JPH10226079A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH10226079A
JPH10226079A JP4303497A JP4303497A JPH10226079A JP H10226079 A JPH10226079 A JP H10226079A JP 4303497 A JP4303497 A JP 4303497A JP 4303497 A JP4303497 A JP 4303497A JP H10226079 A JPH10226079 A JP H10226079A
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JP
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liquid
jet recording
recording head
cutting
solid layer
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JP4303497A
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Toshio Suzuki
敏夫 鈴木
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体噴射記録ヘッドの製造に際して、切削加
工や切断分離加工の時に天板等に変形や剥離を生じさせ
ることがない製造方法を提供する。 【解決手段】 吐出圧発生素子14と少なくとも液流路
となる部分を占有する固体層2が設けられた第1の基体
1上に硬化性樹脂8を塗布し、その上に第2の基体5を
積層する。その後に、共通液室10を切削加工により形
成し、該切削箇所に氷またはシリコーンオイル等の補強
材15を充填した状態で吐出口を切断分離し、その後、
補強材15を除去するとともに液流路となる固体層2を
除去して液体噴射記録ヘッド11を製造する。切削加工
や切断分離加工時に天板等に変形や剥離を生じさせるこ
となく、高歩留まりで液体噴射記録ヘッドを製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な吐出口から
記録液を液滴として吐出させて記録紙等に記録を行なう
液体噴射記録方式に用いられる液体噴射記録ヘッドの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式に用いられる液体噴射
記録ヘッドは、一般に微細な記録液吐出口、液流路、共
通液室および液流路の一部に設けられた吐出圧発生素子
を備えている。この種の液体噴射記録ヘッドの製造方法
としては、従来から種々の製造方法が知られており、液
体噴射記録ヘッドの製造方法の一形態を図5および図6
に図示する。図5の(a)および(b)は、液体噴射記
録ヘッドの模式的な斜視図であり、図5の(a)に示す
ように、一枚の基体1上に複数本の液体噴射記録ヘッド
11、11を作製し、これを切断線12に沿って分離す
ることによって、図5の(b)に示すような個々の液体
噴射記録ヘッド11を得ている。そして、図6には、こ
の種の液体噴射記録ヘッドの製造方法の各工程を図示す
る。なお、図6は、図5の(a)におけるA−A線に沿
って破断した端面を各製造工程に従って図示する端面図
である。
【0003】そこで、図6に示す製造方法を説明する
と、先ず、図6の(a)に示すように、液体噴射記録ヘ
ッド一対分の吐出圧発生素子14、14が設けられた第
1の基体1上に、液流路予定部位および液室予定部位に
第1の固体層2をパターニング等により選択的に形成す
る。次いで、液室の容積を充分確保すべく基体1と後述
する第2の基体5との間に空間を確保するために、図6
の(b)に示すように、第2の固体層3を第1の固体層
2の上の少なくとも液室予定部位に公知の印刷等の方法
により形成する。そして、後にインク供給口となる開口
4を有する第2の基体5を図6の(c)に示すように第
2の固体層3上に載置する。
【0004】ところで、第2の固体層3の上に第2の基
体5を載置する際に、第1の基体1および第2の基体5
の反りやうねり、さらに第2の固体層3の平坦性や平面
内の厚さの均一性等の影響で、第2の固体層3と第2の
基体5との接触部位にわずかな隙間6が発生し、硬化性
樹脂8を注入する際に毛管現象により該隙間6に硬化性
樹脂8が侵入する。このように隙間6に侵入して硬化し
た硬化性樹脂8は、極めて薄いために、第1の固体層2
および第2の固体層3を除去する際の除去液により、あ
るいは記録ヘッド完成後使用中にインクにより膨潤し、
第2の基体5から剥離して、ノズルを詰まらせるゴミと
なったり、剥離しない場合でもインク供給口4の周囲に
バリ状に残り、インクのリフィル特性を大幅に低下させ
るといった問題点があった。さらに、甚だしい場合には
硬化性樹脂8が第2の固体層3の上面にはみ出して、後
に、第2の固体層3を除去する際の妨げとなるといった
問題点もあった。そこで、これらの問題点を解消するた
めに、液流路の壁となる硬化性樹脂を注入する前に、図
6の(d)に示すように、第2の基体5と第2の固体層
3との隙間6を流動性のある充填剤7で充填している。
【0005】次に、図6の(e)に示すように、第1の
基体1と第2の基体5との間に形成された空間部に、図
示しない注入口から減圧注入により硬化性樹脂8を注入
して、これを硬化させる。そして、流動性のある充填剤
7を除去した後、対向する一対の液体噴射記録ヘッドの
中央を切断して、2個の液体噴射記録ヘッドに分離する
(図6の(f)参照)。
【0006】続いて、第1の固体層2および第2の固体
層3を除去液により除去して、吐出口9および液室10
を有する液体噴射記録ヘッド11を得ることができる
(図6の(g)ならびに図5の(b)参照)。
【0007】しかしながら、上記の製造方法において
も、次のような問題があった。
【0008】液室の容積を大きくするために第2の固体
層3を形成する工程が必要であるとともに、この第2の
固体層3には、次のような材料面での限定条件が多い。
すなわち、第2の固体層3としては、第1の固体層2と
ともに不溶物を形成しないこと、硬化性樹脂8と相溶し
ないこと、比較的厚く(数十μm以上)形成できかつ成
型性がよいこと、そして、第1の固体層2と同一除去液
で除去されるものであること等が望ましい。さらに、第
2の基体5と第2の固体層3の間の隙間を埋める工程も
必須であり、そのための充填剤についても次のような種
々の限定条件が多い。すなわち、充填剤としては、流動
性があって、隙間6を埋めることができかつ第2の固体
層3からはみ出さないこと、硬化性樹脂の注入硬化後に
除去することができること、注入する硬化性樹脂と混ざ
り合い、樹脂の硬化を妨げることがないこと、そして、
作業性が良いものであること等の条件を備えていること
が必要であった。
【0009】そこで、第2の固体層や充填剤を必要とし
ない簡略な製造方法も提案されている。この簡略な製造
方法においては、共通液室を活性エネルギー線硬化材料
や第2の固体層を用いて形成するのではなく、切削また
は研削加工によって共通液室を形成することを特徴とす
るものである。この製造方法の各工程を図7に示し、以
下、図7に基づいて説明する。
【0010】図7の(a)に示すように、液体噴射記録
ヘッド一対分の吐出圧発生素子14、14が設けられた
アルミ基板(第1の基体)1上に、液流路予定部位およ
びこれに連通する液室予定部位に固体層2をパターニン
グ等により選択的に形成する。そして、図7の(b)に
示すように、約100ミクロンのスペーサを切断分離後
不要部となる部位に設け、常温硬化性樹脂8を塗布す
る。次に、後にインク供給口となる開口4を有し、表面
に耐蝕処理を施したアルミ天板(第2の基体)5を図7
の(c)に示すように常温硬化性樹脂8上に接合する。
その後、ダイヤモンドソーによって開口4の下方の硬化
性樹脂8を固体層2に至るまで切削する。この切削され
た部分が共通液室10を構成する(図7の(d)参
照)。なお、このときに、B部に他の機器との接続パッ
ドがある場合には、その上部の硬化性樹脂8も切削によ
り除去する。
【0011】次に、図7の(e)に示すように、対向す
る一対の液体噴射記録ヘッドの中央部において第1の基
体1と第2の基体5およびその間の硬化性樹脂8をダイ
ヤモンドソーで切断して、2個の液体噴射記録ヘッドに
分離する。
【0012】続いて、固体層2を除去液エチルセロソル
ブで除去して吐出口9を形成し、吐出口9および共通液
室10を有する液体噴射記録ヘッドを作製している(図
7の(f)参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
図示するような従来の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、吐出口から共通液室までの距離L(図7の
(f)参照)が非常に短いために、対向する液体噴射記
録ヘッドを切削、切断分離する際にその切断による応力
で、この部分の天板(第2の基体)が変形したり、天板
と常温硬化性樹脂との間で剥離が生じるなどの問題があ
った。例えば、フルマルチタイプの液体噴射記録ヘッド
ではヘッド長さが200mm以上あるけれども、吐出口
から共通液室までの距離Lは1mm以下であるために、
その部分の天板(第2の基体)は非常に変形しやすいも
のであった。
【0014】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、液体噴射
記録ヘッドの製造に際してその切削加工や切断分離加工
の時に液体噴射記録ヘッドの天板等に変形や剥離が生じ
ることがない液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、吐出圧
発生素子と少なくとも液流路となる部分を占有する固体
層が設けられた基体上に樹脂を塗布または注入し、その
後に、共通液室を切削加工により形成して、液流路とな
る固体層を除去する工程を有する液体噴射記録ヘッドの
製造方法において、共通液室および吐出口のいずれか一
方を切削し、該切削箇所に補強材を充填し、その後、共
通液室および吐出口の他方を切削し、そして前記補強材
を除去することを特徴とする。
【0016】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、補強材が熱可塑性樹脂であることが
好ましく、また、補強材が氷またはシリコーンオイルで
あることが好ましい。
【0017】
【作用】吐出圧発生素子と少なくとも液流路となる部分
を占有する固体層が設けられた第1の基体上に硬化性樹
脂を塗布し、その後に、第2の基体を積層し、共通液室
を切削加工により形成し、該切削箇所に氷またはシリコ
ーンオイル等の補強材を充填した状態で吐出口を切断分
離し、その後、補強材を除去するとともに液流路となる
固体層を除去して液体噴射記録ヘッドを製造することに
よって、共通液室の切削加工または吐出口の切断分離加
工時に第2の基体(天板)等に変形や剥離を生じさせる
ことなく、高歩留まりで液体噴射記録ヘッドを製造する
ことができる。また、切削箇所に充填する補強材とし
て、常温で液体、氷点下で固体となる氷やシリコーンオ
イル、あるいは低分子アクリル、印刷材等を用いること
によって、その取扱いが簡単であり、さらにその除去に
おいても、氷やシリコーンオイルを用いる場合は常温に
戻すことにより液体として除去することができ、また、
低分子アクリルや印刷材等においても固体層の除去と同
時に除去することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0019】図1は、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法の第1の実施例における各製造工程を示す図面で
あり、以下、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の
第1の実施例を図1に示す製造工程に沿って詳細に説明
する。
【0020】図1の(a)に示すように、先ず、液体噴
射記録ヘッド一対分の吐出圧発生素子14、14が設け
られたアルミ基板(第1の基体)1上に、液流路予定部
位およびこれに連通する液室予定部位に固体層2をパタ
ーニング等により選択的に形成する。そして、図1の
(b)に示すように、約100ミクロンのスペーサを切
断分離後不要部となる部位に設け、常温硬化性樹脂8を
塗布する。そして、後にインク供給口となる開口4を有
し、表面に耐蝕処理を施したアルミ天板(第2の基体)
5を、図1の(c)に示すように、常温硬化性樹脂8上
に接合する。その後、ダイヤモンドソー等の切断刃によ
って開口4の下方の硬化性樹脂8を固体層2に至るまで
切削する。この切削穴が共通液室10となる(図1の
(d)参照)。このときに、B部に他の機器との接続パ
ッドがある場合には、その上方の硬化性樹脂8も切削に
より除去する。なお、本実施例におけるこれまでの工
程、すなわち、図1の(a)から(d)までの工程は、
図7に示す従来の製造方法における(a)から(d)ま
での工程と同様である。
【0021】次に、図1の(e)に示すように、アルミ
天板(第2の基体)5に設けられている開口4および切
削により形成した共通液室10に補強材15を充填す
る。
【0022】本実施例においては、図1の(d)におけ
る共通液室10の切削工程、ならびに次の工程(f)に
おける液体噴射記録ヘッドの切断分離工程に際して、液
体噴射記録ヘッドを固定保持するために、図2に図示す
る冷凍チャックプレート16を用いる。これは、冷凍チ
ャックプレート16を氷点下にして、被加工物を冷凍チ
ャックプレート16上に氷で保持するものである。第1
の基体1を冷凍チャックプレート16上に載置して固定
し、共通液室10を切削加工で形成した後に、この共通
液室10に水を充填すると直ぐに凍り、補強材15とな
る。
【0023】この後に、対向する一対の記録ヘッドの中
央部において第1の基体1と第2の基体5およびその間
の硬化性樹脂8を(図2に示すように)ダイヤモンドソ
ー等の切断刃によって切断して、2個の液体噴射記録ヘ
ッドに分離する(図1の(f))。この際、共通液室1
0には補強材15としての氷が詰まっているために、第
2の基体(天板)5に変形や剥離を生じさせることなく
切断分離することが可能となる。
【0024】続いて、冷凍チャックプレート16を常温
に戻すと氷は溶け、共通液室10内の補強材がなくなる
とともに、液体噴射記録ヘッドを冷凍チャックプレート
16から取り外すことができる(図1の(g)参照)。
【0025】そして、固体層2を除去液エチルセロソル
ブで除去して吐出口9を形成し、吐出口9および共通液
室10を有する液体噴射記録ヘッド11を得ることがで
きる(図1の(h)参照)。
【0026】本実施例においては、以上のように、チャ
ックプレートと液体噴射記録ヘッドの密着性および補強
材として水を凍らせているが、常温で液体、氷点下で固
体となるその他の材料であっても良い。例えば、特定の
シリコーンオイルを用いることによっても、実現するこ
とができる。このようなシリコーンオイルを用いた場合
には、表面張力が小さいので、よく濡れ広がり、液体噴
射記録ヘッドとチャックプレートの密着力を増加させる
ことができる。
【0027】次に、図3は、本発明の液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法の第2の実施例における各製造工程を示す
もので、本実施例においては、第2の基体5aのインク
供給口となる開口4を予め硬化性樹脂8で充填しておく
点、第2の基体5aとして耐蝕コートをしていないアル
ミ天板を用いている点、および第1の基体1と第2の基
体5aの間に硬化性樹脂8を注入で充填している点で、
先の第1の実施例のものと相違し、また、補強材15と
して氷の代わりに低分子アクリルを用い、そして、スペ
ーサ13としては、固体層2の除去液で除去可能な印刷
材を用いた。
【0028】図3において、液体噴射記録ヘッド一対分
の吐出圧発生素子14、14が設けられたアルミ基板
(第1の基体)1上に、液流路予定部位およびこれに連
通する液室予定部位に固体層2を選択的に形成する(図
3の(a)参照)。そして、図3の(b)に示すよう
に、固体層2を除去する除去液で除去可能な印刷材から
なるスペーサ13を記録ヘッドの近傍に配置する。な
お、本実施例においては、スペーサ13を固体層2の上
に配置したが、アルミ基板(第1の基体)1の両端部に
設けてもよく、あるいは第1の基体1または第2の基体
5aに凸部を設けて、これをスペーサとして用いること
もできる。
【0029】次いで、図3の(c)に示すように、イン
ク供給口となる開口4を硬化性樹脂8で予め充填した第
2の基体5aをスペーサ13上に載置接合する。このよ
うに開口4を硬化性樹脂8で充填することにより、イン
クに接する供給口側面が保護されるので、天板を耐蝕コ
ートを行なう必要がない。そして、第1の基体1および
第2の基体5aの間に硬化性樹脂の注入が可能となる。
【0030】その後に、図3の(d)に示すように、硬
化性樹脂8を第1の基体1および第2の基体5aの間に
注入し、硬化性樹脂8が硬化した後、第2の基体5aに
設けられた開口4に充填した硬化性樹脂8およびその下
方の硬化性樹脂8を、ダイヤモンドソー等の切断刃によ
って、固体層2に至るまで切削し、共通液室10を形成
する(図3の(e)参照)。
【0031】次に、図3の(f)に示すように、切削に
より形成した共通液室10に、低分子アクリルを補強材
15として充填する。そして、対向する一対の液体噴射
記録ヘッドの中央部において第1の基体1と第2の基体
5aおよびその間の硬化性樹脂8をダイヤモンドソー等
の切断刃で切断して、2個の液体噴射記録ヘッドに分離
する(図3の(g)参照)。その後、固定層2とスペー
サ13、さらに補強材である低分子アクリルを、除去液
エチルセロソルブを用いて同時に除去する。この結果、
吐出口9および共通液室10を形成するとともに、第1
の基体1のB部の接続パッドが表面に出る(図3の
(h)参照)。
【0032】また、図4は、本発明の液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法の第3の実施例における各製造工程を示す
もので、本実施例においては、天板(第2の基体)5b
としてインク供給口となる開口を有していない天板を用
いた例であり、安価な天板で、荒いアライメント精度で
の液体噴射記録ヘッドの作製を可能とするものである。
さらに、補強材15は、スペーサ13と同じ印刷材を用
い、固体層2の除去液で除去できるようにした。なお、
補強材としては固体層2と同じポジレジストを用いるこ
ともできる。
【0033】図4において、液体噴射記録ヘッド一対分
の吐出圧発生素子14、14が設けられたアルミ基板
(第1の基体)1上に、液流路予定部位およびこれに連
通する液室予定部位に固体層2を形成する(図4の
(a)参照)。そして図4の(b)に示すように、図3
に示す第2の実施例と同様の印刷材からなるスペーサ1
3を液体噴射記録ヘッドの近傍に配置する。
【0034】次いで、図4の(c)に示すように、イン
ク供給口となる開口を有していない第2の基体5bをス
ペーサ13上に載置接合する。かくして、第1の基体1
および第2の基体5bの間に硬化性樹脂の注入が可能と
なる。
【0035】その後に、図4の(d)に示すように、硬
化性樹脂8を第1の基体1および第2の基体5bの間に
注入し、硬化性樹脂8が硬化した後に、第2の基体5b
においてインク供給口となる部分をダイヤモンドソー等
の切断刃によって切削加工し、この切削穴4bにさらに
硬化性樹脂8を充填する(図4の(e)参照)。
【0036】そして、切削穴4bの加工に用いた切断刃
より巾狭のダイヤモンドソー等の切断刃を用いて、固体
層2に至るまで切削加工して共通液室10を形成する
(図4の(f)参照)。
【0037】次に、図4の(g)に示すように、切削加
工により形成された共通液室10に、補強材15として
の印刷材を充填する。そして、対向する一対の液体噴射
記録ヘッドの中央部において第1の基体1と第2の基体
5bおよびその間の硬化性樹脂8をダイヤモンドソー等
の切断刃で切断して、吐出口の分離を行ない、2個の液
体噴射記録ヘッド11に分離する(図4の(h)参
照)。その後、固定層2とスペーサ13、さらに補強材
15を、除去液エチルセロソルブを用いて同時に除去
し、吐出口9を形成する(図4の(i)参照)。
【0038】以上のように、本発明は、共通液室を切削
した後にその切削箇所に補強材を充填して吐出口の切断
分離を行なうようにしたことにより、吐出口から共通液
室までの距離が非常に短い場合でも、切断分離加工の際
に液体噴射記録ヘッドの天板等に変形や剥離を生じさせ
ることなく、加工を行なうことができる。また、補強材
として、氷やシリコーンオイル、あるいは低分子アクリ
ル、印刷材等を用いることによって、その取扱いが簡単
であり、さらにその除去においても、氷やシリコーンオ
イルを用いる場合は常温に戻すことにより液体として除
去することができ、また、低分子アクリルや印刷材等に
おいても固体層の除去と同時に除去することができる。
【0039】また、上述した3実施例においては、いず
れも共通液室を切削した後にその切削箇所に補強材を充
填して吐出口の切断分離を行なっているが、この逆に、
吐出口の切断分離を先に行ない、その切断箇所に補強材
を充填した上で共通液室の切削を行なうこともできる。
例えば、図1に図示する第1の実施例において、工程
(c)の後に、冷凍チャックプレートに固定して、ダイ
ヤモンドソー等の切断刃によって2個の液体噴射記録ヘ
ッドに切断分離して、その切削箇所に水を充填して凍ら
せて補強材とし、その後に、共通液室を切削により形成
する。このようにしても、上述した3実施例のものと同
様に切削加工時に天板等に変形や剥離を生じさせること
なく、液体噴射記録ヘッドを高歩留まりで製造すること
ができる。
【0040】なお、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0041】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0042】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0043】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0044】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0045】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0046】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0047】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0048】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0049】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0050】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明は、上述のように構成されている
ので、第2の固体層や充填剤を必要とせず、共通液室を
切削により形成する簡略な製造方法で液体噴射記録ヘッ
ドを作製することができ、しかも、吐出口から共通液室
までの距離Lが非常に短い場合でも、切削加工時に天板
等に変形や剥離を生じさせることなく、高歩留まりで液
体噴射記録ヘッドの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第1
の実施例における各製造工程を示す端面図である。
【図2】液体噴射記録ヘッドの製造方法における冷凍チ
ャックプレートを用いた切削加工の一態様を図示する斜
視図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第2
の実施例における各製造工程を示す端面図である。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第3
の実施例における各製造工程を示す端面図である。
【図5】液体噴射記録ヘッドの模式的な斜視図であり、
(a)は基体上に複数本の液体噴射記録ヘッドを作製し
た状態を示し、(b)は切断線に沿って切断して個々の
液体噴射記録ヘッドに分離した状態を示す。
【図6】従来から知られている液体噴射記録ヘッドの製
造方法における各製造工程を図示する図5の(a)にお
けるA−A線に沿った端面図である。
【図7】従来の他の液体噴射記録ヘッドの製造方法にお
ける各製造工程を図示する端面図である。
【符号の説明】
1 第1の基体(基板) 2 固体層 4 開口(インク供給口) 5、5a、5b 第2の基体(天板) 8 硬化性樹脂 9 吐出口 10 共通液室 11 液体噴射記録ヘッド 14 吐出圧発生素子 15 補強材 17 切断刃

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出圧発生素子と少なくとも液流路とな
    る部分を占有する固体層が設けられた基体上に樹脂を塗
    布または注入し、その後に、共通液室を切削加工により
    形成して、液流路となる固体層を除去する工程を有する
    液体噴射記録ヘッドの製造方法において、 共通液室および吐出口のいずれか一方を切削し、該切削
    箇所に補強材を充填し、その後、共通液室および吐出口
    の他方を切削し、そして前記補強材を除去することを特
    徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 補強材が熱可塑性樹脂であることを特徴
    とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 補強材が氷またはシリコーンオイルであ
    ることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001071510A (ja) * 1999-07-02 2001-03-21 Canon Inc 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出記録装置、シリコンプレートの製造方法、およびシリコンプレート

Cited By (2)

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JP4596612B2 (ja) * 1999-07-02 2010-12-08 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッドの製造方法

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