JP4082547B2 - 発光素子の電源供給制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子へ電源を供給する電源供給制御装置に係り、特に複数の発光素子の1又は複数個が破損線等により発光素子の輝度が変化したり、複数の発光素子の各素子間で輝度にバラツキがあったり、発光素子の劣化によって発光素子の輝度が変化しても所定の輝度に制御し、デッドショートでない限り電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに流れる電流量によって過電流検出を行わないようにリファレンス回路のリファレンス抵抗値を自動調整することのできる発光素子の電源供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等には、使用される装置や機器がどのような状態になっているかを運転者に発光素子を用いて表示することが多く行われている。この発光素子は、種々の色で、表示しようとする素子、装置、機器が現在どのような状態であるかを示している。この発光素子には、LED、EL等がある。
このように自動車内等の計器類の運転状態示すための表示や警告用にLEDが多く使われ、これらLEDは、その使用目的から、運転手、作業者等に点灯していることが明確に分かることが要求されており、そのため点灯した際に視認できる十分な輝度が要求される。
【0003】
このようなLEDへは、バッテリから電源供給が行われており、LEDへの電源供給は、従来、図6に示す如き回路構成となっている。図6(A)に示す如き回路は、バッテリ電源にLED20を接続し、このLED20に可変抵抗21の一端を接続し、他端を接地して構成してある。この図6(A)に示す如き回路の場合、可変抵抗21の抵抗値を変えることによりLED20に供給する電流量を制御し、LED20の輝度を制御するようになっている。
また、従来、図6(B)に示す如き回路は、バッテリ電源にLED20を接続し、このLED20に電流制限用のNPNトランジスタTr10のコレクタを接続し、このNPNトランジスタTr10のエミッタを接地し、このNPNトランジスタTr10のベースに制御装置22を接続した構成となっている。この図6(B)に示す如き回路の場合、制御装置22から供給するベース電流を制御することによりNPNトランジスタTr10のコレクタ・エミッタ間に流れる電流量を制限してLED20に供給する電流量を制御し、LED20の輝度を制御するようになっている。
【0004】
さらに、図6に図示の回路は、いずれもLED20の下流側に接続される抵抗値の可変によって行っており、LED20への電源の供給は、オンかオフのいずれかで、LED20をオンすると、LED20には図7(B)に示す如きオン信号が供給される。したがって、LED20の輝度の調整は、可変抵抗21の抵抗値を変えてLED20に流れる電流量を制御するか、NPNトランジスタTr10のベース電流を制御することによりNPNトランジスタTr10のコレクタ・エミッタ間に流れる電流量を制御してLED20に流れる電流量を制御する方法が採られる。
このような制限抵抗方式に対し、従来、図7(A)に示す如くFET23をオン・オフしてLED20の輝度を制御する回路がある。すなわち、この回路は、FET23のドレンにバッテリ電源を接続し、このFET23のソースにLED20を接続し、このLED20に抵抗25の一端を接続し、この抵抗25の他端を接地した構成の回路となっている。この抵抗25は、LED20に流れる電流の制限抵抗である。そして、このFET23は、ゲートに接続されるPWM(パルス幅変調装置)24から出力されるオンパルス信号によってゲートが開閉され、このゲートの開閉によってLED20と抵抗25の直列回路に流れる電流を制御している。
この図7(A)に示す如き回路の場合、PWM24から出力されるオン・オフの比率(オンデューティー)によってオン・オフを繰り返し、FET23がオンしているときだけLED20と抵抗25の直列回路に流れる電流を供給することになる。したがって、LED20に流れる電流は、PWM24が図7(A)に示す如く、オンし放しのときに比較して、PWM24が図7(B)に示す如く、50%オンデューティー(オンとオフの比が、1:1)の時の方が、図7(A)のときの半分となり、LED20の輝度も下がることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の回路の場合、複数のLED20が並列に接続されている場合、そのうちの1又は複数個が断線したような場合、正常な残りのLED20に分流して電流が流れることになり、正常なLED20に過度の電流が流れることになる。この場合、図6に図示の回路は、可変抵抗21の抵抗値を変えるか、電流制御装置22から供給するNPNトランジスタTr10のベース電流を変えることによって、また、図7に図示の回路は、PWM24から出力されるオン・オフの比率(オンデューティー)を変更してFET23のオン時間を制御することによってLED20に流れる電流を制御できるようになっている。
【0006】
しかし、従来の図6に図示の回路及び図7に図示の回路は、複数のLED20が並列に接続されている場合、そのうちの1又は複数個が断線して負荷容量が変化したときに直ちに応答できないようになっている。このため、このように並列に接続されている複数のLED20の1又は複数個が断線したような場合には、瞬時に大電流が残りのLED20に供給され、可変抵抗21の抵抗値を変えるとか、トランジスタTr10のベース電流を変えるとかして、LED20に供給される電流を正常値に戻すまでの間に残りの正常なLED20に定格電流以上の電流が流れ込み、LED20が破損してしまうという問題を有している。
【0007】
本発明の1つの目的は、複数の発光素子の1又は複数個が破損等により点灯しなくなった場合に正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じて、リファレンス回路のリファレンス抵抗値を電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに流れる電流量が過電流になったときに正常な発光素子が破損しないように保護できるようにすることにある。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、複数の発光素子の特性のバラツキ、発光素子の劣化による発光素子の輝度の変化に応じて、正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じてリファレンス回路のリファレンス抵抗値を自動調整することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発光素子の電源供給制御装置は、DC電源にドレインが接続される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと複数の発光素子との間に複数の発光素子の全体に流す電流量を前記複数の発光素子に変動が有っても、前記複数の発光素子の変動に関わりなく供給する電流量を一定に保って流す定電流回路を接続すると共に、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと同じ特性を有し、ドレインがDC電源に接続されるリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのメインFETと、前記メインFETのソースに接続され前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに一定の負荷電流が流れたときに発生する前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧と比較し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧が同じ電圧になるように前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に発生させる電流を流す抵抗値に設定するリファレンス抵抗とによって構成され、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと前記定電流回路との直列回路に並列に接続するリファレンス回路と、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧と前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧を比較し、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧より前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧が大きくなったときに前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に所定電流以上の過電流が流れたと判定する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に基づいて前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに所定電流以上の電流が流れたと判定したときに、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのオン・オフを制御するゲート信号を出力する駆動回路と、
前記リファレンス回路の電流量を制御し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソースに誘起する過電流検出用の基準電圧であるリファレンス電圧を制御する制御回路と、
前記複数の発光素子の近傍に配置され、前記DC電源からコレクタに電力が供給されるホトトランジスタと前記ホトトランジスタのエミッタに接続される抵抗とによって構成されており、前記発光素子が発光していないときは常時オフしており、前記発光素子が発光すると前記抵抗とホトトランジスタのエミッタとの間に誘起される前記発光素子の発光量(輝度)に応じた電圧を前記制御回路に入力する輝度検出装置とを設け、
前記複数の発光素子の輝度の変化に対して前記リファレンス回路の電流量を制御して前記複数の発光素子の輝度が予め設定されている輝度を保持するように制御し、予め設定されている輝度の範囲を超えて変化したときは、前記比較回路の駆動により前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに予め設定されている電流以上の電流が流れたと判定し、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチをオン・オフ制御して過電流検出を行うようにしたものである。
このように構成することにより本願請求項1に記載の発明によると、複数の発光素子の1又は複数個が破損等により点灯しなくなった場合に正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じて、リファレンス回路のリファレンス抵抗値を電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに流れる電流量が過電流になったときに正常な発光素子が破損しないように保護することができる。
【0010】
上記目的を達成するため、本願請求項2に記載の発光素子の電源供給制御装置は、DC電源にドレインが接続される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと複数の発光素子との間に複数の発光素子の全体に流す電流量を前記複数の発光素子に変動が有っても、前記複数の発光素子の変動に関わりなく供給する電流量を一定に保って流す定電流回路を接続すると共に、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと同じ特性を有し、ドレインがDC電源に接続されるリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのメインFETと、前記メインFETのソースに接続され前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに一定の負荷電流が流れたときに発生する前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧と比較し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧が同じ電圧になるように前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に発生させる電流を流す抵抗値に設定するリファレンス抵抗とによって構成され、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと前記定電流回路との直列回路に並列に接続するリファレンス回路と、
前記複数の発光素子の近傍に配置され、前記DC電源からコレクタに電力が供給されるホトトランジスタと前記ホトトランジスタのエミッタに接続される抵抗とによって構成されており、前記発光素子が発光していないときは常時オフしており、前記発光素子が発光すると前記抵抗とホトトランジスタのエミッタとの間に前記発光素子の発光量(輝度)に応じた電圧を誘起する輝度検出装置と、
前記輝度検出装置による検出値を発光素子の輝度が正常なときに誘起される基準誘起電圧と比較し、前記輝度検出装置による検出値が常時基準誘起電圧と一致するように前記リファレンス回路のNPNトランジスタのベース電流を制御して前記リファレンス回路のリファレンス抵抗を可変制御する制御装置とを設け、
前記複数の発光素子の輝度の変化に対して前記NPNトランジスタのベース電流を加減することにより前記複数の発光素子の輝度が所定の輝度を保持するように制御するものである。
このように構成することにより本願請求項2に記載の発明によると、複数の発光素子の特性のバラツキ、発光素子の劣化による発光素子の輝度の変化に応じて、正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じてリファレンス回路のリファレンス抵抗値を自動調整することができ、常に発光素子の輝度を一定に保持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
図1には、本発明に係る発光素子の電源供給制御装置の一実施の形態が示されている。
この発光素子の電源供給制御装置は、自動車等の車両において使用されている装置や機器がどのような状態になっているかを運転者に表示する発光素子に電源を供給するものである。
【0012】
図において、1は電源供給装置で、1個のチップで構成されており、その他の電子部品は電源供給装置1のチップの外部接続端子にそれぞれ接続されている。そして、電源供給装置1の○で示されているのは外部の素子を接続するための接続端子である。
電源供給装置1の入力端子Aには、バッテリVBが接続されており、電源供給装置1の入力端子Cには、抵抗R4を介してバッテリVBが接続されている。また、この入力端子Cには、スイッチSW1の一端が接続されており、このスイッチSW1の他端は接地されている。出力端子Hには、コンデンサC1が接続されている。このコンデンサC1は、ON/OFF計数回路のRC積分回路のコンデンサである。
また、出力端子Bには、NPNトランジスタTr3のコレクタが接続されており、このNPNトランジスタTr3のエミッタには、一端が接地された複数個(図1においては、3個)の発光素子(例えば、LED)5が接続されている。
また、出力端子Bと出力端子Eの間には、抵抗R11が接続されており、この抵抗R11の両端にオペアンプ6の(+)入力端子と(−)入力端子とが接続されている。このオペアンプ6の出力端子には、NPNトランジスタTr3のベースが接続されている。この抵抗R11とオペアンプ6とNPNトランジスタTr3とによって、NPNトランジスタTr3のベースに供給するベース電流を制御して負荷である発光素子5に一定の電流量を流すようにする定電流回路7を構成している。
【0013】
また、電源供給装置1の出力端子Eには、NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の直列回路で構成されるリファレンス抵抗8が接続されている。すなわち、出力端子Eには、NPNトランジスタTr4のコレクタが接続されており、このNPNトランジスタTr4のエミッタは、抵抗Rr1を介して接地されている。このNPNトランジスタTr4のベースには、制御回路であるMPU(マイクロ・プロセッサー・ユニット)9が接続されており、このNPNトランジスタTr4は、MPU9から出力されるベース電流によって抵抗Rr1に供給される電流量を制御する機能を有している。したがって、このNPNトランジスタTr4は、リファレンス抵抗8の抵抗値を制御することになる。そして、出力端子Eに誘起するリファレンス電圧(過電流検出用の基準電圧)は、このNPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗によって作られる。
また、出力端子Fには、抵抗Rr2によって構成される第2のリファレンス抵抗10が接続されている。そして、出力端子Fに誘起する第2のリファレンス電圧(過小電流検出用の基準電圧)は、この抵抗Rr2によって作られる。
【0014】
さらに、電源供給装置1の出力端子Aには、ホトトランジスタTr2のコレクタが接続されており、このホトトランジスタTr2のエミッタは抵抗R12を介して接地されている。このホトトランジスタTr2は、発光素子5が発光すると発光素子5の発光量に応じた電流を流す機能を有しており、発光素子5が発光していないときは常時オフしている。発光素子5の発光によってホトトランジスタTr2がオンすると、抵抗R12間のホトトランジスタTr2のエミッタ側には発光素子5の発光量に応じた電圧が誘起され、この電圧がMPU9に入力される。このホトトランジスタTr2と抵抗R12とによって輝度検出装置11が構成されている。
【0015】
また、電源供給装置1は、図2に示す如き構成を有している。
図において、電源供給装置1の入力側端子AにはバッテリVBが接続され、出力側端子Bには負荷が接続されている。一方、スイッチング端子Cには、一端が接地され他端が抵抗R4を介してバッテリVBに接続されるスイッチSW1が接続されている。
また、入力側端子Aには、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのドレン側端子DAが接続されており、この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース側端子SAには出力側端子Bが接続されている。また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAには、ゲート側端子GAが設けられている。そして、この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAは、バッテリVBと負荷である複数個の発光素子5との間に直列に接続されている。
【0016】
この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAは、図3に示す如き構成を有している。すなわち、ドレン側端子DAには、メインFETQ1のドレンが接続されており、メインFETQ1のソースには、ソース側端子SAが接続されている。このメインFETQ1のゲートは、内部抵抗RA(例えば、10kΩ)を介してゲート側端子GAに接続されている。このゲート側端子GAとソース側端子SAとの間には、温度検知回路30が接続されている。この温度検知回路30は、メインFETQ1の温度を検出するためのもので、この温度検知回路30には、ラッチ回路31が接続されている。そして、この温度検知回路30は、メインFETQ1の温度が所定温度(異常温度)に達したときにラッチ回路31にオン信号を出力する。ラッチ回路31は、温度検知回路30からの信号を受けてオン信号を出力し続ける作用を有している。このラッチ回路31の出力端子には、過熱遮断用FETQ2のゲートが接続されており、温度検知回路30がメインFETQ1が過熱したことを検出したときにラッチ回路31を介して出力されるオン信号によって過熱遮断用FETQ2がオンし、メインFETQ1のゲート電圧を落としてメインFETQ1を遮断する。
【0017】
一方、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース側端子SAには、出力側端子Bを介して負荷である複数の発光素子5が接続されている。この負荷への電源供給は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1によって行われている。
このようにして電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAは、発光素子5である負荷が短絡する等によってメインFETQ1のドレン・ソース間に過電流が流れたときに、メインFETQ1が過熱して破壊されるのを防止するため、メインFETQ1の温度が規定値以上に上昇すると自らの作用で強制的にオフ(遮断)する過熱自己遮断機能を備えている。この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAを構成するメインFETQ1は、DMOS構造のNMOSFETで構成されている。
【0018】
電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのドレン側端子DAには、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのドレン側端子DBと、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのドレン側端子DCが接続されている。そして、このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのソース側端子SBには出力側端子Eが、また、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのソース側端子SCには出力側端子Fが接続されている。また、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBには、ゲート側端子GBが、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCには、ゲート側端子GCが設けられている。
【0019】
このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBは、図4に示す如き構成を有しており、このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBは、図3に図示の電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAと同一の構成となっている。すなわち、ドレン側端子DBには、メインFETQ3のドレンが接続されており、メインFETQ3のソースには、ソース側端子SBが接続されている。このメインFETQ3のゲートは、内部抵抗RB(例えば、10kΩ)を介してゲート側端子GBに接続されている。このゲート側端子GBとソース側端子SBとの間には、温度検知回路40が接続されている。この温度検知回路40は、メインFETQ3の温度を検出するためのもので、この温度検知回路40には、ラッチ回路41が接続されている。そして、この温度検知回路40は、メインFETQ3に所定電流より過大の電流が流れる等によってメインFETQ3の温度が所定温度(異常温度)以上になったときにラッチ回路41にオン信号を出力する機能を有している。そして、このラッチ回路41は、温度検知回路40からの信号を受けてオン信号を出力し続ける作用を有している。さらに、このラッチ回路41の出力端子には、過熱遮断用FETQ4のゲートが接続されており、温度検知回路40によってメインFETQ3が過熱したことを検出したときは、ラッチ回路41を介して出力されるオン信号によって過熱遮断用FETQ4をオンし、メインFETQ3のゲート電圧を落としてメインFETQ3を遮断する。
【0020】
一方、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのソース側端子SBには、出力側端子Eを介してリファレンス抵抗8を構成しているNPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の直列回路が接続されており、この抵抗Rr1は接地されている。そして、このメインFETQ3とリファレンス抵抗8とによってリファレンス回路が構成されている。このリファレンス回路は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1と負荷である発光素子5との直列回路に並列に接続されている。
このリファレンス回路は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオンして負荷である発光素子5に電流を流し、この負荷である発光素子5に正常に電流が流れている状態のときに電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース(ソース側端子SA)に発生する電圧と同じ電圧(基準電圧)を、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース(ソース側端子SB)に常時発生させる作用を有している。すなわち、このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース(ソース側端子SB)には、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース側端子SAに接続される負荷の状態の変化に拘わらず、常に一定したソース電圧が発生するようになっている。
【0021】
このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に過大に流れたときに、このメインFETQ1のソース(ソース側端子SA)に発生するソース電圧と比較して負荷である発光素子5に過電流が流れたことを検出するための基準電圧である。
【0022】
このようにリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBは、メインFETQ3のソースに接続されるリファレンス抵抗8を構成するNPNトランジスタTr4、抵抗Rr1の短絡等によってリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3に過電流が流れたときに、このメインFETQ3が過熱して破壊されるのを防止するため、このメインFETQ3の温度が規定値以上に上昇すると自らの作用で強制的にオフ(遮断)する過熱自己遮断機能を備えている。このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBを構成しているメインFETQ3は、DMOS構造のNMOSFETで構成されている。
【0023】
また、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCは、図5に示す如き構成を有しており、この第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCは、図3に図示の電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAと同一の構成となっている。すなわち、ドレン側端子DCには、メインFETQ5のドレンが接続されており、メインFETQ5のソースには、ソース側端子SCが接続されている。このメインFETQ5のゲートは、内部抵抗RC(例えば、10kΩ)を介してゲート側端子GCに接続されている。このゲート側端子GCとソース側端子SCとの間には、温度検知回路50が接続されている。この温度検知回路50は、メインFETQ5の温度を検出するためのもので、この温度検知回路50には、ラッチ回路51が接続されている。そして、この温度検知回路50は、メインFETQ5に所定電流より過大の電流が流れる等によってメインFETQ5の温度が所定温度(異常温度)以上になったときにラッチ回路51にオン信号を出力する機能を有している。そして、このラッチ回路51は、温度検知回路50からの信号を受けてオン信号を出力し続ける作用を有している。さらに、このラッチ回路51の出力端子には、過熱遮断用FETQ6のゲートが接続されており、温度検知回路50によってメインFETQ5が過熱したことを検出したときは、ラッチ回路51を介して出力されるオン信号によって過熱遮断用FETQ6をオンし、メインFETQ5のゲート電圧を落としてメインFETQ5を遮断する。
【0024】
一方、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのソース側端子SCには、出力側端子Fを介して抵抗Rr2によって構成される第2のリファレンス抵抗10が接続されており、この第2のリファレンス抵抗10の抵抗Rr2は接地されている。そして、このメインFETQ5と第2のリファレンス抵抗Rr2とによって第2のリファレンス回路が構成されている。この第2のリファレンス回路は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1と負荷である発光素子5との直列回路に並列に接続されている。
この第2のリファレンス回路は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオンして負荷である発光素子5に電流を流し、この負荷である発光素子5に正常に電流が流れている状態のときに電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース(ソース側端子SA)に発生する電圧と同じ電圧(基準電圧)を、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース(ソース側端子SC)に常時発生させる作用を有している。すなわち、この第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース(ソース側端子SC)には、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース側端子SAに接続される負荷の状態の変化に拘わらず、常に一定したソース電圧が発生するようになっている。
【0025】
この第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース電圧は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1がオンしているにも拘わらず、負荷である発光素子5に電流が流れないか過小な電流しか流れなかったとき(発光素子5の接続不良等の断線状態の場合)に、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に流れる電流量が、第2の設定値より過小に流れたときに、このメインFETQ1のソース電圧と比較して負荷である発光素子5に電流が過小に流れたことを検出するための第2の基準電圧である。
【0026】
このように第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCは、メインFETQ5のソースに接続される第2のリファレンス抵抗10の短絡等によって第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のドレン・ソース間に過電流が流れたときに、このメインFETQ5が過熱して破壊されるのを防止するため、このメインFETQ5の温度が規定値以上に上昇すると自らの作用で強制的にオフ(遮断)する過熱自己遮断機能を備えている。この第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCを構成しているメインFETQ5は、DMOS構造のNMOSFETで構成されている。
【0027】
また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1と、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3と、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5は、複数のトランジスタで構成されており、このメインFETQ1、メインFETQ3、メインFETQ5を構成するトランジスタ数の比は、
メインFETQ1>メインFETQ3
メインFETQ1>メインFETQ5
となっている。具体的には、例えば、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1とリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3、および電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1と第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5の各トランジスタ数の比は1000:1に設定してある。
【0028】
そして、リファレンス抵抗8の抵抗Rr1は、例えば電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に5Aの負荷電流(ドレン電流)が流れたとき、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3に5mAのドレン電流が流れ、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧Vdsと同じドレン・ソース間電圧をリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間に発生させるようにような値に設定してある。
【0029】
また、第2のリファレンス抵抗10の抵抗Rr2は、例えば電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に5Aの負荷電流が流れたとき、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5に5mAのドレン電流が流れ、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧Vdsと同じドレン・ソース間電圧を第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のドレン・ソース間に発生させるようにような値に設定してある。
【0030】
したがって、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲート・ソース間電圧とリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のゲート・ソース間電圧とは、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に接続される負荷である発光素子5が正常である限り、一致した値となる。同様に、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲート・ソース間電圧と第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のゲート・ソース間電圧とは、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に接続される負荷である発光素子5が正常である限り、一致した値となる。
【0031】
電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートと、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のゲートと、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のゲートとは、抵抗R7と抵抗R8の直列回路を介して駆動回路2に接続されており、この駆動回路2から出力されるゲート信号によって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1と、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3と、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5とは、同時にオン・オフするようになっている。
【0032】
この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのドレン側端子DAとリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのドレン側端子DBと第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのドレン側端子DCを共通化し、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのゲート側端子GAとリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのゲート側端子GBと第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのゲート側端子GCを共通化することにより同一チップへの集積化を容易にすることができる。また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAとリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBと第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCは、同一プロセスで同一チップ上に形成されたものを使用することとして、温度ドリフトやロット間のバラツキの影響を除去するようにしている。
【0033】
また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースには、ツェナーダイオードZD1のアノードが接続されており、このツェナーダイオードZD1のカソードには抵抗R7と抵抗R8の接続点が接続されている。このツェナーダイオードZD1は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲート・ソース間を電源電圧(12V)に保ってゲートに過電圧が印加されようとした場合に、これをバイパスさせるためのものである。
【0034】
また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースには、抵抗R5を介してコンパレータで構成される比較回路CMP1の(+)側入力端子と、コンパレータで構成される比較回路CMP2の(−)側入力端子がそれぞれ接続されている。
この比較回路CMP1は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースに誘起される電圧とリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソースに誘起される電圧とを比較して電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に接続される負荷に過大電流が流れるのを検出するためのものである。すなわち、比較回路CMP1の出力は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧とリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧とを比較し、その差が過電流判定値以下である間(電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースの電位がリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソースの電位以上である間)はHiが出力され、その差が過電流判定値より大きくなると(電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースの電位がリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソースの電位より小さくなると)反転してLowが出力され、過大電流が流れたと判定する。
【0035】
また、比較回路CMP2は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース(ソース側端子SA)に誘起される電圧と第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース(ソース側端子SC)に誘起される電圧とを比較して電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に電流が所定量流れているか(過小電流となっていないか)を検出するためのものである。
すなわち、比較回路CMP2の出力は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧と第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース電圧とを比較し、その差が過小電流判定値以下である間(電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧が第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース電圧よりも低い値である間)はHiが出力され、その差が過小電流判定値より大きくなると(電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧が第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソース電圧より高くなると)反転してLowが出力され過小電流になったと判定する。
【0036】
また、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソースには、抵抗R6を介して比較回路CMP1の(−)側入力端子が接続されている。
さらに、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のソースには、比較回路CMP2の(+)側入力端子が接続されている。
【0037】
一方、電源供給装置1の入力側端子Aには、PNPトランジスタTr1のエミッタが接続されており、このPNPトランジスタTr1のコレクタには、抵抗R1と抵抗R3と抵抗R2の直列回路が接続されており、抵抗R2の他端は接地されている。そして、比較回路CMP1の(+)側入力端子は、抵抗R1と抵抗R3の接続点にダイオードD1を介して接続されており、比較回路CMP1の(−)側入力端子は、抵抗R3と抵抗R2の接続点にダイオードD2を介して接続されている。したがって、比較回路CMP1の(+)側入力端子には、バッテリVBから供給される電源電圧を、抵抗R1と、抵抗R3とR2の合成抵抗とによって分圧した電圧が、比較回路CMP1の(−)側入力端子には、抵抗R1と抵抗R3の合成抵抗と、R2とによって分圧した電圧がそれぞれ印加されるように構成されている。
このPNPトランジスタTr1と、抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2と、ダイオードD1、ダイオードD2によって、短絡等の異常により電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1がオンからオフになった後に、この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオンに復帰させるための復帰回路を構成している。すなわち、復帰回路は、エミッタがバッテリVB側の出力端子に、ベースが抵抗R10を介してスイッチSW1側の入力端子にそれぞれ接続されたPNPトランジスタTr1と、このPNPトランジスタTr1のコレクタとアースの間に直列に接続された抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2と、この抵抗R1に流れる電流を比較回路CMP1の(+)端子側へ通すダイオードD1と、抵抗R1、抵抗R3に流れる電流を比較回路CMP1の(−)端子側へ通すダイオードD2とによって構成されている。
【0038】
復帰回路の構成要素となっている抵抗R1の抵抗値は、スイッチSW1を投入することによってPNPトランジスタTr1がオンになると、抵抗R1、R3の接続点の電位V1がバッテリの60〜80%程度で、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース側端子SAの電位が抵抗R5での前記電圧降下分だけ下がった電圧V3(ダイオードD1のカソード側電位)より大きい値になるように設定されている。
【0039】
さらに、比較回路CMP1の(+)側入力端子には、抵抗R9を介してダイオードD3のアノードが接続されており、このダイオードD3のカソードには駆動回路2のゲート信号出力端子が接続されている。
比較回路CMP1の出力端子は、駆動回路2に接続されており、比較回路CMP1の判定結果が駆動回路2に入力されるようになっている。この駆動回路2には、チャージポンプ回路3で昇圧された電圧VP(例えば、VP=VB+5V)が印加されており、駆動回路2は、比較回路CMP1から出力されているHiの信号と、スイッチSW1をオンすることによってスイッチ側から入力されるオン信号の入力とによって、駆動回路2のソース側トランジスタ2aがオンしてシンク側トランジスタ2bがオフし、電圧VPの駆動信号を抵抗R8、抵抗R7を介して電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートに出力し、これによって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオンするようになっている。この駆動回路2は、比較回路CMP1からHiの信号が入力されている間(Lowの信号が出力されない限り)、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートにオン信号を出力し続ける。この駆動回路2は、比較回路CMP1が反転して比較回路CMP1からLow信号が入力されると、駆動回路2のソース側トランジスタ2aがオフしシンク側トランジスタ2bがオンし、駆動回路2からの出力がLowとなって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートにオフ信号を出力し、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオフする。
また、比較回路CMP2の出力端子は、外部への出力端子Fに接続されており、比較回路CMP2によって判定された結果は、出力端子Fに接続される回路によって利用される。
【0040】
起動時、スイッチSW1を投入すると、PNPトランジスタTr1がオンし、電源電圧VB(12V)を抵抗R1と〔抵抗R3+抵抗R2〕とによって分圧された電圧値(例えば、電源電圧の60%〜80%)が比較回路CMP1の(+)側端子に印加されるようになっている。比較回路CMP1の(−)側端子には、〔抵抗R1+抵抗R3〕と抵抗R2とによって分圧された電圧値(例えば、電源電圧の20%〜40%)が印加されるようになっている。この抵抗R3は小さい抵抗値のものが使用されており、抵抗R1の抵抗値と〔抵抗R3+抵抗R2〕の抵抗値の差は微差である。
【0041】
スイッチSW1をオンし、PNPトランジスタTr1のオンによって、電源電圧VB(12V)を抵抗R1と〔抵抗R3+抵抗R2〕とで分圧した電圧が比較回路CMP1の(+)側入力端子と比較回路CMP1の(−)側入力端子に印加され、比較回路CMP1の(+)側入力端子に印加される電圧が比較回路CMP1の(−)側入力端子に印加される電圧よりも大きいため、比較回路CMP1の出力はHiとなり、駆動回路2を駆動し、駆動回路2からはゲート駆動信号Hiが出力される。このゲート駆動信号Hiは、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートに印加され、このメインFETQ1をオンする。このゲート駆動信号は同時にリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3、第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5をオンする。
【0042】
この比較回路CMP1の出力は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に過電流が流れたことを判定するのに用いられている。いま、負荷である複数の発光素子5の接続側に短絡等のデットショートが生じると、負荷である複数の発光素子5に流れ込むべき電流がアースに流れ込む。このようにデットショートが生じると、負荷である複数の発光素子5に電流が流れないので、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に負荷が接続されていない無負荷(回線負荷のみ)状態となっているため、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1には過大の電流(過電流)が流れる。この過電流は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間に流れ、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間の電圧Vdsは大きくなり(電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1がオンしている限りドレン・ソース間の電圧が大きくなり)、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のオン抵抗と、短絡電流で決まるところで安定する。
【0043】
一方、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)の方は、連続でオンしている状態では正常であればリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)に比べて電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)の方が高いようにリファレンス抵抗8の抵抗Rr1の抵抗値が設定してあるので、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)の方は下がってくる。
このリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)は、通常オンしているときには、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)Vds(0.5V位)と同一であるから、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)Vds、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)とも抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2による分圧電圧よりも高い(電源電圧に近くなってくる)。この抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2による分圧電圧は、ダイオードD1、D2でカットされてしまい、比較回路CMP1の(+)側入力端子、比較回路CMP1の(−)側入力端子には無関係になってくる。すなわち、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)の値、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)の値が直接比較回路CMP1の(+)側入力端子、比較回路CMP1の(−)側入力端子に入っている。
【0044】
一方、比較回路CMP1の(+)側入力端子に、抵抗R9、ダイオードD3の直列回路が接続されており、この直列回路のダイオードD3のカソードがゲート信号出力端子に接続されている。このダイオードD3のカソードは、負荷である発光素子5に電源を供給する電源供給ラインが正常の状態では、ゲート信号によって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1はオンするから、メインFETQ1のオン時かなり高い電圧になっている。したがって、ダイオードD3はカットオフされて、抵抗R9とダイオードD3の直列回路には電流は流れない。したがって、抵抗R5、抵抗R6には電流が全く流れなくて、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)が直接比較回路CMP1の(+)側入力端子に、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)が直接比較回路CMP1の(−)側入力端子にそれぞれ入力されている。このとき、負荷である発光素子5が正常(デッドショートでない)の場合は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)に比べてリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)が小さくなるようにリファレンス抵抗8の抵抗Rr2の抵抗値を設定してあるので比較回路CMP1の出力はHiになっている。
【0045】
この状態で電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAに接続される負荷である発光素子5に短絡等のデットショートが生じると、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1には、大電流が流れて、この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のオン抵抗に大電流がかかり、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間の電位差が大きくなる。ところが、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間の電位差の方は、第1のリファレンス抵抗Rr1によって固定されて一定である。したがって、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧に対して電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧の方が下がってくる。
【0046】
電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧(ソース側端子SAの電圧)が低下してリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧(ソース側端子SBの電圧)の値よりも小さくなり過電流判定値以下になると、比較回路CMP1の出力は、HiからLowに反転してLow信号が駆動回路2に出力される。駆動回路2に比較回路CMP1からLow信号が入力されると、駆動回路2のソース側トランジスタ2aがオフし、シンク側トランジスタ2bがオンし、駆動回路2からの出力がHiからLowになって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートにオフ信号を出力し、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1を遮断しようとする。この駆動回路2からのLow信号によってリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のゲート及び第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5のゲートにもオフ信号が入力されリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のゲート及び第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCのメインFETQ5をも遮断しようとする。
【0047】
この電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1を遮断しようとすると、駆動回路2のソース側のトランジスタ2aがオフして、シンク側のトランジスタ2bがオンする。そのために、抵抗R9とダイオードD3の直列回路のダイオードD3のカソード側が接地されるから、抵抗R9とダイオードD3の直列回路に電流が流れる。この電流は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAから抵抗R5を通って、抵抗R9を通って、ダイオードD3を通ってアースに落ちるというように流れる。すると、抵抗R5に電流が流れてることによって、この抵抗R5による電圧ドロップが生じる。この電圧ドロップのため、比較回路CMP1の(+)側入力端子は電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧よりも抵抗R5の電圧ドロップ分だけ下がる。これがヒステリシスである。
【0048】
リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース側端子SBの電圧に比べて電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAの電圧の方が一旦低くなると、比較回路CMP1が反転して駆動回路2のLowの信号が入力され駆動回路2をオフしようとする。この駆動回路2を一旦停止すると、駆動回路2のソース側のトランジスタ2aがオフして、シンク側のトランジスタ2bがオンするため、抵抗R9とダイオードD3の直列回路に電流が流れて、比較回路CMP1の(+)側入力端子は実際の電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースよりも低い電圧になる。したがって、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースが若干起き上がってフラフラしても比較回路CMP1は安定してオフしている。すなわち、抵抗R9とダイオードD3がヒステリシス回路を構成している。
【0049】
この状態で、今度は、駆動回路2がオフするから電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3はオフの方向に移行する。まず、ドレン・ソース間の電圧がどっちも段々と広がっていく。このドレン・ソース間電圧が広がっていくと、それに引っ張られてゲートの中のコンデンサCGDの容量が充電されていき、充電されながら引っ張られて電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3の真のゲート・ソース間の電圧が大きくなって電流は一時増える。
しかし、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース電圧、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース電圧は無限に大きくなれないから、電源電圧(12V)より少しオーバーしたところで飽和し、それ以上は引っ張り効果がなくなって、ゲートの放電回路で電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のゲートチャージがどんどん抜けてきて、ソース電圧に対してゲート電圧が下がってくる。そのために、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3の電流が減っていくと同時に、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3共にドレン・ソース間の電圧がどんどん大きくなっていく。
【0050】
このように電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1に流れる電流が減っていくから、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAの電位は、接地電位に近くなっていく。すると、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SA、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース側端子SBは、電源電圧VBを抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2で分圧した電圧よりも低くなる。この結果、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース側端子SB、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAは、比較回路CMP1の(−)側入力端子、比較回路CMP1の(+)側入力端子に信号が送れなくなってしまう。
【0051】
このような状態になると、今度は、電源電圧を抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2で分圧した電圧が比較回路CMP1の(+)側入力端子、比較回路CMP1の(−)側入力端子に印加されることになる。すると、比較回路CMP1の(+)側入力端子に印加される抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2による分圧電圧は、比較回路CMP1の(−)側入力端子に印加される抵抗R1、抵抗R3、抵抗R2による分圧電圧に比べて、抵抗R3の電圧ドロップ分だけ高くなっており、比較回路CMP1の出力は反転し、確実にHiになる。この比較回路CMP1の出力がHiになると、再び駆動回路2がオンし、ゲート信号を電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートに送り、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1をオンする。これによって負荷である発光素子5に電流が流れる。このようなオン・オフを繰り返して行う。
【0052】
ON/OFF計数回路4は、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のゲートがオフで、駆動回路2がオフの状態、すなわち、駆動回路2のシンクのトランジスタ2bがオンになっているときに、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソース側端子SAの電圧がグランドよりも高い電圧(5V)になっているときが有り、そのような状態に作動するものである。具体的には、CR積分回路を用いており、コンデンサC1はこのCR積分回路のコンデンサである。
【0053】
電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのドレン・ソース間に流れる電流を負荷である発光素子5に供給し、このときの電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのソース電圧と比較するリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのソース電圧は、従来のようにリファレンス抵抗8の抵抗Rr1によって誘起される電圧を得るのではなく、NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗の抵抗値に見合うだけの電流量をNPNトランジスタTr4によって作り出している。このNPNトランジスタTr4によって流す電流量は、MPU9から出力されるベース電流によって電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースに接続される負荷である複数の発光素子5に対応した基準電圧を発生させるに足る電流量となっている。
【0054】
電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースに接続されている負荷である複数の発光素子5が発光すると、発光素子5の輝度に対応したベース電流がホトトランジスタTr2に供給され、このホトトランジスタTr2のエミッタ(抵抗R12)に発生する電圧がMPU9に入力される。このエミッタ(抵抗R12)に発生する電圧がMPU9入力されると、MPU9からは、複数の発光素子5に電流が流れたときに電源供給装置1の出力端子Gにソースが接続される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧と同一の電圧が、リファレンス回路を構成するリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間に誘起されるように、リファレンス抵抗8の抵抗値を制御する。このリファレンス抵抗8の制御は、具体的には、NPNトランジスタTr4に流す電流を制御して、NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗値が第1のリファレンス抵抗値になるように制御する。
いま、電源供給装置1の出力端子Bに接続される複数の発光素子5が点灯中に1個又は2個以上破損して消灯すると、消灯した発光素子5には電流が流れないが、正常時に複数の発光素子5に流れる全電流が、破損しないで残っている正常な発光素子に分流して流れる。この結果、破損しなかった正常な発光素子には規定の電流より多量の電流が流れ込み、輝度が高くなる。このまま大電流が流れた状態にしておくと、破損しないで残った正常な発光素子が破損に至る可能性がある。この破損しなかった正常な発光素子の輝度の変化は、ホトトランジスタTr2によって検出され、この輝度の変化に応じてホトトランジスタTr2にバッテリVBから電流が抵抗R12に供給される。すると、この抵抗R12のホトトランジスタTr2側には、正常な発光素子の輝度に対応する電圧が誘起され、この誘起された電圧値がMPU9に入力される。このMPU9に入力された抵抗R12に誘起された電圧値は、MPU9において正常な発光素子が発光する正常な輝度のときに抵抗R12に誘起される電圧値と比較される。そして、破損しないで残った正常な発光素子の輝度が正常の輝度を保つようにMPU9は、正常な発光素子の輝度のときに流れる電流によって誘起される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧と同一の電圧をリファレンス回路を構成するリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間に誘起するような抵抗値になるようにリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4に流す電流を制御して行う。このリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4のベース電流によって制御すると、定電流回路7のトランジスタTr3は、正常な輝度になるような一定の電流が流れるように制御される。
【0055】
また、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースに接続されている定電流回路7のトランジスタTr3のエミッタに接続された負荷である複数の発光素子5の特性にバラツキが有ると、これら複数の発光素子5に所定の電流が供給されても輝度が一定しない。特に、複数の発光素子5の特性が劣っていると、所定の電流が供給されても所望の輝度が得られない場合がある。この場合は、複数の発光素子5に所定の電流が供給されても発光素子5の輝度が小さく、この発光素子5の輝度は、ホトトランジスタTr2によって検出される。このホトトランジスタTr2は、この発光素子5の輝度に応じた電流をバッテリVBから抵抗R12に供給する。すると、この抵抗R12のホトトランジスタTr2側には、特性によって決まる発光素子の輝度に対応する電圧が誘起され、この誘起された電圧値がMPU9に入力される。このMPU9に入力された抵抗R12に誘起された電圧値は、MPU9において正常な発光素子が発光する正常な輝度のときに抵抗R12に誘起される電圧値と比較される。そして、特性のバラツキによって輝度の低い発光素子が正常の輝度を保つようにMPU9は、正常な発光素子の輝度のときに流れる電流によって誘起される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧と同一の電圧をリファレンス回路を構成するリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間に誘起するような抵抗値になるようにリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4に流す電流を制御して行う。このリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4のベース電流によって制御すると、定電流回路7のトランジスタTr3は、正常な輝度になるような一定の電流が、特性のバラツキによって輝度の低い発光素子に流れるように制御される。このように特性のバラツキによって輝度が所定の輝度にならない場合、MPU9は、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース側に接続されるリファレンス抵抗8のNPNトランジスタTr4に流れる電流量を制御することで複数の発光素子5の輝度が所定の輝度になるように制御している。このように制御することにより、複数の発光素子5の輝度に応じてNPNトランジスタTr2のベース電流が供給され、NPNトランジスタTr4に流れる電流量が制御され、複数の発光素子5の輝度が一定に制御される。
【0056】
同様に、電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のソースに接続されている負荷である複数の発光素子5が経年変化して劣化すると輝度が下がり、当初予定した輝度が得られなくなる。この場合は、複数の発光素子5に所定の電流が供給されても発光素子5の輝度が小さく、この発光素子5の輝度は、ホトトランジスタTr2によって検出される。このホトトランジスタTr2は、この発光素子5の輝度に応じた電流をバッテリVBから抵抗R12に供給する。すると、この抵抗R12のホトトランジスタTr2側には、特性によって決まる発光素子の輝度に対応する電圧が誘起され、この誘起された電圧値がMPU9に入力される。このMPU9に入力された抵抗R12に誘起された電圧値は、MPU9において正常な発光素子が発光する正常な輝度のときに抵抗R12に誘起される電圧値と比較される。そして、経年変化して劣化することによって輝度の低い発光素子が正常の輝度を保つようにMPU9は、正常な発光素子の輝度のときに流れる電流によって誘起される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAのメインFETQ1のドレン・ソース間電圧と同一の電圧をリファレンス回路を構成するリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のドレン・ソース間に誘起するような抵抗値になるようにリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4に流す電流を制御して行う。このリファレンス抵抗8の抵抗値(NPNトランジスタTr4と抵抗Rr1の合成抵抗)をNPNトランジスタTr4のベース電流によって制御すると、定電流回路7のトランジスタTr3は、正常な輝度になるような一定の電流が、経年変化して劣化することによって輝度が低くなった発光素子に流れるように制御される。このように特性のバラツキによって輝度が所定の輝度にならない場合、MPU9は、リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBのメインFETQ3のソース側に接続されるリファレンス抵抗8のNPNトランジスタTr4に流れる電流量を制御することで複数の発光素子5の輝度が所定の輝度になるように制御している。このように制御することにより、複数の発光素子5の輝度に応じてNPNトランジスタTr2のベース電流が供給され、NPNトランジスタTr4に流れる電流量が制御され、複数の発光素子5の輝度が一定に制御される。
【0057】
【発明の効果】
本願請求項1に記載の発明によれば、複数の発光素子の1又は複数個が破損等により点灯しなくなった場合に正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じて、リファレンス回路のリファレンス抵抗値を電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに流れる電流量が過電流になったときに正常な発光素子が破損しないように保護することができる。
【0058】
本願請求項2に記載の発明によれば、複数の発光素子の特性のバラツキ、発光素子の劣化による発光素子の輝度の変化に応じて、正常な発光素子の輝度が所定の輝度に収束するまでの発光素子の輝度の変化に応じてリファレンス回路のリファレンス抵抗値を自動調整することができ、常に発光素子の輝度を一定に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発光素子の電源供給制御装置を示すブロック図である。
【図2】図1に図示の電源供給装置の詳細回路図である。
【図3】図2に図示の電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチQAの詳細回路図である。
【図4】図2に図示のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQBの詳細回路図である。
【図5】図2に図示の第2のリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチQCの詳細回路図である。
【図6】従来の発光素子の電源供給回路図である。
【図7】従来のパルス駆動による発光素子の電源供給回路図である。
【符号の説明】
1……………………………電源供給装置
2……………………………駆動回路
5……………………………発光素子
7……………………………定電流回路
8……………………………リファレンス抵抗
9……………………………MPU
11…………………………輝度検出装置
Tr2………………………ホトトランジスタ
Tr4………………………NPNトランジスタ
Rr1………………………抵抗
R12………………………抵抗
QA…………………………電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチ
QB…………………………リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチ
Claims (2)
- DC電源にドレインが接続される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと複数の発光素子との間に複数の発光素子の全体に流す電流量を前記複数の発光素子に変動が有っても、前記複数の発光素子の変動に関わりなく供給する電流量を一定に保って流す定電流回路を接続すると共に、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと同じ特性を有し、ドレインがDC電源に接続されるリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのメインFETと、前記メインFETのソースに接続され前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに一定の負荷電流が流れたときに発生する前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧と比較し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧が同じ電圧になるように前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に発生させる電流を流す抵抗値に設定するリファレンス抵抗とによって構成され、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと前記定電流回路との直列回路に並列に接続するリファレンス回路と、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧と前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧を比較し、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧より前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソース電圧が大きくなったときに前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に所定電流以上の過電流が流れたと判定する比較回路と、
前記比較回路の比較結果に基づいて前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに所定電流以上の電流が流れたと判定したときに、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのオン・オフを制御するゲート信号を出力する駆動回路と、
前記リファレンス回路の電流量を制御し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのソースに誘起する過電流検出用の基準電圧であるリファレンス電圧を制御する制御回路と、
前記複数の発光素子の近傍に配置され、前記DC電源からコレクタに電力が供給されるホトトランジスタと前記ホトトランジスタのエミッタに接続される抵抗とによって構成されており、前記発光素子が発光していないときは常時オフしており、前記発光素子が発光すると前記抵抗とホトトランジスタのエミッタとの間に誘起される前記発光素子の発光量(輝度)に応じた電圧を前記制御回路に入力する輝度検出装置とを設け、
前記複数の発光素子の輝度の変化に対して前記リファレンス回路の電流量を制御して前記複数の発光素子の輝度が予め設定されている輝度を保持するように制御し、予め設定されている輝度の範囲を超えて変化したときは、前記比較回路の駆動により前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに予め設定されている電流以上の電流が流れたと判定し、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチをオン・オフ制御して過電流検出を行うようにしたことを特徴とする発光素子の電源供給制御装置。 - DC電源にドレインが接続される電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと複数の発光素子との間に複数の発光素子の全体に流す電流量を前記複数の発光素子に変動が有っても、前記複数の発光素子の変動に関わりなく供給する電流量を一定に保って流す定電流回路を接続すると共に、
前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと同じ特性を有し、ドレインがDC電源に接続されるリファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのメインFETと、前記メインFETのソースに接続され前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチに一定の負荷電流が流れたときに発生する前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧と比較し、前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間の電圧が同じ電圧になるように前記リファレンス用過熱自己遮断型半導体スイッチのドレイン・ソース間に発生させる電流を流す抵抗値に設定するリファレンス抵抗とによって構成され、前記電源供給用過熱自己遮断型半導体スイッチと前記定電流回路との直列回路に並列に接続するリファレンス回路と、
前記複数の発光素子の近傍に配置され、前記DC電源からコレクタに電力が供給されるホトトランジスタと前記ホトトランジスタのエミッタに接続される抵抗とによって構成されており、前記発光素子が発光していないときは常時オフしており、前記発光素子が発光すると前記抵抗とホトトランジスタのエミッタとの間に前記発光素子の発光量(輝度)に応じた電圧を誘起する輝度検出装置と、
前記輝度検出装置による検出値を発光素子の輝度が正常なときに誘起される基準誘起電圧と比較し、前記輝度検出装置による検出値が常時基準誘起電圧と一致するように前記リファレンス回路のNPNトランジスタのベース電流を制御して前記リファレンス回路のリファレンス抵抗を可変制御する制御装置とを設け、
前記複数の発光素子の輝度の変化に対して前記NPNトランジスタのベース電流を加減することにより前記複数の発光素子の輝度が所定の輝度を保持するように制御することを特徴とする発光素子の電源供給制御装置。
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