JPH1160915A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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JPH1160915A
JPH1160915A JP24738697A JP24738697A JPH1160915A JP H1160915 A JPH1160915 A JP H1160915A JP 24738697 A JP24738697 A JP 24738697A JP 24738697 A JP24738697 A JP 24738697A JP H1160915 A JPH1160915 A JP H1160915A
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epoxy resin
novolak
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resin
phenol
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JP24738697A
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Yasuyuki Murata
保幸 村田
Atsuto Hayakawa
淳人 早川
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Yuka Shell Epoxy KK
Original Assignee
Yuka Shell Epoxy KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 速硬化性、流動性及び耐ハンダクラック性に
優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)下記の各成分の混合物からなる
エポキシ樹脂 (a)ノボラック型エポキシ樹脂80重量部を越えて9
5重量部未満(b)一般式Iで表される4,4′−ビフ
ェノール型エポキシ樹脂 5重量部を越えて20重量部
未満 一般式(I) 【化1】 (式中nは平均値で0〜0.5の数である。) (B)フェノール樹脂及び変性フェノール樹脂から選ば
れた少なくとも一種類のエポキシ樹脂硬化剤(C)無機
充填剤 組成物全体の80〜95重量%(D)硬化促進
剤からなる半導体封止用エポキシ樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性及び流動
性に優れ、かつ耐ハンダクラック性に優れた硬化物を与
える半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は、その優れた硬化
物性や取り扱いの容易さから、接着、注型、封止、積
層、成型、塗装等の広い使用されている。また、エポキ
シ樹脂には、多くの種類があり、その選択により硬化物
性が大きく変わるため、使用分野目的に応じて使い分け
られている。近年、高分子材料の使用条件が苛酷になる
にしたがって、高分子材料に対して要求される諸特性は
厳しくなり、一般に用いられている各種のエポキシ樹脂
では、要求特性を充分に満足できなくなってきた。例え
ば、エポキシ樹脂組成物は、半導体封止用に用いられて
いるが、この分野でも、要求性能は、厳しくなってい
る。すなわち、半導体装置の高集積化が進み、半導体素
子の大型化が著しいとともに、パッケージそのものが小
型化、薄型化している。また、半導体装置の実装も表面
実装へと移行しており、表面実装においては半導体装置
がハンダ浴に直接浸漬され、高温にさらされるため、吸
湿された水分が急速に膨張し、パッケージ全体に大きな
応力がかかり、封止材にクラックが入る。そのために、
耐ハンダクラック性の良好な封止材用のエポキシ樹脂組
成物には、高い耐熱性(すなわち高いガラス転移温度)
と低吸湿性及び低応力性が要求される。溶融シリカ粉末
のような無機充填剤を高充填することにより、低吸湿性
及び低応力性すなわち低熱膨張率を改良することは広く
行われており、耐ハンダクラック性の改良に大きな効果
があるが、無機充填剤を高充填すると成型時の流動性が
損なわれるため、封止材用のエポキシ樹脂には、低溶融
粘度であることも要求されてきた。さらに、パッケージ
の小型化、薄型化に伴い封止材用エポキシ樹脂組成物に
は、高流動性も要求されてきており、エポキシ樹脂への
低溶融粘度の要求はさらに厳しくなっている。また、成
型速度を上げるため速硬化性も強く要求されている。現
在主として用いられるノボラック型エポキシ樹脂、特に
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は耐熱性及び速硬
化性には優れるが、低吸湿性及び低溶融粘度の点におい
て充分なものとは言えなくなってきた。
【0003】低溶融粘度なビフェニル型エポキシ樹脂を
用いることが広く検討されているが、耐熱性に劣るため
耐ハンダクラック性も充分には改良されず、速硬化性も
充分ではない。また、特開昭61−47725号公報に
は、ビフェニル型エポキシ樹脂100重量部に対してノ
ボラック型エポキシ樹脂を20〜400重量部混合する
ことによりバランスをとることが示されているが、ビフ
ェニル型エポキシ樹脂を20重量%以上混合すると、溶
融粘度は低くなるが耐熱性や速硬化性が損なわれる。特
開平1−275620号公報には、ノボラック型エポキ
シ樹脂100重量部に対してビフェニル型エポキシ樹脂
を5〜90重量部混合し、さらに特殊なゴム成分を加え
ることにより低応力化し、耐ハンダクラック性を改良す
ることが示されている。しかし、そのような成分を加え
ると樹脂系の粘度が上がり無機充填剤を高充填すること
ができなくなる。最近の検討では無機充填剤を高充填す
ることが最も耐ハンダクラック性の改良に効果があると
考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、速硬化性及
び流動性に優れ、かつ耐ハンダクラック性に優れた硬化
物を与える新規な半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、エポキシ樹
脂としてノボラック型エポキシ樹脂に4,4′−ビフェ
ノール型エポキシ樹脂を少量添加し、さらに無機充填剤
を高充填することによりその目的を達成できたのであ
る。本発明は、 「1. (A)下記の各成分の混合物からなるエポキシ
樹脂 (a)ノボラック型エポキシ樹脂80重量部を越えて9
5重量部未満 (b)一般式Iで表される4,4′−ビフェノール型エ
ポキシ樹脂 5重量部を越えて20重量部未満 一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中nは平均値で0〜0.5の数であ
る。) (B)フェノール樹脂及び変性フェノール樹脂から選ば
れた少なくとも一種類のエポキシ樹脂硬化剤 (C)無機充填剤 組成物全体の80〜95重量% (D)硬化促進剤 を必須成分として配合してなる半導体封止用エポキシ樹
脂組成物。 2. (a)のノボラック型エポキシ樹脂が、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂及びビスフェノールAノボラック型エポキ
シ樹脂から選ばれた少なくとも一種類のエポキシ樹脂で
ある、1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成
物。 3. (A)成分のエポキシ樹脂がノボラック型フェノ
ール樹脂と4,4′−ビフェノールの混合物を、該フェ
ノール化合物の混合物のフェノール性水酸基1モル当た
り、3〜20モルのエピハロヒドリンとアルカリ金属水
酸化物の存在下で反応させることにより得られたエポキ
シ樹脂混合物である、1項または2項に記載された半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 4. (A)成分のエポキシ樹脂が(a)のノボラック
型エポキシ樹脂と(b)の4,4′−ビフェノール型エ
ポキシ樹脂の合計100重量部に対し100重量部以下
のその他のエポキシ樹脂を配合したエポキシ樹脂であ
る、1項ないし3項のいずれか1項に記載された半導体
封止用エポキシ樹脂組成物。 5. (B)成分のエポキシ樹脂硬化剤が、フェノール
ノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テンペン
フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂
から選ばれた少なくとも一種類のエポキシ樹脂硬化剤で
ある、1項ないし4項のいずれか1項に記載された半導
体封止用エポキシ樹脂組成物。 6. (B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の使用量が全エ
ポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対し硬化剤成分
中のエポキシ基と反応する基の合計が0.5〜2.0モ
ルとなる量である、1項ないし5項のいずれか1項に記
載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 7. (C)成分の無機充填剤が、溶融及び/または結
晶シリカ粉末充填剤であり、その無機充填剤を組成物全
体の83〜93重量%含有する無機充填剤である、1項
ないし6項のいずれか1項に記載された半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。」に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の半導体封止用エポキシ樹
脂組成物で用いられるエポキシ樹脂成分はノボラック型
エポキシ樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂の中でも最も
低溶融粘度な4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂を
少量添加することにより、耐熱性と速硬化性を維持した
まま低溶融粘度化したものである。そこに無機充填剤を
高充填し、低吸湿化及び低応力化することにより、速硬
化性、流動性及び耐ハンダクラック性のすべての要求性
能を満足する半導体封止用エポキシ樹脂組成物とするこ
とができた。本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
で用いられる(A)エポキシ樹脂の一成分である(a)
ノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール
樹脂とエピハロヒドリンとをアルカリの存在下に、縮合
重合させエポキシ樹脂としたものである。このノボラッ
ク型フェノール樹脂は、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブ
チルフェノール、ブチルクレゾール、フェニルフェノー
ル、ベンジルフェノール、メトキシフェノール、ブロモ
フェノール、ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、メチ
ルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシ
ン、メチルレゾルシン、ジヒドロキシナフタレンなどの
各種フェノール化合物とホルムアルデヒド、パラホルム
アルデヒド、トリオキサン等とを酸性触媒の存在下に、
縮合反応させて製造されたフェノール樹脂である。
【0009】これ等フェノール化合物とエピハロヒドリ
ンとの反応は公知の方法で行えるが、代表的な態様例
を、以下の詳述する。まず、フェノール化合物をそのフ
ェノール性水酸基1モル当たり3〜20モルに相当する
量のエピハロヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。
次いで、その溶液を撹拌しながらこれにフェノール性水
酸基1モル当たり0.9〜2モル量のアルカリ金属水酸
化物を固体または水溶液で加えて反応させる。この反応
は、常圧下または減圧下で行わせることができ、反応温
度は、通常、常圧下の反応の場合に約30〜105℃で
あり、減圧下の反応の場合に約30〜80℃である。反
応は、必要に応じて所定の温度を保持しながら反応液を
共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油
/水分離し、水分を除いた油分を反応系に戻す方法によ
って反応系より脱水する。アルカリ金属水酸化物の添加
は、急激な反応をおさえるために、1〜8時間かけて少
量ずつを断続的もしくは連続的に添加する。その全反応
時間は、通常、1〜10時間程度である。反応終了後、
不溶性の副生塩を瀘別して除くか、水洗により除去した
後、未反応のエピハロヒドリンを減圧留去して除くと、
目的のエポキシ樹脂が得られる。この反応におけるエピ
ハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリンまた
はエピブロモヒドリンが用いられ、またアルカリ金属水
酸化物としては、通常、NaOHまたはKOHが用いら
れる。
【0010】また、この反応においては、テトラメチル
アンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロ
ミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミ
ン、2,4,6−(トリスジメチルアミノメチル)フェ
ノール等の第三級アミン;2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール
類;エチルトリフェニルホスホニウムイオダイド等のホ
スホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類等の触媒を用いてもよい。さらに、この反応において
は、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル
類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の
非プロント性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用して
もよい。
【0011】さらに、上記のようにして得られたエポキ
シ樹脂の可鹸化ハロゲン量が多すぎる場合には、再処理
して、充分に可鹸化ハロゲン量が低下した精製エポキシ
樹脂を得ることができる。つまり、その粗製エポキシ樹
脂を、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルス
ルホキシド等の不活性な有機溶媒に再溶解し、アルカリ
金属水酸化物を固体または水溶液で加えて約30〜12
0℃の温度で、0.5〜8時間再閉環反応を行った後、
水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副生塩を
除去し、さらに有機溶媒を減圧留去して除くと、精製さ
れたエポキシ樹脂が得られる。このようにして得られる
各種ノボラック型エポキシ樹脂の中では、入手のしやす
さや硬化物性等からフェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びビスフェ
ノールAノボラック型エポキシ樹脂から選ばれた少なく
とも一種類のエポキシ樹脂が好ましい。本発明のエポキ
シ樹脂混合物の他の成分である(b)4,4′−ビフェ
ノール型エポキシ樹脂は、4,4′−ビフェノールとエ
ピハロヒドリンとをアルカリの存在下に、(a)ノボラ
ック型エポキシ樹脂と同様に縮合反応させエポキシ樹脂
としたものである。その構造は一般式Iで表わされる
が、低溶融粘度を維持するために式中のnの平均値は0
〜0.5であることが好ましく、より好ましくは0〜
0.3である。
【0012】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
で用いられる(A)エポキシ樹脂は、(a)ノボラック
型エポキシ樹脂と(b)4,4′−ビフェノール型エポ
キシ樹脂とをそれぞれべつべつに製造または入手し、混
合して使用してもよいし、それぞれの原料であるノボラ
ック型エポキシ樹脂と4,4′−ビフェノールとを混合
して同時にエピハロヒドリンと反応させ、それぞれのエ
ポキシ樹脂の混合物として使用してもよい。硬化剤等と
の相溶性のよいエポキシ樹脂を得るためには後者の方法
が好ましい。後者の方法を用いる場合は、エポキシ化後
(a)ノボラック型エポキシ樹脂と(b)4,4′−ビ
フェノール型エポキシ樹脂の混合割合が所定の割合にな
るようにそれぞれの原料の使用割合を前もって調整する
か、エポキシ化後にどちらかのエポキシ樹脂を追加して
所定の割合になるように調整する必要がある。
【0013】(a)ノボラック型エポキシ樹脂と(b)
4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂との混合割合
は、(a)ノボラック型エポキシ樹脂80重量部を越え
て95重量部未満に対して、(b)4,4′−ビフェノ
ール型エポキシ樹脂5重量部を越えて20重量部未満で
あり、好ましくは、(a)ノボラック型エポキシ樹脂8
0重量部を越えて90重量部未満に対して、(b)4,
4′−ビフェノール型エポキシ樹脂10重量部を越えて
20重量部未満である。(b)4,4′−ビフェノール
型エポキシ樹脂の使用量が少な過ぎると、耐熱性及び速
硬化性に優れるが、溶融粘度が高くなる。(b)4,
4′−ビフェノール型エポキシ樹脂の使用量が多過ぎる
と、溶融粘度は低くなるが、耐熱性及び速硬化性に劣
る。
【0014】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には(a)ノボラック型エポキシ樹脂と(b)
4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂以外のエポキシ
樹脂を混合使用することができる。その混合することが
できる他のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロ
キノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、ジヒドロキシナフタレン等の種々
のフェノール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザー
ル等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価
フェノール樹脂等の各種のフェノール系化合物と、エピ
ハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂やジアミノ
ジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミ
ン等の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから
製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロキシフタ
ル酸、ダイマー酸等の種々のカルボン酸類と、エピハロ
ヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂等があげられ
る。また、組成物に難燃性を付与するために、臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂や臭素化フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂のような臭素化エポキシ樹脂を添
加することができる。それ等その他のエポキシ樹脂の使
用割合は、(a)ノボラック型エポキシ樹脂と(b)
4,4′−ビフェノール型エポキシ樹脂の合計100重
量部に対して100重量部以下が好ましく、より好まし
くは、50重量部以下である。その他のエポキシ樹脂の
使用割合が多すぎると、本発明の効果が充分に発揮され
なくなる。
【0015】次に、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には(B)エポキシ樹脂硬化剤が必須成分として
配合されるが、このエポキシ樹脂硬化剤には、フェノー
ル樹脂及び変性フェノール樹脂から選ばれた少なくとも
一種類のエポキシ樹脂硬化剤が使用される。その使用す
る(B)エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、
ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフ
ェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナ
フタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、フェノー
ルノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフ
ェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェ
ノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、フェノールアラ
ルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフ
ェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々
のフェノール類や、種々のフェノール類と、ヒドロキシ
ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザー
ル等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価
フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類、それ等各
種のフェノール(樹脂)類のフェノール性水酸基の全部
もしくは一部をベンゾエート化あるいはアセテート化等
のエステル化することによって得られる活性エステル化
合物等が挙げられる。これ等の各種エポキシ樹脂硬化剤
の中では、硬化物性等からフェノールノボラック樹脂、
フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、
ジシクロペンタジエンフェノール樹脂が好ましい。本発
明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物で使用される
(B)エポキシ樹脂硬化剤の使用量は、全エポキシ樹脂
成分中のエポキシ基1モルに対して、全エポキシ樹脂硬
化剤成分中のエポキシ基と反応する基の合計が0,5〜
2,0モルになる量が好ましく、より好ましくは、0.
7〜1.2モルになる量である。
【0016】次に、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物には、(C)無機充填剤が配合される。その無機
充填剤の種類としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シ
リカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム等があげら
れる。その形状としては、破砕型または球状である。各
種の無機充填剤は、単独でまたは、2種以上混合して用
いられるが、それ等の中では溶融シリカまたは結晶性シ
リカが好ましい。その使用量は、組成物全体の80〜9
5重量%であり、より好ましくは、83〜93重量%で
ある。また、形状としては、流動性を確保するために球
状の成分を30重量%以上含むことが好ましい。(C)
無機充填剤の使用量が少なすぎると、低吸湿性及び低応
力性の改良効果が少なく、結果的に耐ハンダクラック性
に劣る。(C)無機充填剤の使用量が多すぎると、成型
時の流動性が損なわれる。
【0017】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物に用いられる(D)硬化促進剤は、エポキシ樹脂
中のエポキシ基と硬化剤中の活性基との反応を促進する
化合物である。その(D)硬化促進剤としては、例え
ば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、
トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒ
ドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチ
ル)ホスフィン等のホスフィン化合物、テトラフェニル
ホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチ
ルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシ
アノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホ
スホニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メ
チルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジ
ン、2,4−ジシアノ−6−[2−ウンデシルイミダゾ
リル−(1)]−エチル−S−トリアジン等のイミダゾ
ール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリ
ウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソシ
アヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテ
トラフェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチル
イミダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾリ
ウム塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)
フェノール、ベンジルメチルアミン、テトラメチルブチ
ルグアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメチルア
ミノ−1−ピロリン等のアミン類、トリエチルアンモニ
ウムテトラフェニルボレート等のアンモニウム塩、1,
5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン、
1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、
1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン等のジ
アザビシクロ化合物、それ等ジアザビシクロ化合物のテ
トラフェニルボレート、フェノール塩、フェノールノボ
ラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等があげられる。そ
れ等の硬化促進剤となる化合物の中では、ホスフィン化
合物、イミダゾール化合物、ジアザビシクロ化合物、及
びそれ等の塩が好ましい。それ等の(D)硬化促進剤
は、単独でまたは、2種以上混合して用いられ、その使
用量は、(A)エポキシ樹脂に対して、0.1〜7重量
%であり、より好ましくは、1〜5重量%である。
【0018】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
には、必要に応じてカップリング剤、可塑剤、顔料等が
適宜に配合することができる。また、難燃助剤として、
三酸化アンチモン、リン酸等を適宜に配合することがで
きる。本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流
動性に優れ、かつ耐ハンダクラック性に優れた硬化物を
与えるので半導体封止の分野で有利に使用することがで
きる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物で用いられるエポキシ樹脂の製造例、さらに本発
明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の実施例及び比較
例をあげてさらに詳述する。
【0020】各エポキシ樹脂の製造例1〜3 温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量31の三つ口
フラスコに、表1に示した種類及び量のフェノール化合
物、エピクロルヒドリン1300g、及びメトキシプロ
パノール500gを仕込み、50℃に昇温して均一に溶
解させた後、48.5重量%の水酸化ナトリウム水溶液
190gを1時間かけて滴下した。その間に徐々に昇温
し、滴下終了後には系内が70℃になるようにした。そ
の後、70℃で30分間保持して反応を行わせた。その
反応終了後、水洗して副生塩及び過剰の水酸化ナトリウ
ムを除去した。次いで、生成物から減圧下で過剰のエピ
クロルヒドリン及びメトキシプロパノールを留去して、
粗製エポキシ樹脂を得た。この粗製エポキシ樹脂をメチ
ルイソブチルケトン700gに溶解させ、48.5重量
%の水酸化ナトリウム水溶液6gを加え、80℃の温度
で1時間反応させた。その反応終了後に、第一リン酸ナ
トリウムを加えて過剰の水酸化ナトリウムを中和し、水
洗して副生塩を除去した。次いで、減圧下でメチルイソ
ブチルケトンを完全に除去して、目的のエポキシ樹脂を
得た。これ等のエポキシ樹脂の組成、エポキシ当量、溶
解粘度を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】(註) *1:旭有機材社製、軟化点75℃ *2:明和化成社製、軟化点98℃ *3:原料仕込量から算出
【0023】半導体封止用エポキシ樹脂組成物実施例1
〜5及び比較例1〜3 表2に示したように、(A)エポキシ樹脂の各成分とし
て、製造例1〜3で製造した各エポキシ樹脂、市販のク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、市販のビフェノー
ルAノボラック型エポキシ樹脂、および/または市販の
テトラメチルビスフェノール型エポキシ樹脂、及び難燃
剤として臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
(B)エポキシ樹脂硬化剤としてフェノールノボラック
樹脂、フェノールアラルキル樹脂、またはテルペンフェ
ノール樹脂、(C)無機充填剤として球状溶解シリカ粉
末を比較例1以外は組成物全体の85重量%、比較例1
は組成物全体の78重量%、(D)硬化促進剤としてト
リフェニルホスフィンを用い、さらに難燃助剤として三
酸化アンチモン、充填剤表面処理剤としてエポキシシラ
ン、離型剤としてカルナバワックスをそれぞれ用いて、
各エポキシ樹脂配合物を配合した。次いで、各配合物を
ミキシングロールを用いて70〜130℃の温度で5分
間溶融混合した。得られた各溶融混合物はシート状に取
り出し、粉砕して各成形材料を得た。各成形材料の18
0℃でのゲルタイムを測定した。これ等の各成形材料を
用い低圧トランスファー成形機で金型温度180℃、成
形時間180秒で成形して、各試験片を得、180℃で
8時間ポストキュアーさせた。また、各成形材料のスパ
イラルフローを測定した。各成形材料のゲルタイム、ス
パイラルフロー及び試験片のポストキュアー後の耐ハン
ダクラック性、及びガラス転移温度を試験した結果は表
2に示す通りであり、実施例1〜5の各成形材料は、比
較例1〜3の成形材料に較べて速硬化性(即ち短ゲルタ
イム)、流動性(即ち高スパイラルフロー)、及び耐ハ
ンダクラック性のバランスに優れていた。
【0024】
【表2】
【0025】(註) *1:A;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化
シェルエポキシ社商品名 エピコート 180S62、
エポキシ当量:210) *2:B;ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社商品名 エピコート 157S
65、エポキシ当量:206) *3:製造例2で製造したエポキシ樹脂(混合物)を使
用 *4:製造例3で製造したエポキシ樹脂(混合物)を使
用 *5:製造例2で製造したエポキシ樹脂(混合物)9
4.3重量部と製造例1で製造したエポキシ樹脂5.7
重量部と混合して使用 *6:C;テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂
(油化シェルエポキシ社商品名 エピコート XY40
00H、エポキシ当量:192) *7:臭素化ビスフェノールAエポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ社商品名エピコート 5050、エポキシ当
量:385、臭素含有量:49%) *8:D;フェノールノボラック樹脂(群栄化学社製、
水酸基当量:103、軟化点:85℃) *9:E;フェノールアラルキル樹脂(三井東圧社商品
名 XL225−3L、水酸基当量:170、軟化点:
71℃) *10:F;テルペンフェノール樹脂(油化シェルエポ
キシ社商品名 エピキュア MP402FPY、水酸基
当量:175、軟化点:125℃) *11 :球状溶融シリカ粉末(日本アエロジル社商品
名) ELSIL BF100) *12:エポキシシラン(信越化学工業社商品名 KB
M−403) *13:80ピンQEP16個を85℃、85%RHに
おいて300時間吸湿後、260℃のハンダ浴に10秒
間浸漬し、クラックの発生した個数を求めた。 *14:TMAを用いて熱膨張曲線の転移点より求め
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、速硬化性及び流動性に優れ、耐ハンダクラック性
に優れた硬化物を与えることができるので、半導体封止
の用途において有利に使用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記の各成分の混合物からなるエ
    ポキシ樹脂 (a)ノボラック型エポキシ樹脂80重量部を越えて9
    5重量部未満 (b)一般式Iで表される4,4′−ビフェノール型エ
    ポキシ樹脂 5重量部を越えて20重量部未満 一般式(I) 【化1】 (式中nは平均値で0〜0.5の数である。) (B)フェノール樹脂及び変性フェノール樹脂から選ば
    れた少なくとも一種類のエポキシ樹脂硬化剤 (C)無機充填剤 組成物全体の80〜95重量% (D)硬化促進剤 を必須成分として配合してなる半導体封止用エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)のノボラック型エポキシ樹脂が、
    フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボ
    ラック型エポキシ樹脂及びビスフェノールAノボラック
    型エポキシ樹脂から選ばれた少なくとも一種類のエポキ
    シ樹脂である、請求項1に記載された半導体封止用エポ
    キシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のエポキシ樹脂がノボラック
    型フェノール樹脂と4,4′−ビフェノールの混合物
    を、該フェノール化合物の混合物のフェノール性水酸基
    1モル当たり、3〜20モルのエピハロヒドリンとアル
    カリ金属水酸化物の存在下で反応させることにより得ら
    れたエポキシ樹脂混合物である、請求項1または2に記
    載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分のエポキシ樹脂が(a)のノ
    ボラック型エポキシ樹脂と(b)の4,4′−ビフェノ
    ール型エポキシ樹脂の合計100重量部に対し100重
    量部以下のその他のエポキシ樹脂を配合したエポキシ樹
    脂である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載され
    た半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分のエポキシ樹脂硬化剤が、フ
    ェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、
    テンペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノ
    ール樹脂から選ばれた少なくとも一種類のエポキシ樹脂
    硬化剤である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (B)成分のエポキシ樹脂硬化剤の使用
    量が全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対し硬
    化剤成分中のエポキシ基と反応する基の合計が0.5〜
    2.0モルとなる量である、請求項1ないし5のいずれ
    か1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (C)成分の無機充填剤が、溶融及び/
    または結晶シリカ粉末充填剤であり、その無機充填剤を
    組成物全体の83〜93重量%含有する無機充填剤であ
    る、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された半導
    体封止用エポキシ樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100479853B1 (ko) * 2001-12-28 2005-03-30 제일모직주식회사 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물의 제조방법 및 그조성물

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