JPH11515079A - コーン型の滑り軸受を備える牽引手段用の緊張装置 - Google Patents

コーン型の滑り軸受を備える牽引手段用の緊張装置

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JPH11515079A JP9517006A JP51700697A JPH11515079A JP H11515079 A JPH11515079 A JP H11515079A JP 9517006 A JP9517006 A JP 9517006A JP 51700697 A JP51700697 A JP 51700697A JP H11515079 A JPH11515079 A JP H11515079A
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Abstract

(57)【要約】 牽引手段用の緊張装置は、牽引手段に向かってバネ負荷されたテンションローラ(2)を有するテンションアーム(1)を備えている。テンションアーム(1)は、滑り軸受(3)によって、ハウジング(4)と相対的に回転可能に支持されている。滑り軸受面(7、12)は、テンションアーム軸(5)と同軸状に伸長する平行な円錐面として形成されている。ねじりコイルバネ(14)が、テンションアーム軸(5)に沿って巻かれており、一方では、テンションアームが固定されるサポート(15)によって支持され、他方では、固定サポート(16)によって支持されている。上記ねじりコイルバネは、軸方向力(FD)を発生し、この軸方向力は、滑り軸受面(7、12)に直交する反力(FR)として滑り軸受(2)に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】 コーン型の滑り軸受を備える牽引手段用の緊張装置 発明の分野 本発明は、ベルト及びチェーンの如き牽引手段用の緊張装置に関するものであ る。この緊張装置は、テンションローラであるのが好ましい緊張部材を担持する と共に牽引手段に向かってバネ偏倚されているテンションアームと、該テンショ ンアームの軸の周囲に巻かれたねじりコイルバネとを備えている。上記テンショ ンアームは、滑り軸受によって、固定要素と相対的に回転可能に支持されている 。上記滑り軸受は、テンションアーム軸と同軸状に設けられていて互いに平行な 円錐面の形態の滑り軸受面を有している。上記ねじりコイルバネは、一方では、 上記テンションアームに固定されたサポートに支持されており、他方では、固定 サポートに支持されている。 発明の背景 上述のタイプの緊張装置は、例えば、米国特許第4698049号(US−A 4698049)から周知である。テンションアーム軸及び固定要素は各々、円 錐面を有しており、これら2つの円錐面の間には、円錐形の滑り軸受ブッシュが 設けられている。研磨性の磨耗により滑り軸受面に生じて滑り軸受に半径方向の 遊びが生じた場合には、滑り軸受の円錐面を手動操作で軸方向に互いに押圧して 、滑り軸受の半径方向の遊びが再度許容範囲内の値になるように、滑り軸受面を 位置決めする必要がある。 発明の概要 本発明の目的は、上述のタイプの緊張装置を改善し、滑り軸受面の自動的な調 節が簡単に行われるようにすることである。本発明によれば、サポートの間に挟 着されたねじりコイルバネによって発生される軸方向力を、滑り軸受面に対して 直角に作用する反力の形態として、滑り軸受面に伝達することが提案される。こ の構成は種々の利点を有している。第一に、滑り軸受面に研磨性の磨耗が生じた 時に、上記軸方向力(すなわち、滑り軸受面に中間に作用する反力)は、上記滑 り軸受面を互いに押圧して、クリアランスのないすなわち遊びのない滑り軸受作 用を確実に行わせる。滑り軸受面をそれぞれの軸線に対して一定の傾斜角度で配 置すると、軸方向の取り付けによる反力、及び、ねじりコイルバネの軸方向力を 変化させることができる。プラスチック材料製の円錐形の滑り軸受ブッシュを設 け、直角方向の反力が作用する結果として、上記滑り軸受ブッシュが摩擦接触の 間の滑り摩擦により大きく磨耗するようにすることが多い。滑り摩擦による上記 磨耗は、テンションアーム及び固定要素のそれぞれの自己調節運動によって、何 等問題を生ずることなく補償される。上記テンションアーム軸及び固定要素の各 々に円錐面を形成し、これら円錐面の間に円錐形の滑り軸受ブッシュを設ける場 合には、この滑り軸受ブッシュも上記円錐面の間にすきまばめの状態で設けるこ とができる。作動の間に、滑り摩擦は通常、滑り軸受面と同じ摩擦条件にある滑 り軸受ブッシュの外側の円錐面領域と隣接する固定面すなわちテンションアーム が固定された円錐面との間に生ずる。本発明の緊張装置のねじりコイルバネは、 従来技術で説明したのと同じ態様で、ねじり負荷を受けると共に、テンションア ームを牽引手段に向かってバネ負荷する。 米国特許第4,698,049号は、テンションアームの固定要素に対する揺 動運動を緩衝するための緩衝装置を開示している。この緩衝装置は、固定要素及 びテンションアーム軸に互いに向かい合う終端面を形成し、これら終端面の間に 摩擦ディスクを設けることによって、形成される。固定要素に関連する端面は、 別個のディスクに形成される。本発明の緊張装置は、通常の緊張装置とは異なり 、追加の手段を設けることを必要とせずに、緩衝機能を果たす。滑り軸受面の間 の滑り摩擦は、上記反力、及び、その結果生ずる表面圧力によって増大し、これ により、テンションアームの両方の回転方向において、所望の緩衝効果が得られ る。 例えば、軸方向に圧縮されて軸方向力を発生するねじりコイルバネにおいては 、テンションアームに関連する滑り軸受面を半径方向外側に設けると共に、固定 要素に関連する滑り軸受面を半径方向内側に設け、これにより、滑り軸受面の先 細の端部から滑り軸受面の拡大された端部に向かう方向において、上記固定サポ ー トがテンションアームに固定されたサポートの前方に位置するようにした場合に 、上記サポート及び滑り軸受面の特に効果的な構造が得られる。ねじりコイルバ ネが軸方向に圧縮されて軸方向の押圧力を発生する場合には、テンションアーム に関連する滑り軸受面を半径方向内側に設けると共に、固定要素に関連する滑り 軸受面を半径方向外側に設け、これにより、上記滑り軸受面の先細の端部から滑 り軸受面の拡大された端部に向かう方向において、テンションアームに固定され たサポートが固定サポートの前方に位置するようにすることによって、簡単で適 正な構造が得られる。上述の構造は共に、追加の構成要素を設けることを必要と せずに、滑り軸受面に対して直角方向に作用する反力を効果的に発生させる。 本発明の緊張装置は、自動車両の集合的なエンジン駆動装置に使用されること が多い。そのような緊張装置の構造においては、特にスペース的な要件も考慮す る必要がある。 テンションアームに固定されたテンションアーム軸を滑り軸受の中で半径方向 に形成し、ねじりコイルバネを収容するために軸方向に開口した凹所を上記テン ションアームに設け、上記凹所を固定サポートと半径方向において重ね合わせる ことによって、特に省スペース型の変形例が得られる。この変形例は、特に効果 的であり、その理由は、滑り軸受面が円周方向において増大する結果、半径方向 外側の滑り軸受が、小さな表面圧力を示し、従って、小さな研磨性の磨耗を受け るからである。 据え付けの観点から特に効果的な緊張装置においては、テンションアームが固 定されたテンションアーム軸は、ポット底部、ポットケーシング及びポットカバ ーを含むポット形状の形態を有する固定要素の中に設けられる。上記固定サポー トは、上記ポットカバーによって形成され、また、上記固定要素には、円周方向 のスロットが形成される。上記テンションアームは、上記円周方向のスロットに よって、半径方向に案内される。上記ポットカバーは、例えば、差し込み型の固 定具によって、上記固定要素に固定することができる。 更に別の変形例によれば、上記固定型のテンションアーム軸は、外側の円筒面 領域が形成された一端部を有している。この一端部には、円錐形のブッシュが好 ましくは着脱自在に固定され、上記円錐形のブッシュには、外側の円錐面領域及 び内側の円筒面領域が形成される。上記円錐形のブッシュは、テンションアーム とは反対の方向を向いている先細の端部を有しており、この先細の端部は、テン ションアーム軸の方を向いている。上記テンションアーム軸には、同軸状の貫通 孔が形成されている。これにより、テンションアーム軸と同軸状の円錐孔が形成 されている上記テンションアーム、及び、該テンションアームと共に一部品とし て形成されている上記テンションアーム軸は、上記円錐形のブッシュ、及び、テ ンションアーム軸の周囲に設けられるねじりコイルバネと共に、一緒に装着する ことができる。上記ねじりバネによって軸方向力が発生されるので、上記テンシ ョンアーム及び円錐形のブッシュはそれぞれ、上記テンションアーム軸から軸方 向に滑り抜けないように固定される必要がある。例えば、上記テンションアーム 軸と同軸状のネジを、テンションアーム軸の自由端のテンションアームの端部の 端面にねじ込み、上記円錐形のブッシュの一方の端面を上記ネジの頭部の上で軸 方向に支持することができる。上記ネジをテンションアーム軸の上記同軸状の貫 通孔に通して、エンジンブロックにねじ込むことができる。この構成においては 、上記ネジは2つの機能を果たす。すなわち、第1の機能は、テンションアーム 軸をエンジンブロックに固定することであり、また、第2の機能は、テンション アーム及び同軸状のブッシュをそれぞれ軸方向において固定することである。 本発明の別の変更例によれば、上記サポートを形成するサポートディスクが、 テンションアームとは反対の方向を向いたテンションアーム軸の端部に固定され 、上記滑り軸受面の先細の端部は、上記サポートディスクの方を向いている。こ の緊張装置においては、上記固定要素には、テンションアームの方を向いた拡大 された端部を有する円錐孔が形成されるのが好ましい。上記テンションアームと 共に一部品として形成されるのが好ましい上記テンションアーム軸は、上記円錐 孔の中に挿入されており、この円錐孔を越えて軸方向に伸長している自由端を有 している。この自由端に圧力嵌めされるのは上記サポートディスクであるのが好 ましい。この場合には、テンションアーム軸の上で軸方向に移動しないようにサ ポートディスクを固定する必要はない。上記円錐孔の円錐形の孔壁は、この場合 に おいては、外側の滑り軸受面を形成する。 円錐形のブッシュを別個の要素として構成する必要はない。また、滑り軸受ブ ッシュは、円周方向に隔置された穴を有するケーシングとして射出成形法によっ て形成し、滑り軸受の材料を上記ケーシングに噴霧して、上記穴を貫通させて該 穴の背後に係合させることができる。このようにすると、例えば、テンションア ームと滑り軸受ブッシュとの間に、緊密な接続を達成することができる。 テンションアーム軸に対する滑り軸受面の傾斜角度が8°と30°との間の範 囲にある場合に、滑り軸受における特に好ましい力の関係が得られる。 場合によっては、円周方向に分布された複数の潤滑剤ポケットを有する少なく とも1つの軸受面を設けることもできる。潤滑剤が上記潤滑剤ポケットの中に充 填され、長期間にわたる最適な緩衝特性及び滑り特性を確保することができる。 上記潤滑剤ポケットは、滑り軸受ブッシュに設けることもできる。 滑り軸受の負荷に関しては、ねじりコイルバネの両端部を確実に挟着するよう にするのが適当である。これにより、上記バネのねじれにより、滑り軸受に伝達 されて望ましくないエッジ応力を生じさせる半径方向力が発生することはない。 このタイプの取り付けは、ねじりを受けているねじりコイルバネの両端部の各々 に、このねじりコイルバネの長手方向軸線に交差する方向に作用する一対の力を 作用させた場合にも得ることができる。これは、例えば、上記バネがねじれた結 果として、該バネの曲がった端部がテンションアームが固定される第1の支持点 によって支持され、上記一対の力の中の一方の支持力が上記支持点に作用した場 合である。上記ねじりコイルバネは、上記曲がった端部に接続されていて第2の 支持点に圧接する回旋部を有しており、上記一対の力の中の第2の支持力が上記 第2の支持点に作用する。他の一対の力が、同様にして、固定された支持点に形 成される。これにより、ねじりコイルバネが挟着されている結果、滑り軸受に半 径方向力が更に作用することはない。 本発明の緊張装置においては、上記滑り軸受の拡大された端部は、テンション アームの方を向いているのが好ましい。この配列を逆転させた場合でも、本発明 の効果を確実に達成することができるが、滑り軸受の先細の端部に、高い表面圧 力、及び、その結果生ずる高い研磨性の磨耗が生ずることがある。 図面の簡単な説明 図1乃至図10に示す3つの例示的な実施例を参照して本発明を以下に詳細に 説明する。 図面において、 図1は、本発明のテンション装置を長手方向に沿って示す断面図であり、 図2は、本発明のテンション装置の滑り軸受ブッシュを示しており、 図3は、図2の滑り軸受ブッシュの一部を示す横断面図であり、 図4は、変更されたテンションアーム軸を示しており、 図5は、別の変更されたテンションアーム軸を示しており、 図6は、変更された固定要素を示しており、 図7は、変更されたテンションアームが固定されたサポートを備えている図1 のテンション装置を示しており、 図8は、本発明の別のテンション装置を示しており、 図9は、本発明の更に別のテンション装置を示しており、 図10は、ねじりコイルバネの端部の締め付け状態を示している。 図面の詳細な説明 図1に示す本発明の例示的な実施例は、テンションアーム1を備えており、こ のテンションアームには、図示しない牽引手段に係合するためのテンションロー ラ2が固定されている。テンションアーム1は、ハウジング4と相対的に回転す るように、滑り軸受3によって支持されている。テンションアーム1と一体の部 品として形成されているのは、テンションアーム軸5であって、このテンション アーム軸は、外側の円錐面領域6を有している。テンションアーム軸5は、円錐 壁7が形成されたハウジング4の円錐孔8の中に収容されており、外側の円錐面 領域6に対して平行に伸長している円錐壁7との間には、滑り軸受ブッシュ9が 設けられている。滑り軸受ブッシュ9とテンションアーム軸5との間の形態的な はめあい結合は、滑り軸受ブッシュ9の突出部10がテンションアーム軸5の凹 所11の中に係合することにより行われている。円錐壁7、及び、滑り軸受ブッ シュ9の外側の円錐面領域12は、テンションアーム1をハウジング4と相対的 に回転可能に支持するための滑り軸受面を形成している。テンションアーム軸5 は、テンションアーム1とは反対の方向を向いていて円錐孔7を越えて伸長して いる一端部を有しており、このテンションアームの一端部には、サポートディス ク13が圧入されている。このサポートディスクは、形態的なはめあい結合又は 材料による固定的な結合によっても、テンションアーム1に確実に接続すること ができる。ねじりコイルバネ14が、テンションアーム軸5と同軸状に設けられ ており、上記ねじりコイルバネは、一方では、サポートディスク13に設けられ たサポート15に固着され、他方では、ハウジング4に設けられたサポート16 に固着されていて、ねじり力及び軸方向の押圧力FDを発生するようになされて いる。滑り軸受面7、12の拡大された端部は、テンションアーム1の方を向い ており、これにより、テンションアームが固定されているサポート15は、滑り 軸受面7、12の先細の端部から滑り軸受面7、12の拡大された端部に向かう 方向において、ハウジングが固定されたサポート16の前方に設けられている。 テンションアーム1、及び、このテンションアームと共に一部品として形成され たテンションアーム軸5は、ダイカスト法によって形成されるのが好ましく、好 適な材料としては、アルミニウム合金が使用される。 図2及び図3は、滑り軸受ブッシュ9及び成形された突出部10の詳細を示し ており、外側の円錐面領域12には、潤滑剤を収容するための潤滑剤ポケット1 6aが設けられている。 図4は、テンションアーム軸5と共に一部品として形成されたテンションアー ム1の変更実施例を示している。テンションアーム軸5は、円筒形の管17を備 えており、滑り軸受ブッシュ9は、射出成形法によって円筒形の管17の周囲に 設けられている。この場合にも、外側の円錐面領域12は、滑り軸受面として選 択されている。可能であれば、一定の肉厚を維持すべきであるので、射出成形法 の間に、滑り軸受面12の拡大された端部の方を向いた凹所19を滑り軸受ブッ シュ9の中に形成する。 しかしながら、図1のテンションアーム軸5が好ましい場合には、図5に示す ように、テンションアーム軸5の外側の円錐面領域6の上に滑り軸受ブッシュ9 を射出成形法によって確実に設げることができる。滑り軸受ブッシュ9とテンシ ョンアーム軸5との間の接続を密接にするために、テンションアーム軸5のジャ ケット20に複数の穴21を形成し、これにより、外側の円錐面領域6の上に噴 霧された滑り軸受材料が上記穴21を貫通してその背後に係合するようにする。 図5に示した滑り軸受ブッシュ9を形成する方法は、図6に示すハウジング4 にも同様な態様で応用することができる。この場合には、複数の穴22をハウジ ング4のジャケット23に設ける。 図7の例示的な実施例は、図1の実施例に実質的に対応しており、上述の実施 例と異なる点は、テンションアームが固定されるサポートの形成方法にある。す なわち、この実施例においては、サポートディスク13の方を向いているねじり コイルバネ14の端部をテンションアーム軸5に形成された溝24の中に固着し 、サポートディスク13を上記溝24の中に係合させて、ねじりコイルバネ14 を軸方向に支持する。上述の実施例と異なる別の点は、滑り軸受ブッシュ9がテ ンションアーム軸5とハウジング4との間にすきまばめされていることである。 従って、滑り軸受ブッシュ9は、円錐壁7と相対的に、また、テンションアーム 軸5の外側の円錐面領域6と相対的に自由に回転することができる。 図8に示す本発明の実施例は、テンションアーム軸5には軸方向に開口した凹 所25が形成されており、この凹所は、テンションアーム1と同軸状に伸長して いてねじりコイルバネ14を収容するようになっている、という構成において上 述の実施例と本質的に異なっている。壺型のすなわちポット形状のハウジング4 は、ポット底部26と、ポットジャケット27とを備えている。固定サポートは 、ポットカバー28に形成されており、このポットカバーは、ポットジャケット 27と軸方向において重なっていて該ポットジャケットに固定されているカバー ジャケット29を有している。円周方向に形成されたスロット30が、ポットジ ャケット27及びポットカバー28にそれぞれ設けられていて、テンションアー ム1を案内するようになっている。ねじりコイルバネ14は、テンションアーム 軸5の底部31によって支持されている。 上述の実施例においては、テンションアーム軸5は、テンションアーム1に常 に固定されているが、図9の実施例は、固定型のテンションアーム軸32を有し ている。テンションアーム軸32には、図示しないエンジンブロックに取り付け られるようになったサポートフランジ33が設けられている。テンションアーム 35は、テンションアーム軸32に設けられた滑り軸受36によって回転可能に 支持されており、上記テンションアーム軸の一端部には、外側の円筒面領域34 が形成されている。テンションアーム35は、テンションアーム軸32と同軸状 に伸長していて円錐孔38が形成されているテンションアーム・ジャケット37 を有しており、上記円錐孔38の先細の端部は、テンションアーム35とは反対 の方向を向いている。テンションアーム・ジャケット37とテンションアーム軸 32との間には、円錐形のブッシュ39が設けられている。この円錐形のブッシ ュ39には、外側の円錐面領域40と内側の円筒面領域41とが形成されている 。円錐形のブッシュ39とテンションアーム・ジャケット37との間には、円錐 形の滑り軸受ブッシュ42が設けられている。この円錐形の滑り軸受ブッシュ4 2及び円錐形のブッシュ39は、例えば、射出成形法によって、プラスチック材 料から一部品として確実に形成することができる。この場合にも、摺動運動は、 円錐孔38の円錐壁43と円錐形の滑り軸受ブッシュ42の外側の円錐面領域4 4との間で行われる。同軸状のねじりコイルバネ45が、一方ではサポートフラ ンジ33に、また、他方ではテンションアームが固定されたサポート46に固着 されていて、軸方向の押圧力及びねじり力を与えている。テンションアーム軸3 2には、同軸状の貫通孔47が設けられており、ネジ48が上記貫通孔47を通 って伸長して図示しないエンジンブロックに螺合されている。上記ネジの頭部4 9と該ネジの頭部49の方を向いた滑り軸受ブッシュ42の端部との間に、ワッ シャを確実に設けることができる。これにより、滑り軸受ブッシュ42は、テン ションアーム軸32から離れる方向に軸方向に摺動することができなくなる。 図10は、図9に示す本発明の緊張装置の断面図であるが、ネジ48は省略し てある。図10は、テンションアームが固定されたサポートを明瞭に示している 。ねじりコイルバネ45の曲がった端部が、サポートフランジ33の開口50の 中 に係合していて、該開口の中で円周方向において支持されている。ねじりコイル バネ45は、上記曲がった端部に固定された回旋部51を有していて、テンショ ンアーム軸32に固定的に圧接している。ねじりコイルバネの上記開口の中にお ける係合点及び上記テンションアーム軸に対する圧接点は共に、一対の力を形成 する支持力FSの影響を受ける。ねじりコイルバネのための固定サポートを同様 な態様で形成すると、ねじりコイルバネ45がねじれた場合に、滑り軸受に作用 する半径方向力が生じないことは明らかである。図9及び図10の実施例を参照 して説明したねじりコイルバネのサポートは、他の実施例に関しても同様な効果 をもって確実に応用することができる。 本発明の緊張装置の作動態様を以下に説明する。ねじりコイルバネ14、45 の構成を上述の新規な構成にすることにより、軸方向の押圧力FDがその反力と して、摺動面7、12、43、44に対して直角に作用する力FRを滑り軸受3 、36に発生する。その結果生ずる摩擦力が、テンションアーム1、35の揺動 運動を効果的に緩衝する。本発明の緊張装置は、テンションアーム1、35が常 に揺動可能に確実に支持されるようにし、その際に、テンションアームがハウジ ング3、及び、固定型のテンションアーム軸32に対してそれぞれ問題となる程 のクリアランスを生じないようにする。滑り軸受面7、12、43、44に研磨 性の磨耗が生ずると、直ちに遊びが生じて、テンションアーム軸5、28は、テ ンションアーム1、31に対して軸方向に移動し、これにより、滑り軸受面7、 12、43、44を互いに押圧させる。 参照符号 1:テンションアーム 27:ポットジャケット 2:テンションローラ 28:ポットカバー 3:滑り軸受 29:カバージャケット 4:ハウジング 30:スロット 5:テンションアーム軸 31:底部 6:テーパ面領域 32:テンションアーム軸 7:外側の円錐面領域 33:サポートフランジ 8:円錐孔 34:円筒面領域 9:滑り軸受ブッシュ 35:テンションアーム 10:突出部 36:滑り軸受 11:凹所 37:テンションアーム・ジャケット 12:外側の円錐面領域 38:円錐孔 13:サポートディスク 39:円錐形のブッシュ 14:ねじりコイルバネ 40:外側の円錐面領域 15:テンションアームが 41:外側の円錐面領域 固定されたサポート 16:固定サポート 42:内側の円筒面領域 16a:潤滑剤ポケット 43:円錐壁 17:円筒形の管 44:外側の円錐面領域 18:(削除) 45:螺旋状コイルバネ 19:凹所 46:テンションアームが固定されたアーム 20:ジャケット 47:貫通孔 21:穴 48:ネジ 22:穴 49:ネジの頭部 23:ジャケット 50:開口 24:溝 51:回旋部 25:凹所 26:ポット底部
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1998年1月14日 【補正内容】 1. ベルト及びチェーンの如き牽引手段用の緊張装置であって、テンション ローラ(2)であるのが好ましい緊張部材を担持していると共に、前記牽引手段 に向かってバネ負荷されているテンションアーム(1、35)と、ねじりコイル バネ(14、45)とを備えており、前記テンションアーム(1、35)は、滑 り軸受(3、36)によって、固定要素(4、32)と相対的に回転可能に支持 されており、前記滑り軸受は、テンションアーム軸(5、32)と同軸状に設け られる互いに平行な円錐面として形成された滑り軸受面(7、12、43、44 )を有しており、前記ねじりコイルバネ(14、45)は、前記テンションアー ム軸(5、32)の周囲に巻かれていると共に、一方では、前記テンションアー ムに固定されたサポート(15、46)に支持されており、また、他方では、固 定サポート(16、33)に支持されており、前記サポート(15、16、33 、46)の間に挟着された前記ねじりコイルバネ(14、45)は、装着された 状態で軸方向の予負荷とねじり方向の予負荷を与えられており、また軸方向力( FD)を発生し、該軸方向力(FD)を前記滑り軸受面(7、12、43、44) に対して直角に作用する反力(FR)の形態で前記滑り軸受(3、36)に伝達 し、これによって前記滑り軸受面(7、12、43、44)が軸方向力(FD) のもとで互いに押圧されるように構成されたことを特徴とする緊張装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レッケ,マティス ドイツ連邦共和国デー−76131 カルルシ ュルヘ,クロスターヴェック 28

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. ベルト及びチェーンの如き牽引手段用の緊張装置であって、テンション ローラ(2)であるのが好ましい緊張部材を担持していると共に、前記牽引手段 に向かってバネ負荷されているテンションアーム(1、35)と、ねじりコイル バネ(14、45)とを備えており、前記テンションアーム(1、35)は、滑 り軸受(3、36)によって、固定要素(4、32)と相対的に回転可能に支持 されており、前記滑り軸受は、テンションアーム軸(5、32)と同軸状に設け られる互いに平行な円錐面として形成された滑り軸受面(7、12、43、44 )を有しており、前記ねじりコイルバネ(14、45)は、前記テンションアー ム軸(5、32)の周囲に巻かれていると共に、一方では、前記テンションアー ムに固定されたサポート(15、46)に支持されており、また、他方では、固 定サポート(16、33)に支持されており、前記サポート(15、16、33 、46)の間に挟着された前記ねじりコイルバネ(14、45)は、軸方向力( FD)を発生し、該軸方向力(FD)を前記滑り軸受面(7、12、43、44) に対して直角に作用する反力(FR)の形態で前記滑り軸受(3、36)に伝達 するように構成されたことを特徴とする緊張装置。 2. 請求項1に記載の緊張装置において、前記ねじりコイルバネ(14、4 5)は、軸方向の押圧力(FD)を発生することを特徴とする緊張装置。 3. 請求項2に記載の緊張装置において、前記テンションアーム(35)に 関連する前記滑り軸受面(43)は、半径方向外側に設けられ、また、前記固定 要素(32)に関連する前記滑り軸受面(44)は、半径方向内側に設けられて おり、これにより、前記固定サポート(33)は、前記滑り軸受面(43、44 )の先細の端部から前記滑り軸受面(43、44)の拡大された端部に向かう方 向において、前記テンションアームが固定されているサポート(46)の前方に 位置していることを特徴とする緊張装置。 4. 請求項2に記載の緊張装置において、前記テンションアーム(1)に関 連する前記滑り軸受面(12)は、半径方向内側に設けられ、また、前記固定要 素(4)に関連する前記滑り軸受面(7)は、半径方向外側に設けられており、 これにより、前記テンションアームが固定されたサポート(13、15)は、前 記滑り軸受面(7、12)の先細の端部から前記滑り軸受面(7、12)の拡大 された端部に向かう方向において、固定サポート(16)の前方に位置している ことを特徴とする緊張装置。 5. 請求項1に記載の緊張装置において、前記テンションアームが固定され たテンションアーム軸(5)は、前記滑り軸受(3)の半径方向内側に形成され ており、前記テンションアーム軸は、前記ねじりコイルバネ(14)を収容する ように軸方向に開口された凹所(25)を有しており、該凹所は、前記固定サポ ート(16、28)と半径方向において重なっていることを特徴とする緊張装置 。 6. 請求項5に記載の緊張装置において、前記テンションアームが固定され たテンションアーム軸(5)は、ポット底部(26)、ポットケーシング(27 )及びポットカバー(28)を有するポット形状の形態を備えた固定要素(4) の中に設けられており、前記固定サポートは、前記ポットカバー(28)によっ て形成されており、また、前記固定要素(4)には、円周方向のスロット(30 )が形成されており、前記テンションアーム(1)は前記円周方向のスロットに よって半径方向に案内されることを特徴とする緊張装置。 7. 請求項1に記載の緊張装置において、前記固定型のテンションアーム軸 (32)は、外側の円筒面領域(34)が形成されている一端部を有しており、 該一端部には、円錐形のブッシュ(39)が設けられており、前記円錐形のブッ シュは、外側の円錐面領域(40)及び内側の円筒面領域(41)を有している と共に、前記テンションアーム軸(32)の前記テンションアーム(35)とは 反対の方向を向いた端部の方を向いた先細の端部を有しており、前記テンション アーム軸(32)には、同軸状の貫通孔(47)が形成されていることを特徴と する緊張装置。 8. 請求項1に記載の緊張装置において、サポートを形成するサポートフラ ンジ(33)が、前記テンションアーム軸(32)の前記テンションアーム(3 5)とは反対の方向を向いた端部に固定されており、前記滑り軸受面(43、4 4)の先細の端部は、前記サポートフランジ(33)の方を向いていることを特 徴とする緊張装置。 9. 請求項1に記載の緊張装置において、滑り軸受ブッシュ(9)には、射 出成形法によって、円周方向に隔置された穴(21、22)を有するケーシング (20、23)が形成されており、前記滑り軸受の材料は、前記ケーシング(1 7、20)に噴霧されて該ケーシングを貫通し、該ケーシングの背後に係合して いることを特徴とする緊張装置。 10. 請求項1に記載の緊張装置において、前記テンションアーム軸(5、3 2)に対する前記滑り軸受面(7、12、43、44)の傾斜角度は、8°と3 0°との間の範囲にあることを特徴とする緊張装置。 11. 請求項1に記載の緊張装置において、前記軸受面(12)の中の少なく とも1つの軸受面には、円周方向に分布された潤滑剤ポケット(16a)が設け られていることを特徴とする緊張装置。 12. 請求項11に記載の緊張装置において、前記潤滑剤ポケット(16a) は、滑り軸受ブッシュ(9)に形成されていることを特徴とする緊張装置。 13. 請求項1に記載の緊張装置において、前記ねじりコイルバネ(14、1 5)の両端部は共に固定的に挟着されていることを特徴とする緊張装置。 14. 請求項1に記載の緊張装置において、ねじれ作用を受ける前記ねじりコ イルバネ(45)の各々の両端部には、前記ねじりコイルバネ(45)の長手方 向軸線を横断する方向に作用する一対の力(FS)が作用することを特徴とする 緊張装置。
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