JP2004200028A - 鉛蓄電池極板格子の製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池極板格子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自動車用鉛蓄電池または各種バックアップ用鉛蓄電池などに適した機械的強度および耐食性に優れるPb−Ca−Sn−Al−Ba系合金極板格子を製造する。
【解決手段】Caを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、残部がPbと不可避不純物からなる鉛合金素材に、総圧下率50〜97%の圧延加工、エキスパンド加工、80〜160℃で0.5時間以上加熱する時効硬化処理をこの順に施す鉛蓄電池極板格子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用鉛蓄電池または各種バックアップ用鉛蓄電池などに適したエキスパンド加工による極板格子(以下、エキスパンド極板格子と記す)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池は、電解液中に、活物質を充填した正極と負極の極板格子を交互に配して構成されている。前記極板格子は充放電時の導電機構と活物質を保持する役目を果たすもので、従来から鋳造品が使用されているが、近年、電極の軽量化および高性能化を目的にエキスパンド加工による薄肉の極板格子が実用されつつある。
【0003】
エキスパンド極板格子は、鋳造→圧延→エキスパンド加工の工程により製造されるため、極板格子を構成する鉛合金には、鋳造性、圧延加工性、エキスパンド加工性が要求され、エキスパンド極板格子には、活物質充填時やハンドリング時に変形しない機械的強度が要求される。
【0004】
エキスパンド極板格子には、従来からCaを0.06〜0.10質量%、Snを1.0〜2.0質量%、Alを0.005〜0.04質量%含む鉛合金が用いられてきたが、この鉛合金の極板格子は、自動車用などの苛酷な条件で使用される鉛蓄電池には、機械的強度、耐グロース性および耐食性の点で十分対応できなかった。
【0005】
前記機械的強度および耐食性を改善した極板格子として、例えば、特許文献1にはCaを0.05〜0.12質量%、Snを3質量%以下、Alを0.002〜0.04質量%、Baを0.02質量%以下含む鉛合金からなり、前記CaとBaの特定組織により高度の機械的強度が安定維持される極板格子が開示されている。
更に、本出願人はこれを改良したCaを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、残部がPbと不可避不純物からなる鉛合金およびこれら合金にさらにAg0.005質量%以上0.07質量%以下、Bi0.01質量%以上0.10質量%以下、Tl0.001質量%以上0.05質量%以下のうちの少なくとも1種を添加した鉛合金を提案した。
【0006】
【特許文献1】国際公開第97/30183号パンフレット
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
エキスパンド極板格子は、薄肉のため、寿命に及ぼす腐食の影響が大きく、また正極格子においてはグロースが起き易いという問題がある。
前記グロースは電池使用時に生成する腐食物が原因で起きる伸び変形(クリープ)であり、極板格子の強度が低いほど起き易い。グロ−スが起きると極板格子と活物質との間の電気的接合性が悪化して電池容量が低下し、さらには極板が変形して短絡などの重大事故を引き起こす恐れがある。このため、エキスパンド極板格子には機械的強度と耐食性の向上が強く求められている。
【0008】
一方、自動車用鉛蓄電池は、装備の増加と余分な空間の排除により温度上昇の激しいエンジンルーム内に配され、しかも常に過充電状態におかれる。また環境問題や燃費節減に対応し得るハイブリッド車用鉛蓄電池にあっては、エネルギー密度向上のため12Vから36Vへの高電圧化が予定され、大電流の充放電を高温下で行えるように極板をさらに薄くして表面積を大きくすることが検討されている。また利便性の点からメンテナンスフリー化も要求されている。
【0009】
このような状況下にあって、自動車用鉛蓄電池のエキスパンド極板格子には機械的強度および耐食性の一層の向上が課題とされているが、これらの課題はIT用バックアップ鉛蓄電池やエネルギー貯蔵用鉛蓄電池などにも共通するものである。
しかし、特許文献1に示されるPb−Ca−Ba−Sn−Al系鉛合金等からなる極板格子は鋳造によって得られる鋳造極板格子としては良好であるが、これをエキスパンド極板格子として用いる場合は前記課題が十分には解決されておらず、更なる改良が要望されている。
本発明の目的は、自動車用鉛蓄電池などに十分適用できる、機械的強度および耐食性に優れるエキスパンド極板格子を製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載発明は、Pb−Ca−Ba−Sn−Al系鉛合金または前記鉛合金にAg、Bi、Tlのうちの少なくとも1種を適量含有させた鉛合金の素材に、総圧下率50〜97%の圧延加工、エキスパンド加工、80〜160℃で0.5時間以上加熱する時効硬化処理をこの順に施すことを特徴とする鉛蓄電池極板格子の製造方法である。
【0011】
請求項2記載発明は、Caを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、残部がPbと不可避不純物からなる鉛合金素材に、総圧下率50〜97%の圧延加工、エキスパンド加工、80〜160℃で0.5時間以上加熱する時効硬化処理をこの順に施すことを特徴とする鉛蓄電池極板格子の製造方法である。
【0012】
請求項3記載発明は、Caを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、さらにAg0.005質量%以上0.07質量%以下、Bi0.01質量%以上0.10質量%以下、Tl0.001質量%以上0.05質量%以下のうちの少なくとも1種を含み、残部がPbと不可避不純物からなる鉛合金素材に、総圧下率50〜97%の圧延加工、エキスパンド加工、80〜160℃の温度で0.5時間以上加熱する時効硬化処理をこの順に施すことを特徴とする鉛蓄電池極板格子の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
請求項1記載発明は、Ca、Ba、Sn、Alを適量含む鉛合金または前記鉛合金にAg、Bi、Tlの少なくとも1種を適量含む鉛合金の素材(鋳塊など)に、圧延加工、エキスパンド加工、時効硬化処理をこの順に施す鉛蓄電池極板格子の製造方法であり、前記合金元素は、鉛合金素材を極板格子に加工する製造加工性を高め、また極板格子に要求される機械的強度、耐食性、導電性、活物質の充填性、保持性、品質などを高め、以て、電池寿命を向上させる作用を果たす。
【0014】
請求項1記載発明において、鉛合金素材の圧延加工における総圧下率を50〜97%に規定する理由は、前記総圧下率が50%未満でも97%を超えても鉛合金条の機械的強度が低くなり、その結果、平坦性が低下し、それに伴い格子目に変形が生じるためである。総圧下率が50〜97%であれば、素条は適度な機械的強度を有してエキスパンド加工材は平坦な形状となり、格子目は均一な形状に形成される。それにより、極板格子の変形による短絡事故が防止され、また極板格子に活物質が良好に充填される。
【0015】
本発明において、エキスパンド加工材に時効硬化処理を施す理由は、時効硬化処理により機械的強度を高めて、活物質充填時或いはハンドリング時に極板格子が変形して短絡事故が起きたり、活物質保持性が低下したりするのを防止するためである。前記時効硬化処理条件を80〜160℃に規定する理由は、80℃未満でも160℃を超えても変形防止に必要な機械的強度が十分に得られないためである。
【0016】
この発明で、時効処理時間を0.5時間以上に規定する理由は、0.5時間未満では機械的強度のバラツキが大きくなり安定性に欠けるためである。時効処理時間の上限は生産性の面から5時間程度とするのが望ましい。
【0017】
請求項2記載発明は、前記請求項1記載発明のPb−Ca−Ba−Sn−Al系合金の組成を規定した鉛蓄電池用極板格子の製造方法である。
Caは機械的強度の向上に寄与する。
Caの含有量が0.02質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.05質量%以上では耐食性が低下する。このためCaの含有量は0.02質量%以上0.05質量%未満が望ましい。
Caのより望ましい含有量は0.03〜0.045質量%である。
【0018】
Baは機械的強度の向上に寄与する。
Baの含有量が0.002質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.014質量%を超えると耐食性が低下する。従って0.002〜0.014質量%が望ましい。
CaとBaが共存することにより耐食性が向上し、また極板格子と活物質との界面が緻密化して、腐食層を介した極板格子と活物質との間の導電性が長期に安定して維持されるという新たな効果が発現し電池寿命が一層向上する。
【0019】
Snは湯流れ性を改善して鋳塊品質を高め、また極板格子の機械的強度を向上させる。さらにSnは充放電時に格子界面に溶出して腐食層にドープされ、腐食層に半導体効果を生じさせ極板格子の導電性を高め、電池寿命を向上させる。 Snの含有量が0.4質量%未満ではその効果が十分に得られず、2.5質量%を超えると結晶粒が粗大化して見かけの腐食以上に粒界腐食が進行する。従ってSnの含有量は0.4〜2.5質量%が望ましい。Snのより望ましい含有量は0.6〜2.5質量%である。
【0020】
AlはCaやBaの溶解鋳造時の酸化損失を防止する。Alの含有量が0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.04質量%を超えるとAlがドロスとして析出し、湯流れ性が悪化して鋳塊品質が低下する。従ってその含有量は0.005〜0.04質量%が望ましい。
【0021】
請求項3記載発明は、請求項2記載の鉛合金にAg、Bi、Tlの少なくとも1種を適量含有させたものである。前記Ag、Bi、Tlはいずれも機械的強度、特に高温での耐クリープ特性(耐グロース性)を著しく高める効果を有する。
【0022】
Agの含有量は、0.005質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.07質量%を超えると鋳造時に鋳塊にクラックが生じ易くなる。
従ってAgの含有量は0.005〜0.07質量%が望ましい。
Agのより望ましい含有量は0.01〜0.05質量%である。
【0023】
Biの含有量は、0.01質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.10質量%を超えると耐食性が低下する。従ってBiの含有量は0.01〜0.10質量%が望ましい。
Biのより望ましい含有量は0.03〜0.05質量%である。
【0024】
Tlの含有量は、0.001質量%未満ではその効果が十分に得られず、0.05質量%を超えると耐食性が低下する。従ってTlの含有量は0.001〜0.05質量%が望ましい。
Tlのより望ましい含有量は0.005〜0.05質量%である。
なお、BiおよびTlはAgより安価で経済的である。
【0025】
請求項2、3記載発明において、鉛合金素材の総圧下率を50〜97%に規定する理由、およびエキスパンド加工材に施す時効硬化処理条件を80〜160℃で0.5時間以上に規定する理由は、前記請求項1記載発明の場合と同じ理由である(段落0014〜0016参照)。
【0026】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
表1に示す本請求項2、3記載発明で規定した組成の鉛合金を常法により溶解鋳造して鋳塊とし、この鋳塊を総圧下率75%で圧延して厚さ0.9mmの素条とした。次に、前記素条をエキスパンド加工し、これを所定寸法の極板格子に切り出した。
前記素条について引張強さを調べた。また前記極板格子について平坦度および格子目形状を目視観察して良好(○)または不良(×)を判定した。さらに前記素条について140℃1時間時効硬化処理後の引張強さおよび耐クリープ特性を調べ、前記極板格子の時効硬化処理後の特性を推定した。
【0027】
前記引張試験は、素条から13号B試験片を切り出し、ISO6892に準拠して調べた。耐クリープ特性は素条から幅15mm、長さ150mmの試験片を切り出し、標点間距離80mm、荷重16.4MPa、温度100℃の条件で試験し、500時間経過後の伸び率から良否を判定した。
【0028】
(比較例1)
従来のPb−Ca−Sn−Al系鉛合金について実施例1と同じ条件により素条および極板格子を製造し、実施例1と同じ調査を行った。
結果を表2に示す。
【0029】
【表1】
Figure 2004200028
【0030】
【表2】
Figure 2004200028
【0031】
表2から明らかなように、実施例1(本発明例、No.1〜10)の素条はいずれも引張強さが高く、従って極板格子は平坦度および格子目形状が良好となりた。また前記時効硬化処理後の素条(極板格子)は引張強さおよび耐クリープ特性に優れた。中でもAg、BiまたはTlのいずれかを含むもの(No.8〜10)は耐クリープ特性(耐グロース性)に優れた。
これに対し、比較例1(従来材、No.11)は素条の引張強さが低く、従って極板格子は平坦度および格子目形状が不良となり、時効硬化処理後の素条は引張強さおよび耐クリープ特性が劣った。
【0032】
(実施例2)
表1に示した本発明規定組成のNo.Gの鉛合金を常法により溶解鋳造して鋳塊とし、この鋳塊に、圧延→エキスパンド加工→極板格子切り出しの工程を施した。前記圧延での総圧下率は本発明規定値内で種々に変化させた。前記圧延材(素条)について引張強さを調べ、また極板格子について平坦度および格子目形状を実施例1と同じ方法により調べ、良好(○)または不良(×)を判定した。
【0033】
(比較例2)
前記圧延での総圧下率を本発明規定値外(40、98%)とした他は、実施例2と同じ条件により圧延材(素条)および極板格子を製造し、実施例2と同じ調査、判定を行った。
結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
Figure 2004200028
【0035】
表3から明らかなように、実施例2(本発明例、No.21〜24)の素条はいずれも引張強さが37〜40MPaとなり、極板格子の平坦度および格子目形状が良好となった。
比較例2(No.25、26)では総圧下率が本発明規定値外のため素条の引張強さが低下し、極板格子は平坦度および格子目形状が不良となった。
【0036】
(実施例3)
実施例2で用いたNo.22の極板格子切り出し材に、本発明規定条件で時効硬化処理を施し、引張強さ、耐クリープ特性および活物質充填性を調べ、その良否を判定した。
【0037】
活物質充填性は活物質充填後の極板格子の変形有無により判定した。
即ち、全く変形しないものは極めて良好(◎)、幾分変形したが実用上支障ないものは良好(○)、実用不可な程度に変形したものは不良(×)と判定した。
【0038】
(比較例3)
時効硬化処理を本発明規定外条件で施した他は、実施例3と同じ調査および判定を行った。
結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
Figure 2004200028
【0040】
表4から明らかなように、実施例3(本発明例、No.31〜34)の時効処理後の極板格子は引張強さ、耐クリープ特性および活物質充填性に優れた。
これに対し、比較例3のNo.35、37は時効硬化処理温度が本発明規定値を外れたため引張強さ、耐クリープ特性および活物質充填性が劣った。またNo.36は時効硬化処理時間が短かったため特性のバラツキが大きくなった。
【0041】
(実施例5)
表1に示した本発明規定組成のNo.Gの鉛合金を常法により溶解鋳造して鋳塊とし、この鋳塊を総圧下率50〜97%の範囲内で圧延して厚さ0.9mmの素条とし、次に前記素条をエキスパンド加工し、これを所定寸法の極板格子に切り出し、前記極板格子に時効硬化処理(140℃×1.0時間)を施し、この極板格子に正極ペースト(活物質)を常法により充填し、これを40℃、湿度95%の雰囲気に24時間保持して熟成し、次いで乾燥して正極未化成板とした。次に前記正極未化成板に、従来法で製造した負極未化成板を、ポリエチレンセパレータを介して組み合わせ、さらに比重1.200の希硫酸を加えて電槽化成を行い、D23サイズ、5時間率容量が40Ahの液式鉛蓄電池を製造した。
【0042】
この鉛蓄電池についてJIS D 5301に準じた寿命試験(軽負荷試験)を試験温度75℃の加速条件で行った。
【0043】
(比較例5)
総圧下率を本発明規定外とした他は、実施例5と同じ方法により前記鉛蓄電池を製造し、実施例5と同じ寿命試験を行った。
【0044】
(比較例6)
表1に示す従来組成のNo.Kの鉛合金製極板格子を用いた他は、実施例5と同じ方法により前記鉛蓄電池を製造し、実施例5と同じ寿命試験を行った。
結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
Figure 2004200028
【0046】
表5から明らかなように、本発明方法で製造した極板格子を用いた鉛蓄電池(No.41〜45)は、サイクル寿命が5450〜6000回と高かった。
これに対し、比較例5の鉛蓄電池(No.46、47)は素条の総圧下率が本発明規定値外のため、また比較例6の鉛蓄電池(No.48)は合金組成にBaが含まれていないため、いずれも引張強さが低下し、その結果エキスパンド加工性、活物質の充填性、保持性、耐グロース性などが悪化し、サイクル寿命が低いものとなった。
【0047】
前記寿命試験後の鉛蓄電池を解体し、極板格子の腐食状況を調べたが、本発明方法で製造した極板格子(No.41〜45)は、腐食の形跡は全く認められなかったが、比較例6の鉛蓄電池(No.48)は合金組成にBaが含まれていないため耐食性が低下し部分的に腐食が認められた。
【0048】
(実施例6)
表1に示した本発明規定組成のNo.Iの鉛合金を常法により溶解鋳造して鋳塊とし、この鋳塊を総圧下率86%で圧延して厚さ0.9mmの素条とし、次に前記素条をエキスパンド加工し、これを所定寸法の極板格子に切り出し、前記極板格子に時効硬化処理(140℃×1.0時間)を施し、この極板格子に正極ペーストを常法により充填し、次いで40℃、湿度95%の雰囲気に24時間保持して熟成したのち乾燥して正極未化成板とした。次に前記正極未化成板に従来法で製造した負極未化成板を、ポリエチレン製セパレータを介して組み合わせ、さらに比重1.200の希硫酸を加えて電槽化成を行い、D26サイズの5時間率容量が20Ahの36Vシール式鉛蓄電池を製造した。
この鉛蓄電池についてハイブリッド車での使用パターンを模した寿命試験を試験温度60℃の加速条件で行った。
【0049】
(比較例7)
表1に示す従来組成のNo.Kの鉛合金を用いた他は、実施例6と同じ方法により前記鉛蓄電池を製造し、実施例6と同じ寿命試験を行った。
結果を表6に示す。
【0050】
【表6】
Figure 2004200028
【0051】
表6から明らかなように、本発明方法で製造した極板格子を用いた鉛蓄電池(No.51)はサイクル寿命が85000回と高かった。
これに対し、比較例7の鉛蓄電池(No.52)は合金組成にBaが含まれていないため、極板格子の引張強さが低下し、そのため活物質の保持性が悪化したりグロースが生じたりし、或いは腐食が生じたりしてサイクル寿命が低下した。
【0052】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、活物質の充填性および保持性、耐グロース性、耐食性などに優れる薄肉のエキスパンド極板格子が得られ、この極板格子を用いた鉛蓄電池は、軽量化、高電圧化、高温下での大電流充放電などに対応可能であり、従って自動車(特にハイブリッド車)用、UPS(無停電電源装置)用、IT産業用などの鉛蓄電池に十分適用できる。依って、工業上顕著な効果を奏する。

Claims (3)

  1. Pb−Ca−Ba−Sn−Al系鉛合金または前記鉛合金にAg、Bi、Tlのうちの少なくとも1種を適量含有させた鉛合金の素材に、総圧下率50〜97%の圧延加工、エキスパンド加工、80〜160℃で0.5時間以上加熱する時効硬化処理をこの順に施すことを特徴とする鉛蓄電池極板格子の製造方法。
  2. 鉛合金の素材が、Caを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、残部がPbと不可避不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池極板格子の製造方法。
  3. 鉛合金の素材が、Caを0.02質量%以上0.05質量%未満、Baを0.002質量%以上0.014質量%以下、Snを0.4質量%以上2.5質量%以下、Alを0.005質量%以上0.04質量%以下含み、さらにAg0.005質量%以上0.07質量%以下、Bi0.01質量%以上0.10質量%以下、Tl0.001質量%以上0.05質量%以下のうちの少なくとも1種を含み、残部がPbと不可避不純物からなることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄電池極板格子の製造方法。
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