以外は、前記標準蛍光膜(FーS1)と同様にし
て、ガラス基板上に、標準蛍光膜(FーS2)を得た。
【0048】前記5種類の蛍光膜(FーE2a〜FーE
2e)の発光輝度の平均値及びその偏差は、前記標準蛍
光膜(FーS2)の98±1%であり、蛍光体をペース
ト化したことにより、下記比較例2と比較して発光輝度
の低下が抑制されたことが分かる。
【0049】(比較例2)比較のために、実施例2で得
たバインダー樹脂の溶解液と蛍光体とからなる原料組成
物1リットルを、実施例2のホモジナイザーで混錬処理
する代わりに三本ロールを用いて5分間混錬して、比較
例2の蛍光体ペースト組成物(PーR2a)を得た。
【0050】得られた蛍光体ペースト組成物(PーR2
a)について、グラインドゲージを用いて、蛍光体ペー
スト組成物中の蛍光体粉末の分散性を評価したところ、
粒子径が30〜40μのところから凝集粒子の粒による
スジが発生し、実施例2の蛍光体ペースト組成物(P−
E2a)と比べて、ペースト中の蛍光体粒子の分散性不
良が明らかであった。
【0051】また、これとは別に、上記蛍光体ペースト
組成物(PーR2a)と全く同様にして4種類の蛍光体
ペースト組成物(PーR2b、PーR2c、PーR2
d、PーR2e)を製造した。
【0052】得られた5種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR2a〜PーR2e)について、製造後24時間
経過した時の粘度を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、粘度の平均値及びその偏差は、剪断速度が5(1/
s)の時、45±5Pa・sであり、測定値の偏差は約
11%であって、ロット間における粘度のバラツキが大
きいことが分かる。
【0053】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーR
2a)を、実施例1の蛍光膜(FーE1a)と同様にし
て、スクリーン印刷法によってガラス基板上に塗布し、
次いで、塗膜を130℃で1.5時間熱処理して乾燥
し、さらにベーキング処理して膜厚15μの蛍光膜(F
ーR2a)を作製した。
【0054】また、他の4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR2b〜PーR2e)を用いて、実施例1の蛍光
膜(FーE1a)と同様にして、ガラス基板上に塗膜を
形成し、塗布してから乾燥し、次いで450℃で60分
間ベーキングを行って樹脂分を除去し、4種類の蛍光膜
(FーE2b〜FーE2e)を作製した。
【0055】得られた5種類の蛍光膜(FーR2a〜F
ーR2e)について、147nmの真空紫外線を照射し
て、発光輝度を測定したところ、発光輝度の平均値及び
その偏差は、前記標準蛍光膜(FーS2)の発光輝度の
97±1%であり、蛍光体をペースト化したことによる
発光輝度の低下が若干認められた。
【0056】(実施例3)バインダー樹脂としてエチル
セルロース(ハーキュレス社製、Nー50)11.5重
量%、有機溶剤として13.5重量%のジエチレングリ
コールモノブチルエーテル及び75重量%のジエチレン
グリコールモノブチルアセテートとを混合し、これを7
0℃に加熱して溶解し、バインダー樹脂の溶解液を調製
した。
【0057】このバインダー樹脂溶解液65重量%、B
aMgAl1017:Eu蛍光体(化成オプトニクス社
製、KXー501A)35重量%を混合して原料組成物
を調製し、この原料組成物1リットルを実施例1のホモ
ジナイザーの密閉容器内に入れて密閉し、タービン(攪
拌部)の周速度を10m/secに設定して3分間混錬
処理した。なお、混練処理に際して、原料混合組成物の
入ったホモジナイザーの密閉容器内に窒素ガスを流し込
んで、予め内部の空気を窒素ガスで置換した後に70℃
に加熱しながらタービン(攪拌部)を回転させて、実施
例3の蛍光体ペースト組成物(PーE3a)を得た。
【0058】得られた蛍光体ペースト組成物(PーE3
a)について、グラインドゲージを用いて、蛍光体ペー
スト組成物中の蛍光体粉末の分散性を評価したところ、
分散性は良好であった。
【0059】また、これとは別に、上記蛍光体ペースト
組成物(PーE3a)と全く同様にして4種類の蛍光体
ペースト組成物(PーE3b、PーE3c、PーE3
d、PーE3e)を製造した。
【0060】得られた5種類の蛍光体ペースト組成物
(PーE3a〜PーE3e)について、製造後24時間
経過した時の粘度をHAKKE社レオメータRSー50
で測定したところ、粘度の平均値及びその偏差は、剪断
速度が5(1/s)の時、48±3Pa・sであり、測
定値の偏差は約6%であり、ロット間における粘度のバ
ラツキは比較的少なかった。
【0061】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーE
3a)を、実施例1の蛍光膜(FーE1a)と同様にし
て、スクリーン印刷法によってガラス基板上に塗布し、
次いで、塗膜を130℃で1.5時間熱処理して乾燥
し、さらにベーキング処理して膜厚15μの蛍光膜(F
ーE3a)を作製した。
【0062】また、その他の4種類の蛍光体ペースト組
成物(PーE3b〜PーE3e)を用いて、前記蛍光膜
(F−E3a)と同様にして、スクリーン印刷法によっ
てガラス基板上に塗布し、乾燥した後、450℃で60
分間のベーキングを行って樹脂分を除去して、4種類の
蛍光膜(FーE3b〜FーE3e)を作製した。
【0063】得られた5種類の蛍光膜(FーE3a〜F
ーE3e)について、147nmの真空紫外線を照射し
て発光輝度を測定した。発光輝度測定時の標準試料とし
て、蛍光体ペースト組成物(PーE3a〜PーE3e)
製造時に用いた蛍光体BaMgAl1017:Eu蛍光体
を用いた以外は、前記標準蛍光膜(FーS1)と同様に
して、ガラス基板上にこの蛍光体を沈降塗布して、標準
蛍光膜(FーS3)を得た。その結果、前記5種類の蛍
光膜(FーEa〜FーE3e)の発光輝度の平均値及び
その偏差は、標準蛍光膜(FーS3)の発光輝度の68
±2%であり、蛍光体をペースト化したことによる発光
輝度の低下は下記比較例3の結果と比べて少なかった。
【0064】(比較例3)比較のために、実施例3で得
たバインダー樹脂の溶解液と蛍光体からなる原料混合組
成物1リットルを、実施例3のホモジナイザーの代わり
に三本ロールを用いて5分間混錬して、比較例3の蛍光
体ペースト組成物(PーR3a)を得た。得られた蛍光
体ペースト組成物(PーR3a)について、グラインド
ゲージを用いて、蛍光体ペースト組成物中の蛍光体粉末
の分散性を評価したところ、粒子径が30〜40μのと
ころから凝集粒子の粒によるスジが発生し、分散性が実
施例3で得た蛍光体ペースト組成物(PーE3a)と比
べて、ペースト中の蛍光体粒子の分散性不良が明らかで
あった。
【0065】また、これとは別に、上記蛍光体ペースト
組成物(PーR3a)と全く同様にして4種類の蛍光体
ペースト組成物(PーR3b、PーR3c、PーR3
d、PーR3e)を製造した。
【0066】得られた5種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR3a〜PーR3e)について、製造後24時間
経過した時の粘度を実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、粘度の平均値及びその偏差は、剪断速度が5(1/
s)の時、50±6Pa・sであり、測定値の偏差は約
12%であって、ロット間における粘度のバラツキが大
きかった。
【0067】次に、前記蛍光体ペースト組成物(PーR
3a)を、実施例1の蛍光膜(FーE1a)と同様にし
て、スクリーン印刷法によってガラス基板上に塗布し、
次いで、塗膜を130℃で1.5時間熱処理して乾燥
し、さらにベーキング処理して膜厚15μの蛍光膜(F
ーR3a)を作製した。
【0068】また、他の4種類の蛍光体ペースト組成物
(PーR3b〜PーR3e)を用いて、実施例3の蛍光
膜(FーE3a)と同様にして、ガラス基板上に塗膜を
形成し、乾燥した後、450℃で60分間ベーキングを
行って樹脂分を除去し、4種類の蛍光膜(FーE2b〜
FーE2e)を作製した。
【0069】得られた5種類の蛍光膜(FーR3a〜F
ーR3e)について、147nmの真空紫外線を照射し
て、発光輝度を測定したところ、発光輝度の平均値及び
その偏差は、前記標準蛍光膜(FーS3)の発光輝度の
65±2%であった。
【0070】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、従来の蛍光体ペースト組成物の製造方法に比べて
下記のような利点を有する。 (1) 原料混合物が密閉状態で混練処理されるため、処理
中に溶剤の揮散がなく、得られる蛍光体ペースト組成物
の粘度変化が少なくて、常に一定品質のものを安定して
供給することが可能になった。 (2) ホモジナイザーの攪拌部の回転数を調節するだけ
で、用いられる蛍光体に応じて蛍光体へのシェアストレ
スをコントロールできるので、製造中の蛍光体の劣化を
防止できる。 (3) 混練処理中の環境汚染がない。 (4) 短時間で分散性の良い蛍光体ペースト組成物が得ら
れ、また、加熱しながら混錬処理を行うこともできるの
で、高粘度のものであっても簡単に分散化処理が可能と
なった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体とバインダー樹脂と有機溶剤とを
    含む原料組成物を密閉容器内に収容し、前記原料組成物
    中にホモジナイザーの攪拌部を浸漬させて高速回転させ
    ることにより、前記組成物を混練することを特徴とする
    蛍光体ペースト組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体が200nm以下の真空紫外
    線又は加速電圧が10kV以下の電子線で励起された時
    に、可視域で発光する蛍光体であることを特徴とする請
    求項1に記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記原料組成物中の前記蛍光体の含有量
    を25〜80重量%に調整することを特徴とする請求項
    1又は2記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤が170℃以上の沸点を有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原料組成物を混錬した後の前記蛍光
    体ペースト組成物の粘度を10〜500Pa・sの範囲
    に調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の蛍光体ペースト組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ホモジナイザーの攪拌部を周速度5
    〜15m/secで回転させることを特徴とする請求項
    1〜5のいづれか1項に記載の蛍光体ペースト組成物の
    製造方法。
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