JPH11514844A - 連鎖球菌毒素aの突然変異体および使用方法 - Google Patents

連鎖球菌毒素aの突然変異体および使用方法

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JPH11514844A JP9502265A JP50226597A JPH11514844A JP H11514844 A JPH11514844 A JP H11514844A JP 9502265 A JP9502265 A JP 9502265A JP 50226597 A JP50226597 A JP 50226597A JP H11514844 A JPH11514844 A JP H11514844A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメント、ワクチンおよび製剤組成物、ならびに、そのワクチンおよび製剤組成物の使用方法に関する。好適なSPE−A毒素は、野生型SPE−A毒素を比較して、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、実質的に非致死性である。突然変異体SPE−A毒素は、野生型SPE−A毒素の生物活性に対して動物を防護するのに有用なワクチン組成物を形成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 連鎖球菌毒素Aの突然変異体および使用方法 発明の背景 β−溶血性A群連鎖球菌(GAS)としても知られているストレプトコッカス ピオゲネス(streptococcus pyogenes)は、咽頭炎および膿痂疹などの軽い感染症 の原因となり得るヒトの病原体である。ポスト感染症自己免疫的合併症、すなわ ち、リューマチ熱および急性糸球体腎炎が起こり得る。GASはまた、猩紅熱お よび連鎖球菌毒素ショック症候群(STSS)などの重い急性の病気の原因とな り得る。重いGAS感染症は、今世紀初頭、米国および世界中において大きな問 題であった。40年代において、症例の数およびその重症度は、未だ完全には解 明されない理由により着実に低下した。しかし、最近、米国において毎年、1万 〜2万のSTSSの症例があるほど、GASが原因の重い病気の復活が見られて いる。これらの患者のうち50〜60%もの人が壊死性筋膜炎および筋肉炎にか かり、30〜60%が死に至り、生存者の1/2が四肢を切断することになるで あろう。 1986年および1987年、ロッキー山脈地方に局所的に大発生した重いG AS感染症を2つのレポートが報告した。これらのレポートに続き、過去数年間 に、類似の臨床症状をもつ病気を報告したレポートが幾つか出ている。この病気 において報告された症状は、毒素ショック症候群(TSS)において報告された ものと酷似しており、1992年、科学者の委員会において、この臨床での症状 を正式にSTSSと名付けた。STSSは、以下の症状によって定義される。 1.低血圧およびショック症状 2.A群連鎖球菌の単離 3.2つ以上の以下の症状:38.5℃以上の発熱、猩紅熱発疹、嘔吐および 下痢、肝臓および腎臓の機能障害、成人呼吸困難症候群、広汎性血管内凝固、壊 死性筋膜炎および/または筋肉炎、菌血。 STSS患者からの連鎖球菌の分離菌は、主にM型1および3であり、M18 および類型化できない生物が残りのほとんどを占めている。STSSに伴うM1 、3、18および無型の生物の大部分は、発熱性外毒素A(SPE−A、猩紅熱 毒素A)を生成する。対照的に、一般的な連鎖球菌分離菌のうちこの毒素を生成 するのは15%にすぎない。さらに、SPE−Aのウサギの動物モデルへの投与 および2回の人間への偶発的接種が、STSSの症状を再生し得る。 SPE−Aは、25,787ドルトンに等しい分子量を有する単一ペプチドで あり、そのコード配列は、溶原性バクテリオファージT12に保持される。SP E−Aの遺伝子であるspeAはクローン化および大腸菌(Escherichia coli)で の発現に成功した。SPE−Aは、連鎖球菌およびブドウ状球菌によって生産さ れる外毒素の大きな科のメンバーであり、発熱を起こし、宿主の内毒素への感受 性を10万倍にする能力に基づいて、発熱性毒素と呼ばれている。 最近、これらの毒素は、抗原特異性にもかかわらず、T細胞受容体のβ鎖の可 変部分の組成に応じて、Tリンパ球の大増殖を誘発する能力のために超抗原と呼 ばれている。これらの毒素はまた、IFN−γ、IL−1、TNF−αおよびT NF−βの大放出を刺激する。この科の他のメンバーは、BおよびC型連鎖球菌 発熱性外毒素、ブドウ球菌毒素ショック症候群毒素1、ブドウ状球菌エンテロッ クストキシン(enteroxtoxin)A、B、Cn、D、E、GおよびH、ならびに非A 群連鎖球菌発熱性外毒素である。これらの毒素は、類似の生化学的特性、生物活 性および様々な程度の配列の類似を有する。 STSSの最も重い症状は、低血圧およびショック症状であり、死に至る。血 管内から組織間腔への液の漏出が、低血圧の決定的な原因であると一般に考えら れており、これは液交換療法が上記のSTSSのウサギのモデルでのショック症 状の防止に効くという観察によって裏付けされている。SPE−Aは、この病理 学を誘発するために宿主に幾つかの方法で作用し得るという仮説がある。 SPE−Aは、肝臓クッパー細胞の活性を犠牲にすることによって、内因性植 物由来の内毒素の肝臓クリアランス(clearance)を阻止することが示されてきた 。これは、循環している内毒素を有意に増加させるらしく、リポ多糖類結合タン パク質(LBP)への結合およびCD14シグナリングを通して、マクロファー ジ活性化が起こり、次にTNF−α、および他のシトキンが放出される。病気で の内毒素の役割は、SPE−Aの致死効果が、動物へのポリミクシンBの投与ま たは病原体のないウサギの使用によって少なくとも部分的に中和され得るという 発見によって裏付けられる。 ショック症状の誘発の別の様相は、この毒素の毛細管内皮細胞への直接的な活 性であり得る。この仮説は、ブドウ状球菌発熱性毒素TSST−1が、ヒトの臍 帯静脈細胞に直接結合し、単離されたブタの大動脈内皮細胞に対し細胞毒素性を 有するという発見に由来する。 この毒素の作用の別の様相は、その超抗原性を含み、この毒素は、宿主のTリ ンパ球と相互作用し、その50%まで活性化させる。この大きなT細胞刺激の結 果、マクロファージに直接影響し、TNF−αおよびIL−1の放出を誘発する 、循環シトキンTNF−βおよびIFN−γのレベルが異常に高くなる。これら のシトキンはまた、T細胞が存在しない時、MHCクラスII結合およびシグナ リングを通して、SPE−Aによってマクロファージから直接誘発され得る。T NF−αおよび−βのレベルの上昇は、グラム陰性誘発ショック(その中に は、内皮細胞への損傷および毛管リークがある)に典型的に見られる幾つかの効 果を起こす。しかし、IL−2およびT細胞の増殖のアップレギュレーションを 阻止するサイクロスポリンAをSPE−Aで処置されたウサギへ投与しても、ウ サギはショック症状にかかった。これは、毛管リークを起こす上でより重要な別 のメカニズムがあることを示唆している。 従って、SPE−A分子おいて、異なる生物活性を担当する部位を突き止める 必要性がある。毒性および細胞分裂促進性などの生物活性において変化を有する SPE−Aの変異体を開発する必要性がある。連鎖球菌毒素ショック症候群を防 止または改善するためのワクチンに有用な組成物を開発する必要性がある。また 、連鎖球菌毒素ショック症候群および他の病気の治療に有用な療法剤を開発する 必要性がある。 発明の要旨 本発明は、突然変異体SPE−A毒素およびそのフラグメント、ワクチンおよ び製剤組成物ならびにワクチンおよび製剤組成物の使用方法を含む。 突然変異体SPE−A毒素は、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、野生型 SPE−A毒素に実質的に対応するタンパク質と比べて、実質的に致死ではない 。ワクチン組成物において、突然変異体毒素はまた、野生型SPE−A毒素の少 なくとも1つの生物活性への防御免疫応答を刺激する。任意には、ワクチン組成 物の突然変異体は、野生型SPE−A毒素に比べて、内毒素ショックの増強の低 下およびT細胞分裂促進性の低下があるようにさらに選択される。ワクチン組成 物の特に好適な突然変異体は、野生型SPE−A毒素のアミノ酸20と等しいア ミノ酸に変化があるものである。製剤組成物において、突然変異体毒素は、野生 型SPE−A毒素に匹敵するT細胞分裂促進性を維持しながら、実質的に致死で は ない。 本発明はまた、野生型speA毒素のフラグメントおよびspeA毒素の突然変異体 を含む。野生型SPE−A由来のフラグメントおよびペプチドは、突然変異体S PE−A毒素である。フラグメントは、連結された分子の異なるドメインまたは 領域を含み得る。フラグメントは、野生型SPE−A毒素に比べて実質的に致死 ではない。突然変異体毒素において、フラグメントは、野生型SPE−Aアミノ 酸配列に比べて、少なくとも1つのアミノ酸変化を有する。フラグメントはまた 、ワクチンおよび製剤組成物に有用である。 本発明はまた、発現カセット、ベクターおよび形質転換された細胞を含む。発 現カセットは、宿主細胞内のプロモーターファンクショナル(functional)に有効 に連鎖した突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントをコードするDN A配列を含む。DNAカセットは、ベクターに挿入されるのが好ましい。ベクタ ーは、プラスミドまたはウイルスを含む。ベクターは、突然変異体SPE−A毒 素をコードするDNAを生成するための鋳型DNAを提供するのに有用である。 DNAカセットおよびベクターはまた、ワクチン組成物に有用である。突然変異 体SPE−A毒素またはそのフラグメントをコードする核酸は、ほ乳類の細胞で の発現のために直接送られ得る。プロモーターは、ほ乳類の細胞におけるプロモ ーターファンクショナルであるのが好ましい。細胞に直接送られた核酸は、個体 での突然変異体SPE−A毒素の発現を提供し得、防御免疫応答は、野生型SP E−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して生成され得る。 さらなるワクチン組成物は、安定して形質転換した細胞または突然変異体SP E−A毒素またはそのフラグメントをコードする発現カセットを含んでいるウイ ルス性ベクターを含む。ワクチニアなどのウイルス性ベクターは、ヒトに免疫を 与えるために用いられ得、野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に 対して防御免疫応答を生成する。形質転換された細胞は、S.アウレウス(S.au reus)、大腸菌またはサルモネラ種spp.などの微生物であるのが好ましい。形質 転換された微生物は、その表面に突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメ ントを含むか、あるいは突然変異体毒素を隠すことができる。形質転換された微 生物は、生の弱毒化されたまたは熱殺菌されたワクチンとして投与され得る。 本発明はまた、ワクチンおよび製剤組成物の使用方法を含む。ワクチンは、野 生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対する防御免疫応答を生成す るのに有効な量を動物に投与する。好ましくは、ワクチン組成物は、ヒトに投与 され、STSSの発生に対して防御する。製剤組成物は、T細胞増殖を刺激する 方法において使用される。製剤組成物は、インターロイキン、インターフェロン または他の免疫モデュレーターで治療されるがん、T細胞リンパ腫、卵巣および 子宮がんの治療に特に有用である。製剤組成物は、がんを患っている患者に投与 される。 突然変異体SPE−A毒素および/またはそのフラグメントならびに他のワク チン組成物は、受動免疫血清を生成するのに有用であり得る。突然変異体SPE −A毒素またはそのフラグメント、DNA発現カセットまたはベクター、あるい は形質転換された微生物は、動物に免疫を与え、野生型SPE−Aの少なくとも 1つの活性への中和抗体を生成するのに用いられ得る。中和抗体は、突然変異体 SPE−A毒素および/またはそのフラグメントならびに野生型SPE−A毒素 と免疫反応する。受動免疫血清は、A連鎖球菌感染症およびSTSSの症候群が ある動物に対して投与され得る。 図面の簡単な説明 図1は、連鎖球菌発熱性外毒素Aの三次元構造モデルのリボン図である。ドメ インAおよびBが示される。 図2は、図1に見られる標準的な図に関して背面から見たSPE−Aの図であ る。数字の付された残基は、全身致死性の低下について評価されたTSST−1 の残基と相同のものである。 図3は、T12からクローン化されたSPE−A毒素のDNA配列(配列番号 :12)および予測アミノ酸配列(配列番号:13)を示す。 図4は、T細胞増殖アッセイである。ウサギの脾臓細胞が、72時間、SPE −A、K16N−SPE−AおよびN20D−SPE−Aとともに96のウエル ミクロタイタープレート4枚でインキュベートされた。細胞は、18〜24時間 、[3H]チミジンでパルスされ、フィルターに収集され、[3H]チミジンのとり込 みがシンチレーションカウンターで測定された。結果は、毒素濃度μg/mlに 対する1分当たりのカウント(CPM)として表されている。呈示されたデータ は、3つの個別の実験のうち最も代表的なものからのデータである。 図5は、T細胞増殖アッセイである。ウサギの脾臓細胞が、72時間、SPE −A、C87S−SPE−A、C98S−SPE−AおよびC90S−SPE− Aとともに96のウエルミクロタイタープレート4枚でインキュベートされた。 細胞は、18〜24時間、[3H]チミジンでパルスされ、フィルターに収集され 、[3H]チミジンのとり込みがシンチレーションカウンターで測定された。結果 は、毒素濃度μg/mlに対する1分当たりのカウント(CPM)として表され ている。呈示されたデータは、3つの個別の実験のうち最も代表的なものからの データである。 図6は、T細胞増殖アッセイである。ウサギの脾臓細胞が、72時間、SPE −A、K157E−SPE−AおよびS195A−SPE−Aとともに96のウ エルミクロタイタープレート4枚でインキュベートされた。細胞は、18〜24 時間、[3H]チミジンでパルスされ、フィルターに収集され、[3H]用チミジンの とり込みがシンチレーションカウンターで測定された。結果は、毒素濃度μg/ mlに対する1分当たりのカウント(CPM)として表されている。呈示された データは、3つの個別の実験のうち最も代表的なものからのデータである。 図7は、単一突然変異体と比較した野生型SPEAの超抗原性を示す。ウサギ の脾臓細胞が、SPEAまたは突然変異体とともに指示された用量で4日間イン キュベートされた。4つの複製ウエルがSPEAおよび突然変異体の各用量にお いて用いられた。3日目に1μCI3Hチミジンが各ウエルに添加された。超抗 原性指標=SPEAまたは突然変異体の存在下での脾臓細胞による3Hチミジン のとり込み÷SPEAまたは突然変異体の非存在下での3Hチミジンのとり込み 。 図8は、二重突然変異体と比較した野生型SPEAの超抗原性を示す。使用さ れた方法は、図7に記載のものである。 図9は、免疫を与えられたウサギの血清によるSPEA阻害である。単一およ び二重突然変異体で免疫を与えられたウサギからのウサギの血清は、血清がSP EAの存在下で脾臓細胞分裂促進性を中和することができることを示すために用 いられた。 発明の詳細な説明 本発明は、突然変異体SPE−A毒素およびそのフラグメント、突然変異体S PE−A毒素およびそのフラグメントを含むワクチンおよび製剤組成物、突然変 異体SPE−A毒素およびそのフラグメントの調製方法、ならびに突然変異体S PE−A毒素およびそのフラグメントの使用方法に関する。 突然変異体SPE−A毒素は、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、野生型 SPE−A毒素に実質的に対応するタンパク質と比べて、生物機能において少な くとも1つの変化を有するタンパク質である。突然変異体SPE−A毒素は、同 じ用量での野生型SPE−A毒素と比較すると、実質的に致死ではないことが好 ましい。突然変異体SPE−A毒素は、部位指向突然変異生成、ランダム突然変 異生成、従来の突然変異生成、インビトロ突然変異生成、自然発生的突然変異生 成および化学合成を含む様々な方法を用いて生成され得る。突然変異体SPE− A毒素は、1)確実にアミノ酸において少なくとも1つの変化を有し、2)分子 の少なくとも1つの生物機能における変化、好ましくは全身致死性の低下または 排除を有するように選択されるのが好ましい。突然変異体毒素は、STSSの防 止または改善などの、SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対する防御 のためのワクチン組成物、STSSの症状がある動物の治療方法、およびT細胞 増殖の刺激方法ならびにがんの治療に有用である。単一および二重SPE−A突 然変異体がテストされ、突然変異体に対する抗体がSPEへの細胞応答を阻害し た。 A.突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメント、ワクチン および製組成物 本発明は、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、野生型SPE−A毒素に実 質的に対応し、野生型SPE−Aと同様の生物活性を有するタンパク質と比べて 、生物活性において少なくとも1つの変化を有する突然変異体SPE−A毒素を 含む。 野生型SPE−A毒素は、バクテリオファージT12に見出される遺伝子spe Aによってコードされる。野生型SPE−A毒素は、成熟タンパク質の推定アミ ノ酸配列から計算すると、25,787ダルトンの分子量を有する。図3は、野 生 型SPE−A毒素をコードするDNA配列および野生型SPE−A毒素の予測ア ミノ酸配列を示す。野生型SPE−A毒素をコードするDNA配列は、大腸菌お よびS.aureusにクローン化された。本願のアミノ酸番号指定は、31位 のグルタミンを第1のアミノ酸として指定する図3の配列を参照して行われる。 最初の30のアミノ酸は、成熟タンパク質に現れないリーダー配列を表す。 図1は、野生型SPE−A毒素の構造モデルを示す。この構造モデルは、Bio sym Corp.,San Diego,CA.から入手可能のInsight/Homologyプログラムを 用いた相同モデリングによって構成された。このモデルは、野生型SPE−A毒 素が、数個の明確な構造的特徴を有することを示している。これらの構造的特徴 は、らせん2(アミノ酸11〜15)、N末端アルファらせん3(アミノ酸18〜 26)、らせん4(アミノ酸64〜72)、中央アルファらせん5(アミノ酸142 〜158)、らせん6(アミノ酸193〜202)、鎖1(アミノ酸30〜36)、 鎖2(アミノ酸44〜52)、鎖3(アミノ酸55〜62)、鎖4(アミノ酸75〜 83)、鎖5(アミノ酸95〜106)を含んでいるドメインBベータ鎖、鎖6(ア ミノ酸117〜126)、鎖7(アミノ酸129〜135)、鎖8(アミノ酸169 〜175)、鎖9(アミノ酸180〜186)および鎖10(アミノ酸213〜 220)を含んでいるドメインAベータ鎖を含んでいる。さらに、残基87、9 0および98のシステイン残基は、推定ジスルフィド結合の形成または局所三次 元コンフォーメーションを維持するのに重要であり得る。 野生型SPE−A毒素は、幾つかの生物活性を有する。これらの生物活性は、 1)発熱、2)STSS、3)STSSの発生または内毒素ショックの増強によ る全身致死性、4)内毒素ショックの増強、5)毛管リークおよび低血圧の誘発 、6)IFNγ、IL−1、TNF−αおよびTNF−βなどのシトキンの放出 の誘発、7)ブタの大動脈内皮細胞への結合、8)MHCクラスII分子への結 合、9)T細胞受容体への結合、および10)T細胞分裂促進性(超抗原性)を 含む。これらの活性は、アッセイされ得、当業者に公知の方法によって特徴付け られ得る。 本明細書中に用いられるように、野生型SPE−A毒素の定義は、野生型SP E−A毒素と同じ生物活性を有する野生型SPE−A毒素の変異体を含む。これ らのSPE−A毒素は、異なるアミノ酸を有するか、あるいは、それらの遺伝子 が、図3に示すものと異なるヌクレオチド配列を有し得るが、異なる生物活性を 有していない。アミノ酸配列における変化は、表現型に変化をもたらさない。こ れらの毒素分子は、図3に示す野生型SPE−A毒素と同程度に全身致死性を有 し、内毒素ショックを高めることが好ましい。これらの毒素は、Altschul,S. F,,Bull.Math.Bio.48:603(1986)に記載されたようなSS2Alignment Algo rithmを用いて測定すると、図3に示す野生型SPE−A毒素アミノ酸配列と少 なくとも60〜99%の相同を有するのが好ましい。これらの特性を有するタン パク質は、実質的に野生型SPE−A毒素に対応する。 突然変異体SPE−A毒素は、実質的に野生型SPE−A毒素に対応するタン パク質と比べて、アミノ酸において少なくとも1つの変化を有する毒素である。 この変化は、アミノ酸置換、欠失または付加であり得る。アミノ酸配列において 1つ以上の変化、好ましくは1〜6の変化があり得る。突然変異体SPE−A毒 素の全身致死性または毒性を有する野生型SPE−A毒素への復帰を最小限にす るためにアミノ酸配列の変化が1つ以上あることが好ましい。ワクチンに有用な 突然変異体SPE−A毒素にとって、毒素のアミノ酸配列の変化の結果、野生型 SPE−A毒素を中和し得る抗体応答を刺激するという毒素の能力が変化するこ とにならないことが好ましい。ワクチンに有用な突然変異体SPE−A毒素にと って、突然変異体毒素は、Boca Raton,Fla.のToxin TechnologiesまたはD r. Schlievert(Minnesota大学,Minneapolis,MN)からのようなSPE−A毒 素に対するポリクローナル中和抗体によって認識され、タンパク質分解プロフィ ールが、野生型SPE−Aに比べて変わらないことが特に好ましい。 アミノ酸配列における変化は、野生型SPE−A毒素の1つ以上の選択された アミノ酸残基での部位特異的変化であり得る。部位特異的変化は、前述の分子の 特定のドメインまたはシステイン残基が置かれる位置における残基を同定するこ とによって選択される。任意には、ある位置またはドメイン内のアミノ酸が、一 次配列の相同性または三次元コンフォーメーションの比較により、他の相同分子 の等しい残基と同一であるか、または類似の特性を有するかどうかを決定するこ とによって、特定の位置における部位特異的変化がさらに選択される。相同分子 は、当業者に公知である。相同分子は、上記のAltschulらのSS2alignment al gorithmまたはBiosym,San Diego,CA.からのInsight/Homologyのような相 同モデリングプログラムを用いた一次配列の相同性の比較によって同定され得る ものである。相同分子は、野生型SPE−A毒素と比較して、同一のまたは保守 的に変化したアミノ酸の有意の数、典型的には30〜99%を表示するか、ある いは、類似の三次元構造、典型的には保存領域が<2オングストロームのRMS エラーを有するものである。 特定の部位におけるアミノ酸配列の変化は、ランダムに起こり得るか、または 特異変化が選択され得る。特異部位が選択されると、それは、そのアミノ酸番号 指定および図3に示す野生型SPE−A毒素の部位に見られるアミノ酸によって 言及される。本願において行われるアミノ酸番号指定は、31位のグルタミンが 第1のアミノ酸としてカウントされる図3の配列の参照による。実質的に野生型 SPE−A毒素に対応するタンパク質の特定部位で同定されたものに対応する等 しいアミノ酸は、参照配列に応じて、あるいは、もしそれらがフラグメントであ るなら、異なるアミノ酸番号を有し得る。等しい残基はまた、一次アミノ酸構造 の比較または図1に示すモデル構造との比較または相同分子の公知の結晶構造と の比較のいずれかによって、実質的に野生型SPE−A毒素に対応するタンパク 質におけるアミノ酸に等しいとして同定され得る相同分子に見出されるものであ る。本発明は、アミノ酸番号指定にかかわらず、同じまたは類似の位置の等しい アミノ酸への変化を含んでいることが意図されている。 特異部位におけるアミノ酸の特異的置換が選択されると、当該位置で置換され るアミノ酸は、野生型SPE−A毒素での当該位置でのアミノ酸と比較して、生 物活性に影響を与える構造上の変化を含むように選択される。置換は、同類置換 または非同類置換であり得る。生物活性に影響を与え得る構造上の変化になる置 換は、1)ある電荷型から別の電荷型への変化、2)電荷から非電荷への変化、 3)システイン残基およびジスルフィド結合の形成の変化、4)疎水性から親水 性残基または親水性から疎水性残基への変化、5)アミノ酸の大きさの変化、6 )コンフォーメーションにおいて制限的なアミノ酸または類似体への変化、およ び7)非自然発生アミノ酸または類似体への変化を含む。選択された特異的置換 はまた、選択された部位の位置に依存し得る。例えば、N末端αらせんにおける アミノ酸は、爆されたアミド窒素と相互作用するように水酸基を有するか、また はαらせんのN末端に存在する部分的な正の電荷と相互作用するように負に電荷 されていることが好ましい。 突然変異体毒素はまた、1つの特異部位または複数の部位を標的にしたランダ ム突然変異を含む。部位が選択されると、Aiyarら、Biotechniques 14:366(19 93)またはHoらGene 77:51-54(1984)に記載されるような方法を用いて、他の1 9のアミノ酸のそれぞれが当該部位で置換された突然変異体が生成され得る。イ ンビトロ突然変異生成もまた、Anthony-Cahillら、Trends Biochem.Sci.14 :400 (1989)に記載されるような方法を用いて、特定の位置において、他の19のアミ ノ酸のそれぞれまたは非自然発生アミノ酸もしくは類似体を置換するために用い られ得る。 突然変異体毒素はまた、分子の特異的に選択されていない1つ以上の部位で変 化し、かつ、特異的に選択されていないが、他の19のアミノ酸または非自然発 生アミノ酸のいずれか1つであり得るアミノ酸の変化を有する毒素を含む。 特異部位での置換はまた、これに限らないが、3−ヒドロキシプロリン、4− ヒドロキシプロリン、ホモシステイン、2−アミノアジピン酸、2−アミノピニ リン酸(aminopimilic acid)、オルニチン、ホモアルギニン、N−メチルリシン 、ジメチルリシン、トリジメチルリシン、2、3−ジアミノプロピオン酸、2, 4−ジアミノブトリル酸(2,4-diaminobutryic acid)、ヒドロキシルリシン、置 換フェニルアラニン、ノルロイシン、ノルバリン、γ―バリンおよびハロゲン化 チロシンなどの非自然発生アミノ酸での置換を含む。特異部位での置換はまた、 これに限らないが、エステル、エーテルならびにホスホリルおよびボロン連鎖を 含む非ペプチド化学作用を用いる類似体の使用を含む。 突然変異体毒素は、種々の方法を用いて生成され得る。それらの方法は、部位 特異性突然変異生成、EMSまたは亜硫酸水素ナトリウムなどの化学物質あるい はUV照射を用いる方法、自然発生的突然変異、インビトロ突然変異生成および 化学合成による突然変異生成方法を含む。突然変異生成の方法は、Sambrookら 、A Guide to Molecular cloning,Cold Spring Harvard,New York(1989 )に見出され得る。部位特異性突然変異生成の特に好適な方法は、Perrin and Gilliland,1990,Nucleic Acid Res.18:7433に記載されるような、3つのプ ライマーを有する非対称のPCRを用いることである。 実質的に野生型SPE−A毒素に対応するタンパク質と比較して、少なくとも 1つのアミノ酸変化を有する突然変異体SPE−A毒素が、生成されると、突然 変異体SPE−A毒素は、非致死性についてスクリーニングされる。このスクリ ーニングで選択された突然変異体SPE−A毒素は、野生型SPE−A毒素と同 じ用量または多い用量で小型浸透ポンプ(実施例2に記載するような)を用いて 投与されたとき、ウサギにおいて実質的に非致死であることが好ましい。野生型 SPE−A毒素と同じ用量をウサギに投与したとき、約10〜20%未満のウサ ギが死ぬと、突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントは実質的に非致 死である。非致死の突然変異体毒素は、ワクチンおよび製剤組成物に有用である 。本発明を制限しないが、全身致死性に影響を与えるあるアミノ酸残基またはド メインは、他の生物活性、特にT細胞分裂促進性と分離可能であると考えられて いる。 ワクチン組成物に有用な突然変異体において、突然変異体SPE−A毒素は、 野生型SPE−A毒素活性を中和する抗体応答を刺激し得るものについてスクリ ーニングされることがさらに好ましい。野生型SPE−A毒素活性を中和する抗 体応答を刺激し得る突然変異体SPE−A毒素の選択方法は、突然変異体毒素が 、Toxin Techno-logies,Boca Raton,Fla.またはDr.Schlievertから入手 可能なもののような野生型SPE−A毒素に対するポリクローナル中和抗体と免 疫反応するかどうかを決定することである。突然変異体SPE−A毒素が、野生 型SPE−A毒素に対する抗体と免疫反応するかどうかの決定方法は、ELIS A、ウエスタンブロット(Western Blot)、二重免疫拡散アッセイ(Double Im munodiffusion Assay)などを含む。 任意には、突然変異体毒素はまた、突然変異体毒素のタンパク質分解プロフィ ールが、野生型SPE−A毒素と同じであるかでどうかを決定するためにスクリ ーニングされ得る。ある場合において、生成された突然変異体は、野生型SPE −A毒素に比べて、突然変異体毒素の三次元コンフォーメーション全体を実質的 に変化させないことが好ましい。全体コンフォーメーションに変化があったかど うかを調べる1つの方法は、野生型SPE−A毒素への抗体の免疫反応性を観察 すること、および/または突然変異体SPE−A毒素のタンパク質分解プロフィ ールを調べることである。タンパク質分解プロフィールは、当業者に公知の方法 において、トリプシン、キモトリプシン、パパイン、ペプシン、サブチリシンお よびV8プロテアーゼを用いて決定され得る。図3に示す配列を有する野生型S PE−Aのタンパク質分解プロフィールは公知である。野生型SPE−Aと類似 のプロフィールを有する突然変異体が選択される。 任意には、突然変異体毒素はまた、生物活性における他の変化を有するように スクリーニングおよび選択され得る。前述のように、野生型SPE−A毒素に伴 う幾つかの生物活性がある。それらの生物活性は、1)発熱、2)STSS、4 )内毒素ショックの増強、5)毛管リークおよび低血圧、6)IFNγ、IL− 1、TNF−αおよびTNF−βなどのシトキンの放出の誘発、7)内皮細胞へ の結合、8)MHCクラスII分子への結合、9)T細胞受容体への結合、およ び10)T細胞分裂促進性(超抗原性)を含む。これらの活性は、当業者に公知 の方法によって測定され得る。 ワクチン組成物に有用な突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントに おいて、それらは、実質的に、野生型SPE−Aへの中和抗体に対し非毒性およ び免疫反応性を有することが好ましい。中和抗体は、動物テストにおいて、野生 型毒素の致死性を阻害するものを含む。任意には、突然変異体SPE−A毒素は 、上で述べたように、野生型SPE−A毒素の他の1つ以上の生物活性において 変化を有し得る。 任意には、ワクチン組成物に好適な突然変異体毒素は、内毒素ショックの賦 活性の欠如についてさらにスクリーニングおよび選択される。内毒素ショックの 増強の欠如を調べる好適なアッセイについては、実施例4において述べる。ウサ ギは、テスト前に明らかなバクテリアまたはウイルス性感染症を有していないこ とが好ましい。同じ用量での野生型SPE−A活性と比較して、突然変異体SP E毒素が内毒素と同時投与されたとき、約25%未満の動物がショックを発生さ せると、内毒素ショックの賦活性の欠如または実質的な非増強が見られる。より 好ましくは、1匹の動物もショックを発生させない。 任意には、ワクチン組成物のための好適な突然変異体はまた、T細胞分裂促進 性の変化についてさらにスクリーニングおよび選択される。T細胞分裂促進性の 変化は、実施例4に記載するように、ウサギのリンパ球を用いて標準3Hチミジ ンアッセイにおけるT細胞増殖を測定することによって、IFNγまたはTNF −βなどのシトキンの生成レベルを測定することによって、T細胞応答のVβ型 を決定することによって、または分子のMHCクラスII受容体との相互作用を 決定することによって検出され得る。T細胞分裂促進性の低下を検出するための 好適な方法は、突然変異体毒素の存在下および非存在下において、ウサギのリン パ球のT細胞増殖を測定することである。T細胞の野生型SPE−A毒素への応 答は、抗原への正常なインビトロ応答を超えて大きく高められる。突然変異体S PE−A毒素が、抗原または負の制御での刺激より大きくT細胞増殖応答を刺激 しない場合、T細胞分裂促進性の実質的な低下が見られる。野生型SPE−A毒 素と同じ用量でウサギのリンパ球を用いて測定すると、突然変異体SPE−A毒 素に対するT細胞増殖応答が、バックグラウンドの2倍未満であるような低下が 見られるのが好ましい。 任意には、ワクチン組成物に有用な突然変異体SPE−A毒素は、内皮細胞に おける毛管リークの低下についてさらにスクリーニングおよび選択される。好適 な方法は、Leeら、J.Infect.Dis.164:711(1991)に記載されるような、ブタ の大動脈内皮細胞を用いることである。突然変異体SPE−A毒素の存在下にお ける毛管リークの低下は、放射能標識された化合物の放出の低下を測定すること によって、または放射能標識された化合物の輸送における変化よって決定され得 る。野生型毒素の活性と比較して、放射能標識された化合物の放出または輸送が 、バックグラウンドの約2倍未満に低下する場合、毛管リークの低下が見られる 。 ワクチン組成物に有用な特に好適な突然変異体SPE−A毒素は、野生型SP E−A毒素活性を有するタンパク質と比較して、生物学的に活性ではない。非生 物活性とは、突然変異体毒素には、全身致死性がほとんどまたは全くなく、内毒 素ショックの増強がほとんどまたは全くなく、T細胞分裂促進性がほとんどまた は全くないことを意味する。ワクチン組成物のために選択された突然変異体SP E−A毒素は、3つの生物活性が実質的に欠如している、すなわち、それらは、 負の制御のように反応するか、またはバックグラウンドの2倍未満反応を刺激す る。 他の生物活性の変化は、以下のように検出され得る。MHCクラスII分子へ の結合は、Jardetzky,Nature 368:711(1994)に記載されるような方法を用いて 検出され得る。発熱における変化は、突然変異体SPE−A毒素の投与後、継続 的に温度をモニターすることによって検出され得る。突然変異体SPE−A毒素 の存在下でのシトキン生産のレベルにおける変化は、市販の方法および免疫学で の現在の実験計画書に記載される方法などを用いて測定され得る。(Ed.Colig an,Kruisbeck,Margulies,Shevach and Stroker.National Institutes of Health ,John Wiley and Sons,Inc.) 少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、実質的に非毒性である突然変異体SP E−A毒素の具体例が記載される。 ワクチン組成物のための特に好適な突然変異体SPE−A毒素は、野生型SP E−A毒素へのポリクローナル中和抗体と免疫反応し、非毒性であり、任意には 、内毒素ショックの賦活性の低下およびT細胞分裂促進性の低下を有する突然変 異体SPE−A毒素である。特に好適な突然変異体は、成熟毒素の残基20にお けるアスパラギンがアスパラギン酸に置換された突然変異体N20Dのようなア ミノ酸20におけるアスパラギンの変化を有する(N20D)。N20D突然変 異体は、非毒性であり、内毒素ショックの増強がなく、T細胞分裂促進性が5倍 低下することが示されている。さらに、当該位置でのシステイン基の欠如となる アミノ酸98での変化はまた、内毒素ショックの増強の低下および細胞分裂促進 性の4倍低下を有する突然変異体になる。この位置での特に好適な突然変異体は 、セリンがシステインに置換されている(C98S)。 T細胞増殖の刺激のためのおよびがん治療における好適な突然変異体は、実質 的に非致死である突然変異体毒素である。これらの突然変異体毒素は、T細胞分 裂促進性を少なくとも野生型SPE−A毒素のレベルに保持することが好ましい 。特に好適な突然変異体は、当該残基のリシンをグルタミン酸に置換するなどの 、野生型SPE−Aの残基157でのアミノ酸変化を有する(K157E)。K 157E突然変異体は、非致死であるが、野生型SPE−A毒素に匹敵する細胞 分裂促進性を保持することが示された。 突然変異体は、以下のような分子の特定のドメインにおいてアミノ酸を変化さ せることによって、機能変化に影響を与えるために生成され得る。図1は、野生 型SPE−A毒素の分子モデルを示す。特に好適なドメインは、N末端αらせん 3(アミノ酸18〜26)、中央αらせん5(アミノ酸142〜158)、ドメイン Bベータ鎖(アミノ酸30〜36、44〜52、55〜62、75〜83および 95〜106)、ならびにドメインAベータ鎖(アミノ酸117〜12 6、129〜135、169〜175、180〜186および213〜220) を含む。87、90および98位のシステイン残基もまた重要であり得る。 本発明を制限しないが、これらのドメインは、野生型SPE−A活性の生物機 能において重要な特異的な三次元コンフォーメーションを形成すると考えられて いる。図2に見られるように、N末端αらせんおよび中央αらせんは、近くに位 置しているので、そこでの残基が野生型SPE−A毒素分子の毒性に特に重要で あり得る。さらに、中央のαらせんに近位の境界のB鎖のアミノ酸もまた、毒性 において重要であり得る。図1および図2に示すような分子モデルは、構造的ド メインの表面残基および埋めこまれた残基の同定に役立つ。 ワクチン組成物において、N末端αらせん3での残基(残基18〜26)が変 化することが好ましく、全身致死性または内毒素の増強またはT細胞分裂促進性 、あるいは、3つすべてを低下させるようにスクリーニングおよび選択される。 N末端αらせん3における変化の具体例は、残基20でのアミノ酸の変化であ る。この残基でのアスパラギンからアスパラギン酸での変化は、内毒素ショック の増強の低下、全身致死性の低下および細胞分裂促進性の5倍低下という結果に なる。残基20での他の変化は、表面残基での電荷の分配を変化させるもの、ま たはN末端αらせんの中央αらせんとの相互作用を変化させるものであることが 好ましい。アミノ酸20におけるグルタミン酸、リシン、アルギニンなどの負荷 アミノ酸による置換は、同様の効果を有するようである。この領域の変化は、S TSSによる全身致死性を低下させるものであるのが好ましい。 変化はまた、中央αらせん5残基142〜158において起こる。少なくとも 1つのアミノ酸変化を有するこの領域の突然変異体は、STSSによる全身致死 性の低下について選択されることが好ましい。他の毒素分子において同定された 類似の中央αらせんは、毒性を伴うことが示された。具体例は、残基15 7での変化である。この残基におけるリシンからグルタミン酸への変化は、ST SSによる内毒素ショックの増強および全身致死性を低下させることになる。 しかし、T細胞分裂促進性は、この残基での変化に影響をされない。これらの 結果は、毒素性および内毒素ショックの増強は、T細胞分裂促進性とは分離可能 な活性であることを示している。ワクチン組成物において、任意には、このドメ インにおける変化を有する他の突然変異体が、T細胞分裂促進性の低下について スクリーニングおよび選択される。アミノ酸157に存在する電荷の型の変化は 、アスパラギン酸のリシンとの置換が、同様の効果を有するらしいことを示して いる。 残基30〜36(ベータ鎖1)、残基44〜52(ベータ鎖2)、残基55〜62 (ベータ鎖3)、残基75〜83(ベータ鎖4)および残基95〜106(ベータ 鎖5)を含むドメインBベータ鎖(ドメイン5)は、非致死性、任意には内毒素 ショックの増強および/またはT細胞分裂促進性の低下についてスクリーニング および選択されることが好ましい。SEB、SEA、TSST−1などの幾つか の毒素のベータシートのN末端バレルを形成する多数の残基は、MHCクラスI I分子への結合に重要であることが示されている。突然変異体毒素によるMHC クラスII結合の低下もまた、上記のJardetzkyらによって記載されたようなア ッセイを用いて選択され得る。ベータシートコンフォーメーションを破壊し得る 、またはMHCクラスII分子との接触残基、特にベータバレルの凹面にあるも のを変化させ得るこれらの残基への変化が選択される。図1を参照。ワクチン組 成物において、局所的なコンフォーメーションを変化させ得る変化が、野生型S PE−A毒素へのポリクローナル中和抗体との突然変異体毒素の免疫反応を変化 させないことが好ましい。 残基117〜126(ドメインベータ鎖6)、残基129〜135(ドメイ ン7)、残基169〜175(ドメイン8)、残基180〜186(ドメイン9) および残基213〜220(ドメイン10)を含むドメインAベータ鎖は、非致 死性であり、内毒素ショックの増強が低下し、かつ/またはT細胞分裂促進性が 低下するように選択されることが好ましい。野生型SPE−A毒素へのポクロー ナル中和抗体との突然変異体毒素の免疫反応を変化させることなく、ベータシー トコンフォーメーションを変化させ得る変化が選択されることが好ましい。 非致死性、任意には内毒素ショックの増強および/またはT細胞分裂促進性の 低下を有する、システイン残基への変化またはジスルフィド結合の導入を有する 突然変異体SPE−A毒素が、選択され得る。具体例は、システイン残基98で の変化である。この残基でのシステインからセリンへの変化の結果、細胞分裂促 進性が約4倍低下し、内毒素ショックの増強が低下し、STSSによる致死性が 低下する突然変異体毒素になる。 残基98におけるシステイン基を排除する変化は、セリンでの置換と同様に生 物活性に影響を与える。残基98に起こり得る他の変化は、アラニン、グリシン またはトレオニンなどの他の小さな脂肪性残基の置換を含む。アミノ酸残基90 および97での他のシステイン残基での変化の結果、細胞分裂促進性が低下する 。 アミノ酸配列に1つ以上の変化を有する、治療方法に有用な突然変異体SPE −A毒素が生成され得るのが有利である。毒性または致死性を有する分子への復 帰の変化を最小限にするために1つ以上の位置で変化を有するのが望ましい。ワ クチン組成物において、多数の変化を有する突然変異体毒素は、依然として、野 生型SPE−A毒素に対する防御免疫応答を生成し、かつ/または野生型SPE −A毒素への中和ポリクローナル抗体と免疫反応し得る。製剤組成物において、 多数の変化を有する突然変異体は、T細胞の細胞分裂促進性を維持しながら実質 的に非致死であることが特に好ましい。約2〜6の変化を有することが特に好ま しい。このような突然変異体の例はN20D/K157E、N20D/C98S のような二重突然変異体、三重突然変異体などを含むN20D突然変異を有する ものを含む。 SPEAの二重突然変異体は、単一突然変異体より利点あるかもしれない。こ れは実施例6に詳述する3つの実験において評価される。図7〜図9はその結果 を表す。そのデータは、N20D/C98S突然変異体は、単一N20D突然変 異体より毒性が低く、二重突然変異体N20D/K157Eは、他の2つのタン パク質の中間であることを示した。3種類の突然変異体はすべて、野生型SPE より毒性が非常に低かった。単一および二重突然変異体で免疫されたウサギの血 清は、非突然変異SPEA毒素と応答してリンパ球増殖を阻害した。リンパ球増 殖は、毒素の完全毒性に伴い、かつ必要である。 実施例7に記載のように、動物がN20D、N20D/C98SまたはN20 D/K157Eに対して免疫を与えられた。結果を表9に表す。二重突然変異体 で免疫された動物は、発熱および内毒素ショックへの高められた感受性から完全 に防護された。 三重突然変異体もまた。、本願において考慮されており、一実施形態において 、SPE−A突然変異体N20D/C98S/D45Nが、実施例1〜7の方法 およびアッセイならびに本明細書中に記載のプライマーを用いてテストされてい る。 アミノ酸残基20アスパラギンの欠失および/あるいはアミノ酸157リシン または98システインの欠失のような、特異部位で残基を欠失することもまた好 ましいことがある。ワクチン組成物において、野生型SPE−A毒素へポリクロ ーナル中和抗体と免疫反応し、かつ/または野生型SPE−A活性に対する防御 免疫応答を刺激し得る、欠失を有する突然変異体が、選択され得る。 SPE−Aの突然変異体毒素は、ワクチン組成物を形成するのに役立つ。ワク チン組成物のための好適な突然変異体は、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し 、全身的に非毒性であり、野生型SPE−Aへのポリクローナル中和抗体と免疫 反応する。特に好適な突然変異体は、N20D,N20D/K157E、N20 D/C98Sのようなアミノ酸20において変化した突然変異体SPE−A毒素 および残基20アルパラギンにおいて欠失した突然変異体を含む。 突然変異体毒素は、生理学的に許容可能な担体と組み合わせられる。生理的に 許容可能希釈剤は、生理食塩水およびリン酸緩衝食塩水のような中性pHでの緩 衝食塩水を含む。他のタイプの生理的担体は、リポソームまたはポリマーなどを 含む。任意には、突然変異体毒素は、フロイントの不完全アジュバント、フロイ ントの完全アジュバント、明礬、モノホスホリル脂質A、明礬ホスフェートまた は水酸化物、QS−21などのアジュバントと組み合わせ得る。任意には、突然 変異体毒素またはそのフラグメントは、インターロイキン、インターフェロンな どの免疫モデュレーターと組み合わせ得る。ワクチン調剤の多くは当業者に公知 である。 突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントは、野生型SPE−A毒素 の少なくとも1つの生物活性への動物の防御免疫応答を刺激するのに有効な量を ワクチン調剤に添加される。防御免疫応答の生成は、抗体、好ましくは、野生型 SPE−A毒素を中和する抗体の発生によって測定され得る。野生型SPE−A 毒素の中和は、例えば、動物の野生型SPE−Aによる致死性の阻害によって測 定され得る。さらに、防御免疫応答は、内毒素ショックの増強またはSTSSの 症状の改善または排除のような、野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物 活性における低下を測定することによって検出され得る。防御免疫応答を形成し 得る突然変異体毒素の量は、体重1kg当たり約0.1μg〜約100mg、よ り好ましくは体重1kg当たり約1μg〜約100μgである。体重1kgに つき約25μgの野生型SPE−A毒素が、ウサギの防御免疫を誘導するのに有 効である。 ワクチン組成物は、ウサギ、齧歯動物、ウマおよびヒトなどの動物に投与され る。好適な動物はヒトである。 突然変異体SPE−A毒素はまた、製剤組成物を形成するのに有用である。製 剤組成物は、がんの治療のようなT細胞増殖の刺激を所望する療法状況において 有用である。好適な突然変異体SPE−A毒素は、野生型SPE−A毒素に匹敵 するT細胞分裂促進性を維持しながら非致死であるものである。好適な突然変異 体は、K157Eのような野生型SPE−A毒素の残基157のリシンにおいて 変化したものである。 製剤組成物は、突然変異体SPE−A毒素を生理食塩水、リン酸緩衝食塩水の ような中性pHで緩衝された食塩水などの生理的に許容可能な担体と組み合わせ ることによって形成される。突然変異体SPE−A毒素は、同じ用量で野生型S PE−A毒素に匹敵するT細胞増殖を刺激するのに有効な量で組み合わせられる 。T細胞の応答性の増強は、ウサギのリンパ球を用いての標準3Hチミジンアッ セイを用いたり、蛍光活性したT細胞の分類器またはELISPOTのようなア ッセイを用いてインビボでのT細胞個体群を測定することによって測定し得る。 有効量もまた、がん細胞の増殖を改善または低下させるのに有効な量であり得る 。これは、がん特異T細胞の刺激を測定することによって、インビボでがん細胞 の増殖に対する突然変異体SPE−A毒素の影響を測定することによって決定さ れ得る。有効量の範囲は、体重1kg当たり100ng〜100mg、より好ま しくは体重1kg当たり1μg〜100μgである。約25-6μgの野生型SP E−A毒素が、高められたT細胞応答性を刺激し得る。例えば、これらの突然変 異体SPE−A毒素は、単独で、またはインターロイキンもしくはインターフェ ロ ン療法との関連して用いられる。 本発明はまた、SPE−A毒素のフラグメントおよび突然変異体SPE−A毒 素のフラグメントを含む。ワクチン組成物において、フラグメントは、防御免疫 応答を刺激するのに十分に大きいことが好ましい。B細胞エピトープの最小限の 大きさは、約4ないし7個のアミノ酸であり、T細胞エピトープでは約8〜12 個のアミノ酸である。野生型SPE−A全体の大きさは、リーダー配列を含む約 251個のアミノ酸である。フラグメントは、約4〜250個のアミノ酸、より 好ましくは、約10〜50個のアミノ酸のペプチドである。 フラグメントは、単一ペプチドであるか、または連結された異なる位置からの ペプチドを含み得る。フラグメントは、図1に示し上に述べたような1つ以上の ドメインを含むことが好ましい。また、突然変異体SPE−A毒素からのフラグ メントは、実質的に野生型SPE−A毒素に対応するタンパク質と比較して、ア ミノ酸配列に少なくとも1つの変化、より好ましくはアミノ酸配列に1〜6の変 化を有するのが好ましい。 フラグメントは、実質的に、全身的に非致死であるのが好ましい。フラグメン トは、上記のように、野生型SPE−A毒素活性を有するタンパク質と同じまた はそれより多い用量で小型浸透ポンプモデルを用いて、ウサギにおいてほとんど または全く毒性を有さないようにスクリーニングおよび選択される。フラグメン トはまた、野生型SPE−A毒素の用量と匹敵する量を与えた場合、ヒトにおい て非毒性であることが好ましい。 ワクチン組成物にとって、フラグメントは、中央αらせんおよび/またはN末 端αらせんからの残基を含むことが好ましい。フラグメントは、N20Dのよう な野生型SPE−A毒素における残基20に等しいアミノ酸残基での変化、また は野生型SPE−A毒素の残基98システインに等しいアミノ酸残基での変 化を含むことが好ましい。 ワクチン組成物にとって、フラグメントは、野生型SPE−A毒素活性を有す るタンパク質への中和抗体応答を刺激することが好ましい。フラグメントは、野 生型SPE−A毒素へのポリクローナル中和抗体との免疫反応についてスクリー ニングおよび選択され得る。フラグメントはまた、動物に免疫を与えるために用 いられ得、形成された抗体は、野生型SPE−A毒素の中和についてテストされ る。 ワクチン組成物にとって、特に好適なフラグメントは、非生物活性であるよう にさらに選択およびスクリーニングされる。非生物活性とは、フラグメントは、 全身的に非致死であり、内毒素ショックの増強をほとんどまたは全く誘導せず、 T細胞刺激をほとんどまたは全く誘導しないことを意味する。任意には、フラグ メントは、ブタの内皮細胞への毛管リーク効果の低下を有するようにスクリーニ ングおよび選択され得る。 ワクチン組成物のためにスクリーニングおよび選択されたフラグメントは、ワ クチン調剤に組み入れられ、上記のように利用され得る。任意には、フラグメン トは、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、キーホール(keyhole)カサガ イ血青素、破傷風トキソイドなどの担体分子へ付着し得る。 製剤組成物にとって、フラグメントは、N末端ドメインBβ鎖1〜5だけの、 または中央αらせんが加わったアミノ酸残基を含むことが好ましい。フラグメン トは、K157Eのような、野生型SPE−A毒素のアミノ酸157におけるリ シンと等しいアミノ酸残基での変化を含むことが特に好ましい。 製剤組成物にとって、フラグメントは、前記のように、全身的な非致死、任意 には、内毒素ショックの増強がほとんどまたは全くないことについてスクリーニ ングおよび選択されることが好ましい。フラグメントは、野生型SPE−A毒素 に類似のT細胞分裂促進性を保持することが好ましい。突然変異体SPE−A毒 素のフラグメントは、前記のように、製剤組成物を形成し得る。 突然変異体SPE−A毒素のフラグメントは、PCR、制限酵素消化および/ または連結反応、インビトロ突然変異生成ならびに化学合成を用いて調製され得 る。小さめのフラグメントには、化学合成が望ましいかもしれない。 突然変異体SPE−A毒素のフラグメントは、突然変異体SPE−A毒素につ いて述べたのと同じ組成物および方法において用いられ得る。 B.突然変異体SPE−A毒素、ワクチン組成物または製剤組成物の使用方法 突然変異体SPE−A毒素および/またはそのフラグメントは、動物を野生型 SPE−A毒素の影響に対して防御する方法、STSSの動物を改善または治療 する方法、T細胞増殖および応答性の増強を誘導する方法、ならびにがんの症状 を治療または改善する方法に有用である。 野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性から動物を防護する方法は 、動物にワクチン組成物を投与しSPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に 対する防御免疫応答を樹立する工程を伴う。防御免疫応答は、中和し、STSS の致死性および症状に対して防御することが好ましい。ワクチン組成物は、少な くとも1つのアミノ酸変化を有し、野生型SPE−Aへのポリクローナル中和抗 体と免疫反応し、非致死である、突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメ ントを含むことが好ましい。特に好適な突然変異体は、突然変異体N20Dまた はN20D/K157EまたはN20D/C98Sのようなアミノ酸残基20ア スパラギンでの変化を有する。 ワクチン組成物は、皮下、筋肉、静脈、皮内、口、鼻腔、目、腹腔を通してな ど種々の方法で動物に投与され得る。投与の好適な経路は、筋肉を通すことであ る。 ワクチン組成物は、ウサギ、齧歯動物、ウマおよびヒトを含む種々の動物に投 与され得る。好適な動物はヒトである。 ワクチン組成物は、野生型SPE−Aの少なくとも1つの生物活性に対する防 御免疫が樹立されるまで、一回または複数の用量で投与され得る。防御免疫は、 標準的な方法を用いて野生型SPE−A毒素への中和抗体の存在を測定すること によって検出され得る。実質的な毒性を引き起こすことなく、防御免疫を樹立す るのに有効な量が投与される。 突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントはまた、突然変異体SPE −A毒素および野生型SPE−A毒素と免疫反応する中和抗体を生成するのに有 用である。これらの抗体は、STSSの症状を有する患者の症状を治療または改 善するための受動免疫血清として用いられ得る。上記のようなワクチン組成物は 、野生型SPE−Aへの中和抗体応答が生成されるまで、馬またはヒトなどの動 物へ投与され得る。次いで、これらの中和抗体は、収集、精製され、STSSの 症状を呈する患者を治療するのに用いられ得る。野生型SPE−A毒素への中和 抗体はまた、野生型SPE−Aを用いて形成され得る。しかし、野生型SPE− Aは、ウサギの野生型SPE−AのLD50の1/50〜1/100のような毒性 を誘導するものよりずっと低い用量で投与されなければならない。 中和抗体は、発熱、低血圧、A群連鎖球菌感染症、筋肉炎、筋膜炎および肝臓 障害などのSTSSの症状を呈する患者に、SPE−A毒素の影響を中和するの に有効な量が投与される。中和抗体は、静脈、筋肉、皮内、皮下などを通して動 物に投与され得る。投与の好適な経路は、静脈を通してであり、または局在的な 感染症では、創面切除で組織損傷の部位に局所的に行う。中和抗体は、抗生物質 療法に関連して投与されるのが好ましい。中和抗体は、ショックまたは組織損傷 の低下が一回のまたは複数の用量で得られるまで投与され得る。典型的に投与さ れる好適な中和抗体は、体重1kgにつき約1mg〜1000mg、より好まし くは約50〜200mg/kgである。 突然変異体SPE−A毒素および/またはそのフラグメントはまた、T細胞増 殖の刺激のための製剤組成物、特にがんの治療に有用である。これらの製剤組成 物は、インターロイキン、インターフェロンまたは腫瘍壊死因子を用いる現在の がん療法に代わって、またはそれに関連して用いられるのが特に好ましい。突然 変異体SPE−A毒素はまた、T細胞リンパ腫ならびに卵巣および子宮がんを治 療するのに有用である。本発明を制限しないが、突然変異体SPE−A毒素は、 Tリンパ腫細胞に対して選択的に毒性を有し得ると考えられている。 製剤組成物は、T細胞分裂促進性を維持するが非致死である、突然変異体SP E−A毒素および/またはそのフラグメントを含む。好適な突然変異体SPE− A毒素は、K157Eのようなアミノ酸残基157リシンにおいて変化を有する ものである。 製剤組成物は、静脈、筋肉、皮内、口、腹腔、皮下経路などを通してがんを有 する患者に投与され得る。好適な経路は、静脈を通してである。製剤組成物は、 1回または複数の用量で投与され得る。製剤組成物は、高められたT細胞増殖応 答を刺激し、かつ/または実質的な毒性なしにがんの増殖を低下させるのに有効 な量を投与される。好適な量の範囲は、100ng〜100mg/kg、より好 ましくは1μg〜1mg/kgである。突然変異体SPE−A製剤組成物は、イ ンターフェロン、インターロイキンまたは腫瘍壊死因子を用いる療法に関連して 、またはそれに代わって投与されるのが特に好ましい。 C.突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA発現カセットおよびこの ようなDNA発現カセットの調製方法 本発明はまた、突然変異体SPE−A毒素および/またはそのフラグメントの 発現に有用なDNA配列および発現カセットを含む。発現カセットは、宿主細胞 のプロモーターファンクショナルに有効に連鎖した、野生型SPE−A毒素に実 質的に対応するタンパク質に比べて、少なくとも1つのアミノ酸変化および生物 機能における少なくとも1つの変化を有する突然変異体SPE−A毒素および/ そのフラグメントをコードするDNA配列を含む。発現カセットは、形質転換ベ クターに組み込まれ、突然変異体SPE−A毒素は、形質転換された細胞に生産 される。次いで、突然変異体毒素は、宿主細胞または宿主細胞上清から精製され 得る。形質転換された宿主細胞もまた、ワクチン組成物として有用である。 突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントはまた、部位特異的または ランダム突然変異生成について述べたのと同様の方法で、自然発生的突然変異体 についてスクリーニングおよび選択されることによって形成され得る。突然変異 体SPE−A毒素は、インビトロ突然変異生成を用いて、または任意の手順によ って生産されたフラグメントから半合成的に生成され得る。最後に、突然変異体 SPE−A毒素は、化学合成を用いて生成され得る。突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列 アミノ酸配列に少なくとも1つの変化を有する突然変異体SPE−A毒素をコ ードする突然変異体DNA配列は、選択された変化のタイプによって種々の方法 によって形成され得る。実質的に野生型SPE−A毒素に対応するタンパク質を コードするDNA配列は、突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列を 生成するのに用いられる鋳型DNAとして機能する。野生型SPE−A毒素をコ ードするDNA配列が図3に示され、ATTC受入れ番号69830の微生物と して寄託されている。 1つの特異的位置または複数の位置における1つの特異的変化または複数の変 化を起こすために、上記のPerrinらの方法によってPCRを用いることが好ま しい。変化を特定の位置に向けるために、アミノ酸変化のための変化したヌクレ オチドコードを含む内部プライマーが、5'および3'フランキングプライマーも また含む混合物に含まれる。5'フランキングプライマーは、野生型SPE−A 毒素のためのコード配列の翻訳開始部位の上流のDNA領域と相同であるか、ま たはハイブリッド形成する。好ましくは、5'フランキング領域は、speAプロモ ーターおよび調節領域の上流にある。例えば、5'フランキングプライマーは、 図2に示すように、翻訳開始部位より約760塩基上流の領域と相同またはハイ ブリッド形成し得る。上流調節領域のSPE−Aプロモーターを含む5'フラン キングプライマーは、例えば、以下の配列を有する。 下流フランキングプライマーは、野生型SPE−A毒素のためのコード配列の 停止コドンの下流のDNA領域と相同であるか、またはハイブリッド形成する。 下流フランキングプライマーは、転写および翻訳終結シグナルを与えることが好 ましい。例えば、3'フランキングプライマーは、SPE−Aのコード配列の停 止コドンの200塩基対下流の領域とハイブリッド形成するか、または相同であ り得る。3'フランキングプライマーは、例えば、以下の配列を有する。 上流および下流フランキングプライマーは、すべてのPCR反応に存在し、得 られたPCR産物は、speAプロモーターおよび上流調節領域ならびに転写およ び翻訳終結シグナルを確実に含む。他の上流および下流フランキングプライマー は、当業者によって容易に構成され得る。天然のspeAプロモーターおよび上流 調節領域が、PCR産物に含まれることが好ましいが、絶対に必要であるわけで はない。 特定の部位の各突然変異は、特定の残基での変化のためのDNA配列コードを 含む内部プライマーを用いて行われる。例えば、特異部位でのアミノ酸置換は、 以下の内部プライマーを用いて行われる。 下線が引かれたヌクレオチドは、ヌクレオチド配列における、図3に示す野生 型speA遺伝子からの変化を示す。 内部プライマーは、図3に示すような野生型SPE−A毒素をコードするDN A配列を用いて、特異位置での変化を起こすように設計され得る。プライマーは 、上に示すような特異位置での特異的なアミノ酸置換をコードするように設計さ れ得る。プライマーは、Rennellら、J.Mol.Biol.22:67(1991)に記載される ような特定の部位でのランダム置換となるように設計され得る。特定の部位での アミノ酸の欠失となるようにプライマーが設計され得る。プライマーはまた、特 定の位置での付加的なアミノ酸のためのコード配列を付加するように設計され得 る。 プライマーは、約15〜50のヌクレオチド、より好ましくは15〜30のヌ クレオチドの長さであるのが好ましい。プライマーは、自動合成によって調製さ れるのが好ましい。5'および3'フランキングプライマーは、野生型SPE−A 毒素のためのコード配列をコードするフランキングDNA配列にハイブリッド形 成するのが好ましい。これらのフランキングプライマーは、フランキングDNA 配列と100%相同または相補的である約10のヌクレオチドを含むことが好ま しい。内部プライマーは、ある位置でのアミノ酸のためのDNA配列コードと1 00%相補的ではない。なぜなら、当該位置での変化をコードするからである。 内部プライマーは、約15〜30のヌクレオチドの長さであるプライマーでの野 生型SPE−A毒素配列とは、約1〜4不整合であり得る。フランキングプライ マーおよび内部プライマーの両者はまた、制限部位およびクランプ部位、好まし くは、プライマーの末端近傍をコードする付加的なヌクレオチドを含む。ハイブ リッド形成条件は、Sambrookら、Molecular Cloning-A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989)に記載のような公知の原理 に従い、プライマーに存在する不整合の数を考慮に入れるように変更され得る。 もし、1つ以上の部位での変化が所望であれば、1つ以上の内部プライマーが 用いられ得る。例えば、アミノ酸20アスパラギンでの変化およびアミノ酸15 7リシンでの変化を有する突然変異体を生成するために、上記のような内部プラ イマーは、実施例5に記載のような2つの別個の反応において用いられ得る、。 1つ以上の位置での部位特異的変化を起こすためのPCR方法は、上記のAiyar らに記載されている。別の方法が実施例5に記載されている。 ある方法において、特定の部位での1つの変化を有する突然変異体SPE−A 毒素をコードするDNA配列が生成され、次いで、第2の部位での変化を有する 突然変異体DNA配列を生成する鋳型として用いられる。第1回のPCRでは、 第1の内部プライマーが用いられ、第1の変化を有する突然変異体DNA配列を 生成する。次いで、第1の変化を有する突然変異体DNA配列は、鋳型DNAと して用いられ、異なる部位での変化のための第2の内部プライマーコードが用い られて、2つの位置でのアミノ酸配列の変化を有する突然変異体毒素をコードす るDNA配列を形成する。 PCR方法は、約2〜6の変化を有するアミノ酸配列をコードするDNA配列 を生成するために用いられ得る。 好適なPCR方法は、上記のPerrinらに記載されるようなものである。簡潔 には、PCR反応条件が、10mMのTris-HCl(pH=8.3)、50mMのKC l、1.5mMのMgCl2、それぞれ200μMのdNTP、2ngの鋳型プラ スミドDNA、100pmolのフランキングプライマー、5pmolの内部プ ライマーおよび2.5ユニットのAmpli Taq DNAポリメラーゼ(Perkin Elm er Cetus)において、PCRが行われる。第2の増幅工程において、反応混合物 の組成は、同じモル濃度(各5pmol)のフランキングプライマーおよびメガ プライマーならびに1ugの鋳型を除いて上記と同様である。PCRは、94℃ での変性を30サイクル×1分、37℃または44℃でのアニーリング×2分お よび72℃での伸長を3分間行う。 PCR産物は単離され、次いで、シャトルベクター(Murray et al.、J.Im munology 152:87(1994)の方法によって構成されるpMIN 164およびDr.Schli evert,University of Minnesota,Mpls,MN.から入手可能)にクローン化さ れる。このベクターは、アンピシリン耐性を持つ大腸菌プラスミドpBR328 とエリトロマイシン耐性を与えるブドウ状球菌プラスミドpE194とのキメラ である。連結されたプラスミド混合物は、Toxin Technologies,Boca Raton, FlaまたはDr.Schlievertからの野生型SPE−Aへのポリクローナル中和抗 体を用いて、毒素生産のために大腸菌においてスクリーニングされる。突然変異 体SPE−A毒素は、所望の突然変異の存在および他の突然変異の非存在に合う ように、Hsiaoら、Nucleic Acid Res.19:2787(1991)の方法によって配列決 定される。 この方法で生成された特異的DNA配列は、突然変異体N20Dをコードし、 939位でのアデニンがグアニン残基に変化することを除いて、図3に示すもの と同一のコード配列を有するDNA配列を含む。突然変異体C87Sをコードす るDNA配列は、1,152位のチミンがアデニンに変化し、1,154位のチ ミンがシトシンに変化することを除いて、図3と同一のコード配列を有する。突 然変異体SPE−A毒素C98SをコードするDNA配列は、1,185位のグ アニンがシトシンに変化し、1,186位のチミンがグアニンに変化することを 除いて、図3と同一のコード配列を有する。突然変異体SPE−A毒素C90S をコードするDNA配列は、1,161位のグアニンがシトシンに変化すること を除いて、図3と同一のコード配列を有するDNA配列を含む。突然変異体SP E−A毒素K157EをコードするDNA配列は、図3と同一のコード配列を有 するが、1,351位においてアデニンからグアニンに変化する配列を含む。突 然変異体SPE−A毒素S195AをコードするDNA配列は、1,464位の チミンがグアニンに変化することを除いて、図3と同一のコード配列を有するD NA配列を含む。突然変異体K16N SPE−A毒素をコードするDNA配列 は、941位のアデニンがシトシンに変化することを除いて、図3と同じ配列を 含む。 遺伝暗号の同義性のため、多くのDNA配列が、アミノ酸の同様の変化をコー ドし得ることが当業者に理解されるであろう。本発明は、異なるヌクレオチド配 列を有するが、アミノ酸配列の同様の変化をコードするDNA配列を含む。 特定の部位におけるランダムな突然変異生成において、他の19のアミノ酸の それぞれまたは非自然発生のアミノ酸もしくは類似体の特定部位での置換になる 一連のプライマーが設計される。上記と同様に、または上記のRennellらに記載 の方法によってPCRが行われる。PCR産物は、サブクローン化され、次いで 毒素生産が、野生型SPE−Aへのポリクローナル中和抗体との免疫反応によっ てモニターされる。アミノ酸配列での変化の存在は、突然変異体SPE−A毒素 をコードするDNA配列の配列決定によって立証され得る。好ましくは、突然変 異体毒素は、非致死性についてスクリーニングおよび選択される。 突然変異体の他の方法もまた、野生型SPE−A毒素をコードするDNA配列 でのランダム突然変異を生成するために用いられ得る。本明細書に用いられるラ ンダム突然変異またはランダム突然変異体生成は、突然変異は、選択された部位 においてではなく、かつ/または選択された変化ではない。好ましくはpMIN 164上に、野生型SPE−A毒素をコードするDNA配列を含むバクテリア宿 主細胞は、化学的突然変異体生成およびUV照射などの他の標準的な方法を用い て突然変異生成され得る。この方法で生成された突然変異体は、野生型SPE− Aへのポリクローナル中和抗体を用いて、毒素生産についてスクリーニングされ 得る。しかし、好適には非致死である生物活性の少なくとも1つの変化を有する 突然変異体毒素を同定するには、さらにスクリーニングすることが必要である。 自然に発生する突然変異体もまた、野生型SPE−Aからの生物活性の少なくと も1つの変化についてスクリーニングされ得る。 ランダム突然変異生成はまた、Anthony-Cahillら、Trends Biochem,Sci. 14:400(1989)に記載されるようなインビトロ突然変異生成を用いて行われ得る。 さらに、突然変異体SPE−A毒素は、化学合成を用いて形成され得る。化学 的にタンパク質を合成する方法は、Wallace,FASEB J.7:505(1993)に記載 されている。タンパク質の部分が合成され、次いで酵素または直接的な化学縮合 を用いて連結され得る。化学合成の使用は、当業者に、所望の位置に非自然発生 アミノ酸を挿入させるには、特に有用であろう。さらに、化学合成は、突然変異 体SPE−A毒素のフラグメントを作るのに特に有用であろう。 本明細書に記載の方法のいずれも、突然変異体SPE−A毒素のフラグメント を形成するのに有用であろう。さらに、フラグメントは、制限酵素消化および/ または連結反応を用いて容易に生成され得る。フラグメントの生成の好適な方法 は、直接的な化学合成を用いて20以下のアミノ酸のフラグメントを得るか、遺 伝子クローン化によってより大きなフラグメントを得るかである。 突然変異体毒素をコードするDNA配列は、部位特異的であろうとランダムで あろうと、野生型SPE−A毒素からの生物活性における他の変化について更に スクリーニングされ得る。少なくとも1つの生物活性の変化についてのスクリー ニングの方法は、上に記載されている。突然変異体SPE−A毒素をコードする 選択されたDNA配列が、生物活性における少なくとも1つの変化について選択 されると、それらは、発現カセットを形成するのに用いられる。 発現カセットの形成は、突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列を 、 宿主細胞での突然変異体SPE−A毒素の発現を提供するプロモーターに組み合 わせることを伴う。上記のようなPCRを用いて生産された突然変異体SPE− A毒素では、天然のspeAプロモーターが存在し、宿主細胞での発現を提供する 。 任意には、DNA配列は、宿主細胞の特定の型での発現を提供する、または宿 主細胞での発現レベルを高める別のプロモーターと組み合わせ得る。好ましくは 、プロモーターは、SPE−Aへの抗体で検出され得るように、突然変異体SP E−A毒素の発現レベルを提供する。原核細胞に用いられ得る他のプロモーター は、PLac、PTAc、T7などを含む。 突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列が、適切なプロモーターと 組み合わさって発現カセットが形成されると、発現カセットは、適切な形質転換 ベクターにサブクローン化される。適切な形質転換ベクターは、少なくとも1つ の選択可能なマーカー遺伝子を含み、好ましくは、大腸菌およびグラム陽性微生 物に増幅され得るシャトルベクターである。適切なシャトルベクターは、例えば 、pMIN164、およびpCE104などである。他の型のベクターは、バキ ュロウイルスベクター、SV40、ワクチニアのようなポックスウイルス、アデ ノウイルスおよびサイトロメガロウイルスなどのウイルス性ベクターを含む。好 適なベクターは、pMIN164ベクター、大腸菌およびS.aureusに増 幅され得るシャトルベクターである。 形質転換ベクターが突然変異体SPE−A毒素をコードする発現カセットを保 持して形成されると、突然変異体SPE−A毒素の発現を提供する適切な宿主細 胞に導入される。適切な宿主細胞は、内毒素およびMタンパク質のような他の望 ましくない分子の混入の可能性を最小限にしながら、突然変異体の高レベルの発 現を提供する細胞である。適切な宿主細胞は、ほ乳類の細胞、S.aureus 、大腸菌およびサルモネラspp.のようなバクテリア細胞、酵母細胞および 昆虫の細胞を含む。 形質転換方法は、当業者に公知であり、プロトプラスト形質転換、リポソーム 仲介形質転換、カルシウムホスフェート沈降反応およびエレクトロポレーション を含む。好適な方法はプロトプラスト形質転換である。 好適な形質転換細胞は、アミノ酸20アスパラギンでの変化を有する突然変異 体SPE−A毒素をコードする発現カセットを保持する。このような形質転換さ れた細胞は、Rockvill,Marylandにあるthe Americal Type Culture Colle ctionに寄託されている。寄託された微生物の特性は、それは、天然speAプロモ ーターおよび他の調節領域と有効に連鎖した突然変異体N20DをコードするD NA配列を含むpMIN164を保持するS.aureusであるということで ある。この微生物は、ブタペスト条約に従って寄託され、受入れ番号69831 が与えられた。 別の微生物がATCCに寄託されている。この微生物は、天然speAプロモー ターおよび調節領域と有効に連鎖した野生型変異体SPE−A毒素をコードする DNA配列を保持するS.aureusである。この微生物は、ブタペスト条約 に従って寄託され、受入れ番号69830が与えられた。 形質転換細胞は、ワクチン組成物に用いられ得る大量の突然変異体SPE−A 毒素を生産するのに有用である。形質転換された微生物は、生の弱毒化された、 または熱殺菌されたワクチンで用いられ得る。形質転換された微生物は、野生型 SPE−Aへの防御免疫応答を刺激するのに十分な量の突然変異体SPE−A含 む。好ましくは、突然変異体SPE−A毒素は、隠されている。この微生物は、 ヒトに対して非病原性であり、毒素形態への復帰を最小限にするために多数のア ミノ酸変化を有する突然変異体毒素を含む。この微生物は、公知の原理に従って 、生のまたは熱殺菌されたワクチンのいずれかで投与される。生ワクチン用の好 適 な微生物は、サルモネラspp.のような形質転換細胞である。 宿主細胞でのプロモーターファンクショナルに有効に連鎖した突然変異体SP E−A毒素またはそのフラグメントをコードするDNA配列を有する発現カセッ トを含んでいるウイルス性ベクターもまた、本明細書中に述べるようなワクチン 組成物に用いられ得る。好ましいくは、プロモーターは、ほ乳類においてファン クショナルである。適切なウイルス性ベクターは、例えば、ワクチニアのような ポックスウイルス、アデノウイルスおよびサイトロメガロウイルスなどである。 ワクチニアウイルスベクターは、野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物 活性に対してヒトに免疫を与えるために用いられ得る。 本発明はまた、宿主細胞でのプロモーターファンクショナルに有効に連鎖した 突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメントをコードする核酸配列を含む ワクチン組成物を含む。プロモーターは、ほ乳類宿主細胞においてファンクショ ナルであることが好ましい。核酸配列は、DNAまたはRNAであり得る。ワク チン組成物は、宿主細胞または個体に運ばれ、個体自身の細胞内で突然変異体S PE−A毒素またはそのフラグメントが発現する。個体での突然変異体SPE− A毒素またはそのフラグメントの核酸配列の発現は、野生型SPE−A毒素に対 しての防御免疫応答を提供する。任意には、発現カセットが、ベクターに組み込 まれ得る。核酸分子は、直接またはウイルス性ベクターによって投与され得る。 任意には、ワクチン組成物はまた、リポソームなどのような、ワクチンを細胞内 を運ぶ輸送剤を含む。任意には、ワクチン組成物はまた、アジュバントまたは他 の免疫調節化合物および核酸の細胞へのとり込みを高める付加的な化合物を含む 。ワクチン組成物は、静脈、腹腔を通してまたは粘膜表面との接触によるなどの 非経口的経路を含む種々の経路で投与され得る。 突然変異体SPE−A毒素の大規模な増殖および生産の条件は、当業者に公知 である。微生物源からの突然変異体SPE−A毒素の精製方法は、以下の通りで ある。pMIN164に突然変異体または野生型speAを保持するS.aure usを、エリスロマイシンを5μg/ml含んでいる、透析可能なウシの心臓培 地において、37℃で通気して定常期まで増殖させる。発熱物質のない水に溶解 された4倍体積のエタノールおよびタンパク質で培養を沈降させる。粗製調製物 は、pH勾配が3.5〜10および4〜6で連続的な平床等電点集中分離に供さ れる。抗体反応性によって毒素に対し陽性である画分は、発熱物質のない水に対 し広範に透析され、それぞれのアリコートが、15%(重量/体積)ゲルにおい てSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による精製についてテストされる。S PE−Aに対するポリクローナル中和抗体は、Toxin Technologies,Boca Ra ton,FlaまたはDr.Schlievertから入手可能である。カラムクロマトグラフィ ーまたはHPLCを含む他の精製方法が用いられ得る。 本発明は、代表的な好適な実施形態であるが、本発明の範囲を限定するように 解釈されない以下の実施例によってよりよく理解され得る。 実施例1 SPE−A野生型のクローン化および発現 野生型SPE−A毒素(speA)をコードする遺伝子をJohnson et al.,Mol.G en.Genet.194:52-56(1984)に記載されるように、大腸菌からクローン化した。 簡潔には、speA遺伝子を、大腸菌RR1のpBR322におけるファージT1 2DNAのHindIII消化のクローン化によって同定した。A毒素に対する ポリクローナル中和抗血清を用いて毒素生産に対し陽性であるものを同定するこ とによって、形質転換細胞を選択した。A毒素のヌクレオチド配列は、Weeks e t al.,Inf.Imm.52:144(1986)に報告されている。 speA遺伝子を含むDNA配列をサブクローン化し、次いで、S.aureu sに発現させた。大腸菌プラスミド上に保持されたspeAを制限酵素HindI II およびSalIで消化した。フラグメントを精製し、pMIN164(上記 のように入手可能)のHindIIISalI部位に連結した。ベクターpM IN164は、ブドウ状球菌プラスミドpE194(エリスロマイシン耐性を保 持している)と大腸菌ベクターpBR328(AmpおよびTet耐性を保持し ている)とのキメラである。speAのこのベクターのHindIIISalI 部位へのクローン化は、Tet耐性を破壊する。クローン化された遺伝子のすぐ 上流にあるこのプラスミドに存在するプロモーターは、天然のspeAプロモータ ーである。 発明者の研究所で調製された毒素からのSPE−Aへのポリクローナル中和抗 体での二重免疫拡散アッセイにおいて毒素を検出することによって、speA遺伝 子の発現を立証した。 実施例2 組換え生産されたSPE−A(wt)のウサギへの投与および免疫化 組換え生産されたSPE−Aの動物への投与は、STSSを誘発する。組換え生 産されたSPE−Aによる動物の免疫化は、動物がM3またはM1連鎖球菌を対 抗投与されたときの死亡率を低下させ、STSSから動物を防護する。 SPE−Aの投与は、ウサギのSTSSを誘発する。STSSのウサギモデル は、皮下に移植された小型浸透ポンプにおいてSPE−Aを投与することによっ て樹立された。Lee et al.,Infect Immun.59:879(1991)。これらのポンプは 、7日間にわたって、一定の量の毒素を放出するように設計されて、これによっ て毒素に持続的に曝す。組換え生産されたSPE−A毒素を、7日間にわたり、 0.2ml当たり200μgの全用量でウサギに投与した。その結果は、SPE −Aで処置された動物は、STSSの判定基準を発生し、7日間でほとんどすべ て の動物が死ぬことを示している(データは示されていない)。ウサギにおけるST SSの症状は、体重の減少、下痢、斑点顔面、発熱、赤い結膜および粘膜、およ び澄んだ茶色の尿を含む。予期されるように、対照の非毒素処置の動物は健康な ままである。2つの他の主な観察は、1)予期されるように、液交換が動物への 完全防護を提供したこと、2)毒素処置された動物のいずれもが、壊死性筋膜炎 および筋肉炎を発生したことであり、これは、SPE−A以外の、またはそれに 加えて、他の因子が軟組織損傷に必要であることを示している。 STSSの臨床特徴の発生は、SPE−Aの投与と相関関係がある。SPE− A陽性連鎖球菌を注射されたウサギは、STSSを発生したが、SPE−A陰性 連鎖球菌を注射されたウサギは、STSSの症状を示さなかった。 SPE−Aは、あるA群連鎖球菌によって作られる可変の形質であることは公 知である。SPE−Aの遺伝子は、バクテリオファージT12によってコードさ れ、T12ファージと呼ばれる、SPE−Aファージが存在するかどうかにおい てのみ区別される、よく特徴付けられた連鎖球菌株が樹立された。連鎖球菌株T 253キュアードT12(T253cured T12)は、SPE−Aの生産に対し陽性で あるが、T253キュアード(T253cured)は、SPE−A陰性である。 Scott et al.,Infect Immunity 39:383(1983)に記載のように、移植された ホイッフル(Wiffie)ゴルフボールでSPE−A陽性連鎖球菌T253キュアード T12またはSPE−A陰性T253キュアードをウサギに皮下注射した。その 結果は、SPE−A陽性連鎖球菌を注射されたウサギは、STSSの臨床特徴を 発生し、そして6/8が死んだ。2匹の生き残った動物は、SPE−Aへの抗体 を発生した。一方、毒素陰性菌株、T253キュアードは、発熱させただけであ り、ずっと高いバクテリア細胞濃度であっても、死は観察されなかった。前記の 動物モデル実験においてのように、軟組織壊死の兆候は観察されなかった。さら に、連鎖 球菌は、ゴルフボールに局在したままであり、これらの連鎖球菌株は、あまり攻 撃的ではないことを示唆した。 *約1×108細胞 †約1×1011細胞 ‡2匹の生き残りはSPE−Aへの抗体を発生した。 組換え生産SPE−Aでの免疫化は、ウサギがM1またはM3連鎖球菌を対抗 投与されたときの死亡率を減少させた。ウサギは、S.aureus由来のクロ ーン化されたSPE−Aで免疫を与えられ、Mタンパク質のような混入している 連鎖球菌産物でその動物に免疫を与える可能性を防止した。対照動物には、Sp E−Aに対しての免疫を与えなかった。ウサギは、50μgの組換え生産SPE −Aをフロイント不完全アジュバントのエマルジョンで皮下に受け入れた。9日 後、ウサギは、透析されたウシの心臓培地において増殖した25mlのM3(総 数1.4×109CFU)またはM1(総数4.2×109CFU)連鎖球菌をウ サギの皮下に対抗投与した。M1およびM3連鎖球菌分離菌は、臨床的な分離菌 である。M1分離菌は、MNSTと指定され、M3分離菌は、MNBTと指定さ れる。これらの分離菌は、Dr.Schlievert,University of Minnesota,Mpls. MN.から入手可能である。 表2に表されるデータは、これらの実験の顕著な結果を示している。 *動物は、S.aureusから調製されたクローン化されたSPE−Aに対 して免疫を与えられた;SPE−Aに対するELISA力価は、10,000よ り大きかった。 †動物は、透析可能なウシの心臓培地における増殖した1.4×109のCF U M3または4.2×109のCFU M1連鎖球菌を皮下に対抗投与された。 ‡ミネソタ大学Animal Care Committeeのガイダンスによると、M3連鎖球 菌を用いた実験は、24時間後に終了され、M1連鎖球菌を用いた実験は、48 時間後に終了された。 §フィッシャーの正確な確率テスト(Fisher's Exact Probability Test )によって決定されたP値 示されているように、19匹のSPE−A免疫ウサギのうち16匹が、M3連 鎖球菌の対抗投与から生き延びたが、20匹の非免疫の動物では、4匹が生き残 っただけである。生き残った免疫動物は、軟膿瘍形成が含まれている明らかな兆 候を示し、液の検査によるとPMNで満たされていた。M1の生物は、M3の生 物ほど病毒性がないことを除いて、同様の結果が、M1連鎖球菌の研究において 得られた(表2)。より多くの数のM1連鎖球菌が用いられ、非免疫の対照動物に おいてさえ、ウサギの死亡率は低かった。これは、M3菌株に比べて、M1菌株 によるSPE−A生産は約50倍低いことを反映しているのかもしれない。 一方、非免疫の動物では、1匹も膿瘍形成を示さず、2/2動物からの液の検 査はPMN浸入物がなかった。これらの結果は、SPE−A免疫と非免疫動物と の1つの主な差異は、炎症応答があったか否かであるらしい。先の研究は、他の 発熱性毒素超抗原と同様、SPE−Aは、マクロファージを誘導し、高レベルの TNF−αを生産することを示した。TNF−αは、おそらく走化性受容体のダ ウンレギュレーションによって、PMN走化性を大きく減少させる。従って、結 果は、SPE−A免疫動物(ELISAによる力価>10、000)における抗 体が、SPE−Aを中和することによってマクロファージからのTNF−αの放 出を阻止し、防御炎症応答の発生が可能であることを示すと考えられている。非 免疫動物において、SPE−Aは、防御走化応答の発生を防止するTNF−αの 有意の放出を起こし得る。 1匹を除く死んだ動物のすべては、全横腹が黒紫色に変わり、多くの場合、腐 っていることから明らかなように、広範囲にわたって軟組織の損傷を示したこと に注目することが重要である。免疫されたグループでは1匹の動物が、免疫後死 んだ。これらの動物の組織での検出可能な炎症の欠如は、連鎖球菌因子であって 宿主免疫応答の成分でないものが、壊死性筋膜炎および筋肉炎を起こすことを示 唆している。SPE BならびにストレプトリジンOおよびSのような他の細胞 外因子もまた、軟組織損傷に寄与し得る。 上記のデータのすべては、STSSの発生において、発熱性毒素超抗原、特に SPE−A(存在する場合)の原因的な役割の強力な論拠となる。 実施例3 SPE−AをコードするDNA配列の部位指向突然変異生成 生物活性に重要なSPE−A毒素分子の位置を部位指向突然変異生成を用いて 同定した。1つのアミノ酸変化を以下のような分子の種々の領域に導入した。 SPE−A毒素の三次元構造のモデルは、図1に示されている。このモデル構 造は、BioSym Corp.,San Diego,CA.からのInsight/Homology program を用いて相同性により構築されている。この分子は、以下のように同定される幾 つかのドメインを有する。 ドメイン 対応するアミノ酸 らせん2 11〜15 N末端α−らせん、らせん3 18〜26 ドメイン B − β鎖 鎖1 30〜36 鎖2 44〜52 鎖3 55〜62 鎖4 75〜83 鎖5 95〜106 中央α−せん、らせん5 142〜158 ドメイン A − β鎖 鎖6 117〜126 鎖7 129〜135 鎖8 169〜175 鎖9 180〜186 鎖10 213〜220 らせん4 64〜72 らせん6 193〜202 アミノ酸番号指定は、図3の配列を参照して行われている。 それぞれのドメインにおいて、分子のシステイン残基を変化させるようにアミ ノ酸を選択した。特に好適な領域は、N末端α−らせん(18〜26)、中央α− らせん(142〜158)、ドメインAβ鎖およびドメインBβ鎖である。 上記のようなコンピュータープログラムを用いて、一次アミノ酸配列および/ または三次元コンフォーメーションの類似性または相同性を比較することによっ て、発熱性毒素科中の保存されたアミノ酸の中から突然変異生成のための標的残 基を選択した。特定の部位での残基のアミノ酸側鎖の特性を変化させるように、 アミノ酸のそれぞれに起こる変化を選択した。例えば、3つの残基(87、90 および98)において、システインをセリンに置換し、分子のスルフヒドリル基 を変化させる。3つの他のアミノ酸残基において、当該部位に存在する電荷に変 化を起こした。例えば、リシンをグルタミン(157)酸に変え、リシンをアス パラギン(16)に変え、アルパラギンをアスパラギン酸(20)に変えた。 他のアミノ酸は、毒素のMHCクラスII分子との相互作用に影響を与え得る 。別の分子において、TSST−1N末端βバレル鎖は、MHCクラスII分子 のαおよびβ鎖との接触に重要であった。したがって、ドメインAおよびドメイ ンBβ鎖の変化は、これらの分子のMHCクラスII分子との相互作用を制御す るのに重要であり得る。さらに、残基における変化は、ランダム突然変異生成お よび特定位置での他の19のアミノ酸のそれぞれの置換を用いて調製され得、次 いで、致死性のような生物活性での変化を示す突然変異体を選択する。鋳型DN Aが、ファージT12からのクローン化されたSPE−A遺伝子である、ポリメ ラーゼ連鎖反応法(PCR)を用いる部位指向突然変異体生成を用いて、突然変 異体SPE−A毒素分子を調製した。これらのプライマーを用いて、各突然変異 が起こった。各突然変異体の生成は、以下のような3つのプライマーを用いる ことを伴う。上流5'フランキングプライマー、アミノ酸での変化をコードする DNA配列での変化を含む内部プライマーおよび下流フランキングプライマー。 上流フランキングプライマーは、すべてのPCR反応に含まれ、翻訳開始部位か ら約760塩基上流のDNA領域と相同であり、以下の配列を有する。 得られたPCR産物は、speAプロモーターおよび可能な上流調節領域を含む。 下流フランキングプライマーは、停止コドンから約270塩基下流のDNA領域 と相補的であり、以下の配列を有する。 下流フランキングプライマーは、すべてのPCR反応に存在し、プライマーの位 置のために、PCR産物は、推定転写終結配列を含む。 各突然変異は、特定のアミノ酸残基での変化のためのDNA配列コードを含む 内部プライマーを用いて生成される。各突然変異体を生成するために用いられる 内部プライマーは、以下の通りである。 下線が引かれた残基は、野生型SPE−AをコードするDNA配列からのコー ド配列の変化を示す。 PCRは以下のように行った。簡潔に、下流フランキングプライマーおよび突 然変異の部位に渡っておりアミノ酸変化を生成するのに必要なヌクレオチド置換 を含むフォワードプライマーを、標準的なPCR反応において等しくないモル濃 度で混合した。得られたDNA産物は、突然変異を含んでいる鎖に広がっていた 。長さが数100個の塩基であり得る、この産物すなわちメガプライマーを1% アガロースゲルでの電気泳動によって単離し、製造者(Bio 101,La Jolla,C alifornia)が推薦するようなGeneclean kitの使用によって溶出した。 簡潔には、PCR反応条件は、10mMのTris-HCl(pH=8.3)、50mM のKCl 1.5mMのMgCl2、それぞれ200uMのdNTP、2ngの鋳 型プラスミドDNA、100pmolのフランキングプライマー、5pmolの 内部プライマーおよび2.5ユニットのAmpli Taq DNAポリメラーゼ(Perki n Elmer Cetus)において、PCRが行われる。第2の増幅工程において、反応 混合物の組成は、同じモル濃度(各5pmol)のフランキングプライマーおよ びメガプライマーならびに1ugの鋳型を除いて上記と同様である。PCRは、 94℃での変性を30サイクル×1分、37℃または44℃でのアニーリング× 2分および72℃での伸長を3分間行う。ハイブリッド形成条件は、プライマー の大きさ、不整合性およびGC含有量によって公知の原理に従い変化し得る。 speAクローン化された遺伝子を含むプラスミドおよびフランキング配列を鋳 型として用いた。第2の工程において、メガプライマーおよび上流フランキング プライマーを等モル濃度で反応混合物に混合して、完全な長さの突然変異体spe Aを生成した。 突然変異体speAを適切な制限酵素で消化し、シャトルベクターpMIN164 にクローン化した。このベクターは、アンピシリン耐性遺伝子を持つ大腸菌プラ スミドpBR328とエリトロマイシン耐性を与えるブドウ状球菌プラスミドp E194とのキメラである。連結されたプラスミド混合物は、大腸菌において形 質転換、選択およびスクリーニングされた。二重免疫拡散アッセイによって判断 すると毒素生産に対して陽性であるクローンを、所望の突然変異の存在および他 の突然変異の非存在に合うように、上記のHsiaoの方法によって配列決定した。 次いで、プラスミドは、S.aureus菌株RN4220(Richard Novick ,Skirball Institute,New York,NYから入手可能)において形質転換し、 突然変異体毒素を発現および生産した。 pMIN164における突然変異体または野生型speAを保持するS.aur eusを、エリスロマイシンを5μg/ml含んでいる、透析可能なウシの心 臓培地において、37℃で通気して定常期まで増殖させた。発熱物質のない水に 溶解された4倍体積のエタノールおよびタンパク質で培養を沈降させた。粗製調 製物は、3.5〜10および4〜6のpH勾配において連続的な平床等電点集中 分離に供された。抗体反応性によって毒素に対し陽性である画分は、発熱物質の ない水に対し広範に透析され、それぞれのアリコートが、15%(重量/体積) ゲルにおいてSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動による精製についてテスト された(データは示されていない)。調製されたすべての突然変異体は、トリプ シン(2μg/μgSPE−A)での60分間の処置に対して天然の毒素と同じ くらい耐性があり、これは、天然SPE−Aに対するポリクローナル抗体への保 存された反応性とともに、導入された突然変異は、毒素の全構造変化を起こすこ とを示している。これらの方法を用いて、SPE−Aのアミノ酸配列における1 つのアミノ酸置換を有する7つの突然変異体が生成された。 実施例4 突然変異体SPE−A毒素の生物活性プロフィール 突然変異体毒素の生物活性を評価し、野生型SPE−Aの生物活性と比較した 。Tリンパ球の増殖(超抗原性)を刺激し、内毒素ショックへの宿主の感受性を 高める能力、毒素ショック症候群の発生および致死性に関して突然変異体毒素を テストした。 Tリンパ球の増殖を刺激する能力は、ウサギの脾臓細胞の細胞DNAへの「3 H」チミジンとり込みとして測定した。標準的な4日間の細胞分裂促進性アッセ イを96のウエルミクロタイタープレートで行った。2×105個のウサギの脾 臓細胞を含む各ウエルを、25mMのHEPES、2.0mMのL−グルタミン 、100Uのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび2%の 熱不活性FCSで補足された200μlのRPMI1640(Gibco,Grand Island,NY)に再懸濁した。外毒素の20μlのサンプルを最終量において 4倍量となるように添加した。1μg〜10-5μg/ウエル。バックグラウンド 細胞増殖を、20μlのRPMIを脾臓細胞に添加することによって、4複製ウ エルにおいて測定した。37℃および7%CO2の加湿チャンバーにおいて3日 間インキュベートした後、1.0μCi(20μl体積の5−「メチル−3H」 −チミジン(46Ci/mmol、Amersham,Arlington Heights,IL)を各 ウエルに添加し、18時間インキュベートした。細胞DNAをガラスファイバー フィルターに回収し、「メチル−3H」−チミジンのとり込みを液体シンチレー ション計数によって定量した。3つの異なるウサギのドナーを用いて3つの別個 のアッセイを行った。外タンパク質濃度を3つのアッセイにおいて4回テストし た。結果は、CPMとして表されている。 内毒素ショックに対する宿主の感受性を高める能力を、アメリカダッチベルテ ッド種(American Dutch Belted)のウサギにおいてテストした。体重が1〜 2kgの動物の耳の辺縁の静脈にSPE−A毒素を体重1kgにつき5μg(1 /50LD50に相当)を注射し、4時間後、サルモネラチフィムリアム(Salmon ella typhimurium)からの内毒素を体重1kgにつき1〜10μg(約1/10 0LD50)を静脈注射により対抗投与した。対照のウサギは、PBSを注射され た。動物を死について48時間モニターした。 また、アメリカアメリカダッチベルテッド種のウサギの皮下に移植され、20 0μgの毒素を含んでいる小型浸透ポンプを用いて致死性を測定した。個々のタ ンパク質(200μg)を0.2mlのPBSにおいて小型浸透ポンプ(Alzet ,AlzaCo,Palo Alto,CA)に注射した。ポンプは、7日間にわたって一定量 の毒素を運ぶように設計されている。下痢、結膜および耳の紅斑、ショックおよ び死などの毒素ショック症状の兆候について1日に3回、8日間モニターした。 T細胞分裂促進性研究の結果が、図4、図5および図6に示されている。結果 は、突然変異体N20Dは、超抗原性またはT細胞分裂促進性活性において5倍 の減少があったことを示している。突然変異体C87SおよびC98Sもまた、 T細胞分裂促進性において4倍の減少があった。従って、突然変異の幾つかは、 超抗原性またはT細胞分裂促進性という生物活性に影響を与えた。 内毒素ショックの増強および致死性の結果を下の表3、4および5に示す。 結果は、突然変異体N20Dで処置された動物は、STSSのいずれかのモデ ルを用いてテストすると、STSSを発生しなかったことを示している。N20 Dでの突然変異は、毒素の背面の深い溝と接する組織化されたα−らせんに位置 する(図1)。この残基は、分子の超抗原性および致死性機能の両方に重要である 。 スルフヒドリル基を排除し、従って、可能なジスルフィド連鎖に干渉する突然 変異は、システイン残基がどこに突然変異するかによって、SPE−Aの生物活 性に様々な影響を与える。C90S突然変異体は、完全に致死性のままであり( 表4)、T細胞刺激活性は、あまり低下しなかった(図5a)。一方、C87Sお よびC98S突然変異は、毒素の細胞分裂促進性を約4倍低下させた(図5b)。 しかし、内毒素を起こす能力は、この2つの突然変異による影響は異なり、C9 8Sは、弱毒であるが、C87Sの毒性は強かった(表4)。これらの結果の説 明は、一次配列および三次元構造(図1)における3つのシステイン残基の相対 位置に基づく。C98のスルフヒドリル基の欠如は、ブドウ状球菌腸毒素に見ら れる推定ジスルフィド架橋の形成を排除し得、従って、ループのコンフォーメー ションが失われ得る。これは、もし、このループにおけるアミノ酸が、宿主細胞 受容体との接触を引き受けているか、または分子の生物活性の他の機能を有する なら、活性に対し有害効果を有し得る。C87S突然変異の場合、推定ジスルフ ィド結合は、C90とC98との間で起こり得、ほとんどのコンフォーメーショ ン、従って活性を保つ。 長い中央α−らせん内に位置する突然変異体K157Eは、完全な超抗原性を 保持した(図6b)が、ウサギに小型浸透ポンプにより投与すると非致死であっ た(表6)。 α―5らせんの一部である残基S195Aは、その突然変異は、これまでテス トされた活性に影響しないので、テストされた生物活性にとって重要でないかも しれない。この残基は、環境に曝されないか、または結合に寄与しないかもしれ ない。 これらの結果は、致死性および超抗原性は、幾つかの部位における突然変異に よって影響され得ることを示している。致死性は、N末端α−らせん(N20D )および中央α−らせん(K157E)における残基での突然変異に影響され得 る。細胞分裂促進性は、N末端α−らせんにおける突然変異およびスルフヒドリ ル基への変化によって影響され得る。 これらの結果はまた、超抗原性に影響を与えることなく致死性に影響を与え( K157E)、致死性に影響を与えることなく細胞分裂促進性に影響を与える( C87S)突然変異体が生成されたことにより、細胞分裂促進性および致死性は 分離可能な活性であることを示している。 実施例5 PCRを用いてのSPE−Aの二重または三重突然変異体の調製 二重または三重突然変異体SPE−A毒素あるいはそのフラグメントを生成す るために用いられ得る方法は数多い。アミノ酸配列において2つ以上の変化を有 する突然変異体SPE−A毒素は、上記のようにPCRを用いて調製され得る。 第1のPCR反応において、選択された第1の部位での第1の変化をコードする 第1の内部プライマーは、5'および3'フランキングプライマーと組み合わさり 第1のPCR産物を形成する。第1のPCR産物は、アミノ酸配列に1つの変化 を有する突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列である。次いで、こ の第1のPCR産物は、野生型SPE−A活性を有するタンパク質と比べて、ア ミノ酸配列に2つの変化がある第2のPCR産物を生成するための鋳型DNAと して働く。第1のPCR産物は、第2の部位でのアミノ酸での変化をコードする 第2の内部プライマーと組み合わさった鋳型DNAである。第2の内部プライマ ーもまた、5'および3'フランキングプライマーと組み合わさり第2のPCR産 物を形成する。第2のPCR産物は、アミノ酸配列における2つの部位に変化を 有する突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列である。次いで、この 第2のPCR産物は、アミノ酸配列の3つの部位に変化を有する突然変異体SP E−A毒素をコードする産物DNA配列を形成するために、第3の反応において 鋳型として用いられ得る。この方法は、アミノ酸配列において1つ以上の変化を 有する突然変異体毒素をコードするDNA配列を生成するために用いられ得る。 1つ以上の変化をコードするDNA配列を調製する別の方法は、自動合成によ って、アミノ酸配列における1つの変化または複数の変化をコードするDNA配 列のフラグメントを調製することである。次いで、フラグメントが、幾つかの独 特の制限部位を用いて野生型SPE−A毒素コード配列にサブクローン化され得 る。制限部位は、当業者に公知であり、野生型SPE−A毒素のDNA配列から 容易に決定され得る。クローン化は、Revi et al.Nucleic Acid Res.16:103 0(1988)によって記載されるのような3つのフラグメント連結反応方法を用いて 1つの工程に行われ得る。 実施例6 単一および二重突然変異体に関する毒性研究 野生型SPEA、SPEA N20D、SPEA K157E、SPEA N2 0D/C98SおよびSPEA N20D/K157Eを、ウサギの脾臓細胞増 殖を刺激する能力に基づいて超抗原性について評価した(図7および図8を参照 )。 二重突然変異体SPEA(N20D/C98S、N20D/K157E)を上 記の方法を用いてPCR突然変異によって調製した。突然変異体SPEA遺伝子 、speA N20Dは、第2の突然変異の導入のための鋳型DANとして働いた。 二重突然変異体遺伝子を上記のように配列決定し、指示された変化だけが存在す るようにした。所望の変化のみが現れた。 ウサギの脾臓の細胞を3日間インビトロでSPEAおよびSPEA突然変異体 の存在下で培養し、次いで、1μCi/ウエルの3Hチミジンを添加してあと1 日おいた。3Hチミジンのリンパ球DNAへのとり込みは、T細胞増殖の測定と して用いられた。刺激された細胞における平均カウント/分3Hチミジンとり込 みを、SPEAまたは突然変異体を添加することなく培養された細胞における平 均カウント/分で割ることによって超抗原指標を計算した。 野生型SPEAは、用量1〜0.001μg/ウエルにおいて大きな超抗原性 を有した(図7)。SPEA K157Eは、用量0.01〜0.001μg/ウ エルにおいて大きな細胞分裂促進性を有した(図7)。他の3つのSPEA 突然変異体(SPEA N20D、SPEA N20D/C98S、SPEA N 20D/K157E)は、用量1〜0.001μg(p<0.001)において 野生型SPEAに比べて超抗原性はかなり少なかった(図8)。面白いことに、S PEA N20Dは、用量1〜0.1μg(それぞれp<0.0005、p<0 .001)においてSPEA N20D/C98Sに比べて超抗原性はずっと大 きかった(図8)。さらに、SPEA N20Dは、1μg/ウエル用量(p<0 .01)においてSPEA N20D/K157Eに比べて細胞分裂促進性は大 きかった。従って、データは、N20D/C98S突然変異体は、単一N20D 突然変異体より毒性が低く、二重突然変異体N20D/K157Eは、他の2つ のタンパク質の中間であった。3の突然変異体はすべて、野生型SPEAより毒 性がかなり低かった。 第2の実験において、ウサギ(1グループの3匹)に10μg/kgのSPE Aまたは突然変異体を、次いで、4時間後に内毒素5μg/kg)を静脈に対抗 投与した。SPEおよび内毒素の投与により高められた致死性について48時間 動物をモニターした。このアッセイは、SPEA致死活性の最も感度が高いイン ビトロ測定である。表6に示すように、野生型SPEAおよび内毒素を対抗投与 された0/3の動物が生き残った。一方、SPEAN20Dを対抗投与された動 物のうち1匹を除くすべてが生き残り、SPEAN20D/C98SまたはSP EAN20D/K157Eを対抗投与されたすべて動物のが生き残った。 注: SPEAまたは突然変異体は、0時間において静脈に投与され、内毒素 は、4時間で静脈に投与された。動物は致死性について48時間モニターされた 。 第3の実験において、ウサギにSPEA N20D、SPEA N20D/C9 8SまたはSPEA N20D/K157Eで免疫を与え、次いで、上記の実験 のように、野生型SPEA(10μg/kg)および内毒素(5μg/kgまた は25μg/kg)を対抗投与した。対照の動物には免疫を与えず、野生型SP EAおよび内毒素を対抗投与した。一週間おきに2つの注射により、不完全なア ジュバント(フロイントのもの、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)に おいて乳化された突然変異体タンパク質(50μg/注射)でウサギに免疫を与 え、次いで、1週間休ませてから、野生型毒素を対抗投与した。野生型SPEA と内毒素との組み合わせは、10μg/kgのSPEAおよび5μg/kgの内 毒素での対抗投与は20LD50、そして10μg/kgのSPEAおよび25μ g/kgの内毒素での対抗投与は100LD50と表す。 表7に示すように、100LD50のSPEAおよび内毒素で対抗投与された動 物はすべて死んだ。同様に、20LD50のSPEAおよび内毒素で対抗投与され ると、SPEA N20DまたはSPEA N20D/K157Eで免疫され た動物はすべて死んだ。一方、二重突然変異体N20D/C98Sで免疫された 動物は生き残った。二重突然変異体N20D/K157Eで免疫された動物は、 他の動物よりも早く死んだ。上記のデータは、二重突然変異体および特にSPE AN20D/C98Sは、テスト動物において変性毒素ワクチンとしての有効性 を示している。 注: この実験中数匹の動物が逃げ出した。これらの動物は上記のデータに含 まなかった。 実験例7 SPE−A突然変異体への抗体および SPE−A突然変異体免疫によるSPEA阻害 N20D、N20D/C98SおよびN20D/K157E SPEAで免疫 されたウサギおよび非免疫対照のそれぞれからの耳の辺縁の静脈から1mlの血 液を取り出した。動物は、最後の免疫の6日後(動物が表6の実験に用いられた 1日前)に採血された。血液が凝固した後、血清を遠心分離法(13,000x g、10分)により分離した。各グループからの血清をプールし室温で1時間3 3 1/3%(最終濃度)の硫酸アンモニウムで処理し、免疫グロブリンを沈降 させた。沈降した免疫グロブリンを、遠心分離法(13,00xg、10分)に より回収し、リン酸緩衝食塩水(0.005M NaPO4pH7.0、0.15 M NaCl)において当初のボリュームに溶解し、4℃で1リットルの0.1 5M NaClに対して24時間透析した。透析物をフィルター殺菌(孔径0. 45μm)し、0.01μgSPEAのウサギの脾臓細胞分裂促進性(超抗原性 )を中和するために研究に用いた(図9)。野生型SPEAの致死下用量で免疫さ れた1匹のウサギからの血清を比較によって画分し、陽性対照として用いた。血 清の各グループからの免疫グロブリン画分(Igs)の20μlを完全RPMI 1640ほ乳類細胞培養培地で1/5および1/50に希釈し(当初の血清ボリ ュームについての希釈)、野生型SPEAおよび我々の標準的な細胞分裂促進性 アッセイにおける2×105個のウサギの脾臓細胞を含んでいる4つのウエルの それぞれに添加した。Igsおよび野生型毒素の両方を時間0においてリンパ球 に添加した。結果は図9に示す。 1/5希釈Igsは、免疫された動物または非免疫の対照動物からにかかわら ず、おそらく、Igs内に硫酸アンモニウムが残っているために、脾臓細胞増殖 を阻害した。しかし、SPEA免疫動物からのIgsおよびN20D、N20D /C98SおよびN20D/K157E免疫動物からのIgsは、非免疫対照動 物より阻害し(正常に分布された対になっていないデータの学生のテスト(Stud ent's test analysis of normally distributed unpaired data)の使用による 、SPEA対非免疫ではp=0.006、N20D対非免疫では[=0.03 5、N20D/C98S対非免疫ではp=0.0002および、N20D/K1 57E対非免疫ではp=0.0001)、これは細胞分裂促進性の特異的な阻害 を示した。 Igsが1/50希釈液に添加されると、二重突然変異体N20D/C98S は、非免疫の対照動物に比べて、脾臓細胞増殖の大きな阻害を起こした(P=0. 046)。このIg濃度において、いずれの画分もリンパ球細胞分裂促進性の非 特異的な抑制を起こさなかった。 これらのデータは、二重突然変異体N20D/C98Sは、単一突然変異体N 20Dまたは他の二重突然変異体N20D/K157Eより野生型SPEAの細 胞分裂促進性に対して動物によりよく免疫を与えることができたことを示唆して いる。しかし、二重突然変異体N20D/K157Eは、単一突然変異体N20 Dに比べて、よりよい免疫原であった。以下のものによって結合されることなく 、N20D/C98S突然変異体における2つの変化は、致死性、細胞に存在す る抗原に対するT細胞受容体相互作用および、おそらく間接的に、クラスII MHCの相互作用に必要な宿主細胞受容体部位を干渉することが可能である。ク ラスII MHCの相互作用は、毒素の標準的な図におけるβバレルドメイン( ドメインB)でのアミノ酸残基に依存するので、我々は、この領域(D45Nな ど)での変化はN20D/C98Sの免疫性をさらに向上させ得るということも また提案する。この仮説の基礎は、野生型毒素(およびおそらくクラスII M HC相互作用ドメインでの変化がない突然変異体)が、細胞に存在する抗原によ る正常なプロセシングのための要件なしに、クラスII MHC分子に直接結合 することである。突然変異体はより容易に内部化およびプロセスされるので、こ の直接のクラスII MHC相互作用を干渉するアミノ酸変化を含む突然変異体 には、より免疫性がある。従って、三重突然変異体N20D/C98S/D45 Nは、 他の突然変異体を評価するために用いる方法を用いて評価され得る。 非免疫対照動物およびN20D、N20D/C98SおよびN20D/K15 7Eで免疫されたウサギの各グループから得られた血清を、野生型SPEAに対 するELISA力価について直接テストした(L.Hudson and F.C.Hay,Prac tical Immunology 2nd Ed,1980,Blackwell Scientific Publications,Bo ston p 237-239)。各動物からの血清を別々に評価した。得られた抗体力価は平 均されて、表8に示されている。非免疫対照動物は、予期されるように、SPE Aに対する抗体の力価は非常に低かった。一方、突然変異体に対して免疫された すべての動物は、有意の抗体力価を有した。二重突然変異体N20D/K157 Eで免疫された動物は、最高の平均力価を有し、他の2つの突然変異体は同じく らいであった。しかし、N20Dで免疫された動物の力価の範囲は、いずれの二 重突然変異体よりずっと大きかった(6匹の動物はそれぞれ、20、40、16 0、640、640)。このデータは、二重突然変異体がより一貫した免疫を与 えることを示唆している。 a 6匹の動物/グループ b 検出可能な最低の力価は10であった。力価は、正の結果を与えた最終希釈 値の逆数である。 最後の実験において、一日おきに5回の注射で突然変異体タンパク質を投与し 、 1日動物を休ませることによって、動物(3/グループ)にN20D、N20D /C98SまたはN20D/K157Eに対して免疫を与えた(50μg/静脈 注射)。次いで、動物は、発熱を起こす野生型SPEAの能力に対する免疫につ いて評価された[体重1kgにつき、注射の4時間後、最小発熱性用量(MPD )の20倍(20MPD−4)]。SPEAは、0.15μg/kgのウサギに おける1MPD−4での公知の最も強力な発熱物質の1つである。4時間の時点 において、動物は、内毒素(25μg/kg)を注射され、内毒素ショックへの 高まった感受性への免疫を評価した。結果を表9に示す。 非免疫動物およびN20D SPEAで免疫された動物は、大きな発熱応答( 両グループにおいて0.8℃)および内毒素への感受性が高まったことを(両グ ループにおいて48時間で2/3が死んだ)示した。一方、いずれかの二重突然 変異体で免疫された動物は、発熱および増強現象から完全に防護された。 上記のデータのすべてをまとめると、二重突然変異体が単一突然変異体よりS PEAの毒性効果に対して動物に免疫をよりよく与えることができるということ を示唆している。突然変異体自体のいずれも動物に対して毒性がなかった。二重 突然変異体N20D/C98Sが、N20D/K157Eより良好な免疫原であ ったが、両者とも効果があった。 本発明は、特定の実施形態の文脈の中で記載されたが、特許が網羅している範 囲は、それらの特定の実施形態に限定されるものではなく、以下の請求の範囲を 参照して決定される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年8月1日 【補正内容】 特許法第184条の5第1項の規定による書面に添付した明細書の翻訳文の2 頁20行目の「この科の他のメンバーは」〜3頁17行目の「... 由来する。」 を以下のように補正する。 この科の他のメンバーは、BおよびC型連鎖球菌発熱性外毒素、ブドウ球菌毒 素ショック症候群毒素1、ブドウ状球菌エンテロックストキシン(enteroxtoxin) A、B、Cn、D、E、GおよびH、ならびに非A群連鎖球菌発熱性外毒素であ る。これらの毒素は、類似の生化学的特性、生物活性および様々な程度の配列の 類似を有する。 STSSの最も重い症状は、低血圧およびショック症状であり、死に至る。血 管内から組織間腔への液の漏出が、低血圧の決定的な原因であると一般に考えら れており、これは液交換療法が上記のSTSSのウサギのモデルでのショック症 状の防止に効くという観察によって裏付けされている。SPE−Aは、この病理 学を誘発するために宿主に幾つかの方法で作用し得るという仮説がある。SPE −A分子の中央領域におけるある単一アミノ酸置換が、HLAクラスII分子の 細胞分裂促進活性およびSPE−AによるHLAクラスII分子への結合に影響 を与えることが示されている(Hartwig et al.,International Immunology 5: 5:,869-875(1993))。 SPE−Aは、肝臓クッパー細胞の活性を犠牲にすることによって、内因性植 物由来の内毒素の肝臓クリアランス(clearance)を阻止することが示されてき た。これは、循環している内毒素を有意に増加させるらしく、リポ多糖類結合タ ンパク質(LBP)への結合およびCD14シグナリングを通して、マクロファ ージ活性化が起こり、次にTNF−α、および他のシトキンが放出される。病気 での内毒素の役割は、SPE−Aの致死効果が、動物へのポリミクシンBの投 与または病原体のないウサギの使用によって少なくとも部分的に中和され得ると いう発見によって裏付けられる。 ショック症状の誘発の別の様相は、この毒素の毛細管内皮細胞への直接的な活 性であり得る。この仮説は、ブドウ状球菌発熱性毒素TSST−1が、ヒトの臍 帯静脈細胞に直接結合し、単離されたブタの大動脈内皮細胞に対し細胞毒素性を 有するという発見に由来する。 請求の範囲 1.突然変異体SPE−A毒素が、1〜6個のアミノ酸置換を含み、野生型SP E−A毒素に実質的に対応するタンパク質と比べて、実質的に非致死性であり、 置換されたアミノ酸の少なくとも1つが、N末端アルファらせん3、ド メインBベータ鎖1、ドメインBベータ鎖2、ドメインBベータ鎖3、ドメイン Aベータ鎖6、ドメインAベータ鎖8、ドメインAベータ鎖9、ドメインAベー タ鎖10に位置するか、またはシステインである、 突然変異体SPE−A毒素またはそのフラグメント。 2.突然変異体SPE−A毒素が、1〜6個のアミノ酸置換を含み、 置換されたアミノ酸の少なくとも1つが、アスパラギン−20、リシン −157またはシステイン−98である、請求項1に記載の突然変異体SPE− A毒素。 3.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン またはアルギニンへのアスパラギン−20の置換、セリン、アラニン、グリシン 、またはトレオニンへのシステイン98の置換、あるいは、グルタミン酸または アスパラギン酸へのリシン−157の置換を含む、請求項2に記載の突然変異体 SPE−A毒素。 4.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン酸へのアスパラギン−20 、セリンへのシステイン98、グルタミン酸へのリシン−157の置換を含む、 請求項3に記載の突然変異体SPE−A毒素。 5.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン−20の置換を含む、請求 項2に記載の突然変異体SPE−A毒素。 6.置換が、アスパラギン酸へのアスパラギン−20である、請求項5に記載の 突然変異体SPE−A毒素。 7.システイン−98またはリシン−157の置換をさらに含む、請求項5に記 載の突然変異体SPE−A毒素。 8.置換が、セリンへのシステイン−98またはグルタミン酸へのリシン−15 7である、請求項7に記載の突然変異体SPE−A毒素。 9.突然変異体が、少なくとも1つの以下の特性を有する突然変異体SPE−A 毒素であって、特性とは、突然変異体は、T細胞ための細胞分裂促進性の低下を 有すること、突然変異体は、内毒素ショックを実質的に高めないこと、突然変異 体は、致死性でないこと、または突然変異体は、非致死性であるが、野生型SP E−A毒素に匹敵する細胞分裂促進性を保持することである、請求項1に記載の 突然変異体SPE−A毒素。 10.野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して動物を防護す るワクチンであって、請求項1に記載の少なくとも1つの突然変異体SPE−A 毒素の有効量を含むワクチン。 11.生理学上許容可能な担体と混合された請求項1に記載の突然変異体SPE −A毒素を含む製剤組成物。 12.請求項1に記載の突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列。 13.請求項12に記載のDNA配列を含む安定して形質転換された宿主細胞。 14.野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して動物を防護す る方法であって、請求項10に記載のワクチンを動物に投与することを含む方法 。 15.毒素ショックに伴う症状を軽減する方法であって、請求項10に記載のワ クチンを動物に投与することを含む方法。 16.突然変異体が、野生型SPE−A毒素に実質的に対応するタンパク質と比 べて、少なくとも2つのアミノ酸変化を有し、実質的に非致死性である、突然変 異体SPE−A毒素またはそのフラグメント。 17.突然変異体が、少なくとも1つの以下の特性を有する突然変異体SPE− A毒素であって、特性とは、突然変異体は、T細胞ための細胞分裂促進性の低下 を有すること、突然変異体は、内毒素ショックを実質的に高めないこと、突然変 異体は、致死性でないこと、または突然変異体は、非致死性であるが、野生型S PE−A毒素に匹敵する細胞分裂促進性を保持することである、請求項16に記 載の突然変異体SPE−A毒素。 18.野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して動物を防護す るワクチンであって、請求項16に記載の少なくとも1つの突然変異体SPE− A毒素の有効量を含むワクチン。 19.生理学上許容可能な担体と混合された請求項16に記載の突然変異体SP E−A毒素を含む製剤組成物。 20.請求項16に記載の突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列。 21.請求項29に記載のDNA配列を含む安定して形質転換された宿主細胞。 22.野生型SPE−A毒素の少なくとも1の生物活性に対して動物を防護する 方法であって、請求項18に記載のワクチンを動物に投与することを含む方法。 23.毒素ショックに伴う症状を軽減する方法であって、請求項18に記載のワ クチンを動物に投与することを含む方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I L,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK, MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ストア、ジェニファー アメリカ合衆国、ミネソタ州 55127、バ ドナイアス ハイツ、ウッドリッジ サー クル 3981、 (72)発明者 オーレンドルフ、ダグラス アメリカ合衆国、ミネソタ州 55347、イ ーデン プレーリー、オリンピア ドライ ブ 9397

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.突然変異体が、野生型SPE−A毒素に実質的に対応するタンパク質と比べ て、少なくとも1つのアミノ酸変化を有し、実質的に非致死性である、突然変異 体SPE−A毒素またはそのフラグメント。 2.突然変異体SPE−A毒素が、1〜6個のアミノ酸置換を含み、 置換されたアミノ酸の少なくとも1つが、N末端アルファらせん3、ド メインBベータ鎖1、ドメインBベータ鎖2、ドメインBベータ鎖3、ドメイン Aベータ鎖6、ドメインAベータ鎖8、ドメインAベータ鎖9、ドメインAベー タ鎖10に位置するか、またはシステインである、 請求項1に記載の突然変異体SPE−A毒素。 3.突然変異体SPE−A毒素が、1〜6個のアミノ酸置換を含み、 置換されたアミノ酸の少なくとも1つが、アスパラギン−20、リシン −157またはシステイン−98である、請求項1に記載の突然変異体SPE− A毒素。 4.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン またはアルギニンへのアスパラギン−20の置換、セリン、アラニン、グリシン 、またはトレオニンへのシステイン98の置換、あるいは、グルタミン酸または アスパラギン酸へのリシン−157の置換を含む、請求項3に記載の突然変異体 SPE−A毒素。 5.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン酸へのアスパラギン−20 、セリンへのシステイン98、グルタミン酸へのリシン−157の置換を含む、 請求項4に記載の突然変異体SPE−A毒素。 6.少なくとも1つのアミノ酸置換が、アスパラギン−20の置換を含む、請求 項3に記載の突然変異体SPE−A毒素。 7.置換が、アスパラギン酸へのアスパラギン−20である、請求項6に記載の 突然変異体SPE−A毒素。 8.システイン−98またはリシン−157の置換をさらに含む、請求項6に記 載の突然変異体SPE−A毒素。 9.置換が、セリンへのシステイン−98またはグルタミン酸へのリシン−15 7である、請求項8に記載の突然変異体SPE−A毒素。 10.突然変異体が、少なくとも1つの以下の特性を有する突然変異体SPE− A毒素であって、特性とは、突然変異体は、T細胞ための細胞分裂促進性の低下 を有すること、突然変異体は、内毒素ショックを実質的に高めないこと、突然変 異体は、致死性でないこと、または突然変異体は、非致死性であるが、野生型S PE−A毒素に匹敵する細胞分裂促進性を保持することである、請求項1に記載 の突然変異体SPE−A毒素。 11.野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して動物を防護す るワクチンであって、請求項1に記載の少なくとも1つの突然変異体SPE−A 毒素の有効量を含むワクチン。 12.生理学上許容可能な担体と混合された請求項1に記載の突然変異体SPE −A毒素を含む製剤組成物。 13.請求項1に記載の突然変異体SPE−A毒素をコードするDNA配列。 14.請求項13に記載のDNA配列を含む安定して形質転換された宿主細胞。 15.野生型SPE−A毒素の少なくとも1つの生物活性に対して動物を防護す る方法であって、請求項11に記載のワクチンを動物に投与することを含む方法 。 16.毒素ショックに伴う症状を軽減する方法であって、請求項11に記載のワ クチンを動物に投与することを含む方法。
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