JP4151540B2 - 車輌の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輌の判定制御装置に係り、更に詳細には車輌の衝突の虞れを判定し制御する衝突判定制御装置に係る。
自動車等の車輌の衝突判定制御装置の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、運転者の操舵操作を検出し、検出された操舵操作に基づき自車の進行路を予測し、予測された進行路に基づいて障害物に対する車輌の衝突の虞れを判定し制御する衝突判定制御装置が従来より知られている。
かかる衝突判定制御装置によれば、予測された自車の進行路に基づいて障害物に対する車輌の衝突の虞れが判定されるので、自車の前方の障害物について車輌の衝突の虞れが判定される場合に比して、車輌の衝突の虞れを正確に判定することができる。
特開平10−69598号公報
しかし車輌が例えばスピン状態又はドリフトアウト状態の如き走行状態にあるときには、車輌は必ずしも運転者の操舵操作に基づき予測される進行路に沿って移動しないため、上述の如き従来の衝突判定制御装置に於いては、車輌の実際の移動方向にある障害物に対する衝突の虞れを正確に判定することができず、また障害物に衝突する自車の部位や方向の如き衝突態様を正確に予測することができず、そのためエアバッグの如き衝突影響低減装置が効果的に作動するよう衝突影響低減装置を適正に制御することができないという問題がある。
本発明は、運転者の操舵操作に基づき予測される進行路に基づいて障害物に対する車輌の衝突の虞れを判定するよう構成された従来の衝突判定制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の前後方向に対する車輌の実際の重心移動方向を推定し、車輌の実際の重心移動方向にある障害物に対する衝突の虞れを判定することにより、従来に比して障害物に対する衝突の虞れを正確に判定し、衝突影響低減装置効果的に作動させ得るようにすることである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち複数の方向の障害物を検出する障害物検出手段と、車速と車輌の横加速度と車輌のヨーレートとに基づいて演算される車輌のスリップ角に基づき車輌の前後方向を基準にして車輌の走行時の重心の移動方向を推定する重心移動方向推定手段と、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して前記障害物検出手段により障害物を検出し、前記障害物検出手段の検出結果に基づき車輌の衝突の虞れを判定する制御手段とを有することを特徴とする車輌の衝突判定制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御手段は車輌の走行状態がその前後方向と重心移動方向との偏差が過大な不安定状態にあると判定したときに、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して前記障害物検出手段により障害物を検出するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記制御手段は車輌の衝突の虞れがあると判定したときには推定された重心移動方向及び車輌の状態量に基づき障害物に対する車輌の衝突態様を予測するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記制御手段は推定された重心移動方向及び車輌のヨーレートに基づき障害物に対する車輌の衝突態様として衝突方向及び衝突部位を予測するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至の何れか一つの構成に於いて、前記障害物検出手段はそれぞれ互いに異なる方向の障害物を検出する複数のセンサを含み、前記制御手段は推定された重心移動方向に基づいて前記複数のセンサのうち一つのセンサを選択し、選択されたセンサの検出結果を重視して車輌の衝突の虞れを判定するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至の何れか一つの構成に於いて、前記障害物検出手段は所定の角度範囲に亘り障害物を検出可能な走査型のセンサであり、前記制御手段は推定された重心移動方向についての前記走査型のセンサによる検出結果を他の方向よりも重視して車輌の衝突の虞れを判定するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項又はの構成に於いて、車輌は衝突影響低減装置を有し、前記制御手段は予測された衝突態様に応じて前記衝突影響低減装置の作動態様を決定し、決定した作動態様に基づき前記衝突影響低減装置の作動を制御するよう構成される(請求項の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項の構成に於いて、前記衝突影響低減装置は複数の衝突影響低減手段を含み、前記制御手段は予測された衝突態様に応じて作動すべき衝突影響低減手段及びその作動タイミングを決定し、決定した衝突影響低減手段を決定した作動タイミングにて作動させるよう構成される(請求項の構成)。
上記請求項1の構成によれば、衝突判定制御装置は複数の方向の障害物を検出する障害物検出手段と、車速と車輌の横加速度と車輌のヨーレートとに基づいて演算される車輌のスリップ角に基づき車輌の前後方向を基準にして車輌の走行時の重心の移動方向を推定する重心移動方向推定手段と、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して障害物検出手段により障害物を検出し、障害物検出手段の検出結果に基づき車輌の衝突の虞れを判定する制御手段とを有するので、車輌がナビゲーション装置を備えていなくても、車輌の前後方向に対し重心移動方向がなす角度として重心移動方向を確実に推定することができ、これにより車輌の前後方向と車輌の重心移動方向とが大きく異なる状況に於いても、ナビゲーション情報を要することなく車輌の重心移動方向にある障害物を確実に検出することができると共に、車輌の重心移動方向に障害物がある場合に車輌がその障害物に衝突する虞れを正確に判定することができる。
また上記請求項1の構成によれば、ナビゲーション情報に基づき車輌の絶対位置が判定され、車輌の絶対位置の変化に基づき車輌の基準方向を基準にして重心移動方向が推定される訳ではないので、ナビゲーション情報は不要であり、従って車輌がナビゲーション装置を備えていることを要することなく重心移動方向を確実に推定することができる。
また上記請求項の構成によれば、重心移動方向推定手段は車速車輌の横加速度車輌のヨーレートに基づいて演算される車輌のスリップ角に基づき車輌の前後方向を基準にして重心移動方向を推定するので、車輌の状態量としての車速、車輌の横加速度、車輌のヨーレートに基づいて確実に車輌の重心移動方向を推定することができる。
また上記請求項の構成によれば、車輌の走行状態がその前後方向と重心移動方向との偏差が過大な不安定状態にあると判定されたときに、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して障害物検出手段により障害物が検出されるので、車輌の前後方向と車輌の重心移動方向とが大きく異なる状況に於いて、車輌の移動方向にある障害物を確実に検出することができると共に、車輌の移動方向に障害物がある場合に車輌がその障害物に衝突する虞れを正確に判定することができる。
また上記請求項の構成によれば、車輌の衝突の虞れがあると判定されたときには推定された重心移動方向及び車輌の状態量に基づき障害物に対する車輌の衝突態様が予測されるので、障害物に対する車輌の衝突態様を正確に予測することができると共に、予測された車輌の衝突態様に応じて車輌の衝突による影響を最適に低減する制御を行うことが可能になる。
また上記請求項の構成によれば、推定された重心移動方向及び車輌のヨーレートに基づき障害物に対する車輌の衝突態様として衝突方向及び衝突部位が予測されるので、予測された車輌の衝突方向及び衝突部位に応じて車輌の衝突による影響を最適に低減する制御を行うことが可能になる。
また上記請求項の構成によれば、障害物検出手段はそれぞれ互いに異なる方向の障害物を検出する複数のセンサを含み、推定された重心移動方向に基づいて複数のセンサのうち一つのセンサが選択され、選択されたセンサの検出結果を重視して車輌の衝突の虞れが判定されるので、車輌の重心移動方向について障害物を検出するセンサにより障害物の検出が行われることを確実に防止することができ、これにより車輌の重心移動方向にある障害物を検出できなくなることを確実に防止することができる。
また上記請求項の構成によれば、障害物検出手段は所定の角度範囲に亘り障害物を検出可能な走査型のセンサであり、推定された重心移動方向についての走査型のセンサによる検出結果を他の方向よりも重視して車輌の衝突の虞れが判定されるので、走査型のセンサが障害物を検出可能な所定の角度範囲内であって推定された重心移動方向にある障害物を確実に検出することができ、従って車輌がその障害物に衝突する虞れを正確に且つ確実に判定することができる。
また上記請求項の構成によれば、車輌は衝突影響低減装置を有し、予測された衝突態様に応じて衝突影響低減装置の作動態様が決定され、決定された作動態様に基づき衝突影響低減装置の作動が制御されるので、衝突影響低減装置が予測された衝突態様に応じて最適に作動し、衝突影響低減装置がその衝突影響低減作用を効果的に発揮するよう衝突影響低減装置の作動を制御することができる。
また上記請求項の構成によれば、衝突影響低減装置は複数の衝突影響低減手段を含み、推定された衝突態様に応じて作動すべき衝突影響低減手段及びその作動タイミングが決定され、決定された衝突影響低減手段が決定された作動タイミングにて作動されるので、推定された衝突態様に応じて作動すべき衝突影響低減手段及びその作動タイミングを最適に決定し、これにより各衝突影響低減手段により衝突影響低減作用を効果的に発揮させることができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至の何れか一つの構成に於いて、障害物検出手段は少なくとも障害物までの距離を検出するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、障害物検出手段は障害物までの距離及び障害物と自車との相対速度を検出するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は車輌のスリップ角の大きさが基準値以上であるときに車輌の走行状態が不安定状態にあると判定するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は車速及び操舵角に基づき車輌の基準ヨーレートを演算し、基準ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの偏差の大きさが基準値以上であるときに車輌の走行状態が不安定状態にあると判定するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は車輌のスピン状態の程度を示すスピン状態量及び車輌のドリフトアウト状態の程度を示すドリフトアウト状態量を演算し、スピン状態量又はドリフトアウト状態量が基準値以上であるときに車輌の走行状態が不安定状態にあると判定するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は車輌の走行状態が安定状態にあると判定したときには、通常時用の障害物検出手段により障害物を検出するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、障害物検出手段は車輌の重心に対し車輌の前方、左方、後方、右方の実質的に90度の角度範囲に存在する障害物を検出する四つのセンサを含むよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は選択されたセンサの検出結果に基づいて車輌の衝突の虞れを判定するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項の構成に於いて、制御手段は推定された重心移動方向を含む判定角度範囲についての走査型のセンサによる検出結果に基づいて車輌の衝突の虞れを判定するよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項及びの構成に於いて、衝突態様は車輌の衝突方向及び衝突部位を含むよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項及びの構成に於いて、衝突影響低減装置は車輌の衝突時に乗員を保護することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段を含むよう構成される(好ましい態様11)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項及びの構成に於いて、衝突影響低減装置は車輌の衝突の強さを低減し車輌が受ける衝突の影響を低減することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段を含むよう構成される(好ましい態様12)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項及びの構成に於いて、衝突影響低減装置は車輌の衝突の虞れがあるときに乗員に退避行動を促す警報を乗員に発することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段を含むよう構成される(好ましい態様1)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
図1は本発明による車輌の衝突判定制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ車輌の駆動輪である左右の後輪を示している。従動輪であり操舵輪でもある左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
各車輪の制動力は制動装置20の油圧回路22によりホイールシリンダ24FR、24FL、24RR、24RLの制動圧が制御されることによって制御されるようになっている。図には示されていないが、油圧回路22はオイルリザーバ、オイルポンプ、ホイールシリンダ内の圧力を増減するための増減圧制御弁の如き種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧は通常時には運転者によるブレーキペダル26の踏み込み操作に応じて駆動されるマスタシリンダ28により制御され、また必要に応じて電子制御装置30により増減圧制御弁が制御されることによって制御される。
車輪10FR〜10RLにはそれぞれ対応する車輪のホイールシリンダ24FR〜24RLの圧力Pi(i=fr、fl、rr、rl)を制動圧として検出する圧力センサ32FR〜32RLが設けられ、ステアリングホイール14が連結されたステアリングコラムには操舵角θを検出する操舵角センサ34が設けられ、マスタシリンダ28にはマスタシリンダ圧力Pmを検出する圧力センサ36が設けられている。
また車輌12にはそれぞれ車輌のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ38、前後加速度Gxを検出する前後加速度センサ40、横加速度Gyを検出する横加速度センサ42、車速Vを検出する車速センサ44が設けられている。尚操舵角センサ34、ヨーレートセンサ38及び横加速度センサ42は車輌の左旋回方向を正としてそれぞれ操舵角、ヨーレート及び横加速度を検出する。
また車輌12には例えばミリ波の如き電波を利用して車輌周囲の障害物を検出する走査型のレーダーセンサ46j(j=FW、LS、RW、RS)が設けられている。図3に示されている如く、レーダーセンサ46FW、46LS、46RW、46RSはそれぞれ車輌12の重心100に対し車輌の前方、左方、後方、右方の約90度の角度範囲に存在する障害物を検出し、障害物までの距離Lreを検出する。
更に車輌12には衝突影響低減装置の衝突影響低減手段として、図には示されていないエアバッグの展開により乗員を保護するエアバッグ装置48、プリテンショナを備え張力を増減するシートベルト装置50、車高調整機能を備えた減衰力可変式のサスペンション装置52、乗員に退避行動を促す視覚若しくは聴覚の警報を発する警報装置54が設けられている。衝突影響低減手段はこれらに限定されるものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の手段であってよい。
尚エアバッグ装置48及び張力可変のシートベルト装置50は車輌の衝突時に乗員を保護することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段として作動し、車高調整機能を備えた減衰力可変式のサスペンション装置52は車輌の衝突の強さを低減し車輌が受ける衝突の影響を低減することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段として作動し、警報装置54は乗員に退避行動を促す警報を発することにより乗員が受ける衝突の影響を低減する手段として作動する。
図示の如く、圧力センサ32FR〜32RLにより検出された制動圧Piを示す信号、操舵角センサ34により検出された操舵角θを示す信号、圧力センサ36により検出されたマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、ヨーレートセンサ38により検出されたヨーレートγを示す信号、前後加速度センサ40により検出された前後加速度Gxを示す信号、横加速度センサ42により検出された横加速度Gyを示す信号、車速センサ44により検出された車速Vを示す信号、レーダーセンサ46jにより検出された障害物までの距離Lreを示す信号は電子制御装置30に入力される。
尚図1には詳細に示されていないが、電子制御装置30は制動力制御部とエアバッグ制御部とシートベルト制御部とサスペンション制御部とを含み、各制御部は例えばCPUとROMとRAMと入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のマイクロコンピュータを含んでいる。
特に制動力制御部は車輌の走行に伴い変化する車輌状態量に基づき車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSを演算し、スピン状態量SS及びドリフトアウト状態量DSに基づき車輌の挙動を安定化させる挙動制御の各車輪の目標制動圧Pti(i=fr、fl、rr、rl)を演算し、各車輪の制動圧Piが目標制動圧Ptiになるよう各車輪の制動力を制御し、これによりスピン又はドリフトアウトを抑制する挙動制御を行う。
また電子制御装置30は、後述の如く図2に示されたフローチャートに従い、車輌の状態量としての横加速度Gy、車速V、ヨーレートγに基づき車輌のスリップ角βを演算し、車輌の前後方向102を基準にしてスリップ角βの方向が車輌の重心100の移動方向104であると推定し、四つのレーダーセンサ46jのうち重心100の移動方向104を含む角度範囲について障害物を検出するレーダーセンサを決定し、その決定されたレーダーセンサ46jにより検出された障害物までの距離Lreに基づき障害物に対する自車の相対速度Vreを演算する。
そして電子制御装置30は、障害物に衝突するまでの時間Tcを演算し、衝突するまでの時間Tcに基づき車輌が障害物に衝突する虞れが高いか否かを判定し、衝突の虞れが高いときには重心100の移動方向104、車輌のヨーレートγ、衝突するまでの時間Tcに基づき車輌の衝突方向及び衝突部位を車輌の衝突態様として予測し、衝突するまでの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき作動すべき衝突影響低減装置を決定すると共に、それらの作動タイミングを決定し、作動が決定された衝突影響低減装置を決定した作動タイミングにて作動させ、これにより車輌が衝突した場合に乗員が受ける衝突の影響を低減する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施例1に於ける衝突判定制御ルーチンについて説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチの閉成により開始され、所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては操舵角θを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ30に於いては横加速度Gyと車速V及びヨーレートγの積γVとの偏差Gy−γVとして横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算され、横すべり加速度Vydが積分されることにより車体の横すべり速度Vyが演算され、更に車体の前後速度Vx(=車速V)に対する車体の横すべり速度Vyの比Vy/Vxとして車輌のスリップ角βが演算され、図4に示されている如く車輌の前後方向102を基準にしてスリップ角βの方向が車輌の重心100の移動方向104であると推定される。尚図4の二点鎖線106は車輌が安定である場合の重心100の軌跡を示している。
ステップ40に於いては四つのレーダーセンサ46jのうち重心100の移動方向104を含む角度範囲について障害物を検出するレーダーセンサが決定される。ステップ50に於いては決定されたレーダーセンサ46jにより障害物が検出されたか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進む。
ステップ60に於いては例えばステップ40に於いて決定されたレーダーセンサ46jにより検出された障害物までの距離Lreの変化率として障害物に対する自車の相対速度Vreが演算される。尚レーダーセンサ46jにより複数の障害物が検出された場合には、重心100の移動方向104に最も近い方向に存在し且つ自車に最も近い位置に存在する障害物について相対速度Vreが演算される。
ステップ70に於いては下記の式1に従って障害物に衝突するまでの時間Tcが演算され、ステップ80に於いては衝突するまでの時間Tcが基準値Tco(正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはそのまま図2に示されたルーチンによる制御を一旦終了し、肯定判別が行われたときには、即ち車輌が障害物に衝突する虞れが高い判定されたときにはステップ90へ進む。
Tc=Lre/Vre ……(1)
ステップ90に於いては重心100の移動方向104、車輌のヨーレートγ、衝突するまでの時間Tcに基づき左斜め前方の如く車輌の衝突方向及び左斜め前端部の如く衝突部位が車輌の衝突態様として予測され、ステップ100に於いては衝突するまでの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき作動すべき衝突影響低減装置としてのエアバッグ装置48、シートベルト装置50、サスペンション装置52、警報装置54が決定されると共に、それらの作動タイミングが決定され、作動が決定された衝突影響低減装置が決定された作動タイミングにて作動される。
尚衝突までの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき衝突影響低減装置の何れの衝突影響低減手段を作動させるべきであるか及びそれらの装置を如何なる作動タイミングにて作動させるべきであるかは本発明の要旨をなすものではなく、例えば予め実験的に設定されてよい。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ30に於いて車輌の状態量としての横加速度Gy、車速V、ヨーレートγに基づき車輌のスリップ角βが演算され、車輌の前後方向102を基準にしてスリップ角βの方向が車輌の重心100の移動方向104であると推定され、ステップ40に於いて四つのレーダーセンサ46jのうち重心100の移動方向104を含む角度範囲について障害物を検出するレーダーセンサが決定され、ステップ60に於いてその決定されたレーダーセンサ46jにより検出された障害物までの距離Lreに基づき障害物に対する自車の相対速度Vreが演算される。
そしてステップ70に於いて障害物に衝突するまでの時間Tcが演算され、ステップ80に於いて衝突するまでの時間Tcに基づき車輌が障害物に衝突する虞れが高いか否かが判定され、衝突の虞れが高いときにはステップ90に於いて重心100の移動方向104、車輌のヨーレートγ、衝突するまでの時間Tcに基づき車輌の衝突方向及び衝突部位が車輌の衝突態様として予測され、ステップ100に於いて衝突するまでの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき作動すべき衝突影響低減装置が決定されると共に、それらの作動タイミングが決定され、作動が決定された衝突影響低減装置が決定された作動タイミングにて作動される。
従って図示の実施例1によれば、車輌が不安定な状態にて旋回走行する場合の如く、車輌12の重心100の移動方向104が車輌の前後方向より大きく逸れた方向である場合にも、車輌12の移動方向にある障害物を確実に検出することができると共に、車輌の移動方向に障害物がある場合に車輌がその障害物に衝突する虞れを正確に判定することができる。また車輌が障害物に衝突するまでの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき作動すべき衝突影響低減装置を正確に決定することができると共に、それらの作動タイミングを最適に決定することができ、これにより衝突影響低減装置を最適に作動させて衝突影響低減装置による衝突影響低減作用を効果的に発揮させることができる。
図5は車輌が安定な状態にて直進走行する場合(A)、車輌が安定な状態にて旋回走行する場合(B)、車輌が不安定な状態にて旋回走行する場合(C)の各場合について図示の実施例1の作動を説明するための図である。
図5(A)に示されている如く車輌12が安定な状態にて直進走行する場合や図5(B)に示されている如く車輌12が安定な状態にて旋回走行する場合には、車輌12の重心100の移動方向104は実質的に車輌の前後方向102に沿う方向であるので、従来の衝突判定制御装置の場合と同様、車輌の移動方向104に存在する障害物108を確実に検出し、障害物108との衝突の虞れを正確に判定することができる。
尚図5(B)に示されている如く車輌12が安定な状態にて旋回走行する場合に於いて、車輌の進行路に障害物110が存在する場合には、旋回により車輌の移動方向104′が障害物110の方向になった段階で確実にその障害物が検出することができるので、前述の特開平10−69598号公報に記載された衝突判定制御装置の場合と同様、車輌の進行路に存在する障害物110との衝突の虞れを確実に判定することができる。
これに対し図5(C)に示されている如く車輌が不安定な状態にて旋回走行する場合には、車輌の重心100の移動方向104は車輌の前後方向102より大きく逸れた方向であるので、重心100の移動方向104に障害物108が存在する状況であっても、従来の一般的な衝突判定制御装置の場合には車輌の前後方向102に障害物がなければ衝突の虞れがないと判定され、また前述の特開平10−69598号公報に記載された衝突判定制御装置の場合には、操舵操作に基づく車輌の進行路に障害物がなければ衝突の虞れがないと判定されてしまい、障害物108の検出及び障害物108との衝突の虞れを判定することができない。
図示の実施例1によれば、図5(C)に示されている如く車輌が不安定な状態にて旋回走行する場合であっても、車輌12の重心100の移動方向104に障害物108が存在すれば必ずその障害物108を検出することができると共に、車輌がその障害物に衝突する虞れを正確に判定することができ、従って車輌12が障害物108に衝突するまでの時間Tc、車輌の衝突方向、衝突部位を正確に予測することができる。
特に図示の実施例1によれば、ステップ80に於いて車輌12が障害物に衝突する虞れが高いと判定されたときには、ステップ90に於いて車輌の衝突方向及び衝突部位が車輌の衝突態様として予測され、ステップ100に於いて衝突までの時間Tc及び予測された車輌の衝突方向、衝突部位に基づき作動すべき衝突影響低減装置が決定されると共に、それらの作動タイミングが決定され、作動が決定された衝突影響低減装置が決定された作動タイミングにて作動されるので、例えば車輌が障害物に衝突する虞れが高いと判定されると車輌の衝突方向及び衝突部位が予測されることなく衝突影響低減装置が作動される場合に比して、衝突影響低減装置が無駄に作動されることをできるだけ防止しつつ衝突影響低減装置が衝突影響低減作用を効果的に発揮するよう衝突影響低減装置を作動させることができる。
また図示の実施例1によれば、ステップ30に於いて車輌の状態量としての横加速度Gy、車速V、ヨーレートγに基づき車輌のスリップ角βが演算され、車輌の前後方向102を基準にしてスリップ角βの方向が車輌の重心100の移動方向104であると推定され、例えば後述の参考例の如くナビゲーション情報は不要であるので、ナビゲーション装置を搭載していない車輌にも実施例1の衝突判定制御装置を適用することができる。
参考例
図6は車輌の衝突判定制御装置の参考例に於ける衝突判定制御の重心移動方向推定ルーチンを示すフローチャートである。尚図には示されていないが、この参考例の車輌はそれ自身周知のナビゲーション装置を搭載し、ナビゲーション装置は地理上の車輌の絶対位置及び車輌の向きに関するナビゲーション情報を電子制御装置30へ出力する。
電子制御装置30はナビゲーション装置より入力される車輌の絶対位置の変化に基づき地磁気の基準方向としての「北」に対する車輌の重心移動方向を推定し、ナビゲーション情報としての車輌の向きに基づき「北」に対する車輌の向き(傾き角度)を推定し、「北」に対する車輌の重心移動方向及び向きに基づき車輌のスリップ角βを演算し、車輌のスリップ角βに基づき車輌の前後方向102を基準にして車輌の重心移動方向104を推定する
次に図6に示されたフローチャートを参照して参考例に於ける重心移動方向推定ルーチンについて説明する。
まずステップ32に於いては図7に示されている如く、地磁気の北を基準方向とし、東及び北の方向をそれぞれ直交座標のX軸方向及びY軸方向とし、直交座標の原点を例えば車輌の走行開始地点とし、直交座標に於ける車輌の現在位置(現サイクルの位置)の座標を(Xp,Yp)とし、車輌12の前回位置(前サイクルの位置)の座標を(Xf,Yf)とし、図6に示されたフローチャートのサイクルタイムをTcとして、車輌の現在の移動速度VpのX軸方向成分Vpx及びY軸方向成分Vpyがそれぞれ下記の式2及び3に従って演算される。
Vpx=(Xp−Xf)/Tc ……(2)
Vpy=(Yp−Yf)/Tc ……(3)
ステップ34に於いては下記の式4に従って地磁気の基準方向である北の方向に対する傾斜角αpとして車輌12の移動方位が演算される。
αp=tan−1(Vpy/Vpx) ……(4)
ステップ36に於いてはナビゲーション情報としての車輌の向きに基づき「北」に対する車輌の前後方向102の傾き角度φが推定され、ステップ38に於いては下記の式5に従って車輌のスリップ角βが演算され、車輌のスリップ角βに基づき車輌の前後方向102を基準にして車輌の重心移動方向104が推定され、しかる後ステップ40へ進む。
β=φ−αp ……(5)
かくして図示の参考例によれば、車輌のスリップ角βはナビゲーション情報に基づいて演算されるので、上述の実施例1の場合の如く車輌のスリップ角βを演算するために車輌の横加速度Gy、車速V、ヨーレートγの如き車輌の状態量を検出することは不要であり、車輌のスリップ角βを容易に演算することができると共に、衝突判定制御装置の構成をシンプルなものにすることができる。
[実施例
図8は本発明による車輌の衝突判定制御装置の実施例に於ける衝突判定制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。尚図8に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例に於いては、ステップ10が完了するとステップ12に於いて上記実施例1のステップ30の場合と同様の要領にて車輌のスリップ角βが演算され、ステップ14に於いてK1及びK2をそれぞれ正の定数として車体のスリップ角β及び横すべり加速度Vydの線形和K1β+K2Vydとしてスピン量SVが演算されると共に、ヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、スピン状態量SSが車輌の左旋回時にはSVとして、車輌の右旋回時には−SVとして演算され、演算結果が負の値であるときにはスピン状態量は0とされる。尚スピン量SVは車体のスリップ角β及びその微分値βdの線形和として演算されてもよい。
ステップ16に於いては車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SSが基準値SSo(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち車輌が比較的過大なスピン状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはそのままステップ40へ進み、否定判別が行われたときにはステップ18へ進む。
ステップ18に於いては操舵角θに基づき前輪の実舵角δが演算され、HをホイールベースとしKhをスタビリティファクタとして下記の式6に従って目標ヨーレートγeが演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の式7に従って車速V及び操舵角θに基づく車輌の基準ヨーレートγtが演算される。尚目標ヨーレートγeは動的なヨーレートを考慮すべく車輌の横加速度Gyを加味して演算されてもよい。
γe=Vδ/{(1+KhV2)H} ……(6)
γt=γe/(1+Ts) ……(7)
ステップ20に於いては下記の数8に従ってドリフトバリューDVが演算されると共に、ヨーレートγの符号に基づき車輌の旋回方向が判定され、ドリフトアウト状態量DSが車輌の左旋回時にはDVとして、車輌の右旋回時には−DVとして演算され、演算結果が負の値であるときにはドリフトアウト状態量は0とされる。尚ドリフトバリューDVは下記の数9に従って演算されてもよい。
DV=(γt−γ) ……(8)
DV=H(γt−γ)/V ……(9)
ステップ22に於いては車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSが基準値So(正の定数)以上であるか否かの判別、即ち車輌が比較的過大なドリフトアウト状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ40へ進み、否定判別が行われたときにはステップ24に於いて車輌の走行状態が安定であるときの通常の衝突判定制御が行われる。尚通常の衝突判定制御は例えば前述の特開平10−69598号公報に記載された衝突判定制御装置による衝突判定制御の如く当技術分野に於いて公知の任意の衝突判定制御であってよい。
かくして図示の実施例によれば、ステップ12〜16に於いて車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SSに基づき車輌が比較的過大なスピン状態にあるか否かの判別が行われ、またステップ18〜22に於いて車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSに基づき車輌が比較的過大なドリフトアウト状態にあるか否かの判別が行われ、車輌が比較的過大なスピン状態又はドリフトアウト状態にあると判定された場合に、即ち車輌が不安定な走行状態にあり車輌の前後方向と車輌の重心移動方向とが大きく異なる状況であると判定された場合にステップ40以降が実行され、車輌が安定な走行状態にあると判定された場合にはステップ24に於いて車輌の走行状態が安定であるときの通常の衝突判定制御が行われるので、車輌が不安定な走行状態にあるときにも上述の実施例1の場合と同様確実に且つ正確に車輌の衝突の虞れを判定することができ、また車輌が安定な走行状態にあるときには単純に車輌の衝突の虞れを判定することができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の各実施例に於いては、車輌12の重心100に対し車輌の前方、左方、後方、右方の約90度の角度範囲に存在する障害物を検出する四つのレーダーセンサ46jが設けられているが、障害物を検出する検出手段は四つに限定されるものではなく、またレーダーセンサ46jは障害物までの距離Lreを検出するようになっているが、検出手段は障害物までの距離Lre及び障害物に対する自車の相対速度Vreを検出するよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、四つのレーダーセンサ46jのうち重心100の移動方向104を含む角度範囲について障害物を検出するレーダーセンサが決定され、その決定されたレーダーセンサ46jにより検出された障害物までの距離Lreに基づき障害物に対する自車の相対速度Vreが演算されるようになっているが、決定されたレーダーセンサ46jの検出結果のうち重心100の移動方向104を含む所定の角度区分(例えば30度)が他の角度区分よりも重視されることにより障害物の検出及び衝突の虞れの判定が行われるよう修正されてもよい。
また上述の各実施例に於いては、車輌のスリップ角βが演算され、車輌の前後方向102を基準にしてスリップ角βの方向が車輌の重心100の移動方向104であると推定されるようになっているが、重心の移動方向の推定自体は本発明の要旨をなすものではなく、当技術分野に於いて公知の任意の要領にて重心の移動方向が推定されてよい。例えば車輌の前後加速度及び横加速度が検出され、或いは各車輪に作用する前後力及び横力が検出され、これらに基づき車輌の水平方向の加速度が推定され、その加速度の積分として重心の移動方向が推定されてもよい。
更に上述の実施例に於いては、車輌のスピンの程度を示すスピン状態量SS及び車輌のドリフトアウトの程度を示すドリフトアウト状態量DSに基づき車輌が不安定な走行状態にあるか否かが判定されるようになっているが、車輌のスリップ角βの大きさ又は車速及び操舵角に基づく車輌の基準ヨーレートと車輌の実ヨーレートとの偏差の大きさに基づき車輌が不安定な走行状態にあるか否かが判定されるよう修正されてもよい。
本発明による車輌の衝突判定制御装置の実施例1を示す概略構成図である。(実施例1) 実施例1に於ける衝突判定制御ルーチンを示すフローチャートである。(実施例1) 四つのレーダーセンサとそれらの検出角度範囲を示す説明図である。(実施例1及び2 車輌の旋回時に於けるスリップ角βを示す図である。(実施例1) 車輌が安定な状態にて直進走行する場合(A)、車輌が安定な状態にて旋回走行する場合(B)、車輌が不安定な状態にて旋回走行する場合(C)の各場合について実施例1の作動を説明するための図である。(実施例1) 参考例に於ける衝突判定制御の重心移動方向推定ルーチンを示すフローチャートである 参考例に於いて車輌のスリップ角βを演算する要領を示す説明図である 実施例に於ける衝突判定制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。(実施例
符号の説明
20 制動装置
30 電子制御装置
32FR〜32RL 圧力センサ
34 操舵角センサ
36 圧力センサ
38 ヨーレートセンサ
40 前後加速度センサ
42 横加速度センサ
44 車速センサ
46j レーダーセンサ
48 エアバッグ装置
50 シートベルト装置
52 サスペンション装置
54 警報装置

Claims (8)

  1. 複数の方向の障害物を検出する障害物検出手段と、車速と車輌の横加速度と車輌のヨーレートとに基づいて演算される車輌のスリップ角に基づき車輌の前後方向を基準にして車輌の走行時の重心の移動方向を推定する重心移動方向推定手段と、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して前記障害物検出手段により障害物を検出し、前記障害物検出手段の検出結果に基づき車輌の衝突の虞れを判定する制御手段とを有することを特徴とする車輌の衝突判定制御装置。
  2. 前記制御手段は車輌の走行状態がその前後方向と重心移動方向との偏差が過大な不安定状態にあると判定したときに、推定された重心移動方向を他の方向よりも重視して前記障害物検出手段により障害物を検出することを特徴とする請求項1に記載の車輌の衝突判定制御装置。
  3. 前記制御手段は車輌の衝突の虞れがあると判定したときには推定された重心移動方向及び車輌の状態量に基づき障害物に対する車輌の衝突態様を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の衝突判定制御装置。
  4. 前記制御手段は推定された重心移動方向及び車輌のヨーレートに基づき障害物に対する車輌の衝突態様として衝突方向及び衝突部位を予測することを特徴とする請求項に記載の車輌の衝突判定制御装置。
  5. 前記障害物検出手段はそれぞれ互いに異なる方向の障害物を検出する複数のセンサを含み、前記制御手段は推定された重心移動方向に基づいて前記複数のセンサのうち一つのセンサを選択し、選択されたセンサの検出結果を重視して車輌の衝突の虞れを判定することを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車輌の衝突判定制御装置。
  6. 前記障害物検出手段は所定の角度範囲に亘り障害物を検出可能な走査型のセンサであり、前記制御手段は推定された重心移動方向についての前記走査型のセンサによる検出結果を他の方向よりも重視して車輌の衝突の虞れを判定することを特徴とする請求項1乃至の何れか一つに記載の車輌の衝突判定制御装置。
  7. 車輌は衝突影響低減装置を有し、前記制御手段は予測された衝突態様に応じて前記衝突影響低減装置の作動態様を決定し、決定した作動態様に基づき前記衝突影響低減装置の作動を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の車輌の衝突判定制御装置。
  8. 前記衝突影響低減装置は複数の衝突影響低減手段を含み、前記制御手段は予測された衝突態様に応じて作動すべき衝突影響低減手段及びその作動タイミングを決定し、決定した衝突影響低減手段を決定した作動タイミングにて作動させることを特徴とする請求項に記載の車輌の衝突判定制御装置。
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