JP3588226B2 - 車両の姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の姿勢安定制御に関する。本発明は、ヨーあるいはロールなど走行中の車両の挙動に基づいて、車両の姿勢を安定な方向に自動的に制御する装置に利用する。本発明は、例えば、車両が走行中に横すべり状態になる可能性があることを自動的に検知演算して、全部または一部の車輪のブレーキ圧力を自動的に制御することにより、その車両を横すべりが生じる可能性の小さい状態に回復させる自動制御装置に利用することができる。本発明は、例えば高速走行中の大きいハンドル操作など、車両の特性を越える運転操作により車両が運転者の意図しない挙動に達したときに自動的に安定な状態を回復させる姿勢制御に関する。本発明は、バス・トラックなど商業車両の横転防止に利用する。
【0002】
【従来の技術】
従来からブレーキの電子制御装置や車両安定化制御装置(VSC、Vehicle Stability Control)などが知られている。ブレーキにかかわる電子制御装置の代表的なシステムはABS(Antilock Brake System)である。これは車輪に回転センサを設けて車輪回転を検出し、ブレーキ圧力が大きいときに車輪回転が停止すると、車輪と路面との間にスリップがあったものとして、ブレーキ圧力を断続制御するものである。ABSは乗用車あるいは貨物車に広く普及し、ブレーキをかけながらもハンドルがきく装置として広く知られるところとなった。車両安定化制御装置(VSC)の代表的な装置としては、横すべり防止装置が知られている。これは、運転者が操作入力する操舵角(ハンドル角度)から、運転者が進もうとしている針路を読取り、その針路に対して車速が大きすぎると、運転者がブレーキペダルを踏まなくとも自動的に減速のための制御がなされ、さらに針路から外れないように左右のブレーキ圧力を配分するなどの制御が行われる装置である。
【0003】
すでに知られている車両姿勢安定化装置(VSC)(特開昭63−279976号公報、特開平2−112755号公報など)をさらに説明すると、車両の走行中に運転者が操舵を行うと、車両の向きが変化し車両にロールが生じる。このとき操舵による旋回内輪のタイヤが路面のグリップ限界を越えると、内輪がいわゆるホイール・リフト傾向となり、車両が横すべりをはじめる。例えば、直線走行状態から運転者が左に操舵を行うと車両は右に傾斜する。このとき、正常な状態ではその操舵に応じて車両が旋回するが、走行速度に対して操舵の速さが大きすぎると、車両は右に傾斜しながら左車輪が浮きぎみな状態となり、運転者の意図する方向より右寄りに進行することになる。このような車両の挙動は、走行レーンの逸脱や、極端な場合には車両の横転を招く原因となる。
【0004】
通常走行状態において、操舵の大きさと速さ、車両の速度、車両の横移動の速さ、および車両の向きの変化の速さ(ヨーレイト、垂直軸まわりの車両の回転加速度)を検出して演算することにより、車輪の横すべり開始点または内輪のホイールリフト開始点を予測し、横すべりあるいはホイールリフトが始まる前に車輪のブレーキ圧力を制御する装置が開発された。この車輪のブレーキ圧力制御は、必ずしも全輪同一のブレーキ圧力ではなく、一つの車輪について大きいあるいは小さいブレーキ圧力を印加して、車両の横すべりを防止するものである。このような装置は、原理的な構造や設計のみならず、経済性および耐久性などもよく検討され、乗用車については市販品に実装される段階に達した。
【0005】
このような従来例装置は、現在の操舵および制動を含む運転操作に係るパラメータと、現在の車両の挙動に係るパラメータから、すなわち現時点のパラメータからヨーレイトを演算し、これがあらかじめその車両について設定記憶された横すべりの可能性があるヨーレイトに達すると判定されたときに、自動的に車両のブレーキ圧力を制御するように構成されている。この横すべりの可能性は、運転操作入力および各種センサ出力である車両の挙動データから伝達関数による演算が実行される。
【0006】
従来の伝達関数演算装置ではこの伝達関数による演算は、高速フーリエ演算が広く用いられている演算方法である。すなわち操作入力についてのデータおよび挙動データを周波数分解し、フーリエ関数を利用して応答を近似演算するものである。高速フーリエ演算は、コンピュータ装置にインストールして利用できる汎用のアナライザが簡単に入手できるなど便利な点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来伝達関数演算に利用されている高速フーリエ演算では、
(1)周波数の低い信号に対して長時間にわたるデータが必要である、
(2)データの数は2の冪乗(8、16、32、64・・・)でなければならず適当なデータ数が得られない場合がある、
(3)フィード・バック制御が行われるクローズド・ループは演算不能であるなどの欠点がある。特に、トラックやバスなどの商用車では、挙動データの中に振動周波数が百分の1ヘルツ程度の成分があり、このような挙動データに対して、高速フーリエ演算による伝達関数の演算のためには少なくともその周期の2倍である200秒にわたる実時間のデータが必要になる。これでは、走行中に実時間で演算する実用的な装置を得ることができないことになる。これは商用車の姿勢制御装置の実現を妨げる大きい問題点である。
【0008】
また、大型車両では、積荷の状態により、あるいは乗客の搭乗数およびその着席位置により、車両の物理特性は大きく変動する。すなわち、乗用車の場合には乗客数に変動があるとしても、乗客の体重(例えば一人当たり50kg)は車両の全重量(例えば2000kg) に対して小さくかつ搭乗人員は少人数である。しかも乗客の搭乗位置は重心の低い位置に固定されているから、乗客数が変動する場合にも、車両の物理定数を保持する車両モデルを固定的に設定して演算を行っても姿勢制御装置の演算結果には大きい影響はない。しかし大型車両では、貨物用車両の場合には、積荷がない場合と積載可能限界に近い典型的な積荷がある場合とでは車両全体の重量も重心位置も大きく変わる。したがって車両の物理特性は大きく変化するから、固定的な車両モデルを使用して演算を行っても現実的な値とならない。
【0009】
さらにトラックでは、積荷は常に一定の状態で積まれるわけではなく、その重量および積載の位置あるいは重心の位置はその都度変化する。大型バスの場合でも、乗客の搭乗数はゼロから約50人までの間を変動し、その搭乗乗客の車両内での位置もその都度変化する。定期バスの場合には停留所毎に変化することになる。したがって、姿勢制御の基礎となる車両モデルを固定的に設定したのでは実用的な姿勢制御はできないことになる。
【0010】
本発明はこのような背景に行われたものであって、大型車両とくに商業車に適する姿勢制御装置を提供することを目的とする。本発明は、挙動データに低い周波数成分が多く含まれる大型車両に適応するための姿勢制御装置を提供することを目的とする。本発明は、積荷あるいは乗客の状態が変化する車両に適応するための姿勢制御装置を提供することを目的とする。本発明は、積荷あるいは乗客の状態が変化しても、車両モデルが自動的に追従する姿勢制御装置を提供することを目的とする。本発明は、車両の特性を越えた運転制御による大型自動車の走行レーンからの逸脱防止および横転防止を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の最大の特徴は、従来装置で伝達関数の応答を高速フーリエ演算法により行っていたところ、データを自己回帰法(AR法、Auto Regressive Models:自己回帰モデルを利用した動特性同定手法) により与え伝達関数の応答を演算することにある。
【0012】
一般に自己回帰法(AR)と高速フーリエ演算法(FFT)を比較すると、FFTでは汎用のアナライザが簡単に入手できること、計算が開始されると演算は短時間で完結すること、などの利点があるが、周波数の低い(周期の長い)成分に対して適正な分解能を得るためには、その周期の2倍ほどの時間にわたるデータが必要である。例えば大型車両の挙動データには、百分の1ヘルツ(周期百秒)というような周波数成分が含まれているので、実時間により演算ができないことになる。これに対してAR法では、過去のデータに重み係数をかけて逆上って演算を行うので、相応の結果が逐一得られることになり実時間制御のための演算として適している。また、FFT法ではデータの数が2の冪乗、すなわち2でなければならないが、AR法ではデータの数に制約がなくその時点毎に保持するデータを用いて演算できるから自由度が大きくなる。またFFT法ではクローズド・ループ、すなわち演算結果が挙動データに直ちに帰還されるループ制御を行うような場合の演算が原理的に不可能であるが、AR法ではクローズド・ループ演算に適するものであり、自動車の姿勢制御のようにつねにループ制御が行われている装置では有利である。
【0013】
すなわち本発明は、車両の運転操作入力(操舵・制動など)およびその車両の挙動データ(車両に搭載されたセンサ出力)を入力としその車両の運動状態を演算出力する車両安定化制御装置(VSC、Vehicle Stability Control)と、この車両安定化制御装置の演算出力にしたがって運転操作入力および外乱入力を安全側に修正する修正入力をその車両に与える制御手段とを備えた車両の姿勢制御装置において、前記車両安定化制御装置(VSC)は、その車両の物理特性(重量・重心位置・車輪の摩擦係数ほか)を数値として保持する数値モデルと、その車両の運転操作入力をデータとして取込み前記数値モデルを参照して伝達関数によりその車両の応答を推測演算するオブザーバとを含み、k時点のデータX(k)がそのM時点前までの過去のデータに各時点毎に重み係数A(m)を乗じた値で表される自己回帰法(AR法、Auto Regressive Models) によりデータを与え前記伝達関数による応答を演算する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
これを数式により表わすと、k時点のデータX(k)はベクトル量であり、
【0015】
【数1】
Figure 0003588226
となり、ここに、Mはk時点からさかのぼる時点の数、A(m)はm時点の重み係数、ε(k)はk時点の残差ベクトル量である。
【0016】
前記修正入力を与える制御手段は、車両の運転操作入力およびその車両の挙動データを入力としその車両に自動操作入力を与える電子制御制動装置(Electronic controled Brake System ,EBS)を含む構成とすることができる。
【0017】
本発明の第二の特徴は、車両の数値モデルを積荷の重量や形態、乗車人員数やその着座位置にしたがって更新することにある。すなわち、前記数値モデルを前記オブザーバの演算結果に基づいて部分的に更新する手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
車両の数値モデルを自動的かつ部分的に更新することにより、大型車両の積荷状況の変化や、乗車人数および着座位置の変動に対して、つねに追従した数値モデルを保持することが可能になり、その演算結果、および危険状態に対する判定基準をつねに適正に維持することができる。
【0019】
前記車両安定化制御装置(VSC)に取込まれる操作入力はブレーキ圧力および操舵角を含み、前記車両の挙動データはヨーレイト・センサ、ロールレイト・センサ、横加速度センサおよび車輪回転センサの各出力データを含む構成とすることができる。
【0020】
前記電子制御制動装置(EBS)は、前記挙動データとして車輪回転センサの出力を取込み、前記運転操作入力としてブレーキ圧力を取込み、ブレーキ圧力を断続的に印加させるABS(Antilock Breake System) 手段を含む構成とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による姿勢制御の全体構成例を示す図である。車両1は本発明姿勢制御装置の被制御対象である。車両1には、操舵、制動、加速、その他運転操作入力が与えられ、それに対する応答が車両の挙動である。この車両1には本発明の姿勢制御装置2が搭載される。そしてこの姿勢制御装置2は車両安定化制御装置(VSC)3および電子制御制動装置4を含む。この電子制御制動装置4は従来のABS手段に代表される装置である。すなわち、すでに装備されているABS手段を利用する形態で本発明が実施される。
【0022】
その車両の挙動をデータとして観測するために、その車両1に搭載されたセンサ類11からは挙動データが出力される。挙動データは、速度、横方向加速度、ヨーレイト、ロールレイト、車輪回転情報、その他である。
【0023】
車両安定化制御装置3は、運転操作入力および挙動データを入力として、車両の挙動を予測演算し、その結果を電子制御制動装置4に与える。電子制御制動装置4は、同じく運転操作入力および挙動データを取込み、それに加えて車両安定化制御装置(VSC)3の出力を取込み、車両1に対する運転操作入力および外乱入力に対する安全方向への自動制御出力を送出し、これは修正入力となる。
【0024】
図2は、本発明の主要な構成であるオブザーバの構成および数値モデルの自動更新を説明する図である。図3は、この車両安定化制御装置についてさらに詳しい構成例を説明する図である。
【0025】
本発明の最大の特徴はオブザーバ5の演算にAR法を用いることである。すなわち、オブザーバ5は車両の運転操作入力をデータとして取込み伝達関数によりその車両の挙動応答を推測演算する、このとき車両の数値モデル6にあらかじめ蓄積されている車両に関するパラメータとして利用する。AR法では、この伝達関数に与えるデータは、k時点のデータX(k)がそのM時点前までの過去のデータに各時点毎に重み係数A(m)を乗じた値で表される。これを数式で表示すると、現時点のデータX(k)はベクトル量であり、
〔数1〕
となり、ここに、
Mはk時点からさかのぼる時点の数、
A(m)はm時点の重み係数、
ε(k)はk時点の残差ベクトル
である。
【0026】
図3に示すように、演算手段7では数値モデル6に保持されている重量・重心位置・ホイールベースその他の各種パラメータにしたがって、比較演算が実行され、前輪横すべり、後輪よこすべり、ホイールリフトなどについて、発生の可能性が演算される。この発生の可能性は評価手段8により評価され、所定の基準を越えて可能性が大きいときには、制御量演算手段9により安全側に行うべき制御量が演算され、電子制御制動装置(EBS)4に対してこの演算結果が伝達される。
【0027】
電子制御制動装置(EBS)4は例えばABSであり、ABS装置としてのABS演算手段42による演算結果と総合して、安全自動制御手段41により修正量が演算され、これが修正入力として車両に供給される。具体的には、左後輪のみ制動を行う、あるいは全輪制動であるが右前輪の制動量を小さく制御するなどが実行される。
【0028】
さらに本発明の特徴は、オブザーバ5により推測演算された挙動が、車両に設けられたセンサ類11により観測される実際の挙動と一致しないときに、数値モデル6に設定されている車両の特性に関するパラメータの一部を自動的に更新するところにある。例えば積載重量が変化したとき、積載荷姿が変化したとき、搭乗者数が変化したとき、搭乗者の着座位置が変化したときなどに、その車両の特徴を表示するパラメータが実際の挙動と一致しなくなる。このときに、車両の数値モデル6にあらかじめ保持されているパラメータを自動的にその挙動に一致するように変更する。この更新は、運転操作入力あるいは外乱入力に対する車両の挙動が危険な程度より十分小さい安全な走行が行われているときに実行される。
【0029】
【実施例】
図4は本発明実施例のシステム構成図である。制御回路51はプログラム制御されるコンピュータ回路を含む車両に搭載された電子装置であり、車両の運転操作入力およびその車両の挙動データを入力としその車両の運動状態を演算出力する車両安定化制御装置(VSC)と、この車両安定化制御装置の演算出力にしたがって運転操作入力および外乱入力を安全側に修正する修正入力をその車両に与える制御手段とを含む。本発明の特徴は、この車両安定化制御装置は、その車両の物理特性を数値として保持する数値モデルと、その車両の運転操作入力をデータとして取込み前記数値モデルを参照して伝達関数によりその車両の応答を推測演算するオブザーバとを含み、前記伝達関数に与えるデータは、k時点のデータX(k)がそのM時点前までの過去のデータに各時点毎に重み係数A(m)を乗じた値で表される自己回帰法(AR法) により前記応答を演算する手段を備えたところにある。
【0030】
この車両にはヨーレイトセンサ52、横方向加速度センサ53、ロールレイトセンサ60、および前後方向加速度センサ61が実装され、これらの各検出出力は制御回路51に接続されている。4個の車輪54にはそれぞれ車輪回転センサ55が取付けられ、これらの検出出力も制御回路51に接続される。ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ56にはブレーキ圧センサ57が取付けられ、この検出出力は同じく制御回路51に接続される。操舵ハンドル58には操舵角センサ59が取付けられ、その出力は制御回路51に接続される。内燃機関を制御するガバナ62にはガバナセンサ63が組み込まれ、ガバナ62の状態を検出しその検出出力は制御回路51に接続される。図5は本実施例における前記各センサの車両への実装例を示す斜視図である。
【0031】
図4および図5には2軸構造の車両が示されているが、大型車両の場合には3軸あるいは4軸構造が用いられる。図6は本発明実施例装置を3軸車両に装備した場合のハードウェア・システム構成を示したものであり、図7は本発明実施例装置を4軸車両に装備した場合のハードウェア構成を示したものである。
【0032】
3軸構造の場合には、車輪回転センサ55、ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ56およびブレーキ圧センサ57が3軸それぞれの車輪54に取付けられ、4軸構造の場合には、4軸それぞれの車輪54に取付けられる。
【0033】
制御回路51の制御フローの一例は、通常制御について図8に示すとおりである。この挙動データの取込みは自己回帰法(AR法)により実行される。すなわち、過去M時点前までのデータに逆上り、過去のデータに各時点毎の重み係数A(m)を乗じた値で表されるところにその特徴がある。
【0034】
また、積荷の状態が変わり、あるいは搭乗者の数や搭乗者の位置が変わると、図9に例示する制御が行われて、車両モデルのパラメータが更新される。この更新は常に修正の要否を監視することにより自動的に実行される。この挙動データの取込みについても自己回帰法(AR法)により実行される。図9に示す更新モードのプロセスは図8に示すステップS9の中で実行される。
【0035】
図10は本発明実施例にかかわる入力データの一例を示したもので、(a)には操舵角、(b)にはヨーレイト、(c)には横すべり角が示されている。横軸は時間(秒)である。横軸は(a),(b),(c)に共通である。操舵ハンドル58が操作されると、操舵角センサ59がこれを検出し(a)に示す入力データを制御回路51に送出する。この操舵操作にともなってヨーレイトセンサ52がヨーレイトを検出し(b)に示す入力データを制御回路51に送出する。同時に横方向加速度センサ53が横すべり角を検出し(c)に示す入力データを制御回路51に送出する。すなわち図10に示す(a)は入力であり、同(b)および(c)は車両の振る舞い(ビヘービア)を表す応答である。
【0036】
制御回路51はこれらのデータに基づいてこの車両の伝達関数を演算する。伝達関数は複素関数であり、現実的な一例を示すと、横軸に周波数をとり縦軸に振幅および位相を表示することにより表示することができる。比較的単純なモデルで考えると、振幅特性は周波数に対してなだらかな右下がりの曲線になり、位相特性は対応して右下がりの曲線になる。図11(a)および(b)はヨーレートについて振幅および位相の周波数特性を例示する図である。図12(a)および(b)は横すべり角について振幅および位相の周波数特性を例示する図である。これらは実際のデータに基づいて本発明の手法により演算された伝達関数を示す図である。
【0037】
ここで車両の姿勢制御および更新について述べる。このようにして伝達関数が定まると、この伝達関数を用いて車両の動特性を演算し、あらかじめ設定した一定の基準を越える異常な動きが予測される場合に、各車輪に異なるブレーキ圧力を与えて、車両の異常な動きを抑圧するような姿勢制御が行われる。これは従来から乗用車で実用化されている手法と同様であるので、ここでは詳しい説明を省略する。本発明は、この技術を商用車(トラック・バス)に実施するものであり、商用車では、積み荷の状況、乗客の人数配置などにより、車両の応答を表す伝達関数そのものが変動する。すなわち伝達関数の更新を行うことにした。
【0038】
図11はこれを説明する図であり、すでに数値モデルに伝達関数として破線で示す特性の関数が蓄積されているものとする。これは積み荷が最大積載量の約3分の1程度の標準的な形態の場合のモデルである。これに対して新たに追加の積み荷が積載されたとしよう。そうすると、総重量も重心位置も変化する。これにより当然に同じ操舵に対する車両の応答はちがってくる。すなわちすでに蓄積されている伝達関数は変更しなければならない。そこで、センサに現れる車両の振る舞いにしたがって伝達関数を改めて演算すると実線で示すように、すでに蓄積されている伝達関数とは異なる特性が現れる。この演算は図9で説明したように自動的に実行される。そしてその差分つまり図11に斜線を施す領域があらかじめ設定された限界値より大きいときには、蓄積されているモデルそのものを実線で示すように、現在の状態を示す新たな演算値に更新する。これは図9で説明したとおり自動的に実行される。このような自動的な蓄積されている伝達関数の数値モデルを更新することにより、積み荷が変動したときや搭乗人員が変動したときなどにも、適正な姿勢制御を実行することができるようになる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、AR法を利用して数値演算を行うことにより実時間演算が可能であり、短い時間のデータを利用して、その時点で保持しているだけのデータを利用し合理的に車両の挙動を推定することができる。また、本発明によれば、積載量、荷姿、乗車者数、乗車者の着座位置、その他車両の運行に伴う荷重の変更に適正に追従して演算を行うことができるから、安全に対する制御が確実になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による姿勢制御の全体構成例を示す図。
【図2】本発明の主要な構成であるオブザーバの構成および数値モデルの自動更新を説明する図。
【図3】この車両安定化制御装置についてさらに詳しい構成例を説明する図。
【図4】本発明実施例のハードウエア・システム構成図。
【図5】本発明実施例における各センサの車両への実装例を示す斜視図。
【図6】本発明実施例装置を3軸車両に装備した場合のハードウェア・システム構成図。
【図7】本発明実施例装置を4軸車両に装備した場合のハードウェア・システム構成図。
【図8】本発明実施例制御回路の通常制御を説明するフローチャート。
【図9】本発明実施例制御回路の車両モデルのパラメータ更新を説明するフローチャート。
【図10】(a)、(b)および(c)は本発明実施例にかかわる操舵角、ヨーレイトおよび横すべり角の入力データを示す図。
【図11】(a)および(b)は本発明実施例にかかわる利得および位相によって表された伝達関数の一例を示す図。
【図12】(a)および(b)は本発明実施例にかかわる利得および位置によって表された伝達関数の別の例を示す図。
【符号の説明】
1 車両
2 姿勢制御装置
3 車両安定化制御装置(VSC)
4 電子制御制動装置 (EBS)
5 オブザーバ
6 数値モデル
7 演算手段
8 評価手段
9 制御量演算手段
11 センサ類
41 安全自動制御手段
42 ABS演算手段
51 制御回路
52 ヨーレイトセンサ
53 横方向加速度センサ
54 車輪
55 車輪回転センサ
56 ブレーキ・ブースタ・アクチュエータ
57 ブレーキ圧センサ
58 操舵ハンドル
59 操舵角センサ
60 ロールレイトセンサ
61 前後方向加速度センサ
62 ガバナ
63 ガバナセンサ

Claims (3)

  1. 車両の運転操作入力およびその車両の挙動データを入力としその車両の運動状態を演算出力する車両安定化制御装置(VSC)と、
    この車両安定化制御装置の演算出力にしたがって運転操作入力および外乱入力を安全側に修正する修正入力をその車両に与える制御手段と
    を備えた車両の姿勢制御装置において、
    前記車両安定化制御装置は、その車両の物理特性を数値として保持する数値モデルと、その車両の運転操作入力をデータとして取込み前記数値モデルを参照して伝達関数によりその車両の応答を推測演算するオブザーバとを含み、
    前記オブザーバは、k時点のデータX(k)がそのM時点前までの過去のデータに各時点毎に重み係数A(m)を乗じた値で表される自己回帰法(AR法) により前記応答を演算する手段を備え、
    車両の操作入力および挙動データを取込み前記オブザーバの演算結果と比較して数値モデルを修正する必要があるときは前記数値モデルのパラメータを部分的に更新する手段を備え、
    前記修正入力を与える制御手段は、車両の運転操作入力およびその車両の挙動データを入力としその車両に自動操作入力を与える電子制動装置(EBS)を含む
    ことを特徴とする車両の姿勢制御装置。
  2. 前記車両安定化制御装置(VSC)に取込まれる操作入力はブレーキ圧力および操舵角を含み、前記車両の挙動データはヨーレイト・センサ、ロールレイト・センサ、横加速度センサおよび車輪回転センサの各出力データを含む請求項1記載の車両の姿勢制御装置。
  3. 請求項1記載の電子制動装置は、前記挙動データとして車輪回転センサの出力を取込み、前記運転操作入力としてブレーキ圧力を取込み、ブレーキ圧力を断続的に印加させるABS手段を含む車両の姿勢制御装置。
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