JPH1158364A - シリコンインゴットのスライス台 - Google Patents

シリコンインゴットのスライス台

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JPH1158364A
JPH1158364A JP23544697A JP23544697A JPH1158364A JP H1158364 A JPH1158364 A JP H1158364A JP 23544697 A JP23544697 A JP 23544697A JP 23544697 A JP23544697 A JP 23544697A JP H1158364 A JPH1158364 A JP H1158364A
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JP
Japan
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silicon
thermal expansion
silicon ingot
slice
sintered body
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Withdrawn
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JP23544697A
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Chiharu Wada
千春 和田
Norihiko Misaki
紀彦 三崎
Makoto Sakamaki
誠 酒巻
Makoto Katagiri
誠 片桐
Koichi Osono
浩一 大園
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Chichibu Onoda Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンインゴットを薄く切断して複数枚の
シリコンウエハを得る際にシリコンインゴットを接着固
定するスライス台において、強度、剛性、耐油性、シリ
コンに近い熱膨張係数、接着剤の剥離性、絶縁性、硬
度、軽量性などの面で優れたものを安価に提供する。 【解決手段】 カルシウムシリケートとリチウムアルミ
ノシリケートを主要構成相とする焼結体で構成する。ウ
ォラストナイト等のカルシウムシリケートにスポジュー
メン等のリチウムアルミノシリケートを内割りで5〜9
5重量%含有する焼結体で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンインゴッ
トを薄く切断して複数枚のシリコンウエハを得る際にシ
リコンインゴットを接着固定するスライス台に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の基板に用いられるシリコンウ
エハの製造に際しては、図1及び図2に示すように、円
柱状のシリコンインゴット1の側部の円弧面をスライス
台2と呼ばれている切断用治具の上部に形成された円弧
面に接着剤で固定した状態で、シリコンインゴット1
を、図3に示すように、ワイヤーソーなどにより薄く櫛
刃状に切断することによって、多数枚のウエハ3が得ら
れる。
【0003】そして、この際、図3に示すように、スラ
イス台2の上部は、インゴット1を完全に切断するため
に、インゴット1と共に切断されるが、スライス台2の
下部は切断されず、スライス台2はその櫛刃状のスライ
ス片4を介して多数枚のウエハ3を一体的に保持するよ
うになっており、これよって、多数枚のウエハ3をスラ
イス台2を介して一体的にハンドリングでき、次工程
で、ウエハ3をスライス台2のスライス片4に固定して
いる接着剤を剥離するようになっている。
【0004】ここでスライス台2には、高強度、高
剛性、シリコンに近い熱膨張係数、耐油性、接着
剤が容易に剥離する(深く浸透しない)、絶縁性、
低硬度、軽量性などの仕様が要求される。それぞれの
仕様の必要性を以下に示す。
【0005】 高強度:スライス台2はシリコンイン
ゴット1と共切りされるため、切断後は図3のようにウ
エハ3と同一の僅かな肉厚のスライス片4の上にウエハ
3が載った状態になっている。そして、この状態で次工
程への運搬が行われるため、強度の低い材質では運搬に
伴うウエハ3の左右への僅かな揺れでスライス片4が根
元から破壊してしまう。 高剛性:同様の理由でヤング率の高い高剛性材質
は、ウエハ3の揺れ自体を抑えられるため、ウエハ3同
士の接触、破損を防止できる。
【0006】 低膨張:ワイヤーソーなどによるウエ
ハ3の切断は極めて高い精度が必要とされ、僅かな温度
変化が寸法精度の狂いになるため、スライス台2の熱膨
張係数はシリコンに近いことが望まれる。 耐油性:切断の際に用いる切削液中の油による材質
劣化・寸法変化が少ないことが望まれる。 剥離性:次工程でスライス台2ごと湯浴槽の中に侵
漬し、接着剤を膨潤させてウエハ3を剥がすため、接着
剤が深く浸透する材質は膨潤しにくく剥離性が悪く好ま
しくない。
【0007】 絶縁性:切断時の通電防止のため、あ
るいはインゴット1の切断完了を電気的に検出するた
め、スライス台2の材質は絶縁材でなくてはならない。 低硬度:スライス台2の硬度が大きすぎると、ワイ
ヤーソーがスライス台2に接した段階で大きな抵抗が生
じ、ワイヤーが歪んで切断精度の低下の原因となる。 軽量性:近年のシリコンウエハ3の大型化に伴い、
セット、搬送などが困難となってきているため、スライ
ス台2はできるだけ軽量のものが好ましい。
【0008】このようなスライス台2の材料として、従
来はカーボンが用いられているが、カーボンは導電性材
料であるため、底面に絶縁材としてガラス板を接着剤で
貼り付けて使用しており、製作が面倒で、カーボン自体
も高価なため、使い捨ての治具としては非常に高価なも
のとなっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カーボンが
抱えている上記問題を解決し、上記〜の要件、特に
の低熱膨張係数、とりわけシリコンに極めて近似した
熱膨張係数を有するシリコンインゴットのスライス台を
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、シリコンインゴットを薄く切断して複数
枚のシリコンウエハを得る際にシリコンインゴットを接
着固定するスライス台を、カルシウムシリケートとリチ
ウムアルミノシリケートを主要構成相とするカルシウム
シリケート焼結体で形成するものである。そして、本発
明は、カルシウムシリケートにリチウムアルミノシリケ
ートが内割で5〜95重量%含有するものを含む。ま
た、本発明は、カルシウムシリケートがウォラストナイ
トを主体とするもの、リチウムアルミノシリケートがス
ポジューメン、スポジューメン固溶体、ユークリプタイ
トの少なくとも1種であるものを含む。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、スライス台の材料
選定に当たり、有機系材料は、上記仕様の熱膨張係数
が極めて大きいため不適と考え、無機系材料を対象に検
討した。無機系材料としては、緻密質な窒化ケイ素、炭
化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどのいわゆるファイ
ンセラミックスが挙げられる。このうち、窒化ケイ素、
炭化ケイ素は熱膨張係数が比較的シリコンに近似してい
るが、の硬度が大きすぎるため対象外とした。アルミ
ナ、ジルコニアも同様である。また、それ以前の問題と
してアルミナ以外のセラミックスは高コストのため、ス
ライス台のような使い捨て加工治具に用いるには、カー
ボン以上に非常に高価である。
【0012】また、接着剤の剥離性、軽量性の観点
から、上記のファインセラミックス材料の多孔質材の可
能性について述べる。焼結体の比重が同じであっても材
質によって理論密度が異なるため(アルミナは3.9g
/cm3、ジルコニアは6.1g/cm3など)、例えば
比較的に軽量の比重2.0の焼結体を得たとしても、ア
ルミナの空隙率は49%、ジルコニアに至っては67%
にも達して、空隙が多くなり、したがって、接着剤が空
隙に入って接着剤の剥離性が悪化する。それゆえ、、
を両立させることは極めて困難と言える。換言すれ
ば、、を満足する材料は、理論密度の小さな材料で
あり、この点、既存材で比較的小さなものは、窒化ケイ
素、炭化ケイ素であるが、これらがの硬度の点で不適
であるのは上述の通りである。
【0013】以上より、無機材料の中で従来のファイン
セラミックス素材で工業的に〜、特にシリコン同等
の熱膨張係数を有するスライス台を得ることは困難であ
ると言える。このよう点に鑑み、本発明者らが選定した
のはできるだけ理論密度が小さい無機材料である。そし
て、1種の材料で熱膨張係数の条件を満たすのは困難な
ため、熱膨張係数の異なる二種以上の化合物を組み合わ
せることを鋭意検討した結果、カルシウムシリケート焼
結体中に、リチウムアルミノシリケートを含有させたも
のが好適であることを見いだし、とくに、カルシウムシ
リケート焼結体中にリチウムアルミノシリケートを内割
で5〜95重量%含有するものがシリコンインゴットの
スライス台として極めて好適であることを見出した。
【0014】用いる原料にも依存するが、リチウムアル
ミノシリケートが5重量%未満の場合は熱膨張係数が大
きくなり、95重量%を超える場合は、逆に熱膨張係数
が小さすぎて、何れも好ましくない。例えばβウォラス
トナイトとβスポジューメンからなる焼結体の場合、シ
リコンの熱膨張係数に近い点で、より好ましいリチウム
アルミノシリケートの含有量は20〜50重量%であ
り、更に好ましい範囲は30〜40重量%である。カル
シウムシリケートとしてはウォラストナイト、リチウム
アルミノシリケートとしてはスポジューメンが、それぞ
れ最も好適である。ウォラストナイトはβ、α型いずれ
も理論密度2.9g/cm3程度で、スポジューメンは
β型で2.4g/cm3、α型で3.1g/cm3程度と
両者共に小さい。
【0015】また、両者の室温付近における熱膨張係数
は、例えばβウォラストナイトとβスポジューメンから
なる焼結体の場合、βウォラストナイトは5×10-6
℃、βスポジューメンは5×10-7/℃、したがって、
上記配合の範囲でシリコンの熱膨張係数2.8×10-6
/℃に近似させられることは勿論、全く同じ熱膨張係数
の焼結体を得ることも可能である。
【0016】上記以外のカルシウムシリケートとして
は、アリット、ベリットなどが含有されていてもよい
が、主成分はウォラストナイトであることが望ましい。
また、リチウムアルミノシリケートとしては、上記スポ
ジューメン以外にスポジューメン固溶体、ユークリプタ
イトなどが好ましい。ユークリプタイトは、天然には殆
ど産せず合成されるものであるため、種々の熱膨張係数
を取りうるが、総じて−100×10-7/℃以上のもの
が多く、上記スポジューメンより相当熱膨張係数が小さ
い。したがって、少量で熱膨張係数をシリコンに近似さ
せることができるが、高コストであることが難点であ
る。
【0017】また、焼成前の原料として用いるカルシウ
ムシリケートとしては、ウォラストナイト、CSH、ト
バモライト、ゾノトライト、その他のカルシウムシリケ
ート結晶鉱物、結晶水和物、非晶質水和物の中の1種以
上のカルシウムシリケートを用いることができる。この
うち、焼成前の成形体比重を高くできる、換言すれば焼
結時の収縮が少なく歪みが少ない、したがって焼結体加
工が少ない点で、ウォラストナイト、特に天然のβウォ
ラストナイトが最も好ましい。
【0018】このほか、高温変態によりウォラストナイ
トになる原料として、ゾノトライト(約700℃以上で
ウォラストナイト)、CaとSiのモル比C/S比が
1.5以下のCSH(カルシウムシリケート水和物の前
駆体であり、C/Sが種々の比率を取りうる非晶質水和
物の総称)が挙げられるが、これらの原料の難点は、嵩
高原料のため、成形体の比重を大きくすることができ
ず、焼結時の収縮が大きく歪みやすいため、焼結体の後
加工に要する労力が大きくなる点である。なお、C/S
≧1.5のCSHではベリット、アリットが析出する
が、C/S≦1.5のCSHは、ウォラストナイトにな
るため、ゾノトライト、ウォラストナイトなどと併用し
て用いることができる。
【0019】また、リチウムアルミノシリケートとして
は、ユークリプタイト、スポジューメン、リチウムオル
ソクレーズ、ペタライト、その他のリチウムアルミノシ
リケート結晶鉱物、リチウムアルミノシリケート結晶化
ガラスの中の一種以上のリチウムアルミノシリケートが
用いることができる。コスト面で特にαスポジューメ
ン、ペタライトが好ましい。スポジューメンは1000
℃付近で高温型のβスポジューメンに、ペタライトはβ
スポジューメン固溶体になる。なお、上述した焼結体の
原料のカルシウムシリケートとリチウムアルミノシリケ
ート及び焼結によりこれらを生成する原料には、不純物
成分を数重量%程度含んでいても構わない。
【0020】以上の原料を固形分換算でリチウムアルミ
ノシリケートの割合が5〜95重量%となるように配合
し、高温で焼成することで、上記〜を満たすシリコ
ンスライス台が得られる。焼成条件は、焼成前の成形体
比重や原料粒度にも依存するが、通常800〜1300
℃が好ましく、より好ましい範囲は900〜1200
℃、更に好ましくは1000〜1100℃の範囲であ
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。(実施例1) 出発原料として、天然鉱物であるαスポジューメン(L
2O:7.5重量%、Al23:25.0重量%、S
iO2:62.5重量%、その他:5.0重量%)を3
5重量%、βウォラストナイト(CaO:44.6重量
%、SiO2:51.0重量%、その他:4.4重量
%)を65重量%を用い、水を分散媒にしたボールミル
にて平均粒度2.0μmに湿式粉砕した。このスラリー
に結合剤として2重量%のPVAを加え、スプレードラ
イヤーにて造粒した後、型に入れ1トン/cm2で10
0×550×35mmの成形体を作製した。そして、5
℃/分の速度で1100℃まで昇温し1時間保持した
後、炉内で冷却し焼結体を得た。
【0022】なお、同時に作製した物性評価用のサンプ
ルについて各特性を評価したところ、熱膨張係数は室温
〜100℃で2.9×10-6/℃でシリコンの熱膨張係
数とほぼ同一、3点曲げ強度は2000kgf/c
2、ビッカース硬度は500kgf/mm2、比重は
2.6であった。また、粉末X線回折装置(リント:リ
ガク〓)により結晶相を確認したところ、この焼結体の
主結晶相はβスポジューメンとβウォラストナイトであ
った。
【0023】上記の焼結体を加工し、図1及び図2に示
す形状のスライス台を作製した。なお、このスライス台
の外形寸法は、8インチ径のシリコンインゴットに対応
し、その上面は、図1に示すように、シリコンインゴッ
トの側部の円弧面に合わせた円弧面に形成してしてあ
る。そして、シリコンインゴットを本実施例のスライス
台に接着剤で接着し、ワイヤーソーで切断し、この後、
スライス台ごと湯浴槽の中に侵漬し、接着剤を膨潤させ
てウエハをスライス台から剥がした。以上の工程におい
て、本実施例のスライス台は先に述べたような問題は全
く認められず、シリコンインゴットのスライス台として
極めて好適であることが確認された。特に、スライス中
の僅かな温度変化に対してワークのシリコンインゴット
とスライス台が全く同一の膨張・収縮挙動を示している
ため、切断寸法精度は従来よりも良好で、ウエハの研磨
などの後工程のコストダウンに大きく貢献するものであ
った。
【0024】なお、実施例及び比較例の評価結果を表1
に示すが、それぞれの評価項目の判断基準は以下の通り
である。 強 度:スライス中、スライス後の次工程への運搬時な
どにおける破壊、ウエハの脱落のなどを考慮し、強度5
00kgf/cm2以上を◎、300以上500kgf
/cm2未満を○、300kgf/cm2未満を×とし
た。 剛 性:スライス後の次工程への運搬時などにおける、
ウエハの揺れを考慮し、揺れが見掛け上全く認められな
いものを◎、ウエハ同士の接触は一切無いが揺れが認め
られるものを○、ウエハ同士が接触するものを×。 耐油性:全く油が染み込まないものを◎、染み込みはあ
るが膨潤による強度劣化・寸法変化などがないものを
○、強度劣化・寸法変化などが起きるものを×。
【0025】熱膨張:シリコンの常温付近の熱膨張係数
2.8×10-6/℃に対し、±1×10-6/℃の範囲に
有るものを◎、±2×10-6/℃の範囲にあるものを
○、これを外れるものを×。 剥離性:接着剤を剥がすための侵漬時間が、従来のカー
ボンより短い〜同等のものを◎、同等〜1.5倍程度で
ウエハの剥離を行なえるものを○、1.5倍以上の時間
を要するものを×。 硬 度:シリコンインゴットの切断が終わり、スライス
台部分を余分に切る場合のワイヤーの摩耗を考慮し、ビ
ッカース硬度が200kgf/mm2以下のものを◎、
200〜900kgf/mm2(シリコンは900kg
f/mm2)のものを○、900kgf/mm2を超える
ものを×。 比 重:2以下を◎、2〜3を○、3以上を×。 絶縁性:当然にその性能を有してるため、特に評価は行
わなかった。また、総合評価は、以上の各項目の評価基
準で、×が無く半分以上◎のものを◎、×が無く◎が半
分未満のものを○、一個でも×のあるものを×とした。
【0026】(実施例2)焼成温度を1000℃とした
以外は、実施例1と全く同様にしてスライス台を作製し
た。このものの熱膨張係数は2.7×10-6/℃でシリ
コンとほぼ同一、強度は500kgf/cm2、ビッカ
ース硬度は150kgf/mm2、比重は1.7であっ
た。なお、粉末X線回折装置(リント:リガク〓)によ
り結晶相を確認したところ、この焼結体の主結晶相はβ
スポジューメンとβウォラストナイトであった。
【0027】(実施例3)表1に示す組成にした以外
は、実施例1と同様である。このものの熱膨張係数は
4.3×10-6/℃で、実施例1、2より大きかった
が、実用上の問題は全く無かった。
【0028】(実施例4)表1に示す組成にした以外
は、実施例1と同様である。このものの熱膨張係数は
0.8×10-6/℃で、実施例1、2より小さかった
が、実用上の問題は全く無かった。
【0029】(実施例5)表1に示す組成にした以外
は、実施例1と同様である。このものの熱膨張係数は
2.1×10-6/℃で、実施例1、2よりやや小さかっ
たが、実用上の問題は全く無かった。
【0030】(実施例6)リチウムアルミノシリケート
として、天然鉱物のペタライト(Li2O:4.2重量
%、Al23:16.6重量%、SiO2:76.8重
量%、その他:2.4重量%)を用い、表1に示す配合
で焼結体を作製した。その他の条件は実施例2と同様で
ある。このものの性能は、実施例2と同等であった。
【0031】(実施例7)リチウムアルミノシリケート
として、市販合成品のβユークリプタイトを用い、カル
シウムシリケートとして、CSH非晶質粉末(C/S=
1.6)を用いた以外は実施例1と同様である。このも
のの性能は、実施例1と同様であった。なお、焼結体結
晶相はβユークリプタイトとβウォラストナイトで、僅
かにベリット(C2S)が認められた。
【0032】(比較例1、2)スポジューメン添加量を
0重量%(比較例1)、100重量%(比較例2)とし
た以外は、実施例1と同様である。0重量%(比較例
1)は熱膨張係数が5×10-6/℃と大きく、100重
量%(比較例2)は熱膨張係数が3.5×10-7/℃と
小さかった。これらを用いて切断したウエハの寸法精度
は実施例に比し劣るものであった。
【0033】(比較例3、4)市販のアルミナ顆粒よ
り、焼成温度を変えることで比重3.83(比較例
3)、比重1.84(比較例4)のアルミナ焼結体を試
作した。前者では硬度の問題が大きく、スライス台にワ
イヤーが接触し始めた段階から異常音が発生し、得られ
たウエハの寸法精度は実施例に比し著しく劣るものであ
った。また比重1.84のものは、焼結体中に接着剤が
深く含浸したため接着剤を剥がす工程が極めて困難であ
った。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によるシリコンインゴットのスラ
イス台は、強度、剛性、耐油性、シリコンに近い熱膨張
係数、接着剤の剥離性、絶縁性、硬度、軽量性など、ス
ライス台に必要とされる仕様を全て満足するものであ
り、しかも、従来のものと比較して使い捨ての治具とし
てきわめて安価に提供でき、シリコンウエハを製造する
上において極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 シリコンインゴットをスライス台に接着した
状態の側面図である。
【図2】 その正面図である。
【図3】 シリコンインゴットが切断された状態の側面
図である。
【符号の説明】
1 シリコンインゴット 2 スライス台 3 シリコンウエハ 4 スライス片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 誠 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 大園 浩一 東京都港区西新橋二丁目14番1号 株式会 社サイマレック内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンインゴットを薄く切断して複数
    枚のシリコンウエハを得る際にシリコンインゴットを接
    着固定するスライス台であって、 カルシウムシリケートとリチウムアルミノシリケートを
    主要構成相とするカルシウムシリケート焼結体からなる
    ことを特徴とするシリコンインゴットのスライス台。
  2. 【請求項2】 カルシウムシリケートがリチウムアルミ
    ノシリケートを内割で5〜95重量%含有することを特
    徴とする請求項1に記載のシリコンインゴットのスライ
    ス台。
  3. 【請求項3】 カルシウムシリケートがウォラストナイ
    トを主体とするものであり、リチウムアルミノシリケー
    トがスポジューメン、スポジューメン固溶体、ユークリ
    プタイトの少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1または2に記載のシリコンインゴットのスライス
    台。
JP23544697A 1997-08-15 1997-08-15 シリコンインゴットのスライス台 Withdrawn JPH1158364A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012015181A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Kyocera Corp 半導体基板の製造方法
EP3502184A1 (en) 2015-01-07 2019-06-26 Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation Polycarbonate resin composition for thin optical component, and thin optical component

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JP2012015181A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Kyocera Corp 半導体基板の製造方法
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