JPH1159365A - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

車両の姿勢制御装置

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JPH1159365A
JPH1159365A JP22677597A JP22677597A JPH1159365A JP H1159365 A JPH1159365 A JP H1159365A JP 22677597 A JP22677597 A JP 22677597A JP 22677597 A JP22677597 A JP 22677597A JP H1159365 A JPH1159365 A JP H1159365A
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vehicle
control
drift
spin
suppression control
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JP22677597A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Okuyama
宏和 奥山
Fujio Momiyama
冨士男 籾山
Keiichi Kitazawa
啓一 北沢
Kiyoaki Miyazaki
清明 宮崎
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Hino Motors Ltd
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Hino Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピン抑制制御手段とドリフト抑制制御手段
とが同時に有効になっても、その制御出力が混乱するこ
となく姿勢制御を行えるようにする。 【解決手段】 スピン抑制制御手段の制御とドリフト抑
制制御手段の制御とが共に行われる条件になったとき
に、ヨーレイトセンサの出力値が所定値を越えていると
きにはドリフト抑制制御手段の制御を禁止し、その所定
値を下回るときにはスピン抑制制御手段の抑制を禁止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に利用する。本発
明は、車両に設けられた各種挙動センサの出力にしたが
って、車両の姿勢を安定な方向に自動的に制御する姿勢
安定制御に関する。本発明は、車両に搭載するプログラ
ム演算回路によるリアルタイム制御に関する。本発明
は、車両のスピンを抑制する制御手段と、ドリフトを抑
制する制御手段とを共に備えた姿勢安定制御装置で、二
つの制御手段の制御が同時に働き、二つの制御が互いに
矛盾する状態になるときに、その二つの制御による混乱
を防止するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からブレーキの電子制御装置や車両
安定化制御装置(VSC、Vehicle Stability Control
)などが知られている。ブレーキにかかわる電子制御
装置の代表的なシステムはABS(Antilock Brake Sys
tem)である。これは車輪に回転センサを設けて車輪回転
を検出し、ブレーキ圧力が大きいときに車輪回転が停止
すると、車輪と路面との間にスリップがあったものとし
て、ブレーキ圧力を断続制御するものである。ABSは
乗用車あるいは貨物車に広く普及し、ブレーキをかけな
がらもハンドルがきく装置として広く知られるところと
なった。車両安定化制御装置(VSC)の代表的な装置
としては、横すべり防止装置が知られている。これは、
運転者が操作入力する操舵角(ハンドル角度)から、運
転者が進もうとしている針路を読取り、その針路に対し
て車速が大きすぎると、運転者がブレーキペダルを踏ま
なくとも自動的に減速のための制御がなされ、さらに針
路から外れないように左右のブレーキ圧力を配分するな
どの制御が行われる装置である。
【0003】すでに知られている車両姿勢安定化装置
(VSC)(特開昭63−279976号公報、特開平
2−112755号公報など)をさらに説明すると、車
両の走行中に運転者が操舵を行うと、車両の向きが変化
し車両にロールが生じる。このとき操舵による旋回内輪
のタイヤが路面のグリップ限界を越えると、内輪がいわ
ゆるホイール・リフト傾向となり、車両が横すべりをは
じめる。例えば、直線走行状態から運転者が左に操舵を
行うと車両は右に傾斜する。このとき、正常な状態では
その操舵に応じて車両が旋回するが、走行速度に対して
操舵の速さが大きすぎると、車両は右に傾斜しながら左
車輪が浮きぎみな状態となり、運転者の意図する方向よ
り右寄りに進行することになる。このような車両の挙動
は、走行レーンの逸脱や、極端な場合には車両の横転を
招く原因となる。
【0004】通常走行状態において、操舵の大きさと速
さ、車両の速度、車両の横移動の速さ、および車両の向
きの変化の速さ(ヨーレイト、垂直軸まわりの車両の回
転加速度)を検出して演算することにより、車輪の横す
べり開始点または内輪のホイールリフト開始点を予測
し、横すべりあるいはホイールリフトが始まる前に車輪
のブレーキ圧力を制御する装置が開発された。この車輪
のブレーキ圧力制御は、必ずしも全輪同一のブレーキ圧
力ではなく、一つの車輪について大きいあるいは小さい
ブレーキ圧力を印加して、車両の横すべりを防止するも
のである。このような装置は、原理的な構造や設計のみ
ならず、経済性および耐久性などもよく検討され、乗用
車については市販品に実装される段階に達した。
【0005】このような従来例装置は、現在の操舵およ
び制動を含む運転操作に係るパラメータと、現在の車両
の挙動に係るパラメータから、すなわち現時点のパラメ
ータからヨーレイトを演算し、これがあらかじめその車
両について設定記憶された横すべりの可能性があるヨー
レイトに達すると判定されたときに、自動的に車両のブ
レーキ圧力を制御するように構成されている。この横す
べりの可能性は、運転操作入力および各種センサ出力で
ある車両の挙動データから伝達関数による演算が実行さ
れる。
【0006】ここで、姿勢安定制御には、車両の横すべ
り角および横すべり角速度を入力パラメタとする演算値
が設定限界値を越えたときに横すべりの内輪側のブレー
キ圧を大きくするように制御するスピン抑制制御手段
と、車両の前輪滑り角が設定限界値を越えたときに車両
旋回円の外側前輪のブレーキ圧を大きくするように制御
するドリフト抑制制御手段とを共に備えるものがある。
【0007】「スピン」とは、タイヤが自動車の進行方
向に対して横方向へすべることにより生じる現象の一つ
で、特に急旋回など特異条件の下で、タイヤの摩擦力を
越える力が自動車に働いたときに発生し後輪がすべり自
動車が内側に巻き込まれる現象をいう。図12はスピン
を説明する図であって、後輪にすべりがなければ車両の
通過軌跡は、操舵に従う回転半径で旋回曲線Rを描くと
ころ、後輪にスピンがある場合には車両は曲線Sのよう
にスピンターンをすることになる。
【0008】一方「ドリフト」とは、車両の側方へのす
べり現象のひとつであって、スピンが後輪のすべりによ
って発生する現象であるのに対し、ドリフトは前輪のす
べりによって発生する現象である。この現象は旋回時に
タイヤに発生する力(コーナリング・フォース)、特に
前輪の力が遠心力に負けてすべりを生じるために発生
し、極端な場合には、運転者が操舵によって旋回半径を
小さくしようと操作しても、制御不可能になって車両は
外側に流されてしまうことがある。この現象を「ドリフ
ト・アウト」という。図13はドリフト・アウトを説明
する図であり、前輪にドリフトがなければ車両の通過軌
跡は、操舵に従う回転半径で旋回曲線Rを描くところ、
前輪にドリフトがあると車両は曲線Dで示すようにドリ
フト・アウトすることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】走行中の車両にスピン
とドリフトが同時に発生し、スピン抑制制御手段とドリ
フト抑制制御手段が同時に有効になることがある。スピ
ン抑制制御手段は、曲線Sの内側の前車輪および後車輪
のブレーキ圧を大きくするように制御を行う。ドリフト
抑制制御手段は、曲線Dの外側前車輪のブレーキ圧を大
きくするように制御を行う。したがって、この二つの制
御手段が同時に有効になると、二つの制御には混乱を起
こし抑制制御が適正に行われないことになる。
【0010】このような現象は、走行試験の結果、車両
の横すべり角が大きくなっているのになお運転者が操舵
を行わないとき、あるいは操舵輪を零位置付近に置き、
もしくは操舵輪を滑り角と反対方向に操作したとき、な
どに実際に観測されることがわかった。
【0011】本発明は、このような背景に行われたもの
であって、スピン抑制制御手段とドリフト抑制制御手段
が同時に有効になっても、その制御出力が混乱しない車
両の姿勢制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、スピンおよび
ドリフトに対する抑制制御を同時に行うような状態にな
っても、その状態に応じていずれかを優先させ抑制制御
を行うことを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明は、車両の横すべり角お
よび横すべり角速度を入力パラメタとする演算値が設定
限界値を越えたときに横すべりの内輪側のブレーキ圧を
大きくするように制御するスピン抑制制御手段と、車両
の前輪滑り角が設定限界値を越えたときに車両旋回円の
外側前輪のブレーキ圧を大きくするように制御するドリ
フト抑制制御手段とを共に備えた車両の姿勢制御装置に
おいて、前記スピン抑制制御手段の制御と前記ドリフト
抑制制御手段の制御とが共に行われる条件となったとき
に、ヨーレイトセンサの出力値が所定値を越えていると
きには前記ドリフト抑制制御手段の制御を禁止し、その
所定値を下回るときには前記スピン抑制制御手段の制御
を禁止する手段を含むことを特徴とする。
【0014】スピン抑制制御手段は、ヨーレイトセンサ
および横方向加速度センサの出力を取込み、車両の横す
べり角および横すべり角速度を入力パラメタとする演算
を行う。この演算値が設定限界値を越えたときには、ス
ピンが発生する傾向が示されているものとして、横すべ
りをおこした車輪の内輪側に対するブレーキ圧を大きく
する。これにより車輪の回転速度が低下しタイヤと路面
とのすべり比が小さくなってスピンの発生が抑制され
る。
【0015】また、ドリフト抑制制御手段は、ヨーレイ
トセンサおよび横方向加速度センサの出力を取込み、車
両の前輪滑り角を演算し、この演算値が設定限界値を越
えたときには、ドリフトが発生する傾向が示されている
ものとして、車両旋回円の外側前輪に対するブレーキ圧
を大きくする。ドリフトは旋回時における前輪のコーナ
リング・フォースが遠心力に負けてすべりを生じること
により発生するものであるから、外側前輪に制動がかけ
られることにより、外側前輪の回転速度が低下し、タイ
ヤと路面とのすべり比が小さくなって、遠心力によるす
べりが抑えられドリフトの発生が抑制される。
【0016】このようなスピン抑制制御およびドフト抑
制制御を同時に行わなければならないような状態になる
ことがあるが、そのときには取込んだヨーレイトセンサ
の出力値によってそのいずれを優先するかを選択する。
すなわち、ヨーレイトセンサの出力値が所定値を越えて
いるときには、車両の鉛直軸まわりの変動が大きく、ス
ピンターンしやすい状態にあるものとして、ドリフト抑
制制御手段による制御をヨーレイトセンサの出力値がそ
の所定値を下回るか、あるいはドリフト抑制制御状態が
無効になるまで一時的に禁止し、スピン抑制制御手段に
よる制御を優先させる。
【0017】また、ヨーレイトセンサの出力値が所定値
を下回ったときには、車両の鉛直軸まわりの変動が小さ
く、スピンターンがおこる状態にないものとして、スピ
ン抑制制御手段による制御をヨーレイトセンサの出力値
がその所定値を上回るか、あるいはスピン抑制制御状態
が無効になるまで一時的に禁止し、ドリフト抑制制御手
段による制御を優先する。
【0018】これにより、スピン抑制制御手段とドリフ
ト抑制制御手段とによる制御を同時に実行しなければな
らない状態になっても、どちらか一方の制御が優先的に
行われ、制御出力が混乱することを回避することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】
【0020】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明実施例にかかわる姿勢制御装置の全体
構成を示すブロック図である。
【0021】車両1は本発明にかかわる姿勢制御装置2
の被制御対象である。この車両1には操舵、制動、加
速、その他の運転操作入力が与えられ、それに対する応
答が車両1の挙動である。この車両1には本発明にかか
わる姿勢制御装置2が搭載される。
【0022】本発明実施姿勢制御装置2には、車両1の
運転操作入力および車両1の挙動データを入力としその
車両1の運動状態を演算出力する車両安定化制御装置
(VSC)3と、この車両安定化制御装置3の演算出力
にしたがって運転操作入力および外乱入力を安全側に修
正する修正入力を車両1に与える電子制御制動装置(E
BS)4とが備えられる。
【0023】車両安定化制御装置3には、車両1の横す
べり角および横すべり角速度を入力パラメタとする演算
値が設定限界値を越えたときに横すべりの内輪側のブレ
ーキ圧を大きくするように制御するスピン抑制制御手段
5と、車両1の前輪滑り角が設定限界値を越えたときに
車両旋回円の外側前輪のブレーキ圧を大きくするように
制御するドリフト抑制制御手段6とが共に備えられる。
【0024】さらに、本発明の特徴として、車両安定化
制御装置3に、スピン抑制制御手段5の制御とドリフト
抑制制御手段6の制御とが共に行われる条件となったと
きに、センサ類11に含まれるヨーレイトセンサの出力
値が所定値を越えているときにはドリフト抑制制御手段
6の制御を禁止し、その所定値を下回るときにはスピン
抑制制御手段5の制御を禁止する手段が含まれる。
【0025】電子制御制動装置4は従来のABS手段に
代表される装置である。すなわち、すでに装備されてい
るABS手段を利用する形態で本発明が実施される。
【0026】車両1の挙動をデータとして観測するため
に、車両1に搭載されたセンサ類11からは挙動データ
が出力される。挙動データは、速度、横方向加速度、ヨ
ーレイト、ロールレイト、車輪回転情報、その他であ
る。
【0027】車両安定化制御装置3は、運転操作入力お
よび挙動データを入力として、車両の挙動を予測演算
し、その結果を電子制御制動装置4に与える。電子制御
制動装置4は、同じく運転操作入力および挙動データを
取込み、それに加えて車両安定化制御装置(VSC)3
の出力を取込み、車両1に対する運転操作入力および外
乱入力に対する安全方向への自動制御出力を送出し、こ
れは修正入力となる。
【0028】次に、このように構成された本発明実施例
姿勢制御装置2の車両安定化制御装置3によるスピン抑
制制御およびドリフト抑制制御の切り換え動作について
説明する。図2は本発明実施例装置によるスピン抑制制
御およびドリフト抑制制御の切り換え動作の流れを示す
フローチャートである。
【0029】車両安定化制御装置3は、スピン抑制制御
手段5およびドリフト抑制制御手段6による制御が同時
に有効状態にあるか否かを判定する。スピン抑制制御お
よびドリフト抑制制御が同時に有効状態になく、スピン
抑制制御だけが有効状態にある場合にはそのままスピン
抑制制御を実行する。また、ドリフト抑制制御だけが有
効状態にある場合にはそのままドリフト抑制制御を実行
する。
【0030】スピン抑制制御およびドリフト抑制制御が
共に行われる条件になっているときには、センサ類11
に含まれるヨーレイトセンサの検出出力Yを取込み、所
定値Y0 を越えているか否かを判定する。
【0031】検出出力Yが所定値Y0 を越えていれば、
急旋回、後輪急加速あるいは後輪急制動が行われたこと
によってヨーレイトが大きくなりスピン発生の可能性が
高いので、ドリフト抑制制御手段6による制御をヨーレ
イトセンサの検出出力Yが所定値Y0 を下回るか、ある
いはドリフト抑制制御状態が無効になるまで一時的に禁
止し、スピン抑制制御手段5による制御を優先して実行
しスピンの発生を事前に防止する。
【0032】検出出力Yが所定値Y0 を下回っていれ
ば、車両1の可能な最大遠心力を越えた旋回が行われた
ことによってヨーレイトが小さい値が示されていて、ド
リフトアウトする可能性が高いので、スピン抑制制御手
段5による制御がヨーレイトセンサの検出出力Yが所定
値Y0 を下回るか、あるいはスピン抑制制御状態が無効
になるまで一時的に禁止し、ドリフト抑制制御手段6に
よる制御を優先して実行しドリフトの発生を事前に防止
する。
【0033】ここで、本発明にかかわる姿勢制御装置の
システムおよびその動作について説明する。図3は本発
明にかかわる姿勢制御装置のハードウェア・システムの
構成を示すブロック図である。
【0034】制御回路51はプログラム制御されるコン
ピュータ回路を含む車両に搭載された電子装置であり、
図1に示す車両の運転操作入力およびその車両の挙動デ
ータを入力としその車両の運動状態を演算出力する車両
安定化制御装置(VSC)3と、この車両安定化制御装
置3の演算出力にしたがって運転操作入力および外乱入
力を安全側に修正する修正入力をその車両に与える電子
制御制動装置(EBS)4とが備えられる。この電子制
御制動装置4にはABS手段が含まれる。
【0035】この車両にはヨーレイトセンサ52、横方
向加速度センサ53、ロールレイトセンサ60、および
前後方向加速度センサ61が実装され、これらの各検出
出力は制御回路51に接続されている。4個の車輪54
にはそれぞれ車輪回転センサ55が取付けられ、これら
の検出出力も制御回路51に接続される。ブレーキ・ブ
ースタ・アクチュエータ56にはブレーキ圧センサ57
が取付けられ、この検出出力は同じく制御回路51に接
続される。操舵ハンドル58には操舵角センサ59が取
付けられ、その出力は制御回路51に接続される。内燃
機関を制御するガバナ62にはガバナセンサ63が組み
込まれ、ガバナ62の状態を検出しその検出出力は制御
回路51に接続される。図4は本発明にかかわる姿勢制
御装置の各センサの車両への実装例を示す斜視図であ
る。
【0036】図3および図4には2軸構造の車両が示さ
れているが、大型車両の場合には3軸あるいは4軸構造
が用いられる。図5は本発明にかかわる姿勢制御装置を
3軸車両に装備した場合のハードウェア・システムの構
成を示したものであり、図6は本発明にかかわる姿勢制
御装置を4軸車両に装備した場合のハードウェア・シス
テムの構成を示したものである。
【0037】3軸構造の場合には、車輪回転センサ5
5、ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ56およびブ
レーキ圧センサ57が3軸それぞれの車輪54に取付け
られ、4軸構造の場合には、4軸それぞれの車輪54に
取付けられる。
【0038】制御回路51の制御フローの一例は、通常
制御について図7に示すとおりである。この挙動データ
の取込みは自己回帰法(AR法)により実行される。す
なわち、過去M時点前までのデータに逆上り、過去のデ
ータに各時点毎の重み係数A(m)を乗じた値で表され
る。
【0039】また、積荷の状態が変わり、あるいは搭乗
者の数や搭乗者の位置が変わると、図8に例示する制御
が行われて、車両モデルのパラメータが更新される。こ
の更新は常に修正の要否を監視することにより自動的に
実行される。この挙動データの取込みについても自己回
帰法(AR法)により実行される。図8に示す更新モー
ドのプロセスは図7に示すステップS9の中で実行され
る。
【0040】図9は本発明実施例にかかわる入力データ
の一例を示したもので、(a)には操舵角、(b)には
ヨーレイト、(c)には横すべり角が示されている。横
軸は時間(秒)である。横軸は(a),(b),(c)
に共通である。操舵ハンドル58が操作されると、操舵
角センサ59がこれを検出し(a)に示す入力データを
制御回路51に送出する。この操舵操作にともなってヨ
ーレイトセンサ52がヨーレイトを検出し(b)に示す
入力データを制御回路51に送出する。同時に横方向加
速度センサ53が横すべり角を検出し(c)に示す入力
データを制御回路51に送出する。すなわち図9に示す
(a)は入力であり、同(b)および(c)は車両の振
る舞い(ビヘービア)を表す応答である。
【0041】制御回路51はこれらのデータに基づいて
この車両の伝達関数を演算する。伝達関数は複素関数で
あり、現実的な一例を示すと、横軸に周波数をとり縦軸
に振幅および位相を表示することにより表示することが
できる。比較的単純なモデルで考えると、振幅特性は周
波数に対してなだらかな右下がりの曲線になり、位相特
性は対応して右下がりの曲線になる。図10(a)およ
び(b)はヨーレートについて振幅および位相の周波数
特性を例示する図である。図11(a)および(b)は
横すべり角について振幅および位相の周波数特性を例示
する図である。これらは実際のデータに基づいて演算さ
れた伝達関数を示す図である。
【0042】ここで車両の姿勢制御および更新について
述べる。このようにして伝達関数が定まると、この伝達
関数を用いて車両の動特性を演算し、あらかじめ設定し
た一定の基準を越える異常な動きが予測される場合に、
各車輪に異なるブレーキ圧力を与えて、車両の異常な動
きを抑圧するような姿勢制御が行われる。これは従来か
ら乗用車で実用化されている手法と同様であるので、こ
こでは詳しい説明を省略する。本発明は、この技術を商
用車(トラック・バス)に実施するものであり、商用車
では、積み荷の状況、乗客の人数配置などにより、車両
の応答を表す伝達関数そのものが変動する。すなわち伝
達関数の更新を行うことにした。
【0043】図10はこれを説明する図であり、すでに
数値モデルに伝達関数として破線で示す特性の関数が蓄
積されているものとする。これは積み荷が最大積載量の
約3分の1程度の標準的な形態の場合のモデルである。
これに対して新たに追加の積み荷が積載されたとしよ
う。そうすると、総重量も重心位置も変化する。これに
より当然に同じ操舵に対する車両の応答はちがってく
る。すなわちすでに蓄積されている伝達関数は変更しな
ければならない。そこで、センサに現れる車両の振る舞
いにしたがって伝達関数を改めて演算すると実線で示す
ように、すでに蓄積されている伝達関数とは異なる特性
が現れる。この演算は図8で説明したように自動的に実
行される。そしてその差分つまり図10に斜線を施す領
域があらかじめ設定された限界値より大きいときには、
蓄積されているモデルそのものを実線で示すように、現
在の状態を示す新たな演算値に更新する。これは図8で
説明したとおり自動的に実行される。このような自動的
な蓄積されている伝達関数の数値モデルを更新すること
により、積み荷が変動したときや搭乗人員が変動したと
きなどにも、適正な姿勢制御を実行することができるよ
うになる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両走行中にスピンおよびドリフトが同時に発生し、それ
ぞれの抑制制御手段が同時に有効になっても、ヨーレイ
ト値の大きさによってそのいずれかの制御を禁止するこ
とができ、制御出力に混乱を生じないようにすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例にかかわる姿勢制御装置の全体構
成を示すブロック図。
【図2】本発明実施例装置によるスピン抑制制御および
ドリフト抑制制御の切り換え動作の流れを示すフローチ
ャート。
【図3】本発明にかかわる姿勢制御装置のハードウェア
・システムの構成を示すブロック図。
【図4】本発明にかかわる姿勢制御装置の各センサの車
両への実装例を示す斜視図。
【図5】本発明にかかわる姿勢制御装置を3軸車両に装
備した場合のハードウェア・システムの構成を示すブロ
ック図。
【図6】本発明にかかわる姿勢制御装置を4軸車両に装
備した場合のハードウェア・システムの構成を示すブロ
ック図。
【図7】本発明にかかわる姿勢制御装置による通常制御
の流れを示すフローチャート。
【図8】本発明にかかわる姿勢制御装置による車両モデ
ルのパラメタ更新動作の流れを示すフローチャート。
【図9】(a)、(b)および(c)は本発明にかかわ
る姿勢制御装置の操舵角、ヨーレイトおよび横すべり角
の入力データを示す図。
【図10】(a)および(b)は本発明にかかわる姿勢
制御装置の利得および位相によって表された伝達関数の
一例を示す図。
【図11】(a)および(b)は本発明にかかわる姿勢
制御装置の利得および位置によって表された伝達関数の
別の例を示す図。
【図12】車両のスピンターンを説明する図。
【図13】車両のドリフト・アウトを説明する図。
【符号の説明】
1 車両 2 姿勢制御装置 3 車両安定化制御装置(VSC) 4 電子制御制動装置 (EBS) 5 スピン抑制制御手段 6 ドリフト抑制制御手段 11 センサ類 51 制御回路 52 ヨーレイトセンサ 53 横方向加速度センサ 54 車輪 55 車輪回転センサ 56 ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ 57 ブレーキ圧センサ 58 操舵ハンドル 59 操舵角センサ 60 ロールレイトセンサ 61 前後方向加速度センサ 62 ガバナ 63 ガバナセンサ
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 清明 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の横すべり角および横すべり角速度
    を入力パラメタとする演算値が設定限界値を越えたとき
    に横すべりの内輪側のブレーキ圧を大きくするように制
    御するスピン抑制制御手段と、車両の前輪滑り角が設定
    限界値を越えたときに車両旋回円の外側前輪のブレーキ
    圧を大きくするように制御するドリフト抑制制御手段と
    を共に備えた車両の姿勢制御装置において、 前記スピン抑制制御手段の制御と前記ドリフト抑制制御
    手段の制御とが共に行われる条件となったときに、ヨー
    レイトセンサの出力値が所定値を越えているときには前
    記ドリフト抑制制御手段の制御を禁止し、その所定値を
    下回るときには前記スピン抑制制御手段の制御を禁止す
    る手段を含むことを特徴とする車両の姿勢制御装置。
JP22677597A 1997-08-22 1997-08-22 車両の姿勢制御装置 Pending JPH1159365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22677597A JPH1159365A (ja) 1997-08-22 1997-08-22 車両の姿勢制御装置

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JP22677597A JPH1159365A (ja) 1997-08-22 1997-08-22 車両の姿勢制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010126154A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Robert Bosch Gmbh 自動軌道補正方法

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JP2010126154A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Robert Bosch Gmbh 自動軌道補正方法

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