JPH1151983A - 過電流検知回路 - Google Patents

過電流検知回路

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JPH1151983A
JPH1151983A JP9215296A JP21529697A JPH1151983A JP H1151983 A JPH1151983 A JP H1151983A JP 9215296 A JP9215296 A JP 9215296A JP 21529697 A JP21529697 A JP 21529697A JP H1151983 A JPH1151983 A JP H1151983A
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史章 水野
Takashi Hoshino
孝志 星野
Yukinobu Tabata
幸伸 田畑
Yukihiko Umeda
幸彦 梅田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Toyota Motor Corp
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    • H02H1/043Arrangements for preventing response to transient abnormal conditions, e.g. to lightning or to short duration over voltage or oscillations; Damping the influence of dc component by short circuits in ac networks to inrush currents
    • HELECTRICITY
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    • H02HEMERGENCY PROTECTIVE CIRCUIT ARRANGEMENTS
    • H02H3/00Emergency protective circuit arrangements for automatic disconnection directly responsive to an undesired change from normal electric working condition with or without subsequent reconnection ; integrated protection
    • H02H3/08Emergency protective circuit arrangements for automatic disconnection directly responsive to an undesired change from normal electric working condition with or without subsequent reconnection ; integrated protection responsive to excess current
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な回路構成で突入電流が生じる負荷の過
電流を好適に検知する。 【解決手段】 コンパレータOP2によって、ランプL
の負荷電流ILに比例したP点の電圧と、過電流検知の
基準値であるQ点の電圧とを比較する。過電流検知の基
準値として、基準電圧生成回路17で生成される基準電
圧Vrefに充放電回路16のコンデンサC1に充電され
た電圧を加えた電圧を用いる。FET11がオンにされ
て負荷電流ILの供給が始まると、コンデンサC1の充
電電圧が放電されて基準値が低下する。これによって、
突入電流が生じる負荷であるランプLの過電流を好適に
検知できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、突入電流が生じる
負荷へ電源から電力を供給する電力供給回路における過
電流を好適に検知するための過電流検知回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車に装備される電装品などの
負荷へバッテリから電力を供給する電力供給回路におい
て過電流から負荷や電線を保護する保護手段として、電
流検知機能付き半導体スイッチ(Intelligent Power Swi
tch)等を用いて、2段階の過電流検知ラインを設けるこ
とによってランプのような突入電流が生じる負荷の過電
流保護を行うものが提案されている(特公平8−145
98号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に電線の導体は素
線が撚り合わされて形成されるが、このような電線にお
ける過電流検知を検討する場合には、撚線にほつれがな
く、完全に絶縁被覆樹脂により被覆された状態の場合だ
けでなく、絶縁被覆の一部が破れ、そこから撚線の一部
がほつれ出てアースライン等の他の導体と接触するよう
な被覆が破れた状態の場合も検討する必要がある。
【0004】上記のような被覆が破れた状態の場合に
は、より少ない導線に電流が集中することになるため、
同レベルの過電流であっても導線の温度上昇は上記被覆
状態の場合よりも大きくなるので、導線の発熱によっ
て、より短時間で被覆が過熱状態となり、被覆樹脂の熱
老化が進行することになる。
【0005】最悪の状態は、撚線を構成する素線1本が
ほつれ出てアースラインと接触した状態である。図6に
電線の熱老化特性を示す。なお、熱老化特性とは、ある
電流値が電線に流れているときに被覆樹脂の熱老化が急
激に進み始める通電時間を示すものである。素線1本短
絡に対する熱老化特性A1は被覆状態の特性A2よりも
低電流側にシフトしている。
【0006】このような場合には、上記従来の特公平8
−14598号公報記載のように図6に一点鎖線で示す
検知特性A3に基づき2段階の過電流検知を行うので
は、素線1本の熱老化特性A1に対応することが困難で
ある。
【0007】そこで、2段階の過電流検知を行う場合に
は、素線1本の熱老化特性A1及び正常な負荷電流特性
A4を考慮して初めの大電流検出の検知時間Tを短縮す
る必要がある。または、図6に破線で示すように3段階
の検知特性A5にする等、検知特性を多段階にすればよ
い。
【0008】しかしながら、大電流検出の検知時間Tを
短縮する場合には、検知時間Tのカウントに高精度が要
求される。一方、多段階の過電流検知を行う場合には、
回路を構成する部品点数が増大し、回路が大型化する問
題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決するもので、簡
単な回路構成で、突入電流が生じる負荷の過電流を好適
に検知することができる過電流検知回路を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、電源と負荷の
間に設けられ、上記電源と上記負荷との接続をオンオフ
するスイッチ手段と、上記負荷に流れる負荷電流を検出
する電流検出手段と、上記スイッチ手段のオン時点に予
め設定された第1レベルの基準値を出力するとともに、
上記オン時点から時間経過に従って上記基準値のレベル
を低下させて予め設定された第2レベルに収束させる基
準値出力手段と、検出された上記負荷電流と上記基準値
とを比較して上記負荷電流が上記基準値以上になると過
電流信号を出力する過電流信号出力手段とを備えたもの
である(請求項1)。
【0011】この構成によれば、電源と負荷との接続が
オンにされると、負荷に流れる負荷電流が検出され、検
出された負荷電流と基準値とが比較され、負荷電流が基
準値以上になると、過電流信号が出力される。基準値
は、スイッチ手段のオン時点には予め設定された第1レ
ベルで、オン時点から時間経過に従ってレベルが低下し
て予め設定された第2レベルに収束することにより、突
入電流が生じる負荷における過電流が好適に検知される
こととなる。
【0012】また、請求項1記載の過電流検知回路にお
いて、上記電流検出手段は、上記負荷電流に比例したレ
ベルの電圧に変換する電圧変換回路で構成されたもの
で、上記基準値出力手段は、上記第2レベルの基準電圧
を生成する基準電圧生成回路と、上記スイッチ手段がオ
フのときは上記第2レベルから上記第1レベルに充電し
た充電電圧を出力するとともに、上記スイッチ手段がオ
ンにされると予め設定された時定数で上記充電電圧を放
電する充放電回路とから構成されたものである(請求項
2)。
【0013】この構成によれば、第2レベルの基準電圧
が生成され、スイッチ手段がオフのときは第2レベルか
ら第1レベルに充電した充電電圧が出力され、スイッチ
手段がオンにされると予め設定された時定数で充電電圧
が放電されることにより、基準値として、スイッチ手段
のオン時点には第1レベルの電圧が出力され、オン時点
から時間経過に従って低下して第2レベルに収束するこ
ととなる。そして、この基準値と負荷電流に比例したレ
ベルの電圧とが比較されることにより、過電流が好適に
検知される。
【0014】また、請求項1又は2記載の過電流検知回
路において、上記過電流信号が出力されたか否かを判定
する過電流判定手段と、上記過電流信号が出力されたと
判定したときに上記スイッチ手段をオフにする過電流制
御手段とを備えたものである(請求項3)。
【0015】この構成によれば、過電流信号が出力され
たか否かが判定され、過電流信号が出力されたと判定し
たときにスイッチ手段がオフにされることにより、過電
流状態の継続が防止される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る過電流検知回
路の一実施形態の回路図である。本実施形態は、自動車
のバッテリ(電源)Bからランプ(負荷)Lへの電力供給を
制御する自動車のランプ制御回路に適用されたもので、
FET11、電源回路12、ランプスイッチ13、駆動
回路14、電圧変換回路15、充放電回路16、基準電
圧生成回路17、制御部18及びコンパレータOP2な
どから構成されている。
【0017】バッテリBは、DC12V程度の一定電圧VB
を出力する電源である。電源回路12は、図略の三端子
レギュレータを用いた回路で、所定電圧VDD(本実施形
態ではDC5V)を出力するものである。
【0018】ランプスイッチ13は、外部から操作され
てオンオフされることによりランプLの点灯消灯を指示
するためのもので、オンオフの信号が制御部18に入力
される。駆動回路14は、トランジスタなどからなり、
制御部18からの制御信号に従ってFET11にゲート
電圧を印加することにより、FET11をオンさせるも
のである。
【0019】電圧変換回路15は、シャント抵抗Rs、
抵抗R1,R2,R3,Rf及びオペアンプOP1を備
えてなり、ランプLに流れる負荷電流ILに比例した電
圧に変換するものである。
【0020】FET11及びシャント抵抗Rsは、バッ
テリBとランプL間に直列に接続されており、FET1
1のドレインがバッテリBの正極に接続され、ソースが
シャント抵抗Rsの一端に接続され、ゲートが駆動回路
14を介して制御部18の出力端子に接続され、シャン
ト抵抗Rsの他端が電線W及びランプLを介して接地さ
れている。この構成により、FET11がオンになる
と、シャント抵抗Rs及び電線Wを介してバッテリBか
らランプLに電力が供給される。
【0021】シャント抵抗Rsは、負荷電流ILを検出
するための低抵抗である。シャント抵抗Rsの一端には
抵抗R1が接続され、この抵抗R1はオペアンプOP1
の非反転入力端子に接続されるとともに、抵抗R3を介
して接地されている。一方、シャント抵抗Rsの他端に
は抵抗R2が接続され、この抵抗R2はオペアンプOP
1の反転入力端子に接続されるとともに、帰還抵抗Rf
を介してオペアンプOP1の出力端子に接続されてい
る。オペアンプOP1の出力端子(以下この点をP点と
する。)は、コンパレータOP2の非反転入力端子に接
続されている。
【0022】充放電回路16は、抵抗R11,R12,
R13、コンデンサC1及びトランジスタQ1を備えて
なる。トランジスタQ1のエミッタは電源回路12の出
力端子に接続され、ベースは制御部18の出力端子に接
続され、コレクタは抵抗R11を介してコンパレータO
P2の反転入力端子(以下この点をQ点とする。)に接
続されている。また、コンパレータOP2の出力端子は
制御部18の入力端子に接続されている。
【0023】また、抵抗R12及びコンデンサC1から
なる並列回路がコンパレータOP2の反転入力端子に接
続され、この並列回路に更に抵抗R13の一端が接続さ
れ、この抵抗R13の他端が接地されている。
【0024】基準電圧生成回路17は、オペアンプOP
3、抵抗R14及びツェナーダイオードZD1を備えて
なり、基準電圧Vref(第2レベルの基準電圧)を生成す
るもので、オペアンプOP3の電源端子は、バッテリB
の正極に接続されるとともに、抵抗R14及びツェナー
ダイオードZD1からなる直列回路を介して接地されて
いる。オペアンプOP3の出力端子は、抵抗R12,R
13の接続点に接続され、反転入力端子は出力端子に直
結され、非反転入力端子は抵抗R14及びツェナーダイ
オードZD1の接続点に接続されている。
【0025】コンパレータOP2は、負荷電流ILに比
例したP点の電圧VPと、基準値としてのQ点の電圧VQ
とを比較し、VP<VQのときはローレベル信号を、VP
≧VQのときはハイレベルの過電流信号を制御部18に
出力する過電流信号出力手段としての機能を有するもの
である。
【0026】制御部18は、CPUなどからなり、この
ランプ制御回路の動作を制御するもので、次の〜の
機能を有する。 ランプスイッチ13のオンオフに応じて駆動回路14
を介してFET11のオンオフを制御することによりラ
ンプLの点灯消灯を制御する。 ランプスイッチ13がオフのときは、トランジスタQ
1のベースにローレベル信号を出力してトランジスタQ
1をオンにし、ランプスイッチ13がオンにされると、
ハイレベル信号を出力してトランジスタQ1をオフにす
る。
【0027】コンパレータOP2から入力される信号
レベルに基づいて負荷電流ILが過電流であるか否かを
判定する過電流判定手段としての機能。 負荷電流ILが過電流であると判定したときに駆動回
路14を介してFET11をオフにする過電流制御手段
としての機能。 なお、過電流であると判定してFET11をオフにした
ときは、その旨のステータス信号を出力するようにして
もよい。
【0028】この構成において、シャント抵抗Rsを用
いることによって、ランプLに流れる負荷電流ILを精
度よく検出することができるとともに、急激な電流変化
を検出することができる。また、シャント抵抗Rsとし
て温度依存性の小さいものを用いることにより、雰囲気
温度の変化に対して電流の検出精度を向上することがで
きる。
【0029】また、基準電圧生成回路17を、オペアン
プを用いたいわゆるボルテージフォロア回路で構成する
ことによって、抵抗R12,R13に流れる電流に関係
なく一定の基準電圧Vrefを生成することができる。
【0030】なお、この基準電圧Vrefは、定常状態の
負荷電流の最大値ILmaxによって得られる電圧VPmax
り多少高いレベルに設定されている。
【0031】次に、以上のように構成された過電流検知
回路の動作について説明する。ランプスイッチ13がオ
フでランプLが消灯しているときは、トランジスタQ1
はオンしており、これによって、コンデンサC1は充電
されている。このときのQ点の電圧VQは、抵抗R1
1,R12の比と基準電圧Vrefとで決まる値になる。
【0032】ランプスイッチ13がオンにされると、F
ET11がオンにされ、ランプLに負荷電流ILが供給
されてランプLが点灯するとともに、トランジスタQ1
がオフにされる。
【0033】負荷電流ILに比例するシャント抵抗Rs
での電圧降下分は、オペアンプOP1によって電圧変換
され、P点の電圧VPは下記数1となる。
【0034】
【数1】VP=IL・RS(Rf/R2) 但し、RSはシャント抵抗Rsの抵抗値、Rfは帰還抵抗
Rfの抵抗値、R2は抵抗R2の抵抗値で、抵抗R1の
抵抗値はR2とし、抵抗R3の抵抗値はRfとする。
【0035】一方、トランジスタQ1がオフにされる
と、コンデンサC1は、充電した電荷を放電し始める。
このときのQ点の電圧VQは下記数2のように変化す
る。
【0036】
【数2】VQ=V0・exp{−t/(R121)}+Vref 但し、V0はコンデンサC1がフルに充電されたときの
コンデンサC1の両端電圧であり、このときの電圧VQ
=V0+Vrefが第1レベルの基準電圧に相当する。ま
た、R12は抵抗R12の抵抗値、C1はコンデンサC1
の容量、tはトランジスタQ1のオフ、すなわちFET
11のオンからの経過時間である。上記数2から分かる
ように、FET11のオンから十分に時間が経過する
と、電圧VQは電圧Vrefに限りなく近づくこととなる。
【0037】以上の電圧VP,VQの変化について、図
2、図3を用いて説明する。図2はランプLとして65W
のヘッドランプを用いたときの電圧変化の一例を示す
図、図3は図2の場合における電流変化を示す図であ
る。
【0038】図2、図3において、各回路部品の値は、
S=0.021Ω、V0=1.46V、R121=0.062、Vref
0.18となるように設定されている。
【0039】図3において、電流ITは電線が素線1本
の場合に電線被覆材が熱老化するレベルの電流、すなわ
ち素線1本の熱老化特性を示し、電流IQは本実施形態
による過電流検知ラインを示している。また、図2中、
電圧VTは電流ITをシャント抵抗Rsに流したときのP
点の電圧である。
【0040】図2に示すように、コンデンサC1、抵抗
R12その他の回路部品の値を調整することにより、コ
ンパレータOP2に入力する基準値であるQ点の電圧V
Qとして、ランプLに流れる突入電流によって発生する
電圧VPより大きく、かつ素線1本が熱老化するレベル
の電流によって発生する電圧VTより小さい電圧を、時
間経過に従って変化させながら発生させることができ
る。
【0041】このように、本実施形態によれば、タイマ
回路や多段階電流検知回路等の複雑な構成の回路を備え
ることなく、図3に示すように、正常な負荷電流IL
り大きく、かつ素線1本の熱老化特性の電流ITより小
さいレベルの過電流検知ラインIQを生成することがで
き、これによって、抵抗、コンデンサ及びオペアンプ等
からなる簡素な構成の回路によって、ランプLのような
突入電流が生じる負荷における過電流を確実に検知する
ことができる。
【0042】なお、基準電圧生成回路17は、上記実施
形態に限られず、図4、図5に示す形態のものでもよ
い。図4は基準電圧生成回路17の変形形態を示す回路
図である。
【0043】図4において、基準電圧生成回路17は、
オペアンプOP4、抵抗R21〜R23及びトランジス
タQ11,Q12を備えてなる。オペアンプOP4の非
反転入力端子は、抵抗R21を介してその出力端子に接
続されるとともに、トランジスタQ11のコレクタに接
続されており、反転入力端子は、抵抗R22を介してそ
の出力端子に接続されるとともに、抵抗R23を介して
トランジスタQ12のコレクタに接続されている。
【0044】トランジスタQ11,Q12のエミッタは
接地され、ベースは、それぞれトランジスタQ11,Q
12のコレクタに接続されて、いわゆるダイオード接続
されている。そして、オペアンプOP4の出力端子から
基準電圧Vrefが出力されるように構成されている。
【0045】次に、図4の回路により生成される基準電
圧Vrefについて説明する。この回路が安定に動作する
動作点を持つとすると、オペアンプOP4の作動入力電
圧はゼロになるので、抵抗R21における電圧降下V
R21=I121と抵抗R22における電圧降下VR22=I2
22とが等しくなることから、下記数1、数2が成り立
つ。
【0046】
【数1】I121=I222 但し、I1は抵抗R21を流れる電流、I2は抵抗R22
を流れる電流、R21は抵抗R21の抵抗値、R22は抵抗
R22の抵抗値である。
【0047】
【数2】VR23=VBE1−VBE2 但し、VR23は抵抗R23における電圧降下、VBE1はト
ランジスタQ11のベース−エミッタ間電圧、VBE2
トランジスタQ12のベース−エミッタ間電圧である。
【0048】一方、トランジスタでは、一般に下記数3
の特性式が成り立つ。
【0049】
【数3】IE=IS{exp(VBE/VT)−1} 但し、IEはエミッタ電流、ISは飽和電流、VBEはベー
ス−エミッタ間電圧、VTは熱電圧で、VT=kT/q
(kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子電荷)
である。
【0050】ここで、IC≒IE、exp(VBE/VT)≫1で
あるので、上記数3から下記数4が得られる。
【0051】
【数4】IC=IS・exp(VBE/VT) 但し、ICはコレクタ電流である。
【0052】この数4を書き替えると、下記数5が得ら
れる。
【0053】
【数5】VBE=VT・ln(IC/IS) 上記数5を上記数2に代入すると、トランジスタQ1
1,Q12のコレクタ電流は、それぞれI1,I2である
ので、下記数6が得られる。
【0054】
【数6】 VR23=VT・ln(I1/IS1)−VT・ln(I2/IS2) =VT・ln{(I1・IS2)/(I2・IS1)} 但し、VR23は抵抗R23における電圧降下、IS1はト
ランジスタQ11の飽和電流、IS2はトランジスタQ1
2の飽和電流である。
【0055】この数6に上記数1を代入すると、
【0056】
【数7】VR23=VT・ln{(R22・IS2)/(R21・IS1)} となる。
【0057】一方、VR23/R23=VR22/R22=I2
あるので、
【0058】
【数8】VR22=(R22/R23)・VR23 となる。但し、VR22は抵抗R22における電圧降下で
ある。従って、上記数7及び数8から、下記数9が得ら
れる。
【0059】
【数9】VR22=(R22/R23)・VT・ln{(R22・IS2)/
(R21・IS1)} ここで、図4から分かるように、基準電圧Vrefは、
【0060】
【数10】Vref=VBE1+VR21 となる。従って、上述したようにVR21=VR22であるの
で、図4の回路によって生成される基準電圧Vrefは、
【0061】
【数11】Vref=VBE1+(R22/R23)・VT・ln{(R22
S2)/(R21・IS1)} となる。
【0062】一般に、トランジスタのベースエミッタ間
電圧VBEは、下記数12に示す温度特性を有している。
【0063】
【数12】VBE=A−C・ΔT 但し、A,Cは定数、ΔTは温度変化である。
【0064】そこで、トランジスタQ21としてC=2
mV/℃の特性を有するものを用いるとともに、R21=1
kΩ、R22=10kΩ、R23=1kΩとすることにより、
上記数11の右辺の第1項と第2項の温度依存性をほぼ
打ち消すことができる。
【0065】このように、図4の回路によれば、温度に
依存しない基準電圧Vrefを生成することができる。
【0066】図5は基準電圧生成回路17の更に別の変
形形態を示す回路図である。この基準電圧生成回路17
は、トランジスタQ21、抵抗R31〜R33、ダイオ
ードD1〜D3及びツェナーダイオードZD2を備えて
なる。
【0067】電源回路12(図1)の出力端子に、抵抗R
31、順方向のダイオードD1及び逆方向のツェナーダ
イオードZD2を直列に接続し、ツェナーダイオードZ
D2のアノードを接地する。
【0068】また、トランジスタQ21のコレクタを電
源回路12(図1)の出力端子に接続し、ベースを抵抗R
31とダイオードD1の接続点に接続し、エミッタをダ
イオードD2のアノードに接続する。ダイオードD2の
カソードに、抵抗R32,R33及び順方向のダイオー
ドD3を直列に接続し、ダイオードD3のカソードを接
地する。そして、抵抗R32,R33の接続点から基準
電圧Vrefが出力されるように構成されている。
【0069】この回路により生成される基準電圧Vref
は、下記数12となる。
【0070】
【数12】Vref=(VZD+VD1−VBE−VD2−VD3)・R33/(R
32+R33)+VD3 但し、VZDはツェナーダイオードZD2のツェナー電
圧、VD1,VD2,VD3はダイオードD1,D2,D3の順
方向電圧、VBEはトランジスタQ21のベースエミッタ
間電圧、R32,R33は抵抗R32,R33の抵抗値であ
る。
【0071】従って、図5の回路によれば、ツェナー電
圧VZD、ダイオードD1,D2,D3の順方向電圧VD1
VD2,VD3及び抵抗R32,R33の抵抗値R32,R33を調
整することによって、所望の基準電圧Vrefを生成する
ことができる。
【0072】また、抵抗R32,R33の抵抗値R32,R
33を調整することによって、ツェナーダイオードZD2
及びダイオードD1,D2,D3の温度依存性による基
準電圧Vrefへの影響を低減することができる。また、
充放電回路16のインピーダンス変化による影響を受け
ることなく一定の基準電圧Vrefを生成することができ
る。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
基準値を、スイッチ手段のオン時点には予め設定された
第1レベルとし、オン時点から時間経過に従ってレベル
を低下させて予め設定された第2レベルに収束するよう
にし、検出した負荷電流と基準値とを比較して負荷電流
が基準値以上になると過電流信号を出力するようにした
ので、突入電流が生じる負荷における過電流を好適に検
知することができる。
【0074】また、第2レベルの基準電圧を生成し、ス
イッチ手段がオフのときは第2レベルから第1レベルに
充電した充電電圧を出力して、スイッチ手段がオンにさ
れると予め設定された時定数で充電電圧を放電すること
により、基準値として、スイッチ手段のオン時点には第
1レベルの電圧を出力し、オン時点から時間経過に従っ
て低下して第2レベルに収束させることができ、この基
準値と負荷電流に比例したレベルの電圧とを比較するこ
とにより、過電流を好適に検知することができる。
【0075】また、過電流信号が出力されたか否かを判
定し、過電流信号が出力されたと判定したときにスイッ
チ手段をオフにすることにより、過電流状態の継続を防
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る過電流検知回路の一実施形態の回
路図である。
【図2】電圧変化の一例を示す図である。
【図3】図2の場合における電流変化を示す図である。
【図4】基準電圧生成回路の変形形態を示す回路図であ
る。
【図5】基準電圧生成回路の変形形態を示す回路図であ
る。
【図6】従来の課題を説明する図である。
【符号の説明】
11 FET 12 電源回路 13 ランプスイッチ 14 駆動回路 15 電圧変換回路 16 充放電回路 17 基準電圧生成回路 18 制御部 B バッテリ C1 コンデンサ L ランプ OP1,OP3 オペアンプ OP2 コンパレータ Q1 トランジスタ Rs シャント抵抗 R1〜R3,Rf,R11〜R14 抵抗 W 電線 ZD1 ツェナーダイオード
フロントページの続き (72)発明者 水野 史章 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 星野 孝志 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 田畑 幸伸 愛知県名古屋市南区菊住1丁目7番10号 株式会社ハーネス総合技術研究所内 (72)発明者 梅田 幸彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源と負荷の間に設けられ、上記電源と
    上記負荷との接続をオンオフするスイッチ手段と、上記
    負荷に流れる負荷電流を検出する電流検出手段と、上記
    スイッチ手段のオン時点に予め設定された第1レベルの
    基準値を出力するとともに、上記オン時点から時間経過
    に従って上記基準値のレベルを低下させて予め設定され
    た第2レベルに収束させる基準値出力手段と、検出され
    た上記負荷電流と上記基準値とを比較して上記負荷電流
    が上記基準値以上になると過電流信号を出力する過電流
    信号出力手段とを備えたことを特徴とする過電流検知回
    路。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の過電流検知回路におい
    て、上記電流検出手段は、上記負荷電流に比例したレベ
    ルの電圧に変換する電圧変換回路で構成されたもので、
    上記基準値出力手段は、上記第2レベルの基準電圧を生
    成する基準電圧生成回路と、上記スイッチ手段がオフの
    ときは上記第2レベルから上記第1レベルに充電した充
    電電圧を出力するとともに、上記スイッチ手段がオンに
    されると予め設定された時定数で上記充電電圧を放電す
    る充放電回路とから構成されたものであることを特徴と
    する過電流検知回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の過電流検知回路に
    おいて、上記過電流信号が出力されたか否かを判定する
    過電流判定手段と、上記過電流信号が出力されたと判定
    したときに上記スイッチ手段をオフにする過電流制御手
    段とを備えたことを特徴とする過電流検知回路。
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