JPH1158746A - インクジェットプリンターヘッドのノズル板の表面処理方法 - Google Patents

インクジェットプリンターヘッドのノズル板の表面処理方法

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JPH1158746A
JPH1158746A JP23550097A JP23550097A JPH1158746A JP H1158746 A JPH1158746 A JP H1158746A JP 23550097 A JP23550097 A JP 23550097A JP 23550097 A JP23550097 A JP 23550097A JP H1158746 A JPH1158746 A JP H1158746A
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JP
Japan
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ink
nozzle plate
ink ejection
printer head
jet printer
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JP23550097A
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English (en)
Inventor
Isao Mizuma
功 水間
Ayako Kazama
亜矢子 風間
Nobuyuki Yoshino
吉野  信幸
Yorinobu Yamada
▲頼▼信 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIMEO SEIMITSU KK
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
SHIMEO SEIMITSU KK
Citizen Watch Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平滑なテフロン共析メッキ被膜を形成するこ
とによりインクの安定吐出を持続させる。その結果とし
て、インクジェットプリンターの長期信頼性を向上させ
る。 【解決手段】 インク吐出裏面とインク吐出孔内部をポ
ジ型感光性樹脂によって充填し硬化させ、インク吐出面
より露光して、ポジ型感光性樹脂を現像する。その後フ
ッ素系樹脂共析メッキ被膜を被覆した後に、ポジ型感光
性樹脂を除去することを特徴とするインクジェットプリ
ンターヘッド用ノズル板の表面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンターヘッドに用いるノズル板の表面処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータ出力の応用分野にお
けるノンインパクトプリンターの一方式であるインクジ
ェットプリンターにおいて圧電体の圧電作用をインク吐
出の駆動力に応用した手段が特公平4−48622号公
報や特開昭63−247051号公報等に提案されてい
る。
【0003】これらの公報に記載の製造方法および構造
は、圧電性基板にインク流路のための微細な貫通した溝
の加工を施した後、その表面に電極膜を形成、表面を研
磨加工し、溝内部に電極膜を残す。
【0004】さらに溝内面に絶縁膜として気相合成法に
よるポリパラキシリレン樹脂からなるパリレン膜を形成
する。この絶縁膜はインクの不安定吐出の原因となるイ
ンクの電気分解による気泡発生およびインクの変質を防
ぐための重要な構成体として位置づけられている。
【0005】以上のように作製した圧電性基板の溝を有
する面どうしを対向させて接着、あるいは溝を有する面
上にガラス、セラミック、金属あるいはプラスチック製
の平板状の蓋を接着することによってインク流路を形成
する。
【0006】さらにインク流路の一方の端部に直径30
〜60μmのインク吐出孔を有した厚さ0.1mmのノ
ズル板を接着した後、電極に駆動回路を接続することに
よってインクジェットプリンターヘッドが構成される。
この時、ノズル板の材質としては、金属、プラスチッ
ク、セラミックス製ノズル板が使われる。
【0007】圧電作用を利用したインクジェットプリン
ターヘッドの駆動原理は各溝中に形成された電極に電圧
を印加すると溝を形成する隔壁がその圧電作用のために
インク流路の容積を増大または減少せしめるように変形
する。そして、この減少の変形によって生じた圧力が溝
内部に充填されたインクに伝播し、インク吐出孔からイ
ンク滴として吐出するものである。
【0008】一般に、インク滴を安定に真っ直ぐ吐出さ
せるためにはノズル板において吐出後のインク吐出孔周
囲への残留インクの付着を防止し、さらに水性あるいは
非水性インクに対して化学的に安定でなければならない
ことが要求されている。
【0009】そのための手段として、インクの吐出面に
インクに対して撥液性の被膜表面を形成することが提案
されており、撥液性を発現する材料としてはシリコーン
樹脂やフッ素樹脂、またはフッ素系樹脂共析メッキ被膜
などが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような撥液性被
膜を形成する場合、撥液性被膜の長期信頼性は必須であ
る。磨耗による撥液性の劣化を回避する手段としては、
表面だけでなく被膜中にもフッ素系樹脂を含有するフッ
素系樹脂共析メッキ被膜が優れている。
【0011】しかしながら、フッ素系樹脂共析メッキ被
膜表面にはクレータ状の凹部が全面に渡って多数個存在
し、インクの吐出面の撥液性の長期信頼性を損なう要因
となっている。すなわち、撥液性被膜表面のクレータ状
の凹部にインクが溜まり、乾燥して付着することによ
り、インク吐出面の撥液性が損なわれるのである。
【0012】このため、長期に渡ってインク滴を安定に
真っ直ぐ吐出させるためには、ノズル板において吐出後
のインク吐出孔周囲への残留インクが付着しない平滑な
撥液性被膜の形成技術が要求される。
【0013】本発明の目的は、上記課題を解決して、平
滑なフッ素系樹脂共析メッキ被膜をノズル板のインク吐
出面に形成することにより、インク吐出後にインク吐出
孔周囲への残留インクが付着することなく、インク滴を
安定に真っ直ぐ吐出させることができ、印字品質の長期
信頼性を保持するインクジェットプリンターヘッド用ノ
ズル板の表面処理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の表面処理方法では下記記載の手段を採用する。本発
明の請求項1記載のインクジェットプリンターヘッド用
ノズル板の表面処理方法はインク吐出面を一方に有する
平板状部材からなり、平板状部材の所定の位置にインク
が吐出される貫通したインク吐出孔を有するインクジェ
ットプリンターヘッド用ノズル板に、インク吐出裏面と
インク吐出孔内部をポジ型感光性樹脂によって被覆充填
し硬化させる工程と、インク吐出面より紫外線を露光
し、ポジ型感光性樹脂を現像する工程と、フッ素系樹脂
共析メッキを被覆する工程と、ポジ型感光性樹脂を除去
する工程とを有することを特徴とする。
【0015】また本発明の請求項2記載のインクジェッ
トプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法では、請
求項1記載の発明の構成のうち、メッキ浴温が80℃以
下であることを特徴とする。
【0016】また本発明の請求項3記載のインクジェッ
トプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法では、請
求項1及び2記載の発明の構成のうち、フッ素系樹脂共
析メッキを1時間当たりのメッキ膜厚が1μm以上10
μm以下の範囲内のメッキ速度で被覆することを特徴と
することを特徴とする。
【0017】(作用)本発明のノズル板の表面処理方法
は、ノズル板のインク吐出裏面とインク吐出孔内部をマ
スクし、ノズル板に80℃以下の浴温でフッ素系樹脂共
析メッキを被覆する。
【0018】フッ素系樹脂共析メッキはメッキ被膜中に
フッ素系樹脂の一次粒子を取り込みながら成長していく
被膜である。メッキ液の浴温が90℃であるためにメッ
キ液中のフッ素系樹脂一次粒子の凝集体がメッキ面との
吸着と離脱を繰り返すためにメッキ被膜表面のクレータ
状の凹部の発生する。
【0019】メッキ浴温が80℃以下の場合は、90℃
の場合よりもフッ素系樹脂一次粒子の凝集が生じにく
く、凝集体のメッキ面との吸着も生じにくいため、メッ
キ被膜表面のクレータ状の凹部の発生が抑制される。
【0020】従って、平滑なフッ素系樹脂共析メッキ被
膜をノズル板のインク吐出面に形成することにより、イ
ンク吐出後にインク吐出孔周囲への残留インクが付着す
ることなく、インク滴を安定に真っ直ぐ吐出させること
ができ、印字品質の長期信頼性を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズ
ル板の表面処理方法を説明する。図1は本発明の実施の
形態におけるインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の構造を示すインク吐出孔部を拡大した模式断面図で
ある。本インクジェットプリンターヘッド用ノズル板
は、インク吐出面30に撥液性被膜50が被覆されてお
り、撥液性被膜50の一部はインク吐出孔内部70の中
へ入り込んでいる。この構造によってインク吐出時のメ
ニスカス位置が安定となる。
【0022】はじめに図2に示すように、本発明による
インクジェットプリンターヘッド用ノズル板を作製する
ためには、まず長さ50mm、幅15mm、厚さ0.1
mmのインク吐出のための円形の貫通した孔を有するノ
ズル板10のインク吐出裏面60とインク吐出孔内部7
0にポジ型感光性樹脂40を被覆充填し、硬化させる。
【0023】ノズル板10は電鋳法によって作製したニ
ッケル板であるが、他の材質、例えば塑性加工によって
インク吐出孔を形成したステンレス鋼板や、あるいは射
出成型法によって作製したプラスチック材料のノズル板
でも良い。
【0024】インク吐出面30のインク吐出孔内部70
の直径は35μm、その裏面の直径は100μmであ
り、インクをスムーズに供給し、まっすぐに吐出させる
ため、その断面はテーパー状になっており、本実施の形
態で用いたノズル板には22個のインク吐出孔が開いて
いる。
【0025】ポジ型感光性樹脂40はインク吐出面30
まで充填する必要があるため、粘度の低い、具体的には
100センチポイズ以下の液状レジストを用いる。また
ポジ型感光性樹脂40がインク吐出面30に回り込まな
いようにインク吐出面30をシリコーンゴムシートなど
の弾性体に圧着した状態で充填する。この状態で60℃
〜100℃の温度で硬化させる。
【0026】本実施の形態では粘度30センチポイズの
東京応化製OFPR−800のポジ型感光性レジストを
用い、インク吐出面30をシリコーンゴムシートに圧着
した状態でインク吐出裏面7よりレジストを滴下した。
その後スピンコート法によって被覆充填した。
【0027】次に、インク吐出面30より紫外線(波長
365nm)を照射し、その後アルカリ性の現像液に浸
漬することにより、紫外線によって露光された部分が溶
解し、図3に示す状態となる。この時、図3に示すイン
ク吐出面30から現像後のポジ型感光性樹脂40までの
距離Lは紫外線の露光強度と露光時間によって正確に制
御可能である。
【0028】本実施の形態で用いた紫外線の露光強度は
10mW/cm2 であり、本実施の形態では露光時間を
5秒に設定し、インク吐出面30から感光性樹脂40ま
での距離Lを5μmとした。
【0029】次に図4に示すようにこのノズル板10に
撥水性被膜50を形成するためフッ素系樹脂共析メッキ
を行う。フッ素系樹脂共析メッキは浴温80℃以下で行
う。本実施の形態では、フッ素系樹脂として四フッ化樹
脂(PTFE)を含有する無電解複合メッキ(商品名ニ
ムフロン:上村工業(株)製)を採用した。
【0030】また、フッ素系樹脂を含有する無電解複合
メッキは浴温によりメッキ速度が変化する。本実施の形
態ではフッ素系樹脂を含有する無電解複合メッキはメッ
キ速度がメッキ膜厚で浸漬時間1時間で膜厚が1μm以
上10μm以下の範囲内となる浴温で行う。
【0031】本発明の実施の形態では、PTFE樹脂を
含有する無電解複合メッキ(商品名ニムフロン:上村工
業(株)製)を浴温75℃で行った。この時のメッキ速
度は浸漬時間1時間でメッキ膜厚が約4.5μmであ
り、メッキ液中に約13分間浸漬することによってメッ
キ膜厚を1μmとした。
【0032】次にポジ型感光性樹脂40を溶剤を用いて
溶解除去する。本実施の形態ではアセトンを用いた。
【0033】このようにして図1に示すように撥水性被
膜50がインク吐出孔内部70に入り込み、入り込み位
置が一定であるインクジェットプリンターヘッド用ノズ
ル板が完成する。
【0034】さらに、フッ素系樹脂共析メッキ表面の硬
度を高くし、耐摩耗性を上昇させるためにポジ型感光性
樹脂40を溶解除去後、350℃から400℃で熱処理
することが好ましい。
【0035】本発明の実施の形態の効果を確認するため
に、比較用サンプルとして上記の製法においてフッ素系
樹脂共析メッキの浴温を90℃で行う以外は実施の形態
と同様な工程でノズル板を作製した。なお、浴温90℃
におけるメッキ速度は浸漬時間1時間で約16μmであ
り、本発明によるノズル板と比較用サンプルのノズル板
の表面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、比較用
サンプルのノズル板にはフッ素系樹脂共析メッキ被膜表
面にクレータ状の凹部が発生していたが、本発明による
ノズル板には発生していないことが確認された。
【0036】また、本発明によるノズル板と比較用サン
プルのノズル板の表面の算術平均粗さ(Ra)を表面粗
さ計により測定した。測定数はそれぞれ12点でその結
果、比較用サンプルのノズル板のRaの平均値は0.0
78μmであったが、本発明によるノズル板のRaの平
均値は0.011μmであった。
【0037】また、本発明によるノズル板と比較用サン
プルのノズル板を用いてヘッドを組み立て、顔料系や染
料系等のインクを注入し、吐出試験を行い、吐出試験後
そのままの状態で3日間大気中放置した。再び吐出試験
を行うと、本発明によるノズル板を用いたヘッドは安定
に吐出したが、比較用サンプルのノズル板を用いたヘッ
ドはインクの吐出方向が曲がる現象が生じた。
【0038】以上の結果からわかるように、本発明によ
るインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処
理方法によれば、平滑なフッ素系樹脂共析メッキ被膜を
インク吐出面に形成することにより、インク吐出後にイ
ンク吐出孔周囲への残留インクが付着することなく、イ
ンク滴を安定に真っ直ぐ吐出させることができ、印字品
質の長期信頼性を保持するインクジェットプリンターヘ
ッド用ノズル板を得ることができることが確認された。
【0039】
【発明の効果】以上の実施の形態から明らかなように、
本発明によるインクジェットプリンターヘッド用ノズル
板の表面処理方法によれば、平滑なテフロン共析メッキ
被膜をインク吐出面に形成することによりインク吐出後
にインク吐出孔周囲への残留インクが付着することな
く、インクの安定吐出が可能となり、インクジェットプ
リンターの印字品質の長期信頼性を向上させる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板の構造を示す模式断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態におけるインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す工程断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す工程断
面図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるインクジェットプ
リンターヘッド用ノズル板の表面処理方法を示す工程断
面図である。
【符号の説明】
10 ノズル板 20 インク吐出孔 30 インク吐出面 40 ポジ型感光性樹脂 50 撥液性被膜 60 インク吐出裏面 70 インク吐出孔内部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 亜矢子 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 吉野 信幸 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内 (72)発明者 山田 ▲頼▼信 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出面を一方に有し、所定の位置
    にインクが吐出される貫通したインク吐出孔を有する平
    板状部材のインク吐出裏面とインク吐出孔内部をポジ型
    感光性樹脂によって被覆充填し硬化させる工程と、イン
    ク吐出面より紫外線を露光し、ポジ型感光性樹脂を現像
    する工程と、フッ素系樹脂共析メッキを被覆する工程
    と、ポジ型感光性樹脂を除去する工程とを有することを
    特徴とするインクジェットプリンターヘッド用ノズル板
    の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 フッ素系樹脂共析メッキの浴温が80℃
    以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 フッ素系樹脂共析メッキを1時間当たり
    のメッキ膜厚が1μm以上10μm以下の範囲内のメッ
    キ速度で被覆することを特徴とする請求項1、2に記載
    のインクジェットプリンターヘッド用ノズル板の表面処
    理方法。
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