JPH1154141A - 溶融炭酸塩型燃料電池 - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池

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JPH1154141A
JPH1154141A JP9207848A JP20784897A JPH1154141A JP H1154141 A JPH1154141 A JP H1154141A JP 9207848 A JP9207848 A JP 9207848A JP 20784897 A JP20784897 A JP 20784897A JP H1154141 A JPH1154141 A JP H1154141A
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JP
Japan
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cathode
gas
anode
molten carbonate
gas diffusion
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Application number
JP9207848A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kuroe
聡 黒江
Shigenori Mitsushima
重徳 光島
Masashi Yamaga
賢史 山賀
Yuichi Kamo
友一 加茂
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YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCH
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
Original Assignee
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCH
YOYU TANSANENGATA NENRYO DENCHI HATSUDEN SYST GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融炭酸塩型燃料電池において、劣化した電極
を交換することなく、電池性能を回復させることにあ
る。 【解決手段】容器内に溶融炭酸塩を電解質とする電解質
保持板5と、電解質保持板の両側にカソード電極とアノ
ード電極とを配置し、各電極にカソードガス供給路、ア
ノードガス供給路から反応ガスを供給し、カソードガス
供給路、アノードガス供給路に設けた供給バルブを切替
えて、一方側電極の反応ガスを他方側に供給することに
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融炭酸塩型燃料電
池のガス供給路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は溶融炭酸塩を電
解質とする電解質保持板と該電解質保持板を挟んで対向
する1対のガス拡散性電極と、それぞれの該ガス拡散性
電極の前記電解質板と接する面の反対側に設けた1対の
金属集電板、及び該集電板の前記ガス拡散性電極と接す
る面の反対側に反応ガス供給路を形成する流路形成体を
備えた1対のセパレータを具備する単位電池1個以上で
構成されるている。溶融炭酸塩型燃料電池は、一般的に
電解質保持板としてリチウムアルミネート多孔質体、ガ
ス拡散性電極としてカソードには酸化ニッケル系多孔質
体、アノードにはニッケル系多孔質体、電解質としては
炭酸リチウムと炭酸カリウム或いは炭酸ナトリウムの混
合炭酸塩、セパレータ及びガス供給路形成体に高耐食性
金属材料が用いられる。
【0003】溶融炭酸塩型燃料電池は長時間の運転に伴
いカソードの酸化ニッケルが上記電解質保持板中に溶解
し、アノード側の近傍において還元され金属ニッケルと
して析出する現象が生じる。この溶解及び析出によりカ
ソード自身が損耗が消耗してしまう。カソードの消耗に
より、電極反応に関与する表面積が低減するためにカソ
ードにおける反応抵抗が増大する。その結果、カソード
の性能が低下し、単位セルにおいて外部へ取り出すこと
が可能な電圧が低下してしまう。
【0004】カソードの溶解の抑制を目的とした公知例
は、特開平7−37591号公報にカソード材に溶融炭
酸塩中で難溶性のものを使用した発明がある。また、電
気化学(vol,56,p791,1988)及びJ,
Electrochem,Soc(vol.134,p
3035,1987)に炭酸塩にカソード材である酸化
ニッケルの溶解度を低減する効果のあるアルカリ土類金
属を添加し、溶解度を低減する方法の報告がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現状で
はカソードの溶解を完全に防止する方法は確立されてい
ない。また、溶融炭酸塩型燃料電池は電池を構成し、一
度電解質を溶融状態にすると電池構成部材各々は分解す
ることが不可能である。即ち、一度運転を行った溶融炭
酸塩型燃料電池は、その構成材料の一部分が消耗し交換
が必要になった場合、電池全体を新規なものにしなけれ
ばならない。従って、カソードの消耗に伴い電池性能が
劣化し、運転継続不可能になった時点で電池寿命が規制
される。一方、アノードは炭酸塩中に溶出することはな
い。従って、電極に関しては寿命を規制するものはカソ
ードの溶出量である。
【0006】本発明の目的は、消耗したカソードを交換
することなく電池性能を運転初期の状態に復帰させる事
を狙いとしている溶融炭酸塩型燃料電池を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、カソードの溶出が
ある程度進んだ時点でカソード材量を還元しアノード化
すること及びアノードを酸化してカソード化すると共に
両極に供給する反応ガスの極性を反転・交換することに
より、各々の電極を反対の極として使用する。溶出によ
り消耗が進んだカソードに代えてそれまで消耗されてい
ないアノードから新規にカソードを作り出して使用する
ことで、低下した電池性能を運転初期の状態に回復させ
ることが可能になる。
【0008】具体的には,電池運転継続不可能になるま
でカソードの消耗が進行しない時点で、下記(1)から
(3)の操作を行う。また、下記操作は運転温度を保持
したままの状態で行う。
【0009】(1).まずカソード反応ガス供給路のガ
スを遮断し、カソード材である酸化ニッケルを還元可能
なガス(例えばH2を含むもの)をカソード反応ガス供
給路に通気する。還元性のガスにより酸化ニッケルは金
属ニッケルに還元されアノードとして機能可能な状態に
なる。これを再生アノードと称す。
【0010】(2).同時にアノード反応ガス供給路の
ガスを遮断し、アノード材である金属ニッケルを酸化可
能なガス(例えばO2を含むもの)をアノード反応ガス
供給路に通気する。酸化性のガスにより金属ニッケルは
酸化ニッケルに酸化され、かつ溶融炭酸塩中の成分であ
るLiがドープされ、カソードとして機能可能な状態に
なる。これを再生カソードと称す。
【0011】(3).再生アノード及び再生カソードに
それぞれアノード反応ガス及びカソード反応ガスを供給
し、負荷を再生前と正負逆転させることにより、再び溶
融炭酸塩型燃料電池として機能させることができる。再
生カソードはそれまでの材料の消耗が皆無であるので、
消耗量無しの時点から運転を再開することになる。この
操作により電極材料を新規なものと交換する必要がない
ので、結果的に電池寿命を延ばすことになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1に発明の実施例として示した燃料電池
の概略説明図であり、反応ガスの切替操作順に従って
(a),(b),(c)と記述した。
【0013】図1(a)は通常の燃料電池の運転状態を
示してある。燃料電池は容器1X内にカソード1、アノ
ード2、カソードガス供給路3、アノードガス供給路
4、電解質保持板5を基本的構成としている。カソード
ガス供給路3及びアノードガス供給路4は配管3X,4
Xを介してカソード供給槽6Xとアノード供給槽7Xに
連通している。カソードガス供給槽6X及びアノード供
給ガス槽7Xには水素ガス6及び酸素ガス7を充填して
いる。また燃料電池は600〜700℃の温度で運転さ
れ、該温度では炭酸塩(炭酸リチウムおよび炭酸カリウ
ム或いは炭酸ナトリウムの混合塩)が溶融した状態で電
解質保持板5に存在する。使用するアノード2はニッケ
ル粉末を還元焼結して得られる。
【0014】カソード1は還元焼結体を酸化することに
より得られる。通常の溶融炭酸塩型燃料電池ではカソー
ド1およびアノード2のニッケル量がほぼ同量に作製さ
れている。カソード1に水素を供給するためのカソード
追加ガス供給源8及びアノード2に酸素を供給するため
の追加供給源9は、配管3X,4Xに連通している。配
管3X,4Xはカソード及びアノードに反応ガスの供給
を制御するための供給バルブ10,11を具備してい
る。連絡用配管14X,15Xは配管3Xと配管4Xと
の間を連絡している。連絡用配管14X,15Xに供給
バルブ14、15を設け、図1(b)および(c)の再
生アノード16および再生カソード17への反応ガスの
供給を制御している。配管3X,4Xと連通している追
加供給源8及び9は、カソード1の還元及びアノード2
の酸化を促進する媒体を供給し、且つ制御する供給バル
ブ12,13を設けている。
【0015】図1(a)は通常運転時のガスの流れを示
している。通常の運転時はカソードガス供給槽6X及び
アノードガス供給槽7Xからカソードガス供給路3及び
アノードガス供給路4に反応ガスを供給した状態が保た
れており、供給バルブ10及び供給バルブ11以外のバ
ルブは閉じた状態であり、水素ガス6、酸素ガス7以外
のガスは電池内に供給されない。この状態で電池運転を
継続していくと電池性能が低下してくる。電池性能の低
下はカソードが消耗するために生じる。このため次の電
極再生(b)を行う。
【0016】図1(b)は電極再生操作時のガスの流れ
を示している。操作は以下の通りである。まず供給バル
ブ10および供給バルブ11を閉じて水素ガス6、酸素
ガス7からの反応ガスの供給を停止する。次に供給バル
ブ14,15を開き、カソードガス供給路3およびアノ
ードガス供給路4の各々に酸素ガス及び水素ガスを供給
する。この操作によりカソード1に水素、アノード2に
酸素が通気される。
【0017】その結果、酸化ニッケルを主体とするカソ
ードは金属ニッケルに還元され、再生アノード16を形
成する。また、金属ニッケルが主体のアノードは酸化ニ
ッケルに酸化され、再生カソード17を形成する。再生
カソード17はニッケル成分が未溶出であり、初期状態
のカソード1と同等量のニッケルを含んでいる。
【0018】図1(c)は再生アノード16及び再生カ
ソード17を図1(a)の運転状態に復帰するには、操
作(b)の後に供給バルブ14及び供給バルブ15を閉
じ、供給バルブ10及び供給バルブ11を開き、カソー
ドガス供給槽6及びアノードガス供給槽7からの水素ガ
ス6及び酸素ガス7をカソードガス供給路3及びアノー
ドガス供給路4に供給し、再生アノード16を再々生カ
ソード16´に、又再生カソード17を再々アノード1
7´に形成し、図1(a)の運転状態に入る。
【0019】この操作によりにアノード供給槽7Xの酸
素ガス7をカソードガス供給路3に供給して、再々アノ
ード16´を形成する。又カソード供給槽6Xの水素ガ
ス6をアノードガス供給路4に供給して、再々カソード
17´を形成する。この状態は(a)においてガス供給
槽内の反応ガスを交換した状況である。
【0020】再生カソード17は溶出による消耗がない
ので、再生前の消耗した時点でのカソード1よりも表面
積が大きい。従って反応分極が消耗した時点でのカソー
ド1より小さく、運転初期におけるカソード1と同等の
分極値が得られる。一方、再生アノード16は消耗した
カソード1を再生したものであるから、再生前のアノー
ド2よりも表面積が小さい。
【0021】しかし、一般的にアノードは必要最小限の
ニッケル量よりも十分に多量のニッケル原料を用いてお
り、反応に関与する表面積は十分に確保されているた
め、通常の運転条件においてはアノード分極の表面積依
存性はほとんどない。従って、消耗した時点でのカソー
ド1から再生した再生アノード16を用いても、反応分
極は運転初期におけるアノード2と遜色がない。以上
(a)から(c)の操作により電池性能が運転の初期状
態まで回復する。
【0022】このように、本発明の燃料電池によれば、
消耗したカソードを交換することなく電池性能を運転初
期の状態に回復させることができるので、燃料電池は再
生操作を行わなければ、8,000時間の寿命であった
が、本発明の再生後は15,000時間以上も運転継続
可能な見込みがある。
【0023】次に図2より再生アノード16及び再生カ
ソード17の組成をX線回折装置により分析した結果で
ある。同(a)はX軸の金属ニッケル結晶面とY軸の金
属ニッケルのX線回折ピーク強度との関係を示す特性図
である。特性図の所定個所に再生前は酸化ニッケルであ
ったものが、完全に金属ニッケルNiに還元されこと
が、X線回折ピークにより明瞭に認められていることが
わかる。
【0024】また図2(b)は再生カソードのX線回折
チャートである。同(a)はX軸の酸化ニッケル結晶面
とY軸の酸化ニッケルのX線回折ピーク強度との関係を
示す特性図である。特性図の所定個所に酸化ニッケルの
X線回折ピークが明瞭に認められ、再生前は金属ニッケ
ルであったものが、完全に酸化されていることがわか
る。ここで再生カソードにリチウム化酸化ニッケルが形
成したのは炭酸塩中のリチウムが酸化ニッケルの結晶格
子内にドープされ不定比化合物を形成したためである。
この不定比化合物の形成により再生カソードは電子伝導
性を有する。上記のX線回折解析の結果より、図2
(b)の操作により電池運転が可能な電極が再生された
ことがわかる。
【0025】図3にカソードのニッケル溶出による電池
性能の低下、カソードおよびアノードの再生および再生
後の電池の性能の推移を図示した。運転開始時セル電圧
つまり初期性能22は約0.78Vであったが、ニッケ
ルの溶出が進行したため約8,000時間経過時に再生
基準電位23(0.70V)に達した。8,000時間
から10,000の間に図1(b)の再生操作24を行
った。その結果、再生後の電池性能が約0.77Vまで
回復し、ほぼ運転初期の性能まで回復した。25は再生
前後の電池電圧である。
【0026】このように、本発明の燃料電池によれば、
消耗したカソードを交換することなく電池性能を運転初
期の状態に回復させることができる。またこの電池は再
生操作を行わなければ8,000時間の寿命であったの
に対して、本発明を使用した再生後は15,000時間
以上も運転継続可能な見込みがある。
【0027】(実施例2)図4は実施例1の溶融炭酸塩
型燃料電池において図1の(a)ないし(c)の操作を
自動化したシステムである。水素ガス6の追加供給源8
及び酸素ガス7の追加供給源9にガス流量計28,29
とカソード及びアノードのガス量積算計30を設けてい
る。ガス量積算計30は制御部31に接続している。制
御部31はカソード1とアノード2との間の端子電圧V
を検出して、入力する。制御部31からの制御信号が図
6の電磁制御回路34に流れると、電磁制御回路34の
例えば電磁弁10´〜15´の1個例えば電磁弁10´
の開閉について説明する。配管3X内の一対の仕切板3
Yには貫通穴3Zを設け、一対の仕切板3Y間に昇降す
る電磁弁10´を挿入している。
【0028】電磁弁10´を上昇して、貫通穴3Zを開
放して、水素ガス6を流通するには、制御部31からの
制御信号が入力すると、スイッチ31が閉じ、電磁コイ
ル32に直流電源DCからの電流がながれ、電磁石33
が励磁し、バネ34を圧縮しながら、電磁弁10´を上
昇して、貫通穴3Zを開放する。電磁弁10´を上昇す
るときに、バネ34を圧縮しながらエネルギーを蓄積し
ている。前述とは逆に制御部31からの制御信号が無く
なると、スイッチ31が開放し、電磁石33が励磁が無
くなり、バネ34の蓄積エネルギーを釈放して、電磁弁
10´を降下して、貫通穴3Zを塞ぐ。この状態が電磁
弁14´,15´である。
【0029】制御部31からの制御信号を電磁制御回路
34に入力するか否かの基準判断は、図6により説明す
る。図4の電磁弁10´及び11´を開放して水素ガス
6及び酸素ガス7をカソードガス供給路3及びおよびア
ノードガス供給路4に流してカソード1及びアノード2
にNiO及びNiを形成している。この間に電磁弁14
´及び15´は閉じている。この状態でカソード1及び
アノード2は電流密度150(mA/cm2)で後述さ
れている電池電圧の0、8Vで運転している。運転時間
が8000時間を過ぎた頃になると、電池電圧が再生基
準電位23の0、7V近傍に落ちて来る。この0、7V
を制御部31に入力して閉じている電磁弁10´を開放
に切替える。
【0030】そして切替操作41によりバネ34の蓄積
エネルギーを釈放して、電磁弁10´を降下して、貫通
穴3Zを塞ぐと共に、電磁弁14´及び15´を開放し
て水素ガス6及び酸素ガス7をカソードガス供給路3及
びアノードガス供給路4に流して図1の(b)のように
再生アノード16及び再生カソード17であるNi及び
NiOを形成することを、自動的に行なう。この間に負
荷に電力の供給を停止している(図7)。ガスを供給後
に電池性能が約0.72Vから約0.78Vまで回復し
ていることが判る。回復後更に運転時間を8000時間
のばすことが出来た。
【0031】図8は切替操作41を行ないながら平行し
て負荷に電力を供給しながら電極再生42を図り、負荷
に安定した電力を供給できる利点がある。図9はカソー
ド電位が0、7V近傍に落ちはるか手前の5000時間
前後で何回も切替操作41を自動的に行なうことで、燃
料電池の変動を小さく抑える方法を示した。
【0032】自動化に際して上述の他に例えば供給弁に
設けたギアと直流モータの回転軸に設けたギアとを係合
して、直流モータに接続した直流回路のスイッチを入切
して、極性を反転して直流モータを正逆回転し、供給弁
を正逆方向に回転し、供給弁を開閉する。この場合、ス
イッチの入切は上述の制御部より制御回路に制御信号が
出されことは云うまでもない。
【0033】(実施例3)上述は電池電圧が0、8Vか
ら再生基準電池電圧の0、7Vに降下した場合について
説明したが、図10の検出方法もある。即ち、電位参照
電極35、参照電極電位検出端子36およびカソード電
位検出端子37を具備している。電位参照電極35は電
池内の基準電位を与える電極であり、カソード入口ガス
組成O2/CO2/N2=15/30/55の組成の溶融
炭酸塩中での電気化学ポテンシャルを示す。カソード電
位検出端子37はカソード1の電極電位を測定するもの
で、電極の溶出に伴う電極性能の低下すなわち分極の増
加を検出する。
【0034】電位参照電極35は図7に掲載されている
ように電位参照電極35の参照電極電位を零にした時、
電位参照電極35とカソード電位検出端子37との間で
は負荷電流密度150(mA/cm2)で、運転開始時
のカソード基準電位は−0.1(V)であり、運転時間
が8000時間付近になると、−0.2(V)になるの
で、これを検出して制御部31に入力して閉じている電
磁弁10´を開放に切替え、図4,図5と同じ働きを行
なう。
【0035】図11にカソード電極電位の変化を示す。
運転の初期において、最も一般的な運転条件であるカソ
ード反応ガス組成O2/CO2/N2=15/30/5
5、カソードガス利用率=40%、負荷電流密度150
(mA/cm2)でカソード電極電位は−約0.10V
(対参照電極)を示している。またカソードの基準電位
22は運転時間の経過に伴って増加することがわかる。
運転時間約8,000時間において電位が基準値に達し
ている。これを起点として追加ガス供給を開始する。供
給開始後のシステムの動作は実施例5と同様である。ま
た電池性能は実施例5と同様な経過で回復する。
【0036】このように、本発明の実施例によれば、電
極再生を自動化することが出来るようになった。
【0037】
【発明の効果】以上の発明によれば、電池運転により消
耗したカソードを交換することなく電池性能を運転初期
の状態に回復させることができる。また消耗のないアノ
ードを再生してカソード化する事は実質的にはカソード
の許容消耗量が約2倍になるのと等価であるため、電池
の長寿命化に大きな効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(c)は本発明の実施例として示
した溶融炭酸塩型燃料電池の概略説明図である。
【図2】(a)ないし(c)は図1を形成した再生アノ
ードおよび再生カソードの特性図である。
【図3】図1の電池電圧の推移を示す特性図である。
【図4】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池を自動化した概
略説明図である。
【図5】図5に適用した磁気回路図である。
【図6】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池の特性図であ
る。
【図7】図4の溶融炭酸塩型燃料電池の特性図である。
【図8】図4の溶融炭酸塩型燃料電池の特性図である。
【図9】図4の溶融炭酸塩型燃料電池の特性図である。
【図10】本発明の溶融炭酸塩型燃料電池を自動化した
概略説明図である。
【図11】図10の溶融炭酸塩型燃料電池の特性図であ
る。
【符号の説明】 1X…容器、1…カソード、2…アノード、3…カソー
ドガス供給路、4…アノードガス供給路、5…電解質保
持板、6X…カソードガス供給槽、7X…アノードガス
供給槽、10…供給バルブ、11…供給バルブ、12…
供給バルブ、13…供給バルブ、16…再生アノード、
17…再生カソード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山賀 賢史 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に溶融炭酸塩を電解質とする電解
    質保持板と、電解質保持板の両側にガス拡散性電極とを
    配置し、各ガス拡散性電極に供給路から反応ガスを供給
    し、供給路に設けたバルブを切替えて一方側ガス拡散性
    電極の反応ガスを他方側ガス拡散性電極に供給すること
    を特徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。
  2. 【請求項2】 容器内に溶融炭酸塩を電解質とする電解
    質保持板と、電解質保持板の両側にガス拡散性電極とを
    配置し、各ガス拡散性電極に供給路から反応ガスを供給
    し、供給路に設けた自動バルブを自動的に切替えて一方
    側ガス拡散性電極の反応ガスを他方側ガス拡散性電極に
    供給し、自動バルブを自動的に切替えるには、ガス拡散
    性電極間に設けた端子間の電極電圧が0、8Vから0、
    75V以下に降下した電気信号を制御部に入力し、自動
    バルブを自動的に開閉することを特徴とする溶融炭酸塩
    型燃料電池。
  3. 【請求項3】 容器内に溶融炭酸塩を電解質とする電解
    質保持板と、電解質保持板の両側にガス拡散性電極とを
    配置し、各ガス拡散性電極に供給路から反応ガスを供給
    し、供給路に設けた自動バルブを自動的に切替えて一方
    側ガス拡散性電極の反応ガスを他方側ガス拡散性電極に
    供給し、自動バルブを自動的に切替えるには、カソード
    側ガス拡散性電極の入口に設けた電位参照電極とカソー
    ド電位検出端子間の測定した150mA/cm2負荷状
    態で−0.1Vの電極電位が、運転時間と共に−0.2
    Vの切替基準電位になると電気信号を制御部に入力し、
    自動バルブを自動的に開閉することを特徴とする溶融炭
    酸塩型燃料電池。
  4. 【請求項4】 各ガス拡散性電極に連通する供給路に設
    けたバルブを介して、一方側反応ガス源側と他方側ガス
    拡散性電極側との間を連通する第2バルブを有する第2
    供給路を設けたことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれか1項記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
  5. 【請求項5】 両ガス拡散性電極にカソードとアノード
    とを使用し、カソードガス供給路に通常のカソード反応
    ガスであるO2,CO2,N2およびH2O以外の組成
    の任意のガスを供給し、アノードのガス供給路に通常の
    アノード反応ガスであるH2,CO2,H2OおよびN
    2以外の組成の任意のガスを供給することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項記載の溶融炭酸塩型燃
    料電池。
  6. 【請求項6】 両ガス拡散性電極にカソードとアノード
    とを使用し、カソードに供給可能なガスの組成が、常温
    から1000℃の温度範囲において通常のカソード材料
    である金属酸化体を金属へ変質させることが可能な還元
    力を有するガスであるか、又はアノードに供給可能な追
    加ガスの組成が、常温から1000℃の温度範囲におい
    て通常のアノード材料である金属体をその酸化物へ変質
    させることが可能な酸化力を有するガスであることを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の溶融炭
    酸塩型燃料電池。
  7. 【請求項7】 両ガス拡散性電極にカソードとアノード
    とを使用し、カソードが少なくともNi,Cu,Fe,
    Cr,Ag,Coの何れかを含む材料で構成し、アノー
    ドが少なくともNi,Cu,Fe,Cr,Al,Coの
    何れかを含む材料で構成されることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項記載の溶融炭酸塩型燃料電
    池。
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