JP2007053189A - シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板及びシリコン構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 同一Si基板上に複数配置された構造体を基板から個々に容易に精度良く分離できるSi基板及びこの基板を用いた生産性、品質、信頼性の高い構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 所望のパターンが形成されたSi異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてSi異方性ドライエッチングを行い、所定の開口幅と深さを持った溝を有する複数個のSi構造体の形成と同時に、複数個の構造体を分離境界領域で構造体を分離した状態で製造する製造用マスクを有するSi基板であって、マスクは、分離境界領域部分は耐エッチング層は除去され、所定の開口幅と深さを持った溝部分は溝の開口幅と深さに応じた厚みの耐エッチング層からなる。
【選択図】 図3
【解決手段】 所望のパターンが形成されたSi異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてSi異方性ドライエッチングを行い、所定の開口幅と深さを持った溝を有する複数個のSi構造体の形成と同時に、複数個の構造体を分離境界領域で構造体を分離した状態で製造する製造用マスクを有するSi基板であって、マスクは、分離境界領域部分は耐エッチング層は除去され、所定の開口幅と深さを持った溝部分は溝の開口幅と深さに応じた厚みの耐エッチング層からなる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板及びこのシリコン基板を用いたシリコン構造体の製造方法に関するものである。
近年半導体などで培われた微細加工技術を用いて作製される微小な機械システム(マイクロマシン、MEMS(Micro Electro Mechanical System)とも称される。)の注目度が高まっている。この中で、シリコン基板を基材として半導体プロセスを用いて微小なシリコン構造体を作製するものがあり、その具体的な一例として、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置において使用する液滴吐出ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドがある。
インクジェット式記録ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室(圧力室、インク又は液供給路、共通インク又は液室等と称される液室がある。)と、液室内のインクを加圧する圧力を発生する圧力発生手段とを備えて、圧力発生手段で発生した圧力で液室内インクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させる。
このようなインクジェット式記録ヘッドは、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いて液室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させる圧電素子型のもの、液室内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるバブル型(サーマル型)のもの、液室の壁面を形成する振動板(又はこれと一体の電極)とこれに対向する電極を用いて静電力で振動板を変形させることでインク滴を吐出させる静電型のものなどがある。
ところで、従来のインクジェット式記録ヘッドにおいては、液室や各液室に連通する共通液室などを形成する構造体としての液室形成部材或いは流路形成部材として、感光性樹脂、樹脂モールド、金属、ガラスなどの材料を用いている。しかしながら、樹脂材料で形成された液室は剛性が小さいので、近傍の液室間でクロストークが発生し易く、良好な画像品質が得られないという問題を生じていた。また、金属やガラスなどは、剛性が大きくクロストークの問題は小さいが、加工が難しく、特に近年のインクジェット式記録ヘッドは高画質化のために高密度化の要求が高まってきており、このような要求に応えるのは困難になってきている。
そこで、液室や共通液室をシリコン基板の異方性エッチング処理で形成することが開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
シリコンは、剛性が高く、しかも異方性エッチング処理を用いることによって微細な加工が可能であり、特に、(110)面方位のシリコン基板を用いることによって、垂直な壁面を形成することができるので、液室を高密度に配置することができる。
このようにシリコンを液室形成部材に用いた場合、シリコン基板上に、液室や共通液室を有する複数のインクジェット式記録ヘッドチップを作製し、これを個々のチップに分離する必要がある。
シリコン基板を個々のチップに分離する方法としてはダイシング法が一般的である。しかし、ダイシング法によってシリコン基板上に作製した複数のチップを個々に分離する方法は、シリコン基板を真空吸着や粘着テープ等で固定し、シリコン基板に水をかけながらブレードを高速で回転してシリコン基板を切断することでチップを個々に分離するものであって、この方法でシリコン基板を切断して個々のチップを得た場合、以下のような問題がある。
まず、切子がチップに付着するという問題がある。この切子は、硫酸過水や塩酸過水などの酸洗浄、アンモニア過水などのアルカリ洗浄、アセトンやアルコールなどの有機洗浄などの化学的洗浄、あるいは超音波、水圧などの物理的洗浄でも完全に除去することは困難である。切り子を除去する一番有効な方法はブラシなどによる洗浄であるが、マイクロマシン分野における微細な立体シリコン構造体が形成されたものに関しては、隙間に入り込んだ切子が取りきれない、あるいはシリコン構造体が破損してしまうなどといった問題がある。また、切断時にかける水の水圧で微細なシリコン構造体が破損するといった問題もある。
次に、切断時にシリコン基板を固定する方法として、真空チャックを用いた場合では、シリコン構造体を形成して強度が弱くなったシリコン基板が吸引力の影響から破損したり、またダイシングテープを用いてシリコン基板を固定する場合では、固定する時、あるいははがす時にもシリコン構造体が破損することが懸念される。ダイシングテープを使用する場合、紫外線(UV)光の照射や熱処理によって粘着力が低下するダイシングテープを用いれば、はがす時の破損は少なくなるが、このようなテープは高価であり、製造コストがアップするという問題がある。
次に、ダイシング法では一直線にしか切断できないので、マイクロマシン分野における比較的大きなチップサイズとなる場合、1枚のシリコン基板でのチップ取り数が少なくなることで、材料コストがアップするという問題がある。
上述したダイシング法による複数のチップを個々に分離する方法における様々な問題を解消するため、シリコン基板に所定の分離領域マスクを形成し、異方性エッチング処理を行ってV字溝を形成することで個々のチップに分離する方法(特許文献3参照)、或いはシリコン基板に異方性エッチング処理を行って複数のシリコン構造体を形成するとともに、複数のシリコン構造体の間に異方性エッチング処理を行って微小な多角形のパターンを並べたチップ分離線を入れて、このチップ分離線から個々のシリコン構造体に分離する方法(特許文献4参照)が開示されている。
特開平7−132595号公報
特開平7−276626号公報
特開平10−157149号公報
特開2003−72088号公報
しかしながら、上記特許文献に記載される従来技術には以下のような問題がある。まず、特許文献3により開示されているエッチング処理によりシリコン基板にV字溝を形成し、V字の先端部でシリコン基板を貫通することで分離線を形成して分離する方法にあっては、各チップはマスク用のSiN(窒化シリコン)膜だけでつながっている状態になるので、エッチング処理後のシリコン基板の強度が非常に弱く、取り扱い性が悪いため、チップに分離する前に破損してしまうことが十分予測され、その結果、製造歩留まりが悪く、チップのコストが高くなるという課題がある。
次に、特許文献4により開示されている微小な多角形のパターンを並べたチップ分離線を入れて、このチップ分離線から個々のチップに分離する方法にあっては、微小な平行四辺形状の貫通穴をあるピッチで分離線上に並べているため、各チップはこの微小穴間のブリッジによりつながっている。このため、分離には外力を加える必要があるので分離時にシリコン基板を破損する場合が生じることが予測され、またシリコン基板の強度が弱くなることで取り扱い性が悪くなり、更に分離外形がギザギザの状態となり、他の部材との組み合わせ時に外形を基準とすることが困難となるという課題がある。
本発明は、以上に述べた課題を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、同一のシリコン基板上に複数配置されたシリコン構造体をシリコン基板から個々のシリコン構造体に容易に精度良く分離することができるシリコン基板、及びこのシリコン基板を用いた生産性、品質、信頼性の高いシリコン構造体の製造方法を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
(1) 所望のパターンが形成されたシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行い、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、該複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離する分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板であって、
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。
(2) (1)に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板を用い、前記複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造単位に分離する前記分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造方法であって、
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
前記シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を有することを特徴とするシリコン構造体の製造方法。
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
前記シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を有することを特徴とするシリコン構造体の製造方法。
(3) 前記所定量の深さは、
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量Bから前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする(2)に記載のシリコン構造体の製造方法。
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量Bから前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする(2)に記載のシリコン構造体の製造方法。
(4) (1)に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板は、シリコン基板に仮固定されていることを特徴とする(2)又は(3)のいずれか1項に記載のシリコン構造体の製造方法。
(5) 所望のパターンが形成されたシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行い、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ、及び貫通穴を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、該複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離する分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板であって、
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分、及び前記貫通穴に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分、及び前記貫通穴に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。
(6) (5)に記載のシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板を用い、前記複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造単位に分離する前記分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造方法であって、
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分又は貫通穴に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を行うことを特徴とするシリコン構造体の製造方法。
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分又は貫通穴に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を行うことを特徴とするシリコン構造体の製造方法。
(7) 前記所定量の深さは、
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとし、
前記貫通穴を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をCとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量B又は前記シリコン異方性ドライエッチング量Cのいずれか大きい方から前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする(6)に記載のシリコン構造体の製造方法。
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとし、
前記貫通穴を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をCとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量B又は前記シリコン異方性ドライエッチング量Cのいずれか大きい方から前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする(6)に記載のシリコン構造体の製造方法。
(8) 前記所定の開口幅と深さを持った溝が、
複数のノズルを有するノズルプレートと貼り合わせることで形成される、
前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝、
前記複数の圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝、
前記複数のインク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝であり、
前記貫通穴がインク供給口であり、
前記シリコン構造体がインクジェット式記録ヘッドの流路基板であることを特徴とする(5)に記載のシリコン基板。
複数のノズルを有するノズルプレートと貼り合わせることで形成される、
前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝、
前記複数の圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝、
前記複数のインク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝であり、
前記貫通穴がインク供給口であり、
前記シリコン構造体がインクジェット式記録ヘッドの流路基板であることを特徴とする(5)に記載のシリコン基板。
(9) (5)に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板は、シリコン基板に仮固定されていることを特徴とする(6)乃至(8)のいずれか1項に記載のシリコン構造体の製造方法。
尚、シリコン異方性ドライエッチング処理とは、ドライエッチングにおいて、高アスペクト比(加工された凹部の深さと幅の比であり、アスペクト比が高いとは、溝の深さが深く幅が狭い状態を表す。)の構造を得るための方法であり、エッチングの最中にエッチングにより加工された凹部の側壁を保護するためにエッチング反応を生じさせる化学種(ラジカル、イオン等)を発生させるサイクルと、側壁を保護するための保護膜を堆積させるサイクルとを交互に行うエッチング処理のことである。よって、シリコン基板に形成される凹部の側壁は基板表面に対して垂直に加工できる。
請求項1に記載の発明であるマスクパターンを有するシリコン基板においては、マスクパターンの分離境界領域に相当する部分では耐エッチング層は除去されているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うと分離境界領域に相当する部分のみをエッチング処理加工できる。具体的にはシリコン基板の表面に対して垂直(深さ)方向に任意に決めることができるエッチング処理量に応じたシリコンを除去することができる。また、マスクパターンの所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層から成っているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで所定の開口幅と深さを持った溝を形成することができる。
従って、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うことでマスクパターンの分離境界領域に相当する部分のシリコンの除去量は任意に決めた量を除去することができると共に、マスクパターンの所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では先の分離境界領域に相当する部分のシリコン除去の影響を受けることなく所定の開口幅と深さを持った溝を形成することができるマスクパターンを有するシリコン基板を提供することができる。
請求項2に記載の発明であるシリコン構造体の製造方法によれば、所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、シリコン異方性ドライエッチング処理を行い所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工を行うに先だって、分離境界領域に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると、分離境界領域に相当する部分は、シリコン基板を貫通する状態となる。換言すれば、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離される。
よって、所定の開口幅と深さを持った溝を有する複数個のシリコン構造体を形成したの形成した後で複数個のシリコン構造体をシリコン基板から個々のシリコン構造体に分離するための工程を設ける必要がない。また、個々のシリコン構造体に分離のためにシリコン基板及びシリコン構造体に外力が加わることがないことからシリコン構造体を破損しないようにする配慮の負担を軽くすることができる。また、シリコン構造体の分離方法が溝の形成方法と同じであるため、シリコン構造体の分離は高い加工精度で行われ、ダイシング法により分離した場合の切子の発生がないことから、後工程での組み立ての精度が確保しやすく、また切子の混入といった組み立て時の不具合も排除出来る。また、シリコン構造体の分離境界領域は直線のみでなく自由度の高い曲線で構成することが出来るため、他の部品との組み合わせに柔軟に対応することが出来る。
従って、同一のシリコン基板上に複数配置されたシリコン構造体をシリコン基板から個々のシリコン構造体に容易に精度良く分離することができる、生産性、品質、信頼性の高いシリコン構造体を製造することが出来る。
請求項3に記載の発明であるシリコン構造体の製造方法によれば、所定量の深さはシリコン異方性ドライエッチング量Bからシリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量より多い、減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さとして提供される。
分離境界領域に相当する部分をこの提供された所定の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで、所定の開口幅と深さを持った溝が全て形成されると同時に分離境界領域に相当する部分が確実に貫通状態となる。
従って、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に確実に分離することが出来る。
請求項5に記載の発明であるマスクパターンを有するシリコン基板によれば、マスクパターンの分離境界領域に相当する部分及び貫通穴に相当する部分では耐エッチング層は除去されているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うと分離境界領域及び貫通穴のみをエッチング処理加工できる。具体的にはシリコン基板の表面に対して垂直(深さ)方向に任意に決めることができるエッチング処理量に応じたシリコンを除去することができる。また、マスクパターンの所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層から成っているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで所定の開口幅と深さを持った溝を形成することができる。
従って、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うことでマスクパターンの分離境界領域に相当する部分又は貫通穴に相当する部分のシリコンの除去量は任意に決めた量を除去することができると共に、マスクパターンの所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では先の分離境界領域及び貫通穴に相当する部分のシリコン除去の影響を受けることなく所定の開口幅と深さを持った溝を形成することができるマスクパターンを有するシリコン基板を提供することができる。
請求項6に記載の発明であるシリコンシリコン構造体の製造方法によれば、所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、シリコン異方性ドライエッチング処理を行い所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工を行うに先だって、分離境界領域に相当する部分又は貫通穴に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ、及び貫通穴を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると、分離境界領域に相当する部分及び貫通穴に相当する部分は、シリコン基板を貫通する状態となる。換言すれば、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ、及び貫通穴を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離される。
よって、所定の開口幅と深さを持った溝及び貫通穴を有する複数個のシリコン構造体を形成した後で複数個のシリコン構造体をシリコン基板から個々のシリコン構造体に分離するための工程を設ける必要がない。また、個々のシリコン構造体に分離のためにシリコン基板及びシリコン構造体に外力が加わることがないことからシリコン構造体を破損しないようにする配慮の負担を軽くすることができる。また、シリコン構造体の分離方法が溝の形成方法と同じであるため、シリコン構造体の分離は高い加工精度で行われ、ダイシング法により分離した場合の切子の発生がないことから、後工程での組み立ての精度が確保しやすく、また切子の混入といった組み立て時の不具合も排除出来る。また、シリコン構造体の分離境界領域は直線のみでなく自由度の高い曲線で構成することが出来るため、他の部品との組み合わせに柔軟に対応することが出来る。
従って、同一のシリコン基板上に複数配置されたシリコン構造体をシリコン基板から個々のシリコン構造体に容易に精度良く分離することができる、生産性、品質、信頼性の高いシリコン構造体を製造することが出来る。
請求項7に記載の発明であるシリコン構造体の製造方法によれば、所定量の深さはシリコン異方性ドライエッチング量B又はシリコン異方性ドライエッチング量Cの何れか大きい方からシリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さとして提供される。
分離境界領域に相当する部分をこの提供された所定の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで、所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成されると同時に分離境界領域及び貫通穴に相当する部分が確実に貫通状態となる。
従って、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ、及び貫通穴を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に確実に分離することが出来る。
請求項8に記載の発明であるマスクパターンを有するシリコン基板によれば、マスクパターンの分離境界領域に相当する部分及びインク供給口に相当する部分では耐エッチング層は除去されているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うと分離境界領域及びインク供給口部分のみをエッチング処理加工できる。具体的にはシリコン基板の表面に対して垂直(深さ)方向に任意に決めることができるエッチング処理量に応じたシリコンを除去することができる。また、マスクパターンの圧力室溝、インク供給路溝及び共通インク室溝に相当する部分では各溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層から成っているため、シリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで圧力室溝、インク供給路溝及び共通インク室溝を形成することができる。
従って、このシリコン基板は、圧力室溝、インク供給路溝、共通インク室溝及びインク供給口を有するシリコン構造体であるインクジェット式記録ヘッドの流路基板の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板として提供できる。
請求項4及び9に記載の発明であるシリコン構造体の製造方法によれば、シリコン構造体が個々に分離される時にシリコン基板に仮固定されていることから、個々のシリコン構造体は、分離された後でも分離される以前とほぼ同等の場所に位置している。従って、複数個のシリコン構造体が個々のシリコン構造体に分離された状態のシリコン構造体の取り扱いを容易とすることが出来る。
以下、本発明に係わる実施の形態の一実施例を、シリコン構造体の一つであるインクジェット式記録ヘッド(以後、記録ヘッドと称する。)の流路基板を例にして図を参照しながら説明する。
図1はインクジェット式記録ヘッドを構成している、ノズルプレート1、流路基板2、圧電素子3を模式的に表している。
ノズルプレート1には、インク吐出のためのノズル101を複数配列してある。また、流路基板2には、ノズルプレート1を貼り合わせることで、圧力室となる圧力室溝204、インク供給路となるインク供給路溝203及び共通インク室となる共通インク室溝202、並びにインク供給口201が形成されている。
そして、ノズルプレート1のノズル101と流路基板2の圧力室溝204とが一対一で対応するようにノズルプレート1と流路基板2とを貼り合わせることで流路ユニットMを形成する。図2は、この流路ユニットMにおけるノズルプレート1のY−Y、流路基板2のX−Xの位置での断面を模式的に示している。
ここで、以後、上記で説明に使用した圧力室溝、供給路溝、共通インク室溝の各符号はそれぞれ圧力室、供給路、共通インク室にも使用する。
更に、流路ユニットMに圧電素子3を流路基板2のノズルプレート1を接着する面と反対の面のインク吐出用アクチュエータとして各圧力室204に対応した位置に接着することで、記録ヘッドが完成する。この記録ヘッドの各圧電素子に駆動パルス電圧が印加され、圧電素子から発生する振動が圧力室204に伝えられ、圧力室204内の圧力を変動させることでノズル101からインク滴を吐出させる。
本実施の形態での記録ヘッドの流路基板2の製造方法は、上述の様な各溝や貫通穴を有する構造を持つ流路基板2を、シリコンを基材とするシリコンウエハに複数個製造する場合、圧力室204のような所望の溝を有する複数個の流路基板2を形成すると同時に、複数個の流路基板2を個々の流路基板単位に分離された状態で製造されるものである。
以下、図2で示した記録ヘッドの流路ユニットMを構成する流路基板2の製造工程を模式的に図3に示しており、この製造工程順に従って具体的に説明する。
図3(s)に示している個々に分離された流路基板2を形成する基材として、図3(a)に示すようにシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層として熱酸化膜32(膜厚1.5μm)を有しているシリコン(Si)単結晶基板31(直径4インチ:φ100mm、厚み165μm、以後、単にシリコンウエハと呼ぶ。)を使用する。このシリコンウエハ31の結晶方向の規定は必要ない。
本実施の形態においては、後で述べる溝や貫通穴の形成にシリコン異方性ドライエッチング法を使用しており、このエッチング法におけるエッチングガスとしてはSF6を、側壁保護膜の堆積用ガスとしてはC4F8を用い、これらのガスを交互にドライエッチング装置に供給することによって、シリコンウエハの結晶方向に関係なくシリコンウエハに深い垂直の溝や穴を形成することができる。
次に、シリコンウエハ31から流路基板2を複数個取りできる配置で、流路基板2における貫通部分となるインク供給口(図示してない)と流路基板2を個々に分離するための分離境界領域及び貫通穴を設けたフォトマスクを用いてシリコンウエハ31の熱酸化膜32上に通常のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)によ熱酸化膜32加工用のレジストパターン33を形成する(図3(c))。形成したレジストパターンの分離境界領域34の幅は特に規定しないが、取り扱いや経済的な観点から0.05〜0.2mm程度がよい。尚、図3において、以降の工程で形成される構造を点線及び破線で示している。
ここで、シリコンウエハ31が有する熱酸化膜32上に形成されたレジストパターン33のうち、レジストパターンの分離境界領域に相当する部分34及び貫通穴であるインク供給穴に相当する部分51の様子を模式的に図4に示す。図4において、31は熱酸化膜32を有するシリコンウエハ、52は個々に分離される予定の流路基板を示している。図4からわかるように、分離境界領域に相当する部分34はブレードを使用したダイシング法による分離境界領域と異なり格子状にする必要がない。また、分離境界領域に相当する部分34は直線に限らず曲線とすることも可能である。尚、図4の分離予定の各流路基板52には理解を容易にするために、この時点ではまだ形成されてない圧力室溝204、インク供給路溝203、共通インク室溝202を描いている。
次に、このレジストパターン33をマスクとしてレジストの無い部分34の熱酸化膜32を完全にエッチング除去(約1.5μm)した後(図3(d))、レジストパターン33を除去される(図3(e))。これで、熱酸化膜32による分離境界領域に相当する部分35及び貫通穴に相当する部分(図3においては示してない。)が形成される。本実施の形態では、熱酸化膜32の除去は公知のドライエッチング法で、またレジストの除去は公知の酸素プラズマによるアッシング法により行われる。
次に、流路基板2における圧力室溝204、インク供給路溝203及び共通インク室溝202に相当する部分の熱酸化膜32を各溝の開口幅と深さに応じた膜厚となるようにする。
本実施の形態では、圧力室溝204と共通インク室溝202は同じ深さの溝としインク供給路溝203はそれらより浅い溝となるように各溝に相当する部分の熱酸化膜32の厚みは図3(m)の32d(インク供給路溝203に相当する部分),32e(圧力室溝204と共通インク室溝202に相当する部分)で示すような2段となるようにされる。まず、インク供給路溝203に相当する部分となる厚みの熱酸化膜32を形成するためのパターンを設けたフォトマスクを用いて、前回のレジストパターン33の形成と同様にして、レジストパターン36が形成される(図3(g))。このレジストパターン36をマスクとして熱酸化膜32を後で述べるエッチングレート等を考慮して予め実験等により決めた値の深さだけ除去した後(図3(h))、レジストパターン36が除去される(図3(i))。
次に、圧力室溝204と共通インク室溝202に相当する部分となる厚みの熱酸化膜32が形成されるためのパターンを設けたフォトマスクを用いて、前回のレジストパターン33の形成と同様にして、レジストパターン37が形成される(図3(k))。このレジストパターン37をマスクとして熱酸化膜32を後で述べるエッチングレート等を考慮して予め実験等により決めた値の深さだけ除去された後(図3(l))、レジストパターン37が除去される(図3(m))。
図3(m)で示すシリコン基板31は、シリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層である熱酸化膜32でなす本発明に係わるシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有している。このマスクパターンは、分離境界領域に相当する部分35、及び貫通穴であるインク供給口(図示されてない)に相当する部分では熱酸化膜32は除去されており、圧力室溝204、インク供給路溝203及び共通インク室溝202に相当する部分では開口幅と溝の深さに応じた厚みを有する熱酸化膜32からなっている。
本実施の形態の例である流路基板2より多くの種類の溝を有するシリコン構造体であれば、図3における(f)から(m)の工程を繰り返して溝に相当する部分の熱酸化膜32の厚みを形成される溝の開口幅と深さに応じて多段にすることで対応することができる。
次に、上記の熱酸化膜32からなるマスクパターンを用いて、シリコン異方性ドライエッチング処理を行い分離境界領域又はインク供給口に相当する部分を所定の深さとする。
この分離境界領域を所定の深さとするエッチング量は、圧力室溝、インク供給路溝及び共通インク室溝を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量A、流路基板単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量B、貫通穴であるインク供給口を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をCとすると、本実施の形態においては、シリコン異方性ドライエッチング量Bがシリコン異方性ドライエッチング量Cより大きいことから、流路基板単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量Bより圧力室溝、インク供給路溝及び共通インク室溝を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量に、ある量を加えて、減じた量以上とする。シリコン異方性ドライエッチング量Bがシリコン異方性ドライエッチング量Cより大きいことは、後で説明するエッチングレートによるものである。
このある量とは、シリコン異方性ドライエッチング装置等により発生するエッチングむらやシリコンウエハの厚みむらを含めて、さらに完全に分離出来る様に多めにエッチング処理(オーバーエッチング)する量等を考慮して決定するのが好ましい。
ここで、エッチング量は、言い換えれば、エッチングエネルギー量であり、例えば使用する装置、装置の設定条件、形成する溝の幅等のエッチング条件等を同じとすると、形成する溝の深さに置き換えることが出来る。
本実施の形態においての所定量の深さは、分離境界領域に相当する部分をエッチング処理することで複数個の流路基板を個々の流路基板単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量Bをシリコンウエハ31の厚みとし、圧力室溝204及び共通インク室溝202を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量Aを流路基板2で形成される最も深い溝の深さとして、シリコンウエハ31の厚みから流路基板2で形成される最も深い溝である圧力室溝204及び共通インク室溝202の深さを差し引いて求めた量に上記のある量を加えた量とした。
具体的には、使用するシリコンウエハ31の厚みは約165μmで、流路基板2に形成する最も深い溝である圧力室204及び共通インク室溝202の深さは145μmとしていることから、これらの量の差の20μmに先ほどのある量(本実施の形態においては、概ね5〜15μmとした。)を加えて分離境界領域に相当する部分を所定の深さ30μmとした。
尚、この所定の深さは、実際に溝の形成に使用する装置を使用しての実験等により容易に精度良く決めることが出来る。このとき、貫通穴であるインク供給口に相当する部分は、分離境界領域に相当する部分を所定の深さ30μmとしたエッチング量によりインク供給口の開口幅に応じた30μm以上の深さとなる。
これまで述べたシリコン異方性ドライエッチングにおいて、シリコンウエハ31と酸化膜32とのエッチングレート比(シリコンウエハと酸化膜とが除去される比率で、エッチング選択比とも言う。)は、形成する溝幅、使用する装置等の条件により異なるが、一般に100〜300程度の範囲である。本実施の形態においては、このエッチングレート比は300程度であり、上記の分離境界領域に相当する部分39の所定の深さとした30μmのシリコン異方性ドライエッチング処理を行った時点での図3(n)の熱酸化膜32の厚みはシリコン異方性ドライエッチング処理を行う前に比較して30μmの300分の1である約0.1μm薄くなる。また一般的に、形成する溝幅が狭い場合は、このエッチングレート比が小さくなる傾向がある。換言すれば、熱酸化膜からなるマスクパターンを有したシリコン基板を一定量のエッチング処理した場合、幅が狭い溝よりも幅が広い溝の深さが深くなる傾向がある。
尚、対シリコンウエハの熱酸化膜以外のマスク材は、パターニングが可能でシリコンよりエッチング速度が遅いものであれば良く、例えば、フォトレジストは30〜70、金属薄膜(例えばアルミニウム(Al))は1000程度であり、加工内容に応じてこれらのマスク材を選択して使用すれば良い。
このエッチングレートは実際に溝の形成に使用するマスク材料、装置、マスクパターンを使用しての実験等により容易に精度良く決めることが出来る。
次に、流路基板2の圧力室溝204、インク供給路溝202に相当する部分の熱酸化膜32fが公知のドライエッチング法を用いて完全に除去される(図3(o))。
次に、熱酸化膜32をマスクにしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで圧力室溝204、インク供給路溝202に相当する部分の前形成が行われる(図3(p))。
次に、流路基板2のインク供給路溝203に相当する部分の熱酸化膜32gが公知のドライエッチング法を用いて完全に除去される(図3(q))。
次に、熱酸化膜32をマスクにしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行うことで圧力室溝204、共通インク室溝202及びインク供給路溝203が所望の溝に形成される(図3(r))。
この時点で、厚みが165μmのシリコンウエハ31において、流路基板2における分離境界領域に相当する部分に対しては概ね175μm、またインク供給口に相当する部分に対してこれ以上の深さの溝が形成できる量のシリコン異方性ドライエッチング処理が行われていることになり、この分離境界領域及びインク供給口に相当する部分はシリコンウエハ31を貫通した状態となる。従って、流路基板2の圧力室溝204、インク供給路溝203及び共通インク室溝202の形成がされると同時にインク供給口201が形成され、且つ複数個の流路基板2は全て個々の流路基板単体に分離された状態となる。
この後、公知のドライエッチング法により熱酸化膜32が全て除去されることで流路基板2のシリコン構造体の形成が完了される(図3(s))。
なお、実際の加工ではシリコンウエハ31を、例えば同じシリコンウエハを基板として、この上にグリースまたは粘着性がグリース程度の粘着性が比較的弱い粘着剤で仮固定するのが好ましい。この仮固定で、個々の流路基板2は、分離された後でも分離される以前とほぼ同等の場所に位置している。例えば、マスクパターンを有するシリコン基板をシリコン異方性ドライエッチング装置へ取り付けるに際し、流路基板2が個々に分離されることを考慮する必要がないため簡易な方法で取り付けることができ、また流路基板2が個々に分離された時にシリコン異方性ドライエッチング装置から流路基板2を取り出す場合、流路基板2をまとめて取り出すことができる等の個々のシリコン構造体に分離された状態の流路基板2の取り扱いを容易とすることが出来る。
仮固定の方法の具体例としては、例えば、クールグリース(商品名)等の熱導伝性グリースや熱導伝性粘着シートを用いることが挙げられる。また、これまでに述べたオーバーエッチングにより、仮固定用の基板がエッチングされる場合が生じることがあるが、形成した流路基板2には何の不具合も生じない。
流路基板2を作製後、この流路基板2と別途用意するノズルプレート1を貼り合わせ、また別途用意する圧電素子3を接着することで記録ヘッドが完成する。
貼り合わせ前に、形成された流路基板2を個々に顕微鏡にて観察したところ、流路基板2が持つ構造に割れや欠け等は認められなかった。また、流路基板2の溝構造と外形との寸法のずれは組み立て上問題となるところはなかった。その後、圧電素子3を接着して、記録ヘッドとして動作させたところ、液詰まりなどの問題なく動作することを確認した。
本発明に係わるシリコン構造体の製造方法は、上記のインクジェット式記録ヘッドの流路基板2に限らず、小型燃料電池用マイクロポンプ等のマイクロアクチュエータや医療診断デバイスに使用されるマイクロ流体チップのような、シリコンを基材とし、溝や貫通穴で構成されいるシリコン構造体を形成した後、他の部材との複雑な組み立て工程を伴う用途や、高い加工精度が要求される用途に対して大変有効な製造方法である。
1 ノズルプレート
2 流路基板
101 ノズル
201 インク供給口
202 共通インク室溝
203 インク供給路溝
204 圧力室溝
3 圧電素子
31 シリコン単結晶基板
32 熱酸化膜
32d、32e 各溝に相当する部分の熱酸化膜
32f 圧力室溝204、インク供給路溝202に相当する部分の熱酸化膜
32g インク供給路溝203に相当する部分の熱酸化膜
33、36、37 レジストパターン
34 分離境界領域に相当する部分(レジストパターンによる)
35 分離境界領域に相当する部分(熱酸化膜による)
39 分離境界領域に相当する部分(シリコンによる)
51 インク供給穴に相当する部分
52 個々に分離される予定の流路基板
2 流路基板
101 ノズル
201 インク供給口
202 共通インク室溝
203 インク供給路溝
204 圧力室溝
3 圧電素子
31 シリコン単結晶基板
32 熱酸化膜
32d、32e 各溝に相当する部分の熱酸化膜
32f 圧力室溝204、インク供給路溝202に相当する部分の熱酸化膜
32g インク供給路溝203に相当する部分の熱酸化膜
33、36、37 レジストパターン
34 分離境界領域に相当する部分(レジストパターンによる)
35 分離境界領域に相当する部分(熱酸化膜による)
39 分離境界領域に相当する部分(シリコンによる)
51 インク供給穴に相当する部分
52 個々に分離される予定の流路基板
Claims (9)
- 所望のパターンが形成されたシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行い、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、該複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離する分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板であって、
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。 - 請求項1に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板を用い、前記複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造単位に分離する前記分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造方法であって、
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
前記シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を有することを特徴とするシリコン構造体の製造方法。 - 前記所定量の深さは、
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量Bから前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする請求項2に記載のシリコン構造体の製造方法。 - 請求項1に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板は、シリコン基板に仮固定されていることを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載のシリコン構造体の製造方法。
- 所望のパターンが形成されたシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層をマスクとしてシリコン異方性ドライエッチング処理を行い、所定の開口幅と深さを持った溝を少なくとも一つ、及び貫通穴を少なくとも一つ有する複数個のシリコン構造体を形成すると同時に、該複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造体単位に分離する分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板であって、
前記マスクパターンは、前記分離境界領域に相当する部分、及び前記貫通穴に相当する部分では前記耐エッチング層は除去されており、前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分では該溝の開口幅と深さに応じた厚みを有する耐エッチング層からなることを特徴とするシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板。 - 請求項5に記載のシリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板を用い、前記複数個のシリコン構造体を個々のシリコン構造単位に分離する前記分離境界領域で該複数個のシリコン構造体を分離した状態で製造するシリコン構造体の製造方法であって、
前記所定の開口幅と深さを持った溝に相当する部分のシリコン異方性ドライエッチングに対する耐エッチング層を除去する工程と、
シリコン異方性ドライエッチング処理を行い前記所定の開口幅と深さを持った溝の形成を行う工程とをそれぞれ少なくとも1つを含む溝加工に先立ち、
シリコン基板の前記分離境界領域に相当する部分又は貫通穴に相当する部分を所定量の深さとなるようにシリコン異方性ドライエッチング処理を行う工程を行うことを特徴とするシリコン構造体の製造方法。 - 前記所定量の深さは、
前記所定の開口幅と深さを持った溝を全て形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Aとし、
シリコン異方性ドライエッチング処理により前記分離境界領域で前記複数個のシリコン構造体を個々の前記シリコン構造体単位に分離するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をシリコン異方性ドライエッチング量Bとし、
前記貫通穴を形成するために要するシリコン異方性ドライエッチング量をCとした場合、
前記シリコン異方性ドライエッチング量B又は前記シリコン異方性ドライエッチング量Cのいずれか大きい方から前記シリコン異方性ドライエッチング量Aを減じた量以上のシリコン異方性ドライエッチング量により形成される深さであることを特徴とする請求項6に記載のシリコン構造体の製造方法。 - 前記所定の開口幅と深さを持った溝が、
複数のノズルを有するノズルプレートと貼り合わせることで形成される、
前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室となる圧力室溝、
前記複数の圧力室にそれぞれ連通する複数のインク供給路となるインク供給路溝、
前記複数のインク供給路に連通する共通インク室となる共通インク室溝であり、
前記貫通穴がインク供給口であり、
前記シリコン構造体がインクジェット式記録ヘッドの流路基板であることを特徴とする請求項5に記載のシリコン基板。 - 請求項5に記載の前記シリコン構造体の製造に用いるマスクパターンを有するシリコン基板は、シリコン基板に仮固定されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のシリコン構造体の製造方法。
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