JPH1158627A - 積層板およびその製造方法 - Google Patents
積層板およびその製造方法Info
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- JPH1158627A JPH1158627A JP9227560A JP22756097A JPH1158627A JP H1158627 A JPH1158627 A JP H1158627A JP 9227560 A JP9227560 A JP 9227560A JP 22756097 A JP22756097 A JP 22756097A JP H1158627 A JPH1158627 A JP H1158627A
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Abstract
撃性を損なうことなく、耐候性、透明性および表面性に
優れた積層板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
方の面に、メタクリル樹脂28〜94.8重量%、架橋
アクリル酸エステル系弾性体5〜70重量%および紫外
線吸収剤0.2〜2重量%からなるアクリル系樹脂層を
10〜150μmの厚みで設けた積層板であって、ポリ
カーボネート樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の25
0℃、100s-1のせん断速度における粘度比(A/
B)が1.9以上であることを特徴とする。
Description
製造方法に関し、より詳細には透明性および耐候性に優
れたアクリル樹脂で被覆されたポリカーボネート樹脂積
層板およびその製造方法に関する。本発明の積層板は、
各種グレージング用途、看板、自動車道路の防音壁、自
動販売機の前面板、カーポート等の耐候性が要求される
分野に多岐にわたり使用することができる。
撃性が優れることから、カーポート、看板等に広く使用
されており、今後ますます、その用途は広がっていくも
のと期待されている。しかし、ポリカーボネート樹脂
は、アクリル系樹脂に比べ、耐候性が十分でないため、
直射日光などに曝される屋外用途の場合には、衝撃強度
の低下や黄色変化などの変色が問題視される場合があ
る。これらの問題を改善する方法としては、次のような
方法が提案されている。 ポリカーボネート基板を紫外線吸収剤を含有するア
クリル系樹脂層で被覆する方法(特公昭47−1911
9号公報、特開昭55−59929)。 耐衝撃性変性されたアクリル系樹脂、例えば軟質ア
クリル樹脂を使用することにより、アクリル樹脂層にも
ポリカーボネートに近い柔軟性と耐衝撃性を持たせ、こ
れをポリカーボネート基板に被覆する方法(特開平2−
175245号公報、特開平4−270652号公
報)。
は、耐候性は改善されるものの、ポリカーボネート樹脂
基板に通常のアクリル系樹脂を被覆した積層板はその衝
撃強度が低下するという問題がある。この現象は、衝撃
を受けた際に硬質のアクリル系樹脂層が最初に破断し、
ポリカーボネート層とアクリル樹脂層が十分に密着して
いるのでポリカーボネート樹脂層も衝撃時に共に破断し
てしまうためと推察されている。
板を共押出成形により製造すると、基板層樹脂と被覆層
樹脂の合流部において、両者の界面にて層間不安定現象
が発生するため、良好な表面状態が得にくいという問題
があった。この現象は、アクリル系樹脂層の厚みが薄い
積層板を得ようとする際により明瞭に認められることか
ら、被覆層の薄い場合には表面状態が悪く、このため耐
衝撃性もよいものが得られないこととなる。そしてこの
現象は、特に共押出成形法により積層一体化した後、成
形ロールにてバンク成形を行い表面を鏡面仕上げを行う
際に出やすいものであり、バンクの揺らぎが大きくなっ
た場合には、バンクマーク等のバンク形状に起因する表
面欠点が出やすくなり、良好な表面状態の積層板を得る
ことが困難となるなどの問題があった。
目的は、ポリカーボネート樹脂が本来備えている耐衝撃
性を損なうことなく、耐候性、透明性および表面性に優
れた積層板およびその製造方法を提供することにある。
形により、層間の不安定現象やバンクでの揺らぎを生じ
ることなく、耐衝撃強度に優れた積層板を得るべく、鋭
意検討を重ねた。その結果、基板層として用いるポリカ
ーボネート樹脂と被覆層として用いるアクリル系樹脂の
溶融粘度が特定の関係にある時に、界面不安定現象やバ
ンクでの揺らぎが生じることなく、表面状態の良好な積
層板が得られることを見出し、本発明を完成した。
リカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面に、メタク
リル樹脂28〜94.8重量%、架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体5〜70重量%および紫外線吸収剤0.2〜
2重量%からなるアクリル系樹脂層を10〜150μm
の厚みで設けた積層板であって、ポリカーボネート樹脂
(A)とアクリル系樹脂(B)の250℃、100s-1
のせん断速度における粘度比(A/B)が、1.9以上
である積層板、およびポリカーボネート樹脂と、メタク
リル樹脂28〜94.8重量%、架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体5〜70重量%および紫外線吸収剤0.2〜
2重量%からなる樹脂組成物とを共押出成形して、ポリ
カーボネート樹脂層の少なくとも一方の面にアクリル系
樹脂層を積層一体化し、成形ロールでバンク成形を行
い、厚み10〜150μmのアクリル系樹脂層をポリカ
ーボネート樹脂層上に設けるに際し、250℃、100
s-1のせん断速度におけるポリカーボネート樹脂(A)
とアクリル系樹脂(B)の粘度比(A/B)が1.9以
上の範囲を満足する樹脂を用いる積層板の製造方法によ
って達成することができる。
ボネート樹脂としては、特に制限されず、例えばビスフ
ェノールAを主原料とする炭酸エステル重合物が使用さ
れる。用いるポリカーボネート樹脂の分子量については
特に限定はされないが、通常押出成形により板状体を製
造することから、その粘度平均分子量が15000〜3
0000程度のものが好ましく、また成形性の観点から
250℃、100s-1における溶融粘度が13000〜
60000ポイズ、好ましくは30000〜50000
ポイズのものが望ましい。ポリカーボネート樹脂には、
一般に用いられる各種の添加剤を添加してもよく、該添
加剤としては例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、難燃
剤、着色剤等が挙げられる。ポリカーボネート樹脂層の
厚みとしては、特に制限がないが、グレージンング材用
途としての観点から通常0.5〜15mm、好ましくは
1〜10mmが採用される。
分であるメタクリル樹脂としては、スクリュウ押出機に
て溶融混練してダイから板状に押出すことが可能であれ
ば特に限定されず、例えばメチルメタクリレート単独重
合体またはメチルメタクリレート単位を50重量%以
上、好ましくは80重量%含有する共重合体が挙げられ
る。メチルメタクリレートと共重合可能な他の単量体と
しては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等が挙げられ、これらは単独、あるい
は2種以上で用いることもできる。メタクリル樹脂は、
成形性などの点から、250℃、100s-1における溶
融粘度が5000〜31000ポイズ、好ましくは50
00〜20000ポイズのものが望ましい。メタクリル
樹脂には、一般に用いられる各種の添加剤を添加しても
よく、該添加剤としては例えば酸化防止剤、難燃剤、着
色剤等が挙げられる。メタクリル樹脂の製造方法として
は、特に限定されず、塊状重合、懸濁重合、溶液重合等
の既知の方法を用いることができる。
成分である架橋アクリル酸エステル系弾性体は、積層板
の耐衝撃強度を向上させるために配合するゴム成分であ
る。該架橋アクリル酸エステル系弾性体としては、本発
明の目的である耐衝撃性を阻害しないものであれば特に
制限されず、種々の層構造をもつものが使用可能であ
り、例えば硬質のメタクリル系重合体とゴム状の性質を
有するアクリル酸エステルを主成分とする軟質の架橋重
合体とが層状に構成された2層構造、3層構造、4層構
造を有するものが挙げられる。架橋アクリル酸エステル
系弾性体は、通常2層以上からなる球状構造を有するも
のであり、その平均粒径としては0.1〜0.3μm程
度のものを好ましく用いることができる。
クリル樹脂との溶融混合性などの観点から、種々の層構
造を有する架橋アクリル酸エステル系弾性体をゴム成分
として含有する耐衝撃性メタクリル系樹脂を使用するこ
とが好ましい。例えばアルキル基の炭素数が1〜8のア
ルキルアクリレートの少なくとも1種70〜90重量%
とスチレン単独またはスチレンとその誘導体の混合物
9.9〜29.9重量%ならびにこれと共重合可能な1
分子中に2個以上の二重結合を有する例えばアリルアク
リレート、アリルメタクリレート等の多官能性単量体
0.1〜10重量%を用いて得られた架橋アクリル酸エ
ステル系弾性体ラッテクス、若しくはメチルメタクリレ
ート単位を80重量%以上含む硬質架橋樹脂粒子の外側
に、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレー
トの少なくとも1種70〜90重量%とスチレン単独ま
たはスチレンとその誘導体の混合物9.9〜29.9重
量%ならびにこれと共重合可能な1分子中に2個以上の
二重結合を有する例えばアリルアクリレート、アリルメ
タクリレート等の多官能性単量体0.1〜10重量%を
用いて得られた重合体層を有する架橋アクリル酸エステ
ル系弾性体ラテックスの存在下に、メチルメタクリレー
ト80〜100重量%、アルキル基の炭素数が1〜8の
アルキルアクリレートの少なくとも1種0〜20重量
%、およびこれと共重合可能な他のビニル単量体0〜1
0重量%よりなる単量体混合物を乳化重合することによ
り得ることができる。上記製造方法において、最外層の
メタクリル樹脂成分の量的割合を増加させることによ
り、架橋アクリル酸エステル系弾性体を含有した耐衝撃
性メタクリル系樹脂を1段で製造することもできる。
各層を構成する単量体混合物を、内側の層から逐次重合
させる乳化重合法等が用いられるが、単量体混合物の添
加方法、乳化剤の選択、最外層への連鎖移動剤の添加の
有無などについては特に制限されない。また、耐衝撃性
メタクリル系樹脂中における架橋アクリル酸エステル系
弾性体の割合は20〜70重量%程度とすることが望ま
しい。
層は、その柔軟性、衝撃強度などの観点から、架橋アク
リル酸エステル系弾性体の含有量が10〜70重量%、
好ましくは20〜50重量%であることが必要である。
その含有量が10重量%未満では、ポリカーボネート樹
脂基板の衝撃強度を損なわないだけの柔軟性、衝撃強度
を付与することが困難となる場合があり好ましくなく、
一方、70重量%を超えるとアクリル樹脂の流動性が悪
くなり、溶融押出が困難となる場合があり好ましくな
い。
の耐候性向上を目的として添加されるものであり、その
種類は特に限定されず、例えばベンソトリアゾール系、
ヒンダードアミン系、ベンゾフェノン系等の公知の紫外
線吸収剤から選ばれた1種、あるいは2種以上が用いら
れる。紫外線吸収剤の含有量は、0.2〜2重量%、好
ましくは0.5〜1.5重量%である。添加量が0.2
重量%未満では、屋外使用に耐えうる耐候性を得ること
ができず好ましくない、一方、添加量が2重量%を超え
ても、その添加コストに見合う効果が得られるとは言い
難く、逆に添加量過多により、押出機内でスリップを生
じたり揮発分により成形ロールを汚したりといった弊害
を生じることがあり好ましくない。
性のメタクリル樹脂および紫外線吸収剤を混合する方法
としては、特に制限はなく、例えばタンブラー等でこれ
らの所定量を混合した後これを直接押出機の充填用ホッ
パーに供給する方法、前記の方法で混合した後これを押
出機を通して均一な組成のペレットを作製し、このペレ
ットを押出機の充填用ホッパーに供給する方法等が挙げ
られる。また乳化重合により得られたメタクリル樹脂と
耐衝撃性メタクリル樹脂とをエマルジョン状態で混合
し、これから樹脂成分を噴霧乾燥、凍結乾燥等により取
り出した後、これに紫外線吸収剤を添加混合することも
できる。
層の少なくとも一方の面に、メタクリル樹脂28〜9
4.8重量%、好ましくは28.5〜94.5重量%、
架橋アクリル酸エステル系弾性体5〜70重量%および
紫外線吸収剤0.2〜2重量%からなるアクリル系樹脂
層を10〜150μm、好ましくは50〜120μmの
厚みで設けたものであって、後述するようにポリカーボ
ネート樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の250℃、
100s-1のせん断速度における粘度比(A/B)が
1.9以上であることが必要である。アクリル系樹脂層
の厚みが、10μm未満の場合には耐候性などの点で好
ましくなく、一方、150μmを超える場合には耐衝撃
性などの点で好ましくない。
ては特に限定されないが、例えばポリカーボネート樹脂
と、メタクリル樹脂28〜94.8重量%、好ましくは
28.5〜94.5重量%、架橋アクリル酸エステル系
弾性体5〜70重量%および紫外線吸収剤0.2〜2重
量%からなる樹脂組成物とを共押出成形して、ポリカー
ボネート樹脂層の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂
層を積層一体化し、成形ロールでバンク成形を行い、厚
み10〜150μmのアクリル系樹脂層をポリカーボネ
ート樹脂層上に設けるに際し、後述するように250
℃、100s-1のせん断速度におけるポリカーボネート
樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の粘度比(A/B)
が1.9以上の範囲を満足する樹脂を採用して行うこと
が好ましい。
積層板の製造に用いられる押出装置としては、一般に基
板層を構成するポリカーボネート樹脂を押出す一つのメ
イン押出機と、被覆層を構成するアクリル系樹脂を押出
す1または2以上のサブ押出機により構成され、通常サ
ブ押出機はメイン押出機より小さいものが用いられる。
メイン押出機の温度条件としては、通常230〜280
℃、好ましくは240〜260℃であり、またサブ押出
機の温度条件としては、通常220〜250℃、好まし
くは230〜240℃である。2種以上の溶融樹脂を積
層する方式としては、フィードブロック方式、マルチマ
ニホールド方式等の公知の方法を用いることができる。
この場合、フィードブロックで積層された溶融樹脂は、
Tダイ等のシート成形ダイに導かれ、シート状に成形さ
れた後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッシン
グロール)に流入して、バンクを形成する。該シート状
物は、成形ロール通過中に、鏡面仕上と冷却が行われ
て、積層板が形成される。また、マルチマニホールドダ
イの場合には、該ダイ内で積層された溶融樹脂は、同様
にダイ内部でシート状に成形された後、成形ロールに
て、表面仕上げおよび冷却がおこなわれて、積層板が形
成される。ダイの温度としては、通常220〜270
℃、好ましくは230〜260℃であり、成形ロールの
温度としては、通常100〜160℃、好ましくは11
0〜140℃である。
脂とアクリル系樹脂のような異なる樹脂をフィードブロ
ック方式またはマルチダイ方式にて積層化する場合に
は、溶融樹脂の合流部分で2種の樹脂の界面で、波状の
起伏をもったヒダが発生するといった層間不安定現象が
生じる。この層間不安定現象の原因としては、界面にお
けるせん断応力、界面における法線応力等多層流の不安
定現象という諸説が提唱されていたり、基板層、被覆層
を構成する異種の樹脂の溶融粘度を合わせることで層間
不安定現象が解消されるとした説があったりするが、未
だにその原因が完全に解明されているとは言い難い。ま
た、本発明者らは、ポリカーボネート樹脂およびアクリ
ル系樹脂を積層一体化し、成形ロールでバンク成形をし
ようとすると、バンクでの揺らぎが大きくなり、バンク
マーク、ヒケマーク等のバンクに起因する表面欠陥が生
じやすく、外観の優れた積層板を得ることが容易ではな
いということを幾度となく経験している。
安定現象およびバンクにおける揺らぎなどの問題を解決
するために、基板層に用いるポリカーボネート樹脂およ
び被覆層に用いるアクリル系樹脂に着目して種々検討を
重ねた結果、用いるポリカーボネート樹脂およびアクリ
ル系樹脂の溶融粘度と、層間不安定現象並びにバンクに
おける揺らぎとの間に関係があることを見出した。すな
わち、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の溶融粘
度の比を大きくなるようにすると(すなわち、「ポリカ
ーボネート樹脂の粘度/アクリル系樹脂の粘度」の値を
大きくなるようにすると)層間不安定現象やバンクにお
ける揺らぎに起因するバンク欠陥が抑制される傾向のあ
ることがわかった。
よって、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂の溶融
粘度がある特定の関係を満しているときに、層間不安定
現象並びにバンクにおける揺らぎに起因するバンク欠陥
が、全く発生せず、外観の優れた積層板が得られること
を見出した。すなわち、ポリカーボネート樹脂(A)と
アクリル系樹脂(B)の250℃、100s-1のせん断
速度における粘度比(A/B)が1.9以上、好ましく
は2〜5の場合には層間不安定現象やバンクにおける揺
らぎに起因するバンク欠陥が発生せず、外観の優れた積
層板が得られることを見出したのである。ポリカーボネ
ート樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の250℃、1
00s-1のせん断速度における粘度比(A/B)が1.
9未満の場合には、バンク成形時のバンクの揺らぎが大
きくなり、バンクマーク、ヒケマーク等のバンクに起因
する表面欠陥が発生しやすくなるので好ましくない。ま
た当該粘度比A/Bが1.6より小さくなると、バンク
の揺らぎに起因するバンク欠陥に加えて、ポリカーボネ
ート樹脂とアクリル系樹脂の合流部にて層間不安定現象
が目立つようになり好ましくなく、特に粘度比A/Bが
1に近づくと、ポリカーボネート樹脂とアクリル系樹脂
の合流部にて層間不安定現象が著しくなるうえにバンク
の揺らぎに起因するバンクマーク等の欠陥もより明瞭に
認識されるようになり好ましくない。
するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例
における測定・評価は、次の方法により行った。
ラフ(形式28―125)を用いて(温度範囲:60〜
400℃、バレル径:9.55mmφ)、250℃、1
00s-1のせん断速度の条件下で測定した。
の評価)層間不安定現象ならびにバンクの揺らぎは、得
られた積層板の外観を目視観察して評価した。また成形
ロールでのバンクの揺らぎは、バンクの大きさを意図的
に押出量とポリッシング量とのバランスを調整すること
により増大させ、バンクマーク、ヒケマークの発生のし
やすさから判断した。
脂、メタクリル樹脂、耐衝撃性メタクリル樹脂、紫外線
吸収剤、およびこれらの混合物である樹脂原料を以下に
示す。 (ポリカーボネート樹脂) (a)カリバーPCX−3354(住友ダウ製、粘度平
均分子量22000) (b)レキサン121R(GEプラスチック製、粘度平
均分子量22000) (c)レキサンSP1210(GEプラスチック製、粘
度平均分子量19000) (d)タフロンI−2600K(出光石油化学製、粘度
平均分子量26000)
クリレート単位6重量%のもの、重量平均分子量160
000 (f)メチルメタクリレート単位91.5重量%、メチ
ルアクリレート単位8.5重量%のもの、重量平均分子
量115000 (g)メチルメタクリレート単位92重量%、メチルア
クリレート単位8重量%のもの、重量平均分子量109
000
重合により得られた3層構造重合体ラテックスを凍結
し、融解・乾燥して得られた、架橋アクリル酸エステル
系重合体を74重量%含有する粉体を用いた。 (第1段階)還流冷却器付き反応容器にイオン交換水3
00重量部、ステアリン酸ナトリウム1重量部、N―ラ
ウロイルザルコシン酸ナトリウム0.08重量部を投入
し、撹拌しながら窒素雰囲気下70℃に昇温した後、メ
タクリル酸メチル(MMA)50重量部、アクリル酸メ
チル(MA)2重量部、メタクリル酸アリル(ALM
A)0.15重量部からなる単量体混合物を投入した。
次いで10%過硫酸カリウム(KPS)水溶液0.6重
量部投入し、80℃に昇温し60分間保持した。
スの存在下に、10%KPS水溶液0.3重量部投入し
た後、アクリル酸ブチル28重量部、スチレン5.8重
量部、ALMA0.8重量部からなる単量体混合物を6
0分かけて連続的に添加して、添加終了後30分間保持
した。 (第3段階)次いで第2段階で得られたラテックスの存
在下に、10%KPS水溶液0.4重量部投入した後、
MMA39重量部、MA1重量部、n―オクチルメルカ
プタン0.07重量部からなる単量体混合物を40分か
けて連続的に添加して、添加終了後60分間保持して3
層構造重合体ラテックスを得た(走査型顕微鏡観察の結
果、最終の粒子径は0.212μmであった)。
架橋アクリル酸エステル系弾性体の含有量は40重量
%)。
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
(e)、耐衝撃性メタクリル系樹脂として樹脂(h)お
よび紫外線吸収剤(j)を、(e):(h):(j)=
100重量部:25重量部:0.7重量部の割合でタン
ブラーにて混合し、バレル直径50mm、L/D=30
の押出機を用いて、シリンダーの温度を240℃に設定
し、ペレット化した。
脂(f)、耐衝撃性メタクリル系樹脂として樹脂(i)
および紫外線吸収剤(j)を、(f):(i):(j)
=100重量部:25重量部:0.7重量部の割合でタ
ンブラーにて混合し、バレル直径50mm、スクリュウ
のL/D=30の押出機を用いて、シリンダーの温度を
240℃に設定し、ペレット化した。
脂(g)、耐衝撃性メタクリル系樹脂として樹脂(i)
および紫外線吸収剤(j)を、(g):(i):(j)
=100重量部:25重量部:0.7重量部の割合でタ
ンブラーにて混合し、バレル直径50mm、スクリュウ
のL/D=30の押出機を用いて、シリンダーの温度を
240℃に設定し、ペレット化した。
として樹脂(i)および紫外線吸収剤(j)を、
(i):(j)=100重量部:0.7重量部の割合に
て混合し、バレル直径50mm、スクリュウのL/D=
30の押出機を用いて、シリンダーの温度を240℃に
設定し、ペレット化した。
用いたポリカーボネート樹脂(a)、(b)、(c)、
(d)および積層板の被覆層を形成するアクリル系樹脂
(樹脂原料1)、(樹脂原料2)、(樹脂原料3)、
(樹脂原料4)の250℃、100s-1のせん断速度に
おける溶融粘度を測定した。得られた結果を表1に示
す。
ーボネート樹脂を押出す押出機として、バレル直径65
mm、スクリュウのL/D=28のものを使用し、シリ
ンダー温度の設定温度を260℃とした。また被覆層を
形成するアクリル系樹脂を押出す2個の押出機として
は、いずれもバレル直径50mm、スクリュウのL/D
=30のものを使用し、シリンダー温度を250℃に設
定した。2種類の樹脂を同時に溶融押出し積層する際に
はマルチマニホールドダイ(幅1000mm)を使用
し、ポリカーボネート樹脂層の両側に、アクリル系樹脂
の被覆層を配した2種3層になるように一体化した。温
度240℃のダイ内で積層一体化された樹脂は、温度1
10℃の表面を鏡面仕上げされたポリッシングロールに
導かれ、最初に流入するロール間隙にて、バンクを形成
した後、鏡面ロールを通過する過程において冷却ならび
に表面仕上げを行い、引き取り機で引き取りマスキング
して所望にサイズに切断した。積層板の全体の厚みは、
通常押出されたシート状の溶融樹脂が最初に通過するポ
リッシングロール間隙により決定されるが、本発明では
積層板の全体の厚みが2mmになるように、ポリッシン
グロール間隙を調整した。また、積層板の各層の厚みの
比は、冷却固化後の積層板の各層厚み比を光学顕微鏡で
実測して、所望の層比になるよう2台の押出機の押出量
を適宜調整し、実施例、比較例では、被覆層の厚みが1
00μmの積層板を得た。
脂として樹脂(a)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料1)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した。
脂として樹脂(b)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料2)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した。
脂として樹脂(c)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料3)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した。
脂として樹脂(d)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料4)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した
脂として樹脂(b)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料1)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した。
脂として樹脂(c)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料2)を、上記に製造工程にしたがって押出
し、積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表
2に示した。
脂として樹脂(c)、被覆層のアクリル系樹脂として
(樹脂原料1)を、上記に製造工程にしたがって押出し
て積層板を作製した。得られた積層板の評価結果を表2
に示した。
は、特定の粘度比の関係を有する樹脂を用いたポリカー
ボネート樹脂基板層にアクリル系樹脂を被覆した積層板
であるから、ポリカーボネート樹脂が本来備えている耐
衝撃性を損なうことなく、耐候性、透明性に優れ、かつ
共押出成形に特有の層間不安定現象を生じることなく、
外観の優れた積層板を得ることができ、またバンク成形
をおこなう際の安定性にも優れることから、極めて生産
性よく積層板製造できる方法を提供することができる。
本発明の積層板は、各種グレージング用途、看板、自動
車道路の防音壁、自動販売機の前面板、カーポート等の
耐候性が要求される分野に多岐にわたり好適に使用する
ことができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂層の少なくとも一
方の面に、メタクリル樹脂28〜94.8重量%、架橋
アクリル酸エステル系弾性体5〜70重量%および紫外
線吸収剤0.2〜2重量%からなるアクリル系樹脂層を
10〜150μmの厚みで設けた積層板であって、ポリ
カーボネート樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の25
0℃、100s-1のせん断速度における粘度比(A/
B)が、1.9以上であることを特徴とする積層板。 - 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂と、メタクリル樹
脂28〜94.8重量%、架橋アクリル酸エステル系弾
性体5〜70重量%および紫外線吸収剤0.2〜2重量
%からなる樹脂組成物とを共押出成形して、ポリカーボ
ネート樹脂層の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂層
を積層一体化し、成形ロールでバンク成形を行い、厚み
50〜150μmのアクリル系樹脂層をポリカーボネー
ト樹脂層上に設けるに際し、250℃、100s-1のせ
ん断速度におけるポリカーボネート樹脂(A)とアクリ
ル系樹脂(B)の粘度比(A/B)が1.9以上の範囲
を満足する樹脂を用いることを特徴とする積層板の製造
方法。
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