JPH1154104A - 電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents
電池用セパレータおよびその製造方法Info
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- JPH1154104A JPH1154104A JP9213210A JP21321097A JPH1154104A JP H1154104 A JPH1154104 A JP H1154104A JP 9213210 A JP9213210 A JP 9213210A JP 21321097 A JP21321097 A JP 21321097A JP H1154104 A JPH1154104 A JP H1154104A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ラメラ構造体が進行する方向が一定ではない
多孔質フィルムを厚さ方向に少なくとも2枚積層するこ
とにより、強度異方性を低減した電池用セパレータを得
る。 【解決手段】 溶融押出し、多孔化の工程を経て作製し
た多孔質フィルム3を、押出し方向(MD方向)と切断
方向とが為す角度(θ1、θ2)が一定とならないよう
に切断線2により切断して帯状の多孔質フィルム1を得
る。この多孔質フィルムは、帯の長さ方向(MD方向)
に引き伸ばされ、押出し方向と直交する方向(TD方
向)に進行していたラメラ構造体の進行方向に変化が付
与される。この引き伸ばした多孔質フィルムを少なくと
も2枚積層して電池用セパレータを得る。
多孔質フィルムを厚さ方向に少なくとも2枚積層するこ
とにより、強度異方性を低減した電池用セパレータを得
る。 【解決手段】 溶融押出し、多孔化の工程を経て作製し
た多孔質フィルム3を、押出し方向(MD方向)と切断
方向とが為す角度(θ1、θ2)が一定とならないよう
に切断線2により切断して帯状の多孔質フィルム1を得
る。この多孔質フィルムは、帯の長さ方向(MD方向)
に引き伸ばされ、押出し方向と直交する方向(TD方
向)に進行していたラメラ構造体の進行方向に変化が付
与される。この引き伸ばした多孔質フィルムを少なくと
も2枚積層して電池用セパレータを得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は、正極、セパレータ、負極および電解液を構成要素と
して含むボタン型、円筒型、角型など各種形状を有する
電池に有用なセパレータおよびその製造方法に関するも
のである。
およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しく
は、正極、セパレータ、負極および電解液を構成要素と
して含むボタン型、円筒型、角型など各種形状を有する
電池に有用なセパレータおよびその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の高性能化、ポータブル化が進
むにつれ、これらの電子機器に使用される電池として
は、小型、軽量かつ高エネルギーの電池が望まれてい
る。また、資源の有効利用の観点や使用時の利便性の観
点からは、高容量の二次電池が望まれている。このよう
な観点から、近年になって高エネルギー密度の二次電池
であるニッケル水素電池やリチウムイオン電池が開発さ
れ、実用段階に至っている。これらの電池においては、
フィルム状の正極、負極およびセパレータを積層して構
成した電極群を、捲回していく方法や九十九折りにして
いく方法により体積を縮小した内部構造が採用されてお
り、高エネルギー密度化が図られている。さらなる高エ
ネルギー密度化のために、このような電極群を構成する
各材料は薄膜化されているが、特に、リチウムイオン電
池は、電解液に電導度の低い有機溶媒が使用され電池内
部抵抗が高くなっているために、極材およびセパレータ
の薄膜化が要求されている。
むにつれ、これらの電子機器に使用される電池として
は、小型、軽量かつ高エネルギーの電池が望まれてい
る。また、資源の有効利用の観点や使用時の利便性の観
点からは、高容量の二次電池が望まれている。このよう
な観点から、近年になって高エネルギー密度の二次電池
であるニッケル水素電池やリチウムイオン電池が開発さ
れ、実用段階に至っている。これらの電池においては、
フィルム状の正極、負極およびセパレータを積層して構
成した電極群を、捲回していく方法や九十九折りにして
いく方法により体積を縮小した内部構造が採用されてお
り、高エネルギー密度化が図られている。さらなる高エ
ネルギー密度化のために、このような電極群を構成する
各材料は薄膜化されているが、特に、リチウムイオン電
池は、電解液に電導度の低い有機溶媒が使用され電池内
部抵抗が高くなっているために、極材およびセパレータ
の薄膜化が要求されている。
【0003】リチウムイオン電池は、リチウムやリチウ
ム合金あるいは炭素材料のようなリチウムイオンをドー
プおよび脱ドープ可能な物質を負極に、コバルト酸リチ
ウムのようなリチウム複合酸化物などを正極に用いた非
水電解液二次電池であり、セパレータとしては、25μ
m程度の厚さのポリオレフィン系微多孔フィルムが多用
されている。この電池は、高エネルギー密度であるばか
りでなく、自己放電も少なく、サイクル特性に優れてい
るなど種々の利点を有しているために利用範囲が年々拡
大する傾向にある。
ム合金あるいは炭素材料のようなリチウムイオンをドー
プおよび脱ドープ可能な物質を負極に、コバルト酸リチ
ウムのようなリチウム複合酸化物などを正極に用いた非
水電解液二次電池であり、セパレータとしては、25μ
m程度の厚さのポリオレフィン系微多孔フィルムが多用
されている。この電池は、高エネルギー密度であるばか
りでなく、自己放電も少なく、サイクル特性に優れてい
るなど種々の利点を有しているために利用範囲が年々拡
大する傾向にある。
【0004】ところで、電池用セパレータとして多用さ
れている微多孔フィルムの製造方法としては種々の方法
があるが、一般には、溶融押出しにより非多孔質の前駆
体フィルムを製膜し、熱処理を施した後に、このフィル
ムを製膜方向(以下、「MD方向」という。)に延伸す
る方法が採用される。この方法で製造される微多孔フィ
ルムは、延伸方向と直角方向(以下、「TD方向」とい
う。)に走るラメラ構造体間がMD方向に形成されるフ
ィブリルで連結され、フィブリル間に空孔が形成される
ことによって微多孔化されている。このような構造を有
する微多孔フィルムには、強度異方性があり、MD方向
の機械的強度(以下、単に「強度」という。)は高いが
TD方向の強度は低く、セパレータの裂けが生じ易い。
このようなセパレータの強度異方性は、特にリチウムイ
オン電池用として供される場合には、電極粉などの異物
により電池組立時に微多孔フィルムが裂けて正負極間の
短絡が生じることがあるので問題となっていた。また、
リチウムイオン電池の安全性評価基準には、誤用した場
合を想定した釘差し試験があるが、この試験により想定
されているような場合にもセパレータの裂けが発生して
正・負極間での短絡が生じ易いという問題があった。
れている微多孔フィルムの製造方法としては種々の方法
があるが、一般には、溶融押出しにより非多孔質の前駆
体フィルムを製膜し、熱処理を施した後に、このフィル
ムを製膜方向(以下、「MD方向」という。)に延伸す
る方法が採用される。この方法で製造される微多孔フィ
ルムは、延伸方向と直角方向(以下、「TD方向」とい
う。)に走るラメラ構造体間がMD方向に形成されるフ
ィブリルで連結され、フィブリル間に空孔が形成される
ことによって微多孔化されている。このような構造を有
する微多孔フィルムには、強度異方性があり、MD方向
の機械的強度(以下、単に「強度」という。)は高いが
TD方向の強度は低く、セパレータの裂けが生じ易い。
このようなセパレータの強度異方性は、特にリチウムイ
オン電池用として供される場合には、電極粉などの異物
により電池組立時に微多孔フィルムが裂けて正負極間の
短絡が生じることがあるので問題となっていた。また、
リチウムイオン電池の安全性評価基準には、誤用した場
合を想定した釘差し試験があるが、この試験により想定
されているような場合にもセパレータの裂けが発生して
正・負極間での短絡が生じ易いという問題があった。
【0005】このような微多孔フィルムの強度異方性の
原因は、前述した微多孔フィルムの構造にある。すなわ
ち、MD方向の強度は、延伸により十分に伸張されたフ
ィブリルで保たれるのに対し、TD方向については、M
D方向に配向した状態で九十九折り状になっているラメ
ラ構造体を形成する分子鎖がTD方向に引張ると抵抗な
くほどけるので、強度が十分に保持できない。
原因は、前述した微多孔フィルムの構造にある。すなわ
ち、MD方向の強度は、延伸により十分に伸張されたフ
ィブリルで保たれるのに対し、TD方向については、M
D方向に配向した状態で九十九折り状になっているラメ
ラ構造体を形成する分子鎖がTD方向に引張ると抵抗な
くほどけるので、強度が十分に保持できない。
【0006】かかる強度異方性を低減するべく、特開昭
49−130978号公報では、1軸方向に延伸された
2枚以上の微多孔フィルムを配向方向が交差するように
積層した微多孔フィルムが提案されている。
49−130978号公報では、1軸方向に延伸された
2枚以上の微多孔フィルムを配向方向が交差するように
積層した微多孔フィルムが提案されている。
【0007】また、特開平8−236098号公報で
は、管状の非多孔質前駆体フィルムを作製し、多孔質化
の後、螺旋状に切断して微多孔フィルムを作製し、2枚
の微多孔フィルムを配向方向が交差するように貼り合わ
せる方法が提案されている。
は、管状の非多孔質前駆体フィルムを作製し、多孔質化
の後、螺旋状に切断して微多孔フィルムを作製し、2枚
の微多孔フィルムを配向方向が交差するように貼り合わ
せる方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
49−130978号公報に記載の提案は、所謂ボタン
型電池やコイン型電池に用いられるような小寸法セパレ
ータには比較的有効であるが、リチウムイオン電池に多
用される捲回型電極に必要な長尺のセパレータを得るた
めには、セパレータの面積歩留りが悪くなるばかりでは
なく、場合によっては、適切な強度で実使用の寸法のセ
パレータが得られないことがあって不都合であった。
49−130978号公報に記載の提案は、所謂ボタン
型電池やコイン型電池に用いられるような小寸法セパレ
ータには比較的有効であるが、リチウムイオン電池に多
用される捲回型電極に必要な長尺のセパレータを得るた
めには、セパレータの面積歩留りが悪くなるばかりでは
なく、場合によっては、適切な強度で実使用の寸法のセ
パレータが得られないことがあって不都合であった。
【0009】また、特開平8−236098号公報に記
載の方法によれば、長尺で高強度の微多孔フィルムが得
られるが、非多孔質前駆体フィルムを管状に製膜しなけ
ればならず、さらに、管状フィルムを螺旋状に切断する
ために特殊な装置を必要とするという制限があった。加
えて、螺旋状に切断したフィルムは、その原因は明らか
ではないが、一般にフラット性が悪くなることが知られ
ており、このようなフィルムを2枚貼り合わせた電池用
セパレータはフラット性が十分ではないという問題があ
った。
載の方法によれば、長尺で高強度の微多孔フィルムが得
られるが、非多孔質前駆体フィルムを管状に製膜しなけ
ればならず、さらに、管状フィルムを螺旋状に切断する
ために特殊な装置を必要とするという制限があった。加
えて、螺旋状に切断したフィルムは、その原因は明らか
ではないが、一般にフラット性が悪くなることが知られ
ており、このようなフィルムを2枚貼り合わせた電池用
セパレータはフラット性が十分ではないという問題があ
った。
【0010】本発明は、かかる事情に鑑み、強度異方性
が小さく、かつフラット性などにおいても基本的に問題
がなく、捲回型電池など長尺のセパレータを必要とする
電池にも適用可能な電池用セパレータ、およびかかる電
池用セパレータを製造する方法であって、管状フィルム
を切断する際に必要とされるような特殊な装置を要しな
い製造方法を提供することを目的とする。
が小さく、かつフラット性などにおいても基本的に問題
がなく、捲回型電池など長尺のセパレータを必要とする
電池にも適用可能な電池用セパレータ、およびかかる電
池用セパレータを製造する方法であって、管状フィルム
を切断する際に必要とされるような特殊な装置を要しな
い製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者が鋭意検討の結果
完成した本発明の電池用セパレータの製造方法は、1軸
方向に配向した多孔質フィルムを、前記1軸方向に対し
て切断方向が為す角度が一定とならないように帯状に切
断していく工程と、切断した帯状の多孔質フィルムを帯
の長さ方向に延伸する工程と、延伸した多孔質フィルム
をその厚さ方向に2枚以上積層する工程とを含むことを
特徴とする。
完成した本発明の電池用セパレータの製造方法は、1軸
方向に配向した多孔質フィルムを、前記1軸方向に対し
て切断方向が為す角度が一定とならないように帯状に切
断していく工程と、切断した帯状の多孔質フィルムを帯
の長さ方向に延伸する工程と、延伸した多孔質フィルム
をその厚さ方向に2枚以上積層する工程とを含むことを
特徴とする。
【0012】この製造方法によれば、強度異方性の小さ
い電池用セパレータを簡便に、かつ特殊な装置を必要と
することなく得ることができる。いわゆる1軸配向(単
軸配向)した多孔質フィルムをこの配向方向に対して切
断方向が為す角度が一定とならないように帯状に切断す
れば、切断された多孔質フィルムは切断辺が一本の直線
にはならないが、このフィルムは、帯の長さ方向に引張
応力を負荷して引き伸ばされることにより形状が適宜矯
正され、かつフィルム面内においてラメラ構造体が進行
する方向に変化が与えられて同方向が一定ではなくな
る。そして、ラメラ構造体の進行する方向が一定ではな
い多孔質フィルムを厚さ方向に2枚以上重ね合わせるこ
とにより、得られる電池用セパレータの強度異方性は低
減される。また、この方法によれば、平板状のフィルム
から容易に長尺のセパレータを得ることができる。さら
に、この方法によれば、管状体を切り開く必要がないた
め、得られるセパレータのフラット性にも基本的に問題
は生じない。
い電池用セパレータを簡便に、かつ特殊な装置を必要と
することなく得ることができる。いわゆる1軸配向(単
軸配向)した多孔質フィルムをこの配向方向に対して切
断方向が為す角度が一定とならないように帯状に切断す
れば、切断された多孔質フィルムは切断辺が一本の直線
にはならないが、このフィルムは、帯の長さ方向に引張
応力を負荷して引き伸ばされることにより形状が適宜矯
正され、かつフィルム面内においてラメラ構造体が進行
する方向に変化が与えられて同方向が一定ではなくな
る。そして、ラメラ構造体の進行する方向が一定ではな
い多孔質フィルムを厚さ方向に2枚以上重ね合わせるこ
とにより、得られる電池用セパレータの強度異方性は低
減される。また、この方法によれば、平板状のフィルム
から容易に長尺のセパレータを得ることができる。さら
に、この方法によれば、管状体を切り開く必要がないた
め、得られるセパレータのフラット性にも基本的に問題
は生じない。
【0013】なお、前記方法における、多孔質フィルム
を引き伸ばす工程と、多孔質フィルムを積層する工程と
を、実質的に同一の工程として実施する(すなわち、多
孔質フィルムを延伸しながら積層する工程とする)こと
が好ましい。
を引き伸ばす工程と、多孔質フィルムを積層する工程と
を、実質的に同一の工程として実施する(すなわち、多
孔質フィルムを延伸しながら積層する工程とする)こと
が好ましい。
【0014】また、前記方法においては、多孔質フィル
ムの切断方向を不規則に変化させてもよいが、前記1軸
方向に対して切断方向が為す角度を、前記1軸方向を基
準としてθ(−180°<θ≦180°)で表したとき
に、θの正負が略周期的に変化するように多孔質フィル
ムを切断することが好ましい。
ムの切断方向を不規則に変化させてもよいが、前記1軸
方向に対して切断方向が為す角度を、前記1軸方向を基
準としてθ(−180°<θ≦180°)で表したとき
に、θの正負が略周期的に変化するように多孔質フィル
ムを切断することが好ましい。
【0015】この好ましい例によれば、ラメラ構造体が
進行する方向の変化を大きくすることが可能となり、ま
た、長尺のセパレータを得ることがさらに容易となる。
進行する方向の変化を大きくすることが可能となり、ま
た、長尺のセパレータを得ることがさらに容易となる。
【0016】具体的には、前記方法において、多孔質フ
ィルムを切断する軌跡が前記1軸方向を基準軸とする周
期関数により示され、この周期関数が下記の関係を満た
すことが好ましい。 H/λ≧0.02 ただし、Hは前記周期関数の振幅、λは前記周期関数の
波長である。
ィルムを切断する軌跡が前記1軸方向を基準軸とする周
期関数により示され、この周期関数が下記の関係を満た
すことが好ましい。 H/λ≧0.02 ただし、Hは前記周期関数の振幅、λは前記周期関数の
波長である。
【0017】この好ましい例によれば、ラメラ構造体が
進行する方向の変化をさらに大きくすることができて、
強度異方性を十分に低減することが可能となる。
進行する方向の変化をさらに大きくすることができて、
強度異方性を十分に低減することが可能となる。
【0018】また、本発明の電池用セパレータは、帯状
の多孔質フィルムを厚さ方向に2枚以上積層した電池用
セパレータであって、前記多孔質フィルムの少なくとも
2枚は、フィルム面内をラメラ構造体が進行する方向が
一定ではないことを特徴とする。
の多孔質フィルムを厚さ方向に2枚以上積層した電池用
セパレータであって、前記多孔質フィルムの少なくとも
2枚は、フィルム面内をラメラ構造体が進行する方向が
一定ではないことを特徴とする。
【0019】この電池用セパレータは、ラメラ構造体が
進行する方向が一定ではない多孔質フィルムを少なくと
も2枚積層して構成されているため、強度異方性が低減
されている。
進行する方向が一定ではない多孔質フィルムを少なくと
も2枚積層して構成されているため、強度異方性が低減
されている。
【0020】前記電池用セパレータの強度異方性は、具
体的には、帯の幅方向の引張強度に対する帯の長さ方向
の引張強度の比が5以下である程度に低減されているこ
とが好ましい。
体的には、帯の幅方向の引張強度に対する帯の長さ方向
の引張強度の比が5以下である程度に低減されているこ
とが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電池用セパレータの製造
方法は、その一実施形態において以下の諸工程により実
施される。 (a)溶融押出により非多孔質の前駆体フィルムを製膜
する工程 (b)前駆体フィルムを前記溶融押出の方向と同一方向
に延伸し多孔質化して多孔質フィルムとする工程 (c)前記方向を基準方向として、多孔質フィルムを、
切断方向と基準方向との間の角度が一定とならないよう
に切断方向を定めて切断する工程 (d)切断した多孔質フィルムを前記基準方向に引張応
力を負荷して多孔質フィルムを延伸する工程 (e)延伸した多孔質フィルムをフィルムの厚さ方向に
少なくとも2層付設する工程
方法は、その一実施形態において以下の諸工程により実
施される。 (a)溶融押出により非多孔質の前駆体フィルムを製膜
する工程 (b)前駆体フィルムを前記溶融押出の方向と同一方向
に延伸し多孔質化して多孔質フィルムとする工程 (c)前記方向を基準方向として、多孔質フィルムを、
切断方向と基準方向との間の角度が一定とならないよう
に切断方向を定めて切断する工程 (d)切断した多孔質フィルムを前記基準方向に引張応
力を負荷して多孔質フィルムを延伸する工程 (e)延伸した多孔質フィルムをフィルムの厚さ方向に
少なくとも2層付設する工程
【0022】(a)工程における溶融押出の方法として
は、Tダイ製膜法やブロー製膜法など従来から知られて
いる方法を特に制限されることなく採用できるが、厚さ
精度が良好なTダイ製膜法が好ましい。この(a)工程
においては、フィルムを管状に成膜する必要がなく、平
板状に成膜すれば足りる。また、押出製膜後に、より多
孔化され易いように前駆体フィルムを構成する樹脂の融
点以下の温度で熱処理を施すことが好ましい。この
(a)工程および(a)工程に続いて行なわれる(b)
工程は、基本的には従来実施されていた方法により実施
すればよい。前述のように、この両工程により製造され
たフィルムは、押出し方向(MD方向)の強度が押出し
方向と直交する方向(TD方向)の強度よりも高いとい
う特性を有し、押出し方向(MD方向)に1軸配向して
いる。
は、Tダイ製膜法やブロー製膜法など従来から知られて
いる方法を特に制限されることなく採用できるが、厚さ
精度が良好なTダイ製膜法が好ましい。この(a)工程
においては、フィルムを管状に成膜する必要がなく、平
板状に成膜すれば足りる。また、押出製膜後に、より多
孔化され易いように前駆体フィルムを構成する樹脂の融
点以下の温度で熱処理を施すことが好ましい。この
(a)工程および(a)工程に続いて行なわれる(b)
工程は、基本的には従来実施されていた方法により実施
すればよい。前述のように、この両工程により製造され
たフィルムは、押出し方向(MD方向)の強度が押出し
方向と直交する方向(TD方向)の強度よりも高いとい
う特性を有し、押出し方向(MD方向)に1軸配向して
いる。
【0023】(c)工程における切断は、例えば、スリ
ッターと呼ばれる切断機により簡便に実施し得る。スリ
ッターは一定間隔を保持して配置された2以上の切断刃
を備え、この切断刃により多孔質フィルムはフィルムの
押出し方向(MD方向)に切断されていく。切断され、
適宜巻き取られていく多孔質フィルムは、一定の幅を保
持した帯状の長尺フィルムとなる。
ッターと呼ばれる切断機により簡便に実施し得る。スリ
ッターは一定間隔を保持して配置された2以上の切断刃
を備え、この切断刃により多孔質フィルムはフィルムの
押出し方向(MD方向)に切断されていく。切断され、
適宜巻き取られていく多孔質フィルムは、一定の幅を保
持した帯状の長尺フィルムとなる。
【0024】(c)工程においては、フィルム(被切断
物)と切断刃との位置関係が切断中に変化する。すなわ
ち、(c)工程においては、フィルムと切断刃のいずれ
かまたは双方を、フィルムのTD方向に移動させなが
ら、フィルムをMD方向に切断していくことが好まし
い。このような切断方法を採用することにより、フィル
ム上に描かれる切断の軌跡は、一本の直線ではなく、屈
曲点を有する線分の集合となったり、連続した一本の曲
線となったりする。さらに具体的には、フィルムと切断
刃のいずれかまたは双方を、特定のピッチと幅で自動的
に揺動させる、いわゆる揺動切断法を用いることが好ま
しい。なお、この揺動切断法を用いる場合には、フィル
ムを揺動させる方法が簡便で実施しやすい。
物)と切断刃との位置関係が切断中に変化する。すなわ
ち、(c)工程においては、フィルムと切断刃のいずれ
かまたは双方を、フィルムのTD方向に移動させなが
ら、フィルムをMD方向に切断していくことが好まし
い。このような切断方法を採用することにより、フィル
ム上に描かれる切断の軌跡は、一本の直線ではなく、屈
曲点を有する線分の集合となったり、連続した一本の曲
線となったりする。さらに具体的には、フィルムと切断
刃のいずれかまたは双方を、特定のピッチと幅で自動的
に揺動させる、いわゆる揺動切断法を用いることが好ま
しい。なお、この揺動切断法を用いる場合には、フィル
ムを揺動させる方法が簡便で実施しやすい。
【0025】揺動切断法は量産性に富み好ましい。かか
る切断法によるフィルムの切断軌跡は、典型的には、図
1に示したような正弦波状や図2に示したような三角波
状となる。図1および図2は、多孔質フィルム3を、波
長λ、振幅HのMD方向に進行する互いに平行な2本の
切断線2により帯状に切断して、幅Wの帯状の多孔質フ
ィルム1を得る工程を示している。
る切断法によるフィルムの切断軌跡は、典型的には、図
1に示したような正弦波状や図2に示したような三角波
状となる。図1および図2は、多孔質フィルム3を、波
長λ、振幅HのMD方向に進行する互いに平行な2本の
切断線2により帯状に切断して、幅Wの帯状の多孔質フ
ィルム1を得る工程を示している。
【0026】図1に示した切断の軌跡によれば、フィル
ムの配向方向(MD方向)と切断の軌跡とが為す角度を
前記配向方向を基準としてθ(−180°<θ≦180
°;例えば、図1において、θ1>0、θ2<0)で表し
たときに、θの正負が周期的に変化している(図2にお
いても同様)。
ムの配向方向(MD方向)と切断の軌跡とが為す角度を
前記配向方向を基準としてθ(−180°<θ≦180
°;例えば、図1において、θ1>0、θ2<0)で表し
たときに、θの正負が周期的に変化している(図2にお
いても同様)。
【0027】また、図1および図2に示したように、切
断の軌跡がMD方向を基準方向とする周期関数となる場
合には、前述のように、周期関数の振幅(H)と波長
(λ)とが以下の関係を満たすことが好ましい。 H/λ≧0.02 H/λの値は0.025以上とすることがさらに好まし
く、0.04以上とすることが最も好ましい。このよう
に、H/λを一定値以上とすることにより、多孔質フィ
ルム中におけるラメラ構造体の進行方向を大きく変える
ことができる。
断の軌跡がMD方向を基準方向とする周期関数となる場
合には、前述のように、周期関数の振幅(H)と波長
(λ)とが以下の関係を満たすことが好ましい。 H/λ≧0.02 H/λの値は0.025以上とすることがさらに好まし
く、0.04以上とすることが最も好ましい。このよう
に、H/λを一定値以上とすることにより、多孔質フィ
ルム中におけるラメラ構造体の進行方向を大きく変える
ことができる。
【0028】また、(c)工程における切断は、図1に
示した正弦波状の軌跡のように、切断方向と配向方向
(MD方向)とが為す角度を常に変化するように、切断
の軌跡を定めながら実施することがさらに好ましい。フ
ィルムを引き伸ばしたときに、ラメラ構造体の進行する
方向が複雑に変化するからである。
示した正弦波状の軌跡のように、切断方向と配向方向
(MD方向)とが為す角度を常に変化するように、切断
の軌跡を定めながら実施することがさらに好ましい。フ
ィルムを引き伸ばしたときに、ラメラ構造体の進行する
方向が複雑に変化するからである。
【0029】もっとも、切断の軌跡は、本発明の効果が
維持される限りにおいて図1、図2に示したような正弦
波、三角波である必要はなく、例えば電気工学で使われ
る所謂脈流波の形などでもあってもよい。
維持される限りにおいて図1、図2に示したような正弦
波、三角波である必要はなく、例えば電気工学で使われ
る所謂脈流波の形などでもあってもよい。
【0030】また、本発明の効果が維持される限りにお
いて、切断の軌跡は周期関数である必要はない。しか
し、かかる場合にも、切断の軌跡を周期関数と見做した
ときに(近似したときに)前記関係式を満たすことが好
ましい。なお、(c)工程における切断方法も、スリッ
ターによる揺動切断法に制限されるものではない。
いて、切断の軌跡は周期関数である必要はない。しか
し、かかる場合にも、切断の軌跡を周期関数と見做した
ときに(近似したときに)前記関係式を満たすことが好
ましい。なお、(c)工程における切断方法も、スリッ
ターによる揺動切断法に制限されるものではない。
【0031】(c)工程により切断された多孔質フィル
ムは、引き続いて行なわれる(d)工程により延伸さ
れ、さらに(e)工程により少なくとも2枚が積層され
る。(d)工程においては、多孔質フィルム中のラメラ
構造体が進行する方向が変化し、このような多孔質フィ
ルムを(e)工程において加熱、接着などの方法で2枚
以上付設することにより、強度異方性が低減された電池
用セパレータを得ることができる。図3に、2枚の多孔
質フィルム5、6を厚さ方向に積層した電池用セパレー
タ7の断面を示す。
ムは、引き続いて行なわれる(d)工程により延伸さ
れ、さらに(e)工程により少なくとも2枚が積層され
る。(d)工程においては、多孔質フィルム中のラメラ
構造体が進行する方向が変化し、このような多孔質フィ
ルムを(e)工程において加熱、接着などの方法で2枚
以上付設することにより、強度異方性が低減された電池
用セパレータを得ることができる。図3に、2枚の多孔
質フィルム5、6を厚さ方向に積層した電池用セパレー
タ7の断面を示す。
【0032】この電池用セパレータ7は、ラメラ構造体
の進行する方向が異なるパターンを有する多孔質フィル
ム5、6を積層したものであって、同方向が面内の多く
の部位で交差しており、結果としてセパレータの強度異
方性が改善されたフィルムとなっている。具体的には、
強度異方性を示す指標として、(MD方向の強度)/
(TD方向の強度)=Rで定義されるRを用いた場合、
従来の電池用セパレータではR>5であったが、本発明
の電池用セパレータでは1<R≦5とすることができる
ことが確認された。本発明の電池用セパレータにおいて
は、1<R≦2とすることも可能である。
の進行する方向が異なるパターンを有する多孔質フィル
ム5、6を積層したものであって、同方向が面内の多く
の部位で交差しており、結果としてセパレータの強度異
方性が改善されたフィルムとなっている。具体的には、
強度異方性を示す指標として、(MD方向の強度)/
(TD方向の強度)=Rで定義されるRを用いた場合、
従来の電池用セパレータではR>5であったが、本発明
の電池用セパレータでは1<R≦5とすることができる
ことが確認された。本発明の電池用セパレータにおいて
は、1<R≦2とすることも可能である。
【0033】(e)工程においては、フィルム面内をラ
メラ構造体が進行する方向が多くの部位で交差するよう
にフィルムを積層することが好ましい。例えば、切断の
軌跡が周期関数となる場合には、その位相を略1/2ず
らして積層すればよい。
メラ構造体が進行する方向が多くの部位で交差するよう
にフィルムを積層することが好ましい。例えば、切断の
軌跡が周期関数となる場合には、その位相を略1/2ず
らして積層すればよい。
【0034】なお、本発明で得られた多孔質フィルム
に、界面活性剤を塗布および/または含浸することによ
り、あるいはプラズマ処理、コロナ処理などを実施する
ことにより、各種電池の電解液に対する濡れ性を向上さ
せれば、アルカリ電池などのセパレータとしても好適に
用いることができる。
に、界面活性剤を塗布および/または含浸することによ
り、あるいはプラズマ処理、コロナ処理などを実施する
ことにより、各種電池の電解液に対する濡れ性を向上さ
せれば、アルカリ電池などのセパレータとしても好適に
用いることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)メルトインデックス(以下、「MI」とい
う)0.7、融点134℃のポリエチレン樹脂50重量
部およびMI12.5、融点158℃のポリプロピレン
樹脂50重量部を溶融混練し、これをダイス温度240
℃のTダイ押出機から押出し、厚さ20μmの長尺の前
駆体フィルムを得た。このフィルムを温度120℃で6
0分間加熱して熱処理した後、温度25℃でMD方向に
延伸率が35%になるように1軸延伸し、次いで、温度
120℃で前記方向と同方向に延伸率が65%になるよ
うに1軸延伸して多孔質化し、さらに温度120℃で1
分間加熱してヒートセットを行い多孔質フィルムの原反
を得た。なお、ヒートセットに際しては延伸方向の長さ
が変化しないようにした。この原反の厚さは17.5μ
m、幅は200mmであった。
明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)メルトインデックス(以下、「MI」とい
う)0.7、融点134℃のポリエチレン樹脂50重量
部およびMI12.5、融点158℃のポリプロピレン
樹脂50重量部を溶融混練し、これをダイス温度240
℃のTダイ押出機から押出し、厚さ20μmの長尺の前
駆体フィルムを得た。このフィルムを温度120℃で6
0分間加熱して熱処理した後、温度25℃でMD方向に
延伸率が35%になるように1軸延伸し、次いで、温度
120℃で前記方向と同方向に延伸率が65%になるよ
うに1軸延伸して多孔質化し、さらに温度120℃で1
分間加熱してヒートセットを行い多孔質フィルムの原反
を得た。なお、ヒートセットに際しては延伸方向の長さ
が変化しないようにした。この原反の厚さは17.5μ
m、幅は200mmであった。
【0036】得られた原反を、2枚の切断刃を備え、切
断刃の間隔を100mmに設定したスリッターで切断し
た。切断は、原反の繰り出しを、繰り出し軸の方向に2
00mmの範囲で、速度5m/分、2回/分の割合で手
動で揺動させながら切断を行った。結果、切断面(切断
の軌跡)が波高200mm(振幅100mm)で波長が
2.5mの正弦波に近似した形状の切断原反を得た。5
0m長さの切断原反を2本用意し、各々の切断面がなす
正弦波の位相を1/2波長(1.25m)ずらした上
で、1本当たり約500gのテンションで引張りながら
120℃の加圧ロールで接合した。さらに温度120℃
で1分間加熱してヒートセットを行い多孔質フィルムを
得た。なお、ヒートセットに際しては延伸方向の長さが
変化しないようにした。この多孔質フィルムの厚さは2
5μm、幅は約100mm、長さが55mであった。
断刃の間隔を100mmに設定したスリッターで切断し
た。切断は、原反の繰り出しを、繰り出し軸の方向に2
00mmの範囲で、速度5m/分、2回/分の割合で手
動で揺動させながら切断を行った。結果、切断面(切断
の軌跡)が波高200mm(振幅100mm)で波長が
2.5mの正弦波に近似した形状の切断原反を得た。5
0m長さの切断原反を2本用意し、各々の切断面がなす
正弦波の位相を1/2波長(1.25m)ずらした上
で、1本当たり約500gのテンションで引張りながら
120℃の加圧ロールで接合した。さらに温度120℃
で1分間加熱してヒートセットを行い多孔質フィルムを
得た。なお、ヒートセットに際しては延伸方向の長さが
変化しないようにした。この多孔質フィルムの厚さは2
5μm、幅は約100mm、長さが55mであった。
【0037】炭素材料粉末と結着材としてフッ化ビニリ
デン樹脂を混合した負極と、コバルト酸リチウムとフッ
化ビニリデン樹脂を混合した正極との間に前記多孔質フ
ィルムをセパレータとして配置して捲回型電極複合体を
作製した。この捲回型電極複合体を、ニッケルメッキし
た鉄製の電極缶に挿入した。電池として必要なその他の
部材(例えば、電池上下の絶縁板やそれぞれの電極リー
ド体)などは市販の電池に準じて適宜配置した後、リチ
ウムイオン電池に一般的に使用されるプロピレンカーボ
ネートとジオキソランに過塩素酸リチウムを溶解させた
電解液を注入し、電池缶の上面を閉鎖して20個の電池
を作製した。
デン樹脂を混合した負極と、コバルト酸リチウムとフッ
化ビニリデン樹脂を混合した正極との間に前記多孔質フ
ィルムをセパレータとして配置して捲回型電極複合体を
作製した。この捲回型電極複合体を、ニッケルメッキし
た鉄製の電極缶に挿入した。電池として必要なその他の
部材(例えば、電池上下の絶縁板やそれぞれの電極リー
ド体)などは市販の電池に準じて適宜配置した後、リチ
ウムイオン電池に一般的に使用されるプロピレンカーボ
ネートとジオキソランに過塩素酸リチウムを溶解させた
電解液を注入し、電池缶の上面を閉鎖して20個の電池
を作製した。
【0038】作製した電池について以下の方法で電池不
良率を調査した。炭素材料粉末と結着剤としてのフッ化
ビニリデン樹脂を混合塗布してなる負極と、コバルト酸
リチウムとフッ化ビニリデン樹脂とを混合・塗布してな
る正極との間に前記多孔質フィルムをセパレータとして
配置して渦巻き状に捲回した電池の中間品を作製した。
電解液を注入する前に正極−負極間に500Vを印加
し、絶縁抵抗を測定し、1MΩ以下を内部短絡不良とし
た。各サンプルについて電池中間品を100個作製し、
内部短絡の有無を測定して不良率(%)を求めた。
良率を調査した。炭素材料粉末と結着剤としてのフッ化
ビニリデン樹脂を混合塗布してなる負極と、コバルト酸
リチウムとフッ化ビニリデン樹脂とを混合・塗布してな
る正極との間に前記多孔質フィルムをセパレータとして
配置して渦巻き状に捲回した電池の中間品を作製した。
電解液を注入する前に正極−負極間に500Vを印加
し、絶縁抵抗を測定し、1MΩ以下を内部短絡不良とし
た。各サンプルについて電池中間品を100個作製し、
内部短絡の有無を測定して不良率(%)を求めた。
【0039】また、多孔質フィルムについて、以下の方
法により強度を測定した。多孔質フィルムの試験片を、
MD方向またはTD方向を長さ方向として、幅10m
m、長さ約100mmの短冊状に切り取り、チャック間
隔は20mm、引張速度200mm/分で引張強度を測
定した。強度測定のその他の条件はJISK7113に
準じることとした。
法により強度を測定した。多孔質フィルムの試験片を、
MD方向またはTD方向を長さ方向として、幅10m
m、長さ約100mmの短冊状に切り取り、チャック間
隔は20mm、引張速度200mm/分で引張強度を測
定した。強度測定のその他の条件はJISK7113に
準じることとした。
【0040】(実施例2)MI0.7、融点134℃の
ポリエチレン樹脂を溶融し、これをダイス温度220℃
のTダイ押出機から押出し、厚さ20μmの長尺のフィ
ルム状物を得る。それ以外は実施例1と同様に電池を作
製した。
ポリエチレン樹脂を溶融し、これをダイス温度220℃
のTダイ押出機から押出し、厚さ20μmの長尺のフィ
ルム状物を得る。それ以外は実施例1と同様に電池を作
製した。
【0041】(実施例3)実施例1の切断の工程で、切
断の振幅を原反の繰り出し軸の方向を基準に100mm
にした以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
断の振幅を原反の繰り出し軸の方向を基準に100mm
にした以外は、実施例1と同様に電池を作製した。
【0042】(比較例)実施例1の切断の工程で、切断
の振幅0mm、即ち揺動させない以外は、実施例1と同
様に電池を作製した。
の振幅0mm、即ち揺動させない以外は、実施例1と同
様に電池を作製した。
【0043】以上の実施例および比較例により得られた
結果を表1にまとめて示す。なお、各実施例により得ら
れたセパレータは実用上全く問題がない程度にフラット
であった。
結果を表1にまとめて示す。なお、各実施例により得ら
れたセパレータは実用上全く問題がない程度にフラット
であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の電池用セパレータは、強度異方
性が小さくフィルムの裂けが起こりにくいために、電池
内部における正極・負極の短絡を抑制して電池の安全性
を向上させることができる。また、例えば、捲回型のリ
チウムイオン電池などに要求される突刺強度の向上にも
寄与して異物による内部短絡を抑制することもできる。
さらに、フラット性などにおいても基本的に問題がな
く、長尺のセパレータを必要とする捲回型電池にも適用
可能である。また、本発明の電池用セパレータの製造方
法によれば、強度異方性が小さくフラット性においても
問題がない電池用セパレータを効率よく製造できる。こ
の製造方法は、管状フィルムを切断する際に必要な特殊
装置を必要とすることもなく、また、長尺のセパレータ
を製造する方法としても好適である。
性が小さくフィルムの裂けが起こりにくいために、電池
内部における正極・負極の短絡を抑制して電池の安全性
を向上させることができる。また、例えば、捲回型のリ
チウムイオン電池などに要求される突刺強度の向上にも
寄与して異物による内部短絡を抑制することもできる。
さらに、フラット性などにおいても基本的に問題がな
く、長尺のセパレータを必要とする捲回型電池にも適用
可能である。また、本発明の電池用セパレータの製造方
法によれば、強度異方性が小さくフラット性においても
問題がない電池用セパレータを効率よく製造できる。こ
の製造方法は、管状フィルムを切断する際に必要な特殊
装置を必要とすることもなく、また、長尺のセパレータ
を製造する方法としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電池用セパレータの製造方法の多孔
質フィルム切断工程における切断の軌跡の例(正弦波)
を示す図である。
質フィルム切断工程における切断の軌跡の例(正弦波)
を示す図である。
【図2】 本発明の電池用セパレータの製造方法の多孔
質フィルム切断工程における切断の軌跡の別の例(三角
波)を示す図である。
質フィルム切断工程における切断の軌跡の別の例(三角
波)を示す図である。
【図3】 本発明の電池用セパレータの断面図である。
【図4】 従来の電池用セパレータの製造方法の多孔質
フィルム切断工程における切断の例を示す図である。
フィルム切断工程における切断の例を示す図である。
1、11 帯状の多孔質フィルム 2、12 切断軌跡 3、13 多孔質フィルム(被切断物) 5 第1の多孔質フィルム 6 第2の多孔質フィルム 7 電池用セパレータ
Claims (5)
- 【請求項1】 1軸方向に配向した多孔質フィルムを、
前記1軸方向に対して切断方向が為す角度が一定となら
ないように帯状に切断していく工程と、切断した帯状の
多孔質フィルムを帯の長さ方向に延伸する工程と、延伸
した多孔質フィルムをその厚さ方向に2枚以上積層する
工程とを含むことを特徴とする電池用セパレータの製造
方法。 - 【請求項2】 前記角度を、前記1軸方向を基準として
θ(−180°<θ≦180°)で表したときに、θの
正負が略周期的に変化するように多孔質フィルムを切断
していく請求項1に記載の電池用セパレータの製造方
法。 - 【請求項3】 多孔質フィルムを切断する軌跡が前記1
軸方向を基準軸とする周期関数により示され、この周期
関数が下記の関係を満たす請求項1に記載の電池用セパ
レータの製造方法。 H/λ≧0.02 ただし、Hは前記周期関数の振幅、λは前記周期関数の
波長である。 - 【請求項4】 帯状の多孔質フィルムをその厚さ方向に
2枚以上積層した電池用セパレータであって、前記多孔
質フィルムの少なくとも2枚は、フィルム面内をラメラ
構造体が進行する方向が一定ではないことを特徴とする
電池用セパレータ。 - 【請求項5】 帯の幅方向の引張強度に対する帯の長さ
方向の引張強度の比が5以下である請求項4に記載の電
池用セパレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9213210A JPH1154104A (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9213210A JPH1154104A (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1154104A true JPH1154104A (ja) | 1999-02-26 |
Family
ID=16635374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9213210A Pending JPH1154104A (ja) | 1997-08-07 | 1997-08-07 | 電池用セパレータおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1154104A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014142447A1 (ko) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | 삼성토탈 주식회사 | 미세다공성 막의 제조 방법 및 상기 방법으로 제조된 막을 이용한 이차전지용 분리막 |
-
1997
- 1997-08-07 JP JP9213210A patent/JPH1154104A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014142447A1 (ko) * | 2013-03-13 | 2014-09-18 | 삼성토탈 주식회사 | 미세다공성 막의 제조 방법 및 상기 방법으로 제조된 막을 이용한 이차전지용 분리막 |
KR101464430B1 (ko) * | 2013-03-13 | 2014-11-21 | 삼성토탈 주식회사 | 미세다공성 막의 제조 방법 및 상기 방법으로 제조된 막을 이용한 이차전지용 분리막 |
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