JPH11515137A - クリンプ区分を有する接触部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 接触部材と導体（１）とをクリンプによって結合する際に導体（１）の破損のおそれ小さく保ち、しかも結合部の良好な導電性及び熱伝導性、引っ張り強度、並びに高い寿命を保証するために、クリンプ区分（６）の、導体（１）に接触させられる内側の表面に変形部を設けてあり、該変形部が交差して、かつ導体（１）の縦軸線に対して斜めに延びる条溝（２）若しくはリブである。

Description

【発明の詳細な説明】 クリンプ区分を有する接触部材 背景技術 本発明は、導体のためのクリンプ区分を有する接触部材であって、クリンプ区 分の、導体に接触せしめられる内側の表面に変形部が設けられている形式のもの に関する。 例えばケーブルつかみ、差込みスリーブ、クランプのような多くの形の接触部 材を有する電線若しくは電気ケーブルは、種々の装置及び設備に用いられている 。接触部材を介して、解離可能な確実な電気的な結合が迅速に行われる。クリン プ結合（Crimpverbindung）の利点は、線材が接触部材に機械的に結合されるこ とにある。この場合、さらに線材と接触部材との間の十分に頑丈な伝導性の良好 な結合が得られる。 しかし、電気的な導体と接触部材との間の結合を、導電性、熱伝導性、引っ張 り強度、寿命及び耐食性の点で改善して、振動、温度変化、湿気、腐食性の環境 若しくは別の極端な条件にさらすことができるように求められている。これによ って、結合部が新たな分野で用いられ、かつ既存の使用分野での結合部の機能が さらに確実にされる。 従来の公知技術の接触部材においては、クリンプに よって線材若しくは線材束に堅く接触するクリンプ区分の内面に凹部が配置され ている。線材がクリンプに際して変形されて、凹部内に押し込まれ、これによっ て、改善された機械的な保持が達成される。さらに同時に、線材表面の所定の領 域が腐食層若しくはラッカ絶縁材料（Lackisolationsmaterial）を除去される。 凹部は実際の例ではたいてい条溝（Rille）であり、該条溝は線材の縦軸線に対 して直角に延びている。条溝間にあるウェブによって、クリンプに際して線材に 複数のリング溝(Ringnut)が形成される。従って、線材はリング溝の領域でクリ ンプの後に直径を減少せしめられ、これによって線材の破損のおそれが高められ 、このことは欠点である。 米国特許第３８９２４５９号明細書に記載してあるように、公知技術の別の構 成では、できるだけ大きな接触面積を得るために、クリンプ区分の内面にできる だけ多くの小さい凹部が設けられている。しかしながら、所望の効果は得られず 、それというのはクリンプ区分の側壁の小さな凹部は、線材が凹部内に圧入され る前に、クリンプに際して側壁を曲げることによって閉じられるからである。従 って、米国特許第３８９２４５９号明細書により、クリンプ区分の、クリンプに 際して変形しないか、若しくはわずかにしか変形しない底部にほぼ正方形の小さ な凹部を設け、かつ側壁に長い大きな凹部を設けることが提案されている。長い 凹部は線材の縦軸に対して直角に延びている。この場合にも線材にリング状の溝 が形成され、従って線材の既に前に述べた不都合な断面減少が生じて、線材の破 損のおそれが高くなる。 さらに米国特許第３９８９３３９号明細書から、斜めに延びる条溝若しくはリ ブによってクリンプ結合を改善することが公知である。導体の取り付けの際のク リンプ区分の簡単な折り曲げのために、斜めに延びる条溝がセグメントになって いる。はめ込むべき接続導体のクリンプに際して、接続導体の表面にねじ状の圧 刻部が形成され、これによって引裂けのおそれがリング溝に比べて小さくなる。 ケーブルつかみにおける類似のねじ状のリブが米国特許第３７１７８３９号明細 書及び米国特許第５１３１８６１号明細書により公知である。 しかしながら前記構成に置いては欠点として、特に差込み結合の場合に差込み 部の引っ張り若しくは圧縮の繰り返しによって接続ケーブルがクリンプ結合部で 容易に緩む。この場合、リンプ結合の緩みが特にねじ状のクリンプに基づき接続 導体と接続部との間の回動によって生じる。 本発明の課題は、冒頭に述べた形式の接触部材を改善して、公知技術の前記欠 点を取り除き、接触部材と線材若しくは線材束との間の良好な導電性、熱伝導性 、回動剛性、引っ張り強度、及び耐食性を有する結合 を可能にすることである。 前記課題を解決するために冒頭に述べた形式の接触部材において、変形部が交 差してかつ導体の縦軸線に対して斜めに延びる条溝若しくはリブである。 発明の利点 クリンプ区分の内面にある条溝間のウエブ若しくはリブが、クリンプに際して 線材に互いに交差するねじ状の溝を形成する。これによって、線材の断面がクリ ンプ区分内のすべての縦方向位置で一様に減少され、しかも公知技術のリング溝 による断面減少に比べて著しくわずかな量でしか減少されない。それにもかかわ らず接触部材と線材との間の接触面積は、公知技術の場合よりも著しく大きくな っている。該接触面積は、条溝若しくはリブの数を公知技術に比べて増大するこ とによっても付加的に増大され、しかも接触部材と導体との間のクリンプ結合の 破損のおそれが従来公知の場合よりも小さい。接触面積の増大により、導電性及 び熱伝導性が改善され、特に機械的な保持力がリブ若しくは条溝の交差配置によ って改善される。導体の断面減少が、条溝若しくはリブを斜めに若しくはねじ状 に、かつ互いに平行に配置した場合に最適に一様に行われる。 クリンプ区分と導体との間の接触面積を増大するために、本発明に基づき、変 形部として導体の縦軸線に対して斜めに延びる条溝若しくはリブの２つのグルー プが設けられており、一方のグループの条溝若しくはリブが他方のグループの条 溝若しくはリブに対して斜めに延びている。この場合、各グループの条溝若しく はリブは有利には、互いに平行に延びており、条溝若しくはリブが菱形の隆起部 若しくは凹部を制限しており、即ち、条溝若しくはリブが、鋭角若しくは鈍角で あるものの、有利には９０度でない角度を成して互いに交差している。 菱形の隆起部が有利にはピラミッド形の先端で閉じていてよい。 本発明に基づく接触部材は、絶縁された線材、特にラッカ線材にとって、結合 すべき端部の絶縁除去なしに極めて有利に用いられる。条溝内若しくはリブ間の 隙間に線材若しくは線材束の線材を押し込むことによって、絶縁層若しくはラッ カ層、場合によって存在する腐食層が、線材内への、エッジの鋭い線状隆起の切 り込み、若しくは菱形の隆起部の先端の入り込みによって掻き落とされ、若しく は押し除けられ、線材と接触部材との間の良好な接触が保証される。絶縁除去の 作業過程が省略できる。クリンプに際して掻き落とされた物質がクリンプされた 状態でねじ状に延びる条溝によってドリルの場合のように外側へ搬送され、かつ クリンプ区分の縁部でクリンプ区分と線材との間の結合部をシールして、従って 腐食性の気体若しくは液体の侵入を防止する。 図面 次ぎに、本発明を図示の実施例に基づき詳細に説明する。図１は、従来技術の 接触部材をクリンプ前の状態で示している。図２は、クリンプ後のクリンプ区分 及び該クリンプ区分内の線材の詳細な断面図であり、図３は、図２の線材の切断 線ＩＩＩ−ＩＩＩの高さの断面図である。図４は、別の公知技術の接触部材をク リンプ前の状態で示している。図５は、図４の接触部材及び該接触部材内の線材 のクリンプ後の状態の詳細な断面図であり、図６は、図５の線材の切断線ＶＩ− ＶＩの高さの断面図である。図７は、第１のグループの平行な条溝及び第２のグ ループの平行な対向条溝を有する本発明に基づく接触部材のクリンプ区分の実施 例の展開図である。図８は、図７のクリンプ区分のクリンプ後の側面図であり、 この場合、波線でクリンプ区分の内面の１つの条溝及び対向条溝の経過が示して ある。図９は、簡単なエンボス加工若しくはローリング或いは背面からの押圧に よって可能であり若しくは形成される本発明に基づく別の実施例を示している。 実施例の説明 図１には、公知技術の接触部材（Kontaktelement）がクリンプ前の状態で導体 ２７と一緒に示されている。接触部材は、一方の端部に差込み結合部２５を有し ており、差込み結合部２５は装置若しくは設備部分をケーブル接続するために、 扁平な接触プレート上に押し 込まれ得る。接触部材の他方の端部にクリンプ区分（Crimpabschnitt）２６を設 けてあり、クリンプ区分２６が内面に条溝（Rille）３３の形の凹部（Vertiefun g）を有しており、条溝３３は導体の縦軸線３４に対して直角に延びている。導 体２７は内実な個別の線材若しくはリッツ線であってよく、矢印２８の方向でク リンプ区分２６内に押し込まれる。次いでクリンプ過程（Crimpvorgang）が行わ れ、この場合、クリンプ区分２６の側壁２９、３０が矢印３１、３２の方向に曲 げられる。クリンプに際して導体２７も変形され、特に条溝３３内に押し込まれ 、かつ条溝３３間のウェブ（Steg）３５によって押しのけられる。この場合、ウ ェブ３５が導体表面にリング溝３６を形成し、これによって該領域で導体横断面 を減少させている。図２には、ウェブ３５によって形成されたリング溝３６が明 瞭に示してある。図３は、リング溝３６の領域で導体の横断面を示している。 図４には、別の公知技術の接触部材が示してある。結合手段として、同じく従 来の差込み結合部５が設けられている。クリンプ区分６の内面に、導体１の縦軸 線１４に対して斜めに延びるリブ２が設けられている。導体１が矢印８の方向で クリンプ区分６に押し込まれると、クリンプ区分６の側壁９、１０が矢印１１、 １２の方向で曲げられ、従って、ウェブ（Steg）１５によって互いに隔てられた リブ２が導体１の表面にねじ 状の溝（Nut）１６を形成し、この場合、導体１の材料がクリンプの際に生ぜし められる圧力によってリブ２間のウェブ１５に向けて押しのけられる。場合によ って導体の表面に存在する絶縁層若しくは腐食層が、クリンプの際の導体の変形 によって広い領域で掻き落とされ、その結果、導体１と接触部材との間の良好な 電気的及び熱伝導的な接触が得られる。この場合、掻き落とされた絶縁材料又は 腐食生成物が、ねじ状の溝１６内を外側へ押し出されて、導体１と接触部材のク リンプ区分６との間の接触領域を腐食性の気体及び液体の侵入に対して密閉して いる。図５に、導体１の表面上の溝１６の斜めの経過が示してある。導体１の図 ６に示す横断面は、リング溝の領域で図３に示す導体の横断面よりもわずかにし か減少されていない。 図７乃至図９に、本発明に基づくクリンプ区分の２つの実施例が示してある。 接触部材のクリンプ区分５６の内面を展開して示す図７の実施例では、クリンプ 区分５６の内面が第１のグループの条溝５３及び第２のグループの対向条溝（Ge genrille）５４を有している。両方のグループにおいては、条溝５３若しくは対 向条溝５４はそれぞれ互いに平行に延びており、かつ条溝５３も対向条溝５４も 差込み方向（矢印５８）に対して、ひいては導体の縦軸線に対して斜めに延びて いる。図面から明らかなように、条溝５３と対向条溝５４とは互いに鋭角及び鈍 角を成していて、従って菱形 の隆起部５５を制限しており、隆起部５５がクリンプに際して導体内に同じく菱 形の凹部を形成する。条溝５３と対向条溝５４との間の、９０度の範囲でない角 度が強度の理由から有利である。図８には、クリンプされたクリンプ区分５６の 側面が示してある。波線がそれぞれ１つの条溝５３及び対向条溝５４を示してお り、条溝及び対向条溝はクリンプ区分の内面をねじ状に延びている。 図９では、十字形のエンボス加工により菱形のピラミッド（Pyramide）７５の 形の隆起部を設けてあり、該隆起部が絶縁層を著しく高い面圧力によって極めて 容易に貫通できる。隆起部（Erhebung）７５は、互いに斜めに、かつ差込み方向 ７８に対して斜めに延びる条溝（Rille）７３、７４によって制限されており、 この場合、条溝７３、７４はクリンプ区分の縁部７９と同じ水準で形成されてい る。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９８年５月２８日 【補正内容】 さらに米国特許第３９８９３３９号明細書から、斜めに延びる条溝若しくはリ ブによってクリンプ結合を改善することが公知である。 発明の課題 本発明の課題は、冒頭に述べた形式の接触部材を改善して、公知技術の前記欠 点を取り除き、接触部材と線材若しくは線材束との間の良好な導電性、熱伝導性 、引っ張り強度、及び耐食性を有する結合を可能にすることである。 前記課題を解決するために冒頭に述べた形式の接触部材において、変形部が交 差してかつ導体の縦軸線に対して斜めに延びる条溝若しくはリブである。 発明の利点 クリンプ区分の内面にある条溝間の各ウエブ若しくは各リブが、クリンプに際 して線材にねじ状の１つの溝を形成する。これによって、線材の断面がクリンプ 区分内のすべての縦方向位置で一様に減少され、しかも公知技術のリング溝によ る断面減少に比べて著しくわずかな量でしか減少されない。それにもかかわらず 接触部材と線材との間の接触面積は、公知技術の場合よりも著しく大きくなって いる。該接触面積は、条溝若しくはリブの数を公知技術に比べて増大することに よっても付加的に増大され、しかも接触部材と導体との間のクリンプ結合の破損 のおそれが従来公知の場合よりも小さい。接触面積の増大により、導電性及び熱 伝導性が改善され、特に機械的な保持力がリブ若しくは条溝の交差配置によって 改善される。導体の断面減少が、条溝若しくはリブを斜めに若しくはねじ状に、 かつ互いに平行に配置した場合に最適に一様に行われる。 請求の範囲 １．導体（１，２７）のためのクリンプ区分（６，２６，５６）を有する接触部 材であって、クリンプ区分（６，２６，５６）の、導体（１，２７）に接触せし められる内側の表面に変形部を設けてあり、変形部が導体（１，２７）の縦軸線 （１４，３４）に対して斜めに延びる条溝（２，３３，５３，５４，７３，７４ ）若しくはリブ（１５，３５，７５）である形式のものにおいて、変形部として 導体の縦軸線（１４，３４）に対して斜めに延びる条溝（５３，５４，７３，７ ４）若しくはリブの２つのグループが設けられており、この場合、一方のグルー プの条溝（５３，７３）若しくはリブが他方のグループの条溝（５４，７４）若 しくはリブに対して斜めに延びていて、かつ縦軸線に対して対称的に交差してい ることを特徴とする、クリンプ区分を有する接触部材。 ２．条溝（５３，５４，７３，７４）若しくはリブが各グループの内で互いに平 行に延びている請求項１記載の接触部材。 ３．両方のグループの条溝（５３，５４，７３，７４）若しくはリブが菱形の隆 起部（５５，７５）若しくは凹部を制限している請求項１又は２記載の接触部材 。 ４．菱形の隆起部（７５）が有利にはピラミッド状の１つの先端で終わっている 請求項３記載の接触部材。 【図１】 【図２】 【図３】 【図４】 【図５】 【図６】 【図７】 【図８】 【図９】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＢＲ，ＨＵ，ＪＰ，Ｋ Ｒ，ＵＳ (72)発明者 グンター マイアー ドイツ連邦共和国 71679 アースペルク エバーハルトシュトラーセ 16

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．導体（１，２７）のためのクリンプ区分（６，２６，５６）を有する接触部 材であって、クリンプ区分（６，２６，５６）の、導体（１，２７）に接触せし められる内側の表面に変形部を設けてあり、変形部が導体（１，２７）の縦軸線 （１４，３４）に対して斜めに延びる条溝（２，３３，５３，５４，７３，７４ ）若しくはリブ（１５，３５，７５）であり、この場合、変形部として導体の縦 軸線（１４，３４）に対して斜めに延びる条溝（５３，５４，７３，７４）若し くはリブの２つのグループが次のように設けられており、即ち、一方のグループ の条溝（５３，７３）若しくはリブが他方のグループの条溝（５４，７４）若し くはリブに対して斜めに延びていて、かつ縦軸線に対して対称的に交差している ことを特徴とする、クリンプ区分を有する接触部材。 ２．条溝（５３，５４，７３，７４）若しくはリブが各グループの内で互いに平 行に延びている請求項１記載の接触部材。 ３．両方のグループの条溝（５３，５４，７３，７４）若しくはリブが菱形の隆 起部（５５，７５）若しくは凹部を制限している請求項１又は２記載の接触部材 。 ４．菱形の隆起部（７５）が有利にはピラミッド状の１つの先端で終わっている 請求項３記載の接触部材。