JP2001071510A - 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記録装置、シリコンプレートの製造方法、およびシリコンプレート - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記録装置、シリコンプレートの製造方法、およびシリコンプレート

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JP2001071510A JP2000200581A JP2000200581A JP2001071510A JP 2001071510 A JP2001071510 A JP 2001071510A JP 2000200581 A JP2000200581 A JP 2000200581A JP 2000200581 A JP2000200581 A JP 2000200581A JP 2001071510 A JP2001071510 A JP 2001071510A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 素子基板の構成材料と同じシリコンからなる
オリフィスプレートを用いて液体吐出ヘッドを製造する
際に信頼性の高い長尺の液体吐出ヘッドを製造すること
を可能にする。 【解決手段】 オリフィスプレートを作製するためのシ
リコン基板21の表面に、パターニングされたAl層2
2を形成し、Al層22をマスクとしてシリコン基板2
1のドライエッチングを行うことで、シリコン基板21
の表面における吐出口に対応する位置に配置された、凹
部としての穴21a、および溝状の切断ライン21dを
形成する。次に、シリコン基板21の裏面を研削、研磨
してシリコン基板21を薄くすることにより穴21aを
貫通させ、シリコン基板21に吐出口3を形成するとと
もに、切断ライン21bでシリコン基板21が複数枚の
オリフィスプレート16分割される。これにより、シリ
コン基板21に吐出口3が形成されてなるオリフィスプ
レート16が作製される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を飛翔液滴と
して噴射して液滴を被記録媒体に付着させることにより
記録を行う液体吐出ヘッドの製造方法や、その製造方法
により製造された液体吐出ヘッド、その液体吐出ヘッド
を有するヘッドカートリッジおよび液体吐出記録装置に
関する。
【0002】また本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮
革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス
等の被記録媒体に対して記録を行う、プリンタ、複写
機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を
有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装
置と複合的に組み合わせた産業記録装置に適用できる液
体吐出ヘッドの製造方法や、その製造方法により製造さ
れた液体吐出ヘッド、その液体吐出ヘッドを有するヘッ
ドカートリッジおよび液体吐出記録装置に関する。
【0003】なお、本発明における『記録』とは、文字
や図形など意味を持つ画像を被記録媒体に形成すること
だけでなく、パターン等の意味を持たない画像を被記録
材に形成することも意味する。
【0004】また、本発明は、機能部を有するシリコン
プレートの製造方法およびその製造方法により製造され
たシリコンプレートに関する。
【0005】
【従来の技術】従来より、液体吐出ヘッドであるインク
ジェット方式のヘッドによる液滴の着弾精度を高める方
法として、吐出方向に断面積が減少する、液室側の元が
太く吐出口側の先端が狭い、テーパ-をもった、オリフ
ィスが用いられている。そのようなテーパー状のオリフ
ィスをオリフィスプレートに形成する具体的な方法とし
ては、ニッケルの電鋳シート、樹脂のエキシマレーザー
による穴あけ、SUS(ステンレス鋼)のプレスによる穴
あけ等が実用化されている。
【0006】また、インクジェット用オリフィスプレー
トとしてシリコン(Si)を材料とする開示は、ヨーロッ
パ特許公開第921004号公報に記載されている。この公報
には、貫通口を形成した状態のシリコンプレートをさら
に10〜150μm程度の厚さに削ることにより吐出口
を有するシリコンからなるオリフィスプレートを得ると
いう記載がある。その製造方法として記載されているの
は、吐出口をイオンビーム加工(真空中で加工される)
や、エキシマレーザー加工、またはエッチング(ドライ
エッチまたはウェットエッチ)などで穿設することであ
る。
【0007】一方、シリコン材に対して、プラズマエッ
チングを行う米国特許第5498312号明細書には、エッチ
ングレート(etching rate)を上げて、マスクの問題を
解決するために、SF6,CF4,NF3等のエッチングガスと、C
HF3,C2F4,C2F6,C2H2F2,C4F8等の堆積ガス(passivating
gas)とを混合したガスをチャンバー内に導入して、1
12ions/cm3以上のプラズマ濃度(density)でエネルギ
ーレンジが1eV〜40eV(到達時)とする技術が開示されて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のヨーロッパ特許
公開第921004号公報に記載されたシリコンからなるイン
クジェット用のオリフィスプレートの作成方法では、オ
リフィスプレートの所定の厚さよりも厚いシリコンプレ
ートを用意し、シリコンプレート自体を貫通させる工程
があるため、相対的に時間がかかるものとなっていた。
したがって、量産性に対しては改善の余地があった。
【0009】また、上述の米国特許第5498312号明細書
に記載されたエッチング方法を用いて、シリコンプレー
トにエッチングを行った場合、エッチングする穴の深さ
の制御性が乏しく、シリコンプレートの材料的なばらつ
きによるエッチング深さのばらつきを制御できないた
め、精度良く穴を形成することが難しかった。
【0010】本発明の主たる目的は、上述の課題を解決
するものであって、シリコンの結晶構造のバラツキに左
右されることなく、量産性に優れた均一な形状の貫通口
を多数同時に形成できる新規な製造方法の提供にある。
【0011】また、本発明の別の課題としては、貫通口
が形成されたシリコンプレートをインクジェット用のオ
リフィスプレートや液体中でゴミの流入を防止するフィ
ルタとして使用する場合、貫通口の内部が液体と接する
ことになる。しかし、貫通口の内部に皮膜を形成するこ
とは困難であるため、強アルカリの液体のような液体を
使用することができなかった。
【0012】本発明の別の目的は、シリコンをエッチン
グするような液体が接するものであっても、特に貫通口
の内部がエッチングされることのないシリコンプレート
の提供にある。
【0013】また、さらに別の本発明の目的は、熱エネ
ルギー発生素子が形成された素子基板の構成材料と同じ
シリコンからなるオリフィスプレートを用いて液体吐出
ヘッドを製造する際に、信頼性の高い長尺の液体吐出ヘ
ッドを製造することが可能な液体吐出ヘッドの製造方
法、その製造方法により製造された液体吐出ヘッドや、
その液体吐出ヘッドを有する液体吐出ヘッドカートリッ
ジおよび液体吐出記録装置を提供することにある。さら
に加えて本発明の目的は、一列のノズルのみでなく、複
数のノズル列の位置合わせも可能とする組み立て方法を
実現するための液体吐出ヘッドの製造方法を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の代表的な要件は、次のようなものである。
【0015】本発明は、液体を飛翔液滴として吐出させ
るためのエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素
子、および該エネルギー発生素子がそれぞれ配置された
複数の流路を備えたヘッド本体と、前記流路とそれぞれ
連通する複数の吐出口を備えたオリフィスプレートと、
を有し、該オリフィスプレートと前記ヘッド本体とが接
合された液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記オリ
フィスプレートを作製するための、シリコンを含む材料
からなる基板を用意する工程と、前記基板の表面におけ
る前記吐出口にそれぞれ対応する位置に前記吐出口の深
さよりも5〜50μm深い深さを有する複数の凹部をド
ライエッチングにより形成する工程と、前記基板を前記
表面の裏面側から前記凹部の深さが前記吐出口の深さと
なるまで薄くすることにより、前記基板に複数の吐出口
を形成し、前記基板に複数の前記吐出口が形成されてな
る前記オリフィスプレートを作製する工程と、前記オリ
フィスプレートをヘッド本体に接合する工程と、を有す
ることを特徴とする。
【0016】前記ドライエッチングが、SF6,CF4,NF3
いずれかのガスを用いてエッチングした後、CHF3,C2F4,
C2F6,C2H2F2,C4F8のいずれかのガスを用いてフッ素系ポ
リマーを側壁に形成する、該工程を繰り返すによって行
われてもよい。
【0017】さらに、前記基板にドライエッチングによ
り複数の前記凹部を形成する工程で、前記吐出口の形状
が、前記流路側から前記吐出口の先端側へと徐々に断面
積が小さくなるようにするとともに、一定の断面積を有
する領域をもち、その領域で前記吐出口が開口されるよ
うにドライエッチングによってそれぞれの前記凹部の形
状を形成することが好ましい。
【0018】さらに、前記基板を薄くする工程が、研
削、研磨、エッチングの少なくともいずれか1つの方法
により、前記基板を薄くすることが好ましい。
【0019】さらに、前記基板に複数の前記凹部を形成
した後に、前記基板の、インクに接する部分に保護膜を
形成する工程をさらに有することが好ましい。
【0020】さらに、前記オリフィスプレートをヘッド
本体に接合する工程の後に、吐出口面に耐インク性樹脂
を塗布する工程をさらに有することが好ましい。
【0021】さらに、前記凹部を形成する工程の後、あ
るいは前記保護膜を形成する工程の後、前記基板を薄く
する工程の前に、前記凹部に樹脂または金属を埋め込む
工程と、前記基板を薄した後、埋め込まれた前記樹脂ま
たは金属を除去する工程とをさらに有することが好まし
い。
【0022】さらに、前記凹部を形成する工程の後、あ
るいは前記保護膜を形成する工程の後、あるいは前記凹
部に前記樹脂または金属を埋め込む工程の後、前記基板
を薄くする工程の前に、前記基板の表面に、基板を研
削、研磨する際の基板の強度を保持するためのUV剥離
テープを設ける工程と、前記基板を薄くする工程の後
に、前記UV剥離テープを除去する工程と、をさらに有
することが好ましい。
【0023】さらに、前記保護膜を形成する前記保護膜
を形成する工程の後、前記基板を薄くする工程の前に、
前記基板の表面に、基板を研削、研磨する際の基板の強
度をある程度保持するためにUV剥離テープを設ける工
程と、さらに、前記凹部を形成する前に、前記流路内に
進入して嵌合する凸部を形成するために、オリフィスプ
レートの接合側、吐出口の周囲にドライエッチングで突
起部を形成する工程をさらに有することが好ましい。
【0024】さらに、前記基板に前記保護膜を形成する
工程では前記凹部の内壁全体に前記保護膜を形成し、前
記基板に複数の前記吐出口を形成するために前記基板を
薄くする工程の後に、前記基板の表層をウエットエッチ
ングにより除去し、前記吐出口の内壁を構成する前記保
護膜の一部を前記基板の表面から突出させ突出部を形成
する工程をさらに有することが好ましい。
【0025】さらに、前記吐出口の内壁に形成された前
記保護膜の一部を前記基板の表面から突出させる工程の
後に、前記突出部の周囲に撥水膜を形成する工程をさら
に有することが好ましい。
【0026】さらに、前記基板を薄くする工程の前に、
前記基板を補強するための、シリコンまたはガラスから
なる枠体を真空加熱接合、陽極接合または接着剤により
前記基板に接着する工程をさらに有することが好まし
い。
【0027】さらに、前記枠体は、前記基板の、前記ヘ
ッド本体側となる面における前記ヘッド本体が接合され
る部分の周囲に接合されるものであり、前記枠体が接合
された前記オリフィスプレートを前記ヘッド本体に接合
する工程が、前記オリフィスプレートを接合された前記
ヘッド本体と前記枠体との熱伝導性を確保しつつ前記ヘ
ッド本体と前記オリフィスプレートとの接合強度を高め
るように、前記ヘッド本体と前記枠体との空隙に熱伝導
性樹脂を充填する工程をさらに有することが好ましい。
【0028】さらに、前記オリフィスプレートを作製す
るための、シリコンを含む材料からなる基板を準備する
工程で準備する前記基板がシリコンウエハーであり、前
記オリフィスプレートが一枚のシリコンウエハーから複
数作製されるものであって、該シリコンウエハーの表面
に複数の凹部を形成する工程で、前記シリコンウエハー
を分割してオリフィスプレート単体にするために前記シ
リコンウエハーの表面に溝状のプレート分割パターンを
複数の前記凹部と一括してドライエッチングにより形成
することにより、前記シリコンウエハーを裏面側から薄
くする工程で、前記シリコンウエハーに前記吐出口が形
成されるとともに、前記シリコンウエハーが前記プレー
ト分割パターンで複数の前記オリフィスプレートに分割
されることが好ましい。
【0029】さらに、前記プレート分割パターンが、前
記シリコンウエハーの外周部を避けて設けられることが
好ましい。
【0030】さらに、本発明は、熱エネルギーを液体に
作用させることで起こる気泡の発生を利用して液体を吐
出する液体吐出ヘッドであって、上述したいずれかの液
体吐出ヘッドの製造方法により製造されたものである。
【0031】さらに、本発明のヘッドカートリッジは、
上述した液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに供給さ
れる液体を保持する液体容器とを有する。
【0032】さらに、本発明の液体吐出記録装置は、上
述したいずれかの液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッド
から液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆動信
号供給手段とを有する。
【0033】さらに、本発明の液体吐出記録装置は、上
述したいずれの液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドか
ら吐出された液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録
媒体搬送手段とを有する。
【0034】これらの液体吐出記録装置は、前記液体吐
出ヘッドから液体を吐出して被記録媒体に前記液体を付
着させることで記録を行うものである。
【0035】上記の通りの発明では、液体吐出ヘッドを
構成するヘッド本体とオリフィスプレートとの線膨張係
数をほぼ同じにするためにそれらの構成材料としてシリ
コンを含むものを用いた場合、オリフィスプレートを作
製するための、シリコンを含む材料からなる基板の表面
に、吐出口の深さよりも5〜50μm深い深さを有する
凹部をエッチングにより形成し、その基板の裏面側から
基板を薄くして、その基板に複数の吐出口が形成されて
なるオリフィスプレートを作製することにより、オリフ
ィスプレートに複数の吐出口を精度良く形成することが
でき、信頼性の高い、長尺化された液体吐出ヘッドを実
現することができる。また、吐出口の内壁を構成する保
護膜をオリフィスプレートの吐出口面から突出させるこ
とにより、ブレードによってオリフィスプレートの吐出
口面を拭くことによる、ノズル周りのクリーニングが不
要となり、液体吐出ヘッドが搭載される液体吐出記録装
置の本体の構造、およびその制御シーケンスが単純化さ
れる。さらに、オリフィスプレートを形成するための基
板を枠体などにより補強することにより、そのオリフィ
スプレートに複数のヘッド本体を接合することができる
ので、1列のノズルだけでなく、複数のノズル列の位置
あわせを行ってそれらのヘッド本体をオリフィスプレー
トに組み付けることも可能とする液体吐出ヘッドの製造
方法が実現される。
【0036】また、本発明では、シリコンウエハーに複
数の機能部を形成するとともに、シリコンウエハーをそ
の機能部ごとに分割することにより複数のプレートを一
括して形成する際に、シリコンウエハーの表面にシリコ
ンプレートの外形形状に対応したプレート分割パターン
をドライエッチングにより形成してから、シリコンウエ
ハーをその表面の裏面側から少なくともプレート分割パ
ターンまで薄くすることによりシリコンウエハーを分割
するので、研削及び研磨の際にウエハーの外周部が保護
されるため、従来のダイシングで生じたような外周部で
の厚みの減少による厚みのばらつき、外周部のオリフィ
スプレートのチッピング、欠け、割れが防止でき、寸法
精度や歩留りが向上する利点がある。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0038】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法が適用される
液体吐出ヘッドについて説明するための斜視図である。
図2は、図1に示される液体吐出ヘッドの、流路方向に
沿った断面図である。本発明の液体吐出ヘッドの製造方
法は、液体吐出ヘッドを構成するオリフィスプレートの
構成材料としてシリコンを用いた際に、シリコンのエッ
チング技術、薄膜化技術、組み立て技術の要素開発の結
果可能となったものである。
【0039】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法に
より製造される液体吐出ヘッドは、図1に示すように、
素子基板11の表面に天板15を接合してなるヘッド本
体7や、ヘッド本体7の前端面に接合されたオリフィス
プレート16などから構成されている。素子基板(以
下、ヒーターボードともいう)11には、インクなどの
液体を吐出させるために利用される熱エネルギーを発生
する複数のエネルギー発生素子(以下、ヒーターともい
う)12と、エネルギー発生素子12に電気信号を供給
するためのAl配線とが備えられている。この素子基板
11は、Si基板上に複数のエネルギー発生素子12お
よび前記Al配線を成膜技術によって形成してなるもの
である。
【0040】素子基板11の一面には、エネルギー発生
素子12がそれぞれ配置された複数の流路1を形成する
ための溝や、それぞれの流路1に供給されるインクを一
時的に保持する液室2を形成するための溝が形成されて
いる。隣り合う2つの流路1は、それら2つの流路1の
間に挟まれる流路側壁8によって仕切られている。液室
2および複数の流路2を形成するための溝は、図3に基
づいて後述するように、流路側壁8を含む壁部材が素子
基板11の一面に貼り付けられることにより形成されて
いる。
【0041】天板15には、液室2内にインクを供給す
るための供給口4が形成されている。それぞれの流路1
にエネルギー発生素子12が配置されるように素子基板
11と天板15とが壁部材を介して接合されることによ
り、複数の流路1および複数のエネルギー発生素子12
が備えられたヘッド本体7が構成されている。このヘッ
ド本体7の前端面に、すなわち、図2に示すように素子
基板11の、オリフィスプレート16との接合面5、お
よび天板15の、オリフィスプレート16との接合面6
を含む面に、それぞれの流路1の開口が配置されてい
る。ヘッド本体7の前端面、すなわち素子基板11の接
合面5および天板15の接合面6に接合されたオリフィ
スプレート16には、流路1とそれぞれ連通した吐出口
(以下、オリフィスともいう)3が複数形成されてい
る。
【0042】この液体吐出ヘッドでは、エネルギー発生
素子12から発生した熱エネルギーが流路1内のインク
に作用することでエネルギー発生素子12上で気泡が発
生し、その気泡の発生を利用して吐出口3からインクが
吐出される。
【0043】図3は、図1および図2に示した液体吐出
ヘッドの組み立てについて説明するための斜視図であ
る。図3に示すように、前記素子基板11にヒーター1
2、ヒーター12を駆動するための回路、およびワイヤ
ーボンデイングやTABボンデイング、ACF接合等に
より駆動信号や電気エネルギーを外部回路より取り入れ
るために実装用パッド13が形成されている。これらは
汎用的な半導体製造方法により形成することができる。
【0044】次いで、上記基板に流路側壁8を含む壁部
材14が形成される。これら壁部材の形成方法として
は、半導体のフォトリソグラフィー技術を適用すること
ができる。通常、これら壁部材は幅5〜15μm程度、
高さ10〜100μm程度の為、適用されるフォトリソ
グラフィー技術としては、メッキや磁気ヘッドに適用さ
れる厚膜対応の物が好ましい。また壁形成材料として
は、解像性が高く耐インク性を併せ持つことが必要であ
る。最も好適に適用できる材料としては、米国マイクロ
ケミカルコーポレーション社より提供されるSU−8と
呼ばれる感光性エポキシレジストを挙げることができ
る。これらエポキシ樹脂はアルカリ強度の高いインクジ
ェット用のインクでも加水分解することなく、また、エ
ポキシ樹脂の分子量は一般的に低い為、極めてシャープ
な形状を形成することができる。
【0045】これら感光性エポキシ樹脂に関しては米国
特許4.882.245、4.940.651、5.0
26.624、5.102.772、5.229.25
1、5.278.010、5.304.457等に記載
される物が何れも適用できる。これら液状樹脂材料はス
ピンコート法、ロールコート法、スプレー法等にてシリ
コン基板に塗布、乾燥し、次いで、汎用的なUV露光装
置でパターン露光され、露光後のPEB(Post E
xposure Bake)を行った後、現像液にて現
像することによりパターン形成できる。
【0046】インク供給孔4を有する天板15は、各種
微細加工方法にて作製することが可能である。最も汎用
的には、シリコンの異方性エッチング技術を挙げること
ができる。これは、両面シリコン酸化膜膜を形成したシ
リコンウエハーに対して汎用的なフォトリソグラフィー
技術により酸化膜をパターニングし、アルカリ水溶液に
てシリコンをエッチングして貫通孔を形成する技術であ
る。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等の無機アルカリ、TMAH(テトラメチル
アンモニウムハイドロキシオキサイド)等の有機アルカ
リが好適に用いられる。また、ブラスト加工等の砥粒に
よる加工やYAGレーザー等のレーザー加工を適用して
も構わない。
【0047】形成した天板部材は、部材の耐インク性が
不十分な場合は表面保護を行うことが必要となる。これ
は、耐アルカリ性の樹脂を溶剤塗布方法にて塗布する手
段を用いても、あるいは、無機材料を蒸着、スパッタリ
ング、CVD等にて成膜する手段の何れも用いても構わ
ない。
【0048】本発明による液体吐出ヘッドは、シリコン
製のオリフィスプレートを適用することにより長尺の液
体吐出ヘッドに対しても、線膨張係数の同一部材を用い
て対応することを主眼としている為、最も好適には、前
述したシリコンの異方性エッチング技術を適用したシリ
コン製天板が最も好適である。また表面保護としては、
被覆性が高く、耐インク性に優れる手段として、窒化シ
リコンをLP−CVD(Low Pressure Ch
emical Vapor Deposition)法で
形成するか、熱酸化によって酸化シリコンを形成するか
が最も好ましい。
【0049】壁部材を形成したヒーターボードと天板は
接着剤等によって貼りあわせる。接着剤は汎用的な接着
剤の何れも適用できるが、耐インク性が高いという観点
から、エポキシ系接着剤が最も好適である。エポキシと
しては、主材と硬化剤が別々の2液タイプ、予め混合さ
れている1液タイプの何れを適用しても構わない。
【0050】2液タイプの場合、主剤と硬化剤の混合
後、上記工程で形成した天板表面、あるいはヒーターボ
ードに形成した壁上面に、スクリーン印刷等の印刷法、
転写法、ロールコート法等にて塗布し、天板とヒーター
ボードを接合して接着剤を硬化せしめれば良い。また、
1液タイプの場合は、上記手段にて塗布し、接合後に所
定の硬化条件で硬化させれば良い。また、壁材料に用い
た感光性エポキシも上記塗布方法により塗布して、UV
光の照射にて硬化せしめて接合することも可能である。
【0051】これら接合した基板は、汎用的なダイサー
にて個別のチップに分割してオリフィスプレートを接合
する部品が作製される。尚、ダイシング時に切断屑等が
インク流路に入ってしまうことを防止する場合は、切断
前に汎用的な樹脂を予め溶剤に溶解して、詰め込んで於
いても構わない。これら樹脂は、汎用的な溶剤に溶解
し、比較的分子量が低く、固い材料が好適に使用でき
る。最も好適には、クレゾールノボラック、フェノール
ノボラック等のフェノール樹脂、ポリスチレンやポリ−
α-メチルスチレン等のスチレン樹脂を挙げることがで
きる。
【0052】上記工程で作製したチップとシリコン製オ
リフィスプレートの貼り付けに関しては、チップ側に予
め接着剤を塗布し、次いでオリフィスプレートを位置合
わせしつつ接合し、その後接着剤を硬化することにより
貼りあわせることができる。接着材料及び塗布方法とし
ては上記した天板とヒーターボードの接着と同一の手段
を用いることができる。しかしながら、該接着箇所の場
合、接着剤がインク流路内に流れ込んだ場合、吐出不良
を招く為、その材料選択と塗布手段がより厳しくなる。
2液タイプの接着剤を適用した場合、主剤と硬化剤の混
合時点より接着剤の硬化が進行して粘度が経時的に変化
する為、厳密な流動性の制御は極めて難しい。また1液
タイプを溶剤溶解して塗布した場合、溶剤乾燥時の熱の
付与で接着剤がインク流路内に入り込んだり、塗布ムラ
になったりしてしまう場合が多い。
【0053】最も好適には、常温にて固体状の接着剤を
予めポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィル
ムに塗布、乾燥しておき、これを熱転写法にて上記接合
面に転写する手段を挙げることができる。尚、均一な転
写が可能となり、またインク吐出口部に接着剤の膜がは
らず、良好な接着剤塗布を行うには、材料、接着剤膜
厚、転写条件(温度、圧力、プラテンのゴム硬度)等の
条件出しが必要となる。
【0054】上記オリフィスプレートの貼りあわせ工程
に於いて、オリフィスプレートに形成したインク吐出口
とインク流路の位置ずれを防止する為、前記したように
オリフィスプレートに予め位置決め用の凸部を形成して
おけば、簡便な装置で良好な位置合わせが可能となる。
また該凸部は、接着剤硬化時に接着剤の粘度が低下して
も、インク吐出口に接着剤が流入することを防止でき
る。
【0055】オリフィスプレートを接合した後に、シリ
コン製オリフィスプレートのインク吐出面側に耐インク
性の向上とインク濡れ防止の為の撥水剤の塗布を行うこ
とが好ましい。これら塗布材料、塗布方法に関しては、
前記した材料、方法が適用できる。
【0056】このような構成の液体吐出ヘッドを、液体
吐出記録装置であるバブルジェット(登録商標)プリン
ターで用いる場合を考慮すると、近年の写真調の画像を
形成するためのインクジェット(インク吐出)として
は、2ピコリットルから50ピコリットルくらいの量の
インク液滴を周波数10Khzくらいのスピードで吐出
させる必要がある。このような量および吐出スピードで
インク液滴を吐出させて記録をするには、オリフィスプ
レート16の厚さは20から100μmくらいで、吐出
口3の径が15から30μm程度で形成されれば良い。
【0057】本発明は、この、オリフィスプレートとし
て用いられるシリコン基板への穴あけ技術、シリコンの
薄膜化技術を研究した結果、達成されたものである。次
では、本発明の第1の実施形態に係る液体吐出ヘッドの
製造方法として、図1および図2に示したオリフィスプ
レート16を作製する方法について図4を参照して説明
する。
【0058】図4は、図1および図2に示したオリフィ
スプレート16を作製する方法について説明するための
図である。図4(a)〜図4(e)が断面図であり、図
4(a’)、図4(c’)および図4(d’)が斜視図
である。ここでは、オリフィスプレート16を作製する
ためのそれぞれの説明およびそれぞれの図は、1つの液
体吐出ヘッド分、すなわち1チップ分のものであるが、
実際には、4インチから12インチ程度のシリコンウエ
ハーに数十から数百のチップが配置され、1つのシリコ
ンウエハーから複数のオリフィスプレート16が同時に
加工生産される。また、図16は、図4に示される工程
において、オリフィスプレートに形成される穴の形状に
注目して製造工程のフローを示した断面図である。
【0059】まず、図4(a)および図4(a’)に示
される、厚さ625μm(625ミクロン)のシリコン
基板21を準備する。
【0060】次に、シリコン基板21の表面にAl層を
8μmの厚みでスパッタ法により形成する。
【0061】次に、シリコン基板21上のAl層の表面
に、レジストを8μmの厚さで塗付し、図1に示した吐
出口3と、シリコン基板21を各チップに分割するため
の溝状のプレート分割パターンをシリコン基板21に形
成するために、塗布された前記レジストのパターニング
を行う。Al層の表面に塗布したレジストとしてはシプ
レイ社製のSJR−5740を用い、そのレジストを塗
布する塗付装置としてはキヤノン株式会社製のCDS−
600を用い、レジストのパターニングを行うための露
光装置としてはキヤノン株式会社製のMPA−600を
用いた。
【0062】次に、パターニングされたレジストをマス
クとしてシリコン基板21上のAl層をドライエッチン
グして、図4(a)および図4(a’)に示されるよう
に、吐出口3に対応する位置に開口部22aを有するパ
ターンが形成されたエッチングマスク用のAl層22を
シリコン基板21上に形成する。また、このドライエッ
チングでは、Al層22に、上述したようなシリコン基
板21を分割するための溝状のプレート分割パターンに
対応する溝が形成される。ドライエッチング装置として
はアルバック株式会社製のNLD−800の用い、ドラ
イエッチング用のガスとしては塩素を用いた。そのドラ
イエッチング装置では、パワーを1000W、バイアス
を100W、圧力を0.8PaとしてAl層のエッチン
グを行った。
【0063】次に、Al層22上のレジストをアッシン
グ除去した。
【0064】次に、図4(b)に示すようにAl層22
をマスクにしてシリコン基板21のAl層22側の面に
おける露出した部分をドライエッチングのイオン23に
よって深堀エッチングして、吐出口3に対応する位置
に、50ミクロンに5〜50ミクロンを加えた深さで、
図4(c)および図4(c’)に示されるような凹部と
しての穴21aを複数形成するとともに、シリコン基板
21を複数のオリフィスプレートに分割するための溝状
のプレート分割パターン21bをシリコン基板21の表
面に形成する。プレート分割パターン21bの深さは穴
21aの深さと同じように50ミクロンに5〜50ミク
ロンを加えた値となっている。これにより、それらプレ
ート分割パターン21bおよび複数の穴21aを有する
パターンがシリコン基板21の表層に形成される。この
工程では、ドライエッチング装置としてアルバック株式
会社製のNLD−800を用い、ドライエッチング用の
ガスとしてはSF6を用いた。そのドライエッチング装
置では、パワーを1000W、バイアスを250W、圧
力を1.0Paとしてシリコン基板21のエッチングを
行い、50μmに5〜50μmを加えた深さの略ストレ
ートな断面形状となる深堀りを実施する。ここで、図1
6(a)に示すように、SF6のエッチングの後では穴
21aの開口面側の端部が、流路側から吐出口側へと徐
々に断面積が小さくなる、所謂、テーパー形状を有する
テーパー部29aになっており、穴21aの底部を含む
穴21aのほとんどの部分が、穴21aの深さ方向の断
面形状がほぼ一定のストレート部27bとなっている。
このテーパー部29aは表面があれたような状態となる
ため、このテーパー部29aの表面を滑らかにするため
に、さらに、エッチング用のガスとしてCF4を用い
て、パワーを1000W、バイアスを50W、圧力を
1.0Paとしてエッチングを行う。図16(b)に示
すようにCF4のエッチングの後では、穴21aの開口
面側の端部のテーパー部29cの表面が滑らかになって
いる。
【0065】このようにして形成された穴21aに対し
て、後述するようにシリコン基板21を裏面側からスト
レート部27dの部分にいたるまで薄くすることで、開
口した穴21aの径はシリコン基板21の除去厚のばら
つきによらず、ほぼ一定のものが得られる。このとき、
穴21aの底部は矩形になっていないことが多いため、
除去工程は穴21aが露出した状態で止めるのではな
く、確実にストレート部27bにいたるまで行うことが
好ましい。本実施形態では、このようにシリコン基板2
1に吐出口を形成することにより、開口径が均一で、吐
出側に断面積が小さくなるテーパー形状の吐出口を得る
ことができる。
【0066】図16(a)はSF6のエッチングの後の
断面、図16(b)はCF4のエッチングの後の断面を
示す。図16(a)に示すようにSF6のエッチングの
後では穴21aの開口面側の端部が、テーパー形状を有
するテーパー部29aになっており、穴21aの底部を
含む穴21aのほとんど部分が、穴21aの深さ方向の
断面形状がほぼ一定のストレート部27bとなってい
る。また、図16(b)に示すようにCF4のエッチン
グの後では、穴21aの開口面側の端部が、図16
(a)に示したテーパー部29aよりも範囲の広いテー
パー部29cになっており、穴21aのその他の部分
が、深さ方向に断面積が一定のストレート部27dとな
っている。従って、ストレート部27dの領域は、図1
6(a)に示したストレート領域27bの領域よりも狭
くなっている。
【0067】ここでは、バイアスの値を変えることによ
り、図1および図2に示したような吐出口3のテーパー
形状を所望のかたちに形成することができる。
【0068】次に、図4(c)および図4(c’)に示
すようにシリコン基板21上のAl層22を硝酸、リン
酸、酢酸の混酸で除去する。次に、シリコン基板21
の、インクと接する面を保護するために、シリコン基板
21の穴21a側の表面、および穴21aの内壁全体
に、図16(c)に示すように、CVDにより保護層と
してSiN保護膜26を2ミクロンの厚さで形成する。
【0069】次に、図4(d)および図4(d’)に示
すように、UV剥離テープ24にシリコン基板21の穴
21a側の面を貼り付けた後に、シリコン基板21の裏
面を研削、研磨して、シリコン基板21を50ミクロン
の厚みになるまで薄くした。ここでは、シリコン基板2
1を研削、研磨する際のシリコン基板21の強度をある
程度保持するためのバックグラインンドテープであるU
V剥離テープ24にシリコン基板21を貼り付けた。こ
のようにシリコン基板21の裏面を研磨した後、前記U
V剥離テープをUV剥離することにより、図4(e)、
図4(e’)および図16に示すように、それぞれの穴
21aの底部がシリコン基板21の裏面に開口してシリ
コン基板21を貫通し、シリコン基板21に吐出口3が
形成されるとともに、シリコン基板21がプレート分割
パターン21bで複数のオリフィスプレート16に分割
される。シリコン基板21を薄くする際にはシリコン基
板21の裏面をエッチングしてもよい。
【0070】以上で説明した工程を経て、図4(e)お
よび図4(e’)に示される、シリコン基板21に吐出
口3が形成されてなるオリフィスプレート16が作製さ
れる。
【0071】このとき、図16(d)に示すように、吐
出口3における断面積が小さい側の開口面は、ストレー
ト部27dにおけるテーパー部29c近傍の部分に形成
され、吐出口3の開口面側の先端部に、断面積が一定の
ストレート部分が残っているため、各吐出口3における
吐出口3の開口径を均一にそろえることができる。ま
た、吐出口3全体をテーパー形状とする場合には、吐出
口3における断面積が小さい側の開口面が、テーパー部
29cとストレート部27dの境界面や、テーパー部2
9cにおけるストレート部27dの近傍に形成されてい
てもよい。
【0072】このようにして得られたオリフィスプレー
ト16を用いて、図3に基づいて上述したのと同様の組
み立てを行い、液体吐出ヘッドを作製した。オリフィス
プレート16に対する素子基板11および天板15の接
着には、2ミクロンの厚みのエポキシ接着剤を用いた。
【0073】オリフィスプレート16を用いて製造され
た液体吐出ヘッドを、ポリサルフォン製のオリフィスプ
レートで作製した比較品とともに、−30度と+60度
間のヒートサイクルテストを行った。ポリサルフォン製
のオリフィスプレートで作製した比較品が、オリフィス
プレートにおけるノズル列方向の長さが50ミリ以上で
オリフィスプレートの剥離が生じるのに対し、本発明の
製造方法により製造されたシリコン製のオリフィスプレ
ート16で組み立てたものは、そのオリフィスプレート
16の剥離が生じなかった。
【0074】以上で説明したように、本実施形態の液体
吐出ヘッドの製造方法では、オリフィスプレート16を
作製する際に、シリコン基板21の表面にエッチングに
より凹部として穴21aを形成して、シリコン基板21
を裏面側から薄くすることにより、そのシリコン基板2
1に複数の吐出口3が形成されてなるオリフィスプレー
ト16を作製する。これにより、信頼性の高い、長尺化
された液体吐出ヘッドを製造することができ、また、そ
のようにシリコンからなるオリフィスプレートを用いて
液体吐出ヘッドを構成する際にも、信頼性の高い、長尺
化された液体吐出ヘッドを実現することができる。
【0075】次に、図4に基づいて説明したオリフィス
プレートの製造方法の変形例について図16を参照して
説明する。図16は、図4に基づいて説明したオリフィ
スプレートの製造方法の変形例について説明するための
断面図である。図17に基づいて説明するオリフィスプ
レートの製造方法では、上述した製造方法と比較して、
シリコン基板21に吐出口用の穴をドライエッチングに
より形成する際に、マスクとして厚さ8μmのAl層の
代わりに、厚さ2μmのSiO2層を用いている点が主
に異なっている。
【0076】図17(a)に示すように、シリコン基板
21表面に形成された、吐出口およびプレート分割パタ
ーンに対応する所定のパターンを有する厚さ2μmのS
iO 2層28をマスクとしてシリコン基板21のドライ
エッチングを行い、シリコン基板21に吐出口用の穴2
1aを形成する。このドライエッチングの工程では、エ
ッチングガスとしてSF6を用いた10秒間のドライエ
ッチングと、エッチングガスとしてCF2を用いた30
秒間のドライエッチングと行い、そのようなエッチング
を繰り返すサイクルエッチングによりシリコン基板21
に複数の穴21aを形成した。
【0077】このようなSiO2層28をマスクにした
シリコン基板21のドライエッチングでは、深さ方向に
断面積が一定な穴21aをシリコン基板21に形成する
ことができる。
【0078】次に、図17(b)に示すようにSiO2
層28の表面全体、および穴21aの内壁面全体にSi
N保護膜29をCVD法によって形成する。
【0079】次に、図17(c)に示すように、シリコ
ン基板21の裏面側からシリコン基板21を薄くするこ
とにより穴21aを貫通させ、シリコン基板21に吐出
口3を形成する。吐出口3の開口面は、穴21aの、断
面積が一定の領域に形成されている。これにより、シリ
コン基板21の吐出口3が形成されて構成されるオリフ
ィスプレート16が作製される。
【0080】図17に基づいて説明したオリフィスプレ
ートの製造方法では、深さ方向に断面積が一定の穴21
aの加工を行うことができ、また、穴21aの、断面積
が一定の領域に吐出口3の開口が得られる。図17の製
造方法により作製されたオリフィスプレートを用いて液
体吐出ヘッドを構成することにより、図4および図16
の製造方法により作製されたオリフィスプレートを用い
て構成された液体吐出ヘッドと同様、信頼性に優れた、
長尺化の液体吐出ヘッドを実現することができる。
【0081】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法が適用される
液体吐出ヘッドについて説明するための斜視図である。
図6は、図5に示される液体吐出ヘッドの、流路方向に
沿った断面図である。図5および図6に示される液体吐
出ヘッドでは、第1の実施形態のものと比較してオリフ
ィスプレートのみが異なっており、オリフィスプレート
のヘッド本体側の面における吐出口の周囲に、ヘッド本
体の流路に嵌合する凸部が形成されている。図5および
図6では、第1の実施形態と同一の構成部品に同一の符
号を付してある。以下では、第1の実施形態と異なる点
を中心に説明する。
【0082】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法に
より製造される液体吐出ヘッドでは、第1の実施形態で
用いたオリフィスプレート16の代わりに、図5および
図6に示すようにオリフィスプレート46が用いられて
いる。オリフィスプレート46の構成材料としては第1
の実施形態のオリフィスプレート16と同様にシリコン
が用いられている。オリフィスプレート16と同様に、
オリフィスプレート46は、ヘッド本体7の前端面、す
なわち素子基板11の接合面5および天板15の接合面
6に接合されており、オリフィスプレート46には、流
路1とそれぞれ連通した吐出口46aが複数形成されて
いる。オリフィスプレート46の、ヘッド本体7との接
合面における吐出口46aの周囲には、図5および図6
に示すように吐出口46aごとにそれぞれ独立した凸部
47が複数形成されている。それぞれの凸部47が流路
1内に進入し、凸部47が流路1に嵌合した状態で、接
合面5,6にオリフィスプレート46が接合されてい
る。
【0083】図7は、図5および図6に示した液体吐出
ヘッドの組み立てについて説明するための斜視図であ
る。図7に示すように、素子基板1の表面に、流路側壁
8を含む壁部材14が形成され、壁部材14の素子基板
11側と反対側の面に、供給口4が形成された天板15
が接合される。そして、素子基板11、壁部材14およ
び天板15の前端面にオリフィスプレート46を貼り付
ける。ここで、オリフィスプレート46の凸部47はヘ
ッド本体7の流路1に嵌合させるため、接着剤のエポキ
シを天板15側および素子基板11側に転写しても、ア
ライメントが正確で、量産性および信頼性に優れた液体
吐出ヘッドを製造することができる。
【0084】次に、本発明の第2の実施形態に係る液体
吐出ヘッドの製造方法として、図5および図6に示した
オリフィスプレート46を作製する方法について図8を
参照して説明する。オリフィスプレート46を作製する
工程では、第1の実施形態とほぼ同様の工程を用いる
が、プロセスの最初に、シリコン基板上に突起部を形成
することにより、吐出口46aに対応する位置およびそ
の周辺に高さ約4ミクロンの凸部を形成する点が異な
る。
【0085】図8は、図5および図6に示したオリフィ
スプレート46を作製する方法について説明するための
図である。図8(a)〜図8(e)が断面図であり、図
8(a’)、図8(c’)および図8(d’)が斜視図
である。ここでは、オリフィスプレート46を作製する
ためのそれぞれの説明およびそれぞれの図は、1つの液
体吐出ヘッド分、すなわち1チップ分のものであるが、
実際には、4インチから12インチ程度のシリコンウエ
ハーに数十から数百のチップが配置され、1つのシリコ
ンウエハーから複数のオリフィスプレート46が同時に
加工生産される。
【0086】まず、厚さ625μm(625ミクロン)
のシリコン基板を準備する。そのシリコン基板の表面に
レジストを2ミクロンの厚さで塗布し、吐出口46aに
対応する位置およびその周囲に、高さ約4ミクロンの凸
部47を形成するために、そのレジストのパターニング
を行う。ここで、レジストとしてはシプレイ社製のSJ
R−5740を用い、そのレジストを塗布する塗付装置
としてはキヤノン株式会社製のCDS−600を用い、
レジストのパターニングを行うための露光装置としては
キヤノン株式会社製のMPA−600を用いた。
【0087】次に、パターニングされたレジストをマス
クとして前記シリコン基板をドライエッチングすること
により、図8(a)および図8(a’)に示される、表
面に突起部31bが複数形成されたシリコン基板31を
作製する。突起部31bの高さは約4ミクロンであり、
それぞれの突起部31bは、図5および図6に示した吐
出口46aに対応する位置およびその周囲に形成されて
いる。ここで、ドライエッチング装置としてはアルバッ
ク株式会社製のNLD−800の用い、ドライエッチン
グ用のガスとしてはSF6を用いた。そのドライエッチ
ング装置では、パワーを1000W、バイアスを50
W、圧力を0.8Paとし、3分間の時間でシリコン基
板31のエッチングを行った。
【0088】次に、シリコン基板31の突起部31b側
の表面に、その突起部31bを覆うようにAl層を8ミ
クロンの厚みでスパッタ法により形成する。
【0089】次に、シリコン基板31上のAl層の表面
に、レジストを8ミクロンの厚さで塗付し、図5に示し
た吐出口46aと、シリコン基板31を各チップに分割
するための溝状のプレート分割パターンをシリコン基板
31に形成するために、塗布された前記レジストのパタ
ーニングを行う。Al層の表面に塗布したレジストとし
てはシプレイ社製のSJR−5740を用い、そのレジ
ストを塗布する塗付装置としてはキヤノン株式会社製の
CDS−600を用い、レジストのパターニングを行う
ための露光装置としてはキヤノン株式会社製のMPA−
600を用いた。
【0090】次に、パターニングされたレジストをマス
クとしてシリコン基板31上のAl層をドライエッチン
グして、図8(a)および図8(a’)に示されるよう
に、吐出口46aに対応する位置に開口部32aを有す
るパターンが形成されたエッチングマスク用のAl層3
2をシリコン基板31上に形成する。また、このドライ
エッチングでは、Al層32に、上述したようなシリコ
ン基板31を分割するための溝状のプレート分割パター
ンに対応する溝が形成される。ドライエッチング装置と
してはアルバック株式会社製のNLD−800の用い、
ドライエッチング用のガスとしては塩素を用いた。その
ドライエッチング装置では、パワーを1000W、バイ
アスを50W、圧力を0.8PaとしてAl層のエッチ
ングを行った。
【0091】次に、Al層32上のレジストをアッシン
グ除去した。
【0092】次に、図8(b)に示すようにAl層32
をマスクにしてシリコン基板31のAl層32側の面に
おける露出した部分をドライエッチングのイオン33に
よって深堀エッチングして、吐出口46aに対応する位
置に、70ミクロンに5〜50ミクロンを加えた深さ
で、図8(c)および図8(c’)に示されるような凹
部としての穴31aを複数形成するとともに、シリコン
基板31を複数のオリフィスプレートに分割するための
溝状のプレート分割パターン31cをシリコン基板31
の表面に形成する。プレート分割パターン31cの深さ
は穴31aの深さと同じように70ミクロンに5〜50
ミクロンを加えた値となっている。これにより、それら
プレート分割パターン31cおよび複数の穴31aを有
するパターンがシリコン基板31の表層に形成され、ま
た、突起部31bの残った部分によって、図5および図
6に示した凸部47が構成され、シリコン基板31上に
複数の凸部47が形成されることになる。この工程で、
ドライエッチング装置としてアルバック株式会社製のN
LD−800の用い、ドライエッチング用のガスとして
はSF6を用いた。そのドライエッチング装置では、パ
ワーを1000W、バイアスを200W、圧力を1.0
Paとしてシリコン基板31のエッチングを行った。
【0093】次に、図8(c)および図8(c’)に示
すようにシリコン基板31上のAl層22を硝酸、リン
酸、酢酸の混酸で除去する。次に、シリコン基板31
の、インクと接する面を保護するために、シリコン基板
31の穴31a側の表面全体、および穴31aの内壁全
体にCVDにより保護層としてSiN層(不図示)を2
ミクロンの厚さで形成する。
【0094】次に、図8(d)および図8(d’)に示
すように、UV剥離テープ34にシリコン基板31の穴
31a側の面を貼り付けた後に、シリコン基板31の裏
面を研削、研磨して、シリコン基板31の、凸部47の
高さを含んだ厚みが70ミクロンになるまでシリコン基
板31薄くした。ここでは、シリコン基板31を研削、
研磨する際にシリコン基板31を強度をある程度保持す
るために、UV剥離テープ24にシリコン基板31を貼
り付けた。このようにシリコン基板31の裏面側の層を
除去することにより、図8(e)および図8(e’)に
示すように、それぞれの穴31aの底部がシリコン基板
31の裏面に開口して穴31aがシリコン基板31を貫
通し、シリコン基板31に吐出口46aが形成されると
ともに、シリコン基板31がプレート分割パターン31
cで複数のオリフィスプレート46に分割される。これ
により、シリコン基板31に複数の凸部47および複数
の吐出口46aが形成されてなるオリフィスプレート4
6が製造される。
【0095】作製したオリフィスプレートは接着剤等に
より、エネルギー発生素子及び流路が配置されたヘッド
本体に貼り付けることにより、液体吐出ヘッドが形成さ
れる。接着剤は耐インク性、接着強度が高いエポキシ樹
脂が最も好ましい。エポキシ樹脂としては、汎用的な2
液タイプの物、1液タイプの高温硬化タイプの物、何れ
も使用できる。しかしながら、これら接着剤を硬化する
場合、オリフィスプレートは吐出エレメントに荷重を付
与しつつ硬化させる必要がある為、荷重付与時にずれて
しまう場合がある。また、接着剤がはみ出してインク吐
出口を埋めてしまう場合もある。該弊害を防止する為、
オリフィスプレートの接合側、吐出口の周囲に凸部を形
成することが好ましい。この凸部をインク流路に嵌め込
むことにより、接合時のインク流路と吐出口の位置ずれ
を防止することができる。また該凸部は接着剤のはみ出
しに際して、該凸部で接着剤がメニスカスを形成して流
入が停止する為、インク吐出口に接着剤が入り込むこと
を防止できる。
【0096】(第3の実施の形態)図9は、本発明の第
3の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明
するための図である。図10は、図9に基づいて説明す
るオリフィスプレートの製造工程のフローチャートであ
る。
【0097】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法
は、第2の実施形態の製造方法のさらに発展した形態で
ある。インクジェット記録の一般的な応用として、黒、
シアン、マゼンタ、イエローの4色の記録、もしくは、
さらに淡シアン、淡マゼンタを加えた6色の記録が用い
られる。ここで、各色のインク同士の互いの着弾位置の
位置合わせをするには、それぞれの色のノズルの相対的
な位置を合わせる必要があり、1枚のオリフィスプレー
トでそれぞれの色のノズルを位置合わせすることが望ま
しい。本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法では、第
1および第2の実施形態におけるシリコン基板の薄膜化
の時にシリコン基板をUV剥離テープで補強する代わり
に、シリコン、またはシリコンと線膨張係数の近いガラ
スからなる枠体でシリコン基板を補強することにより、
コストダウンを測りながらノズル列の位置合わせが達成
される。
【0098】まず、図9(a)に示されような穴54が
形成された板状の枠体53、および図9(b)に示され
るような突起部52が形成されたシリコン基板51を作
製する。枠体53の構成材料としては、シリコン、また
はシリコンと線膨張係数の近いガラスを用いることがで
きる。本実施形態では、枠体53の構成材料として、シ
リコンと線膨張係数の近いガラスを用いた場合を例にと
って説明する。
【0099】枠体53を作製する際には、まず、厚さ6
25μm(625ミクロン)のガラスウエハーを準備
し、そのガラスウエハーに対して穴54のパターニング
を行う。ここで、枠体53の材料としては、シリコンと
線膨張係数の近いHOYA社製のSG−2を用い、穴5
4を形成するための加工はブラストにより行った。
【0100】また、複数の突起部52が形成されたシリ
コン基板51を作製する際には、第2の実施形態と同様
に、まず、厚さ625μm(625ミクロン)のシリコ
ン基板を準備し、そのシリコン基板の表面全体にレジス
トを2μmの厚さで塗布する。次に、そのシリコン基板
の表面における吐出口に対応する位置およびその周囲に
高さ約4μmの突起部52を形成するための、シリコン
基板上のレジストのパターニングを行う。ここでは、第
2の実施形態と同様に、レジストとしてはシプレイ社製
のSJR−5740を用い、そのレジストを塗布する塗
付装置としてはキヤノン株式会社製のCDS−600を
用い、レジストのパターニングを行うための露光装置と
してはキヤノン株式会社製のMPA−600を用いた。
【0101】次に、パターニングされたレジストをマス
クとして前記シリコン基板をドライエッチングすること
により、図9(b)に示されるような、下地として表面
に突起部52が複数形成されたシリコン基板51を作製
する。突起部52の高さは約4ミクロンであり、それぞ
れの突起部52は、吐出口に対応する位置およびその周
囲に形成されている。また、図9(b)に示される状態
のシリコン基板51では、突起部52の高さを含む厚み
aが、シリコン基板51のもとの厚さと同じ625μm
となっている。ここで、第2の実施形態と同様に、ドラ
イエッチング装置としてはアルバック株式会社製のNL
D−800の用い、ドライエッチング用のガスとしては
SF6を用いた。そのドライエッチング装置では、パワ
ーを1000W、バイアスを50W、圧力を0.8Pa
とし、3分間の時間でシリコン基板31のエッチングを
行った。
【0102】次に、突起部52を形成するために用い
た、シリコン基板51上のレジストをアッシング除去し
た後に、シリコン基板51の突起部52側の面上に不図
示の熱酸化膜(SiO2)を1μmの厚さで形成する。
これにより、突起部52の先端面および側面全体にも熱
酸化膜が形成される。次に、シリコン基板51上のその
熱酸化膜の表面全体にレジストを塗布し、塗布されたレ
ジストの、吐出口に対向する位置に開口部が形成される
ようにそのレジストのパターニングを行う。そして、パ
ターニングされたレジストをマスクとして、シリコン基
板51上の熱酸化膜をドライエッチングによりパターニ
ングする。このパターニングにより、シリコン基板51
上の熱酸化膜には、吐出口に対応する位置に開口部が形
成される。この熱酸化膜は、後述するように吐出口を形
成するためにドライエッチングによりシリコン基板51
に凹部を形成する際にマスクとして用いられる。
【0103】次に、シリコン基板51上の熱酸化膜をパ
ターニングするために用いられたレジストをアッシング
除去する。
【0104】次に、図9(c)に示すように、シリコン
基板51の突起部52が枠体53の穴54の内部に配置
されるように、シリコン基板51の突起部52側の面に
枠体53を陽極接合する。ここでは、シリコン基板51
と枠体53との貼り合わせ装置としてカールズース株式
会社製のSB−6を用いた。その貼り合わせ装置では、
温度を350度とし、1時間でシリコン基板51と枠体
53との陽極接合を行った。本実施形態では、シリコン
基板51と枠体53とを陽極接合したが、陽極接合の代
わりに真空加熱接合、または接着剤を用いた接合により
シリコン基板51と枠体53とを接合してもよい。
【0105】次に、図9(d)に示すように、上述した
シリコン基板51上の熱酸化膜(不図示)をマスクにし
てシリコン基板51の突起部52の先端面における露出
した部分をドライエッチングのイオン56によって深堀
エッチングして、吐出口に対応する位置に凹部として、
50ミクロンに5〜50ミクロンを加えた深さの穴58
を複数形成する。図9(d)に示されるように、突起部
52の残った部分が、ヘッド本体7の流路1に嵌合する
凸部57となる。
【0106】次に、図9(e)に示すように、シリコン
基板51の裏面を研削、研磨し、シリコン基板51の、
凸部57の高さを含んだ厚みbが50ミクロンになるま
でシリコン基板51を薄くする。このようにシリコン基
板51を薄くすることにより、図9(c)に示されるよ
うに、それぞれの穴58の底部がシリコン基板51の裏
面に開口して穴58がシリコン基板51を貫通し、シリ
コン基板51に吐出口58aが形成される。
【0107】次に、吐出口58aの内壁面全体に保護膜
としてのSiN膜をCVD法によって2ミクロンの厚さ
で形成する。本実施形態では、その保護膜の構成材料と
して窒化シリコンを用いたが、窒化シリコンの代わり
に、熱酸化膜、CVD法による酸化シリコンもしくは、
炭化シリコン、金属めっき、スパッタによるの金、白
金、Pd、Cr、Ta、Wのうちのいずれかを用いても
よい。
【0108】次に、図9(f)に示すように、シリコン
基板51の凸部57側と反対側の面に、それぞれの吐出
口58aが塞がれないように撥水フッ素膜59をラミネ
ート転写する。
【0109】次に、図9(g)に示すように、液体吐出
ヘッド部4個、すなわち素子チップ4個に相当するノズ
ル4列分のオリフィスプレートの切り出しをダイシング
により行う。これにより、シリコン基板51に4列の凸
部57および吐出口58aが形成されてなるオリフィス
プレート51aが切り出される。
【0110】次に、上述した工程とは別の工程で作製さ
れた、素子基板11に天板15を接合してなるヘッド本
体7を、シリコン基板51と枠体53とが接合されてな
るものに接合するために、ヘッド本体7における流路1
の開口端が位置する前端面にエポキシ樹脂を転写する。
そして、シリコン基板51と枠体53とが接合されてな
るものの穴54にヘッド本体7の前端面を向けて穴54
にヘッド本体7を挿入し、オリフィスプレート51aに
対してヘッド本体7の位置決めを行う。オリフィスプレ
ート51aとヘッド本体7との位置決めは、ヘッド本体
7の流路1内にオリフィスプレート51aの凸部57を
嵌合させることにより行う。
【0111】このように、オリフィスプレート51aと
ヘッド本体7とのアライメントをしてオリフィスプレー
ト51aにヘッド本体7を接着する。
【0112】次に、ヘッド本体7と枠体53との空隙
を、金属の微粒子が添加された高い熱伝導性を有する熱
伝導樹脂を充填し、その空隙を封止する。これにより、
ヘッド本体7と枠体53との熱伝導を確保しながら、4
列のノズル列を有する液体吐出ヘッドの強度が高められ
る。
【0113】図11は、オリフィスプレートに枠体が接
合されてなるものに4つのヘッド本体が接着されて構成
された液体吐出ヘッドを示す斜視図である。図11に示
すように、枠体53の4つの穴54のそれぞれにヘッド
本体7を挿入して、上述した方法によりそれぞれのヘッ
ド本体7をオリフィスプレート51aに接合することで
液体吐出ヘッドが作製される。
【0114】以上で説明した工程を経て、1枚のオリフ
ィスプレートで位置合わせされて一体化された、4列の
ノズル列を有する液体吐出ヘッドが製造される。
【0115】(第4の実施の形態)図12は、本発明の
第4の実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法として、液
体吐出ヘッドのオリフィスプレートを作製する工程につ
いて説明するための図である。図12(a)〜図12
(g)が断面図であり、図12(a’)、図12
(c’)、図12(e’)および図12(g’)が斜視
図である。
【0116】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法で
は、第1の実施形態の製造方法と比較して、オリフィス
プレートを作製する際に吐出口の内面に形成された保護
膜を、そのオリフィスプレートのヘッド本体側と反対側
の面から突出させて突出部を形成する点が異なってい
る。
【0117】まず、図12(a)および図12(a’)
に示される、厚さ625μm(625ミクロン)のシリ
コン基板71を準備し、シリコン基板71の表面にAl
層を8ミクロンの厚みでスパッタ法により形成する。
【0118】次に、シリコン基板71上のAl層の表面
に、レジストを8ミクロンの厚さで塗付し、吐出口と、
シリコン基板71を各チップに分割するための溝状のプ
レート分割パターンをシリコン基板71に形成するため
に、塗布された前記レジストのパターニングを行う。
【0119】次に、パターニングされたレジストをマス
クとしてシリコン基板71上のAl層をドライエッチン
グして、図12(a)および図12(a’)に示される
ように、吐出口に対応する位置に開口部72aを有する
パターンが形成されたエッチングマスク用のAl層72
をシリコン基板21上に形成する。また、このドライエ
ッチングでは、Al層72に、上述したようなシリコン
基板71を分割するための溝状のプレート分割パターン
に対応する溝が形成される。
【0120】次に、Al層22上のレジストをアッシン
グ除去する。
【0121】次に、図12(b)に示すようにAl層7
2をマスクにしてシリコン基板71のAl層72側の面
における露出した部分をドライエッチングのイオン73
によって深堀エッチングして、吐出口に対応する位置
に、70ミクロンに5〜50ミクロンを加えた深さで、
図12(c)および図12(c’)に示されるような凹
部としての穴71aを複数形成するとともに、シリコン
基板71を複数のオリフィスプレートに分割するための
溝状のプレート分割パターン72bをシリコン基板21
の表面に形成する。プレート分割パターン72bの深さ
は、穴71aの深さと同じように70ミクロンに5〜5
0ミクロンを加えた値となっている。これにより、それ
らプレート分割パターン72bおよび複数の穴71aを
有するパターンがシリコン基板71の表層に形成され
る。
【0122】次に、図12(c)および図12(c’)
に示すようにシリコン基板71上のAl層72を硝酸、
リン酸、酢酸の混酸で除去する。
【0123】次に、図12(d)に示すようにシリコン
基板71の、インクと接する面を保護するために、シリ
コン基板71の穴71a側の表面、および穴71aの内
壁全体に、SiN層からなる保護膜75をCVD法によ
り2ミクロンの厚さで形成する。本実施形態では、その
保護膜75の構成材料として窒化シリコンを用いたが、
窒化シリコンの代わりに、熱酸化膜、CVD法による酸
化シリコンもしくは、炭化シリコン、金属めっき、スパ
ッタによるの金、白金、Pd、Cr、Ta,Wのうちの
いずれかを用いてもよい。また、保護膜の厚みは0.5〜2
μmが好ましい。これは、保護膜が厚すぎると応力が大
きくなるためシリコン基板の検索、研磨時に割れやすく
なるためであり、また、突出部は親水性を有するためこ
のの親水部分が多いと液滴がよれやすくなるためであ
る。
【0124】次に、図12(e)および図12(e’)
に示すように、UV剥離テープ74にシリコン基板71
の穴71a側の面を向けてUV剥離テープ74上にシリ
コン基板71を貼り付けた後に、シリコン基板71の裏
面を研削、研磨して、シリコン基板71を70ミクロン
の厚みになるまで薄くした。ここでは、シリコン基板7
1を研削、研磨する際にシリコン基板71を強度をある
程度保持するために、UV剥離テープ74にシリコン基
板71を貼り付けた。このようにシリコン基板71の裏
面を研磨することにより、図12(f)に示すように、
それぞれの穴71aがシリコン基板71を貫通してシリ
コン基板71に吐出口71bが形成されるとともに、シ
リコン基板71がプレート分割パターン72bで複数の
オリフィスプレート76に分割される。
【0125】次に、図12(g)および図12(g’)
に示すように、シリコン基板71における保護膜75に
よって覆われていない側の表面の表層を、KOHによる
アルカリエッチングにより除去し、シリコン基板71の
その表面から保護膜75を突出させて突出部75aを形
成する。これにより、液体吐出ヘッドのヘッド本体に接
合されるオリフィスプレート76が作製され、吐出口7
1bの内壁を構成する保護膜75がオリフィスプレート
76の表面から突出した吐出部が形成されることにな
る。
【0126】図13は、図12の工程により作製された
オリフィスプレート76を用いた液体吐出ヘッドの組み
立てについて説明するための斜視図である。上述した工
程によりオリフィスプレート76を作製した後、図13
に示すように素子基板11、壁部材14および天板15
からなるヘッド本体7にオリフィスプレート76を接合
する組み立てを行い、液体吐出ヘッドを作製する。ここ
で、オリフィスプレート76における吐出部75aが形
成された面が、ヘッド本体7側と反対側になるようにオ
リフィスプレート76を接合する。
【0127】このオリフィスプレート76を用いた液体
吐出ヘッドの場合、SiNからなる保護膜75はインク
に対して撥水性を有しているので、ブレードによって吐
出口面を拭くことによる、ノズル周りのクリーニングが
不要となり、液体吐出記録装置の本体の構造、およびそ
の制御シーケンスが単純化される。
【0128】図14は、図12に基づいて説明したオリ
フィスプレートの製造方法の変形例について説明するた
めの図である。図14に基づいて説明するオリフィスプ
レートの製造方法は、上述した図12(g)および図1
2(g’)の工程までは図12の製造方法と同じであ
り、図12(g)および図12(g’)の工程の後にオ
リフィスプレート76のシリコン基板71の表面に撥水
膜を形成する。
【0129】図12(g)および図12(g’)の工程
の後には、図14(a)および図14(a’)に示すよ
うに、オリフィスプレート76を構成するシリコン基板
71の露出している表面、すなわちシリコン基板71に
おける保護膜75が突出して吐出部75aが形成された
表面全体に、ディスペンサー78によって撥水材79を
ディスペンス塗布する。これにより、図14(b)およ
び図14(b’)に示すようにシリコン基板71の表面
における突出部75aの周囲を含んだその表面全体に、
撥水膜79aを形成する。
【0130】撥水膜79aが形成されたオリフィスプレ
ート76を用いて構成された液体吐出ヘッドの場合、オ
リフィスプレート76の吐出口面における吐出口周辺で
インクの付着が防止されるので、そのようなインク付着
による吐出インクのよれが発生しにくい構造となる。
【0131】このようなシリコンオリフィスプレートの
製造方法により、撥水膜がノズル周辺にも形成され、ノ
ズル周辺のインク付着による吐出液滴のよれが発生しに
くい液体吐出ヘッドを提供することができる。
【0132】本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法で
は、オリフィスプレート76のヘッド本体側の面には、
そのヘッド本体の流路内に進入して嵌合する凸部を形成
していないが、本実施形態に第2の実施形態の製造方法
を適用して、ヘッド本体の流路に嵌合する凸部を有する
とともに、吐出口の内壁を構成する保護膜を突出させた
構造の液体吐出ヘッドを製造してもよい。
【0133】(第5の実施の形態)図18は、本発明の
第5の実施の形態の液体吐出ヘッドの製造方法について
説明するための図である。
【0134】本実施形態は、凹部形成後あるいは凹部の
シリコン側壁保護膜形成を行った後、凹部に詰め物をす
ることが上述の実施形態と異なっている。上述の実施形
態では、該貫通孔に研磨剤が入ったり、研削時にチッピ
ングが起きたりして、吐出が不安定になる場合がある。
本実施形態では、凹部に詰め物をすることにより、シリ
コン基板を薄くする工程において、特別なコントロール
をすることなく、それらを容易に防止することができ
る。
【0135】以下に、図18に基づいて本実施形態にお
ける液体吐出ヘッドの製造方法を説明する。
【0136】まず、シリコン基板201に位置ずれ防止
の凸部201bを形成するための突起部を形成する(1
01、図18(a))。
【0137】該凸部201bの形成方法は、凹部201
a形成前に予めドライエッチングによりシリコンを加工
し、突起部202を形成しておけば良い。尚、該突起部
は汎用的なポジ型レジストをマスクにフッ素系ガスでエ
ッチングすれば容易に形成できる。前記凸部202は1
〜10μm程度の高さが好適に使用できる。インク流路
との嵌合に際しては、オリフィスプレート接合装置の接
合精度に左右されるが、一般的には0.5〜3μm程度
の隙間ばめ位が好ましい。
【0138】次に、ドライエッチングにてインク吐出口
となる凹部201aを形成する。このときプレートの外
形形状に対応するプレート分割パターンも一括して形成
する(102、図18(b))。
【0139】ドライエッチングによる前記凹部201a
およびプレート分割パターンの形成は、マスク部材をパ
ターニングにより形成し、該パターンをマスクとし、フ
ッ素系ガスをエッチャントとして適用できる。マスクパ
ターンは汎用的なレジストであっても構わないし、A
l、Ta、W等の金属や酸化シリコン、窒化シリコン等
を用いても構わない。エッチング深さは、最終的に形成
されるオリフィスプレートの厚さ以上であれば、薄膜化
工程によりインク吐出口となる貫通孔が形成される。勿
論、必要以上に深くエッチングすることは、凹部形状の
劣化やタクトUPを招くし、余りにオリフィスプレート
の厚さに近接した場合は、ローデイング効果により未貫
通部が生じる弊害を招く。
【0140】エッチング深さは、吐出口の深さに対し
て、5〜50μm加えた深さをエッチングすることが最
も好ましい。即ち、最終的なオリフィスプレートの厚さ
を50μmと設計した場合、該凹部深さは55〜100
μm程度が好ましい。
【0141】エッチング手段としては、汎用的なリアク
チーブイオンエッチング(RIE)を適用しても構わな
いし、また高速でエッチングする為、電子サイクロトロ
ン(ECR)型、マグネトロン型、誘導結合型等のエッ
チング手段を適用しても構わない。
【0142】最も好ましくは、ICP−RIE、Bos
chプロセスと呼ばれる、ICPのエッチングとエッチ
ング部側壁の保護膜のデポジットを高速で繰り返す凹部
形成手段である。
【0143】該エッチングに於いては、SF6,CF4,NF3
の高速エッチングを可能とするエッチャントでエッチン
グした後、アンダーカットを防止する為、CHF3,C2F4,C2
F6,C 2H2F2,C4F8等のデポジットガスでフッ素系ポリマー
を側壁に形成し、該工程を繰り返すことにより、高速で
アスペクト比の高い凹部形状およびプレート分割パター
ン形状を形成することができる。該エッチングプロセス
を導入したエッチング装置はアルカテル社、STS社よ
り提供されている。次に、耐インク性向上のためにイン
ク吐出口内部に側壁保護皮膜206を形成する(10
3、図18(c))。
【0144】インクジェット用のインクはアルカリ性の
場合が多く、シリコンをエッチングする場合がある。こ
のようなインクを適用する場合にシリコン面を保護する
必要がある。シリコン面の保護は、RIEで形成したト
レンチ穴側壁とインク吐出口面の両者がある。トレンチ
穴の側壁に関しては、RIE工程の後、汎用的な成膜手
段で耐インク性の保護膜を形成すれば良い。汎用的な保
護膜形成方法としては、熱酸化や、CVD、スパッタリ
ング、メッキ等がある。また保護膜材料としては、酸化
シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、白
金、Pd、Cr、Ta、W、等の金属等何れの材料でも
構わない。最も好ましくは、熱酸化により酸化シリコン
を形成する、あるいはLP−CVDにより窒化シリコン
を形成する手段がコストも安価で、被覆性が高い。これ
ら、保護膜の厚さは0.1から5μm程度が好適であ
る。
【0145】次に、凹部内部に詰め物を埋め込む(10
4、図18(d))。
【0146】バックグラインディングやエッチング、研
磨時に貫通孔が形成される為、該貫通孔に研磨剤が入っ
たり、研削時にチッピングが起きたりして、吐出が不安
定になる場合がある。これを防止する手段として、凹部
形成後あるいは凹部のシリコン側壁保護膜形成を行った
後、凹部201aに詰め物210をする手段を挙げるこ
とができる。最も簡便な手段としては樹脂を溶剤に溶解
して埋め込み、溶剤を乾燥除去した後にシリコンの薄膜
化をする方法を挙げることができる。埋め込む樹脂とし
ては、研削、研磨時に発生する温度以上の軟化温度を有
し、チッピングを防止できる硬さを有し、また加工後に
容易に溶解除去できる樹脂が好ましい。一般的にはフェ
ノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリビニル
フェノール等のフェノール樹脂、ポリスチレンやポリ−
α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、ポリメチルメタ
クリレート、ポリメチルメタクリル酸等のアクリル樹脂
等が好適に使用できる。これら樹脂は溶剤に溶解した
後、スピンコート法等によりシリコンウエハー上に塗布
し、オーブン等で乾燥することにより凹部201aに簡
便に埋め込むことができる。また、この時凹部201a
に気泡が残存するようであれば、真空中にて塗布するこ
とも構わない。
【0147】樹脂以外には金属を埋め込むことも可能で
ある。これら金属はスパッタリングや蒸着、CVD等に
より埋め込み、シリコン薄膜化後に酸等により溶解除去
できる。埋め込む金属としては、TaやW、Cr、Ni
等固い金属が好適に使用できる。
【0148】次に、バックグラインディングテープであ
るUV剥離テープを貼り付ける(105、図18
(e))。バックグラインディングテープは、シリコン
基板を研削、研磨する際のシリコン基板の強度をある程
度保持するため保持部材として用いられる。
【0149】次に、前記シリコン基板の裏面を研削する
により前記シリコン基板201を薄くし(106、図1
8(f))、さらに、研磨するにより保護膜のチッピン
グ部を除去して(107、図18(f))シリコン基板
201を薄膜化することにより、インク吐出口となる貫
通孔の形成されたオリフィスプレート216を形成する
ことができる。
【0150】シリコン基板201の薄膜化は、表面にUV
剥離テープ204を貼りあわせた後、裏面より研削(バ
ックグラインディング)にて高速で加工した後、薄膜シ
リコンの強度を高める為、研削で生じたマイクロクラッ
クを研磨やエッチングで除去する手段が一般的である。
バックグラインディングは通常、#100〜#500番
程度の砥石で粗削りを行った後、#1500〜#300
0番程度の砥石で仕上げ研削を行う。また、厚さ100
μm以下の薄膜オリフィスプレートを形成する場合、前
記したように、研削時のマイクロクラックが強度低下を
招く為、研磨やエッチングにより該クラックを除去する
ことが一般的である。研磨は汎用的なアルミナやシリ
カ、酸化セリウム等を使用できる。またエッチングの場
合はフッ酸、あるいはフッ酸と硝酸の混合液、水酸化ナ
トリウムや水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウム
ハイドレート等のアルカリ溶液が使用できる。これらシ
リコンの薄膜化装置としては岡本工作機械株式会社や東
京精密株式会社等から、上記工程をインライン化した量
産装置が提供されている。
【0151】次に、吐出口周囲にエッチングにより保護
膜206を突出させて突出部206aを形成する(10
8、図18(g))。
【0152】前記シリコン基板201の薄膜化に際し
て、シリコン凹部の側壁保護材料として所定材料を選択
し、薄膜化後にエッチングを行うことにより、インク吐
出口周囲に突出部206aを形成できる。該突出部20
6aはインク吐出に吐出口面に付着したインク液的がイ
ンク吐出口に流入して吐出不良を起すことを防止した
り、また、インク吐出口面の保護樹脂を塗布する工程で
の、該樹脂が吐出口内に流入することを防止したりでき
る。
【0153】例えば、凹部側壁の保護材料として窒化シ
リコンを用いた場合、薄膜化後にフッ酸あるいは、フッ
酸と硝酸の混合液でエッチングすれば、窒化シリコンの
み残存して突出部となる。またシリコンの熱酸化によっ
て側面保護を行った場合、アルカリ溶液でエッチングす
れば酸化シリコンの突出部206aを形成することがで
きる。該突出部206aの高さは保護皮膜の膜厚との相
関もあるが、0.5〜10μm程度が好ましい。該突出
部206aの高さが高すぎる場合は、液体吐出ヘッド使
用時の吐出面のブレード拭き時に欠け等が発生する。
【0154】次に、UV剥離テープをUV剥離し(10
9、図18(h))、さらに、前記詰め物210を溶解
除去する(210、図18(i))ことにより、前記オ
リフィスプレート306を作製した。なお、UV照射は
古河電工株式会社製UVM−200を用い、照射量は2
J/cm2とした。
【0155】次に、インク吐出口面を保護する皮膜を形
成する。
【0156】インク吐出口面の保護は、シリコンを薄膜
化した後に上記した方法で耐インク性の材料を成膜して
も構わないし、該オリフィスプレートを貼りあわせて液
体吐出ヘッドを作製した後、吐出口面に耐インク性の樹
脂を塗布しても構わない。最も好ましくは、フッ素系樹
脂、シリコン系樹脂を塗布して撥水膜を形成すれば、イ
ンクに対する撥水性を発現でき、インク吐出口面がイン
クで濡れることがなく、良好な印字を実現できる。
【0157】これらフッ素系樹脂としては、旭硝子株式
会社から提供されるサイトップ、信越化学工業株式会社
から提供されているSIFEL他何れのフッ素系化合物
を用いても構わない。これら保護樹脂の塗布方法として
は、転写法、ディスペンス法等が好適に使用できる。転
写法としては、上記樹脂溶液をスピンコートやバーコー
ト等のソルベントコート法にて樹脂やゴム膜上に薄膜塗
布し、そのままインク吐出口面に押し当てて転写する方
法が一般的である。また、転写し難い場合は熱等を付与
しても構わない。
【0158】最も好適に使用できる樹脂は上記したサイ
トップであり、該樹脂の溶剤CT−Solv180に1
〜5wt%の濃度で希釈し、シリコンゴムを貼り付けた
シリコンウエハー上にスピンコートして薄膜化し、その
まま転写する方法が好適に使用できる。
【0159】最後に、上述した工程とは別の工程で作製
した素子基板に天板を接合してなるヘッド本体に、上述
した工程で作製されたオリフィスプレート216を接合
することにより、液体吐出ヘッドを作製した。
【0160】なお、前記詰め物210の除去は、前記オ
リフィスプレートをヘッド本体に接合した後に行っても
よい。
【0161】このような液体吐出ヘッドの製造方法によ
り、前記基板を薄くする工程において、特別なコントロ
ールをすることなく、研削時にチッピングが起こった
り、研磨時に吐出口となる貫通孔に研磨剤が入ったりす
ることを容易に防ぐことができ、吐出の安定した液体吐
出ヘッドを提供することができる。
【0162】(第6の実施の形態)図20は、第6の実
施の形態の液体吐出ヘッドの製造方法について説明する
ための図である。
【0163】本実施形態は、第1の実施形態と比較し
て、シリコン基板としてシリコンウエハー301を使用
することおよび該シリコンウエハー301の外周部を残
してプレート分割パターン301bを形成することが異
なっている。
【0164】本実施形態は、シリコンウエハー301の
分割方法に関して特開平9-213662号公報の記
載、いわゆる「先ダイシング」を利用したものとなって
いる。「先ダイシング」は、半導体素子が形成されたウ
エハー上に格子状に配置されたダイシングラインに沿っ
て前記半導体素子の形成面側から所定の厚さまでダイシ
ングすることにより溝を形成し、前記ウエハーにおける
半導体素子の形成面上にバックグラインディングテープ
を貼り付け、前記ウエハーの裏面を前記溝に達するまで
研削及び研磨し、ウエハーを個々のチップに分割するこ
とを特徴としている。
【0165】ここで、本実施形態では、ウエハーにプレ
ート分割パターン(溝)を形成する点と、プレート分割
パターンを形成した後に、その裏面からウエハーを研削
してウエハーを分割する点は、「先ダイシング」と、同
一である。また、プレート分割パターンを形成した面に
バックグラインディングテープを貼り付ける点が、本実
施形態においてウエハーの強度を保持するためにUV剥
離テープを貼り付ける点と類似している。
【0166】しかし、「先ダイシング」を利用した場
合、プレート分割パターンをダイシングによって形成す
るため、ウエハーの外周部までダイシング溝が入る。一
方、シリコンウエハーの外周2〜5mmはウエハーの有
効範囲外の領域であり、ウエハーの厚さが薄く、またパ
ターンも形成しない領域である。したがって、外周部の
分割されたシリコンはバックグラインディングテープに
対する保持力が弱く、バックグラインディングや研磨工
程で、いわゆるチップ飛びが発生して、良品チップを破
壊してしまう可能性がある。また、ウエハーの薄膜化後
にはシートによってのみオリフィスプレート(チップ)
が保持されるため、ウエハーの剛性が低下することによ
り、搬送、カセットへの挿入の際に、たわみが生じ、搬
送トラブル、衝突による割れが起こり易い。また、ダイ
シングでは、直線状のプレート分割パターンしか形成で
きないため、オリフィスプレートの外形形状が制限され
る。
【0167】本実施形態は、これらの「先ダイシング」
における課題を解決するための手段を提供するものであ
る。本実施形態では、プレート分割パターンをドライエ
ッチングによって形成する点およびウエハーの外周部に
はプレート分割パターンを形成しない点が「先ダイシン
グ」と異なることにより、上述した「先ダイシング」に
おける課題を解決している。すなわち、本実施形態で
は、プレート分割パターンをドライエッチングで形成す
ることにより、プレート分割パターンを自由自在に形成
することができるため、オリフィスプレートの外形形状
の自由度が広い。また、プレート分割パターンをドライ
エッチングで形成することにより、ウエハーの外周部に
はプレート分割パターンを形成しないことができ、それ
によって、薄膜化後に外周部を残すことができる。そう
することにより、研削及び研磨の際に、ウエハーの外周
部が保護されるため、「先ダイシング」で生じたような
外周部での厚みの減少による厚みのばらつき、外周部の
オリフィスプレートのチッピング、欠け、割れが防止で
き、寸法精度や歩留りが向上する利点がある。また、薄
膜化後に外周部を残すことにより、ウエハーの外周部と
UV剥離テープによってウエハーが保持されるため、薄
膜化後のウエハーの剛性が高く、ウエハーの搬送、カセ
ットへの挿入の際、たわみが少なくなり、搬送トラブ
ル、衝突による割れ等が回避できるようになる。さら
に、ドライエッチングによって、薄膜化後に吐出口とな
る凹部と、プレート分割パターンとを一括して形成する
ことができるため、工程数が減り、製造コストが削減で
きる。
【0168】以下、本実施形態について図面を参照して
説明する。
【0169】まず、図20(a)に示すように、厚さ6
25μm(625ミクロン)のシリコンウエハー301
を準備し、次に、シリコンウエハー301の表面にAl
層を8ミクロンの厚みでスパッタ法により形成する。
【0170】次に、シリコンウエハー301上のAl層
の表面に、レジストを8ミクロンの厚さで塗付し、吐出
口3と、シリコンウエハー301を各チップに分割する
ための溝状のプレート分割パターン301bをシリコン
ウエハー301に形成するために、塗布された前記レジ
ストのパターニングを行う。Al層の表面に塗布したレ
ジストとしては、汎用的なポジ型フォトレジストである
シプレイ社製のSJR−5740を用い、そのレジスト
を塗布する塗付、現像する装置としてはキヤノン株式会
社製のCDS−600を用い、レジストのパターニング
を行うための露光装置としてはキヤノン株式会社製のM
PA−600を用いた。なお、現像は専用アルカリ現像
液を用いた、露光量は1J/cm2である。
【0171】次に、パターニングされたレジストをマス
クとしてシリコンウエハー301上のAl層をドライエ
ッチングして、図20(a)に示されるように、吐出口
3に対応する位置に開口部を有するパターンが形成され
たエッチングマスク用のAl層をシリコンウエハー30
1上に形成する。また、このドライエッチングでは、A
l層に、上述したようなシリコンウエハー301を分割
するための溝状のプレート分割パターン301bに対応
する溝が形成される。ドライエッチング装置としてはア
ルバック株式会社製のNLD−800の用い、ドライエ
ッチング用のガスとしては塩素を用いた。そのドライエ
ッチング装置では、パワーを1000W、バイアスを1
00W、圧力を0.8PaとしてAl層のエッチングを
行った。
【0172】次に、Al層上のレジストをアッシング除
去した。
【0173】次に、Al層をマスクにしてシリコンウエ
ハー301のAl層側の面における露出した部分をドラ
イエッチングのイオン23によって深堀エッチングし
て、吐出口303に対応する位置に、70ミクロンに5
〜50ミクロンを加えた深さで、図20(a)に示され
るような凹部としての穴301aを複数形成するととも
に、シリコンウエハー301を複数のオリフィスプレー
トに分割するための溝状のプレート分割パターン301
bをシリコンウエハー301の表面に形成した。エッチ
ングガスとしては、C38に5Vol.%の酸素を混合
したガスを用いた。エッチング条件は、パワー1000
W、バイアス150W、ガス圧5Paで行った。プレー
ト分割パターン301bの深さは穴301aの深さと同
じように70ミクロンに5〜50ミクロンを加えた値と
なっている。これにより、それらプレート分割パターン
301bおよび複数の穴301aを有するパターンがシ
リコンウエハー301の表層に形成される。ここで、プ
レート分割パターン301bは、図19および20に示
すように、シリコンウエハー301の外周部を残して形
成した。
【0174】また、該工程におけるマスクは、Al層を
用いたが、第1の実施の形態と同様に、図17に基づい
て説明したようにSiO2層を用いてもよい。そのよう
にして、図16または17で説明したのと同様の工程
で、プレート分割パターン301bおよび複数の穴30
1aを形成し、CVDにより保護層としてSiN保護膜
26を2ミクロンの厚さで形成した。
【0175】次に、図20(b)に示すように、UV剥
離テープ304にシリコンウエハー301の穴301a
側の面を貼り付けた後に、シリコンウエハー301の裏
面を研削、研磨して、シリコンウエハー301を50ミ
クロンの厚みになるまで薄くした。ここでは、シリコン
ウエハー301を研削、研磨する前にシリコンウエハー
301の強度をある程度保持するためのバックグライン
ディングテープであるUV剥離テープ304にシリコン
ウエハー301を貼り付けた。バックグラインディング
テープは、ポリオレフィン系の基材フィルム上にアクリ
ル系の粘着剤が塗布されたものが一般的であり、アクリ
ル系粘着剤がUV剥離タイプかUV未反応タイプの2種
がある。UV剥離タイプは、バックグラインディング時
のチップ保持力が強く、その後UV照射により粘着力が
低下するため、チップをピックアップしやすいメリット
があり、本実施例では、古河電工株式会社製FS−33
23−330を適用した。UV剥離テープ304の厚さ
は、薄すぎると腰の強さが不足してシリコンウエハー3
01の薄膜化後に十分にウエハーを保持できずにウエハ
ーの搬送時にトラブルを生じやすく、逆に、厚すぎると
後の工程で剥離するために照射するUVが十分に届かな
いため、200μm程度とするのが好ましい。
【0176】このようしてシリコンウエハー301の裏
面を研磨することにより、図20(c)に示すように、
それぞれの穴21aの底部がシリコンウエハー301の
裏面に開口してシリコンウエハー301を貫通し、シリ
コンウエハー301に吐出口3が形成されるとともに、
シリコンウエハー301がプレート分割パターン301
bで複数のオリフィスプレート316に分割される。シ
リコンウエハー301を薄くする際にはシリコンウエハ
ー301の裏面をエッチングしてもよい。
【0177】最後に、図20(d)に示すように、UV
剥離テープ304をUV剥離することにより、複数のオ
リフィスプレート316に一括して分離される。なお、
UV照射は古河電工株式会社製UVM−200を用い、
照射量は2J/cm2とした。
【0178】以上で説明した工程を経て、図20(d)
に示されるような、シリコンウエハー301に吐出口3
が形成されてなるオリフィスプレート316が一括して
作製される。
【0179】次に、前記シリコンウエハー301を分割
する工程の後、前記シリコンウエハー301を搬送する
工程について詳しく説明する。
【0180】図21(a)に示すように、バキュームチ
ャック付装置ステージ321上でシリコンウエハー30
1を薄くすることにより分割した後、ステージのバキュ
ームを止め、図21(b)に示すように突き上げピンを
突き上げてUV剥離テープ304付のシリコンウエハー
を上昇させる。
【0181】次に、図21(c)に示すようなロボット
アーム322を操作して、アーム上に前記UV剥離テー
プ304付のシリコンウエハーを載せて、図21(d)
に示すように、カセットトレイ324に搬送する。そう
することにより、前記UV剥離テープ304付のシリコ
ンウエハーは、図22に示すように、カセットトレイ3
24内に収まる。
【0182】また、図21に基づいて説明したUV剥離
テープ304付のシリコンウエハー301のカセットト
レイ324への搬送は、図23に基づいて以下に説明す
る工程によって行ってもよい。
【0183】図23は、別の工程による前記UV剥離テ
ープ304付のシリコンウエハー301のカセットトレ
イ324への搬送を示した工程図である。
【0184】まず、図23(a)に示すように、バキュ
ームチャック付装置ステージ321上でシリコンウエハ
ー301を薄くした後、ステージのバキュームを止め、
図23(b)で示すようなバキューム付ロボットアーム
323でUV剥離テープ304付のシリコンウエハー3
01をウエハー側から吸着する。
【0185】次に、図23(b)に示すように、吸着し
たUV剥離テープ304付のシリコンウエハー301
を、カセットトレイ324に搬送する。そうすることに
より、前記UV剥離テープ304付のシリコンウエハー
301は、図22に示すように、カセットトレイ324
内に収まる。
【0186】該カセットトレイ324内に前記UV剥離
テープ304付のシリコンウエハー301を収め、該シ
リコンウエハー301を搬送する工程状態で保管しても
よい。
【0187】以上に説明した第6の実施の形態における
オリフィスプレートの製造工程は、オリフィスプレート
に限定されるものではなく、半導体チップなどのシリコ
ンプレートの製造方法としても有効である。半導体チッ
プの製造方法として用いた場合、プレート分割パターン
をドライエッチングで形成することにより、プレート分
割パターンを自由自在に形成することができるため、半
導体チップの外形形状の自由度が広い。また、プレート
分割パターンをドライエッチングで形成することによ
り、ウエハーの外周部にはプレート分割パターンを形成
しないことができ、それによって、薄膜化後に外周部を
残すことができる。そうすることにより、研削及び研磨
の際に、ウエハーの外周部が保護されるため、「先ダイ
シング」で生じたような外周部での厚みの減少による厚
みのばらつき、外周部のオリフィスプレートのチッピン
グ、欠け、割れが防止でき、寸法精度や歩留りが向上す
る利点がある。また、薄膜化後に外周部を残すことによ
り、ウエハーの外周部とUV剥離テープによってウエハ
ーが保持されるため、薄膜化後のウエハーの剛性が高
く、図21〜23に基づいて説明したウエハーの搬送、
カセットへの挿入の際、たわみが少なくなり、搬送トラ
ブル、衝突による割れ等が回避できるようになる。した
がって、上述した「先ダイシング」における課題を解決
することができる。
【0188】本発明の液体吐出ヘッドおよびその製造方
法は、第1〜第6の実施形態で説明したものに限られる
ものではなく、第1〜第6の実施形態のそれぞれで説明
した液体吐出ヘッドの構成を組み合わせたもの、および
第1〜第6の実施形態のそれぞれで説明した製造工程を
組み合わせたものは本発明に含まれるものである。
【0189】また、上述の実施形態でそれぞれ説明した
シリコンプレートあるいは該シリコンプレートの製造方
法は、液体中でゴミの流入を防止するフィルタあるいは
該フィルタの製造方法に適用することができる。このフ
ィルタは、フィルタに形成された貫通口の大きさよりも
大きいゴミの流入を防ぐものである。本発明では、フィ
ルタの表面及び貫通口の内部に耐アルカリ性のある皮膜
を形成することにより、シリコンをエッチングするよう
なアルカリ性の液体中でもフィルタとして安定して使用
することができる。また、フィルタ表面に撥水膜を形成
して、フィルタ表面よりも貫通口の内部の親水性を高く
することにより、貫通構内に効率よく液体を流すことが
できる。また、貫通口内部の保護膜を突出させて突出部
を形成することにより、撥水膜を形成するためにフィル
タ表面に撥水剤を塗布する工程で、貫通口の内部に撥水
剤を流入させることなく、容易にフィルタ表面に撥水剤
を塗布して撥水膜を形成することができる。
【0190】<液体吐出記録装置>図15は、上述した
ような方法により製造された液体吐出ヘッドを搭載した
液体吐出記録装置の一例であるインクジェット記録装置
を示す斜視図である。図15に示されるインクジェット
記録装置600に搭載されたヘッドカートリッジ601
は、上述したいずれかの方法により製造された液体吐出
ヘッドと、その液体吐出ヘッドに供給される液体を保持
する液体容器とを有するものである。ヘッドカートリッ
ジ601は、図15に示すように、駆動モータ602の
正逆回転に連動して駆動力伝達ギヤ603および604
を介して回転するリードスクリュー605の螺旋溝60
6に対して係合するキャリッジ607上に搭載されてい
る。駆動モータ602の動力によってヘッドカートリッ
ジ601がキャリッジ607ともとにガイド608に沿
って矢印aおよびbの方向に往復移動される。インクジ
ェット記録装置600には、ヘッドカートリッジ601
から吐出されたインクなどの液体を受ける被記録媒体と
してのプリント用紙Pを搬送する被記録媒体搬送手段
(不図示)が備えられている。その被記録媒体搬送手段
によってプラテン609上を搬送されるプリント用紙P
の紙押さえ板610は、キャリッジ607の移動方向に
わたってプリント用紙Pをプラテン609に対して押圧
する。
【0191】リードスクリュー605の一端の近傍に
は、フォトカプラ611および612が配設されてい
る。フォトカプラ611および612は、キャリッジ6
07のレバー607aの、フォトカプラ611および6
12の領域での存在を確認して駆動モータ602の回転
方向の切り換えなどを行うためのホームポジション検知
手段である。プラテン609の一端の近傍には、ヘッド
カートリッジ601の吐出口のある前面を覆うキャップ
部材614を支持する支持部材613が備えられてい
る。また、ヘッドカートリッジ601から空吐出などさ
れてキャップ部材614の内部に溜まったインクを吸引
するインク吸引手段615が備えられている。このイン
ク吸引手段615によりキャップ部材614の開口部を
介してヘッドカートリッジ601の吸引回復が行われ
る。
【0192】インクジェット記録装置600には本体支
持体619が備えられている。この本体支持体619に
は移動部材618が、前後方向、すなわちキャリッジ6
07の移動方向に対して直角な方向に移動可能に支持さ
れている。移動部材618には、クリーニングブレード
617が取り付けられている。クリーニングブレード6
17はこの形態に限らず、他の形態の公知のクリーニン
グブレードであってもよい。さらに、インク吸引手段6
15による吸引回復操作にあたって吸引を開始するため
のレバー620が備えられており、レバー620は、キ
ャリッジ607と係合するカム621の移動に伴って移
動し、駆動モータ602からの駆動力がクラッチ切り換
えなどの公知の伝達手段で移動制御される。ヘッドカー
トリッジ601に設けられた発熱体に信号を付与した
り、上記の各機構の駆動制御を行ったりするインクジェ
ット記録制御部はインクジェット記録装置の本体に設け
られており、図15では示されていない。インクジェッ
ト記録制御部には、液体吐出ヘッドから液体を吐出させ
るための駆動信号を供給する駆動信号供給手段が備えら
れている。
【0193】上述した構成を有するインクジェット記録
装置600では、前記の被記録媒体搬送手段によりプラ
テン609上を搬送されるプリント用紙Pに対して、ヘ
ッドカートリッジ601がプリント用紙Pの全幅にわた
って往復移動しながら記録を行う。
【0194】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、オリフィ
スプレートの構成材料として、ヘッド本体と同じシリコ
ンを含むものを用いた場合、オリフィスプレートを作製
する際に、シリコンを含む材料からなる基板の表面にエ
ッチングにより凹部を形成し、その基板の裏面側から基
板を薄くすることで、その基板に複数の吐出口が形成さ
れてなるオリフィスプレートを作製することにより、信
頼性の高い、長尺化された液体吐出ヘッドを実現するこ
とができる。また、吐出口の内壁を構成する保護膜を吐
出口面から突出させることにより、ブレードによって吐
出口面を拭くことによる、ノズル周りのクリーニングが
不要となり、液体吐出ヘッドが搭載される液体吐出記録
装置の本体の構造、およびその制御シーケンスが単純化
されるという効果がある。さらに、オリフィスプレート
を形成するための基板を枠体などにより補強することに
より、そのオリフィスプレートに複数のヘッド本体を接
合することができるので、1列のノズルだけでなく、複
数のノズル列の位置あわせを行ってそれらのヘッド本体
をオリフィスプレートに組み付けることを可能とする液
体吐出ヘッドの製造方法が実現される。この結果、安価
で、性能の優れた液体吐出ヘッドを製造することができ
るという効果がある。
【0195】また、本発明は、機能部を有するシリコン
プレートを一括して複数形成する際に、シリコンウエハ
ーの表面にシリコンプレートの外形形状に対応したプレ
ート分割パターンをドライエッチングにより形成してか
ら、シリコンウエハーをその表面の裏面側から少なくと
もプレート分割パターンまで薄くすることでシリコンウ
エハーを分割することにより、研削及び研磨の際にウエ
ハーの外周部が保護される。よて、従来のダイシングで
生じたような外周部での厚みの減少による厚みのばらつ
き、外周部のオリフィスプレートのチッピング、欠け、
割れが防止でき、寸法精度や歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の液体吐出ヘッドの製
造方法が適用される液体吐出ヘッドについて説明するた
めの斜視図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの、流路方向に沿
った断面図である。
【図3】図1および図2に示した液体吐出ヘッドの組み
立てについて説明するための斜視図である。
【図4】図1および図2に示したオリフィスプレートを
作製する方法について説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の液体吐出ヘッドの製
造方法が適用される液体吐出ヘッドについて説明するた
めの斜視図である。
【図6】図5に示される液体吐出ヘッドの、流路方向に
沿った断面図である。
【図7】図5および図6に示した液体吐出ヘッドの組み
立てについて説明するための斜視図である。
【図8】図5および図6に示したオリフィスプレート4
6を作製する方法について説明するための図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の液体吐出ヘッドの製
造方法について説明するための図である。
【図10】図9に基づいて説明するオリフィスプレート
の製造工程のフローチャートである。
【図11】オリフィスプレートに枠体が接合されてなる
ものに4つのヘッド本体が接着されて構成された液体吐
出ヘッドを示す斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態の液体吐出ヘッドの
製造方法として、液体吐出ヘッドのオリフィスプレート
を作製する工程について説明するための図である。
【図13】図12の工程により作製されたオリフィスプ
レートを用いた液体吐出ヘッドの組み立てについて説明
するための斜視図である。
【図14】図12に基づいて説明したオリフィスプレー
トの作製方法の変形例について説明するための図であ
る。
【図15】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法により製
造された液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出記録装置の
一例であるインクジェット記録装置を示す斜視図であ
る。
【図16】図4に示した工程において、オリフィスプレ
ートに形成される穴の形状に注目して製造工程のフロー
を示した断面図である。
【図17】図4に基づいて説明したオリフィスプレート
の製造方法の変形例について説明するための断面図であ
る。
【図18】本発明の第5の実施形態の液体吐出ヘッドの
製造方法が適用されるオリフィスプレートを作製する方
法について説明するための図である。
【図19】本発明の第6の実施形態の液体吐出ヘッドの
製造方法におけるプレート分割パターンを説明するため
の図である。
【図20】本発明の第6の実施形態の液体吐出ヘッドの
製造方法が適用されるオリフィスプレートを作製する方
法について説明するための図である。
【図21】図20に基づいて説明したオリフィスプレー
トの作製方法におけるシリコンウエハーの搬送を説明す
るための図である。
【図22】図20に基づいて説明したオリフィスプレー
トの作製方法におけるシリコンウエハーの搬送を説明す
るための図である。
【図23】図21および22に基づいて説明したオリフ
ィスプレートを作製する方法におけるシリコンウエハー
の搬送の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 流路 2 液室 3、46a、58a、203 吐出口 4 供給口 5、6 接合面 7 ヘッド本体 8 流路側壁 11、41、81 素子基板 12、42、82 インク吐出用ヒーター 13、43、83 実装用パッド 14、44、84 壁部材 15、45、85 天板 16、46、61、86、216 オリフィスプレー
ト 21、31、51、71、201 シリコン基板 21a、31a、54、58、201a 穴 21b、31c、72b、201b プレート分割パ
ターン 22、32、72 Al層 22a、32a 開口部 23、33、56、73 イオン 24、34、74、204、304 UV剥離テープ 26、29 SiN保護膜 27a、27c テーパー部 27b、27d ストレート部 28 SiO2層 31b、52、202 突起部 47、57、201b 凸部 53 枠体 59 撥水フッ素膜 75、206 保護膜 75a、206a 突出部 78 ディスペンサー 79 撥水材 79a 撥水膜 210 詰め物 301 シリコンウエハー 321 バキュームチャック付装置ステージ 322 ロボットアーム 323 バキューム付ロボットアーム 324 カセットトレイ 600 インクジェット記録装置 601 ヘッドカートリッジ 602 駆動モータ 603、604 駆動力伝達ギヤ 605 リードスクリュー 606 螺旋溝 607 キャリッジ 607a レバー 608 ガイド 609 プラテン 610 紙押さえ板 611、612 フォトカプラ 613 支持部材 614 キャップ部材 615 インク吸引手段 617 クリーニングブレード 618 移動部材 619 本体支持体 620 レバー 621 カム P プリント用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三原 弘明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (73)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を飛翔液滴として吐出させるための
    エネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子、およ
    び該エネルギー発生素子がそれぞれ配置された複数の流
    路を備えたヘッド本体と、 前記流路とそれぞれ連通する複数の吐出口を備えたオリ
    フィスプレートと、 を有し、該オリフィスプレートと前記ヘッド本体とが接
    合された液体吐出ヘッドの製造方法であって、 前記オリフィスプレートを作製するための、シリコンを
    含む材料からなる基板を用意する工程と、 前記基板の表面における前記吐出口にそれぞれ対応する
    位置に前記吐出口の深さよりも5〜50μm深い深さを
    有する複数の凹部をドライエッチングにより形成する工
    程と、 前記基板を前記表面の裏面側から前記凹部の深さが前記
    吐出口の深さとなるまで薄くすることにより、前記基板
    に複数の吐出口を形成し、前記基板に複数の前記吐出口
    が形成されてなる前記オリフィスプレートを作製する工
    程と、 前記オリフィスプレートをヘッド本体に接合する工程
    と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記ドライエッチングが、SF6,CF4,NF3
    のいずれかのガスを用いてエッチングした後、CHF3,C2F
    4,C2F6,C2H2F2,C4F8のいずれかのガスを用いてフッ素系
    ポリマーを側壁に形成する工程を繰り返すによって行わ
    れる請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板に対してドライエッチングによ
    り複数の前記凹部を形成する工程で、前記吐出口の形状
    が、一定の断面積を有する領域をもち、その領域で前記
    吐出口が開口されるようにドライエッチングによってそ
    れぞれの前記凹部の形状を形成する請求項1に記載の液
    体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板にドライエッチングにより複数
    の前記凹部を形成する工程で、前記吐出口の形状が、前
    記流路側から前記吐出口の先端側へと徐々に断面積が小
    さくなるようにドライエッチングによってそれぞれの前
    記凹部の形状を形成する請求項2に記載の液体吐出ヘッ
    ドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板にドライエッチングにより複数
    の前記凹部を形成する工程で、Al層をマスクとしてエ
    ッチングする請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記基板にドライエッチングにより複数
    の前記凹部を形成する工程で、SiO2層をマスクとし
    てエッチングする請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板を薄くする工程が、研削、研
    磨、エッチングの少なくともいずれか1つの方法によ
    り、前記基板の裏面から前記基板を除去することである
    請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記研磨は、アルミナ、シリカ、酸化セ
    リウムのいずれかを使用するものである請求項7に記載
    の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記エッチングは、フッ酸、フッ酸と硝
    酸の混合液、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニ
    ウムハイドロオキサイドのいずれかをエッチング液とし
    て使用するものである請求項7に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基板に複数の前記凹部を形成した
    後に、前記基板の、インクに接する部分に保護膜を形成
    する工程をさらに有する請求項1に記載の液体吐出ヘッ
    ドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記保護膜が、酸化シリコン、窒化シ
    リコン、炭化シリコン、金、白金、Pd、Cr、Ta、
    Wのいずれかよりなるものである請求項10に記載の液
    体吐出ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記保護膜が、熱酸化により形成した
    前記酸化シリコンである請求項10に記載の液体吐出ヘ
    ッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記保護膜が、LP−CVDにより形
    成した前記窒化シリコンである請求項10に記載の液体
    吐出ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記オリフィスプレートをヘッド本体
    に接合する工程の後に、吐出口面に撥水膜を形成する工
    程をさらに有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記吐出口面に撥水膜を形成する工程
    が、樹脂を塗布することにより行われる請求項14に記
    載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記樹脂が、フッ素系樹脂、シリコン
    系樹脂のいずれかよりなるものである請求項15に記載
    の液体吐出ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記樹脂の塗布が、転写法、ディスペ
    ンス法のいずれかによりなされるものである請求項15
    に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記凹部を形成する工程の後、前記基
    板を薄くする工程の前に、前記凹部に樹脂または金属を
    埋め込む工程と、 前記基板を薄くした後、埋め込まれた前記樹脂または金
    属を除去する工程と、 をさらに有する請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  19. 【請求項19】 前記保護膜を形成する工程の後、前記
    基板を薄くする工程の前に、前記凹部に樹脂または金属
    のいずれかを埋め込む工程と、 前記基板を薄した後、埋め込まれた前記樹脂または金属
    を除去する工程と、をさらに有する請求項10に記載の
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記凹部に前記樹脂を埋め込む工程
    は、溶剤により溶解した樹脂をスピンコート法によりシ
    リコンウエハー上に塗布し、オーブンで乾燥することに
    より行われる請求項18に記載の液体吐出ヘッドの製造
    方法。
  21. 【請求項21】 前記凹部に埋め込まれる前記樹脂が、
    フェノール樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂のいずれ
    かである請求項20に記載の液体吐出ヘッドの製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記フェノール樹脂が、フェノールノ
    ボラック、クレゾールノボラック、ポリビニルフェノー
    ルのいずれかである請求項21に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記スチレン樹脂が、ポリスチレン、
    ポリ−α−メチルスチレンのいずれかである請求項21
    に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記アクリル樹脂が、ポリメチルメタ
    クリレート、ポリメチルメタクリル酸のいずれかである
    請求項21に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記凹部に前記金属を埋め込む工程
    が、スパッタリング、蒸着、CVDのいずれかにより行
    われる請求項18に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記凹部に埋め込まれる金属が、T
    a、W、Cr、Niのいずれかである請求項18に記載
    の液体吐出ヘッドの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記凹部を形成する工程の後、前記基
    板を薄くする工程の前に、前記基板の表面に、前記基板
    を研削、研磨する際の基板の強度を保持するための保持
    部材を設ける工程と、 前記基板を薄くする工程の後に前記保持部材を除去する
    工程と、をさらに有し、 前記基板の分割が、前記保持部材の除去により行われる
    請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記保護膜を形成する工程の後であっ
    て、前記基板を薄くする工程の前に、前記基板の表面
    に、前記基板を研削、研磨する際の基板の強度を保持す
    るための保持部材を設ける工程と、 前記基板を薄くする工程の後で、前記保持部材を除去す
    る工程と、をさらに有し、 前記基板の分割が、前記保持部材の除去により行われる
    請求項10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記凹部に前記樹脂または金属を埋め
    込む工程の後、前記基板を薄くする工程の前に、前記基
    板の表面に、前記基板を研削、研磨する際の基板の強度
    を保持するための保持部材を設ける工程と、 前記基板を薄くする工程の後で、前記保持部材を除去す
    る工程と、をさらに有し、 前記基板の分割が、前記保持部材の除去により行われる
    請求項18に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記保持部材が、テープである請求項
    27に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  31. 【請求項31】 前記テープが、UV剥離テープである
    請求項30に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  32. 【請求項32】 前記凹部を形成する前に、前記流路内
    に進入して嵌合する凸部を形成するために、オリフィス
    プレートの接合側、吐出口の周囲にドライエッチングで
    突出部を形成する工程をさらに有する請求項1に記載の
    液体吐出ヘッドの製造方法。
  33. 【請求項33】 前記凸部が、1〜10μmの高さであ
    る請求項32に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記基板に前記保護膜を形成する工程
    では前記凹部の内壁全体に前記保護膜を形成し、前記基
    板に複数の前記吐出口を形成するために前記基板を薄く
    する工程の後に、前記基板の表層をウエットエッチング
    により除去し、前記吐出口の内壁を構成する前記保護膜
    の一部を前記基板の表面から突出させ突出部を形成する
    工程をさらに有する請求項10に記載の液体吐出ヘッド
    の製造方法。
  35. 【請求項35】 前記突出部の高さが0.5〜10μm
    である請求項34に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記保護膜が窒化シリコンであり、前
    記ウエットエッチングがフッ酸あるいはフッ酸と硝酸の
    混合液をエッチング液として使用するものである請求項
    34に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記保護膜が酸化シリコンであり、前
    記ウエットエッチングがアルカリ溶液をエッチング液と
    して使用するものである請求項34に記載の液体吐出ヘ
    ッドの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記吐出口の内壁に形成された前記保
    護膜の一部を前記基板の表面から突出させる工程の後
    に、前記突出部の周囲に撥水膜を形成する工程をさらに
    有する請求項34に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  39. 【請求項39】 前記基板を薄くする工程の前に、前記
    基板を補強するための、シリコンまたはガラスからなる
    枠体を真空加熱接合、陽極接合または接着剤により前記
    基板に接着する工程をさらに有する請求項1に記載の液
    体吐出ヘッドの製造方法。
  40. 【請求項40】 前記枠体は、前記基板の、前記ヘッド
    本体側となる面における前記ヘッド本体が接合される部
    分の周囲に接合されるものであり、 前記枠体が接合された前記オリフィスプレートを前記ヘ
    ッド本体に接合する工程が、 前記オリフィスプレートを接合された前記ヘッド本体と
    前記枠体との熱伝導性を確保しつつ前記ヘッド本体と前
    記オリフィスプレートとの接合強度を高めるように、前
    記ヘッド本体と前記枠体との空隙に熱伝導性樹脂を充填
    する工程をさらに有する請求項37に記載の液体吐出ヘ
    ッドの製造方法。
  41. 【請求項41】 液体を飛翔液滴として吐出させるため
    のエネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子、お
    よび該エネルギー発生素子がそれぞれ配置された複数の
    流路を備えたヘッド本体と、 前記流路とそれぞれ連通する複数の吐出口を備えたオリ
    フィスプレートと、を有し、該オリフィスプレートと前
    記ヘッド本体とを接合した液体吐出ヘッドの製造方法で
    あって、 複数の前記オリフィスプレートを作製するための、シリ
    コンウエハーを用意する工程と、 前記シリコンウエハーの表面における前記吐出口にそれ
    ぞれ対応する位置に複数の凹部と、前記シリコンウエハ
    ーの表面における前記オリフィスプレートの外形形状に
    対応する位置に溝状のプレート分割パターンと、を一括
    してドライエッチングにより形成する工程と、 前記シリコンウエハーを前記表面の裏面側から少なくと
    も前記凹部に至るまで薄くすることにより、前記シリコ
    ンウエハーに複数の吐出口を形成するとともに、前記シ
    リコンウエハーを前記プレート分割パターンで分割し、
    前記吐出口が形成された複数の前記オリフィスプレート
    を一括して作製する工程とを有することを特徴とする液
    体吐出ヘッドの製造方法。
  42. 【請求項42】前記シリコンウエハーの外周部を残すよ
    うに、前記プレート分割パターンを形成する請求項41
    に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  43. 【請求項43】 請求項1〜42のいずれか1項に記
    載の液体吐出ヘッドの製造方法により製造された液体吐
    出ヘッドであって、 熱エネルギーを液体に作用させることで発生する気泡を
    利用して液体を吐出することを特徴とする液体吐出ヘッ
    ド。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の液体吐出ヘッド
    と、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体
    容器と、を有するヘッドカートリッジ。
  45. 【請求項45】 請求項43に記載の液体吐出ヘッド
    と、該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動
    信号を供給する駆動信号供給手段と、を有する液体吐出
    記録装置。
  46. 【請求項46】 請求項43に記載の液体吐出ヘッド
    と、該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記
    録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、を有する液体
    吐出記録装置。
  47. 【請求項47】 前記液体吐出ヘッドから液体を吐出し
    て被記録媒体に前記液体を付着させることで記録を行う
    ものである請求項46に記載の液体吐出記録装置。
  48. 【請求項48】液体を飛翔液滴として吐出させるための
    複数の吐出口を備えたオリフィスプレートをする液体吐
    出ヘッドであって、 前記オリフィスプレートは、前記吐出口の周囲に、吐出
    口内壁面より連続し、吐出口面より突出する管状突出部
    を有しており、該管状突出部の周囲が撥水領域となって
    いる液体吐出ヘッド。
  49. 【請求項49】オリフィスプレートは吐出口面の裏面に
    保護膜を有しており、前記管状突出部は、該保護膜と連
    続している請求項48に記載の液体吐出ヘッド。
  50. 【請求項50】前記管状突出部の突出量は0.5〜10
    μmである請求項48に記載の液体吐出ヘッド。
  51. 【請求項51】前記管状突出部の厚みは0.5〜2μm
    である請求項48に記載の液体吐出ヘッド。
  52. 【請求項52】 請求項48〜51に記載の液体吐出ヘ
    ッドと、該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する
    液体容器と、を有するヘッドカートリッジ。
  53. 【請求項53】 請求項48〜51に記載の液体吐出ヘ
    ッドと、該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための
    駆動信号を供給する駆動信号供給手段と、を有する液体
    吐出記録装置。
  54. 【請求項54】 請求項48〜51に記載の液体吐出ヘ
    ッドと、該液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける
    被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、を有する
    液体吐出記録装置。
  55. 【請求項55】 前記液体吐出ヘッドから液体を吐出し
    て被記録媒体に前記液体を付着させることで記録を行う
    ものである請求項54に記載の液体吐出記録装置。
  56. 【請求項56】 シリコンウエハーに複数の機能部を形
    成するとともに、該シリコンウエハーを該機能部ごとに
    分割することにより複数のプレートを一括して形成する
    シリコンプレートの製造方法において、 前記シリコンウエハーの表面にシリコンプレートの外形
    形状に対応したプレート分割パターンをドライエッチン
    グにより形成する工程と、 前記シリコンウエハーを前記表面の裏面側から少なくと
    も前記プレート分割パターンまで薄くすることにより、
    前記シリコンウエハーを分割する工程とを有することを
    特徴とするシリコンプレートの製造方法。
  57. 【請求項57】 前記シリコンウエハーを薄くする工程
    が、研磨、研削、エッチングのうち少なくともひとつの
    方法により、前記シリコンウエハーの裏面から厚さを薄
    くすることである請求項56に記載のシリコンプレート
    の製造方法。
  58. 【請求項58】 前記シリコンウエハーを分割する工程
    の前に、シリコンウエハーの表面に、前記シリコンウエ
    ハーを研削、研磨する際の基板の強度を保持するための
    テープを設ける工程を、さらに有する請求項56に記載
    のシリコンプレートの製造方法。
  59. 【請求項59】 前記シリコンウエハーを分割する工程
    の後、前記テープを剥離する工程と、をさらに有する請
    求項58に記載のシリコンプレートの製造方法。
  60. 【請求項60】 前記シリコンウエハーを分割する工程
    の後、前記シリコンプレートを搬送する工程を、さらに
    有する請求項58に記載のシリコンプレートの製造方
    法。
  61. 【請求項61】 前記シリコンプレートを搬送する工程
    の状態で、前記シリコンプレートを保管する請求項60
    に記載のシリコンプレートの製造方法。
  62. 【請求項62】 前記プレート分割パターンが、ウエハ
    ーの外周部を避けて設けられる請求項56に記載のシリ
    コンプレートの製造方法。
  63. 【請求項63】 複数の貫通口を有するシリコンプレー
    トの製造方法において、 前記シリコンプレートの貫通口の周囲に、貫通口内壁面
    より連続し、貫通口面より突出する管状突出部を形成す
    る工程と、 該管状突出部の周囲を貫通口内面に対して表面エネルギ
    ーが高い材料で被覆する工程と、を有するシリコンプレ
    ートの製造方法。
  64. 【請求項64】シリコンプレートは貫通口面の裏面に保
    護膜を有しており、前記管状突出部は、該保護膜と連続
    している請求項63に記載のシリコンプレートの製造方
    法。
  65. 【請求項65】前記管状突出部の突出量は0.5〜10
    μmである請求項63に記載のシリコンプレートの製造
    方法。
  66. 【請求項66】前記管状突出部の厚みは0.5〜2μm
    である請求項63に記載のシリコンプレートの製造方
    法。
  67. 【請求項67】前記保護膜は窒化シリコンで形成される
    請求項64に記載のシリコンプレートの製造方法。
  68. 【請求項68】シリコンプレートの一面から貫通口内壁
    に連続する保護膜を有するシリコンプレートを、他方の
    面からウエットエッチングすることで、前記貫通口の内
    壁を構成する前記保護膜の一部を前記シリコンプレート
    の表面から突出させ前記突出部を形成するものである請
    求項62に記載のシリコンプレートの製造方法。
  69. 【請求項69】 前記保護膜が窒化シリコンであり、前
    記ウエットエッチングがフッ酸あるいはフッ酸と硝酸の
    混合液をエッチング液として使用するものである請求項
    68に記載のシリコンプレートの製造方法。
  70. 【請求項70】 前記保護膜が酸化シリコンであり、前
    記ウエットエッチングがアルカリ溶液をエッチング液と
    して使用するものである請求項68に記載のシリコンプ
    レートの製造方法。
  71. 【請求項71】 該管状突出部の周囲を被覆する、貫通
    口内面に対して表面エネルギーが高い材料は、撥水材料
    である請求項63に記載のシリコンプレートの製造方
    法。
  72. 【請求項72】 請求項56から71のいずれか1項に
    記載のシリコンプレートの製造方法によって形成された
    ことを特徴とするシリコンプレート。
  73. 【請求項73】 前記シリコンプレートがフィルタの機
    能を有する請求項72に記載のシリコンプレート。
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