JPH1154129A - 鉛蓄電池 - Google Patents
鉛蓄電池Info
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- JPH1154129A JPH1154129A JP9219253A JP21925397A JPH1154129A JP H1154129 A JPH1154129 A JP H1154129A JP 9219253 A JP9219253 A JP 9219253A JP 21925397 A JP21925397 A JP 21925397A JP H1154129 A JPH1154129 A JP H1154129A
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- lead
- antimony
- positive electrode
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
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- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉛−カルシウム系合金からなる母材シートに
鉛−アンチモン−錫合金シートを圧着したものが提案さ
れているが、期待通りのメンテナンス・フリー特性は得
られなかった。そのため、アンチモン系合金シートを一
体に圧延・機械加工した鉛−カルシウム−錫系合金から
なる格子を用い、かつ、十分なメンテナンス・フリー特
性と安定したサイクル寿命性能とを有する鉛蓄電池が望
まれていた。 【解決手段】 アンチモン含有量が1.5から7重量%
である鉛−アンチモン系合金からなる薄層を格子断面の
少なくとも1面に有し、エキスパンド加工等の機械加工
によって形成した、鉛−カルシウム−錫系合金からなる
格子を正極に用いた鉛畜電池であって、この正極の格子
桟周囲の活物質密度を3.5g/cm3 以上とし、さら
にその外側の活物質密度を3.4g/cm3 以下とした
鉛蓄電池。
鉛−アンチモン−錫合金シートを圧着したものが提案さ
れているが、期待通りのメンテナンス・フリー特性は得
られなかった。そのため、アンチモン系合金シートを一
体に圧延・機械加工した鉛−カルシウム−錫系合金から
なる格子を用い、かつ、十分なメンテナンス・フリー特
性と安定したサイクル寿命性能とを有する鉛蓄電池が望
まれていた。 【解決手段】 アンチモン含有量が1.5から7重量%
である鉛−アンチモン系合金からなる薄層を格子断面の
少なくとも1面に有し、エキスパンド加工等の機械加工
によって形成した、鉛−カルシウム−錫系合金からなる
格子を正極に用いた鉛畜電池であって、この正極の格子
桟周囲の活物質密度を3.5g/cm3 以上とし、さら
にその外側の活物質密度を3.4g/cm3 以下とした
鉛蓄電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は正極に鉛−カルシウ
ム系合金格子を用いた鉛蓄電池の改良に関するものであ
る。
ム系合金格子を用いた鉛蓄電池の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】現在、鉛蓄電池は自動車用や産業用をは
じめとしてあらゆる分野で用いられており、軽量化、コ
ストダウン、メンテナンス・フリー化、長寿命化、品質
の安定化等が強く求められている。
じめとしてあらゆる分野で用いられており、軽量化、コ
ストダウン、メンテナンス・フリー化、長寿命化、品質
の安定化等が強く求められている。
【0003】鉛蓄電池に用いられている格子合金は鉛−
アンチモン系と鉛−カルシウム−錫系に大別できるが、
特に近年はメンテナス・フリー特性が重要視されてきて
おり、鉛−カルシウム−錫系合金がよく使用されるよう
になってきた。さらに、大形据置用や小型コンシューマ
ー用を中心に流動液のない密閉式鉛蓄電池が急激に増加
しているが、これら密閉式鉛蓄電池の格子はほとんどが
鉛−カルシウム−錫系合金を用いている。
アンチモン系と鉛−カルシウム−錫系に大別できるが、
特に近年はメンテナス・フリー特性が重要視されてきて
おり、鉛−カルシウム−錫系合金がよく使用されるよう
になってきた。さらに、大形据置用や小型コンシューマ
ー用を中心に流動液のない密閉式鉛蓄電池が急激に増加
しているが、これら密閉式鉛蓄電池の格子はほとんどが
鉛−カルシウム−錫系合金を用いている。
【0004】また、鉛−カルシウム−錫系合金を用いた
格子は、従来、重力鋳造法で製造されていたが、近年、
生産性の向上を図るため圧延シートをエキスパンド法あ
るいは打抜き法によって格子に加工することが多くなっ
てきた。
格子は、従来、重力鋳造法で製造されていたが、近年、
生産性の向上を図るため圧延シートをエキスパンド法あ
るいは打抜き法によって格子に加工することが多くなっ
てきた。
【0005】しかし、鋳造格子であれ、あるいは機械加
工した格子であれ、鉛−カルシウム−錫系合金格子を正
極に使用すると、従来の鉛−アンチモン系合金格子を正
極に使用した場合に比べ、減液量が少なくなる等のメン
テナンス・フリー特性は優れているが、特に深い放電を
伴う使用条件の場合に寿命が短くなることがあった。こ
れは、理由は明確ではないが、正極格子と正極活物質と
の間に放電生成物であり、かつ絶縁体でもある硫酸鉛の
層が優先的に形成され、そのため、未反応の活物質が極
板中に残っているにもかかわらず、放電反応が中止して
しまうためと考えられている。
工した格子であれ、鉛−カルシウム−錫系合金格子を正
極に使用すると、従来の鉛−アンチモン系合金格子を正
極に使用した場合に比べ、減液量が少なくなる等のメン
テナンス・フリー特性は優れているが、特に深い放電を
伴う使用条件の場合に寿命が短くなることがあった。こ
れは、理由は明確ではないが、正極格子と正極活物質と
の間に放電生成物であり、かつ絶縁体でもある硫酸鉛の
層が優先的に形成され、そのため、未反応の活物質が極
板中に残っているにもかかわらず、放電反応が中止して
しまうためと考えられている。
【0006】一方、正極に鉛−アンチモン系合金を使用
すると上述のような硫酸鉛の層が形成されにくくなり、
その結果寿命が長くなる。しかし、電池使用中に正極格
子の腐食に伴ってアンチモンが溶出し、その後負極に析
出し、一部はスチビンとなって放出されるものの、残り
は負極板に残存し、水素過電圧を低下させることによっ
て減液量が増えるという欠点がある。
すると上述のような硫酸鉛の層が形成されにくくなり、
その結果寿命が長くなる。しかし、電池使用中に正極格
子の腐食に伴ってアンチモンが溶出し、その後負極に析
出し、一部はスチビンとなって放出されるものの、残り
は負極板に残存し、水素過電圧を低下させることによっ
て減液量が増えるという欠点がある。
【0007】これら両者の利点をうまく生かすため、例
えば特開昭63ー148556公報には鉛−(0.03
〜0.12重量%)カルシウム系合金からなる母材シー
トに鉛−(2〜5重量%)アンチモン−(1〜5重量
%)錫合金シートを圧着したものが提案されている。
えば特開昭63ー148556公報には鉛−(0.03
〜0.12重量%)カルシウム系合金からなる母材シー
トに鉛−(2〜5重量%)アンチモン−(1〜5重量
%)錫合金シートを圧着したものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような電
池を試みた場合においても期待通りのメンテナンス・フ
リー特性が得られる場合とそうでない場合とがあり、安
定して優れたメンテナンス・フリー特性が得られなかっ
た。
池を試みた場合においても期待通りのメンテナンス・フ
リー特性が得られる場合とそうでない場合とがあり、安
定して優れたメンテナンス・フリー特性が得られなかっ
た。
【0009】そのため、アンチモン系合金シートを一体
に圧延・機械加工した鉛−カルシウム−錫系合金からな
る格子を用い、かつ、十分なメンテナンス・フリー特性
と安定したサイクル寿命性能とを有する鉛蓄電池が望ま
れていた。
に圧延・機械加工した鉛−カルシウム−錫系合金からな
る格子を用い、かつ、十分なメンテナンス・フリー特性
と安定したサイクル寿命性能とを有する鉛蓄電池が望ま
れていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明鉛蓄電池は、アン
チモン含有量が1.5から7重量%である鉛−アンチモ
ン系合金からなる薄層を格子断面の少なくとも1面に有
し、エキスパンド加工あるいは打抜き加工等の機械加工
によって形成した、鉛−カルシウム−錫系合金からなる
格子を正極に用い、かつ、この正極の格子桟周囲の活物
質密度を3.5g/cm3 以上とし、さらにその外側の
活物質密度は3.4g/cm3 以下としたことを特徴と
する。
チモン含有量が1.5から7重量%である鉛−アンチモ
ン系合金からなる薄層を格子断面の少なくとも1面に有
し、エキスパンド加工あるいは打抜き加工等の機械加工
によって形成した、鉛−カルシウム−錫系合金からなる
格子を正極に用い、かつ、この正極の格子桟周囲の活物
質密度を3.5g/cm3 以上とし、さらにその外側の
活物質密度は3.4g/cm3 以下としたことを特徴と
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による鉛蓄電池では、アン
チモン含有量が1.5から7重量%の鉛−アンチモン系
合金からなる薄層を格子断面の少なくとも1面に有し、
エキスパンド加工等の機械加工によって形成した鉛−カ
ルシウム−錫系合金からなる格子を正極に用いる。さら
に、活物質密度を、正極の格子桟周囲では3.5g/c
m3 以上とし、その外側では3.4g/cm3 以下とな
るようにする。このようにすることにより、メンテナン
ス・フリー特性が損なわれることなく、優れた容量・サ
イクル性能を有する鉛蓄電池を得ることができる。
チモン含有量が1.5から7重量%の鉛−アンチモン系
合金からなる薄層を格子断面の少なくとも1面に有し、
エキスパンド加工等の機械加工によって形成した鉛−カ
ルシウム−錫系合金からなる格子を正極に用いる。さら
に、活物質密度を、正極の格子桟周囲では3.5g/c
m3 以上とし、その外側では3.4g/cm3 以下とな
るようにする。このようにすることにより、メンテナン
ス・フリー特性が損なわれることなく、優れた容量・サ
イクル性能を有する鉛蓄電池を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0013】まず、鉛−5重量%アンチモン−0.02
重量%セレン合金からなる厚さ3mm,幅85mm,長
さ300mmのブロックを鋳造した。セレンはブロック
鋳造時およびその後の圧延時にひび割れを防ぐために添
加したものである次に、この合金ブロックを2個のロー
ルからなる1組の圧延機で1回に0.1mmづつ圧延
し、最終的に0.3mmのシートとした。圧延時のロー
ル温度は70℃とした。
重量%セレン合金からなる厚さ3mm,幅85mm,長
さ300mmのブロックを鋳造した。セレンはブロック
鋳造時およびその後の圧延時にひび割れを防ぐために添
加したものである次に、この合金ブロックを2個のロー
ルからなる1組の圧延機で1回に0.1mmづつ圧延
し、最終的に0.3mmのシートとした。圧延時のロー
ル温度は70℃とした。
【0014】次に、この圧延シートを幅20mm,長さ
1000mmに切断した後、別に鋳造した厚さ15m
m,幅90mm,長さ1000mmの鉛−0.065重
量%カルシウム−1.5重量%錫−0.008重量%ア
ルミニウム合金製スラブ上に重ねた後、7組の圧延ロー
ルを有する圧延機を用いて厚さ1.1mmまで圧延し
た。なお、アルミニウムはスラブ鋳造中のカルシウムの
酸化損失を防止するために添加したもので、今回は0.
008重量%添加したが、通常0.005〜0.03重
量%程度添加すれば酸化損失に対する効果が得られる。
アルゴンガスで覆うような不活性な雰囲気中で調合する
場合にはアルミニウムは不要である。また、比較のた
め、鉛−アンチモン系合金層を全く有しない母材だけか
らなる従来型の圧延シートも作製した。
1000mmに切断した後、別に鋳造した厚さ15m
m,幅90mm,長さ1000mmの鉛−0.065重
量%カルシウム−1.5重量%錫−0.008重量%ア
ルミニウム合金製スラブ上に重ねた後、7組の圧延ロー
ルを有する圧延機を用いて厚さ1.1mmまで圧延し
た。なお、アルミニウムはスラブ鋳造中のカルシウムの
酸化損失を防止するために添加したもので、今回は0.
008重量%添加したが、通常0.005〜0.03重
量%程度添加すれば酸化損失に対する効果が得られる。
アルゴンガスで覆うような不活性な雰囲気中で調合する
場合にはアルミニウムは不要である。また、比較のた
め、鉛−アンチモン系合金層を全く有しない母材だけか
らなる従来型の圧延シートも作製した。
【0015】なお、鉛−アンチモン−セレン合金圧延シ
ートを鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%
錫−0.008重量%アルミニウム合金製スラブの上に
重ねる前には両者が接する面(鉛−カルシウム系合金ス
ラブおよび鉛ーアンチモン−セレン合金シートとも)の
表面をワイヤーブラシで研磨し、表面の酸化物層を除去
して一体圧延時の密着性を高めた。ロールは一体圧延後
のシート強度の維持等の観点から加熱しなかった。
ートを鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%
錫−0.008重量%アルミニウム合金製スラブの上に
重ねる前には両者が接する面(鉛−カルシウム系合金ス
ラブおよび鉛ーアンチモン−セレン合金シートとも)の
表面をワイヤーブラシで研磨し、表面の酸化物層を除去
して一体圧延時の密着性を高めた。ロールは一体圧延後
のシート強度の維持等の観点から加熱しなかった。
【0016】また、鉛−アンチモン−セレン合金圧延シ
ートを鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%
錫−0.008重量%アルミニウム合金製スラブの上に
重ねる際には,鉛ーアンチモン−セレン合金圧延シート
が、あとで正極活物質で覆われる部分になるようにセッ
トした。
ートを鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%
錫−0.008重量%アルミニウム合金製スラブの上に
重ねる際には,鉛ーアンチモン−セレン合金圧延シート
が、あとで正極活物質で覆われる部分になるようにセッ
トした。
【0017】金属顕微鏡で圧延後の状態を観察すると、
鉛−アンチモン−セレン合金圧延シートは約0.02m
mの厚さになっていた。
鉛−アンチモン−セレン合金圧延シートは約0.02m
mの厚さになっていた。
【0018】その後、得られた圧延シートを用い、レシ
プロ式エキスパンダで加工し、エキスパンド格子を作製
した。
プロ式エキスパンダで加工し、エキスパンド格子を作製
した。
【0019】次に、通常のボールミル式鉛粉を水と希硫
酸とで混練して正極ペーストを作製したが、その際、水
と希硫酸との混合割合を変えて2群のペーストを作製し
た。一群は正極活物質に充電した状態での密度が3.3
〜4.0g/cm3 のもの(A)で、もう一群は正極活
物質に充電した状態での密度が3.0〜3.5g/cm
3 のもの(B)である。これらを表1に示す。
酸とで混練して正極ペーストを作製したが、その際、水
と希硫酸との混合割合を変えて2群のペーストを作製し
た。一群は正極活物質に充電した状態での密度が3.3
〜4.0g/cm3 のもの(A)で、もう一群は正極活
物質に充電した状態での密度が3.0〜3.5g/cm
3 のもの(B)である。これらを表1に示す。
【0020】
【表1】 まず、ペースト(A)を深さ約5cm,幅約30cm,
長さ約50cmの皿状のプラスチック容器に入れ、上述
のエキスパンド格子をペースト(A)中に一旦漬けた後
取り出した。少し乾燥した後、ペースト(B)を通常の
方法で充填し、熟成および乾燥を施して、未化成正極板
を得た。未化成極板の断面の模式図を図1に示す。1は
鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%錫−
0.008重量%アルミニウム合金からなる母材、2は
鉛ー5重量%アンチモン−0.02重量%セレン合金の
薄層、3はペーストA、4はペーストBである。
長さ約50cmの皿状のプラスチック容器に入れ、上述
のエキスパンド格子をペースト(A)中に一旦漬けた後
取り出した。少し乾燥した後、ペースト(B)を通常の
方法で充填し、熟成および乾燥を施して、未化成正極板
を得た。未化成極板の断面の模式図を図1に示す。1は
鉛−0.065重量%カルシウム−1.5重量%錫−
0.008重量%アルミニウム合金からなる母材、2は
鉛ー5重量%アンチモン−0.02重量%セレン合金の
薄層、3はペーストA、4はペーストBである。
【0021】また、得た未化成正極板の種類を表2に示
す。
す。
【0022】
【表2】 一方、鉛−0.065重量%カルシウム−0.5重量%
錫−0.01重量%アルミニウム合金からのみなるエキ
スパンド格子(圧延シート厚さ0.75mm)を作製し
た後常法にしたがって負極板を得た。負極板には通常使
用される添加剤として硫酸バリウム、カーボンおよびリ
グニンを添加した。
錫−0.01重量%アルミニウム合金からのみなるエキ
スパンド格子(圧延シート厚さ0.75mm)を作製し
た後常法にしたがって負極板を得た。負極板には通常使
用される添加剤として硫酸バリウム、カーボンおよびリ
グニンを添加した。
【0023】次にこれらの正極板を4枚、袋状にしたポ
リエチレンセパレータに入れた負極板を5枚用いて開放
形(液式)電池を作製した。試作した電池の内容を表3
に示す。
リエチレンセパレータに入れた負極板を5枚用いて開放
形(液式)電池を作製した。試作した電池の内容を表3
に示す。
【0024】
【表3】 これらの電池をそれぞれ2ヶずつ作製し、各1ヶは5h
R放電(終止電圧1.70V/セル)後、放電電流と同じ電
流で放電電気量の125%を充電するというサイクルを
繰り返した。試験開始時の電解液比重は1.28(20
℃換算)、試験温度は25℃とした。また、容量が初期
の50%以上を有する最大の充放電回数を寿命とした。
R放電(終止電圧1.70V/セル)後、放電電流と同じ電
流で放電電気量の125%を充電するというサイクルを
繰り返した。試験開始時の電解液比重は1.28(20
℃換算)、試験温度は25℃とした。また、容量が初期
の50%以上を有する最大の充放電回数を寿命とした。
【0025】それぞれ他の1ヶの電池では容量を確認し
た後減液特性試験を行った。減液特性試験は75℃水槽
中で2.4V/セルの定電圧で1ヶ月間充電し、試験前
後の電池重量差から減液量を求めるもので、メンテナン
ス・フリー特性の重要な指標になるものである。
た後減液特性試験を行った。減液特性試験は75℃水槽
中で2.4V/セルの定電圧で1ヶ月間充電し、試験前
後の電池重量差から減液量を求めるもので、メンテナン
ス・フリー特性の重要な指標になるものである。
【0026】図2に5hR放電繰返し試験結果を示す。
図2から明らかなように、表面層にアンチモンを含まな
い電池(電池No.8)の寿命はわずか7サイクルであ
ったのに対し、表面層にアンチモンを5重量%含む電池
(電池No.1〜7)のそれはいずれも15〜23サイ
クルと2〜3倍もの寿命を示し、特にB群の活物質密度
が高くなるほど長寿命の傾向が見られた。ただし、B群
の活物質密度が高いもの、特にNo.6電池は寿命性能
は良好なものの容量が低かった。
図2から明らかなように、表面層にアンチモンを含まな
い電池(電池No.8)の寿命はわずか7サイクルであ
ったのに対し、表面層にアンチモンを5重量%含む電池
(電池No.1〜7)のそれはいずれも15〜23サイ
クルと2〜3倍もの寿命を示し、特にB群の活物質密度
が高くなるほど長寿命の傾向が見られた。ただし、B群
の活物質密度が高いもの、特にNo.6電池は寿命性能
は良好なものの容量が低かった。
【0027】容量試験および減液試験結果を表3に示
す。表3から明らかなように、B群のペーストの正極活
物質密度が高くなるほど0.2CAおよび150A放電
とも電池容量が少なくなる。特に、正極活物質密度が
3.5g/cm3 になると急に容量が減少する。そのた
めB群の正極活物質密度は3.4g/cm3 以下が好ま
しい。
す。表3から明らかなように、B群のペーストの正極活
物質密度が高くなるほど0.2CAおよび150A放電
とも電池容量が少なくなる。特に、正極活物質密度が
3.5g/cm3 になると急に容量が減少する。そのた
めB群の正極活物質密度は3.4g/cm3 以下が好ま
しい。
【0028】一方、減液特性試験では、A群(正極格子
周囲の活物質)の活物質密度が3.3g/cm3 になる
と従来品よりも15%も減液量が増加したのに対し、A
群活物質密度が3.5g/cm3 以上であれば表面に鉛
−アンチモン−セレン合金層を有しないものとほとんど
同程度のすぐれた減液特性が得られた。これは格子表面
の鉛−アンチモン−セレン合金層から溶出したアンチモ
ンが、その周囲の正極活物質(A)によって捕らえられ
るが、その際、正極活物質密度が低い、即ち、正極活物
質中の孔の量が多いと、アンチモンが充分捕らえきれず
に電解液中に出ていってしまうものと考えられる。一
旦、電解液中に出てしまうと、アンチモンは負極板に析
出し、それによって負極板の水素過電圧が低下し、定電
圧充電時の電流が増加するものと思われる。
周囲の活物質)の活物質密度が3.3g/cm3 になる
と従来品よりも15%も減液量が増加したのに対し、A
群活物質密度が3.5g/cm3 以上であれば表面に鉛
−アンチモン−セレン合金層を有しないものとほとんど
同程度のすぐれた減液特性が得られた。これは格子表面
の鉛−アンチモン−セレン合金層から溶出したアンチモ
ンが、その周囲の正極活物質(A)によって捕らえられ
るが、その際、正極活物質密度が低い、即ち、正極活物
質中の孔の量が多いと、アンチモンが充分捕らえきれず
に電解液中に出ていってしまうものと考えられる。一
旦、電解液中に出てしまうと、アンチモンは負極板に析
出し、それによって負極板の水素過電圧が低下し、定電
圧充電時の電流が増加するものと思われる。
【0029】上述の電池容量や減液特性を考慮すると、
格子周囲の活物質(A群)の活物質密度は3.5g/c
m3 以上が、その外側の活物質(B群)の活物質密度は
3.4g/cm3 以下が好ましい。
格子周囲の活物質(A群)の活物質密度は3.5g/c
m3 以上が、その外側の活物質(B群)の活物質密度は
3.4g/cm3 以下が好ましい。
【0030】なお、上記実施例では鉛−5重量%アンチ
モン−0.02重量%セレン合金層を母材の片面だけに
一体圧延した例を示したが、これを母材の両面に一体圧
延しても同様の効果が得られた。
モン−0.02重量%セレン合金層を母材の片面だけに
一体圧延した例を示したが、これを母材の両面に一体圧
延しても同様の効果が得られた。
【0031】さらに、用途によっては耐食性や放電放置
後の充電受入性を改善するため、鉛−アンチモン合金表
面層中に砒素あるいは錫をそれぞれ0.02〜0.35
重量%、1〜7重量%程度同時にあるいは単独で追加含
有させることもよい。
後の充電受入性を改善するため、鉛−アンチモン合金表
面層中に砒素あるいは錫をそれぞれ0.02〜0.35
重量%、1〜7重量%程度同時にあるいは単独で追加含
有させることもよい。
【0032】今回はレシプロ式エキスパンド格子の例を
示したが、ロータリ式エキスパンド格子や圧延シートを
打抜いて作製する、いわゆる打抜き格子を正極に用いた
鉛蓄電池、中でも密閉式鉛蓄電池にも本発明が適用でき
ることは言うまでもない。
示したが、ロータリ式エキスパンド格子や圧延シートを
打抜いて作製する、いわゆる打抜き格子を正極に用いた
鉛蓄電池、中でも密閉式鉛蓄電池にも本発明が適用でき
ることは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上、実施例で述べたように、本発明に
よれば、メンテナンス・フリー特性が損なわれることな
く、優れた容量・サイクル性能を有する鉛蓄電池を安定
して提供できるものであり、その工業的価値は甚だ大な
るものである。
よれば、メンテナンス・フリー特性が損なわれることな
く、優れた容量・サイクル性能を有する鉛蓄電池を安定
して提供できるものであり、その工業的価値は甚だ大な
るものである。
【図1】未化成極板断面の模式図
【図2】5hR放電繰返し試験結果
1 鉛−カルシウム−錫−アルミニウム合金からなる母
材 2 鉛−アンチモン−セレン合金の薄層 3 ペーストA 4 ペーストB
材 2 鉛−アンチモン−セレン合金の薄層 3 ペーストA 4 ペーストB
Claims (1)
- 【請求項1】 アンチモン含有量が1.5から7重量%
である鉛−アンチモン系合金からなる薄層を格子断面の
少なくとも1面に有し、エキスパンド加工または打抜き
加工等の機械加工によって形成した、鉛−カルシウム−
錫系合金からなる格子を正極に用いた鉛畜電池であっ
て、該正極の格子桟周囲の活物質密度を3.5g/cm
3 以上とし、さらにその外側の活物質密度を3.4g/
cm3 以下としたことを特徴とする鉛蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9219253A JPH1154129A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 鉛蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9219253A JPH1154129A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 鉛蓄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154129A true JPH1154129A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16732630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9219253A Pending JPH1154129A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 鉛蓄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1154129A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001250562A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP2001291527A (ja) * | 2000-04-05 | 2001-10-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP2006066283A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Furukawa Battery Co Ltd:The | 密閉型鉛蓄電池用正極板および前記正極板を用いた密閉型鉛蓄電池 |
-
1997
- 1997-07-29 JP JP9219253A patent/JPH1154129A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001250562A (ja) * | 2000-03-06 | 2001-09-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP2001291527A (ja) * | 2000-04-05 | 2001-10-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
JP4686808B2 (ja) * | 2000-04-05 | 2011-05-25 | パナソニック株式会社 | 鉛蓄電池 |
JP2006066283A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Furukawa Battery Co Ltd:The | 密閉型鉛蓄電池用正極板および前記正極板を用いた密閉型鉛蓄電池 |
JP4646572B2 (ja) * | 2004-08-27 | 2011-03-09 | 古河電池株式会社 | 密閉型鉛蓄電池用正極板および前記正極板を用いた密閉型鉛蓄電池 |
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